JP2010053163A - ナフタレン環を有する単量体、高分子化合物、レジスト材料及びパターン形成方法 - Google Patents

ナフタレン環を有する単量体、高分子化合物、レジスト材料及びパターン形成方法 Download PDF

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Jun Hatakeyama
畠山  潤
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正樹 大橋
Takeshi Watanabe
武 渡辺
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Abstract

【課題】パターン硬化可能なレジスト材料、レジスト膜を硬化させる工程を含むパターン形成方法を提供することにより、ダブルパターニングプロセス等により高度な微細加工を可能にする。
【解決手段】一般式(1)で表されるナフタレン環を有する単量体、及びその単量体に由来する繰り返し単位を含有する高分子化合物。
Figure 2010053163

(R1はH、F、メチル基又はトリフルオロメチル基。R2はC1〜10の二価の有機基。R3、R4はH、又はC1〜10の一価の有機基。R2とR3又はR2とR4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。R3とR4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよい。Xは水酸基、ハロゲン原子、又はC1〜10の一価の有機基。nは0〜7。)
【選択図】なし

Description

本発明は、特にダブルパターニングプロセスにおいて重要なパターン硬化(Pattern Freezing)可能なレジスト材料を提供することを目的とする。このため、このレジスト材料のベース樹脂を製造するための材料として重要なナフタレン環を有する単量体、及びその単量体に由来する繰り返し単位を有する高分子化合物を提供する。また、その高分子化合物をベース樹脂として適用したレジスト材料、及びレジスト膜を硬化させる工程を含むパターン形成方法を提供する。
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、現在汎用技術として用いられている光露光では、光源の波長に由来する本質的な解像度の限界に近づきつつある。レジストパターン形成の際に使用する露光光として、1980年代には水銀灯のg線(436nm)もしくはi線(365nm)を光源とする光露光が広く用いられた。更なる微細化のための手段として、露光波長を短波長化する方法が有効とされ、1990年代の64Mビット(加工寸法が0.25μm以下)DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)以降の量産プロセスには、露光光源としてi線(365nm)に代わって短波長のKrFエキシマレーザー(248nm)が利用された。しかし、更に微細な加工技術(加工寸法が0.2μm以下)を必要とする集積度256M及び1G以上のDRAMの製造には、より短波長の光源が必要とされ、10年ほど前からArFエキシマレーザー(193nm)を用いたフォトグラフィーが本格的に検討されてきた。当初ArFリソグラフィーは180nmノードのデバイス作製から適用されるはずであったが、KrFエキシマリソグラフィーは130nmノードデバイス量産まで延命され、ArFリソグラフィーの本格適用は90nmノードからである。更に、NAを0.9にまで高めたレンズと組み合わせて65nmノードデバイスの検討が行われている。次の45nmノードデバイスには露光波長の短波長化が推し進められ、波長157nmのF2リソグラフィーが候補に挙がった。しかしながら、投影レンズに高価なCaF2単結晶を大量に用いることによるスキャナーのコストアップ、ソフトペリクルの耐久性が極めて低いためのハードペリクル導入に伴う光学系の変更、レジスト膜のエッチング耐性低下等の種々問題により、F2リソグラフィーの先送りと、ArF液浸リソグラフィーの早期導入が提唱された(非特許文献1:Proc. SPIE Vol. 4690 xxix)。
ArF液浸リソグラフィーにおいて、投影レンズとウエハーの間に水を含浸させることが提案されている。193nmにおける水の屈折率は1.44であり、NA(開口数)1.0以上のレンズを使ってもパターン形成が可能で、理論上はNAを1.44近くにまで上げることができる。当初、水温変化に伴う屈折率変化による解像性の劣化やフォーカスのシフトが指摘された。水温を1/100℃以内にコントロールすることと、露光によるレジスト膜からの発熱による影響もほぼ心配ないことが確認され、屈折率変化の問題が解決された。水中のマイクロバブルがパターン転写されることも危惧されたが、水の脱気を十分に行うことと、露光によるレジスト膜からのバブル発生の心配がないことが確認された。1980年代の液浸リソグラフィーの初期段階では、ステージを全て水に浸ける方式が提案されていたが、高速スキャナーの動作に対応するために投影レンズとウエハーの間のみに水を挿入し、水の給排水ノズルを備えたパーシャルフィル方式が採用された。水を用いた液浸によって原理的にはNAが1以上のレンズ設計が可能になったが、従来の屈折率系による光学系では巨大なレンズになってしまい、レンズが自身の自重によって変形してしまう問題が生じた。よりコンパクトなレンズ設計のために反射屈折(Catadioptric)光学系が提案され、NA1.0以上のレンズ設計が加速された。NA1.2以上のレンズと強い超解像技術の組み合わせで45nmノードの可能性が示され(非特許文献2:Proc. SPIE Vol. 5040 p724)、更にはNA1.35のレンズの開発も行われている。
32nmノードのリソグラフィー技術としては、波長13.5nmの真空紫外光(EUV)リソグラフィーが候補に挙げられている。EUVリソグラフィーの問題点としてはレーザーの高出力化、レジスト膜の高感度化、高解像度化、低ラインエッジラフネス(LWR)化、無欠陥MoSi積層マスク、反射ミラーの低収差化などが挙げられ、克服すべき問題が山積している。
NA1.35レンズを使った水液浸リソグラフィーの最高NAで到達できる解像度は40〜38nmであり、32nmには到達できない。そこで更にNAを高めるための高屈折率材料の開発が行われている。レンズのNAの限界を決めるのは投影レンズ、液体、レジスト膜の中で最小の屈折率である。水液浸の場合、投影レンズ(合成石英で屈折率1.5)、レジスト膜(従来のメタクリレート系で屈折率1.7)に比べて水の屈折率が最も低く、水の屈折率によって投影レンズのNAが決まっていた。最近、屈折率1.65の高透明な液体が開発されてきている。この場合、合成石英による投影レンズの屈折率が最も低く、屈折率の高い投影レンズ材料を開発する必要がある。LUAG(Lu3Al512)は屈折率が2以上であり、最も期待される材料ではあるが、複屈折率と吸収が大きい問題を持っている。また、屈折率1.8以上の投影レンズ材料が開発されたとしても屈折率1.65の液体ではNAは1.55止まりであり、32nmを解像できない。32nmを解像するには屈折率1.8以上の液体が必要である。今のところ吸収と屈折率がトレードオフの関係にあり、このような材料は未だ見つかっていない。アルカン系化合物の場合、屈折率を上げるためには直鎖状よりは有橋環式化合物の方が好ましいが、環式化合物は粘度が高いために露光装置ステージの高速スキャンに追随できない問題も孕んでいる。また、屈折率1.8の液体が開発された場合、屈折率の最小がレジスト膜になるために、レジスト膜も1.8以上に高屈折率化する必要がある。
ここで最近注目を浴びているのは1回目の露光と現像でパターンを形成し、2回目の露光で1回目のパターンの丁度間にパターンを形成するダブルパターニングプロセスである(非特許文献3:Proc. SPIE Vol. 5754 p1508(2005))。ダブルパターニングの方法としては多くのプロセスが提案されている。例えば、1回目の露光と現像でラインとスペースが1:3の間隔のフォトレジストパターンを形成し、ドライエッチングで下層のハードマスクを加工し、その上にハードマスクをもう1層敷いて1回目の露光のスペース部分にフォトレジスト膜の露光と現像でラインパターンを形成してハードマスクをドライエッチングで加工して初めのパターンのピッチの半分のラインアンドスペースパターンを形成する方法である。また、1回目の露光と現像でスペースとラインが1:3の間隔のフォトレジストパターンを形成し、ドライエッチングで下層のハードマスクをドライエッチングで加工し、その上にフォトレジスト膜を塗布してハードマスクが残っている部分に2回目のスペースパターンを露光しハードマスクをドライエッチングで加工する。いずれも2回のドライエッチングでハードマスクを加工する。
前述の方法では、ハードマスクを2回敷く必要があり、後者の方法ではハードマスクが1層で済むが、ラインパターンに比べて解像が困難なトレンチパターンを形成する必要がある。後者の方法では、トレンチパターンの形成にネガ型レジスト材料を使う方法がある。これだとポジパターンでラインを形成するのと同じ高コントラストの光を用いることができるが、ポジ型レジスト材料に比べてネガ型レジスト材料の方が溶解コントラストが低いために、ポジ型レジスト材料でラインを形成する場合に比較してネガ型レジスト材料で同じ寸法のトレンチパターンを形成した場合を比較するとネガ型レジスト材料を使った方が解像性が低い。後者の方法で、ポジ型レジスト材料を用いて広いトレンチパターンを形成してから、基板を加熱してトレンチパターンをシュリンクさせるサーマルフロー法や、現像後のトレンチパターンの上に水溶性膜をコートしてから加熱してレジスト膜表面を架橋させることによってトレンチをシュリンクさせるRELACS法を適用させることも考えられるが、プロキシミティーバイアスが劣化するという欠点やプロセスが更に煩雑化し、スループットが低下する欠点が生じる。
前者、後者の方法においても、基板加工のエッチングは2回必要なため、スループットの低下と2回のエッチングによるパターンの変形や位置ずれが生じる問題がある。
エッチングを1回で済ませるために、1回目の露光でネガ型レジスト材料を用い、2回目の露光でポジ型レジスト材料を用いる方法がある。1回目の露光でポジ型レジスト材料を用い、2回目の露光でポジ型レジスト材料が溶解しない炭素4以上の高級アルコールに溶解させたネガ型レジスト材料を用いる方法もある。これらの場合、解像性が低いネガ型レジスト材料を使うと解像性の劣化が生じる。
1回目の露光と2回目の露光の間にPEB(post−exposure bake)、現像を行わない方法は、最もシンプルな方法である。この場合、1回目の露光を行い、位置をずらしたパターンが描画されたマスクに交換して2回目の露光を行い、PEB、現像、ドライエッチングを行う。1回の露光毎にマスクを交換するとスループットが非常に低下するので、ある程度まとめて1回目の露光を行った後に2回目の露光を行う。そうすると、1回目の露光と2回目の露光の間の放置時間によっては酸の拡散による寸法変動やT−top形状発生などの形状の変化が生じる。T−topの発生を抑えるためにはレジスト保護膜の適用は効果的である。液浸用レジスト保護膜を適用することによって、2回の露光と1回のPEB、現像、ドライエッチングを行うプロセスを行うことができる。2台のスキャナーを並べて1回目の露光と2回目の露光を連続して行うこともできる。この場合は2台のスキャナー間のレンズの収差によって生じる位置ずれや、スキャナーコストが倍になる問題が生じる。
ダブルパターニングにおいて最もクリティカルな問題となるのは、1回目のパターンと2回目のパターンの合わせ精度である。位置ずれの大きさがラインの寸法のバラツキとなるために、例えば32nmのラインを10%の精度で形成しようとすると3.2nm以内の合わせ精度が必要となる。現状のスキャナーの合わせ精度が8nm程度であるので、大幅な精度の向上が必要である。
レジストパターンのラインエッジラフネスの問題が深刻になっている。ゲート電極の寸法バラツキはトランジスタの性能を左右する問題であるが、微細化の進行と共にラインエッジラフネスの大きさがトランジスタの閾値電流のバラツキを生む要因になってきている。レジスト材料や、ドライエッチング技術の改良によって、あるいはプロセスの改良によってラフネスの低減が図られている。レジスト材料については、酸発生剤とクエンチャー両方の添加量の増大によるコントラスト増大や、フルオロアルコールやラクトンなどの密着性基導入によるアルカリ現像中の膨潤低減などがラフネス低減に寄与した。フォトレジストプロセスにおいては、現像後の熱フローや、臭素プラズマ処理などのフロープロセスが効果的であった。但し、フロープロセスはパターンの変形やパターンのシュリンクによって寸法が変化してしまう問題があった。
ベンジルアルコールの酸による架橋反応は古くからよく知られており、硬化剤として一般的に用いられている。この架橋反応を利用したアセナフチレンメタノールを有する架橋性の反射防止膜組成物が特許文献1:特開2004−168748号公報、アセナフチレンメタノール、ビニルナフタレンメタノールを共重合した酸による架橋可能なパターンシュリンク剤が特許文献2:特開2007−293294号公報に示されている。アセナフチレンメタノールと酸不安定基で置換されたヒドロキシスチレンとの共重合によるポジ型レジスト材料が特許文献3:特開2005−330369号公報に、特許文献4:特許第3762758号公報に2−メタクリルオキシ−6−ヒドロキシメチルナフタレン及びこれを共重合ネガレジストが提案されている。
Proc. SPIE Vol. 4690 xxix Proc. SPIE Vol. 5040 p724 Proc. SPIE Vol. 5754 p1508(2005) 特開2004−168748号公報 特開2007−293294号公報 特開2005−330369号公報 特許第3762758号公報
上述したように、2回の露光と現像により作製したレジストパターンを、2回のドライエッチングで基板加工を行おうとすると、スループットが半分に低下する。また、ドライエッチングによるパターンの位置ずれの問題が生じる。
本発明は、上記事情を改善したもので、1回のドライエッチングで基板を加工するダブルパターニングプロセスを可能にするため、パターン硬化(Pattern Freezing)可能なレジスト材料を提供することを可能とするレジスト材料のベース樹脂を製造するための材料として重要な単量体、及びそれを用いた高分子化合物を提供すること、また、その高分子化合物をベース樹脂として適用したレジスト材料、及びそのレジスト膜を硬化させる工程を含むパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)で表されるナフタレン環を有する単量体が容易に製造でき、更にこのナフタレン環を有する単量体から得られた高分子化合物をベース樹脂として用いたレジスト材料が、パターン硬化工程に適し、精密な微細加工に極めて有効であることを知見するに至った。
即ち、本発明は、下記のナフタレン環を有する単量体、及びその単量体に由来する繰り返し単位を含有する高分子化合物、その高分子化合物をベース樹脂として適用したレジスト材料、及びそのレジスト膜を硬化させる工程を含むパターン形成方法を提供する。
[請求項1]
下記一般式(1)で表されるナフタレン環を有する単量体。
Figure 2010053163

(式中、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R2は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい二価の有機基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい一価の有機基を表す。R2とR3又はR2とR4は互いに結合してこれらが結合する(即ち、R2とR4の場合は直接結合する、R3の場合は酸素原子を介して結合する)炭素原子と共に環を形成してもよく、この場合、R2とR3又はR2とR4を合わせて炭素数2〜20の三価の有機基を表す。R3とR4は互いに結合してこれらが結合する(即ち、R3の場合は酸素原子を介して結合する、R4の場合は直接結合する)炭素原子と共に環を形成してもよく、この場合、R3とR4を合わせて炭素数2〜20の二価の有機基を表す。Xは水酸基、ハロゲン原子、又は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい一価の有機基を表す。nは0〜7の整数を表す。)
[請求項2]
下記一般式(1a)で表される、請求項1に記載のナフタレン環を有する単量体から得られる繰り返し単位を含有することを特徴とする高分子化合物。
Figure 2010053163

(式中、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R2は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい二価の有機基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい一価の有機基を表す。R2とR3又はR2とR4は互いに結合してこれらが結合する(即ち、R2とR4の場合は直接結合する、R3の場合は酸素原子を介して結合する)炭素原子と共に環を形成してもよく、この場合、R2とR3又はR2とR4を合わせて炭素数2〜20の三価の有機基を表す。R3とR4は互いに結合してこれらが結合する(即ち、R3の場合は酸素原子を介して結合する、R4の場合は直接結合する)炭素原子と共に環を形成してもよく、この場合、R3とR4を合わせて炭素数2〜20の二価の有機基を表す。Xは水酸基、ハロゲン原子、又は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい一価の有機基を表す。nは0〜7の整数を表す。)
[請求項3]
更に、上記一般式(1a)で表される化合物の繰り返し単位に加え、下記一般式(5a)〜(8a)で表される繰り返し単位のいずれか1種以上を含有する請求項2に記載の高分子化合物。
Figure 2010053163

(式中、R1は上記と同様である。R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は水酸基を示す。Wは酸不安定基を示す。Yはラクトン構造を有する置換基を示す。Zは水素原子、炭素数1〜15のフルオロアルキル基又は炭素数1〜15のフルオロアルコール含有置換基を示す。)
[請求項4]
請求項2又は3に記載の高分子化合物をベース樹脂として含有することを特徴とするレジスト材料。
[請求項5]
請求項4に記載のレジスト材料を用いて形成したレジスト膜を酸及び/又は熱により硬化する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
本発明は、ナフタレン環を有する単量体、及びその単量体に由来する繰り返し単位を含有する高分子化合物を提供し、パターン硬化(Pattern Freezing)可能なレジスト材料を提供し、レジスト膜を硬化させる工程を含むパターン形成方法を提供することにより、ダブルパターニングプロセス等により高度な微細加工を可能にする。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、以下の化学式において、化学構造上、エナンチオ異性体(Enantiomer)あるいはジアステレオ異性体(Diastereomer)が存在し得るものがあるが、特に記載がない限り、いずれの場合も各化学式はこれらの立体異性体の全てを代表して表すものとする。また、これらの立体異性体は、単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。
本発明のナフタレン環を有する単量体は、下記一般式(1)で表されるものである。
Figure 2010053163

(式中、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R2は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい二価の有機基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい一価の有機基を表す。R2とR3又はR2とR4は互いに結合してこれらが結合する(即ち、R2とR4の場合は直接結合する、R3の場合は酸素原子を介して結合する)炭素原子と共に環を形成してもよく、この場合、R2とR3又はR2とR4を合わせて炭素数2〜20の三価の有機基を表す。R3とR4は互いに結合してこれらが結合する(即ち、R3の場合は酸素原子を介して結合する、R4の場合は直接結合する)炭素原子と共に環を形成してもよく、この場合、R3とR4を合わせて炭素数2〜20の二価の有機基を表す。Xは水酸基、ハロゲン原子、又は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい一価の有機基を表す。nは0〜7の整数を表す。)
2は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい二価の有機基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基、メチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルエチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルエチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルブチル基、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルエチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルエチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルブチル基、メチルビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.2]オクチルエチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルエチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルブチル基、メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルエチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルエチル基、アダマンチルブチル基、メチルアダマンチルメチル基、エチルアダマンチルメチル基、エチルアダマンチルエチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルエチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルブチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルエチル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基等の直鎖状、分岐状又は環状の一価炭化水素基から一つの水素原子を取り去った二価の有機基を例示でき、基中の水素原子が水酸基に置換されていてもよく、基中の一つ又は複数のメチレン基(−CH2−)がエーテル結合(−O−)又はエステル結合[カルボン酸エステル−O−(C=O)−又は炭酸エステル−O−(C=O)−O−]、又はカルボニル基[−(C=O)−]に置換されていてもよく、また、これらの基中に不飽和結合(二重結合−C=C−又は三重結合−C≡C−)を含んでもよい。
3、R4は水素原子、又は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい一価の有機基である。一価の有機基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基、メチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルエチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルエチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルブチル基、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルエチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルエチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルブチル基、メチルビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.2]オクチルエチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルエチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルブチル基、メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルエチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルエチル基、アダマンチルブチル基、メチルアダマンチルメチル基、エチルアダマンチルメチル基、エチルアダマンチルエチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルエチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルブチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルエチル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基等の直鎖状、分岐状又は環状の一価の有機基を例示でき、基中の水素原子が水酸基に置換されていてもよく、基中の一つ又は複数のメチレン基(−CH2−)がエーテル結合(−O−)、エステル結合[カルボン酸エステル−O−(C=O)−又は炭酸エステル−O−(C=O)−O−]、又はカルボニル基[−(C=O)−]に置換されていてもよく、また、これらの基中に不飽和結合(二重結合−C=C−又は三重結合−C≡C−)を含んでもよい。
2、R3は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよく、この場合、R2、R3を合わせて炭素数2〜20の三価の有機基を表し、また、R3とR4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよく、この場合、R3とR4を合わせて炭素数2〜20の二価の有機基を表す。これらの場合、本発明のナフタレン環を含む単量体は下記一般式(2)又は(3)で表される。
Figure 2010053163

(式中、R1、R2、R4、X、nは前記と同様である。)
上記一般式(2)、(3)中の部分構造
Figure 2010053163

として、オキシラン、オキセタン、オキソラン、オキサン、オキセパン、オキソカン、オキソナン、オキセカン、ジオキソラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキセパン、1,4−ジオキセパン等の含酸素複素環及びそれらの不飽和誘導体を例示できる。またこれらの環中の炭素原子が窒素原子又は硫黄原子で置換されたヘテロ原子を2種以上含む複素環でもよい。また、これらの環を含む縮合環でもよい。
2とR4は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成してもよく、この場合、R2とR4を合わせて炭素数2〜20の三価の有機基を表す。ここで、本発明のナフタレン環を含む単量体は下記一般式(4)で表される。
Figure 2010053163

(式中、R1、R3、X、nは前記と同様である。)
上記一般式(4)中の部分構造
Figure 2010053163

として、無置換又は置換シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、アダマンタン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の環状炭化水素を例示でき、基中の水素原子が水酸基に置換されていてもよく、基中の一つ又は複数のメチレン基(−CH2−)がエーテル結合(−O−)、エステル結合[カルボン酸エステル−O−(C=O)−又は炭酸エステル−O−(C=O)−O−]、又はカルボニル基[−(C=O)−]に置換されていてもよく、また、これらの基中に不飽和結合(二重結合−C=C−又は三重結合−C≡C−)を含んでもよい。
Xは水酸基、ハロゲン原子、炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい一価の有機基である。一価の有機基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基、メチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルメチル基、エチルシクロヘキシルエチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルエチル基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチルブチル基、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.1]ヘプチルエチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルエチル基、ビシクロ[2.2.2]オクチルブチル基、メチルビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.2]オクチルメチル基、エチルビシクロ[2.2.2]オクチルエチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルエチル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デシルブチル基、メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルメチル基、エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デシルエチル基、アダマンチル基、アダマンチルメチル基、アダマンチルエチル基、アダマンチルブチル基、メチルアダマンチルメチル基、エチルアダマンチルメチル基、エチルアダマンチルエチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルエチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルブチル基、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルメチル基、エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシルエチル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基等の直鎖状、分岐状又は環状の一価の有機基を例示でき、基中の水素原子が水酸基に置換されていてもよく、基中の一つ又は複数のメチレン基(−CH2−)がエーテル結合(−O−)、エステル結合[カルボン酸エステル−O−(C=O)−又は炭酸エステル−O−(C=O)−O−]、又はカルボニル基[−(C=O)−]に置換されていてもよく、また、これらの基中に不飽和結合(二重結合−C=C−又は三重結合−C≡C−)を含んでもよい。
次に、本発明の水酸基を有する単量体の設計思想(Design concept)について述べる。
本発明のナフタレン環を有する単量体は後述する高分子化合物の繰り返し単位(1a)として用いられ、得られた高分子化合物をベース樹脂として用いたレジスト材料はパターン硬化工程に適用することを目的とする。必須の条件として、<1>重合のための重合性官能基(特に汎用性の高い(メタ)アクリレート単位が好ましい)、<2>架橋性官能基としてのベンジル位の酸素官能基(芳香族に隣接する炭素原子上の酸素官能基、)、<3>ArFレーザー等の光源に対する透明性を確保するためのナフタレン環(ベンゼン環では透明性が得られない)が挙げられる。
この条件を満たす単量体の製造に用いられる原料としては種々のナフタレン誘導体が考えられるが、二置換以上の複数の官能基を持つナフタレン誘導体は工業的な入手は容易とは限らない。また、一置換ナフタレンに対する芳香族求電子置換反応等による二つ目の官能基の導入には位置選択性の問題がある。また、<1>の重合性官能基と<2>のベンジル位酸素官能基をナフタレン環状にそれぞれ別々に結合させる分子設計においては、それらの二官能ナフタレン誘導体の官能基の変換と変換の際の選択性(区別)が収率よく単量体を製造するためには必要とされる。これに比べ一置換ナフタレンを用いて、その置換基に二つの機能、即ち、<1>重合性官能基と<2>架橋性官能基の機能を同時に持たせることができれば、容易に入手できる一官能性ナフタレン化合物を原料として用いることができ、原料選択の自由度が高く、製造が容易で、工業的に優れた単量体を実現できると考えた。
<1>の重合性官能基としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、トリフルオロメチルアクリル酸エステルの汎用性が高く、有用である。
<2>のベンジル位酸素官能基としては、水酸基(ベンジルアルコール型、下記一般式(1)においてR3が水素原子の場合)、アルコキシ基(ベンジルエーテル、下記一般式(1)においてR3が置換又は非置換のアルキル基の場合)、アシロキシ基(ベンジルエステル、下記一般式(1)においてR3が置換又は非置換のアシル基の場合)が挙げられ、いずれの酸素官能基も酸性条件下、酸素原子がプロトン化され、又は加熱条件下、ベンジル位にカルボカチオンが生成し(又はカルボカチオン性を帯び)、アルコール、フェノール、アミン等のヘテロ原子を含む求核剤による置換反応や電子が豊富な芳香環との求電子置換反応の結合形成が起こることにより架橋形成が可能と考えられる。
Figure 2010053163

(式中、R1、R2、R3、R4、X、nは前記と同様である。)
また、モノマー分子の剛直性は、レジストポリマーの熱的な性能(ガラス転移温度等)を制御し、レジストポリマーとしての機能を発現させる際に重要であり、重合性官能基とナフタレン環を結合させる連結基として長い鎖状のアルキレン等の配座の自由度の高い結合基より、取りうる配座の限定された環状の連結基が好ましい。またこの連結基の役割として、架橋性のベンジル位酸素官能基を重合性置換基が重合してできるポリマー主鎖から適当な空間的距離だけ離して存在させることにより、架橋反応性を適度に調節することができる。
例えば、下記一般式(2)、(3)で表されるベンジル位酸素官能基を環内に有する含酸素複素環は必要な官能基を全てもち、同時にポリマーに適度な剛直性を与えることができ、好ましい。
Figure 2010053163
あるいは、下記一般式(4)で表される環構造も同様の理由で好ましい。
Figure 2010053163
本発明のナフタレン環を有する単量体として、更に具体的には以下のものを例示できるが、これらのものに限定されない。
Figure 2010053163

(式中、R1は前記と同様である。Meはメチル基を示す。)
本発明の一般式(1)で表されるナフタレン環を有する単量体の製造方法について述べる。実施例で例を挙げて後述するように個々の化合物の構造により異なるが、下記一般式(1b)で表されるアルコール化合物を常法により合成した後、そのアシル化(エステル化)により製造できる。
Figure 2010053163

(式中、R1、R2、R3、R4、X、nは前記と同様である。)
3が水素原子の場合、(1b)はジオール化合物となり、アシル化反応において、二つの水酸基の両方がアシル化された上記一般式(1c)で表されるジエステル化合物と(1)の位置異性体(1d)が生成する可能性がある。このジエステル化合物(1c)や位置異性体(1d)をそのままモノマーとして用いることができる。しかし、モノエステル化合物(1)が目的物である場合には、用いる試薬の使用量や反応条件を制御することにより目的物(1)の割合が大きくなるように実施することが好ましい。生成したジエステル化合物(1c)や位置異性体(1d)を加水分解等の方法により原料のジオール化合物(1b)に戻してリサイクルすることもできるし、あるいは、(1c)を部分加水分解することにより目的物(1)に導いてもよい。また、保護基を用いて水酸基のうち一つだけをあらかじめ保護した後、アシル化して、得られた保護基を脱保護して目的物(1)に導いてもよい。
3がアルキル基あるいはアシル基等の一価の有機基である場合、目的のアシル化において上記位置選択性の問題は回避でき、通常のアシル化反応で(1)が合成できる。上記で保護基を用いる合成について触れたが、保護基が目的物のアルキル基あるいはアシル基であれば、それらは目的のモノマー自身となり、そのまま脱保護することなく使用に供することができる。
アシル化反応としては、公知のエステルの製造方法、例えば、アシル化剤との反応、カルボン酸との反応、エステル交換反応を適用できる。アシル化剤を用いる反応では、好ましくは塩化メチレン、クロロフォルム、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤類、へキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類、アセトニトリルなどのニトリル類、アセトン、2−ブタノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシド、ヘキサメチルホスホリックトリアミドなどの非プロトン性極性溶媒類から選択して単独あるいは2種類以上を混合しての溶媒中、原料の化合物(1b)と、アクリル酸クロリド、メタクリル酸クロリド、アクリル酸ブロミド、メタクリル酸ブロミド、α−トリフルオロメチルアクリル酸クロリド等の酸ハロゲン化物、又は、無水アクリル酸、無水メタクリル酸、無水α−トリフルオロメチルアクリル酸、アクリル酸トリフルオロ酢酸混合酸無水物、メタクリル酸トリフルオロ酢酸混合酸無水物、α−トリフルオロメチルアクリル酸トリフルオロ酢酸混合酸無水物、アクリル酸ピバル酸混合酸無水物、メタクリル酸ピバル酸混合酸無水物、α−トリフルオロメチルアクリル酸ピバル酸混合酸無水物、アクリル酸p−ニトロ安息香酸混合酸無水物、メタクリル酸p−ニトロ安息香酸混合酸無水物、アクリル酸エチル炭酸混合酸無水物、メタクリル酸エチル炭酸混合酸無水物、アクリル酸p−ニトロフェニル、メタクリル酸p−ニトロフェニル、α−トリフルオロメチルアクリル酸p−ニトロフェニル等の酸無水物等のアシル化剤とトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン等の塩基類を順次又は同時に加えて反応させる。酸無水物等のアシル化剤を用いる反応では塩基の代わりに塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸類、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸類から選ばれる酸触媒下に反応を行うこともできる。アシル化反応温度は用いるアシル化剤の種類や反応条件により適切な反応温度を選択できるが、一般的には−50℃から溶媒の沸点程度が好ましく、−20℃から室温程度が更に好ましい。アシル化剤の使用量は、構造に依存するが、化合物(1b)1モルに対し1〜40モル、好ましくは1〜5モルの範囲である。カルボン酸との反応は、対応するカルボン酸、即ち、アクリル酸、メタクリル酸、α−トリフルオロメチルアクリル酸のいずれかと原料の化合物(1b)からの脱水反応であり、酸触媒下に行うのが一般的である。カルボン酸の使用量は、構造に依存するが、化合物(1b)1モルに対し1〜40モル、好ましくは1〜5モルの範囲である。酸触媒の例として、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸類、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸類を例示でき、これらは単独又は混合して用いられる。酸触媒の使用量は、化合物(1b)1モルに対し0.001〜1モル、好ましくは0.01〜0.05モルの触媒量である。溶媒としては上記エステル化剤との反応に挙げたものと同様のものを例示できるが、一般的には−50℃から溶媒の沸点程度が好ましい。へキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類を含む溶媒を用いて、生じる水を共沸により系外に除去しながら反応を進行させるのもよい。この場合、常圧で溶媒の沸点で還流しながら水を留去してもよいが、減圧下に沸点より低い温度で水の留去を行ってもよい。エステル交換反応では、対応するカルボン酸のエステル、即ち、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、α−トリフルオロメチルアクリル酸エステルのいずれかと原料の化合物(1b)とを触媒存在下に反応させ、生じるアルコールを除去することにより実施する。用いるカルボン酸エステルとしては第一級アルキルエステルが好ましく、特にメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステルが価格、反応の進行のしやすさ等の点から好ましい。カルボン酸エステルの使用量は、構造に依存するが、化合物(1b)1モルに対し1〜40モル、好ましくは1〜5モルの範囲である。触媒としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸類、シュウ酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸類、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド、4−ジメチルアミノピリジン等の塩基類、青酸ナトリウム、青酸カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸カルシウム、酢酸錫、酢酸アルミニウム、アセト酢酸アルミニウム、アルミナ等の塩類、三塩化アルミニウム、アルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素、四塩化錫、四臭化錫、二塩化ジブチル錫、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫オキシド、四塩化チタン、四臭化チタン、チタン(IV)メトキシド、チタン(IV)エトキシド、チタン(IV)イソプロポキシド、酸化チタン(IV)等のルイス酸類を挙げることができ、これらは単独又は混合して用いられる。触媒の使用量は、化合物(1b)1モルに対し0.001〜20モル、好ましくは0.01〜0.05モルの触媒量である。反応は無溶媒(反応試薬であるカルボン酸エステル自身を溶媒として用いてもよい)で行うことができ、余計な濃縮・溶媒回収等の操作を必要としないので好ましいが、目的物や反応試薬の重合を防ぐ等の目的で溶媒を補助的に用いることも可能である。この場合、溶媒として、へキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン等の炭化水素類、ジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル類の単独又は混合使用が好ましい。反応温度は用いるカルボン酸エステルの種類や反応条件により適切な反応温度を選択できるが、通常、加熱下に行われ、エステル交換反応で生じる低沸点のアルコール、即ち、メタノール、エタノール、1−プロパノール等の沸点付近で反応を行い、生じるアルコールを留去しながら行うのがよい結果を与える。減圧下に沸点より低い温度でアルコールの留去を行ってもよい。
本発明の単量体及び合成中間体は、必要に応じて、蒸留、晶析、再結晶、クロマトグラフィー等の常法に従って精製して用いることができる。
本発明の高分子化合物は、下記一般式(1a)で表される単量体から得られる繰り返し単位を含有することを特徴とする高分子化合物である。
Figure 2010053163

(式中、R1、R2、R3、R4、X、nは前記と同様である。)
また、本発明の高分子化合物には、上記一般式(1a)で表される化合物の繰り返し単位に加え、下記一般式(5a)〜(8a)で表される繰り返し単位をいずれか1種以上含有することができる。
Figure 2010053163

(式中、R1は上記と同様である。R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は水酸基を示す。Wは酸不安定基を示す。Yはラクトン構造を有する置換基を示す。Zは水素原子、炭素数1〜15のフルオロアルキル基又は炭素数1〜15のフルオロアルコール含有置換基を示す。)
上記一般式(5a)で表される繰り返し単位を含有する重合体は、酸の作用で分解してカルボン酸を発生し、アルカリ可溶性となる重合体を与える。酸不安定基Wとしては種々用いることができるが、具体的には下記一般式(L1)〜(L4)で表される基、炭素数4〜20、好ましくは4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等を挙げることができる。
Figure 2010053163
ここで、破線は結合手を示す(以下、同様)。
式中、RL01、RL02は水素原子又は炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、2−エチルヘキシル基、n−オクチル基、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、アダマンチル基等が例示できる。RL03は炭素数1〜18、好ましくは1〜10の酸素原子等のヘテロ原子を有してもよい一価の炭化水素基を示し、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基等に置換されたものを挙げることができ、具体的には下記の置換アルキル基等が例示できる。
Figure 2010053163
L01とRL02、RL01とRL03、RL02とRL03とは互いに結合してこれらが結合する炭素原子や酸素原子と共に環を形成してもよく、環を形成する場合には環の形成に関与するRL01、RL02、RL03はそれぞれ炭素数1〜18、好ましくは1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。
L04は炭素数4〜20、好ましくは4〜15の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基又は上記一般式(L1)で表される基を示し、三級アルキル基としては、具体的にはtert−ブチル基、tert−アミル基、1,1−ジエチルプロピル基、2−シクロペンチルプロパン−2−イル基、2−シクロヘキシルプロパン−2−イル基、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)プロパン−2−イル基、2−(アダマンタン−1−イル)プロパン−2−イル基、1−エチルシクロペンチル基、1−ブチルシクロペンチル基、1−エチルシクロヘキシル基、1−ブチルシクロヘキシル基、1−エチル−2−シクロペンテニル基、1−エチル−2−シクロヘキセニル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等が例示でき、トリアルキルシリル基としては、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等が例示でき、オキソアルキル基としては、具体的には3−オキソシクロヘキシル基、4−メチル−2−オキソオキサン−4−イル基、5−メチル−2−オキソオキソラン−5−イル基等が例示できる。yは0〜6の整数である。
L05は炭素数1〜8の置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示し、置換されていてもよいアルキル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基、シアノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルホ基等に置換されたもの等が例示でき、置換されていてもよいアリール基としては、具体的にはフェニル基、メチルフェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基等が例示できる。式(L3)において、mは0又は1、nは0、1、2、3のいずれかであり、2m+n=2又は3を満足する数である。
L06は炭素数1〜8の置換されていてもよい直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又は炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール基を示し、具体的にはRL05と同様のもの等が例示できる。RL07〜RL16はそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜15の一価の炭化水素基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基等の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、これらの水素原子の一部が水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、オキソ基、アミノ基、アルキルアミノ基、シアノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、スルホ基等に置換されたもの等が例示できる。RL07〜RL16は互いに結合してこれらが結合する炭素原子と共に環を形成していてもよく(例えば、RL07とRL08、RL07とRL09、RL08とRL10、RL09とRL10、RL11とRL12、RL13とRL14等)、その場合には環の形成に関与する基は炭素数1〜15の二価の炭化水素基を示し、具体的には上記一価の炭化水素基で例示したものから水素原子を1個除いたもの等が例示できる。また、RL07〜RL16は隣接する炭素に結合するもの同士で何も介さずに結合し、二重結合を形成してもよい(例えば、RL07とRL09、RL09とRL15、RL13とRL15等)。
上記式(L1)で表される酸不安定基のうち直鎖状又は分岐状のものとしては、具体的には下記の基が例示できる。
Figure 2010053163
上記式(L1)で表される酸不安定基のうち環状のものとしては、具体的にはテトラヒドロフラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、2−メチルテトラヒドロピラン−2−イル基等が例示できる。
上記式(L2)の酸不安定基としては、具体的にはtert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミロキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニルメチル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニル基、1,1−ジエチルプロピルオキシカルボニルメチル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニル基、1−エチルシクロペンチルオキシカルボニルメチル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニル基、1−エチル−2−シクロペンテニルオキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等が例示できる。
上記式(L3)の酸不安定基としては、具体的には1−メチルシクロペンチル、1−エチルシクロペンチル、1−n−プロピルシクロペンチル、1−イソプロピルシクロペンチル、1−n−ブチルシクロペンチル、1−sec−ブチルシクロペンチル、1−シクロヘキシルシクロペンチル、1−(4−メトキシ−n−ブチル)シクロペンチル、1−メチルシクロヘキシル、1−エチルシクロヘキシル、3−メチル−1−シクロペンテン−3−イル、3−エチル−1−シクロペンテン−3−イル、3−メチル−1−シクロヘキセン−3−イル、3−エチル−1−シクロヘキセン−3−イル等が例示できる。
上記式(L4)の酸不安定基としては、下記式(L4−1)〜(L4−4)で表される基が特に好ましい。
Figure 2010053163
前記一般式(L4−1)〜(L4−4)中、破線は結合位置及び結合方向を示す。RL41はそれぞれ独立に炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基等の一価炭化水素基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を例示できる。
前記一般式(L4−1)〜(L4−4)は、エナンチオ異性体(enantiomer)やジアステレオ異性体(diastereomer)が存在しえるが、前記一般式(L4−1)〜(L4−4)は、これらの立体異性体の全てを代表して表す。これらの立体異性体は単独で用いてもよいし、混合物として用いてもよい。
例えば、前記一般式(L4−3)は下記一般式(L4−3−1)、(L4−3−2)で表される基から選ばれる1種又は2種の混合物を代表して表すものとする。
Figure 2010053163

(式中、RL41は前述と同様である。)
また、上記一般式(L4−4)は下記一般式(L4−4−1)〜(L4−4−4)で表される基から選ばれる1種又は2種以上の混合物を代表して表すものとする。
Figure 2010053163

(式中、RL41は前述と同様である。)
上記一般式(L4−1)〜(L4−4)、(L4−3−1)、(L4−3−2)及び(L4−4−1)〜(L4−4−4)は、それらのエナンチオ異性体及びエナンチオ異性体混合物をも代表して示すものとする。
なお、(L4−1)〜(L4−4)、(L4−3−1)、(L4−3−2)及び(L4−4−1)〜(L4−4−4)の結合方向がそれぞれビシクロ[2.2.1]ヘプタン環に対してexo側であることによって、酸触媒脱離反応における高反応性が実現される(特開平12−336121号公報参照)。これらビシクロ[2.2.1]ヘプタン骨格を有する3級exo−アルキル基を置換基とする単量体の製造において、下記一般式(L4−1−endo)〜(L4−4−endo)で表されるendo−アルキル基で置換された単量体を含む場合があるが、良好な反応性の実現のためにはexo比率が50%以上であることが好ましく、exo比率が80%以上であることが更に好ましい。
Figure 2010053163

(式中、RL41は前述と同様である。)
上記式(L4)の酸不安定基としては、具体的には下記の基が例示できる。
Figure 2010053163
また、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基としては、具体的にはRL04で挙げたものと同様のもの等が例示できる。
前記一般式(5a)で表される繰り返し単位として具体的には下記のものを例示できるがこれらに限定されない。
Figure 2010053163
Figure 2010053163
Figure 2010053163
Figure 2010053163
Figure 2010053163
Figure 2010053163
前記一般式(6a)で表される繰り返し単位として、具体的には以下のものである。
Figure 2010053163
前記一般式(7a)で表される繰り返し単位として、具体的には以下のものである。
Figure 2010053163

(式中、Meはメチル基を示す。)
Figure 2010053163
Figure 2010053163
前記一般式(8a)で表される繰り返し単位として、具体的には以下のものである。
Figure 2010053163
Figure 2010053163
本発明の高分子化合物は、上記以外に、炭素−炭素二重結合を含有する単量体から得られる繰り返し単位、例えば、メタクリル酸メチル、クロトン酸メチル、マレイン酸ジメチル、イタコン酸ジメチル等の置換アクリル酸エステル類、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸、ノルボルネン、ノルボルネン誘導体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.177,10]ドデセン誘導体などの環状オレフィン類、無水イタコン酸等の不飽和酸無水物、その他の単量体から得られる繰り返し単位を含んでいてもよい。
なお、本発明の高分子化合物の重量平均分子量はポリスチレン換算でのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した場合、1,000〜500,000、好ましくは3,000〜100,000である。この範囲を外れると、エッチング耐性が極端に低下したり、露光前後の溶解速度差が確保できなくなって解像性が低下したりすることがある。
本発明の高分子化合物において、各単量体から得られる各繰り返し単位の好ましい含有割合は、例えば以下に示す範囲(モル%)とすることができるが、これに限定されるものではない。
(I)上記式(1)の単量体に基づく式(1a)で表される構成単位を0モル%を超え50モル%以下、好ましくは2〜40モル%、より好ましくは5〜30モル%含有し、(II)上記式(5a)〜(8a)で表される構成単位の1種又は2種以上を0モル%以上、100モル%未満、好ましくは1〜95モル%、より好ましくは20〜80モル%含有し、必要に応じ、(III)炭素−炭素二重結合を含有する単量体から得られる繰り返し単位などのその他の単量体に基づく構成単位の1種又は2種以上を0〜80モル%、好ましくは0〜70モル%、より好ましくは0〜50モル%含有することができる。
この場合、式(5a)の繰り返し単位は1〜95モル%、特に20〜80モル%、式(6a)の繰り返し単位は0〜95モル%、特に0〜50モル%、式(7a)の繰り返し単位は0〜95モル%、特に20〜80モル%、式(8a)の繰り返し単位は0〜95モル%、特に0〜50モル%含有することが好ましい。
本発明の高分子化合物の製造は、上記一般式(1)で表される化合物を第一の単量体に、重合性二重結合を含有する化合物を第二以降の単量体に用いた共重合反応により行う。共重合に用いる第一の単量体である本発明の単量体(1)及び第二以降の単量体は、オリゴマーや高分子量体の含量が10モル%以下、好ましくは3モル%以下、更に好ましくは1モル%以下であるものを用いることが好ましい。
本発明の高分子化合物を製造する共重合反応は種々例示することができるが、好ましくはラジカル重合、アニオン重合又は配位重合である。
ラジカル重合反応の反応条件は、(ア)溶剤としてベンゼン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、エタノール等のアルコール類、又はメチルイソブチルケトン等のケトン類を用い、(イ)重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、又は過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化物を用い、(ウ)反応温度を0〜100℃程度に保ち、(エ)反応時間を0.5〜48時間程度とするのが好ましいが、この範囲を外れる場合を排除するものではない。
アニオン重合反応の反応条件は、(ア)溶剤としてベンゼン等の炭化水素類、テトラヒドロフラン等のエーテル類、又は液体アンモニアを用い、(イ)重合開始剤としてナトリウム、カリウム等の金属、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム等のアルキル金属、ケチル、又はグリニャール反応剤を用い、(ウ)反応温度を−78℃〜0℃程度に保ち、(エ)反応時間を0.5〜48時間程度とし、(オ)停止剤としてメタノール等のプロトン供与性化合物、ヨウ化メチル等のハロゲン化物、その他求電子性物質を用いるのが好ましいが、この範囲を外れる場合を排除するものではない。
配位重合の反応条件は、(ア)溶剤としてn−ヘプタン、トルエン等の炭化水素類を用い、(イ)触媒としてチタン等の遷移金属とアルキルアルミニウムからなるチーグラー−ナッタ触媒、クロム及びニッケル化合物を金属酸化物に担持したフィリップス触媒、タングステン及びレニウム混合触媒に代表されるオレフィン−メタセシス混合触媒等を用い、(ウ)反応温度を0〜100℃程度に保ち、(エ)反応時間を0.5〜48時間程度とするのが好ましいが、この範囲を外れる場合を排除するものではない。
本発明の高分子化合物は、レジスト材料、特に化学増幅ポジ型レジスト材料のベースポリマーとして好適に用いられ、本発明は上記高分子化合物を含有するレジスト材料、とりわけ化学増幅ポジ型レジスト材料を提供する。この場合、レジスト材料としては、
(A)ベース樹脂として上記高分子化合物、
(B)酸発生剤、
(C)有機溶剤
必要により、
(D)含窒素有機化合物、
(E)界面活性剤
を含有するものが好ましい。
上記(A)成分のベース樹脂として、本発明の高分子化合物以外に、必要に応じて他の、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する樹脂を加えてもよい。例としては、i)ポリ(メタ)アクリル酸誘導体、ii)ノルボルネン誘導体−無水マレイン酸の共重合体、iii)開環メタセシス重合体の水素添加物、iv)ビニルエーテル−無水マレイン酸−(メタ)アクリル酸誘導体の共重合体などを挙げることができるがこれに限定されない。
このうち、開環メタセシス重合体の水素添加物の合成法は特開2003−66612号公報の実施例に具体的な記載がある。また、具体例としては以下の繰り返し単位を有するものを挙げることができるがこれに限定されない。
Figure 2010053163
Figure 2010053163
本発明の高分子化合物と別の高分子化合物との配合比率は、100:0〜10:90、特に100:0〜20:80の質量比の範囲内にあることが好ましい。本発明の高分子化合物の配合比がこれより少ないと、レジスト材料として好ましい性能が得られないことがある。上記の配合比率を適宜変えることにより、レジスト材料の性能を調整することができる。
なお、上記高分子化合物は1種に限らず2種以上を添加することができる。複数種の高分子化合物を用いることにより、レジスト材料の性能を調整することができる。
本発明で使用される(B)成分の酸発生剤として光酸発生剤を添加する場合は、高エネルギー線照射により酸を発生する化合物であればいずれでもかまわない。好適な光酸発生剤としてはスルホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネート型酸発生剤等がある。以下に詳述するがこれらは単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
スルホニウム塩は、スルホニウムカチオンとスルホネートあるいはビス(置換アルキルスルホニル)イミド、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドの塩であり、スルホニウムカチオンとしてトリフェニルスルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、ビス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリス(3,4−ジtert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ジフェニル(4−チオフェノキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)スルホニウム、(4−tert−ブトキシフェニル)ビス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)スルホニウム、2−ナフチルジフェニルスルホニウム、ジメチル2−ナフチルスルホニウム、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、4−メトキシフェニルジメチルスルホニウム、トリメチルスルホニウム、2−オキソシクロヘキシルシクロヘキシルメチルスルホニウム、トリナフチルスルホニウム、トリベンジルスルホニウム、ジフェニルメチルスルホニウム、ジメチルフェニルスルホニウム、2−オキソ−2−フェニルエチルチアシクロペンタニウム、4−n−ブトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム、2−n−ブトキシナフチル−1−チアシクロペンタニウム等が挙げられ、スルホネートとしては、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート等が挙げられ、ビス(置換アルキルスルホニル)イミドとしてはビストリフルオロメチルスルホニルイミド、ビスペンタフルオロエチルスルホニルイミド、ビスヘプタフルオロプロピルスルホニルイミド、1,3−プロピレンビススルホニルイミド等が挙げられ、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドとしてはトリストリフルオロメチルスルホニルメチドが挙げられ、これらの組み合わせのスルホニウム塩が挙げられる。
ヨードニウム塩は、ヨードニウムカチオンとスルホネートあるいはビス(置換アルキルスルホニル)イミド、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドの塩であり、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、4−tert−ブトキシフェニルフェニルヨードニウム、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム等のアリールヨードニウムカチオンとスルホネートとしてトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート等が挙げられ、ビス(置換アルキルスルホニル)イミドとしてはビストリフルオロメチルスルホニルイミド、ビスペンタフルオロエチルスルホニルイミド、ビスヘプタフルオロプロピルスルホニルイミド、1,3−プロピレンビススルホニルイミド等が挙げられ、トリス(置換アルキルスルホニル)メチドとしてはトリストリフルオロメチルスルホニルメチドが挙げられ、これらの組み合わせのヨードニウム塩が挙げられる。
スルホニルジアゾメタンとしては、ビス(エチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチルプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(パーフルオロイソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−アセチルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−メタンスルホニルオキシフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−(4−トルエンスルホニルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−5−イソプロピル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン4−メチルフェニルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tert−ブチルカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン、2−ナフチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、4−メチルフェニルスルホニル2−ナフトイルジアゾメタン、メチルスルホニルベンゾイルジアゾメタン、tertブトキシカルボニル−4−メチルフェニルスルホニルジアゾメタン等のビススルホニルジアゾメタンとスルホニル−カルボニルジアゾメタンが挙げられる。
N−スルホニルオキシイミド型光酸発生剤としては、コハク酸イミド、ナフタレンジカルボン酸イミド、フタル酸イミド、シクロヘキシルジカルボン酸イミド、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、7−オキサビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸イミド等のイミド骨格とトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、メシチレンスルホネート、2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート等の組み合わせの化合物が挙げられる。
ベンゾインスルホネート型光酸発生剤としては、ベンゾイントシレート、ベンゾインメシレートベンゾインブタンスルホネート等が挙げられる。
ピロガロールトリスルホネート型光酸発生剤としては、ピロガロール、フロログリシノール、カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノンのヒドロキシル基の全てをトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート等で置換した化合物が挙げられる。
ニトロベンジルスルホネート型光酸発生剤としては、2,4−ジニトロベンジルスルホネート、2−ニトロベンジルスルホネート、2,6−ジニトロベンジルスルホネートが挙げられ、スルホネートとしては、具体的にトリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート、ドデカフルオロヘキサンスルホネート、ペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、ヘプタデカフルオロオクタンスルホネート、2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート、ペンタフルオロベンゼンスルホネート、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、トルエンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネート、カンファースルホネート、オクタンスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、ブタンスルホネート、メタンスルホネート、2−ベンゾイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−(4−フェニルベンゾイルオキシ)プロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ピバロイルオキシプロパンスルホネート、2−シクロヘキサンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−フロイルオキシプロパンスルホネート、2−ナフトイルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−(4−tert−ブチルベンゾイルオキシ)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アダンマンタンカルボニルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、2−アセチルオキシ−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−ヒドロキシプロパンスルホネート、1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トシルオキシプロパンスルホネート、1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8−イル)エタンスルホネート等が挙げられる。またベンジル側のニトロ基をトリフルオロメチル基で置き換えた化合物も同様に用いることができる。
スルホン型光酸発生剤の例としては、ビス(フェニルスルホニル)メタン、ビス(4−メチルフェニルスルホニル)メタン、ビス(2−ナフチルスルホニル)メタン、2,2−ビス(フェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(4−メチルフェニルスルホニル)プロパン、2,2−ビス(2−ナフチルスルホニル)プロパン、2−メチル−2−(p−トルエンスルホニル)プロピオフェノン、2−シクロヘキシルカルボニル)−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2,4−ジメチル−2−(p−トルエンスルホニル)ペンタン−3−オン等が挙げられる。
グリオキシム誘導体型の光酸発生剤は、特許第2906999号公報や特開平9−301948号公報に記載の化合物を挙げることができ、具体的にはビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−O−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−O−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(10−カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(p−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−O−(トリフルオロメタンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(10−カンファースルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(ベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(p−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル)−ニオキシム、ビス−O−(キシレンスルホニル)−ニオキシム等が挙げられる。
また、米国特許第6004724号明細書記載のオキシムスルホネート、特に(5−(4−トルエンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−n−オクタンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(4−トルエンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−(10−カンファースルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−n−オクタンスルホニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)(2−メチルフェニル)アセトニトリル等が挙げられ、更に米国特許第6916591号明細書記載の(5−(4−(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル、(5−(2,5−ビス(4−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニル)オキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)フェニルアセトニトリル等が挙げられる。
米国特許第6261738号明細書、特開2000−314956号公報記載のオキシムスルホネート、特に、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−フェニル−エタノンオキシム−O−(2,4,6−トリメチルフェニルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(メチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルチオフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−フェニル−ブタノンオキシム−O−(10−カンホリルスルホナート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−10−カンホリルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(フェニル)−エタノンオキシム−O−(2,4,6−トリメチルフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4−ジメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(1−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2,4,6−トリメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(3,4−ジメトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メチルフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−ドデシルフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メトキシフェニル)−エタノンオキシム−O−オクチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−メトキシフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(4−ドデシルフェニル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−オクチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−チオメチルフェニル)−エタノンオキシム−O−(2−ナフチル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(2−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−メチルフェニル)−エタノンオキシム−O−フェニルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−クロロフェニル)−エタノンオキシム−O−フェニルスルホナート、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−1−(フェニル)−ブタノンオキシム−O−(10−カンホリル)スルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−ナフチル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−2−ナフチル−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルフェニル]−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−(フェニル−1,4−ジオキサ−ブト−1−イル)フェニル]−エタノンオキシム−O−メチルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−ナフチル−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−2−ナフチル−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルスルホニルフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、1,3−ビス[1−(4−フェノキシフェニル)−2,2,2−トリフルオロエタノンオキシム−O−スルホニル]フェニル、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルスルホニルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メチルカルボニルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[6H,7H−5,8−ジオキソナフト−2−イル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−メトキシカルボニルメトキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−(メトキシカルボニル)−(4−アミノ−1−オキサ−ペンタ−1−イル)−フェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[3,5−ジメチル−4−エトキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[4−ベンジルオキシフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−[2−チオフェニル]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、及び2,2,2−トリフルオロ−1−[1−ジオキサ−チオフェン−2−イル]]−エタノンオキシム−O−プロピルスルホナート、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメタンスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(トリフルオロメタンスルホネート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(1−プロパンスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(1−プロパンスルホネート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(1−ブタンスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(1−ブタンスルホネート)等が挙げられ、更に米国特許第6916591号明細書記載の2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニルスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(4−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フェニルスルホネート)、2,2,2−トリフルオロ−1−(4−(3−(4−(2,2,2−トリフルオロ−1−(2,5−ビス(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フェニルスルホニルオキシイミノ)−エチル)−フェノキシ)−プロポキシ)−フェニル)エタノンオキシム(2,5−ビス(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ベンゼンスルホニルオキシ)フェニルスルホネート)等が挙げられる。
特開平9−95479号公報、特開平9−230588号公報あるいは文中の従来技術として記載のオキシムスルホネートα−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2−チエニルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−[(4−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−3−チエニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル等が挙げられる。
下記式で表されるオキシムスルホネート(例えば国際公開第2004/074242号パンフレットに具体例記載)が挙げられる。
Figure 2010053163

(上記式中、RS1は置換又は非置換の炭素数1〜10のハロアルキルスルホニル、又はハロベンゼンスルホニル基を表す。RS2は炭素数1〜11のハロアルキル基を表す。ArS1は置換又は非置換の芳香族基又はヘテロ芳香族基を表す。)
具体的には、2−[2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ペンチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ブチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ヘキシル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ペンチル]−4−ビフェニル、2−[2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ブチル]−4−ビフェニル、2−[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ヘキシル]−4−ビフェニルなどが挙げられる。
また、ビスオキシムスルホネートとして特開平9−208554号公報記載の化合物、特にビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(ベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(メタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリルビス(α−(ブタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(10−カンファースルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−p−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(ベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(メタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリルビス(α−(ブタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(10−カンファースルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル、ビス(α−(4−メトキシベンゼンスルホニルオキシ)イミノ)−m−フェニレンジアセトニトリル等が挙げられる。
中でも好ましく用いられる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネート、グリオキシム誘導体である。より好ましく用いられる光酸発生剤としては、スルホニウム塩、ビススルホニルジアゾメタン、N−スルホニルオキシイミド、オキシム−O−スルホネートである。具体的にはトリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリフェニルスルホニウムペンタフルオロベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウム−2,4,6−トリイソプロピルベンゼンスルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムp−トルエンスルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−tert−ブトキシフェニルジフェニルスルホニウム4−(4’−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼンスルホネート、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム、カンファースルホネート、トリス(4−tert−ブチルフェニル)スルホニウムカンファースルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ−1−ブタンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムペンタフルオロエチルパーフルオロシクロヘキサンスルホネート、4−tert−ブチルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ−1−オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1−ジフルオロ−2−ナフチル−エタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−2−(ノルボルナン−2−イル)エタンスルホネート、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロへキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(3,5−ジメチル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2−メチル−5−イソプロピル−4−(n−ヘキシルオキシ)フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(4−tert−ブチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン、N−カンファースルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、N−p−トルエンスルホニルオキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸イミド、2−[2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ペンチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4−ペンタフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ブチル]−フルオレン、2−[2,2,3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1−(ノナフルオロブチルスルホニルオキシイミノ)−ヘキシル]−フルオレン等が挙げられる。
本発明のレジスト材料における光酸発生剤の添加量はいずれでもよいが、レジスト材料中のベース樹脂100部(質量部、以下同じ)に対して0.1〜20部、好ましくは0.1〜10部である。光酸発生剤の割合が多すぎる場合には解像性の劣化や、現像/レジスト剥離時の異物の問題が起きる可能性がある。上記光酸発生剤は単独でも2種以上混合して用いることができる。更に露光波長における透過率が低い光酸発生剤を用い、その添加量でレジスト膜中の透過率を制御することもできる。
また、本発明のレジスト材料に、酸により分解し酸を発生する化合物(酸増殖化合物)を添加してもよい。これらの化合物についてはJ.Photopolym.Sci.and Tech.,8.43−44,45−46(1995)、J.Photopolym.Sci.and Tech.,9.29−30(1996)において記載されている。
酸増殖化合物の例としては、tert−ブチル2−メチル2−トシロキシメチルアセトアセテート、2−フェニル2−(2−トシロキシエチル)1,3−ジオキソラン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。公知の光酸発生剤の中で安定性、特に熱安定性に劣る化合物は酸増殖化合物的な性質を示す場合が多い。
本発明のレジスト材料における酸増殖化合物の添加量としては、レジスト材料中のベース樹脂100部に対して2部以下、好ましくは1部以下である。添加量が多すぎる場合は拡散の制御が難しく解像性の劣化、パターン形状の劣化が起こる。
本発明で使用される(C)成分の有機溶剤としては、ベース樹脂、酸発生剤、その他の添加剤等が溶解可能な有機溶剤であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えば、シクロヘキサノン、メチルアミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコールモノtert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
有機溶剤の使用量は、ベース樹脂100部に対して200〜1,000部、特に400〜800部が好適である。
更に、本発明のレジスト材料には、(D)成分として含窒素有機化合物を1種又は2種以上配合することができる。
含窒素有機化合物としては、酸発生剤より発生する酸がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することができる化合物が適している。含窒素有機化合物の配合により、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる。
このような含窒素有機化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド類、イミド類、カーバメート類等が挙げられる。
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例表される。
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例表される。芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、4−ピロリジノピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン)等が例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示され、水酸基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。アミド類としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、1−シクロヘキシルピロリドン等が例示される。イミド類としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。カーバメート類としては、N−t−ブトキシカルボニル−N,N−ジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、オキサゾリジノン等が例示される。
更に、下記一般式(B)−1で表される含窒素有機化合物が例示される。
N(X)n(Y)3-n (B)−1
(上記式中、nは1、2又は3である。側鎖Xは同一でも異なっていてもよく、下記一般式(X)−1、(X)−2又は(X)−3で表すことができる。側鎖Yは同一又は異種の、水素原子もしくは直鎖状、分岐状又は環状の炭素数1〜20のアルキル基を示し、エーテル基もしくはヒドロキシル基を含んでもよい。また、X同士が結合して環を形成してもよい。)
Figure 2010053163

(上記式中、R300、R302、R305は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R301、R304は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、ラクトン環を1個あるいは複数個含んでいてもよい。R303は単結合、又は炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、R306は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、ヒドロキシ基、エーテル基、エステル基、又はラクトン環を1個あるいは複数個含んでいてもよい。)
上記一般式(B)−1で表される化合物として具体的には、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザビシクロオクタデカン、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6、トリス(2−ホルミルオキシエチル)アミン、トリス(2−アセトキシエチル)アミン、トリス(2−プロピオニルオキシエチル)アミン、トリス(2−ブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−イソブチリルオキシエチル)アミン、トリス(2−バレリルオキシエチル)アミン、トリス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(アセトキシアセトキシ)エチルアミン、トリス(2−メトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス(2−tert−ブトキシカルボニルオキシエチル)アミン、トリス[2−(2−オキソプロポキシ)エチル]アミン、トリス[2−(メトキシカルボニルメチル)オキシエチル]アミン、トリス[2−(tert−ブトキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス[2−(シクロヘキシルオキシカルボニルメチルオキシ)エチル]アミン、トリス(2−メトキシカルボニルエチル)アミン、トリス(2−エトキシカルボニルエチル)アミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(エトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−ヒドロキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−アセトキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(メトキシカルボニル)メトキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(2−オキソプロポキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−(テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)2−[(2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル)オキシカルボニル]エチルアミン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)2−(4−ヒドロキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(4−ホルミルオキシブトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)2−(2−ホルミルオキシエトキシカルボニル)エチルアミン、N,N−ビス(2−メトキシエチル)2−(メトキシカルボニル)エチルアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−ヒドロキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−アセトキシエチル)ビス[2−(エトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−(2−メトキシエチル)ビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(メトキシカルボニル)エチル]アミン、N−ブチルビス[2−(2−メトキシエトキシカルボニル)エチル]アミン、N−メチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−エチルビス(2−アセトキシエチル)アミン、N−メチルビス(2−ピバロイルオキシエチル)アミン、N−エチルビス[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、N−エチルビス[2−(tert−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]アミン、トリス(メトキシカルボニルメチル)アミン、トリス(エトキシカルボニルメチル)アミン、N−ブチルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、N−ヘキシルビス(メトキシカルボニルメチル)アミン、β−(ジエチルアミノ)−δ−バレロラクトン等が例示される。
更に、下記一般式(B)−2に表される環状構造を持つ含窒素有機化合物が例示される。
Figure 2010053163

(上記式中、Xは前述の通り、R307は炭素数2〜20の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、カルボニル基、エーテル基、エステル基又はスルフィドを1個あるいは複数個含んでいてもよい。)
上記一般式(B)−2としては具体的には、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピロリジン、1−[2−(メトキシメトキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(メトキシメトキシ)エチル]モルホリン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピロリジン、1−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]ピペリジン、4−[2−[(2−メトキシエトキシ)メトキシ]エチル]モルホリン、酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、酢酸2−ピペリジノエチル、酢酸2−モルホリノエチル、ギ酸2−(1−ピロリジニル)エチル、プロピオン酸2−ピペリジノエチル、アセトキシ酢酸2−モルホリノエチル、メトキシ酢酸2−(1−ピロリジニル)エチル、4−[2−(メトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、1−[2−(t−ブトキシカルボニルオキシ)エチル]ピペリジン、4−[2−(2−メトキシエトキシカルボニルオキシ)エチル]モルホリン、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−ピペリジノプロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸メチル、3−(チオモルホリノ)プロピオン酸メチル、2−メチル−3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸メチル、3−モルホリノプロピオン酸エチル、3−ピペリジノプロピオン酸メトキシカルボニルメチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−ヒドロキシエチル、3−モルホリノプロピオン酸2−アセトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、3−モルホリノプロピオン酸テトラヒドロフルフリル、3−ピペリジノプロピオン酸グリシジル、3−モルホリノプロピオン酸2−メトキシエチル、3−(1−ピロリジニル)プロピオン酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、3−モルホリノプロピオン酸ブチル、3−ピペリジノプロピオン酸シクロヘキシル、α−(1−ピロリジニル)メチル−γ−ブチロラクトン、β−ピペリジノ−γ−ブチロラクトン、β−モルホリノ−δ−バレロラクトン、1−ピロリジニル酢酸メチル、ピペリジノ酢酸メチル、モルホリノ酢酸メチル、チオモルホリノ酢酸メチル、1−ピロリジニル酢酸エチル、モルホリノ酢酸2−メトキシエチル、2−メトキシ酢酸2−モルホリノエチル、2−(2−メトキシエトキシ)酢酸2−モルホリノエチル、2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸2−モルホリノエチル、ヘキサン酸2−モルホリノエチル、オクタン酸2−モルホリノエチル、デカン酸2−モルホリノエチル、ラウリン酸2−モルホリノエチル、ミリスチン酸2−モルホリノエチル、パルミチン酸2−モルホリノエチル、ステアリン酸2−モルホリノエチル等が例示される。
更に、下記一般式(B)−3〜(B)−6で表されるシアノ基を含む含窒素有機化合物が例示される。
Figure 2010053163

(上記式中、X、R307、nは前述の通り、R308、R309は同一又は異種の炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である。)
上記一般式(B)−3〜(B)−6で表されるシアノ基を含む含窒素有機化合物として具体的には、3−(ジエチルアミノ)プロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−シアノエチル)−N−エチル−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)−3−アミノプロピオノニトリル、N−(2−シアノエチル)−N−テトラヒドロフルフリル−3−アミノプロピオノニトリル、N,N−ビス(2−シアノエチル)−3−アミノプロピオノニトリル、ジエチルアミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸メチル、N−(2−アセトキシエチル)−N−シアノメチル−3−アミノプロピオン酸メチル、N−シアノメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミノアセトニトリル、N−(2−アセトキシエチル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−ホルミルオキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(2−メトキシエチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−[2−(メトキシメトキシ)エチル]アミノアセトニトリル、N−(シアノメチル)−N−(3−ヒドロキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N−(3−アセトキシ−1−プロピル)−N−(シアノメチル)アミノアセトニトリル、N−シアノメチル−N−(3−ホルミルオキシ−1−プロピル)アミノアセトニトリル、N,N−ビス(シアノメチル)アミノアセトニトリル、1−ピロリジンプロピオノニトリル、1−ピペリジンプロピオノニトリル、4−モルホリンプロピオノニトリル、1−ピロリジンアセトニトリル、1−ピペリジンアセトニトリル、4−モルホリンアセトニトリル、3−ジエチルアミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸シアノメチル、3−ジエチルアミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−アセトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−ホルミルオキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス(2−メトキシエチル)−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、N,N−ビス[2−(メトキシメトキシ)エチル]−3−アミノプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピロリジンプロピオン酸シアノメチル、1−ピペリジンプロピオン酸シアノメチル、4−モルホリンプロピオン酸シアノメチル、1−ピロリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、1−ピペリジンプロピオン酸(2−シアノエチル)、4−モルホリンプロピオン酸(2−シアノエチル)等が例示される。
更に、下記一般式(B)−7で表されるイミダゾール骨格及び極性官能基を有する含窒素有機化合物が例示される。
Figure 2010053163

(上記式中、R310は炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基として水酸基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基、シアノ基、又はアセタール基を1個あるいは複数個含む。R311、R312、R313は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。)
更に、下記一般式(B)−8で表されるベンズイミダゾール骨格及び極性官能基を有する含窒素有機化合物が例示される。
Figure 2010053163

(上記式中、R314は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。R315は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としてエステル基、アセタール基、又はシアノ基を一つ以上含み、その他に水酸基、カルボニル基、エーテル基、スルフィド基、又はカーボネート基を一つ以上含んでいてもよい。)
更に、下記一般式(B)−9及び(B)−10で表される極性官能基を有する含窒素複素環化合物が例示される。
Figure 2010053163

(上記式中、Aは窒素原子又は≡C−R322である。Bは窒素原子又は≡C−R323である。R316は炭素数2〜20の直鎖状、分岐状又は環状の極性官能基を有するアルキル基であり、極性官能基としては水酸基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、スルフィド基、カーボネート基、シアノ基又はアセタール基を一つ以上含む。R317、R318、R319、R320は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアリール基であるか、又はR317とR318、R319とR320はそれぞれ結合してこれらが結合する炭素原子と共にベンゼン環、ナフタレン環あるいはピリジン環を形成してもよい。R321は水素原子、炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアリール基である。R322、R323は水素原子、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアリール基である。R321とR323は結合してこれらが結合する炭素原子と共にベンゼン環又はナフタレン環を形成してもよい。)
更に、下記一般式(B)−11〜(B)−14で表される芳香族カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物が例示される。
Figure 2010053163

(上記式中、R324は炭素数6〜20のアリール基又は炭素数4〜20のヘテロ芳香族基であって、水素原子の一部又は全部が、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数1〜10のアシルオキシ基、又は、炭素数1〜10のアルキルチオ基で置換されていてもよい。R325はCO2326、OR327又はシアノ基である。R326は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基である。R327は一部のメチレン基が酸素原子で置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基又はアシル基である。R328は単結合、メチレン基、エチレン基、硫黄原子又は−O(CH2CH2O)n−基である。n=0,1,2,3又は4である。R329は水素原子、メチル基、エチル基又はフェニル基である。Xは窒素原子又はCR330である。Yは窒素原子又はCR331である。Zは窒素原子又はCR332である。R330、R331、R332はそれぞれ独立に水素原子、メチル基又はフェニル基であるか、あるいはR330とR331又はR331とR332が結合してこれらが結合する炭素原子と共に炭素数6〜20の芳香環又は炭素数2〜20のヘテロ芳香環を形成してもよい。)
更に、下記一般式(B)−15で表される7−オキサノルボルナン−2−カルボン酸エステル構造を有する含窒素有機化合物が例示される。
Figure 2010053163

(上記式中、R333は水素又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基である。R334及びR335はそれぞれ独立に、エーテル、カルボニル、エステル、アルコール、スルフィド、ニトリル、アミン、イミン、アミドなどの極性官能基を一つ又は複数含んでいてもよい炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラルキル基であって水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。R334とR335は互いに結合してこれらが結合する窒素原子と共に炭素数2〜20のヘテロ環又はヘテロ芳香環を形成してもよい。)
なお、含窒素有機化合物の配合量はベース樹脂100部に対して0.001〜2部、特に0.01〜1部が好適である。配合量が0.001部より少ないと配合効果がなく、2部を超えると感度が低下しすぎる場合がある。
本発明のレジスト材料には、上記成分以外に任意成分として塗布性を向上させるために慣用されている界面活性剤(E)を添加することができる。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
ここで、界面活性剤としては非イオン性のものが好ましく、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルEO付加物、含フッ素オルガノシロキサン系化合物等が挙げられる。例えばフロラード「FC−430」、「FC−431」(いずれも住友スリーエム(株)製)、サーフロン「S−141」、「S−145」、「KH−10」、「KH−20」、「KH−30」、「KH−40」(いずれも旭硝子(株)製)、ユニダイン「DS−401」、「DS−403」、「DS−451」(いずれもダイキン工業(株)製)、メガファック「F−8151」(大日本インキ工業(株)製)、「X−70−092」、「X−70−093」(いずれも信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。好ましくは、フロラード「FC−430」(住友スリーエム(株)製)、「KH−20」、「KH−30」(いずれも旭硝子(株)製)、「X−70−093」(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
本発明のレジスト材料には、上記成分以外に任意成分として、塗布膜上部に偏在し、表面の親水性・疎水性バランスを調整したり、撥水性を高めたり、あるいは塗布膜が水やその他の液体と触れた際に低分子成分の流出や流入を妨げる機能を有する高分子化合物を添加してもよい。なお、該高分子化合物の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができるが、好ましくはベース樹脂100部に対して15部以下、特に10部以下である。その下限は、その効果を発揮する点から1部以上とすることが好ましい。
ここで、塗布膜上部に偏在する高分子化合物としては、1種又は2種以上のフッ素含有単位からなる重合体、共重合体、及びフッ素含有単位とその他の単位からなる共重合体が好ましい。フッ素含有単位及びその他の単位としては具体的には以下のものが例示できるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2010053163
上記塗布膜上部に偏在する高分子化合物の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜50,000、より好ましくは2,000〜20,000である。この範囲から外れる場合は、表面改質効果が十分でなかったり、現像欠陥を生じたりすることがある。なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算値を示す。
本発明のレジスト材料の基本的構成成分は、上記の重合体、酸発生剤、有機溶剤及び含窒素有機化合物であるが、上記成分以外に任意成分として必要に応じて更に、溶解阻止剤、酸性化合物、安定剤、色素などの他の成分を添加してもよい。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
本発明のレジスト材料を使用したパターン形成は公知のリソグラフィー技術を利用して行うことができ、塗布、加熱処理(プリベーク)、露光、加熱処理(ポストエクスポージャーベーク、PEB)、現像の各工程を経て達成される。必要に応じて、更にいくつかの工程を追加してもよい。
パターン形成を行う際には、先ず本発明のレジスト材料を集積回路製造用の基板(Si、SiO2、SiN、SiON、TiN、WSi、BPSG、SOG、有機反射防止膜、Cr、CrO、CrON、MoSi等)上にスピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により塗布膜厚が0.01〜2.0μmとなるように塗布し、ホットプレート上で50〜150℃、1〜10分間、好ましくは60〜140℃、1〜5分間プリベークする。レジスト膜の薄膜化と共に被加工基板のエッチング選択比の関係から加工が厳しくなっており、レジスト膜の下層にケイ素含有中間膜、その下に炭素密度が高くエッチング耐性が高い下層膜、その下に被加工基板を積層する三層プロセスが検討されている。酸素ガスや水素ガス、アンモニアガスなどを用いるケイ素含有中間膜と下層膜とのエッチング選択比は高く、ケイ素含有中間膜は薄膜化が可能である。単層レジスト膜とケイ素含有中間層のエッチング選択比も比較的高く、単層レジスト膜の薄膜化が可能となるのである。この場合、下層膜の形成方法としては塗布とベークによる方法とCVDによる方法とが挙げられる。塗布型の場合は、ノボラック樹脂や縮合環などを有するオレフィンを重合した樹脂が用いられ、CVD膜作成にはブタン、エタン、プロパン、エチレン、アセチレン等のガスが用いられる。ケイ素含有中間層の場合も塗布型とCVD型が挙げられ、塗布型としてはシルセスキオキサン、かご状オリゴシルセスキオキサン等が挙げられ、CVD用としては各種シランガスが原料として挙げられる。ケイ素含有中間層は光吸収を持った反射防止機能を有していてもよく、フェニル基などの吸光基や、SiON膜であってもよい。ケイ素含有中間膜とフォトレジストの間に有機膜を形成してもよく、この場合の有機膜は有機反射防止膜であってもよい。
フォトレジスト膜形成後に、純水リンス(ポストソーク)を行うことによって膜表面からの酸発生剤などの抽出、あるいはパーティクルの洗い流しを行ってもよいし、保護膜を塗布してもよい。
次いで、紫外線、遠紫外線、電子線、X線、エキシマレーザー、γ線、シンクロトロン放射線等から選ばれる光源を用い、目的のパターンを形成するための所定のマスクを通して露光を行う。露光量は1〜200mJ/cm2程度が好ましく、特に10〜100mJ/cm2程度がより好ましい。次に、ホットプレート上で60〜150℃、1〜5分間、好ましくは80〜120℃、1〜3分間ポストエクスポージャベーク(PEB)する。更に、0.1〜5質量%、好ましくは2〜3質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法を用いて現像することにより、基板上に目的のパターンが形成される。なお、本発明のレジスト材料は、好ましくは波長254〜193nmの遠紫外線、波長157nmの真空紫外線、電子線、軟X線、X線、エキシマレーザー、γ線、シンクロトロン放射線、より好ましくは波長180〜200nmの範囲の高エネルギー線による微細パターンニングに適用することが可能である。
また、本発明のレジスト材料は、液浸リソグラフィーに適用することも可能である。ArF液浸リソグラフィーにおいては液浸溶媒として純水、又はアルカンなどの屈折率が1以上で露光波長に高透明の液体が用いられる。液浸リソグラフィーでは、プリベーク後のレジスト膜と投影レンズの間に、純水やその他の液体を挿入する。これによってNAが1.0以上のレンズ設計が可能となり、より微細なパターン形成が可能になる。液浸リソグラフィーはArFリソグラフィーを45nmノードまで延命させるための重要な技術であり、開発が加速されている。液浸露光の場合は、レジスト膜上に残った水滴残りを除去するための露光後の純水リンス(ポストソーク)を行ってもよいし、レジスト膜からの溶出物を防ぎ、膜表面の滑水性を上げるために、プリベーク後のレジスト膜上に保護膜を形成させてもよい。液浸リソグラフィーに用いられるレジスト保護膜としては、例えば、水に不溶でアルカリ現像液に溶解する1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール残基を有する高分子化合物をベースとし、炭素数4以上のアルコール系溶剤、炭素数8〜12のエーテル系溶剤、及びこれらの混合溶媒に溶解させた材料が好ましい。
NA1.35レンズを使った水液浸リソグラフィーの最高NAで到達できる解像度は40〜38nmであり、32nmには到達できない。そこで更にNAを高めるための高屈折率材料の開発が行われている。レンズのNAの限界を決めるのは投影レンズ、液体、レジスト膜の中で最小の屈折率である。水液浸の場合、投影レンズ(合成石英で屈折率1.5)、レジスト膜(従来のメタクリレート系で屈折率1.7)に比べて水の屈折率が最も低く、水の屈折率によって投影レンズのNAが決まっていた。最近、屈折率1.65の高透明な液体が開発されてきている。この場合、合成石英による投影レンズの屈折率が最も低く、屈折率の高い投影レンズ材料を開発する必要がある。LUAG(Lu3Al512)は屈折率が2以上であり、最も期待される材料である。
本発明のレジスト材料は高屈折率液体によるリソグラフィーに適用することも可能である。
更にArFリソグラフィーの延命技術として最近注目を浴びているのは1回目の露光と現像でパターンを形成し、2回目の露光で1回目のパターンの丁度間にパターンを形成するダブルパターニングプロセスである(Proc. SPIE Vol. 5754 p1508(2005))。ダブルパターニングの方法としては多くのプロセスが提案されている。例えば、1回目の露光と現像でラインとスペースが1:3の間隔のフォトレジストパターンを形成し、ドライエッチングで下層のハードマスクを加工し、その上にハードマスクをもう1層敷いて1回目の露光のスペース部分にフォトレジスト膜の露光と現像でラインパターンを形成してハードマスクをドライエッチングで加工して初めのパターンのピッチの半分のラインアンドスペースパターンを形成する方法である。また、1回目の露光と現像でスペースとラインが1:3の間隔のフォトレジストパターンを形成し、ドライエッチングで下層のハードマスクをドライエッチングで加工し、その上にフォトレジスト膜を塗布してハードマスクが残っている部分に2回目のスペースパターンを露光しハードマスクをドライエッチングで加工する。いずれも2回のドライエッチングでハードマスクを加工する。
前述の方法では、ハードマスクを2回敷く必要があり、後者の方法ではハードマスクが1層で済むが、ラインパターンに比べて解像が困難なトレンチパターンを形成する必要がある。後者の方法では、トレンチパターンの形成にネガ型レジスト材料を使う方法がある。これだとポジパターンでラインを形成するのと同じ高コントラストの光を用いることができるが、ポジ型レジスト材料に比べてネガ型レジスト材料の方が溶解コントラストが低いために、ポジ型レジスト材料でラインを形成する場合に比較してネガ型レジスト材料で同じ寸法のトレンチパターンを形成した場合を比較するとネガ型レジスト材料を使った方が解像性が低い。後者の方法で、ポジ型レジスト材料を用いて広いトレンチパターンを形成してから、基板を加熱してトレンチパターンをシュリンクさせるサーマルフロー法や、現像後のトレンチパターンの上に水溶性膜をコートしてから加熱してレジスト膜表面を架橋させることによってトレンチをシュリンクさせるRELACS法を適用させることも考えられるが、プロキシミティーバイアスが劣化するという欠点やプロセスが更に煩雑化し、スループットが低下する欠点が生じる。
前者、後者の方法においても、基板加工のエッチングは2回必要なため、スループットの低下と2回のエッチングによるパターンの変形や位置ずれが生じる問題がある。
エッチングを1回で済ませるために、1回目の露光でネガ型レジスト材料を用い、2回目の露光でポジ型レジスト材料を用いる方法がある。1回目の露光でポジ型レジスト材料を用い、2回目の露光でポジ型レジスト材料が溶解しない炭素4以上の高級アルコールに溶解させたネガ型レジスト材料を用いる方法もある。これらの場合、解像性が低いネガ型レジスト材料を使うと解像性の劣化が生じる。
1回目の露光の隣にハーフピッチだけずらした位置に2回目の露光を行うと、1回目の2回目のエネルギーが相殺されて、コントラストが0になる。レジスト膜上にコントラスト増強膜(CEL)を適用すると、レジストに入射する光が非線形となり、1回目と2回目の光が相殺せず、ピッチが半分の像が形成される(Jpn. J. Appl. Phy. Vol. 33(1994) p6874−6877)。また、レジストの酸発生剤として2光子吸収の酸発生剤を用いて非線形なコントラストを生み出すことによって同様の効果を生み出すことが期待される。
ダブルパターニングにおいて最もクリティカルな問題となるのは、1回目のパターンと2回目のパターンの合わせ精度である。位置ずれの大きさがラインの寸法のバラツキとなるために、例えば32nmのラインを10%の精度で形成しようとすると3.2nm以内の合わせ精度が必要となる。現状のスキャナーの合わせ精度が8nm程度であるので、大幅な精度の向上が必要である。
1回目のレジストパターンを形成した後に、何らかの方法でパターンをレジスト溶媒とアルカリ現像液に不溶化させ、2回目のレジストを塗布し、1回目のレジストパターンのスペース部分に2回目のレジストパターンを形成するレジストパターンフリージング技術が検討されている。この方法を用いれば、基板のエッチングが1回ですむために、スループットの向上とエッチングのハードマスクの応力緩和による位置ずれの問題が回避される。
フリージングの技術として、熱による不溶化方法(SPIE Vol.6923 p69230G(2008))、カバー膜の塗布と熱による不溶化方法 SPIE Vol.6923 p69230H(2008))、波長172nm等の極短波長の光照射による不溶化方法(SPIE Vol.6923 p692321(2008))、イオン打ち込みによる不溶化方法(SPIE Vol.6923 p692322(2008))、CVDによる薄膜酸化膜形成による不溶化方法、及び光照射と特殊ガス処理による不溶化方法(SPIE Vol.6923 p69233C1(2008))が報告されている。
ここで、ダブルパターニングについて図を交えて説明する。
図1〜3は従来法を示し、図1に示すダブルパターニング方法1において、基板10上の被加工基板20上にフォトレジスト膜30を塗布、形成する。フォトレジストパターンのパターン倒れ防止のため、フォトレジスト膜の薄膜化が進行しており、それに伴うエッチング耐性の低下を補うためにハードマスクを用いて被加工基板を加工する方法が行われている。ここで、図1に示すダブルパターニング方法としては、フォトレジスト膜30と被加工基板20の間にハードマスク40を敷く積層膜である(図1−A)。ダブルパターニング方法において、ハードマスクは必ずしも必須ではないし、ハードマスクの代わりにカーボン膜による下層膜と珪素含有中間膜を敷いても構わないし、ハードマスクとフォトレジスト膜との間に有機反射防止膜を敷いても構わない。ハードマスクとしては、SiO2、SiN、SiON、p−Siなどが用いられる。また、ダブルパターニング方法1において、用いるレジスト材料はポジ型レジスト材料である。この方法においては、上記レジスト膜30を露光、現像し(図1−B)、次いでハードマスク40をドライエッチングし(図1−C)、フォトレジスト膜を剥離後、2回目のフォトレジスト膜50を塗布、形成し、露光、現像を行う(図1−D)。次に、被加工基板20をドライエッチングする(図1−E)が、ハードマスクパターンと、2回目のフォトレジストパターンをマスクにしてエッチングするために、ハードマスク40とフォトレジスト膜50のエッチング耐性の違いにより被加工基板のエッチング後のパターン寸法にずれが生じる。
前記問題を解決するために、図2に示すダブルパターニング方法2では、ハードマスクを2層敷き、1回目のレジストパターンで上層のハードマスク42を加工し、2回目のレジストパターンで下層のハードマスク41を加工し、2つのハードマスクパターンを用いて被加工基板をドライエッチングする。第1ハードマスク41と第2ハードマスク42のエッチング選択比が高いことが必要であり、かなり複雑なプロセスになる。
図3に示すダブルパターニング方法3は、トレンチパターンを用いる方法である。これならばハードマスクは1層で済む。しかしながら、ラインパターンに比べてトレンチパターンは光のコントラストが低いために、現像後のパターンの解像が難しく、マージンが狭い欠点がある。広いトレンチパターンを形成してからサーマルフローやRELACS法などでシュリンクさせることも可能であるが、プロセスが煩雑化する。ネガ型レジスト材料を用いれば高い光学コントラストで露光が可能であるが、ネガ型レジスト材料は一般的にポジ型レジスト材料に比べてコントラストが低く、解像性能が低い欠点がある。また、トレンチプロセスではアライメントエラーが線幅異常につながるため、前述のラインプロセスよりも厳しいアライメント精度が要求される。
いずれにしてもこれまでに挙げられるダブルパターニング方法1〜3は、ハードマスクのエッチングを2回行うことになる。ハードマスクのエッチングを行うと、エッチングによるハードマスクの内部応力変化のために、特にウエハー外周部でアライメントのずれが生じる。
これに対し、本発明に係るダブルパターニング方法は、図4に示す通りであり、図1−Aと同様に、基板10上の被加工基板20上にハードマスク40を介して第1のポジ型レジスト材料による第1のフォトレジスト膜30を形成する(図4−A)。次いで、第1のレジスト膜30を露光、現像し(図4−B)、その後波長200nm以下の紫外線の照射によりレジスト膜30を架橋硬化させ、架橋レジスト膜30aを形成する(図4−C)。この場合、波長200nm以下の紫外線の照射前に加熱による架橋を更に行うようにしてもよいし、紫外線照射後に加熱による架橋を更に行うようにしてもよい。加熱による架橋は、紫外線照射による架橋と相まってより強固なパターンを形成することができる。加熱温度としては、150℃以上300℃以下、5〜600秒の範囲が好ましい。150℃よりも低い温度では架橋不足のために2回目のパターンを形成するためのレジスト塗布時、あるいは2回目の現像で1回目のパターンが溶解してしまうことがある。300℃を超えると、ポリマー主鎖の分解や熱フローによりパターンが変形することがある。更に、その上に第2のレジスト材料を塗布して第2のレジスト膜50を形成し、露光、現像して、上記第1のレジスト膜30(架橋レジスト膜30a)のパターンのスペース部分に第2のフォトレジスト膜50のパターンを形成する(図4−D)。次に、ハードマスク40をエッチングし(図4−E)、更に被加工基板20をドライエッチングし、上記架橋レジスト膜30a及び第2のレジスト膜50を除去する(図4−F)。
図5に示されるダブルパターニング方法は、1回目のパターン上に架橋性の材料を塗布し、1回目のレジストパターンを不溶化させる方法である。この場合、図1−Aと同様に、基板10上の被加工基板20上にハードマスク40を介してポジ型レジスト材料によるフォトレジスト膜30を形成する(図5−A)。次いで、レジスト膜30を露光、現像し(図5−B)、その上にパターン表面コート材60を塗布し、酸と熱によってパターン表面コート材60を架橋硬化させ、架橋膜(レジスト保護膜)60aを形成する(図5−C)。更に、その上に第2のレジスト材料を塗布して第2のレジスト膜50を形成し(図5−D)、露光、現像して、上記レジストパターン30のスペース部分に第2のフォトレジスト膜50のパターンを形成する(図5−E)。次に、余分な架橋膜60a及びハードマスク40をエッチングし(図5−F)、更に被加工基板20をドライエッチングし、上記レジストパターン30及び第2のレジスト膜パターン50を除去する(図5−G)。
図5の方法の問題点は薄膜のパターン保護膜の塗布によって、第1パターンよりも第2パターンの方が基板面の高さが異なってしまう点と第1パターンの寸法が大きくなってしまう点である。このためにパターン保護膜の厚みは極力薄くしなければならないが、薄くしすぎると第1パターンが第2パターンの塗布時に溶媒に溶解してしまったり、第2パターン現像時のアルカリ現像液に溶解してしまう。なるべく薄膜でしかも溶媒と現像液の浸透を防ぐ必要がある。溶媒と現像液の浸透を防ぐためには高い架橋密度の膜の形成が必要である。この場合のパターン保護膜の厚みは、第1パターンの寸法変化を極力抑えるためには15nm以下、好ましくは10nm以下、理想的には5nm以下の薄膜が好ましい。この場合のポリマーとしてはアルカリ現像液に溶解する必要は無く、アルコール溶媒に溶解し、架橋性の高い材料を用いることができるために、極薄膜のパターン保護膜を形成することが可能である。
アルカリ可溶のポリマーを用いた場合、図6に示すダブルパターニング方法を適用することもできる。図5と異なるのは、パターン保護膜60を第1のパターンを覆うほどの厚みで塗布し、ベークによって第1のパターンの表面を架橋するもので、第1のレジストパターン内の酸を触媒として第1パターンの周りに架橋膜を形成する。その後余分なパターン保護膜を現像によって剥離する。図6のパターン形成方法は、基板面のパターン保護膜を現像液によって剥離するために第1パターンと第2パターンの水平の高さは同じであるメリットがある。しかしながら、密集パターンと孤立パターンとでは被り光の程度が異なるので、第1レジストパターン表面の酸の濃度の違いにより密集パターンの方が孤立パターンよりも架橋膜の厚みが厚くなってしまう欠点がある。また、アルカリ可溶にする必要があるために架橋後のアルカリ耐性が若干低下し、架橋膜を厚く形成しなければならない。また、レジスト表面から拡散してくる酸を触媒として架橋するために、酸発生剤を組成物として混合することはない。
図4〜6に示されるのは、第1のパターンの間に第2のパターンを形成する方法であるが、第1のパターンと直交する第2のパターンを形成してもよい(図7)。1回の露光で直交するパターンを形成することもできるが、ダイポール照明と偏光照明を組み合わせればラインパターンのコントラストを非常に高くすることができる。図7−Aに示されるようにY方向のラインをパターニングし、このパターンを本発明の方法で不溶化し、図7−Bに示されるように2回目のレジストを塗布しX方向ラインを形成する。XとYのラインを組み合わせて格子状パターンを形成することによって空いた部分をホールにする。形成するのは直交パターンだけとは限らず、T型パターンもよいし、図8に示されるように離れていてもよい。
なお、第1のレジスト材料と第2のレジスト材料は、同じ材料でも異なった材料でもよい。
以下、合成例、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。
本発明の単量体を以下に示す処方で合成した。
[合成例1−1]メタクリル酸=2−ヒドロキシ−2−(1−ナフチル)エチル(Monomer1)とメタクリル酸=2−ヒドロキシ−1−(1−ナフチル)エチル(Monomer2)、メタクリル酸=2−メタクリロイルオキシ−2−(1−ナフチル)(Monomer3)エチルの合成
Figure 2010053163

窒素雰囲気下、α−ナフタレンエチレングリコール[このものは1−ナフトエ酸=エチルから文献:G.A.Russellら、Journal of American Chemical Society、Vol.88、5498(1966)と類似の方法に従って合成した]54.56g、トリエチルアミン37g、塩化メチレン400ml、テトラヒドロフラン400mlの混合物を氷浴で5℃に冷却し、撹拌しながら塩化メタクリロイル31.0gを1時間で滴下した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、水25mlを加えて反応を停止した。反応混合物を水にあけ酢酸エチルで抽出、飽和食塩水で洗浄、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して、粗生成物77.81gを得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製することにより、目的物のMonomer1:48.4g(収率59.7%)、Monomer2:1.80g(収率2.7%)、Monomer3:8.04g(収率8.5%)を得た。
メタクリル酸=2−ヒドロキシ−2−(1−ナフチル)エチル(Monomer1):
IR(KBr disk):ν=3467、1716、1637、1322、1297、1174、802、779cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.85(3H,t,J=1.3Hz)、4.18(1H,dd,J=7.6,11.4Hz)、4.41(1H,dd,J=3.8,11.4Hz)、5.63−5.66(1H,m)、5.65(1H,t,J=1.5Hz)、5.83(1H,OH,d,J=4.5Hz)、6.03(1H,t,J=0.7Hz)、7.50−7.58(3H,m)、7.74(1H,d,J=6.9Hz)、7.85(1H,d,J=8.3Hz)、7.94(1H,dd,J=0.8,8.4Hz)、8.25(1H,d,J=8.2Hz)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=17.94、67.18、68.87、123.15、123.99、125.35、125.51、125.91、126.10、127.74、128.62、130.14、133.14、135.82、137.50、166.63ppm。
メタクリル酸=2−ヒドロキシ−1−(1−ナフチル)エチル(Monomer2):
IR(KBr disk):ν=3434、1718、1635、1321、1299、1162、800、779cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.16(3H,t,J=0.7Hz)、3.76−3.86(2H,m)、5.21(1H,OH,t,J=5.9Hz)、5.74(1H,t,J=1.5Hz)、6.22(1H,t様,J=0.8Hz)、6.53(1H,dd,J=3.8,7.5Hz)、7.47−7.63(4H,m)、7.88(1H,d,J=7.9Hz)、7.95(1H,d,J=7.5Hz)、8.20(1H,d,J=8.3Hz)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=20.42、64.14、74.52、122.94、123.75、125.39、125.78、126.16、126.44、128.22、128.72、130.01、133.22、134.04、135.92、166.07ppm。
メタクリル酸=2−メタクリロイルオキシ−2−(1−ナフチル)(Monomer3):
IR(KBr disk):ν=1722、1637、1321、1297、1172、1149、800、779cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.84(3H,s)、1.92(3H,s)、4.53(1H,dd,J=7.9,12.1Hz)、4.61(1H,dd,J=3.5,12.0Hz)、5.67(1H,t,J=1.5Hz)、5.76(1H,t,J=1.5Hz)、6.00(1H,s)、6.20(1H,s)、6.85(1H,dd,J=3.5,7.9Hz)、7.51−7.67(4H,m)、7.95(1H,dd,J=8.2,29.2Hz)、8.30(1H,d,J=8.7Hz)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=17.78、17.84、65.50、70.34、122.72、124.20、125.38、125.98、126.24、126.63、126.77、128.80、128.85、129.80、132.28、133.22、135.46、135.50、165.63、166.27ppm。
[合成例1−2]cis−メタクリル酸=2−(1−ナフチル)−4−テトラヒドロピラニル(Monomer4)の合成
Figure 2010053163

cis−2−(1−ナフチル)−4−テトラヒドロピラノール(このものは1−ナフトアルデヒドと3−ブテン−1−オールから文献:J.S.Yadavら、Synthesis、2008、395;S.D.Rychnovskyら、Chem.Commun.、2006、2388と類似のPrins反応により合成した)77.0g、テトラヒドロフラン300ml、25%水酸化ナトリウム水溶液540gの混合物に室温で撹拌しながら、塩化メタクリロイル110gを滴下した、室温で18時間撹拌した後、有機層を分取、水層をジエチルエーテルで抽出して有機層に合わせた。有機層を水、飽和食塩水で洗浄、硫酸マグネシウムで乾燥して、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的物80.95gと回収原料9.06g(目的物の収率80%、原料回収を考慮し消費した原料から収率90.3%)を得た。
cis−メタクリル酸=2−(1−ナフチル)−4−テトラヒドロピラニル(Monomer4):
IR(KBr disk):ν=1714、1322、1294、1176、1083、800、777cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.67−1.76(2H,m)、1.86(3H,s)、2.04−2.09(1H,m)、2.28−2.32(1H,m)、3.81(1H,t,J=2.0,12.2Hz)、4.13−4.17(1H,m)、5.21−5.28(2H,m)、5.65(1H,t,J=1.5Hz)、6.01(1H,s)、7.46−7.57(3H,m)、7.60(1H,d,J=6.9Hz)、7.85(1H,d,J=7.9Hz)、7.93(1H,d,J=7.9Hz)、8.14(1H,d,J=8.3Hz)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=17.90、31.68、38.37、65.34、70.46、73.90、123.00、123.40、125.41、125.55、125.69、126.06、127.80、128.56、129.83、133.20、136.01、137.40、165.89ppm。
[合成例1−3]cis−メタクリル酸=2−(2−ナフチル)−4−テトラヒドロピラニル(Monomer5):
Figure 2010053163

cis−2−(2−ナフチル)−4−テトラヒドロピラノール(このものは2−ナフトアルデヒドと3−ブテン−1−オールから文献:J.S.Yadavら、Synthesis、2008、395;S.D.Rychnovskyら、Chem.Commun.、2006、2388と類似のPrins反応により合成した)28.8g、トリエチルアミン16.6gとアセトニトリル145gの混合物に氷冷下塩化メタクリロイル16.0gを滴下した。室温で2時間撹拌した後、再び氷冷し、トリエチルアミン3.8g、次いで塩化メタクリロイル4.0gを追加滴下した。更に室温で2時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液200g、水50g、4−ジメチルアミノピリジン0.16gを加え反応を停止させた。室温で、1時間撹拌して副生した無水メタクリル酸の消失をガスクロマトグラフィーにて確認した。反応混合物を酢酸エチル300gに溶解し分液した有機層を水、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的物17.2g(収率46%)を得た。
cis−メタクリル酸=2−(2−ナフチル)−4−テトラヒドロピラニル(Monomer5):
IR(KBr disk):ν=1714、1322、1294、1170、1085、1037、815cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.61(1H,q,J=11.7Hz)、1.64−1.71(1H,m)、1.97−2.02(1H,m)、2.25−2.29(1H,m)、3.67(1H,dt,J=2.1,12.2Hz)、4.11−4.14(1H,m)、4.63(1H,dd,J=1.7,11.4Hz)、5.11(1H,tt,J=4.8,11.4Hz)、5.65(1H,t様,J=1.5Hz)、6.03(1H,t様,J=1.0Hz)、7.46−7.50(3H,m)、7.85−7.90(4H,m)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=17.88、31.45、39.15、65.18、70.38、76.82、124.04、124.25、125.68、125.78、126.03、127.42、127.66、127.82、132.35、132.75、135.98、139.42、165.83ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=41、55、127、155、182、210、296(M+)。
[合成例1−4]メタクリル酸=2−(1−ナフチル)−1,3−ジオキサン−5−イルの立体異性体混合物(Monomer6)とメタクリル酸=2−(1−ナフチル)−1,3−ジオキソラン−4−イルの立体異性体混合物(Monomer7)の混合物の合成
Figure 2010053163

1−ナフトアルデヒド100g、グリセロール59.0g、トルエン300g、p−トルエンスルフォン酸一水和物触媒量の混合物を窒素雰囲気下6時間加熱して還流ながら生じる水を共沸により除去した。反応混合物を希水酸化ナトリウム水溶液にあけ、有機層を分取し、水層を酢酸エチルで抽出して有機層に合わせた。有機層を水次いで飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮して、2−(1−ナフチル)1,3−ジオキサン−5−オール立体異性体混合物と2−(1−ナフチル)1,3−ジオキソラン−4−オールの立体異性体混合物の混合物の粗製物158gを黄色油状物として得た。この粗製物157g、アセトニトリル1000ml、トリエチルアミン100g、4−ジメチルアミノピリジン触媒量の混合物に窒素雰囲気下撹拌、塩化メタクリロイル83gを30℃以下で1.5時間かけて滴下した。室温で18時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、室温で3時間撹拌した。有機層を分取し、水層を酢酸エチルで抽出し有機層に合わせた。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、目的のメタクリル酸=2−(1−ナフチル)−1,3−ジオキサン−5−イルの立体異性体混合物とメタクリル酸=2−(1−ナフチル)−1,3−ジオキソラン−4−イルの立体異性体混合物の混合物157g(収率83.2%)を得た。
メタクリル酸=2−(1−ナフチル)−1,3−ジオキサン−5−イルの二立体異性体混合物(Monomer6)とメタクリル酸=2−(1−ナフチル)−1,3−ジオキソラン−4−イルの二立体異性体混合物(Monomer7)の4種の混合物
IR(NaCl):ν=1718、1637、1294、1170、1112、804、784cm-1
このものは混合物のためその1H−NMR(600MHz in DMSO−d6)は複雑なスペクトルを与えた。主要なピークについて記述する。
メタクリル酸のメチル CO−C(C 3)=CH2:δ=1.86(t,J=1.4Hz)、1.90(t,J=1.4Hz)、1.98(t,J=1.4Hz)、2.03(t,J=1.4Hz)ppm。
脂肪族領域(Alphatic region):δ=3.88−4.05、4.16−4.27、4.31−4.44、4.58−4.63ppm。
メタクリル酸のメチレン CO−C(CH3)=C 2:δ=5.68(dt,J=1.4,1.8Hz)、5.73(dt,J=1.4,1.8Hz)、5.76(dt,J=1.5,1.7Hz)、5.84(dt,J=1.4,1.8Hz)、6.05(d,J=0.9Hz)、6.12(s様)、6.17(s様)、6.28(d,J=0.9Hz)ppm。
酸素原子に挟まれたベンジルメチン O−C−O:δ=6.09(s)、6.14(s)、6.40(s)、6.49(s)ppm。
芳香族領域(Aromatic region):δ=7.12−7.18、7.22−7.26、7.45−7.77、7.91−7.98、8.16−8.30、8.62(d様,J=8.7Hz)ppm。
メタクリル酸=2−(1−ナフチル)−1,3−ジオキソラン−4−イルの二立体異性体は同様のマススペクトルを与えた。
GC−MS(EI):(m/z)+=41、69、128、141、155、199、298(M+)。
GC−MS(CI、イソブタン):(m/z)+=143、157、199、299[(M+1)+]。
メタクリル酸=2−(1−ナフチル)−1,3−ジオキサン−5−イルの二立体異性体は同様のマススペクトルを与えた。
GC−MS(EI):(m/z)+=41、69、128、141、155、212、298(M+)。
GC−MS(CI、イソブタン):(m/z)+=143、157、199、299[(M+1)+]。
[合成例1−5]cis−メタクリル酸=2−(6−メトキシ−2−ナフチル)−4−テトラヒドロピラニル(Monomer8):
Figure 2010053163

cis−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)−4−テトラヒドロピラノール(このものは6−メトキシ2−ナフトアルデヒドと3−ブテン−1−オールから文献:J.S.Yadavら、Synthesis、2008、395;S.D.Rychnovskyら、Chem.Commun.、2006、2388と類似のPrins反応により合成した)1.5g、トリエチルアミン0.81gとアセトニトリル10gの混合物に氷冷下塩化メタクリロイル0.78gを滴下した。室温で2時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20g、4−ジメチルアミノピリジン60mgを加え反応を停止させた。室温で2.5時間撹拌した後、反応混合物を酢酸エチル30gに溶解し分液した有機層を水、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的物0.54g(収率34%)を得た。
cis−メタクリル酸=2−(6−メトキシ−2−ナフチル)−4−テトラヒドロピラニル(Monomer8):
IR(KBr disk):ν=1716、1328、1294、1270、1195、1182、1159、1081、1031、854cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.62(1H,q,J=11.9Hz)、1.64−1.70(1H,m)、1.97−2.01(1H,m)、2.23−2.26(1H,m)、3.66(1H,dt,J=1.9,12.4Hz)、4.09−4.12(1H,m)、4.58(1H,dd,J=1.3,11.5Hz)、5.07−5.12(1H,m)、5.66(1H,t様,J=1.4Hz)、6.02(1H,s様)、7.14(1H,dd,J=2.3,8.7Hz)、7.28(1H,d様,J=2,8Hz)、7.44(1H,dd,J=1.9,8.2Hz)、7.75−7.81(3H,m)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=17.88、31.47、55.09、65.16、70.44、76.87、105.71、118.59、124.05、124.77、125.68、126.57、128.12、129.32、133.63、136.00、136.98、157.19、165.85ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=55、115、141、157、185、212、240、326(M+)。
[合成例1−6]cis−アクリル酸=2−(6−メトキシ−2−ナフチル)−4−テトラヒドロピラニル(Monomer9):
Figure 2010053163

cis−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)−4−テトラヒドロピラノール(このものは6−メトキシ2−ナフトアルデヒドと3−ブテン−1−オールから文献:J.S.Yadavら、Synthesis、2008、395;S.D.Rychnovskyら、Chem.Commun.、2006、2388と類似のPrins反応により合成した)1.5g、トリエチルアミン0.81gとアセトニトリル10gの混合物に氷冷下塩化アクリロイル0.68gを滴下した。室温で2時間撹拌した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20g、4−ジメチルアミノピリジン60mgを加え反応を停止させた。室温で4時間撹拌した後、反応混合物を酢酸エチル30gに溶解し分液した有機層を水、希塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して目的物0.59g(収率38%)を得た。
cis−アクリル酸=2−(6−メトキシ−2−ナフチル)−4−テトラヒドロピラニル(Monomer9):
IR(KBr disk):ν=1724、1407、1267、1220、1186、1079、1039、1024、854cm-1
1H−NMR(600MHz in DMSO−d6):δ=1.61(1H,q,J=11.6Hz)、1.64−1.70(1H,m)、1.98−2.01(1H,m)、2.23−2.26(1H,m)、3.66(1H,dt,J=2.2,12.1Hz)、4.09−4.12(1H,m)、4.58(1H,dd,J=1.4,11.5Hz)、5.10−5.15(1H,m)、5.93(1H,dd,J=1.8,10.5Hz)、6.14−6.19(1H,m)、6.33(1H,dd,J=1.4,17.0Hz)、7.14(1H,dd,J=2.8,9.2Hz)、7.28(1H,d様,J=2.3Hz)7.43(1H,dd,J=1.9,8.7Hz)、7.75−7.81(3H,m)ppm。
13C−NMR(150MHz in DMSO−d6):δ=31.49、39.07、55.10、65.16、70.36、76.86、105.72、118.59、124.07、124.78、126.59、128.12、128.44、128.70、129.29、129.33、131.57、133.63、136.95、157.21、164.79ppm。
GC−MS(EI):(m/z)+=55、115、141、157、185、212、240、312(M+)。
本発明の高分子化合物を以下に示す処方で合成した。
[合成例2−1]ポリマー1の合成
窒素雰囲気下、メタクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル9.6gとメタクリル酸3−エチル−3−exo−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデシル11.2gとメタクリル酸4,8−ジオキサトリシクロ[4.2.1.03,7]ノナン−5−オン−2−イル10.9gとメタクリル酸=2−ヒドロキシ−2−(1−ナフチル)エチル8.4gと2,2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル1.9gをメチルエチルケトン93.3gに溶解させ溶液を調製した。その溶液を窒素雰囲気下80℃で撹拌したメチルエチルケトン23.3gに4時間かけて滴下した。滴下終了後80℃を保ったまま2時間撹拌し、室温まで冷却した後重合液を400gのヘキサンに滴下した。析出した固形物を濾別し、メチルエチルケトン45gとヘキサン195gの混合溶媒で二回洗浄した後50℃で20時間真空乾燥して、下記ポリマー1で示される白色粉末固体状の高分子化合物が得られた。収量は37.9g、収率は95%であった。なお、Mwはポリスチレン換算でのGPCを用いて測定した重量平均分子量を表す。
Figure 2010053163
[合成例2−2〜32、比較合成例1−1,2]ポリマー2〜34の合成
各単量体の種類、配合比を変えた以外は、上記[合成例2−1]と同様の手順により、表1に示した樹脂を製造した。表1中、各単位の構造を表2〜5に示す。
Figure 2010053163
Figure 2010053163
Figure 2010053163
Figure 2010053163
Figure 2010053163
[実施例1−1〜20、比較例1−1,2]
レジスト材料の調製
上記で製造した本発明の樹脂(ポリマー1〜20)及び比較例用の樹脂(ポリマー33,34)をベース樹脂として用い、酸発生剤、塩基性化合物、及び溶剤を表6に示す組成で添加し、混合溶解後にそれらをテフロン(登録商標)製フィルター(孔径0.2μm)で濾過し、本発明のレジスト材料(R−01〜20)及び比較例用のレジスト材料(R−21,22)を得た。なお、溶剤は全て界面活性剤としてKH−20(旭硝子(株)製)を0.01質量%含むものを用いた。
Figure 2010053163
表6中、略号で示した酸発生剤、塩基性化合物及び溶剤は、それぞれ下記の通りである。
PAG−1 :トリフェニルスルホニウム 2−(アダマンタン−1−カルボニルオキシ
)−1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン−1−スルホネート
Base−1:2−[2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ]酢酸 2−モルホリノエ
チル
PGMEA :プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
CyHO :シクロヘキサノン
Figure 2010053163

Figure 2010053163
Figure 2010053163

Figure 2010053163
[実施例2−1,2、比較例2−1]
レジストパターン硬化評価
表6中に示されるレジスト材料を、シリコンウエハーにARC−29A(日産化学工業(株)製)を80nmの膜厚で成膜した基板上にスピンコーティングし、ホットプレートを用いて100℃で60秒間ベークし、レジスト膜の厚みを100nmにした。これをArFエキシマレーザースキャナー((株)ニコン製、NSR−S307E,NA0.85、σ0.93/0.62、20度ダイポール照明通常照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク)を用いて130nmピッチの65nmラインアンドスペースパターンのマスクを用いてラインアンドスペースが1:1になる適正露光量で露光し、露光後、直ちに100℃で60秒間ベークし、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で30秒間現像を行って、寸法が65nmライン、ピッチが130nmの第1パターンを得た。基板を180℃で60秒間ベークしてパターンの硬化を行い、次にパターン上に同じレジスト材料を同じ条件で塗布、ベークし、ArFエキシマレーザースキャナー((株)ニコン製、NSR−S307E,NA0.85)を用いてウエハーを露光量30mJ/cm2で全面露光し、100℃で60秒間ベークし、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で30秒間現像を行って2回目に塗布したレジストを溶解させた。2回目のレジスト塗布前と、2回目のレジスト現像後の第1パターンのラインの幅を測長SEM((株)日立製作所製S−9380)で測定した。
結果を表9に示す。
Figure 2010053163
表9の結果より、比較例2−1においては、第1パターンの硬化が進行せず、第2レジスト溶解後にパターンが無くなってしまったが、本発明のレジスト材料を使用した実施例2−1,2においては、第1のパターンが第2パターン形成後にも残っていることが確認された。
[実施例3−1,2、比較例3−1]
ダブルパターニング評価(1)
表6中に示されるレジスト材料を、シリコンウエハーにARC−29A(日産化学工業(株)製)を80nmの膜厚で成膜した基板上にスピンコーティングし、ホットプレートを用いて100℃で60秒間ベークし、レジスト膜の厚みを100nmにした。その上に表8に示される組成のトップコート膜材料(TC)を塗布し、90℃で60秒間ベークしてトップコート膜の厚みを50nmにした。
これをArFエキシマレーザースキャナー((株)ニコン製、NSR−S610C,NA1.30、σ0.98/0.78、35度ダイポール照明通常照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク)を用いてs偏光照明でY方向90nmライン、180nmピッチのラインアンドスペースパターンのマスクを用いてラインアンドスペースが1:1になる適正露光量よりも多い露光量で露光し、露光後、直ちに100℃で60秒間ベークし、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で30秒間現像を行って、寸法が45nmライン、ピッチが180nmの第1パターンを得た。第1パターンに表7に示されるレジストパターンオーバーコート膜材料(PFOC)を塗布し、140℃で60秒間ベークして第1のレジストパターン上面が平坦になるぐらいに覆うための厚さ120nmのパターン保護膜層を形成した。ベーク中、レジスト表面から供給された酸によってレジスト表面で保護膜の架橋を進行させた。余分なPFOC膜を2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で30秒間現像を行って除去した。次に第1パターン上に同じレジスト材料と同じトップコートを同じ条件で塗布、ベークし、ArFエキシマレーザースキャナー((株)ニコン製、NSR−S610C,NA1.30、σ0.98/0.78、35度ダイポール照明通常照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク)を用いてs偏光照明でY方向90nmライン、180nmピッチのラインアンドスペースパターンのマスクを用いてラインアンドスペースが1:1になる適正露光量よりも多い露光量でX方向に45nmずらした位置に露光し、露光後、直ちに100℃で60秒間ベークし、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で30秒間現像を行って、第1パターンのスペース部分に寸法が45nmライン、ピッチが180nmの第2パターンを得た。第1パターンと、2パターンのそれぞれのラインの幅を測長SEM((株)日立製作所製S−9380)で測定した。
結果を表10に示す。
Figure 2010053163
表10の結果より、比較例3−1においては、PFOC塗布後に第1パターンの硬化が進行せず、ベーク中にパターンがシュリンクし、第2レジスト溶解後にパターン寸法が小さくなってしまったが、本発明のレジスト材料を使用した実施例3−1,2においては、第1のパターンの寸法は第2パターン形成後にも小さくなっていないことが確認された。
[実施例4−1,2、比較例4−1]
ダブルパターニング評価(2)
表6中に示されるレジスト材料を、シリコンウエハーにARC−29A(日産化学工業(株)製)を80nmの膜厚で成膜した基板上にスピンコーティングし、ホットプレートを用いて100℃で60秒間ベークし、レジスト膜の厚みを100nmにした。その上に表8に示される組成のトップコート膜材料を塗布し、90℃で60秒間ベークしてトップコート膜の厚みを50nmにした。
これをArFエキシマレーザースキャナー((株)ニコン製、NSR−S610C,NA1.30、σ0.98/0.78、35度ダイポール照明通常照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク)を用いてs偏光照明でY方向45nmライン、90nmピッチのマスクを用いてラインアンドスペースが1:1になる露光量で露光し、露光後、直ちに100℃で60秒間ベークし、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で30秒間現像を行って、寸法が45nmラインアンドスペース1:1の第1パターンを得た。第1パターンに表7に示されるレジストパターンオーバーコート膜材料(PFOC)を塗布し、140℃で60秒間ベークして第1のレジストパターン上面が平坦になるぐらいに覆うための厚さ120nmのパターン保護膜層を形成した。ベーク中、レジスト表面から供給された酸によってレジスト表面で保護膜の架橋を進行させた。余分なPFOC膜を2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で30秒間現像を行って除去した。次に第1パターン上に同じレジストと同じトップコートを同じ条件で塗布、ベークし、ArFエキシマレーザースキャナー((株)ニコン製、NSR−S610C,NA1.30、σ0.98/0.78、35度ダイポール照明通常照明、6%ハーフトーン位相シフトマスク)を用いてs偏光照明でX方向45nmライン、90nmピッチのマスクを用いてラインアンドスペースが1:1になる適正露光量で露光し、露光後、直ちに100℃で60秒間ベークし、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で30秒間現像を行って、第1パターンと直交する第2パターンを得た。第1パターンと、2パターンのそれぞれのラインの幅を測長SEM((株)日立製作所製S−9380)で測定した。
結果を表11に示す。
Figure 2010053163
表11の結果より、比較例4−1においては、PFOC塗布後に第1パターンの硬化が進行せず、ベーク中にパターンがシュリンクし、第2レジスト溶解後にパターン寸法が小さくなってしまったが、本発明のレジスト材料を使用した実施例4−1,2においては、第1のパターンの寸法は第2パターン形成後にも小さくなっていないことが確認された。
表9〜11の結果より、本発明のレジスト材料が、レジスト膜を硬化させる工程を含むパターン形成方法に適用できることが確認された。
従来のダブルパターニング方法の一例を説明する断面図であり、Aは、基板上に被加工基板、ハードマスク、レジスト膜を形成した状態、Bは、レジスト膜を露光、現像した状態、Cは、ハードマスクをエッチングした状態、Dは、第2のレジスト膜を形成後、このレジスト膜を露光、現像した状態、Eは、被加工基板をエッチングした状態を示す。 従来のダブルパターニング方法の他の例を説明する断面図であり、Aは、基板上に被加工基板、第1及び第2のハードマスク、レジスト膜を形成した状態、Bは、レジスト膜を露光、現像した状態、Cは、第2のハードマスクをエッチングした状態、Dは、第1のレジスト膜を除去して第2のレジスト膜を形成後、このレジスト膜を露光、現像した状態、Eは、第1のハードマスクをエッチングした状態、Fは、被加工基板をエッチングした状態を示す。 従来のダブルパターニング方法の別の例を説明する断面図であり、Aは、基板上に被加工基板、ハードマスク、レジスト膜を形成した状態、Bは、レジスト膜を露光、現像した状態、Cは、ハードマスクをエッチングした状態、Dは、第1のレジスト膜を除去して第2のレジスト膜を形成後、このレジスト膜を露光、現像した状態、Eは、更にハードマスクをエッチングした状態、Fは、被加工基板をエッチングした状態を示す。 本発明のダブルパターニング方法の一例を説明する断面図であり、Aは、基板上に被加工基板、ハードマスク、レジスト膜を形成した状態、Bは、レジスト膜を露光、現像した状態、Cは、レジスト膜を架橋した状態、Dは、第2のレジスト膜を形成後、このレジスト膜を露光、現像した状態、Eは、ハードマスクをエッチングした状態、Fは、被加工基板をエッチングした状態を示す。 本発明のパターン形成方法を説明する断面図であり、Aは、基板上に被加工基板、第1のレジスト膜を形成した状態、Bは、第1のレジスト膜を露光、現像した状態、Cは、第1のフォトレジストパターン上にパターン表面コート材を塗布し、架橋した状態、Dは、第2のポジ型レジスト材料を塗布した状態、Eは、第2のレジストパターンを形成した状態、Fは、余分な架橋膜及びハードマスクをエッチングした状態、Gは、被加工基板をエッチングした状態を示す。 本発明のパターン形成方法を説明する断面図であり、Aは、基板上に被加工基板、第1のレジスト膜を形成した状態、Bは、第1のレジスト膜を露光、現像した状態、Cは、第1のフォトレジストパターン上にパターン表面コート材を塗布し、架橋した状態、Dは、パターン保護膜を剥離した状態、Eは、第2のポジ型レジスト材料を塗布した状態、Fは、第2のレジストパターンを形成した状態、Gは、ハードマスクをエッチングした状態、Hは、被加工基板をエッチングした状態を示す。 本発明のダブルパターニング方法の一例を説明する上空図であり、Aは、第1のパターンを形成した状態、Bは、第1のパターン形成後、第1のパターンと交わる第2のパターンをした状態を示す。 本発明のダブルパターニング方法の別の例を説明する上空図であり、Aは、第1のパターンを形成した状態、Bは、第1のパターン形成後、第1のパターンと離れた第2のパターンを形成した状態を示す。
符号の説明
10 基板
20 被加工基板
30 レジスト膜
30a 架橋レジスト膜
40 ハードマスク
50 第2のレジスト膜
60 パターン表面コート材
60a 架橋膜

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表されるナフタレン環を有する単量体。
    Figure 2010053163

    (式中、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R2は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい二価の有機基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい一価の有機基を表す。R2とR3又はR2とR4は互いに結合してこれらが結合する(即ち、R2とR4の場合は直接結合する、R3の場合は酸素原子を介して結合する)炭素原子と共に環を形成してもよく、この場合、R2とR3又はR2とR4を合わせて炭素数2〜20の三価の有機基を表す。R3とR4は互いに結合してこれらが結合する(即ち、R3の場合は酸素原子を介して結合する、R4の場合は直接結合する)炭素原子と共に環を形成してもよく、この場合、R3とR4を合わせて炭素数2〜20の二価の有機基を表す。Xは水酸基、ハロゲン原子、又は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい一価の有機基を表す。nは0〜7の整数を表す。)
  2. 下記一般式(1a)で表される、請求項1に記載のナフタレン環を有する単量体から得られる繰り返し単位を含有することを特徴とする高分子化合物。
    Figure 2010053163

    (式中、R1は水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。R2は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい二価の有機基を表す。R3、R4はそれぞれ独立に水素原子、又は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい一価の有機基を表す。R2とR3又はR2とR4は互いに結合してこれらが結合する(即ち、R2とR4の場合は直接結合する、R3の場合は酸素原子を介して結合する)炭素原子と共に環を形成してもよく、この場合、R2とR3又はR2とR4を合わせて炭素数2〜20の三価の有機基を表す。R3とR4は互いに結合してこれらが結合する(即ち、R3の場合は酸素原子を介して結合する、R4の場合は直接結合する)炭素原子と共に環を形成してもよく、この場合、R3とR4を合わせて炭素数2〜20の二価の有機基を表す。Xは水酸基、ハロゲン原子、又は炭素数1〜10のエーテル結合、エステル結合、カルボニル基、水酸基、又は不飽和結合を含んでもよい一価の有機基を表す。nは0〜7の整数を表す。)
  3. 更に、上記一般式(1a)で表される化合物の繰り返し単位に加え、下記一般式(5a)〜(8a)で表される繰り返し単位のいずれか1種以上を含有する請求項2に記載の高分子化合物。
    Figure 2010053163

    (式中、R1は上記と同様である。R5及びR6はそれぞれ独立に水素原子又は水酸基を示す。Wは酸不安定基を示す。Yはラクトン構造を有する置換基を示す。Zは水素原子、炭素数1〜15のフルオロアルキル基又は炭素数1〜15のフルオロアルコール含有置換基を示す。)
  4. 請求項2又は3に記載の高分子化合物をベース樹脂として含有することを特徴とするレジスト材料。
  5. 請求項4に記載のレジスト材料を用いて形成したレジスト膜を酸及び/又は熱により硬化する工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
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