JP5495047B2 - 車速制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は車速制御装置に関する。
車両では、運転者がアクセルペダルを操作して、エンジン動力を要求する。運転者は、加速が不足していると感じると、さらにアクセルペダルを踏み込むことになり、これに車輪の回転速度(車速に相当)が応答することになる。
車両において、エンジンのパワーを食うものとして、乗用車におけるエアコンその他の補機がある。また、産業機械としての例えばフォークリフトにおけるフォークや、農業機械としての例えば耕うん機における耕うんツールがある。
ところで、連続可変変速機を制御する方法において、要求されたエンジン加速度を得るための、バリエータのプライマリ制御信号の設定とエンジントルク制御の設定とを決定し、その結果のエンジン速度変化を予測し、実際のエンジン速度と予測エンジン速度との比較に基づいて、バリエータのプライマリ制御信号の設定とおよびエンジントルク制御の設定を訂正する方法が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
また、車両の駆動制御装置において、目標トランスミッション入力トルクに基づいて上記CVTのトルクを制御する第1の制御部と、目標エンジン回転速度に基づいてエンジンのトルクを制御する第2の制御部とを設けた駆動制御装置が提案されている(例えば特許文献2を参照)。
特表2006−521241号公報 WO2007/040164号公報
産業機械としてのフォークリフトや農業機械としてのトラクターは、その目的上、速度制御を必要とする。そして、産業機械としてのフォークリフトの前部のフォークに重量物が積載された場合や、農業機械としての例えば耕うん機の後部において耕うん作業が始まった場合、車速が急激に低下し、それを戻すために時間を要し、応答性が悪い。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、負荷変動に対する応答性に優れた車速制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、トルク制御される無段変速機(CVTという)または変速比無限大無段変速機(IVT)を装備する車両のための車速制御装置であって、エンジン回転速度フィードバック制御ループ(L1)の外側に車速フィードバック制御ループ(L2)を持つカスケード構造をなし、目標車速(VT )を入力し要求車速(VS )を出力する車両モデル(54)と、上記目標車速および実車速(VR )の偏差(VT −VR )に基づく第1のフィードバック量(FD1)を演算する第1のフィードバック量演算手段(53)と、上記要求車速および実車速の偏差に基づく第2のフィードバック量(FD2)を演算する第2のフィードバック量演算手段(55)と、上記第1のフィードバック量と第2のフィードバック量との加算値(FD1+FD2)に基づいて、目標駆動力(PeT )を演算する目標駆動力演算手段(57)と、を備える車速制御装置を提供する。
本発明では、エンジン回転速度フィードバック制御ループの応答が、車速制御フィードバック制御ループの応答よりも速いので、カスケード制御を有効に働かせて、車速を精度良く制御することができる。また、車両モデルが目標車速に達するまでの理想的な応答である要求車速を出力する。目標駆動力を演算するためのフィードバック量に、要求車速と実車速との偏差に基づく第2のフィードバック量が含まれているので、目標駆動力に関して、実際の車両における未知の変動に対して非常に迅速な補償を自動的に行うことが可能となり、車速を一層精度良く制御することができる。
したがって、車速制御に、必ずしも積分器を用いなくてもよくなる。具体的には、上記第1のフィードバック量演算手段は、上記目標車速および上記実車速の偏差に第1の比例ゲイン(Kp)を乗じて比例制御を実行する第1の比例制御手段を含む場合がある(請求項2)。この場合、フィードバック系が簡単な構成となり、チューニングが簡単である。また、積分器を用いずに済むので、積分器の持つ動特性の悪さ(定常状態に達するまでに時間を要すること)を回避することができる。
また、上記第2のフィードバック量演算手段は、上記要求車速および上記実車速の偏差に第2の比例ゲイン(Ka)を乗じて比例制御を実行する第2の比例制御手段を含む場合がある(請求項3)。この場合、フィードバック系が簡単な構成となり、チューニングが簡単である。また、積分器を用いずに済むので、積分器の持つ動特性の悪さ(定常状態に達するまでに時間を要すること)を回避することができる。
また、上記車両モデルは一次応答モデルを含む場合がある(請求項4)。この場合、車両モデルとして簡単なモデルを用いて応答性を向上することができる。
また、上記車両モデルはレートリミッタを含む場合がある(請求項5)。この場合、車速変化量の大小に応じた時定数を持った応答を実現できるので、ドライバが違和感を持つことがない。
また、エンジン(1)の駆動力が入力されるトルク制御型の無段変速機(2,6)と、上記目標駆動力を達成するための目標エンジントルク(TeT )および目標エンジン回転速度(ωeT )を演算する制御指令演算部(58)と、上記目標エンジントルクに相当する目標トランスミッション入力トルク(TTRN,T )に基づいてトランスミッション入力トルク(TTRN )を制御する第1の制御部(61)と、上記目標エンジン回転速度に基づいてエンジンのトルク(Te)を制御する第2の制御部(62)と、をさらにを備える、場合がある(請求項6)。
この場合、例えば、予め記憶した最大効率曲線(PEC:peak efficiency curve /エンジン出力に応じて最大効率を達成することのできるエンジン回転速度とエンジントルクの関係を表す曲線)に則って、目標エンジントルクと目標エンジン回転速度を求めることができる。上記目標エンジントルクに相当する目標トランスミッション入力トルクが第1の制御部に入力され、上記目標エンジン回転速度が第2の制御部に入力される。無段変速機のトルク制御およびエンジンのトルク制御のそれぞれにおいて、入力と出力の関係を線形化することが可能となり、制御が簡単となる。安価にパワートレーンの応答性を向上させることができる。
なお、上記において、括弧内の英数字は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。また、本発明において、「エンジン」とは、内燃機関および電気モータを含む回転駆動をもたらす適切なディバイスを含むものである。
本発明の一実施の形態の車速制御装置が適用された車両の概略構成を示す模式図である。 CVTの要部の概略図である。 制御のブロック図である。 フィルタ(車両モデル)に入力される目標車速とこの入力に対する出力としての要求車速を示すタイムチャートであり、(a)はフィルタ(車両モデル)として一次応答モデルを用いた場合を示し、(b)はフィルタ(車両モデル)としてのレートリミッタを用いた場合を示している。 IVT制御部の概略構成を示すブロック図である。 エンジン制御部の概略構成を示すブロック図である。
本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施の形態の車速制御装置が適用されたドライブトレーン100の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、ドライブトレーン100は、エンジン1と、変速比無限大無段変速機2(以下、IVT2という)とで構成されている。IVT2は、エンジン1の出力軸3にトーショナルダンパ4を介して連結されたIVT入力軸5と、フルトロイダル型無段変速機からなるCVT6と、遊星ギヤ機構7と、IVT入力軸5と平行に設けられ駆動輪に連結されたIVT出力軸8とを備えている。上記のCVT6は、いわゆるトルク制御型のCVTである。
本実施の形態では、IVT2を有する車両の駆動制御装置に則して説明するが、本発明は、トルク制御型のCVTを備える車両の駆動制御装置であれば、適用することができる。
CVT6は、IVT入力軸5と同軸上に設けられたCVT入力軸9と、CVT入力軸9を挿通させる中空のCVT出力軸10とを備えている。CVT入力軸9には、一対の入力ディスク11,12が一体回転可能に設けられている。これらの入力ディスク11,12は、背中合わせに配置され、それぞれ、トロイダルレースを形成している。また、CVT出力軸10には、一対の入力ディスク11,12のトロイダルレースにそれぞれ対向するトロイダルレースをそれぞれ形成した一対の出力ディスク13,14が、一体回転可能に設けられている。
入力ディスク11,12と出力ディスク13,14のトロイダルレース間には、両ディスク11,13;12,14間にトルクを伝達するためのローラ15,16がそれぞれ配置されている。入力ディスク11からローラ15を介して出力ディスク13にトルクが伝達されるとともに、入力ディスク12からローラ16を介して出力ディスク14にトルクが伝達される。各ローラ15,16は、キャリッジ17により支持されている。図1では、模式的に示してあるが、実際には、図2に示すように、キャリッジ17の軸線は、ローラ16の回転軸線と直交する方向に延び、且つ所定のキャスタ角βをなしている。ローラ15とそれを支持するキャリッジ17に関しても同じである。
両ディスク11,13;12,14には、油室18の油圧により端末負荷が付与されている。一方、ローラ15,16は、キャリッジ17を介して、油圧シリンダ19の第1および第2の油室20,21の差圧による付勢力を受けて、両ディスク11,13;12,14に押し付けられている。
キャリッジ17に支持されたローラ15,16は、トルクを伝達することによりキャリッジ17に生ずるリアクション力と、出力ディスク13,14を駆動するのに必要なトルクとのアンバランスを解消するべく、キャリッジ17の軸線回りにローラ15,16の回転軸線が揺動角度を生ずるように傾斜させる。これにより、ローラ15,16の姿勢が変化し、両ディスク11,13;12,14間の速度比が連続的に変化するようになっている。
遊星ギヤ機構7は、サンギヤ22と、キャリア23によって支持された複数の遊星ギヤ24と、遊星ギヤ24に噛み合う内歯を有するリングギヤ25とを備えている。
遊星ギヤ機構7は、CVT入力軸9とCVT出力軸10との間に介在している。具体的には、まず、リングギヤ25が、IVT出力軸8に一体回転可能に連結されている。
また、CVT入力軸9の回転が、ギヤ列26および連結状態の動力循環モードクラッチ27(ロークラッチともいう)を介して、キャリア23に伝達されるようになっている。ギヤ列26は、CVT入力軸9と一体回転可能に連結されたギヤ26aと、このギヤ26aに噛み合いIVT出力軸8に回転自在に支持されたギヤ26bとを有している。動力循環モードクラッチ27は、ギヤ26bとキャリア23とを連結/解放可能な、例えば多板クラッチからなる。動力循環モードクラッチ27は、連結されたときに、変速比無限大を含む変速比範囲で動力を伝達する動力循環モードを実現する。
また、CVT出力軸10の回転が、ギヤ列28を介して、サンギヤ22に伝達されるようになっている。ギヤ列28は、CVT出力軸10に一体回転可能に連結されたギヤ28aと、このギヤ28aに噛み合い、サンギヤ22に一体回転可能に連結されたギヤ28bとを有している。ギヤ28bとIVT出力軸8との間には、ギヤ28bとIVT出力軸8とを連結/解放可能な直結モードクラッチ29(ハイクラッチともいう)が介在している。直結モードクラッチ29は、連結されたときに、CVT6のみでのみで動力を伝達する直結モードを実現する。
直結モードクラッチ29が解放され、動力循環モードクラッチ27が連結された状態では、エンジン1の動力は、IVT入力軸5およびギヤ列26を介して、キャリア23に伝達され、その結果、遊星ギヤ機構7のリングギヤ25にトルク増幅されて伝達され、IVT出力軸8に出力される。
このとき、リングギヤ25にかかる駆動負荷による反力がサンギヤ22にもトルクを及ぼす。このサンギヤ22に作用するトルクは、ギヤ列28およびCVT出力軸10を介してCVT6に戻り、CVT入力軸9側でエンジン1の出力トルクと合わさって、ギヤ列26および動力循環モードクラッチ27を介して再びキャリア23に伝達される。
すなわち、エンジン動力がIVT出力軸8に出力されるとともに、CVT6と遊星ギヤ機構7を通って循環するいわゆる動力循環モードとなる。この動力循環モードは、車両発進時、低速走行時、中速走行での急加速時等の大きな駆動トルクが必要とされるときに選択される。
一方、動力循環モードクラッチ27が解放され、直結モードクラッチ29が連結された状態では、エンジン1の動力は、CVT6を経てサンギヤ22に伝達され、直結モードクラッチ29を介して、IVT出力軸8から出力される、直結モードとなる。この直結モードは、中速走行時、高速走行での加速時等のさほど大きな駆動トルクが必要とされないときに選択される。
端末負荷用の油室18および油圧シリンダ19の第1の油室20には、第1のポンプ30から油圧が、第1の圧力制御弁31によって制御されて供給されるようになっている。また、油圧シリンダ19の第2の油室21には、第2のポンプ32からの油圧が、第2の圧力制御弁33によって制御されて供給されるようになっている。
IVT2およびエンジン1の動作を制御する制御部は、ECU34(電子制御ユニット:Electronic Control Unit)により構成されている。
ECU34には、アクセル操作量を検出するアクセル操作量センサ35と、車両の走行速度を検出する車速センサ36と、エンジン回転速度センサ37、CVT入力軸9の回転速度を検出するCVT入力軸回転速度センサ38と、CVT出力軸10の回転速度を検出するCVT出力軸回転速度センサ39と、油圧シリンダ19の第1の油室20と第2の油室21の差圧Pを検出する圧力検出手段としての圧力センサ40と、IVT出力軸8の回転速度を検出するIVT出力軸回転速度センサ41とが接続されている。これらのセンサ35〜41からの信号がECU34に入力されるようになっている。なお、圧力センサ40に代えて、電流−圧力マップを備えて制御するようにしてもよい。また、アクセル操作量センサ35は、アクセルペダルやアクセルレバーの変位を検出する変位センサを用いることができる。
ECU34は、エンジン出力を制御するために、エンジン1への燃料の供給量を調整する燃料供給量調整機構42に指令信号を出力する。その指令信号は、燃料供給量調整機構42としての例えばスロットルバルブ開度調整用の電磁弁のソレノイドに対する電圧指令信号である。また、ECU34は、ローラ15,16のトルク伝達力を制御するために、第1の圧力制御弁31および第2の圧力制御弁33にそれぞれ指令信号を出力する。また、ECU34は、動力循環モードおよび直結モードの切り換えのために、動力循環モードクラッチ27および直結モードクラッチ29に接離指令信号(図3参照)を出力する。ECU34が車速制御装置として機能している。
本実施の形態の制御概念を示すブロック図である図3を参照して、ECU34は、コンピュータが所定のプログラム処理を実行することによってソフトウエア的に実現される複数の機能処理部を有している。すなわち、ECU34は、要求駆動力(要求エンジン出力)演算部51と、目標車速演算部52と、第1のフィードバック量演算部53と、車両モデルとしてのフィルタ54と、第2のフィードバック量演算部55と、加算器56と、目標駆動力(目標エンジン出力)演算部57と、制御指令演算部58と、目標トランスミッション入力トルク演算部59と、第1の制御部としてのIVT制御部61と、第2の制御部としてのエンジン制御部62とを備えている。フィルタ54としては、例えば一次応答モデル(first order response model) またはレートリミッタを用いることができる。
本実施の形態の主たる特徴の一つは、ECU34が、エンジン回転速度センサ37の検出する実際のエンジン回転速度ωeを目標エンジン回転速度ωeT に収束させるように機能するエンジン回転速度フィードバック制御ループL1の外側に、車速センサ36の検出する実車速VR を目標車速VT に収束させるように機能する車速フィードバック制御ループL2を有するカスケード構造をなしている点にある。
要求駆動力(要求エンジン出力)演算部51は、アクセル操作量センサ35から入力されるアクセルペダルまたはアクセルノブの操作量θ(運転者による車速指令に相当)と車速センサ36から入力される実車速VR とに基づき、予め記憶された第1のエンジンマップM1を用いて要求エンジン出力PeD を演算する。第1のエンジンマップM1は、アクセル操作量θおよび車速Vに応じたエンジン出力Peが記憶されたマップである。
目標車速演算部52は、上記の要求エンジン出力PeD を入力し、予め記憶した第2のエンジンマップM2を用いて、目標車速VT を演算する。第2のエンジンマップM2は、エンジン出力Peに応じて最大効率を達成することのできるエンジン回転速度ωeとエンジントルクTeとの関係を、最大効率曲線(PEC:peak efficiency curve )として記憶したものである。
v を車両駆動パワーとし、ηPWT をドライブトレーン効率とし、TRLを車両走行抵抗とし、ωW を駆動輪回転速度としたときに、車両駆動パワーPv は、エンジン出力Peとドライブトレーン効率ηPWT の積に等しいとともに、車両走行抵抗TRLと駆動輪回転速度ωW の積に等しい。すなわち、式Pv =Pe×ηPWT =TRL×ωW が成立する。
ここで、車両走行抵抗TRLは、駆動輪回転速度ωW の関数TRL(ωW )として表される。すなわち、式TRL=TRL(ωW )が成立する。したがって、駆動輪回転速度ωW は、エンジン出力Peの関数として表すことが可能である。すなわち、式ωW =ωW (Pe)が成立する。したがって、上記の第2のエンジンマップM2と要求エンジン出力PeD を用いて、目標駆動輪回転速度、すなわち、目標車速VT を求めることができる。
第1のフィードバック量演算部53は、目標車速VT および実車速VR の偏差(VT −VR )に基づく第1のフィードバック量FD1を演算する。具体的には、第1のフィードバック量演算部53は、例えば乗算器からなる処理部53aを備えており、目標車速VT および実車速VR の偏差(VT −VR )に第1の比例ゲインKpを乗じて比例制御を実行する第1の比例制御手段として構成されている。すなわち、第1のフィードバック量FD1は、下記の式(1)で表される。
FD1=Kp・(VT −VR ) …(1)
車両モデルとしてのフィルタ54として、例えば一次応答モデル〔図4(a)を参照〕や、レートリミッタ〔図4(b)を参照〕を用いることができる。図4(a)に示すように、フィルタ54としての一次応答モデルは、0から上記目標車速VT までステップ状に変化する入力が与えられたときに理想的な応答となる要求車速VS を出力する。フィルタ54としての一次応答モデルは、例えば下記の式(2)で表される。ただし、k1は車両に応じた係数である。
V 's =k1・(VT −VS ) …(2)
図4(b)に示すように、フィルタ54としてのレートリミッタは、0から目標車速VT に達するステップ状の入力に対して、一制御周期での変化量が制限(レートリミット)された要求車速VS を出力する。
第2のフィードバック量演算部55は、要求車速VS および実車速VR の偏差(VS −VR )に基づく第2のフィードバック量FD2を演算する。具体的には、第2のフィードバック量演算部55は、例えば乗算器からなる処理部55aを備えており、要求車速VS および実車速VR の偏差(VS −VR )に第2の比例ゲインKaを乗じて比例制御を実行する第2の比例制御手段として構成されている。すなわち、第2のフィードバック量FD2は、下記の式(3)で表される。
FD2=Ka・(VS −VR ) …(3)
上記の第1のフィードバック量FD1および第2のフィードバック量FD2は、加算器56によって加算され、第1のフィードバック量FD1および第2のフィードバック量FD2の加算値(FD1+FD2)が、目標駆動力(目標エンジン出力)演算部57へ出力される。
目標駆動力演算部57では、第1のフィードバック量FD1および第2のフィードバック量FD2の加算値(FD1+FD2)と上記の第1のエンジンマップM1を用いて、目標駆動力PeT を演算する。
演算された目標エンジン出力PeT は、制御指令演算部58に出力される。制御指令演算部58は、目標エンジン出力PeT を入力し、第2のエンジンマップM2を用いて、目標エンジン回転速度ωeT と目標エンジントルクTeT を演算する。このとき、最大効率曲線(PEC)に則って、目標エンジン回転速度ωeT と目標エンジントルクTeT が演算されることにより、加速性を損なうことなく燃費を向上させる駆動制御が実効あるものとなる。
制御指令演算部58により演算された目標エンジン回転速度ωeT はエンジンを制御する第2の制御部としてのエンジン制御部62に出力される。一方、制御指令演算部58により演算された目標エンジントルクTeT は、目標トランスミッション入力トルク演算部59に出力される。
目標トランスミッション入力トルク演算部59は、下記の式(5)で示されるように、入力した目標エンジントルクTeT に相当する目標トランスミッション入力トルクTTRN,T (本実施の形態では、実CVT入力トルクに相当)を演算する。
TRN,T =TeT …(5)
演算された目標トランスミッション入力トルクTTRN,T は、第1の制御部としてのIVT制御部61に入力される。
図5を参照して、IVT制御部61は、要求差圧演算部63と、信号出力部64とを備えている。要求差圧演算部63は、目標トランスミッション入力トルクTTRN,T と、CVT入力軸回転速度センサ38により検出されたCVT入力軸回転速度ωi と、CVT出力軸回転速度センサ39により検出されたCVT出力軸回転速度ωo とを入力し、下記式(6)を用いて、油圧シリンダ19の第1および第2の油室20,21間に付与されるべき、要求差圧PD を演算する。
D =TTRN,T /〔kr ×Rv/(Rv−1)〕 …(6)
ただし、
kr :幾何学的定数
Rv:CVTの変速比(Rv=ωo /ωi
ωi :CVT入力軸回転速度
ωo :CVT出力軸回転速度
信号出力部64は、要求差圧演算部63により演算された要求差圧PD を入力し、これを第1の圧力制御弁31および第2の圧力制御弁33の各ソレノイドに対する電圧指令信号に変換して出力することになる。これにより、ローラ15,16に所望のリアクション力を働かせ、CVT6に所望の伝達トルクを伝達させることができる。
次いで、図6を参照して、エンジン制御部62は、実トランスミッション入力トルク演算部65と、要求エンジントルク設定部66と、信号出力部67とを備えている。
実トランスミッション入力トルク演算部65は、CVT入力軸回転速度センサ38により検出されたCVT入力軸回転速度ωi 、CVT出力軸回転速度センサ39により検出されたCVT出力軸回転速度ωo 、および圧力センサ40により検出された第1および第2の油室20,21間の差圧Pを入力し、下記の式(7)に基づいて、実トランスミッション入力トルクTTRN,R を演算する。演算された実トランスミッション入力トルクTTRN,R は、要求エンジントルク設定部66に出力される。
TRN,R =kr ×〔Rv/(Rv−1)〕×P …(7)
要求エンジントルク設定部66は、上記の実トランスミッション入力トルクTTRN,R と、制御指令演算部58から入力した目標エンジン回転速度ωeT と、エンジン回転速度センサ37により検出された実際のエンジン回転速度ωeとを入力し、下記の式(8−1)、(8−2)を用いて演算されたエンジントルクTeを、要求エンジントルクTeD 〔TeD =Ie×k3 ×(ωeT −ωe)+TTRN,R 〕として設定する。
Te=Ie×ω’eAT+TTRN,R …(8−1)
ω’eAT=k3 ×(ωeT −ωe) …(8−2)
ただし、
Ie:エンジンイナーシャ
k3 :制御ゲイン
式(8−1)の右辺の第1項は、エンジン1の実際の回転速度ωeと目標エンジン回転速度ωeT の偏差(ωeT −ωe)を解消するためのエンジントルク成分である。また、右辺の第2項は、IVT制御部61によるトルク制御された結果が反映された実トランスミッション入力トルクTTRN,R である。ω’eATは、目標エンジン回転加速度に相当する。
信号出力部67は、要求エンジントルク設定部66により設定された要求エンジントルクTeD を入力し、これを燃料供給量調整機構42としての例えばスロットルバルブ開度調整用の電磁弁のソレノイドに対する電圧指令信号に変換して出力することになる。これにより、エンジン1に所望の動力特性を発揮させることができる。
本実施の形態によれば、エンジン回転速度フィードバック制御ループL1の応答が、車速制御フィードバック制御ループL2の応答よりも速いので、カスケード制御を有効に働かせて、車速を精度良く制御することができる。
また、フィルタ54(例えば一次応答モデルまたはレートリミッタ)が、目標車速VT に達するまでの理想的な応答である要求車速VS を出力する。目標車速VT と実車速VR との偏差に基づく第1のフィードバック量部FD1と、要求車速VS と実車速VR との偏差に基づく第2のフィードバック量FD2とを加算したフィードバック量に基づいて、目標エンジン出力PeT (目標駆動力)を演算するので、目標エンジン出力PeT (目標駆動力)および目標車速VT に関して、実際の車両における未知の変動に対して非常に迅速な補償を自動的に行うことが可能となる。
したがって、車速制御に、必ずしも積分器を用いなくてもよくなる。すなわち、第1のフィードバック量演算部53の処理部53aが、目標車速VT および実車速VR の偏差(VT −VR )に第1の比例ゲインKaを乗じて比例制御を実行する第1の比例制御手段として構成されている。また、第2のフィードバック量演算部55の処理部55aが、要求車速VS および実車速VR の偏差(VS −VR )に第2の比例ゲインK2を乗じて比例制御を実行する第2の比例制御手段として構成されている。したがって、フィードバック系が簡単な構成となり、チューニングが簡単である。また、積分器を用いずに済むので、積分器の持つ動特性の悪さ(定常状態に達するまでに時間を要すること)を回避することができる。
ただし、第1のフィードバック量演算部53および第2のフィードバック量演算部55の少なくとも一方が、比例積分制御(PI制御)を実行する比例積分制御手段として構成されていてもよい。また、処理部53aが、偏差(VT −VR )を変数とする所定の関数式f(VT −VR )で表されていてもよいし、処理部55aが、偏差(VS −VR )を変数とする所定の関数式g(VS −VR )で表されていてもよい。
また、フィルタ54として、一次応答モデルを用いた場合には、簡単なモデルを用いて車速制御の応答性を向上することができる。フィルタ54として、レートリミッタを用いた場合には、車速変化量の大小に応じた時定数を持った応答を実現できるので、ドライバが違和感を持つことがない。
特に、本実施の形態の車速制御装置は、負荷変動の大きい車両に好適に利用できる。すなわち、商用車において積荷荷重が大幅に増大した場合や、産業機械であるフォークリフトにおいてフォークの積載荷重によって車重が大幅に増大した場合や、農業機械である耕うん機において耕うんツールが土中を掘り起こし始めてエンジパワーを食われた場合にも、車速を精度良く維持することができる。
本発明は請求項記載の範囲で種々の変更を施すことができる。
100…ドライブトレーン、1…エンジン、2…IVT(変速比無限大無段変速機)、5…IVT入力軸、6…CVT(無段変速機)、7…遊星ギヤ機構、8…IVT出力軸、9…CVT入力軸、10…CVT出力軸、31…第1の圧力制御弁、33…第2の圧力制御弁、34…ECU(車速制御装置)、35…アクセル操作量センサ、36…車速センサ、37…エンジン回転速度センサ、38…CVT入力軸回転速度センサ、39…CVT出力軸回転速度センサ、40…圧力センサ、42…燃料供給量調整機構、51…要求駆動力演算部、52…目標車速演算部、53…第1のフィードバック量演算部(第1のフィードバック量演算手段。第1の比例制御手段)、54…フィルタ(車両モデル)、55…第2のフィードバック量演算部(第2のフィードバック量演算手段。第2の比例制御手段)、57…目標駆動力演算部、58…制御指令演算部、59…目標トランスミッション入力トルク演算部、61…IVT制御部(第1の制御部)、62…エンジン制御部(第2の制御部)、θ…アクセル操作量、Kp…第1の比例ゲイン、Ka…第2の比例ゲイン、FD1…第1のフィードバック量、FD2…第2のフィードバック量、L1…エンジン回転速度フィードバック制御ループ、L2…車速フィードバック制御ループ、Pe…エンジン出力、PeT …目標エンジン出力(目標駆動力)、Te…エンジントルク、TeT …目標エンジントルク、TTRN,T …目標トランスミッション入力トルク、ωeT …目標エンジン回転速度、VR …実車速、VS …要求車速、VT …目標車速

Claims (6)

  1. トルク制御される無段変速機(CVTという)または変速比無限大無段変速機(IVT)を装備する車両のための車速制御装置であって、
    エンジン回転速度フィードバック制御ループの外側に車速フィードバック制御ループを持つカスケード構造をなし、
    目標車速を入力し要求車速を出力する車両モデルと、
    上記目標車速および実車速の偏差に基づく第1のフィードバック量を演算する第1のフィードバック量演算手段と、
    上記要求車速および実車速の偏差に基づく第2のフィードバック量を演算する第2のフィードバック量演算手段と、
    上記第1のフィードバック量と第2のフィードバック量との加算値に基づいて、目標駆動力を演算する目標駆動力演算手段と、を備える車速制御装置。
  2. 請求項1に記載の車速制御装置において、上記第1のフィードバック量演算手段は、上記目標車速および上記実車速の偏差に第1の比例ゲインを乗じて比例制御を実行する第1の比例制御手段を含む、車速制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の車速制御装置において、上記第2のフィードバック量演算手段は、上記要求車速および上記実車速の偏差に第2の比例ゲインを乗じて比例制御を実行する第2の比例制御手段を含む、車速制御装置。
  4. 請求項1から3の何れか1項において、上記車両モデルは一次応答モデルを含む、車速制御装置。
  5. 請求項1から3の何れか1項に記載の車速制御装置において、上記車両モデルはレートリミッタを含む、車速制御装置。
  6. 請求項1から5の何れか1項に記載の車速制御装置において、
    エンジンの駆動力が入力されるトルク制御型の無段変速機と、
    上記目標駆動力を達成するための目標エンジントルクおよび目標エンジン回転速度を演算する制御指令演算部と、
    上記目標エンジントルクに相当する目標トランスミッション入力トルクに基づいてトランスミッション入力トルクを制御する第1の制御部と、
    上記目標エンジン回転速度に基づいてエンジンのトルクを制御する第2の制御部と、をさらに備える、車速制御装置。
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