JP5786798B2 - 放射線硬化性シリコーン組成物及び剥離シート - Google Patents

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Description

本発明は、剥離紙用途に使用される放射線硬化性シリコーン組成物であり、特に重剥離用途の剥離紙、剥離フィルムの形成に好適である放射線硬化性シリコーン組成物及び剥離シートに関するものである。
シリコーン組成物を硬化させる方法は様々な手段があるが、近年、放射線照射による硬化方式は、加熱硬化型に比べて省エネルギーであること、設置スペースが狭くても対応可能なこと、更には環境に優しい硬化システムであること等の特徴から関心も高く、今後多方面への使用が期待されている。その中でも光酸発生剤を用いて、エポキシ基の開環を行なう、カチオン重合を用いた硬化方式は、従来のアクリル基等を用いるラジカル重合に比べ、酸素による硬化阻害を受けず、利便性、操作性に優れているため使用用途が拡大している(特許文献1、2)。
一般にラベルや製造工程紙へ使用される剥離紙及び剥離フィルムの多くは、ポリオルガノシロキサンを主剤とするシリコーン組成物により表面処理されているが、剥離紙及び剥離フィルムに使用される剥離紙用シリコーン組成物には目的に応じ種々の剥離力を持つものが求められている。
例えば高速稼働する工業的なラベル貼付には、重剥離あるいは可変的な剥離特性を持つ剥離紙、剥離フィルムが要求される。ラベルが剥離紙から尚早に剥離するのを回避する為には、シリコーン剥離剤が重剥離であることが望ましい。可変的な剥離特性は、両面剥離性の積層品、つまり片面には軽剥離性シリコーン組成物を、もう片面には重剥離性シリコーン組成物を塗工、硬化することにより剥離力に差をつけた積層体を提供する場合に有用である。更に、重剥離特性が必要である場合には、時間経過と共に剥離力が変化せず、剥離紙等の特性が変化しないといった特性も必要となる。
重剥離が必要な用途に対しては、オルガノポリシロキサンレジンを添加した組成物が広く使われている。しかし、オルガノポリシロキサンレジンを単純に混合した場合では十分な重剥離効果はなく、多量に添加しても目的の剥離力に満たない場合がある。そのため、オルガノシロキサンレジンを各種反応することで、重剥離効果が高い剥離紙、剥離フィルムを製造することが検討されている。
特許第3488272号公報(特許文献3)には、(A)成分として(SiO4/2)単位(Q単位)、(R3SiO1/2)単位(M単位)、エポキシ官能性M単位と、(R3SiO)単位(D単位)又は(R3SiO3/2)単位(T単位)の少なくとも1種とを含有し、Q単位、R2SiO単位(D単位)、RSiO3/2単位(T単位)の合計10部あたりのM単位とエポキシ官能性M単位との合計が少なくとも5部であるカチオン重合性オルガノポリシロキサンを20〜80質量%と、(B)成分としてエポキシ官能性M単位を含有するカチオン重合性末端オルガノポリシロキサンを80〜20質量%を含み、且つ、配合物のエポキシ当量が1000より大きいカチオン重合性オルガノポリシロキサン、オニウム系光触媒を含む紫外線硬化性エポキシシリコーン組成物が提案されている。
特許文献3における実施例では経時における剥離力変化は少ないが、(SiO4/2)単位、(R3SiO1/2)単位を含有するオルガノシロキサンレジンを60部と配合物の50部以上の多量に配合する必要があり、特許文献3におけるオルガノポリシロキサンレジンを含む重剥離成分の重剥離効果は小さいと考えられる。
また、特開2010−37557号公報(特許文献4)には、(a1)M単位とQ単位のモル比が0.6〜1.0であり、水酸基又はアルコキシ基の含有量が0.3〜2.0質量%の範囲にあるMQ型レジン100質量部と(a2)水酸基又はアルコキシ基を有する平均重合度100〜1,000の鎖状ジオルガノシロキサン20〜150質量部を縮合反応させたオルガノポリシロキサンレジン−オルガノポリシロキサン縮合反応物からなる剥離調整剤が提案されている。特許文献4は、剥離紙用重剥離添加剤に関する発明であるが、放射線硬化性シリコーンに関する記載は特にない。また、実施例における剥離力は経時における剥離力変化は少ないが、縮合反応物無添加の比較例と比べて低速(0.3m/min)において1.4倍〜2.2倍にしか上昇しておらず、十分な重剥離硬化が得られてはいない。
特許第3384268号公報 特許第3993533号公報 特許第3488272号公報 特開2010−37557号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、重剥離効果に優れ、重剥離添加剤を少量添加した場合でも十分な重剥離効果が発現可能であり、また、経時における剥離力低下が抑制できるシリコーン硬化皮膜が形成可能である放射線硬化性シリコーン組成物及びその硬化皮膜が形成された剥離シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、平均重合度が100〜3,000であり、1分子中に1個以上の水酸基又は加水分解性基を有するポリジオルガノシロキサンと、(SiO4/2)単位と(R3 3SiO1/2)単位[式中、R3はそれぞれ独立に脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜12の一価炭化水素基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基である。]を主成分とし、(SiO4/2)単位に対して(R3 3SiO1/2)単位の比率が0.6〜1.2であり、水酸基と加水分解性基の総含有量が2.1質量%以上10.0質量%未満であるポリオルガノシロキサン樹脂とを触媒下脱水縮合反応した縮合反応物が、重剥離効果に優れ、重剥離添加剤として有効であることを知見した。更に、放射線硬化可能なカチオン重合性シリコーン組成物に、重剥離添加剤として上記の1個以上の加水分解性基を有するポリジオルガノシロキサンとポリオルガノシロキサン樹脂との反応物を添加することで、重剥離添加剤を少量添加した場合においても大きな重剥離効果があり、また経時における剥離力低下が抑制できることを知見した。
従って、下記の放射線硬化性シリコーン組成物が、従来の重剥離添加剤を用いた場合では実現が困難であった、少量の重剥離添加剤を添加においても十分な重剥離効果が得られ、また経時における剥離力低下を抑制できることを確認し、本発明を完成させた。
従って、本発明は下記の放射線硬化性シリコーン組成物及び剥離シートを提供する。
〔1〕 (A)下記平均組成式(1)
1 m2 nSiO(4-m-n)/2 …(1)
(式中、R1は非置換又は置換の炭素原子数1〜10の一価炭化水素基、R2はエポキシ基を含有する有機基である。また、m>0、n>0で、0<m+n≦3である。)
で示されるエポキシ基を含有するカチオン重合性オルガノポリシロキサン:100質量部(B)前記カチオン重合性オルガノポリシロキサン(A)の放射線硬化反応に触媒作用を示す光酸発生剤成分:0.05〜20質量部
(C)(i):平均重合度が100〜3,000であり、1分子中に1個以上の水酸基又は加水分解性基を有するポリジオルガノシロキサンと、
(ii):(SiO4/2)単位と(R3 3SiO1/2)単位[式中、R3はそれぞれ独立に脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜12の一価炭化水素基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基である。]を主成分とし、(SiO4/2)単位に対して(R3 3SiO1/2)単位の比率がモル比として0.6〜1.2であり、水酸基と加水分解性基の総含有量が2.1質量%以上10.0質量%未満であるポリオルガノシロキサン樹脂と
を脱水縮合反応させた縮合反応物からなる重剥離添加剤:0.5〜50質量部
を含有してなることを特徴とする放射線硬化性シリコーン組成物。
〔2〕 (ii)成分中の水酸基と加水分解性基の総含有量が3.0質量%以上10.0質量%未満であることを特徴とする〔1〕記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
〔3〕 (i)成分のポリジオルガノシロキサンの平均重合度が200〜2,500であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
〔4〕 (C)成分の重剥離添加剤が、(i)成分と(ii)成分との比率が質量比として30:70〜70:30で脱水縮合反応した縮合反応物であることを特徴とする〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
〔5〕 (C)成分の重剥離添加剤が、オルガノポリシロキサンで希釈されており、希釈に使われるオルガノポリシロキサンがエポキシ基を含有するカチオン重合性オルガノポリシロキサンであることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
〔6〕 希釈に使用されるカチオン重合性オルガノポリシロキサンの粘度が2〜200mPa・sであることを特徴とする〔5〕記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
〔7〕 (B)成分が、下記組成式(2)で示されるフッ素化アルキルフルオロリン酸塩、ジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールセレノニウム塩、テトラアリールホスホニウム塩及びアリールジアゾニウム塩から選ばれるものであることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
Figure 0005786798

(式中、Rfは水素原子の80モル%以上がフッ素原子で置換された炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。pはその個数を示し、1〜5の整数である。p個のRfはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
〔8〕 (A)成分における1価のエポキシ官能性有機基で置換されたケイ素原子が全ケイ素原子中1〜30モル%あることを特徴とする〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
〔9〕 〔1〕〜〔8〕のいずれかに記載の放射線硬化性シリコーン組成物の硬化皮膜がシート状基材に形成された剥離シート。
本発明の放射線硬化性シリコーン組成物は、重剥離添加剤成分が少量添加された場合でも、従来の重剥離添加剤と比較して、十分な重剥離効果が発現可能であり、かつ経時における剥離力低下が抑制することが可能であり、重剥離効果に優れた剥離紙、剥離フィルム等の剥離シートを得ることができる。
本発明の放射線硬化性シリコーン組成物は、(A)、(B)、(C)成分を含有するもので、以下個々の成分に関して詳しく説明する。
本発明の放射性硬化性シリコーン組成物中の(A)成分は、カチオン重合性オルガノポリシロキサンであり、下記平均組成式(1)で示されるものが好適である。
1 m2 nSiO(4-m-n)/2 …(1)
式(1)中、R1はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、又はこれらの基の炭素原子に結合している水素原子の一部又は全部をヒドロキシ基、シアノ基、ハロゲン原子等で置換したヒドロキシプロピル基、シアノエチル基、1−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等から選択される非置換又は置換の炭素原子数1〜10の一価炭化水素基、R2はカチオン重合性エポキシ官能基である。m、nは、m>0、n>0で、0<m+n≦3であり、R1の80モル%以上がアルキル基であることが望ましく、特にメチル基であることがより好ましい。R2のカチオン重合性エポキシ官能基としては、下記構造が好ましい。
Figure 0005786798
(A)成分としては、硬化性の面から1価のエポキシ官能性有機基で置換されたケイ素原子が全ケイ素原子中1〜30モル%であるようなカチオン重合性オルガノポリシロキサンが好ましく、より好ましくは2〜25モル%、更に好ましくは3〜20モル%であるようなカチオン重合性オルガノポリシロキサンである。このエポキシ官能基量が1モル%未満であると硬化速度が遅くなり硬化不良となるおそれがある。
かかる点から、m、nはオルガノポリシロキサンのエポキシ官能基量が上記値となればよく、好ましくは粘度が100万mPa・s以下になる範囲がよい。この場合、mの好ましい範囲は1.6〜2.4、より好ましくは1.65〜2.35、更に好ましくは1.70〜2.30であり、nの好ましい範囲は0.01〜0.30、より好ましくは0.2〜0.25、更に好ましくは0.3〜0.20である。
上記オルガノポリシロキサンの粘度は100万mPa・s以下であることが好ましく、更に好ましくは10万mPa・s以下となればよい。100万mPa・sより大きくなると組成物の粘度が高くなり、取り扱いが難しくなる場合がある。この場合、粘度の下限は、5mPa・s以上、特に10mPa・s以上であることが好ましい。なお、上記粘度は、BN型回転粘度計を用いて測定した値である。また、このカチオン重合性オルガノポリシロキサン(A)の配合量100質量部を基準として、他の成分の配合比を調整する。
本発明の放射線硬化性シリコーン組成物における(B)成分は、前記カチオン重合性オルガノポリシロキサン(A)の放射線硬化反応に触媒作用を示す光酸発生剤成分である。(B)成分としては、例えば、下記組成式(2)で示されるフッ素化アルキルフルオロリン酸塩や下記一般式(3)で示されるものが挙げられる。
Figure 0005786798
組成式(2)中の[(Rf)pPF6-p-はフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンであり、Rfはフッ素原子で置換されたアルキル基を表し、好ましい炭素原子数は1〜8、更に好ましい炭素原子数は1〜4である。アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、オクチル等の直鎖アルキル基、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル等の分岐アルキル基、更にシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基などが挙げられる。アルキル基の水素原子がフッ素原子に置換された割合は、通常、80モル%以上、好ましくは90モル%以上、更に好ましくは100モル%である。フッ素原子の置換率が80モル%未満では、本発明のオニウム塩のカチオン重合開始能が低下するおそれがある。
特に好ましいRfは、炭素原子数が1〜4で、かつフッ素原子の置換率が100モル%の直鎖又は分岐のパーフルオロアルキル基であり、具体例としては、CF3、CF3CF2、(CF32CF、CF3CF2CF2、CF3CF2CF2CF2、(CF32CFCF2、CF3CF2(CF3)CF、(CF33Cが挙げられる。
また、式(2)において、Rfの個数pは1〜5の整数であり、好ましくは2〜4であり、特に好ましくは2又は3である。p個のRfはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。好ましいフッ素化アルキルフルオロリン酸アニオンの具体例としては、
[(CF3CF22PF4-、[(CF3CF23PF3-、[((CF32CF)2PF4-、[((CF32CF)3PF3-、[(CF3CF2CF22PF4-、[(CF3CF2CF23PF3-、[((CF32CFCF22PF4-、[((CF32CFCF23PF3-、[(CF3CF2CF2CF22PF4-及び[(CF3CF2CF2CF23PF3-が挙げられる。これらのうち、[(CF3CF23PF3-、[(CF3CF2CF23PF3-、[((CF32CF)3PF3-、[((CF32CF)2PF4-、[((CF32CFCF23PF3-及び[((CF32CFCF22PF4-が特に好ましい。)
一般式(3)で示されるものは、下記の通りである。
4 2+-、R4 3+-、R4 3Se+-、R4 4+-、又はR4 4+- (3)
(式中、R4は、フェニル基、トリール基、4−(エチル)フェニル基等の置換もしくは未置換のアリール基、ピリジル基、N−メチルピリジル、インドリル基等置換もしくは非置換の複素環基、メトキシフェニル基、イソプロポキシフェニル基等の置換もしくは非置換のアリールオキシ基、4−メトキシピリジル基等置換もしくは非置換の複素環オキシ基であり、R4は互いに結合してこれらが結合するI、S、Se、P又はNと共に環構造を形成していてもよく、X-はSbF6 -、AsF6 -、PF6 -、BF4 -、HSO4 -、ClO4 -等の陰イオンである。)
で示されるジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールセレノニウム塩、テトラアリールホスホニウム塩、アリールジアゾニウム塩等が挙げられる。中でも、硬化反応性の点でジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩等のジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウムの六フッ化アンチモン酸塩が好ましい。
(B)成分の添加量は、オニウム塩系光開始剤としての有効量、即ち、紫外線の照射により本発明のシリコーン組成物を硬化させるのに有効な量であれば特に限定されないが、(A)成分100質量部に対して0.05〜20質量部とすればよい。
本発明の放射線硬化性シリコーン組成物の(C)成分は、下記(i)、(ii)成分を触媒下脱水縮合反応させた縮合反応物からなる重剥離添加剤である。
(i)成分は、平均重合度100〜3,000であり、1分子中に1個以上の水酸基又は加水分解性基を有するポリジオルガノシロキサンであり、下記一般式(A−1a)に示されるものを例示できる。
Figure 0005786798
(式(A−1a)中、R1aは同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であり、R2aは水酸基又は加水分解性基である。eは100〜3,000の整数である。)
上記一般式(A−1a)において、R1aは同一又は異種の脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル、シクロヘキシル基等の好ましくは炭素原子数5〜8もシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等の好ましくは炭素原子数6〜10のアリール基などが挙げられ、特にメチル基が好ましい。
また、R2aは水酸基又は加水分解性基であり、加水分解性基は、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、アシルオキシ基、オキシム基等を意味し、(A)成分の構造としてはR2aが水酸基であることが好ましく、特に1分子中に2個の水酸基を有するもの、とりわけ両末端に水酸基を有するものが好ましい。また、アルコキシ基としては、炭素原子数1〜6のものが好ましく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等を例として挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子等を例として挙げることができる。
平均重合度、即ち上記式(A−1a)において平均重合度eは、100〜3,000であり、好ましくは200〜2,500である。平均重合度100未満の場合、(C)成分の流動性は低くなるが未反応のシリコーン分子が多くなり剥離力は低下する場合が多い。また、平均重合度が3,000を超える場合、反応物の粘度が高くなり放射線硬化性シリコーン組成物に均一分散させることが難しい場合がある。
なお、上記平均重合度は、29Si−NMRにて−Si(R1a2−O−単位(D単位)とCH3−Si(R1a2−O−単位(M単位)に相当するピークのそれぞれの積分値をM2Xに換算し、重合度Xを求めた(以下同様)。なお、R1aは上記の通りである。
(ii)成分は、(SiO4/2)単位(Q単位)と(R3 3SiO1/2)単位(M単位)[式中、R3はそれぞれ独立に脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜12の一価炭化水素基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基である。]を主成分とするポリオルガノシロキサン樹脂である。この場合、(SiO4/2)単位に対して(R3 3SiO1/2)単位の比率がモル比として0.6〜1.2であり、特に0.7〜1.1が好ましく、0.75〜1.0の範囲が更に好ましい。M単位とQ単位の比が0.6未満の場合は、脱水縮合反応物の粘度が高くなりすぎ合成が困難になる。1.2を超える場合は、重合度を高くすることができないため、重剥離効果も低下する。
上記式中のR3は、それぞれ独立に脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜12の一価炭化水素基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基を表し、R3の炭素原子数1〜12の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基、フェニル基、トリル基等の好ましくは炭素原子数6〜10のアリール基、ベンジル基等の炭素原子数7〜10のアラルキル基を挙げることができる。炭素原子数2〜6のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、ブテニル基等を挙げることができる。
この場合、このポリオルガノシロキサン樹脂は、テトラオルガノキシシランとトリオルガノモノオルガノキシシランとの共加水分解・縮合によって得ることができ、このためテトラオルガノキシシランに由来するR30iO3/2単位(T単位)を含有し、更に場合によってはR30 2SiO2/2単位(D単位)を含有する。
30は水酸基、又は炭素原子数1〜6のアルコキシ基、アシルオキシ基、オキシム基、ハロゲン原子等の加水分解性基であるが、全てのR30が水酸基となることはなく、好ましくは水酸基、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基である。
水酸基と加水分解性基の総含有量は、水酸基と上記加水分解性の官能基の総含有量を意味し、ポリオルガノシロキサン樹脂中2.1質量%以上10.0質量%未満であり、より好ましくは2.5質量%以上7.0質量%以下、更に好ましくは4.0質量%以上6.0質量%以下である。含有量が2.1質量%未満の場合、重剥離効果は大きくない。この理由ははっきりしていないが、おそらく縮合反応による架橋密度が少ないことによるものと思われる。また、10.0質量%以上の場合は基材への密着性が著しく悪化する。
(B)成分のポリオルガノシロキサン樹脂は、更にR3 2SiO2/2単位やR3SiO3/2単位を含んでもよい(R3は上記の通り)。この場合、これらの単位の合計は、ポリオルガノシロキサン樹脂全体の0〜30モル%、好ましくは0〜20モル%、より好ましくは0〜10モル%である。
(i)成分と(ii)成分とを脱水縮合反応させる場合は、触媒存在下において、まず(i)成分の水酸基と(ii)成分のアルコキシ基等の加水分解性基、及び(ii)成分同士の水酸基と加水分解性基が縮合する。その後、加水分解性基の大半は次第に水酸基に変わり、水酸基同士の縮合が進行する。
(i)成分と(ii)成分は、触媒を用いて常温もしくは加熱下、好ましくは20〜80℃で縮合反応させることにより粘着性のある化合物を作ることができる。触媒としてはアンモニア水、エチルアミン等のアミン類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の塩基、テトラブチルチタネート等のチタン化合物やヘキサメチルジシラザン等を挙げることができる。なお、触媒の使用量は、(i)成分と(ii)成分の合計量に対し0.1〜3,000ppmが好ましい。
(i)成分と(ii)成分の混合比率は、質量比として30:70〜70:30であることが好ましく、より好ましくは40:60〜60:40の範囲である。(i)成分の混合比率が30を下回ると縮合物の粘度が急激に上昇し、ハンドリングが困難となることがある。一方(i)成分の混合比率が70を上回ると重剥離効果が極端に悪くなる場合がある。
(i)成分と(ii)成分との脱水縮合反応物は、残存する水酸基の量が0.3質量%以下(0.017mol/100g以下)であることが好ましく、より好ましくは0.26質量%以下(0.015mol/100g以下)である。残存する水酸基の量が0.3質量%を超える場合、密着性が悪くなる場合がある。
また、(i)成分と(ii)成分の縮合反応物である(C)成分中の残存する水酸基量が多い場合には、後反応にてクロルシランを添加することにより水酸基を減らすことができる。これにより放射性硬化性シリコーン組成物の粘度増加といった問題を抑制できる。この場合、クロルシランの使用量は、(ii)成分に対して0.1〜10質量部が好ましく、より好ましくは1〜8.0質量部である。
本発明にかかわる重剥離添加剤は高粘度であるため、オルガノポリシロキサンで希釈して最終的に100〜100,000mPa・sの粘度(25℃)で使用するのが望ましい。希釈剤として使用するオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が2〜200mPa・sであるカチオン重合性ポリシロキサンが好ましい。上記粘度範囲のカチオン重合性ポリシロキサンを使用すると、重剥離添加剤(C)の粘度を低下させるだけではなく、カチオン重合性官能基を持つことで希釈剤も硬化構造に組み込むことができ、希釈剤の硬化皮膜上へのブリードアウトを防止することができる。なお、上記粘度は、BN型回転粘度計により測定した値である。
また、希釈剤として使用するカチオン重合性オルガノポリシロキサンとしては、カチオン重合性基であるエポキシ基の含有量は任意であるが、1価のエポキシ官能性有機基で置換されたケイ素原子が全ケイ素原子中1〜30モル%であれば、硬化皮膜上へのブリードアウトをより抑制することができる。
場合により、本発明にかかわる重剥離添加剤は有機溶剤に希釈して使用することも可能であるが、好ましくは有機溶剤は用いないほうがよい。
本発明の放射線硬化型シリコーン組成物は、上記成分の所定量を配合することによって得られるが、上記の各成分以外に、任意成分として、充填剤、帯電防止剤、難燃剤、消泡剤、流動調整剤、光安定剤、溶剤、非反応性の樹脂及びラジカル重合性化合物等の添加剤を使用することができる。任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
本発明の放射線硬化型シリコーン組成物は、放射線エネルギー線を照射することにより硬化することができる。放射線エネルギー線としては、(B)成分である光酸発生剤の分解を誘発するエネルギーを有する限り、いかなるものでもよいが、好ましくは高圧又は超高圧の水銀灯、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアークランプ、蛍光灯、半導体固体レーザ、アルゴンレーザ、He−Cdレーザ、KrFエキシマレーザ、ArFエキシマレーザ、F2レーザ等から得られる紫外〜可視光領域(約100〜約800nm)のエネルギー線が用いられる。好ましくは200〜400nmに光硬度が強い放射線光源が好ましい。なお、紫外線照射量は5〜1,000mJ、特に10〜500mJが好ましい。更に、電子線、X線等の高エネルギーを有する放射線を用いることもできる。放射線エネルギーの照射時間は、通常は常温で0.1秒〜10秒間程度で十分であるが、エネルギー線の透過性が低い場合や硬化性組成物の膜厚が厚い場合には、それ以上の時間をかけるのが好ましいことがある。必要であればエネルギー線の照射後、室温〜150℃で数秒〜数時間加熱し、アフターキュアーすることも可能である。
この場合、剥離シートを形成するに際しては、紙、グラシン紙、ポリエチレンラミネート紙、クレーコート紙、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、PETフィルム、ポリイミド、ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルム等の薄膜材料に、固形分で0.1〜5g/m2の厚さに塗工し、上記のように放射線照射して所望の離型性を有する硬化皮膜を形成することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。また、下記例において、表中の物性は、下記の試験法により測定されたものである。粘度は、BN型回転粘度計で測定した25℃における値である。平均重合度は上記と同様に求めた。本発明のシリコーン組成物の硬化被膜を評価するために、下記の通りにして剥離力を測定した。
また、構造式中のMeはメチル基、Epは下記のエポキシ官能基を示す。
Figure 0005786798
〈初期剥離力〉
放射線硬化性シリコーン組成物を調製後、ロール塗布することでポリエチレンラミネート上質紙に約0.8g/m2の塗布量で塗布して塗膜を得た。得られた塗膜に、80W/cmの高圧水銀灯を2灯用いて50mJ/cm2の照射量の紫外線を照射し、硬化被膜を形成させた。得られた硬化皮膜を23℃、20時間保管後、その硬化被膜表面に幅25mmのアクリル粘着テープTESA7475(商品名)を貼り付け、2kgのローラーを一往復させて圧着し、剥離力測定用のサンプルを作製した。
このサンプルに70g/cm2の荷重をかけながら、70℃で20〜24時間エージングさせた。その後、引っ張り試験機を用いて180°の角度で剥離速度0.3m/分にて、貼り合わせたテープを引っ張り、剥離するのに要する力(N/25mm)を測定した。
〈経時剥離力〉
放射線硬化性シリコーン組成物を調製後、ロール塗布することでポリエチレンラミネート上質紙に約0.8g/m2の塗布量で塗布して塗膜を得た。得られた塗膜に、80W/cmの高圧水銀灯を2灯用いて50mJ/cm2の照射量の紫外線を照射し、硬化被膜を形成させた。得られた硬化皮膜を50℃、7日保管後、その硬化被膜表面に幅25mmのアクリル粘着テープTESA7475(商品名)を貼り付け、2kgのローラーを一往復させて圧着し、剥離力測定用のサンプルを作製した。
このサンプルに70g/cm2の荷重をかけながら、70℃で20〜24時間エージングさせた。その後、引っ張り試験機を用いて180°の角度で剥離速度0.3m/分にて、貼り合わせたテープを引っ張り、剥離するのに要する力(N/25mm)を測定した。
表1記載の重剥離添加剤の合成
[合成例1]
Figure 0005786798
本発明成分である(i)成分に該当し、上記平均組成式(i−1)で示され、両末端がヒドロキシジメチルシロキシ基である直鎖状ジメチルポリシロキサンを50質量部、本発明成分である(ii)成分に該当し、Me3SiO0.5単位(M単位)、SiO2単位(Q単位)と、(CH3O)SiO3/2単位と(HO)SiO3/2単位とからなるMQレジンであって、M/Q(モル比)=0.8、水酸基とアルコキシ基の総含有量4.29質量%(水酸基含有量1.19質量%、アルコキシ基含有量3.1質量%)であり、トルエンが60質量%を占める溶液状ポリオルガノシロキサン樹脂を固形分として50質量部(揮発分を含めると125質量部)、トルエンを10質量部、28質量%アンモニア水を0.4質量部が混合された溶液を室温下16時間撹拌した後、ディーンスターク管を取り付け、内温110〜120℃においてトルエンを還流させ、アンモニアと水を除去した。
得られた反応混合物の不揮発分を測定し、不揮発分80質量%に対して20質量%となるように、希釈剤であり1価のエポキシ官能性有機基で置換されたケイ素原子が全ケイ素原子中10モル%であり、粘度が20mPa・sであるカチオン重合性オルガノポリシロキサンを添加し、減圧、窒素バブリング条件下、100℃まで昇温し、トルエンを除去することにより、粘度が4,500mPa・sの重剥離添加剤(c−1)を調製した(縮合反応物の残存水酸基量;0.26質量%)。
[合成例2]
合成例1で記載した両末端がヒドロキシジメチルシロキシ基である直鎖状ジメチルポリシロキサンが、本発明成分である(i)成分に該当し、下記平均組成式(i−2)である点以外は、合成例1と同様の手順を行なうことで、粘度が5,000mPa・sである重剥離添加剤(c−2)を調製した(縮合反応物の残存水酸基量;0.24質量%)。
Figure 0005786798
[合成例3]
合成例1で記載した両末端がヒドロキシジメチルシロキシ基である直鎖状ジメチルポリシロキサンが、本発明成分である(i)成分に該当し下記平均組成式(i−3)である点以外は合成例1と同様の手順を行なうことで、粘度が5,500mPa・sである重剥離添加剤(c−3)を調製した(縮合反応物の残存水酸基量;0.23質量%)。
Figure 0005786798
[合成例4]
合成例1で記載した両末端がヒドロキシジメチルシロキシ基である直鎖状ジメチルポリシロキサンが、本発明成分である(i)成分に該当し、下記平均組成式(i−4)である点以外は合成例1と同様の手順を行なうことで、粘度が6,500mPa・sである重剥離添加剤(c−4)を調製した(縮合反応物の残存水酸基量;0.22質量%)。
Figure 0005786798
[合成例5]
合成例1で記載した(ii)成分に該当する化合物として、Me3SiO0.5単位(M単位)、SiO2単位(Q単位)と、(CH3O)SiO3/2単位と(HO)SiO3/2単位とからなるMQレジンであって、M/Q(モル比)=0.8、水酸基とアルコキシ基の総含有量1.89%(水酸基含有量0.34質量%、アルコキシ基含有量1.55質量%)、トルエンが60質量%を占める溶液状ポリオルガノシロキサン樹脂を固形分として50質量部(揮発分を含めると125質量部)用いた点以外は合成例1と同様の手順を行なうことで、粘度が4,000mPa・sである重剥離添加剤(c−5)を調製した(縮合反応物の残存水酸基量;0.11質量%)。
[合成例6]
合成例1で記載した両末端がヒドロキシジメチルシロキシ基である直鎖状ジメチルポリシロキサンが下記平均組成式(i−5)である点以外は合成例1と同様の手順を行なうことで、粘度が75mPa・sである重剥離添加剤(c−6)を調製した(縮合反応物の残存水酸基量;0.20質量%)。
Figure 0005786798
[実施例1]
本発明にかかわる(A)成分に該当し、下記平均組成式(a)で示されるカチオン重合性オルガノポリシロキサンで、1価のエポキシ官能性有機基で置換されたケイ素原子が全ケイ素原子中8.2質量%であり、25℃における粘度が150mPa・sであるようなオルガノポリシロキサン(a)を90質量部、本発明にかかわる成分である(B)光酸発生剤に該当するトルエンに50質量%溶解した4−(イソプロピル)フェニル(p−トリル)ヨードニウムトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロホスフェート溶液(b−1)1.0質量部、本発明にかかわる成分である(C)重剥離添加剤に該当する合成例1の重剥離添加剤(c−1)を12.5質量部を均一に混合し、シリコーン組成物1を得た。このシリコーン組成物1の剥離力を測定し、その結果を表1に示した。
Figure 0005786798
[実施例2]
本発明にかかわる(B)光酸発生剤が、アセトニトリルに92質量%溶解したビス−[4−nアルキル(C10〜C13)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート溶液(b−2)を1.0質量部である点以外は実施例1と同様の手順を行なうことで、シリコーン組成物2を得た。このシリコーン組成物2の剥離力を測定し、その結果を表1に示した。
[実施例3]
本発明にかかわる(C)重剥離添加剤が、合成例2の重剥離添加剤(c−2)12.5質量部である点以外は実施例2と同様の手順を行なうことで、シリコーン組成物3を得た。このシリコーン組成物3の剥離力を測定し、その結果を表1に示した。
[実施例4]
本発明にかかわる成分である(C)重剥離添加剤が、合成例3の重剥離添加剤(c−3)12.5質量部である点以外は実施例2と同様の手順を行なうことで、シリコーン組成物4を得た。このシリコーン組成物4の剥離力を測定し、その結果を表1に示した。
[実施例5]
本発明にかかわる成分である(C)重剥離添加剤が、合成例4の重剥離添加剤(c−4)12.5質量部である点以外は実施例2と同様の手順を行なうことで、シリコーン組成物5を得た。このシリコーン組成物5の剥離力を測定し、その結果を表1に示した。
[比較例1]
本発明にかかわる成分である平均組成式(1)に該当し上記平均組成式(a)で示されるオルガノポリシロキサン(a)を100質量部、本発明にかかわる成分である(B)光酸発生剤に該当するアセトニトリルに92質量%溶解したビス−[4−nアルキル(C10〜C13)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロアンチモネート溶液(b−2)1.0質量部を均一に混合し、シリコーン組成物6を得た。このシリコーン組成物6の剥離力を測定し、その結果を表1に示した。
[比較例2]
重剥離添加剤が、合成例5の重剥離添加剤(c−5)を12.5質量部である点以外は実施例2と同様の手順を行なうことで、シリコーン組成物7を得た。このシリコーン組成物7の剥離力を測定し、その結果を表1に示した。
[比較例3]
重剥離添加剤が、合成例6の重剥離添加剤(c−6)を12.5質量部である点以外は実施例2と同様の手順を行なうことで、シリコーン組成物8を得た。このシリコーン組成物8の剥離力を測定し、その結果を表1に示した。
Figure 0005786798
* 光酸発生剤の固形分の質量部

Claims (9)

  1. (A)下記平均組成式(1)
    1 m2 nSiO(4-m-n)/2 …(1)
    (式中、R1は非置換又は置換の炭素原子数1〜10の一価炭化水素基、R2はエポキシ基を含有する有機基である。また、m>0、n>0で、0<m+n≦3である。)
    で示されるエポキシ基を含有するカチオン重合性オルガノポリシロキサン:100質量部(B)前記カチオン重合性オルガノポリシロキサン(A)の放射線硬化反応に触媒作用を示す光酸発生剤成分:0.05〜20質量部
    (C)(i):平均重合度が100〜3,000であり、1分子中に1個以上の水酸基又は加水分解性基を有するポリジオルガノシロキサンと、
    (ii):(SiO4/2)単位と(R3 3SiO1/2)単位[式中、R3はそれぞれ独立に脂肪族不飽和結合を有さない炭素原子数1〜12の一価炭化水素基又は炭素原子数2〜6のアルケニル基である。]を主成分とし、(SiO4/2)単位に対して(R3 3SiO1/2)単位の比率がモル比として0.6〜1.2であり、水酸基と加水分解性基の総含有量が2.1質量%以上10.0質量%未満であるポリオルガノシロキサン樹脂と
    を脱水縮合反応させた縮合反応物からなる重剥離添加剤:0.5〜50質量部
    を含有してなることを特徴とする放射線硬化性シリコーン組成物。
  2. (ii)成分中の水酸基と加水分解性基の総含有量が3.0質量%以上10.0質量%未満であることを特徴とする請求項1記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
  3. (i)成分のポリジオルガノシロキサンの平均重合度が200〜2,500であることを特徴とする請求項1又は2記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
  4. (C)成分の重剥離添加剤が、(i)成分と(ii)成分との比率が質量比として30:70〜70:30で脱水縮合反応した縮合反応物であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
  5. (C)成分の重剥離添加剤が、オルガノポリシロキサンで希釈されており、希釈に使われるオルガノポリシロキサンがエポキシ基を含有するカチオン重合性オルガノポリシロキサンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
  6. 希釈に使用されるカチオン重合性オルガノポリシロキサンの粘度が2〜200mPa・sであることを特徴とする請求項5記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
  7. (B)成分が、下記組成式(2)で示されるフッ素化アルキルフルオロリン酸塩、ジアリールヨードニウムヘキサフルオロアンチモン酸塩、トリアリールスルホニウム塩、トリアリールセレノニウム塩、テトラアリールホスホニウム塩及びアリールジアゾニウム塩から選ばれるものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
    Figure 0005786798

    (式中、Rfは水素原子の80モル%以上がフッ素原子で置換された炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。pはその個数を示し、1〜5の整数である。p個のRfはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
  8. (A)成分における1価のエポキシ官能性有機基で置換されたケイ素原子が全ケイ素原子中1〜30モル%あることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の放射線硬化性シリコーン組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項記載の放射線硬化性シリコーン組成物の硬化皮膜がシート状基材に形成された剥離シート。
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