JP5498840B2 - 船舶用の触媒反応装置 - Google Patents

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本発明は、ディーゼルエンジンを搭載した船舶に備え付けられ、排ガス中の窒素酸化物を触媒により低減除去する船舶用の触媒反応装置に関し、特に、触媒を収容したカセット式容器(以下、単に「カセット」とする)を触媒反応装置に確実に装着するための取付構成に関する。
従来より、ディーゼルエンジンを搭載した船舶においては、排ガス中の窒素酸化物を低減除去するために、排ガス中にアンモニアを注入した上で、触媒を配置した触媒反応装置内を通過させることにより、窒素酸化物を還元して窒素と水にする選択接触還元法、いわゆるSCR法が適用されている。
そして、前記触媒には、チタン−バナジウム系等のセラミックをハニカム状又はプレート状に成形したものが用いられており、このような触媒を、触媒反応装置において排気ガスが通過する装置ケース内に適正配置することにより、触媒と排ガスを接触させる技術が公知となっている(例えば、特許文献1参照)。該技術では、装置ケース内に一段複数本の触媒を複数段積み上げた上で、その周囲に設けた支持格子に各触媒の長手方向の両端と側面を当接するようにして、多数の触媒が装置ケース内に配置されている。
しかし、この技術では、触媒の大部分は露出状態にあるため、積み上げ・積み下ろし時のハンドリングによる衝撃や、航行時の機関類や船体からの振動によって、触媒が、隣接する触媒や周囲の部材に衝突して破損する場合があった。更に、触媒は高く積み上げた状態で装置ケース内に装着されているため、下段の触媒ほど上段の触媒による荷重が作用し、圧潰しやすくなると共に、下段の触媒は上方の触媒を除去してからしか取り出せず、メンテナンス性も良くなかった。
そこで、排気ガスの流入口・流出口以外はステンレス鋼等で閉塞するようにして形成したカセットに触媒を収容し、該カセットを前記装置ケースのケース本体に設けた棚上に載置することにより、各触媒を破損から保護すると共にメンテナンス性を向上させることが行われている。
特開平7−139341号公報
しかしながら、触媒を収容したカセットを棚に載置する場合、各触媒の保護性やメンテナンス性は確かに向上するものの、カセットの固定は、触媒を収容したカセットの自重による摩擦力のみによって行われるため、航行時の機関類や船体からの振動が大きいと、カセットが棚上を容易に滑って移動する。すると、カセットに設けた排気ガスの流入口・流出口が、装置ケース内における排気ガスの排気経路上から外れて、排気ガスがカセットの外側に漏れたり、カセットにおける排気ガスの流入口・流出口が装置ケースによって部分的に閉塞されたりして、排気ガスのシール性や通気性を確保できず、排気ガスと触媒との接触が不十分となって排ガス中の窒素酸化物を効率良く低減除去できない、という問題があった。
更に、航行時の機関類や船体からの振動が著しく大きいと、カセットが棚上を高速で滑って移動し、隣接するカセットや周囲の部材に激しく衝突して、カセット内の触媒が破損する場合があり、触媒保護の実効性を十分には担保できない、という問題があった。
そして、いずれの場合も、カセットの移動や衝突によって、大きな騒音が発生する、という問題もあった。
加えて、前記カセットの固定を、前述のような自重による摩擦力以外に、ボルト・ナット等の締結体を使った締結力を用いることも考えられるが、カセットが重い上に、装置ケース内は非常に過酷な腐食環境にあるため、高強度で耐食性に優れた高価な部材を締結体に使用する必要があり、部品コストの増加が避けられない、という問題があった。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、触媒を収容したカセットを排気ガスが通過する装置ケース内に着脱自在に装着して排気ガスを浄化する船舶用の触媒反応装置において、前記カセットに、第一嵌合体と第二嵌合体とを備えると共に、前記装置ケースを構成するケース本体と蓋体に、それぞれ第一被嵌合体と第二被嵌合体とを備え、前記カセットをケース本体の開口部から装入すると、前記第一嵌合体が第一被嵌合体とケース本体との間で挟持され、カセット装入後に前記開口部を蓋体で閉塞すると、前記第二嵌合体が第二被嵌合体とケース本体との間で挟持される嵌合挟持構造を設け、前記第一嵌合体には、第一被嵌合体に近いほどケース本体側に接近するように傾斜する第一傾斜部を形成し、前記第一被嵌合体には、前記第一傾斜部に対向すると共に同傾斜方向に傾斜する第一対向傾斜部を形成し、前記第二嵌合体には、第二被嵌合体に近いほどケース本体側に接近するように傾斜する第二傾斜部を形成し、前記第二被嵌合体には、前記第二傾斜部に対向すると共に同傾斜方向に傾斜する第二対向傾斜部を形成したものである。
本発明は、以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
請求項1の如く構成したことより、カセットを装置ケース内に確実に固定することができ、航行時の機関類や船体からの振動が大きくても、カセットがケース本体を滑って移動することがなく、排気ガスのシール性や通気性を確保して触媒との接触を十分なものとし、排ガス中の窒素酸化物を効率的に低減除去でき、更に、カセットが隣接するカセット等に衝突して破損することもなく、触媒保護の実効性を十分に担保できる。そして、カセットの移動や衝突に伴う騒音も防止できる。加えて、嵌合体を用いるため、過酷な腐食環境に耐える高価な部材から成るボルト・ナット等の締結体が不要となり、部品コストを低減できる。また、カセット装入後にケース本体の開口部を蓋体で閉塞するだけでカセットの装着を完了でき、開口部の閉塞動作に第二嵌合体の挟持動作を兼用させて、カセット装着作業の効率を大幅に向上できる。
また、カセットを装置ケース内に装入すると、第一嵌合体は、その第一傾斜部が第一対向傾斜部に沿いながら第一被嵌合体とケース本体との間に潜り込むようにして、徐々にケース本体側に押し付けられて押圧状態で保持される。同様に、カセット装入後に蓋体で閉塞すると、第二被嵌合体は、その第二対向傾斜部が第二傾斜部に沿いながら第二嵌合体の上に乗り上げるようにして、該第二嵌合体を徐々にケース本体側に押し付けて押圧状態で保持する。従って、第一嵌合体と第二嵌合体を介して、カセットをケース本体側に押し付けて押圧保持することができ、カセットを装置ケース内に一層確実に固定できると共に、カセットとケース本体との間のシール性も向上できる。
本発明に関わる船舶用の触媒反応装置の全体構成を示す正面図である。 同じく側面図である。 同じく平面図である。 カセットの斜視図である。 カセットの一般図であって、図5(a)はカセットの側面図、図5(b)はカセットの平面図である。 蓋体の一般図であって、図6(a)は蓋体の側面図、図6(b)は蓋体の正面図である。 第一被嵌合部周辺の側面図である。 装着状態にあるカセット周辺の側面一部断面図である。 カセットの装着プロセスを示す、カセット周辺の側面一部断面図であって、図9(a)は嵌合前のカセット周辺の側面一部断面図、図9(b)は第一嵌合挟持構造形成時のカセット周辺の側面一部断面図、図9(c)は第二嵌合挟持構造形成時のカセット周辺の側面一部断面図である。 左右仕切構成を示す、カセット周辺の正面図である。 別形態の左右仕切構成を示す、カセット周辺の正面図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、図中の矢印Fで示す方向、矢印Lで示す方向、矢印Uで示す方向を、それぞれ触媒反応装置1の前方向、左方向、上方向とし、以下で述べる各部材の位置や方向等を説明する。
初めに、本発明に関わる触媒反応装置1の全体構成について、図1乃至図3により説明する。該触媒反応装置1は、ディーゼルエンジンを搭載した船舶の排ガス排出経路に配設されるものであって、排ガスの排気通路を内部に設けた装置ケース2と、該装置ケース2内に着脱自在に装着するカセット3とから成る。更に、このうちの装置ケース2は、ケース本体4と、該ケース本体4に前記カセット3を装入する開口部9を閉塞するための蓋体5とから構成される。
前記ケース本体4においては、上下面にそれぞれ出口8と入口7を設けた角パイプ状に筒体10が立設され、該筒体10の内部を排気ガスが下方から上方に向かって流れるようにしている。そして、該筒体10の左右の側面と後面は、全体が外壁で覆われているが、筒体10の前面の外壁には、上下方向に複数(本実施形態では5段)の前記開口部9が形成され、各々の開口部9から前記カセット3が装入されるようにしている。
前記筒体10で各開口部9の下縁近傍には、前記カセット3を載置して支持する棚板11が水平に横設され、該棚板11には矩形の通気口11aが開口されており、前記入口7から流れ込んだ排気ガスが、通気口11aからカセット3内を通過できるようにしている。
前記筒体10下部の左右両側には、それぞれ、前後の脚板12La・12Laの下端を底板12Lbによって連結して成る左の脚体12Lと、前後の脚板12Ra・12Raの下端を底板12Rbによって連結して成る右の脚体12Rとが固設され、該脚体12L・12Rによって、触媒反応装置1を船舶上に安定した状態で立設している。
以上のような構成において、前記カセット3をケース本体4の開口部9から棚板11上に装入した後、該開口部9を前記蓋体5によって閉塞すると、後述する主嵌合挟持構造16により、カセット3が装置ケース2内に固定される。そして、触媒反応装置1稼働時には、前記入口7から流れ込んだ排気ガスは、各棚板11の通気口11aからカセット3内を通過し、該カセット3に収容された後述の触媒6と接触して、窒素酸化物の低減除去が行われる。
次に、前記カセット3、蓋体5、及び棚板11後部の詳細構成と、本発明に関わる主嵌合挟持構造16について、図3乃至図8により説明する。図3乃至図5に示すように、前記カセット3においては、左右方向に互いに対向して起立する左右の側板13・13と、前後方向に互いに対向する前後の側板14・14と、該側板14・14の間を仕切って前後方向に4等分する仕切板15・15・15とによって、4個の触媒固定孔19が上下方向に連通して成る角筒状の胴部3aが形成される。そして、該触媒固定孔19内にハニカム状の前記触媒6を嵌装することにより、4個の触媒6入りのカセット3が形成される。
なお、前記左右の側板13・13、前後の側板14・14、及び仕切板15・15・15は、いずれの下縁も同一の水平面上となるように配置されており、カセット3の胴部3aの下縁を揃えて、がたつくことなくカセット3が前記棚板11上を所定位置まで円滑に摺動できるようにしている。
更に、前記棚板11の通気口11aは、1列あたり4個で左右方向に4列開口され、該各列の4個の通気口11aに、前記カセット3の4個の触媒固定孔19がそれぞれ略一致するように配置されており、排気ガスの上昇が前記胴部3aによって阻害されないようにしている。
このような胴部3aにおける側板14・14の外側面の上部には、平面視U字状の前後の把手3b・3bが、その開放部を内側に向けて配置固定されている。該把手3b・3bを把持することによって、カセット3を前記開口部9の高さまで容易に持ち上げることができ、前記棚板11上へのカセット3の運搬作業の作業性を高めることができる。なお、本実施例では、この棚板11上に、4個の触媒6入りのカセット3を左右方向に4列配置しているが、同じカセット3を左右方向に3列配置してもよく、各カセット3に入れる触媒6の個数やカセット3の列数は、仕様に応じて変更することができ、特に限定されるものではない。
そして、前記側板14・14の外側面の下部には、角棒状の第一嵌合体17と第二嵌合体18が横設されている。このうち、後方の側板14に横設した第一嵌合体17には、水平な上面17bから垂直な後面17cにかけて後斜め下方に傾斜した第一傾斜部17aが形成され、同様に、前方の側板14に横設した第二嵌合体18にも、水平な上面18bから垂直な前面18cにかけて前斜め下方に傾斜した第二傾斜部18aが形成されている。
なお、前記第一嵌合体17の下面17dと第二嵌合体18の下面18dは、いずれも前記左右の側板13・13、前後の側板14・14、及び仕切板15・15・15の下縁と同一の水平面上となるように配置されており、第一嵌合体17と第二嵌合体18が後述する第一被嵌合体20と第二被嵌合体21によって棚板11との間で挟持される際に、該第一嵌合体17と第二嵌合体18の基部の隅部に応力が集中して折損したりしないようにしている。
また、図6、図8に示すように、前記蓋体5は、前記開口部9よりも大面積の矩形板状のカバー22と、該カバー22の前面に固設した側面視U字状の左右一対の把手23・23とから形成される。そして、前記カバー22の外周縁部には複数の締結孔22aが穿孔されており、前記把手23・23を把持してカバー22を持ち上げてから、該カバー22を前記開口部9の周縁に当接させた状態で、前記締結孔22aにボルト25を螺挿し、蓋体5を締結固定して開口部9を閉塞できるようにしている。
更に、前記カバー22の後面の下部には、前記第二嵌合体18と嵌合する角棒状の第二被嵌合体21が横設され、該第二被嵌合体21には、水平な下面21dから垂直な後面21cにかけて後斜め上方に傾斜した第二対向傾斜部21aが形成され、該第二対向傾斜部21aには衝撃吸収用の中間パッド24が貼設されており、該中間パッド24を介して、前記第二嵌合体18の第二傾斜部18aが第二被嵌合体21の第二対向傾斜部21aによって押圧される。
また、図3、図7に示すように、前記棚板11の後部で筒体10の内壁近傍には、前記第一嵌合体17と嵌合する角棒状の第一被嵌合体20が横設される。該第一被嵌合体20は、前記第二被嵌合体21とは異なり、通気口11aの各列毎に備えられる。そして、第一被嵌合体20は、上方からボルト26が螺挿されることにより、前記棚板11に締結固定されている。なお、第一被嵌合体20は、このようなボルト26による締結ではなく、スポット溶接・アーク溶接等の溶接や嵌合によって固定してもよく、その固定方法は、前記第一被嵌合体20を棚板11に確実に固定できるものであれば、特には限定されない。
該第一被嵌合体20には、水平な下面20dから垂直な前面20cにかけて前斜め上方に傾斜した第一対向傾斜部20aが形成され、該第一対向傾斜部20aによって、前記第一嵌合体17の第一傾斜部17aが押圧される。
以上のような取付構成において、図8に示すように、前記第一嵌合体17が第一被嵌合体20とケース本体4の棚板11との間で挟持されて第一嵌合挟持構造16aが形成され、前記第二嵌合体18が第二被嵌合体21と棚板11との間で挟持されて第二嵌合挟持構造16bが形成され、該第二嵌合挟持構造16bと前記第一嵌合挟持構造16aとから、本発明に関わる前記主嵌合挟持構造16が構成される。
次に、前記主嵌合挟持構造16によるカセット3の装着プロセスについて、図9により説明する。図9(a)に示すように、カセット3を開口部9から装置ケース2の内部空間に挿入して前記棚板11上に載置した後、カセット3を後方に押動して棚板11上を摺動させる。
すると、図9(b)に示すように、後方への押動力27によって、カセット3の第一嵌合体17の後部が第一被嵌合体20の前下方空間に潜り込み、第一嵌合体17と第一被嵌合体20とが嵌合する。
この際、水平後方に移動する第一嵌合体17の第一傾斜部17aが、該第一傾斜部17aに対向すると共に同傾斜方向に傾斜する第一対向傾斜部20aに沿って摺動するため、該第一対向傾斜部20aから受ける反力28が、第一嵌合体17に対しては押圧力として作用し、第一嵌合体17が第一被嵌合体20と棚板11との間で挟持される。これにより、前記第一嵌合挟持構造16aが形成される。
続いて、図9(c)に示すように、第一嵌合体17と第一被嵌合体20とを嵌合した後、前記把手23・23を把持して蓋体5のカバー22を開口部9の周縁に当接させた状態で、前述の如く、ボルト25をカバー22の前記締結孔22aに螺挿し、蓋体5を開口部9の周縁に締結固定させる。すると、蓋体5の第二被嵌合体21の後部が第二嵌合体18の上に乗り上げて、第二嵌合体18と第二被嵌合体21とが嵌合する。
この際、水平方向に移動する第二被嵌合体21の第二対向傾斜部21aが、該第二対向傾斜部21aに対向すると共に同傾斜方向に傾斜する第二傾斜部18aに沿って摺動するため、前記第二対向傾斜部21aから受ける反力29が、前記中間パッド24を介し、第二嵌合体18に対しては押圧力として作用し、第二嵌合体18が第二被嵌合体21と棚板11との間で挟持される。これにより、前記第二嵌合挟持構造16bが形成される。
このように、前記第一嵌合体17及び第二嵌合体18に対して下方への押圧力が作用するため、側板13・13、側板14・14、及び仕切板15・15・15から成る前記胴部3aが下方に押圧されて棚板11に対して密着するようになり、第一嵌合体17と第一被嵌合体20の間、及び、第二嵌合体18と第二被嵌合体21との間だけでなく、カセット3の下面周囲と棚板11上面との間のシール性も向上させることができる。これにより、排気ガスは、途中で漏れることなく、カセット3内の触媒6と効率良く接触する。
更に、カセット3が軽いため、第一嵌合体17と第一被嵌合体20とを嵌合した後に前記押動力27を除荷すると、第一嵌合体17や第一被嵌合体20の有する弾性力によってカセット3が前方に押しやられて前記反力28が減少する場合でも、前記第二被嵌合体21の前後方向の長さを十分に確保することにより、前記反力28を再び増加させることができる。つまり、蓋体5を開口部9に締結固定すると、蓋体5に設けた十分な長さの第二被嵌合体21の後端によって前記カセット3が後方に押動され、この際の押動力27によって、第一嵌合体17と第一被嵌合体20とが強く嵌合して十分な反力28が得られるからである。
なお、前記第一傾斜部17a、第二傾斜部18a、第一対向傾斜部20a、及び第二対向傾斜部21aの全てが水平であっても構わない。この場合は、前述のような反力28・29が発生しないため、第一嵌合体17と第二嵌合体18に対して押圧力は作用しないが、嵌合体17・18や被嵌合体20・21の加工が容易であり、部品コストを低減することができる。
すなわち、触媒6を収容したカセット3を排気ガスが通過する装置ケース2内に着脱自在に装着して排気ガスを浄化する船舶用の触媒反応装置1において、前記カセット3に、第一嵌合体17と第二嵌合体18とを備えると共に、前記装置ケース2を構成するケース本体4と蓋体5に、それぞれ第一被嵌合体20と第二被嵌合体21とを備え、前記カセット3をケース本体4の開口部9から装入すると、前記第一嵌合体17が第一被嵌合体20とケース本体4を構成する棚板11との間で挟持され、カセット装入後に前記開口部9を蓋体5で閉塞すると、前記第二嵌合体18が第二被嵌合体21とケース本体4の棚板11との間で挟持される嵌合挟持構造である主嵌合挟持構造16を設けたので、カセット3を装置ケース2内に確実に固定することができ、航行時の機関類や船体からの振動が大きくても、カセット3がケース本体4の棚板11を滑って移動することがなく、排気ガスのシール性や通気性を確保して触媒6との接触を十分なものとし、排ガス中の窒素酸化物を効率的に低減除去でき、更に、カセット3が隣接するカセット3等に衝突して破損することもなく、触媒6保護の実効性を十分に担保できる。そして、カセット3の移動や衝突に伴う騒音も防止できる。加えて、嵌合体を用いるため、過酷な腐食環境に耐える高価な部材から成るボルト・ナット等の締結体が不要となり、部品コストを低減できる。また、カセット3装入後にケース本体4の開口部9を蓋体5で閉塞するだけでカセット3の装着を完了でき、開口部9の閉塞動作に第二嵌合体18の挟持動作を兼用させて、カセット装着作業の効率を大幅に向上できる。
更に、前記第一嵌合体17には、第一被嵌合体20に近いほどケース本体の棚板11側に接近するように傾斜する第一傾斜部17aを形成し、前記第一被嵌合体20には、前記第一傾斜部17aに対向すると共に同傾斜方向に傾斜する第一対向傾斜部20aを形成し、前記第二嵌合体18には、第二被嵌合体21に近いほどケース本体の棚板11側に接近するように傾斜する第二傾斜部18aを形成し、前記第二被嵌合体21には、前記第二傾斜部18aに対向すると共に同傾斜方向に傾斜する第二対向傾斜部21aを形成するので、カセット3を装置ケース2内に装入すると、第一嵌合体17は、その第一傾斜部17aが第一対向傾斜部20aに沿いながら第一被嵌合体20とケース本体4の棚板11との間に潜り込むようにして、徐々にケース本体の棚板11側に押し付けられて押圧状態で保持される。同様に、カセット3装入後に蓋体5で閉塞すると、第二被嵌合体21は、その第二対向傾斜部21aが第二傾斜部18aに沿いながら第二嵌合体18の上に乗り上げるようにして、該第二嵌合体18を徐々にケース本体4の棚板11側に押し付けて押圧状態で保持する。従って、第一嵌合体17と第二嵌合体18を介して、カセット3をケース本体4の棚板11側に押し付けて押圧保持することができ、カセット3を装置ケース2内に一層確実に固定することができると共に、カセット3とケース本体4の棚板11との間のシール性も向上できる。
次に、カセット3の左右仕切構成について、図1、図8、図10、図11により説明する。図1、図8、図10に示すように、各段毎に4個のカセット3が左右方向に並設され、該カセット3を載置して支持する棚板11には、隣接するカセット3間の左右方向略中央位置において、前後方向に5個のピン30が略等間隔で植設されている。
該ピン30は、前記カセット3を構成する前後の側板14・14と仕切板15・15・15の近傍に配置されると共に、ピン30の上半分は、棚板11の上面から突出されている。これにより、カセット3を開口部9から棚板11上に載置した後に後方に摺動する際、カセット3をピン30にガイドさせながら、前記第一被嵌合体20との嵌合位置まで小さいぶれで移動させることができ、前記嵌合位置への位置決め精度を向上させ、カセット3内の触媒6と棚板11の通気口11aとの位置ずれを防止することができる。
また、別形態の左右仕切構成について説明する。図11に示すように、カセット3Aにおいては、前記左右の側板13・13の外側面の下部には、角棒状の第三嵌合体31と、該第三嵌合体31に嵌合する第三被嵌合体32とが前後方向に延設される。そして、このうちの第三嵌合体31の上部には、右斜め下方に傾斜した第三傾斜部31aが形成されると共に、第三嵌合体31の下面31dは、前記左右の側板13・13、前後の側板14・14、及び仕切板15・15・15の下縁と同一の水平面上となるように配置される。一方、前記第三被嵌合体32の下部にも、前記第三傾斜部31aに対向すると共に同傾斜方向に傾斜する第三対向傾斜部32aが形成される。
このような構成において、カセット3Aを開口部9から装入して棚板11上に載置すると、隣設するカセット3A間には、前記第三嵌合体31が、第三傾斜部31aと第三対向傾斜部32aを介して、前記第三被嵌合体32と棚板11との間に挟持される副嵌合挟持構造33が構成される。該副嵌合挟持構造33により、カセット3Aの左の側板13の第三被嵌合体32は、第三対向傾斜部32aと第三傾斜部31aを介して、隣接するカセット3Aの第三嵌合体31の上に乗り上げる一方、右の側板13の第三嵌合体31は、第三傾斜部31aと第三対向傾斜部32aを介して、隣接するカセット3Aの第三被嵌合体32と棚板11との間に挟まれる。
この状態でカセット3Aを後方に摺動させると、該カセット3Aを、隣接するカセット3Aに前後方向に平行に延設された前記第三嵌合体31と第三被嵌合体32との間でガイドさせながら、前記第一被嵌合体20との嵌合位置までほとんどぶれることなく移動させることができ、前記嵌合位置への位置決め精度を更に向上させ、カセット3A内の触媒6と棚板11の通気口11aとの位置ずれを確実に防止することができる。
すなわち、前記カセット3Aは、該カセット3Aの装入方向に平行に複数並設し、隣設するカセット3Aの対向面の一方には第三嵌合体31、他方には第三被嵌合体32を備え、前記カセット3Aをケース本体4の棚板11に装入すると、前記第三嵌合体31が第三被嵌合体32と棚板11との間で挟持される嵌合挟持構造である副嵌合挟持構造33を設けるので、カセット3Aを前記第一被嵌合体20との嵌合位置まで移動させる際、カセット3Aを前記第三嵌合体31と第三被嵌合体32との間でガイドさせ、前記嵌合位置まで精度良く移動させることができ、カセット3A内の触媒6と棚板11の通気口11aとの位置ずれを確実に防止して、触媒6と排気ガスとの接触を十分なものとし、排ガス中の窒素酸化物を一層効率的に低減除去することができる。なお、前記ピン30、副嵌合挟持構造33のいずれも、航行時の機関類や船体からの振動が激しくてカセット3・3Aが左右方向に大きく動くような場合には、規制材として機能し、カセット3・3Aの衝突を防ぐことができる。
本発明は、触媒を収容したカセットを排気ガスが通過する装置ケース内に着脱自在に装着して排気ガスを浄化する、全ての船舶用の触媒反応装置に適用することができる。
1 触媒反応装置
2 装置ケース
3・3A カセット
4 ケース本体
5 蓋体
6 触媒
9 開口部
11 棚板(ケース本体)
16 主嵌合挟持構造(嵌合挟持構造)
17 第一嵌合体
17a 第一傾斜部
18 第二嵌合体
18a 第二傾斜部
20 第一被嵌合体
20a 第一対向傾斜部
21 第二被嵌合体
21a 第二対向傾斜部

Claims (1)

  1. 触媒を収容したカセットを排気ガスが通過する装置ケース内に着脱自在に装着して、排気ガスを浄化する船舶用の触媒反応装置において、
    前記カセットに、第一嵌合体と第二嵌合体とを備えると共に、前記装置ケースを構成するケース本体と蓋体に、それぞれ第一被嵌合体と第二被嵌合体とを備え、前記カセットをケース本体の開口部から装入すると、前記第一嵌合体が第一被嵌合体とケース本体との間で挟持され、カセット装入後に前記開口部を蓋体で閉塞すると、前記第二嵌合体が第二被嵌合体とケース本体との間で挟持される嵌合挟持構造を設け、
    前記第一嵌合体には、第一被嵌合体に近いほどケース本体側に接近するように傾斜する第一傾斜部を形成し、前記第一被嵌合体には、前記第一傾斜部に対向すると共に同傾斜方向に傾斜する第一対向傾斜部を形成し、前記第二嵌合体には、第二被嵌合体に近いほどケース本体側に接近するように傾斜する第二傾斜部を形成し、前記第二被嵌合体には、前記第二傾斜部に対向すると共に同傾斜方向に傾斜する第二対向傾斜部を形成した
    ことを特徴とする船舶用の触媒反応装置。
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