JP5495902B2 - 伸縮性衣類用の品質表示ラベルとその製造法 - Google Patents

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Description

本発明は、水着やトレーニングウェアのような伸縮性衣類の裏面に接着する品質表示ラベルおよびその製造法に関する。
水着、トレーニングウェア、レオタードなどのスポーツ用衣類は、健康と美容のためのスポーツが盛んになるとともに、その製造・販売量が急増している。これらの衣類には、該衣類の洗濯に適した使用洗剤、洗濯方法、乾燥方法を表記した取り扱い絵表示および製造メーカなどをプリントした品質表示ラベルが縫着されている。従来の品質表示ラベルは、一般に衣類の裏側に縫着されるため、水着、レオタード、スパッツタイツなどのスポーツ用衣類では、ラベルと肌が直接接触して着用者に不快感を与えることがある。
この対策として、特開2003−227001号は、品質表示をプリントによって衣類の裏側に施すことにより、着用者に対する不快感を解消または軽減している。特開2003−227001号では、品質表示のプリント方法は転写プリントであると好ましく(段落0020)、ラベルの縫い付け工程が不要であるので工程が簡略になり、品質表示に関するコストを軽減できると述べている。品質表示を転写プリントによって衣類の裏側に施す際には、各肌着における被印刷個所を加熱プレス機まで持ってきて、そこで皺が生じないように被印刷個所を広げて平らにすることを要する。
一方、公知の熱転写ラベルを品質表示ラベルとして適用することも可能であり、該ラベルを衣類裏側に転写すると、ラベルと肌が直接接触しても着用者に不快感を与えることが少なく、ラベル縫い付け工程も不要であるので作業工程が簡略になる。本出願人の関連会社が出願した特開平11−42895号は、ベースシート上に図柄層、中間層および接着層とを順次形成した伸縮性の転写ラベルに関し、この図柄層、中間層および接着層はいずれもポリウレタン樹脂を含有している。
特開2003−227001号公報 特開平11−42895号公報
特開2003−227001号は、品質表示を転写プリントで衣類の裏側に施す時に、使用インクは顔料粉末を分散させた樹脂であると好ましいと述べている。この樹脂の詳細は不明であるけれども、通常の熱可塑性樹脂であるならば、肌着の使用時の伸縮によって転写プリントがひび割れや剥離を起こしやすく、品質表示を長時間維持できないことが多い。プリント剥離の問題は、特開平11−42895号に係る転写ラベルでほぼ解消している。この転写ラベルを品質表示ラベルとして伸縮性衣類に熱転写すると、該ラベルは衣類の伸びに追従してほぼ同程度まで伸び、衣類が頻繁に伸縮しても転写後にひび割れや剥離を起こしにくく、長期間美麗な図柄模様を維持できる。
特開平11−42895号に係る転写ラベルは、図柄層、中間層および接着層をスクリーン印刷によって形成する。この転写ラベルは、1層または2層以上の図柄層で美麗な図柄模様を形成できても、個々の層をスクリーン印刷で設けるために生産性が高くなく、製造コストが相当に高いので安価な品質表示ラベルとして使用しにくい。また、図柄層をスクリーン印刷で形成し、用いるスクリーンは写真製版してそのつど版枠に取り付けるために、少なくても数百枚単位の印刷量を必要とし、品質表示の印字データが適宜変更されても、直ちにその変更に適応させることはできない。
本発明は、従来の転写ラベルに関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、肌と直接接触して衣類の着用者に不快感を与えず、しかも生産性が高くて比較的安価な品質表示ラベルを提供することを目的としている。本発明の他の目的は、デジタルプリンタによって個別データをオンデマンドで印字するので、個別データの変更に対して1枚単位で対応できる品質表示ラベルの製造法を提供することである。本発明の他の目的は、接着層、耐熱層および表面層をあらかじめ形成してから印字するので生産性が高く、保管しやすく且つ熱転写しやすい品質表示ラベルの製造法を提供することである。
本発明に係る品質表示ラベルは、水着、トレーニングウェア、ニットウェアなどの伸縮性衣類用であり、ベースフィルム上に接着層、耐熱層および表面層を順次積層したテープ素材を用いる。本発明の品質表示ラベルは、個別データに基づいて表面層上にオンデマンドで印字してから単枚化したものであり、表面層上に貼着したリタックフィルムによって保管および熱転写作業が容易であり、単枚化の後に衣類の所定個所と接触させて熱転写する際に、耐熱層によって表面層の熱変形を緩和する。
本発明の品質表示ラベルにおいて、個別データから具現化する印字模様には、文字、取り扱い絵表示およびバーコード表示の少なくともいずれかを含み、その四隅が面取りされていると好ましい。また、個別データは、サーマルプリンタによって表面層上に単色または2色で表示された印字模様になったり、インクジェットプリンタによって表面層上に単色または多色で表示された印字模様になる。
本発明に係る品質表示ラベルの製造法では、広幅のベースフィルム上に接着層、耐熱層および表面層を順次設け、得た多層フィルムを縦スリッタによって所定幅のテープ素材に裁断し、このテープ素材についてデジタルプリンタによって個別データに基づいてオンデマンドで連続的に印字し、印字模様を形成したテープ素材を横スリッタによって単枚化しており、表面層上の印字模様は1枚単位で変更可能である。
本発明に係る別の製造法では、広幅のベースフィルム上に接着層、耐熱層および表面層を順次設け、得た多層フィルムを縦スリッタによって所定幅のテープ素材に裁断し、このテープ素材についてデジタルプリンタによって個別データに基づいてオンデマンドで連続的に印字し、次にベースフィルムを剥離するとともに、別のリタックフィルムを表面層上に貼着し、印字模様を形成したテープ素材を横スリッタによって単枚化しており、表面層上の印字模様は1枚単位で変更可能である。この製造法では、デジタルプリンタにおいて、ベースフィルムを剥離するとともに別のリタックフィルムを表面層上に貼着すると好ましい。
本発明に係る品質表示ラベルは、水着、トレーニングウェア、ニットウェアのような伸縮性衣類の裏側に熱転写され、貼着後には伸縮性が高いので衣類の伸縮性を損なうことが少なく、着用者の肌と直接接触しても不快感を与えることがない。本発明の品質表示ラベルは、印字後に表面層上に貼着したリタックフィルムにより、保管および熱転写作業が容易になる。本発明の品質表示ラベルは、その表面層、耐熱層および接着層がいずれも伸縮性および耐洗濯性を有することにより、衣類への貼着後に洗濯を繰り返しても剥離したり破損することが少なく、衣類の所定個所と接触させて熱転写する際に、耐熱層によって表面層の熱変形を緩和できる。
本発明に係る品質表示ラベルの製造法は、接着層、耐熱層および表面層を積層した長寸の広幅テープを用い、デジタルプリンタで個別に印字することにより、品質表示ラベルの内容変更に速やかに対応し、通常は数十枚単位であっても、該ラベルを1枚ごとに個別表示することも可能である。本発明の製造法では、個別データから印字模様を作製するので表示変更が容易であり、衣類の仕様変更に迅速に対応できる。本発明の製造法は、個別の品質表示ラベルの生産性が高く、しかも製造コストが比較的安価である。
本発明に係る品質表示ラベルの製造法では、長寸の広幅テープから得たテープ素材に印字すると、ベースフィルムのまま保管するのではなく、該ベースフィルムを剥がして表面層上に別のリタックフィルムを貼着する。このリタックフィルムを貼着したテープ素材を単枚化すると、該リタックフィルムで支持されることでラベルの保管が容易になり、熱転写の際に接着層を衣類に直接接触できるので転写作業が容易で迅速に遂行できる。
本発明で用いる広幅のベースフィルムを示す部分平面図である。 本発明で用いるテープ素材を示す拡大横断面図である。 デジタルプリンタであるサーマルプリンタにおいて、テープ素材に印字する状態を例示する概略側面図である。 インクジェットプリンタにおいて、テープ素材に印字する状態を例示する概略説明図である。 熱転写前の本発明に係る品質表示ラベルを示す拡大横断面図である。 本発明に係る品質表示ラベルを貼着した水着を一部切り欠いて示す正面図である。
本発明の品質表示ラベル1(図5)には、ベースフィルム2上に接着層3、耐熱層4および表面層5を積層したテープ素材10を用い、該テープ素材の表面層5に印字することによって製造する。テープ素材10(図1)は、所定幅の長寸テープ自体に3層積層して製造しても、3層積層の広幅フィルムを所定の幅に裁断して使用してもよく、広幅フィルムから裁断するとより経済的である。この広幅フィルムは、幅80〜150cm程度であり、一般に幅20〜30cm程度に粗断ちしてから所望の幅に精密裁断する。
接着層3、耐熱層4および表面層5は、通常、ベースフィルム2の上に順次塗布して乾燥しても、接着層3だけをベースフィルム2上に積層し、この後に薄層状の耐熱層4と表面層5を貼り合わせてもよい。各層の積層には、ロールコータ、リバースロールコータ、オフセットコータ、ロッドコータ、ダイコータなどによって塗工液を広幅フィルムに均一に塗布して乾燥する。
ベースフィルム2は、厚さ50〜150μmであって剥離性を有していれば市販品でよく、ポリエステル,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリアミドなどのプラスチックフィルム、パーチメント紙、合成紙、セロファンなどの平坦な材料であり、所望に応じて剥離性を付与するためにセルロース系樹脂,ナイロン系樹脂、ロジン、シリコン樹脂、アクリル樹脂などを塗布すればよい。例えば、ベースフィルム2は、剥離性を有する透明ポリエステルフィルムまたはナイロン系ワックスを塗布したパーチメント紙である。
図1のテープ素材10において、接着層3は、厚さ50〜200μmであり、衣類の伸縮に高い伸縮性を有することを要し、伸縮性が低いと貼着した衣類との間で違和感が生じやすい。接着層3は、常温で弾性体の性質を示し且つ熱転写時の高温で可塑化する塗工液からなり、典型的には主成分として熱可塑性ポリウレタン系樹脂、布地を把持するためのに熱可塑性ポリアミド系樹脂などを添加する。ポリウレタン系樹脂として商品名:ニッポラン5120(日本ポリウレタン工業製)、ポリアミド樹脂として商品名:プラタミドH005(日本リルサン製)などが例示できる。熱可塑性ポリウレタン系樹脂は、短鎖ポリオールとジイソシアネート類のポリマー鎖がハードセグメントで、長鎖ポリオールとジイソシアネート類のポリマー鎖がソフトセグメントであり、両セグメントの比率によって硬さや弾性率などの機械物性が変わる。接着層3の用塗工液の添加物は、増粘剤、増粘助剤、消泡剤などである。
接着層3として使用可能な水性ポリウレタンラテックスとして、商品名:ハイドランAP70、ボンテック1050(大日本インキ化学工業製)などが例示でき、これらはポリアミドや粒状ポリウレタン系樹脂などと混合して使用してもよい。水性ラテックスには、合成済みのポリウレタンを乳化分散させた乳化分散系と、ポリオールとジイソシアネート類から合成される重合系とがあり、通常、分散質としての安定化保護層に覆われたポリウレタン粒子が希薄水溶液に分散している。この水溶液には、乳化重合に使用された重合開始剤切片、界面活性剤、水溶性ポリマー、緩衝剤、重合仮定で形成される水溶性オリゴマーなどを含む場合がある。
耐熱層4は、表面層5よりも厚くて厚みが50〜100μm程度であり、顔料などの固体添加物などを含んでいない。これによって物性面から評価すると、耐熱層4は、表面層5とほぼ同様の組成であっても、有色顔料を含む表面層5と比べてより伸縮性に富んでいる。一方、耐熱層4は、熱可塑性ポリウレタン系樹脂を含む接着層3と比べて、伸縮性は多少低い反面、圧縮・伸長永久歪みは小さい。耐熱層4は、衣類の大きい伸びによる表面層5の永久歪みまたは熱転写時の熱変形を緩和する。また、耐熱層4は、表面層5と接着層3との間に配置されるため、水着などの伸縮性衣類の伸びに追従して接着層3が大きく伸びた際に、この伸びに追従できない表面層5との間に生じる皺発生や変形を緩和し、皺発生や変形によるラベル1の亀裂や層剥離を防止する。
耐熱層4は、表面層5と同様に、ポリウレタン系樹脂またはこれと同等のポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂などの軟質樹脂からなり、熱架橋性や経時架橋性のような反応性塗工液であっても、水性ポリウレタンラテックスの塗工液でもよい。また、使用可能な水性ポリウレタンラテックスとして、商品名:インプラニルDPL(大日本インキ化学工業製)などが例示できる。耐熱層4の塗工液には、イソシアネート樹脂やメラミン樹脂のような架橋剤、正触媒などを添加してもよくである。この架橋剤や触媒は、転写時の加熱加圧でポリウレタン系樹脂の重合反応を促進して硬化反応を起こさせる。
表面層5は、厚みが10〜50μm程度であり、耐熱層4とほぼ同様の組成であっても、1種または2種以上の顔料を添加して、白色、クリーム色、淡黄色などの有色層を形成する。表面層5は、伸縮性が比較的低い印字模様が亀裂したり剥離しないように、伸縮性を有していても、接着層3のそれよりも抑制することを要する。表面層5には、ポリウレタン系樹脂またはこれと同等のポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂などの軟質樹脂を含み、さらに伸縮性調整のためにポリカーボネート樹脂などを添加してもよい。
表面層5には、使用可能な水性ポリウレタンラテックスとして、商品名:ユニバインダーBRZ15(ユニ化成製)、商品名:ハイドランHW930(大日本インキ化学工業製)、などが例示できる。これに添加する水性顔料は、例えば、大日精化工業製のホワイトEP677、レッドFL2B、グリーンFLB、イエローFLVR,ブル−FLGB(いずれも商品名)などであり、さらに増粘剤(例えば、アクリル系エマルジョン)、増粘助剤、消泡剤、保湿剤、粒状ポリウレタン系樹脂などを添加する。
図1のテープ素材10には、図3や図4に示すようなデジタルプリンタを用いてオンデマンドで印字する。オンデマンド印字とは、デジタルプリンタを使った印字方法であり、この場合のオンデマンドとは「要求があり次第に直ちに」という意味であり、必要な時にラベル1枚を含む少枚数でも印字できることを意味する。したがって、オフセット印刷であってもごく短納期、少部数であればオンデマンド印字であるけれども、現実的にはデジタルプリンタによる印字を指している。
デジタルプリンタは、コンピュータに保存した個別データをそのままに送り込んで直接印字し、個別データが変更されれば直ちにコンピュータから変更データをデジタルプリンタへ送り込んで印字を変更する。デジタルプリンタは、実質的にコンピュータのプリンタと同様であり、パソコン用のプリンタやコピーを高速・大型化したものである。使用可能なデジタルプリンタは、ドットインパクト方式のサーマルプリンタ以外に、インクジェットプリンタであり、このインクジェットプリンタには、サーマル方式(蒸気バブル噴射)、圧電方式、連続(超音波)方式などのインクジェットプリンタを含む。具現化する印字模様は、サーマルプリンタで単色または2色表示であり、インクジェットプリンタで単色または多色表示である。
この印字模様は、図6のような取り扱い絵表示、商標名,生産地や製造者名などの文字、図形商標、バーコード表示、キャラクターデザインなどであり、インクジェットプリンタによる多色表示であると汎用性が高くなる。この印字模様を構成するプリンタインクは、耐水性および耐摩耗性が高くて速乾性であることが望ましく、例えば、サーマルプリンタでは顔料を含む紫外線硬化樹脂インク、インクジェットプリンタでは顔料および溶媒を含む油性インクである。この印字模様には、ある程度の伸縮性しか付与できないので、その亀裂や剥離が衣類の使用時に生じないように表面層5の伸縮性を適宜に抑制することを要する。
テープ素材10は、印字後に図1の態様からベースフィルム2を剥離し、図5に示すリタックフィルム22を表面層5上に貼着すると、単枚化後に品質表示ラベル1となる。リタックフィルム22は、実質的にベースフィルム2と同様に、ポリエステル,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリアミドなどの透明プラスチックフィルムやセロファンであると好ましい。リタックフィルム22は、ベースフィルム2の厚みと同等またはそれ以下の厚みでよく、通常20〜100μm程度である。
品質表示ラベル1は、通常、横スリッタ26(図3)による寸断で単純な矩形平面を有し、所望に応じて図6に示すようにその四隅を面取りしてもよい。この面取りは、横スリッタ26のカッタ形状を変形して寸断と同時に行っても、その寸断工程後に追加の工程において面取りしてもよい。ラベル四隅を面取りすると、水着28などの衣類の裏側に貼着した後に、衣類使用時に四隅から剥がれることが少なくなる。
リタックフィルム22の裏面には、粘着剤、感熱または水溶性接着剤などが塗布されており、粘着剤塗布では離型紙を剥離した後に圧着し、感熱または水溶性接着剤では加熱または水付与の後に圧着すればよい。リタックフィルム22を表面層5上に直接形成する場合には、反応または経時硬化性の樹脂を用いてロールコーティングなどで表面層5上に積層し、加温などによって迅速に硬化させればよい。一方、ベースフィルム2を剥離する際には、所望に応じて加温または溶剤などを付与してもよい。
次に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。図5および図6に示す品質表示ラベル1を製造するために、広幅のベースフィルム2(図2)として、厚さ50μm、幅970mm、長さ100mのロール状ポリエステルフィルム(東レ製)を用い、該フィルムの表面にロールコータで公知の離型剤を厚み約0.5μmで0.6g/m塗布して乾燥する。
ベースフィルム2の上には、図1に示すように、接着層3、耐熱層4および表面層5を順次積層し、この積層では1層をロールコータで均一に塗布して乾燥すると次の層を塗布し、最後の表面層5を塗布して乾燥すれば積層が完了する。接着層3は、熱可塑性ポリウレタン系樹脂およびポリエステル系樹脂を含み、これをロールコータでシート全面に塗布・乾燥すると、接着層3の厚さは150μmである。
耐熱層4は、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂およびイソシアネート樹脂を含有する。この2液架橋型ペーストをロールコータでシート全面に塗布・乾燥すると、厚さ75μmの耐熱層4を形成する。
表面層5は、例えば、白色層として、二酸化チタン顔料、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート樹脂およびイソシアネート樹脂を含有する。この2液架橋型ペーストをロールコータでシート全面に塗布・乾燥すると、厚さ25μmの白色の表面層5を形成する。この表面層は、白色層とほぼ同様の組成でクリーム色、淡黄色、淡緑色、淡赤色、淡青色などにしてもよい。
3層積層したベースフィルム2は、縦スリッタを用いて、図2において点線7で示すように、幅200mmに粗断ちする。幅200mmのシートロールは、ついで図2において点線8で示すように、幅20mmに精密裁断する。幅20mmのテープ素材10(図1)は、ベースフィルム2の上に積層された厚さ150μmの接着層3、厚さ75μmの耐熱層4,厚さ25μmの白色表面層5を有する。
テープ素材10は、表面層5に個別データを印字して単枚化するために、デジタルプリンタであるサーマルプリンタ12(図3)に載置する。サーマルプリンタ12は、黒色のリボン14および赤色のインクリボン16の供給機構を有し、密度12ドットの印字ヘッドを含む印字機構18において、表面層5上に印字模様を形成する。サーマルプリンタ12は、プリンタ機構の後方に、さらにベースフィルム2の剥離機構20、リタックフィルム22の供給機構24、横スリッタ26などを備える。
インクリボン14,16は、インク層として所定の着色剤、紫外線反応性樹脂、光開始剤を主成分とし、紫外線吸収剤、可塑剤、分散剤、酸化防止剤、増感剤などを含有し、紫外線硬化型で耐摩耗性で耐洗濯性の印字模様を形成する。このインク層は、着色剤としてカーボンブラックまたはカドミウムレッド、紫外線反応性樹脂として無黄変型ウレタンアクリレート、光開始剤としてアセトフェノン系化合物を含む。インクリボンのベースフィルムは、厚さ約3μmのPETフィルムであり、その背面側にMEK溶媒希釈のシリコン樹脂を塗布して潤滑層を形成し、表面側において、紫外線反応性インク材料塗液をグラビア塗工してから、80℃で10分間乾燥して膜厚2μmのインク層を形成する。
ロール状のテープ素材10は、サーマルプリンタ12に取り付けて図3の矢印方向へ走行させ、まず、黒色のインクリボン14を印字機構18で熱転写して表面上に黒色で印字され、ついで赤色のインクリボン16によって赤色で印字される。印字模様を形成したラベル素材10’は、供給機構24においてリタックフィルム22を貼着する。この際に、リタックフィルム22は裏面が粘着剤付きであり、供給機構24で離型紙23を剥がしながらリタックフィルム22を供給し、ローラ対25でラベル素材10’に圧着する。
ついで、ラベル素材10’は、剥離機構20においてローラ27でベースフィルム2を剥離する。この結果、ラベル素材10'は図5に示す層構成になる。このラベル素材10’は、横スリッタ26で1枚ずつに寸断され、単枚化した品質表示ラベル1をストック29に積み込んでいく。所望に応じて、その四隅を面取りする工程を追加し、図6に示すような品質表示ラベル1を得る。
図示しないけれども、サーマルプリンタ12は制御コンピュータに接続され、該制御コンピュータにおいて顧客別の個別データを保存し、個別データが変更されると、直ちに変更データをサーマルプリンタ12へ送信して印字模様を変更する。この制御コンピュータが、インターネット回線などを介して顧客側のコンピュータと接続されると、顧客側において印字データを任意に変更することが可能である。
得た品質表示ラベル1は、表面層5上に貼着したリタックフィルム22を上側にして衣類などの被転写材の上に載置すると、接着層3が被転写材の表面と直接接触するので熱転写作業が容易である。また、リタックフィルム22によって適度の硬さを有するので、多数枚を積み重ねて保管することができ、積み重ねたものから1枚ずつ取り出しやすい。
熱転写時には、品質表示ラベル1を裏返し、図6に例示するように水着28の裏側に置いて加熱・加圧し、この際に、耐熱層4の存在によって表面層5の熱変形を緩和できる。この転写条件は、熱転写機(商品名:T−80型トランステイタ)において、温度を150℃、転写圧力を1kg/cm、転写時間を10秒に設定する。この加熱転写の結果、品質表示ラベル1を水着28の裏側に貼着できる。水着28裏側に貼着した品質表示ラベル1は、全体的に伸縮性が高いので水着28の伸縮性を損なうことがなく、使用時に着用者の肌と直接接触しても不快感を与えることがない。
貼着した品質表示ラベル1は、繰り返し洗濯試験10回、乾燥摩擦試験100回、湿潤試験100回、アクセレロータ試験2000rpm×10分において、いずれも外観変化が殆ど生じなかった。また、伸張率75%、1万回の引っ張り試験について破断せず、その伸張率は110%である。塩素水処理堅牢度およびNOx堅牢度は4〜5級であり、ATTS法による汗ジャングル試験で異常はなかった。このように、品質表示ラベル1は、水着28への貼着後に洗濯を繰り返しても剥離したり破損することが少ない。
図4では、デジタルプリンタとしてインクジェットプリンタ(例えば、商品名:マックスアートPM−7000C)で印字する例を示している。テープ素材10は、図4の矢印方向に走行してインクジェットプリンタ30を通過する間に、水平に搬送時において印字される。インクジェットプリンタ30は、印字ヘッド32およびテープ搬送ローラ34を備え、該ヘッドと搬送機構はともに制御機構を構成するCPU36によって制御される。さらに、インクジェットプリンタ30は、オペレータが操作するモニタとキーボード38などを経由して制御コンピュータ40に接続され、該管理コンピュータがインターネット回線などを介して顧客コンピュータと接続することも可能である。
印字ヘッド32において、インクタンク42からインクをノズル44からテープ素材10の表面に印字し、多色の印字であれば色数に応じて複数のノズルおよびインクタンクを設置する。印字ヘッド32は、固定式または走査式であり、固定式の場合には、ノズル44はテープ素材10の全幅に存在し、搬送ローラ34によってテープ素材10が連続的に走行するのに合わせてインクを吐出する。搬送ローラ対34を回転するモータは、CPU36の制御下にある。また、走査式の印字ヘッドでは、テープ素材10は搬送ローラ34によって定量走行した後に停止し、停止の間に印字ヘッドが横幅間を移動する。
ノズル44は、CPU36により個別に制御され、該CPUは制御コンピュータ40からの命令を受け取る。制御コンピュータ40は、所望の印字データに対応するコードを格納するメモリを含み、複数の印字データや図形イメージを制御コンピュータ40のメモリにあらかじめ格納しておいてもよい。CPU36は、制御コンピュータ40から送信される印刷命令にしたがって印字ヘッド32を制御する。
インクタンク42内のインキは油性インキであり、ノズル44のつまりなどを防ぐために高沸点の溶媒をベースとすると好ましい。この油性インキについて、速乾性を増すために、より揮発性の高い溶剤を前記の溶媒と混合したり、または単独で加えてもよい。インキ用の着色剤は、公知の顔料、染料を用いることができ、顔料としては湿式トナーの着色剤も使用できる。この染料として、水不溶性の油溶性染料や分散染料を溶媒に分散または溶解した態様で用い、水不溶性の染料は、例えば、ジアリールメタン系、トリアリールメタン系、チアゾ−ル系、メチン系、アゾメチン系などの染料である。
インクジェットプリンタ30は、その後方において、実施例1と実質的に同様に、ベースフィルム2の剥離機構20、リタックフィルム22の供給機構24、横スリッタ(図示しない)を備える。リタックフィルム22の裏面に水溶性樹脂が塗布されていればローラ46で水を付与し、感熱性樹脂が塗布されていればローラ46は加熱ローラである。
1 品質表示ラベル
2 ベースフィルム
3 接着層
4 耐熱層
5 表面層
10 テープ素材
12 サーマルプリンタ
22 リタックフィルム
28 水着
30 インクジェットプリンタ

Claims (4)

  1. ベースフィルム上に接着層、耐熱層および表面層を順次積層したテープ素材を用い、個別データに基づいて表面層上にオンデマンドで印字してから単枚化した品質表示ラベルであって、前記耐熱層は、表面層よりも厚くて厚みが50〜100μmであり且つ樹脂の中に固体添加物を含まず、顔料を含む表面層と比べてより伸縮性に富んでおり、前記耐熱層は、接着層と比べて伸縮性が低い反面、圧縮・伸長永久歪みは小さく、衣類の大きい伸びによる表面層の永久歪みを緩和し、さらに伸縮性衣類の伸びに追従して接着層が大きく伸びた際に、この伸びに追従できない表面層との間に生じる皺発生や変形を緩和するとともに、単枚化の後に衣類の所定個所と接触させて熱転写する際に、耐熱層によって表面層の熱変形を緩和する伸縮性衣類用の品質表示ラベル。
  2. 個別データから具現化する印字模様には、文字、取り扱い絵表示およびバーコード表示の少なくともいずれかを含み、その四隅が面取りされ、この面取りにより、伸縮性衣類の裏側に貼着した後に、衣類使用時に四隅から剥がれることが少なくなる請求項1記載の品質表示ラベル。
  3. 広幅のベースフィルム上に接着層、耐熱層および表面層を順次設け、得た多層フィルムを縦スリッタによって粗断ちしてから、多数本の所定幅のテープ素材に精密裁断し、このテープ素材についてデジタルプリンタによって個別データに基づいてオンデマンドで連続的に印字し、印字模様を形成したテープ素材を横スリッタによって単枚化しており、表面層上の印字模様は1枚単位で変更可能であり、前記耐熱層は、表面層よりも厚くて厚みが50〜100μmであり且つ樹脂の中に固体添加物を含まず、表面層と比べてより伸縮性に富んでおり、前記耐熱層は、接着層と比べて伸縮性が低い反面、圧縮・伸長永久歪みは小さく、衣類の大きい伸びによる表面層の永久歪みを緩和し、さらに伸縮性衣類の伸びに追従して接着層が大きく伸びた際に、この伸びに追従できない表面層との間に生じる皺発生や変形を緩和する品質表示ラベルの製造法。
  4. 広幅のベースフィルム上に接着層、耐熱層および表面層を順次設け、得た多層フィルムを縦スリッタによって粗断ちしてから、多数本の所定幅のテープ素材に精密裁断し、このテープ素材についてデジタルプリンタによって個別データに基づいてオンデマンドで連続的に印字し、次にベースフィルムを剥離するとともに、リタックフィルムを表面層上に貼着し、印字模様を形成したテープ素材を横スリッタによって単枚化しており、表面層上の印字模様は1枚単位で変更可能であり、前記耐熱層は、表面層よりも厚くて厚みが50〜100μmであり且つ樹脂の中に固体添加物を含まず、表面層と比べてより伸縮性に富んでおり、前記耐熱層は、接着層と比べて伸縮性が低い反面、圧縮・伸長永久歪みは小さく、衣類の大きい伸びによる表面層の永久歪みを緩和し、さらに伸縮性衣類の伸びに追従して接着層が大きく伸びた際に、この伸びに追従できない表面層との間に生じる皺発生や変形を緩和する品質表示ラベルの製造法。
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