JP5494417B2 - 放射線硬化性シリコーン組成物 - Google Patents

放射線硬化性シリコーン組成物 Download PDF

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Description

本発明は、放射線硬化性シリコーン組成物に関するものである。
シリコーン組成物を硬化させる方法には様々な手段があるが、近年エネルギー効率のよい硬化方式として放射線による硬化方式が着目されている。その中でも、光酸発生剤を用いてエポキシ基の開環を行なう、カチオン重合を用いた硬化方式は、従来のアクリル基等を用いるラジカル重合に比べ、酸素による硬化阻害を受けず、利便性、操作性に優れているため使用用途が拡大している(特許文献1,2:特許第3384268号公報,特許第3993533号公報)。
このカチオン重合における光酸発生剤としては様々なものが提案されているが、主な化合物として分子内に電荷を持つ双性イオンが利用されている(特許文献3:特許第2557782号公報)。通常、光酸発生剤の溶解性は有機基であるエポキシ基が大きく起因し、エポキシ変性率が高いほど光酸発生剤の溶解性は良好である。
ところが、剥離紙用途で使用するカチオン重合性シリコーン組成物は、粘着物質との剥離性を実現するため、有機基であるエポキシ基の変性率が低く、シロキサン率が高い傾向がある。つまり、剥離紙用途で使用するカチオン重合性シリコーン組成物では、しばしばシリコーン組成物への光酸発生剤の溶解性が問題となる。
また、前述した通り、剥離紙用カチオン重合性シリコーン組成物は、粘着物質に対して軽剥離とするにはシリコーン組成物中のシリコーン量を多くする必要がある。しかし、有機基であるエポキシ基が多いほど基材密着性が良好となるため、粘着物質に対して軽剥離とする場合、硬化皮膜が基材から脱落してしまう現象が発生する問題があった。
特許第3384268号公報 特許第3993533号公報 特許第2557782号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、粘着物質に対して剥離性が良好であり、且つ高い基材密着性を示す放射線硬化性シリコーン組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、シロキサン鎖の末端にエポキシ基を含有するオルガノポリシロキサンに、光酸発生剤としてフッ素化アルキルフルオロリン酸塩又はジアリールヨードニウム六フッ化アンチモン酸塩を使用することで、粘着物質に対して剥離性が良好であり、且つ剥離紙用途で使用する基材への密着性が良好な放射線硬化性シリコーン組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、下記の放射線硬化性シリコーン組成物を提供する。
請求項1:
(A):下記一般式(1)
Figure 0005494417
[R1はそれぞれ独立に非置換又は置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基、Epは、下記式
Figure 0005494417
(上記式中、鎖線は結合手を示す。)

から選ばれるエポキシ基を含有する1価の有機基、Xは下記一般式(2)又は(3)
−Y−(Z)n−Y− …(2)
−O−(Z)n− …(3)
(Yは炭素数1〜6の2価炭化水素基、Zはジメチルシロキシ基であり、nは1以上の整数である。)
で示される置換基であり、a、b、cは0以上の数で、a+b+cは25℃における粘度が100〜1,000mPa・s、且つ全有機基の1〜20モル%がエポキシ基を含有する1価の有機基となる数である。]
で示されるシロキサン鎖の末端にエポキシ基を含有する有機基を有する、カチオン重合性オルガノポリシロキサン:100質量部、
(B):下記一般式(4)
Figure 0005494417
(Rfは水素原子の80モル%以上がフッ素原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。pは1〜5の整数である。)
で示されるフッ素化アルキルフルオロリン酸塩:0.05〜20質量部
を主成分としてなることを特徴とする放射線硬化性シリコーン組成物。
請求項2
記(A)成分のカチオン重合性オルガノポリシロキサン中のa、b、cが、aは10〜150、bは1〜15、cは0〜1を満たす数である請求項1記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
請求項
剥離紙用である請求項1又は2記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
シロキサン鎖の末端にエポキシ基を持つエポキシ基含有オルガノポリシロキサンと、光酸発生剤としてフッ素化アルキルフルオロリン酸塩又はヨードニウム塩化合物とを用いた本発明の放射線硬化性シリコーン組成物は、放射線照射により容易に硬化し、工業的にも実用性のあるシリコーン硬化物の形成が可能である。特に、剥離紙用途として、薄膜塗工条件下でも硬化性良好、粘着物質に対して剥離良好であり、しかも基材密着性にも優れている。
本発明の放射線硬化性シリコーン組成物は(A)成分と(B)又は(B’)成分とを含有するが、以下個々の成分に関して詳しく説明する。
本発明の放射線硬化性シリコーン組成物中の(A)成分は、カチオン重合性オルガノポリシロキサンであり、下記一般式(1)で示される。
(A):下記一般式(1)
Figure 0005494417
[R1はそれぞれ独立に非置換又は置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基、Epはエポキシ基を含有する1価の有機基、Xは下記一般式(2)又は(3)
−Y−(Z)n−Y− …(2)
−O−(Z)n− …(3)
(Yは炭素数1〜6の2価炭化水素基、Zはジメチルシロキシ基であり、nは1以上の整数である。)
で示される置換基であり、a、b、cは0以上の数で、a+b+cは25℃における粘度が100〜1,000mPa・s、且つ全有機基の1〜20モル%がエポキシ基を含有する1価の有機基となる数である。]
上記式中、R1は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、これらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部をヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換したヒドロキシプロピル基、シアノエチル基、1−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等から選択される非置換又は置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基であり、R1の80モル%以上、特に90〜100モル%がアルキル基であることが望ましく、更にメチル基であることが好ましい。Epはエポキシ基を含有する1価の有機基(カチオン重合性エポキシ官能性有機基)であり、下記構造のものが好ましい。
Figure 0005494417
(上記式中、鎖線は結合手を示す。)
また、Xは、下記式(2)又は(3)
−Y−(Z)n−Y− …(2)
−O−(Z)n− …(3)
で表記され、Yはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の炭素数1〜6の2価炭化水素基であるが、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、更に好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基である。Oは酸素原子、Zはジメチルシロキシ基であり、nは1以上の整数であり、好ましくは1〜500の整数であり、より好ましくは1〜300の整数である。
ここで、上記式(1)のオルガノポリシロキサンは、例えば特開平10−182826号公報に記載されている方法、あるいは特公平2−38602号公報に記載されている方法等によって製造することができ、この場合、オルガノポリシロキサンとしては、上記式(1)において、a、b、cがそれぞれ0以上の種々の値を有するオルガノポリシロキサンの混合物として得られる。かかる点からa、b、cはそれぞれ平均値として表すことができ、好ましくはa、bがそれぞれ0より大きく、aは10〜150、bは1〜15の正数であり、cは0〜1の数であり、より好ましくは0より大きく1以下の正数であり、且つa+b+cは(A)成分の25℃における粘度が100〜1,000mPa・sであり、全有機基の1〜20モル%がエポキシ基を含有する1価の有機基(カチオン重合性エポキシ官能基)となる数である。より好ましくは全有機基の1〜15モル%がカチオン重合性エポキシ官能基となるような正数である。このエポキシ官能基量が1モル%未満であると硬化速度が遅くなり硬化不良となり、20モル%を超えると粘着物質に対して剥離性が乏しくなる。
上記オルガノポリシロキサンの粘度は25℃において100〜1,000mPa・sである。100mPa・sより小さいとロール塗布等による基材への塗工が困難となり、1,000mPa・sを超えると組成物の粘度が高いため、取り扱いが困難となる。なお、本発明において、上記粘度は回転粘度計を用いて測定した値である。
また、このカチオン重合性オルガノポリシロキサン(A)の配合量としては100質量部を基準として、他の成分の配合比を調整する。
本発明の放射線硬化性シリコーン組成物の(B)及び(B’)成分は光酸発生剤であり、フッ素化アルキルフルオロリン酸塩又はジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩が用いられる。フッ素化アルキルフルオロリン酸塩の場合は、下記式(4)で示される。
Figure 0005494417
(Rfは水素原子の80モル%以上がフッ素原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。pは1〜5の整数である。)
上記式(4)中の[(Rf)pPF6-p-で表されるフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンにおいて、Rfは水素原子の80モル%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、好ましい炭素数は1〜8、更に好ましい炭素数は1〜4である。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、オクチル基等の直鎖アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等の分岐鎖アルキル基、更にシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基などが挙げられる。アルキル基の水素原子がフッ素原子に置換された割合は、通常80モル%以上、好ましくは90モル%以上、更に好ましくは100モル%である。フッ素原子の置換率が80モル%未満では、本発明のオニウム塩のカチオン重合開始能が低下する。
特に好ましいRfは、炭素数が1〜4、且つフッ素原子の置換率が100モル%の直鎖状又は分岐鎖状のパーフルオロアルキル基であり、具体例としては、CF3、CF3CF2、(CF32CF、CF3CF2CF2、CF3CF2CF2CF2、(CF32CFCF2、CF3CF2(CF3)CF、(CF33Cが挙げられる。
また、式(4)においてRfの個数pは、1〜5の整数であり、好ましくは2〜4の整数であり、特に好ましくは2又は3である。p個のRfはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。好ましいフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンの具体例としては、
[(CF32PF4-、[(CF33PF3-
[(CF3CF22PF4-、[(CF3CF23PF3-
[((CF32CF)2PF4-、[((CF32CF)3PF3-
[(CF3CF2CF22PF4-、[(CF3CF2CF23PF3-
[((CF32CFCF22PF4-、[((CF32CFCF23PF3-
[(CF3CF2CF2CF22PF4-、[(CF3CF2CF2CF23PF3-
[(CF3CF2(CF3)CF)2PF4-
[(CF3CF2(CF3)CF)3PF3-
[((CF33C)2PF4-、及び[((CF33C)3PF3-
が挙げられ、これらのうち、
[(CF3CF23PF3-、[(CF3CF2CF23PF3-
[((CF32CF)3PF3-、[((CF32CF)2PF4-
[((CF32CFCF23PF3-、及び[((CF32CFCF22PF4-
が特に好ましい。
また、本発明の放射線硬化性シリコーン組成物の光酸発生剤が(B’)成分のジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩である場合、ジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩のアリール基としては、非置換又は置換のアリール基であって、フェニル基、トリル基等が挙げられ、これらの基の水素原子の一部がペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の炭素数5〜20の1価炭化水素基で置換されていても良く、(A)成分との溶解性、硬化性の点では、炭素数10〜20の1価炭化水素基が好ましい。
一般式(1)で示されるオルガノポリシロキサンに対する(B)成分又は(B’)成分の光酸発生剤の使用量は、(A)成分のカチオン重合性オルガノポリシロキサン100質量部に対し、硬化が進行する有効量添加すれば良く、通常0.05〜20質量部、好ましくは0.1〜10質量部であるが、適当な使用割合は、カチオン重合性オルガノポリシロキサンの性質やエネルギー線の種類と照射量、温度、硬化時間、湿度、塗膜の厚み等、さまざまな要因を考慮することによって決定される。光酸発生剤の使用割合が0.05質量部より少ないとカチオン重合性化合物の重合が不十分となり、20質量部より多いと未反応の光酸発生剤やその分解物により硬化物の特性が低下する。
光酸発生剤は、カチオン重合性オルガノポリシロキサンへの溶解を容易にするため、あらかじめカチオン重合を阻害しない溶剤類に溶かしておいてもよく、例としてプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート類、酢酸エチル、乳酸エチル、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等のエステル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等のモノアルキルエーテル類、例えば、モノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノブチルエーテル又はジアルキルエーテル類、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、更には前記モノアルキルエーテル類の酢酸エステル等のグリコール類などが挙げられる。これらの溶剤類を使用する場合の使用割合は、通常、本発明の光酸発生剤100質量部とすると、溶剤類は15〜1,000質量部、好ましくは30〜500質量部である。
本発明の放射線硬化性シリコーン組成物は、上記成分の所定量を配合することによって得られるが、上記の各成分以外に、任意成分として、各種アントラセン、ナフタレン、ケトン、カルバゾール、クリセン、フェナントレン化合物といった光増感剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、消泡剤、流動調整剤、光安定剤、溶剤、非反応性の樹脂及びラジカル重合性化合物等の添加剤を使用することができる。任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
本発明の放射線硬化性シリコーン組成物は、活性エネルギー線を照射することにより硬化することができる。活性エネルギー線としては、光酸発生剤の分解を誘発するエネルギーを有する限り、いかなるものでもよいが、好ましくは低圧、中圧、高圧又は超高圧の水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、蛍光灯、半導体固体レーザ、アルゴンレーザ、He−Cdレーザ、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、F2レーザ等から得られる紫外〜可視光領域(約100〜約800nm)のエネルギー線が用いられる。更に、電子線、X線等の高エネルギーを有する放射線を用いることもできる。活性エネルギー線の照射時間は、通常は常温(25℃)で0.1〜10秒程度で十分であるが、エネルギー線の透過性が低い場合や硬化性組成物の膜厚が厚い場合には、それ以上の時間をかけるのが好ましいことがある。必要であればエネルギー線の照射後、室温(25℃)〜150℃で数秒〜数時間加熱し、アフターキュアーすることも可能である。
本発明の放射線硬化性シリコーン組成物は短時間の紫外線照射によって容易に硬化することから、剥離紙・剥離フィルム用剥離剤、粘着ラベル用剥離紙のコーティング剤、粘着テープの背面処理剤、金属・プラスチックの保護コーティング剤として使用できる。
本発明の放射線硬化性シリコーン組成物は、基材としては、グラシン紙、クラフト紙、クレーコート紙等の紙基材、ポリエチレンラミネート上質紙、ポリエチレンラミネートクラフト紙等のラミネート紙、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド等の合成樹脂から得られるプラスチックフィルムなど、アルミニウム等の金属箔が挙げられる。
基材に本発明の放射線硬化性シリコーン組成物を塗布するには、ロール塗布、グラビア塗布、ワイヤードクター塗布、エアーナイフ塗布、ディッピング塗布等の公知の方法を用いることができる。塗布量は0.01〜100g/m2とすればよく、得られた塗膜は紫外線を照射すれば容易に硬化する。
以下、実施例、参考例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、下記例において、表中の物性は、下記の試験法により測定されたものである。粘度は回転粘度計で測定した25℃における値である。また、構造式中のMeはメチル基、Epは下記のエポキシ官能基を示す。
Figure 0005494417
〔溶解性〕
カチオン重合性オルガノポリシロキサン100質量部に光酸発生剤1質量部を添加し、均一混合を行い、1時間後に目視にて光酸発生剤のカチオン重合性オルガノポリシロキサンへの溶解性を確認した。
評価基準
○:混合物が均一に溶解して外観が透明
△:混合物に濁りが発生
×:混合物中に沈殿が発生
〔硬化性〕
放射線硬化性シリコーン組成物を調製後、ロール塗布することでポリエチレンラミネート上質紙に約0.7g/m2の塗布量となるように塗布し、80W/cmの高圧水銀灯を2灯用い50mJ/cm2の照射量の紫外線を照射し、硬化皮膜を形成させた。得られた皮膜について目視にて硬化性を評価した。
評価基準
○:組成物全体が硬化
△:組成物全体が硬化中
×:組成物全体が未硬化
〔剥離力〕
本発明のシリコーン組成物の硬化被膜を評価するために、下記のとおりにして剥離力を測定した。
シリコーン組成物をPETフィルムに約0.8g/m2の塗布量で塗布して塗膜を得た。得られた塗膜に、80W/cmの高圧水銀灯を2灯用いて50mJ/cm2の照射量の紫外線を照射し、硬化被膜を形成させた。その硬化被膜表面に幅25mmのアクリル粘着テープTESA7475(商品名)を貼り付け、2kgのローラーを一往復させて圧着し、剥離力測定用のサンプルを作製した。
このサンプルに70gf/cm2の荷重をかけながら、70℃で20〜24時間エージングさせた。その後、引っ張り試験機を用いて180°の角度で剥離速度0.3m/分にて、貼り合わせたテープを引っ張り、剥離するのに要する力(N/25mm)を測定した。
〔基材密着性〕
シリコーン組成物をPETフィルムに約0.8g/m2の塗布量で塗布して塗膜を得た。得られた塗膜に、80W/cmの高圧水銀灯を2灯用いて50mJ/cm2の照射量の紫外線を照射し、硬化被膜を形成させた。その硬化被膜表面を指で擦り、硬化皮膜の基材に対する密着性を確認した。
評価基準
○:硬化物がPET基材から剥がれ落ちない
△:硬化物がPET基材からやや剥がれ落ちる
×:硬化物がPET基材から剥がれ落ちる
[実施例1]
本発明成分である一般式(1)に該当し、下記式で示されるカチオン重合性オルガノポリシロキサンで、全有機基の4.4モル%がエポキシ官能性有機基であり、25℃における粘度が770mPa・sであるようなオルガノポリシロキサン(a)を100質量部、本発明の光酸発生剤でありトルエンに50質量%溶解した4−(イソプロピル)フェニル(p−トリル)ヨードニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(d)2.0質量部を均一に混合し、シリコーン組成物1を得た。
このシリコーン組成物1の溶解性、硬化性、剥離力、基材密着性を確認した。その結果を表1に示した。
Figure 0005494417
参考
実施例1のオルガノポリシロキサン(a)を100質量部、本発明の光酸発生剤でありアセトニトリルに92質量%溶解したビス−[4−nアルキル(C10〜C13)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート溶液(e)1.09質量部を均一に混合し、シリコーン組成物2を得た。
このシリコーン組成物2の溶解性、硬化性、剥離力、基材密着性を確認した。その結果を表1に示した。
[実施例
本発明成分である一般式(1)に該当し、下記式で示されるカチオン重合性オルガノポリシロキサンで全有機基の4.4モル%がエポキシ官能性有機基であり、25℃における粘度が650mPa・sであるようなオルガノポリシロキサン(b)を100質量部、本発明の光酸発生剤でありトルエンに50質量%溶解した4−(イソプロピル)フェニル(p−トリル)ヨードニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(d)2.0質量部を均一に混合し、シリコーン組成物3を得た。
このシリコーン組成物3の溶解性、硬化性、剥離力、基材密着性を確認した。その結果を表1に示した。
Figure 0005494417
参考
実施例のオルガノポリシロキサン(b)を100質量部、本発明の光酸発生剤でありアセトニトリルに92質量%溶解したビス−[4−nアルキル(C10〜C13)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート溶液(e)1.09質量部を均一に混合し、シリコーン組成物4を得た。
このシリコーン組成物4の溶解性、硬化性、剥離力、基材密着性を確認した。その結果を表1に示した。
[比較例1]
下記式で示されるカチオン重合性オルガノポリシロキサンで、全有機基の3.7モル%がエポキシ官能性有機基であり、25℃における粘度が150mPa・sであるようなオルガノポリシロキサン(c)を100質量部、本発明の光酸発生剤でありトルエンに50質量%溶解した4−(イソプロピル)フェニル(p−トリル)ヨードニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート(d)2.0質量部を均一に混合し、シリコーン組成物5を得た。
このシリコーン組成物5の溶解性、硬化性、剥離力、基材密着性を確認した。その結果を表1に示した。
Figure 0005494417
[比較例2]
比較例1のオルガノポリシロキサン(c)を100質量部、本発明の光酸発生剤でありアセトニトリルに92質量%溶解したビス−[4−nアルキル(C10〜C13)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート溶液(e)1.09質量部を均一に混合し、シリコーン組成物6を得た。
このシリコーン組成物6の溶解性、硬化性、剥離力、基材密着性を確認した。その結果を表1に示した。
[比較例3]
比較例1のオルガノポリシロキサン(c)を100質量部、光酸発生剤でありトルエンに50質量%溶解した4−(フェニルチオ)フェニルジフェニルスルホニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート溶液(f)1.0質量部を均一に混合し、シリコーン組成物7を得た。
このシリコーン組成物7の溶解性、硬化性、剥離力、基材密着性を確認した。その結果を表1に示した。
Figure 0005494417
※1:光酸発生剤の固形分の配合割合(質量部)

Claims (3)

  1. (A):下記一般式(1)
    Figure 0005494417
    [R1はそれぞれ独立に非置換又は置換の炭素数1〜10の1価炭化水素基、Epは、下記式
    Figure 0005494417
    (上記式中、鎖線は結合手を示す。)

    から選ばれるエポキシ基を含有する1価の有機基、Xは下記一般式(2)又は(3)
    −Y−(Z)n−Y− …(2)
    −O−(Z)n− …(3)
    (Yは炭素数1〜6の2価炭化水素基、Zはジメチルシロキシ基であり、nは1以上の整数である。)
    で示される置換基であり、a、b、cは0以上の数で、a+b+cは25℃における粘度が100〜1,000mPa・s、且つ全有機基の1〜20モル%がエポキシ基を含有する1価の有機基となる数である。]
    で示されるシロキサン鎖の末端にエポキシ基を含有する有機基を有する、カチオン重合性オルガノポリシロキサン:100質量部、
    (B):下記一般式(4)
    Figure 0005494417
    (Rfは水素原子の80モル%以上がフッ素原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基を表し、それぞれ同一であっても異なっていてもよい。pは1〜5の整数である。)
    で示されるフッ素化アルキルフルオロリン酸塩:0.05〜20質量部
    を主成分としてなることを特徴とする放射線硬化性シリコーン組成物。
  2. 前記(A)成分のカチオン重合性オルガノポリシロキサン中のa、b、cが、aは10〜150、bは1〜15、cは0〜1を満たす数である請求項1記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
  3. 剥離紙用である請求項1又は2記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
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