JP5493516B2 - 電極及びそれを有する電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電池、特に非水電解質二次電池に関するものである。
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての電池にはさらなる高容量化が要求されている。リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、上記のような移動情報端末の駆動電源として広く利用されている。特に外装にアルミニウムラミネートフィルムを使用するラミネート電池は軽量なためエネルギー密度が大きい。ラミネート電池に於いては、電解液をポリマーに膨潤させるとラミネート電池の変形を抑制する事ができるため、ラミネートポリマー電池も広く使用されている。
このような電池の電極は、通常、集電体に酸化還元反応を担う活物質がバインダーにより担持されている。バインダーは、活物質との接着及び集電体との接着が電池の使用において経時的に安定に確保されるように設計されている必要がある(特許文献1〜3)。
しかしながら、これまでのバインダーでは、活物質の膨張収縮により、バインダーと活物質、集電体とバインダーの剥離が生じるため、電池のサイクル特性が落ちる系もあった。
リチウムイオン二次電池では、特にサイクル下において、活物質の膨張収縮にバインダーが追随できず、集電体と活物質層との密着性が低下してしまうため、電気伝導性が低下し、サイクル特性が低下してしまうという問題があった。
特許第3121943号公報 特許第3661945号公報 特許第3999927号公報
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、サイクル特性を向上させることができる電極およびそれを用いた電池を提供することにある。
本発明は、以下の通りである。
1)集電体と、この集電体に設けられた、下記一般式(1)〜(4)から選択される少なくとも1種のモノマーをコモノマーとしてフッ化ビニリデン又はフッ化ビニリデン及びその共重合可能なモノマーと共重合させたコポリマーを含有し、コモノマーは、コポリマー中に0.1mol%以上5mol%以下で共重合されている活物質層とを有する電極。
(式中、R1〜R3は各々独立に炭素数4〜10の炭化水素基を示し、R4は水素原子又はメチル基を示し、R6及びR7は各々独立に水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、R5は炭素数4〜10の炭化水素基を示し、炭化水素基8は素原子又は炭素数4〜10の炭化水素基を示し、Xはシアノ基又はアルデヒド基を示す。)
Figure 0005493516
2)上記1)の電極を有する電池。
本発明において、電極とは、負極及び正極の何れか、又は両者を意味する。また、負極の場合、集電体を負極集電体、活物質(層)を負極活物質(層)ともいう。正極の場合、集電体を正極集電体、活物質(層)を正極活物質(層)ともいう。コポリマーは、正極及び負極の両方に使用できる。電池の電解液の種類は問わずに効果を示すので、電解液がゲル状固体電解質でも、液体電解質でも同様に使用できる。
本発明の電池は、特定のバインダーを使用した電極を有することにより、サイクル特性を向上させることができる。
また、このバインダーは集電体との剥離強度を向上させることができるため、これまでのバインダーより使用量が少なくなるため、電池の高容量化につなげることができる。
そして、このようなサイクル特性を向上させる本発明の非水電解質電池は、容量を増加させ、携帯型電子機器に関わる産業の発展に大きく貢献するものである。
本発明の実施の形態に係る二次電池の構成を模式的に表した図である。 図1に示した二次電池における巻回電極体の一部を拡大して表す断面図である。
(バインダー)
本発明に用いるバインダーについて説明する。
本発明に用いるバインダーは、少なくとも上記コポリマーを含む。初めに、このコポリマーについて説明する。
一般式(1)で表される化合物を以下、モノマー(1)ともいう。他の一般式(2)〜(4)についても同様である。また、フッ化ビニリデン又はフッ化ビニリデン及びその共重合可能なモノマーをコポリマー主成分ともいう。
本発明に用いるコポリマーは、モノマー(1)〜(4)をコポリマー主成分に共重合させたものである。モノマー(1)〜(4)は、1つでも2つ以上組み合わせ用いることができ、また、それらの同一の一般式のモノマーにおいて、置換基が互いに異なるものを用いることができる。また、コポリマーは、ブロックコポリマーでもランダムコポリマーでも同様の効果を示すが、分散させて結着力の均一化を図るためにも、ランダムコポリマーであることが望ましい。分子としての柔軟性を高めるため、コモノマーの両隣がコポリマー主成分であることがより好ましい。
モノマー(1)又は(2)において、R1〜R3は各々独立に炭素数4〜10の炭化水素基を示すが、炭素数4〜8が好ましい。炭化水素基は、直鎖状、分岐状、又は環状でもよく、また、それらは飽和でも不飽和でもよい。炭素数を上記範囲とすることにより、コポリマーを軟らかくさせ、自由体積を大きくするため、強い粘着力を示し、活物質同士間、活物質と集電体間の結着力を増大させる。また、炭素数をこの範囲とすると、コポリマーが立体的に嵩高くなるため、コポリマー主成分の結晶化や分子間のパッキングを妨げる。そのため、分子が軟らかく柔軟性を持つようになり、被着体との絡み合いが増加し、粘着力が増す。結着力が増大することで、集電体とのある一定の剥離強度を出すために必要なバインダー量が小さくなる。これにより、電池の容量を増大させることができる利点がある。
当該炭素数が3以下であると嵩高さが少なく、分子に柔軟性を与える効果やエステル加水分解の抑制効果を持たない。炭素数が11を超えると、嵩高さが大きくなりすぎるため、コポリマー主成分との重合を妨げる作用を示してしまい、コポリマーを合成することができなくなる。
モノマー(1)、即ち、マレイン酸モノエステルは、カルボキシル基とR1を含むエステル基が隣接しているため、カルボキシル基が触媒となって隣のエステル基を加水分解させる作用を示していた。R1の炭素数が本発明範囲を下回ると、カルボキシル基の運動を妨げることができず、加水分解しやすい短所が有った。しかしながら、R1を本発明範囲にすると、嵩高さが増し、カルボキシル基の自由な運動を妨げる効果が生じる。そのため、カルボキシル基の触媒効果が阻害され、エステル基の分解は抑制される。このエステル基の加水分解を抑制することで、サイクル中にエステル基が加水分解することによるコポリマーの組成変化が減り、バインダー特性は安定化する。
マレイン酸のカルボキシル基は活物質や金属箔との相互作用が強く、この相互作用力により活物質や金属箔との結着性を高めるため、モノマー(1)が本発明コポリマーのコモノマー成分として含まれることが好ましい。
R1〜R3において、炭化水素基としては、直鎖状アルキル基が挙げられる。ブチル基、プロピル基、ペンチル基・・・・デシル基が挙げられる。ブチル基に例えれば、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基のように分枝構造の構造異性体も同様の効果を示す。2−エチルヘキシル基はアクリル系粘着剤にも使用され、結着力向上に効果が高い。R1〜R3は、上述のようにアルキル基に限らず、アルケニル基やアルキニル基も包含する。ポリ不飽和炭化水素基も使用できるが、余り不飽和数は多くない方が好ましい。分子の回転が不飽和基部分で阻害され、立体障害が薄れるためである。R1〜R3は、直鎖状炭化水素基のほかに、環状炭化水素基も嵩高さを持つため、使用できる。例としては、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
次にモノマー(3)について説明する。
R4は水素原子又はメチル基を示し、R6及びR7は各々独立に水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、R5は水素原子又は炭素数4〜10の炭化水素基を示す。
R6及びR7において、炭素数1〜4の炭化水素基としては、直鎖状、分岐状、又は環状でもよく、また、それらは飽和でも不飽和でもよいが、飽和が好ましい。炭素数を上記とするのは、コポリマーのガラス転移点を低くさせすぎないためである。R6又はR7としては、水素原子、メチル基が好ましい。R5において、該炭化水素基は、R1と同義である。R5としては、水素原子、炭素数4〜10の炭化水素基が好ましい。
モノマー(3)としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。
次にモノマー(4)について説明する。
R8において、該炭化水素基は、R1と同義である。R8としては、水素原子、炭素数4〜10の炭化水素基が好ましい。
本発明に用いるコポリマーのコポリマー主成分は、コポリマーに対して90質量%以上含むことが好ましい。モノマー(1)〜(4)は、その総量がコポリマー中に0.1mol%以上5mol%以下で共重合されていることが好ましい。該モノマー(1)〜(4)の重合性から共重合比を上げることが難しいことと、共重合比を上げると極性部分が多くなり電解液で膨潤し、剥離強度が低下する恐れがあるからである。当該モノマーのコポリマー中の割合は、0.5mol%から2mol%がより好ましい。
該コポリマー主成分として、フッ化ビニリデンと共重合可能なモノマーとを併用する場合、そのモノマーとして用いられるものとしては、特に制限されるべきものではないが、フッ素化炭化水素、例えば、フッ化ビニル、トリフルオロエチレン、トリフルオロクロロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フルオロアルキルビニルエーテル等を挙げることができ、これらは単独又は2種以上をコポリマー主成分中20質量%以下用いることができる。
コポリマーの合成法は、通常のポリフッ化ビニリデンの合成法と同様な方法が準用され、ラジカル重合で懸濁重合や乳化重合が挙げられる。
コポリマー合成後のその構造の分析法としては、赤外分光(IR)スペクトル測定もしくはH−NMR、13C−NMRなどを測定することで確認することができる。
本発明に用いるコポリマーは、電極のバインダーとして用いるが、このバインダーとしは、コポリマー単独で用いても他の公知のバインダーとを併用してもよい。後者の場合には、コポリマーをバインダー総量の20質量%以上とすることが好ましい。
本発明の電池は、本発明の電極を有する。電池は、通常、正極と負極と共に非水電解質組成物を含む。非水電解質組成物は、溶媒、電解質塩を含む。
(溶媒)
電解液に用いる溶媒は、比誘電率が30以上の高誘電率溶媒であることが好ましい。これによりリチウムイオンの数を増加させることができるからである。
高誘電率溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状カーボネート、γ−ブチロラクトンおよびγ−バレロラクトンなどのラクトン、N−メチル−2−ピロリドンなどのラクタム、N−メチル−2−オキサゾリジノンなどの環式カルバミン酸エステル、並びにテトラメチレンスルホンなどのスルホン化合物が挙げられる。なかでも環状カーボネートが好ましく、エチレンカーボネートが特に好ましい。電解液中における上記高誘電率溶媒の含有量は、15%以上50%以下の範囲内とすることが好ましい。また、上記高誘電率溶媒は、1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
電解液に用いる溶媒は、上記高誘電率溶媒に、粘度が1mPa・s以下の低粘度溶媒を混合して用いることが好ましい。これにより高いイオン伝導性を得ることができるからである。高誘電率溶媒に対する低粘度溶媒の比率(質量比)は、高誘電率溶媒:低粘度溶媒=2:8〜5:5の範囲内とすることが好ましい。この範囲内とすることでより高い効果が得られるからである。
低粘度溶媒としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートおよびメチルプロピルカーボネートなどの鎖状炭酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチルおよびトリメチル酢酸エチルなどの鎖状カルボン酸エステル、N,N−ジメチルアセトアミドなどの鎖状アミド、N,N−ジエチルカルバミン酸メチルおよびN,N−ジエチルカルバミン酸エチルなどの鎖状カルバミン酸エステル、ならびに1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピランおよび1,3−ジオキソランなどのエーテルが挙げられる。これらの低粘度溶媒は1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
(電解質塩)
電解質塩としては、例えば、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF)、六フッ化アンチモン酸リチウム(LiSbF)、過塩素酸リチウム(LiClO)および四塩化アルミニウム酸リチウム(LiAlCl)などの無機リチウム塩、並びにトリフルオロメタンスルホン酸リチウム(CFSOLi)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド[(CFSONLi]、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホン)イミド[(CSONLi]およびリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホン)メチド[(CFSOCLi]などのパーフルオロアルカンスルホン酸誘導体のリチウム塩が挙げられる。電解質塩は1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
(高分子化合物)
本発明の非水電解質組成物は、電解液により膨潤して電解液を保持する保持体となる高分子化合物を含むことができる。これにより、電解液は、高分子化合物に保持され、電解液と高分子化合物とが一体となってゲル状の電解質を形成する。本発明の非水電解液二次電池における非水電解質組成物は、ゲル状の電解質を形成させた場合は、高温保存時の膨れ抑制を図ることができる。
本発明において、電解液に高分子化合物を添加して用いる場合、電解液における高分子化合物の含有量は、電解液に対して0.1質量%以上10質量%以下の範囲内とすることが好ましい。また、セパレータの両面に高分子化合物を塗布して用いる場合は、電解液と高分子化合物の質量比を50:1〜10:1の範囲内とすることが好ましい。
高分子化合物としては、重合度100〜10000のポリフッ化ビニリデン(PVDF)やその共重合体を用いることができる。ポリフッ化ビニリデンの共重合体は、フッ化ビニリデン(VDF)と他の単量体との共重合体であり、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体、クロロトリフルオロエチレンとの共重合体等が挙げられる。
前記高分子化合物としては、上記ポリフッ化ビニリデンやその共重合体の他、例えば、重合度100〜10000のポリビニルホルマール、ポリエチレンオキサイド並びにポリエチレンオキサイドを含む架橋体などのエーテル系高分子化合物、ポリメタクリレートなどのエステル系高分子化合物、重合度100〜10000のアクリレート系高分子化合物が挙げられる。高分子化合物は1種を単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明するが、本発明は以下の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施の形態に係る二次電池の構成を模式的に表したものである。この二次電池は、いわゆるラミネートフィルム型といわれるものであり、正極リード21および負極リード22が取り付けられた巻回電極体20をフィルム状の外装部材30の内部に収容したものである。
正極リード21および負極リード22は、それぞれ、外装部材30の内部から外部に向かい例えば同一方向に導出されている。正極リード21および負極リード22は、例えば、アルミニウム、銅、ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成されており、それぞれ薄板状または網目状とされている。
図2は、図1に示した巻回電極体20のI−I線に沿った断面構造を表すものである。巻回電極体20は、正極23と負極24とをセパレータ25および電解質層26を介して積層し、巻回したものであり、最外周部は保護テープ27により保護されている。
(正極)
正極23は、正極集電体23Aの両面に正極活物質層23Bが設けられた構造を有している。正極集電体23Aは、例えば、アルミニウム、ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料により構成されている。正極活物質層23Bは、例えば、正極活物質として、リチウムを吸蔵および放出可能な正極材料のいずれか1種または複数種を含んでおり、必要に応じて炭素材料などの導電剤およびバインダーを含んでいてもよい。バインダーとしては、前記コポリマーを用いることができるが、コポリマー以外でもよい。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、およびこれらの固溶体(Lix(NiCoMn)O))(x、yおよびzの値は0<x<1、0<y<1、0≦z<1、x+y+z=1である。)、マンガンスピネル(LiMn)およびその固溶体(Li(Mn2−vNi)O)(vの値はv<2である。)などのリチウム複合酸化物、並びにリン酸鉄リチウム(LiFePO)などのオリビン構造を有するリン酸化合物が好ましい。高いエネルギー密度を得ることができるからである。また、リチウムを吸蔵および放出することが可能な正極材料としては、例えば、酸化チタン、酸化バナジウムおよび二酸化マンガンなどの酸化物、二硫化鉄、二硫化チタンおよび硫化モリブデンなどの二硫化物、硫黄、並びにポリアニリンおよびポリチオフェンなどの導電性高分子も挙げられる。
本発明の非水電解液二次電池において、上記正極活物質層23Bの片面あたりの厚さは好ましくは40μm以上80μm以下である。より好ましくは40μm以上60μm以下の範囲である。活物質層の厚さを40μm以上とすることで、電池の高容量化を図ることができる。また、80μm以下とすることで充放電を繰り返した時の放電容量維持率を大きくすることに寄与する。また、上記正極活物質層23Bは塗布、乾燥して片面当たり14〜30mg/cmとすることが好ましい。
(負極)
負極24は、例えば、対向する一対の面を有する負極集電体24Aの両面に負極活物質層24Bが設けられた構造を有し、負極活物質層24Bと正極活物質層23Bとが対向するように配置されている。負極集電体24Aは、例えば、銅、ニッケルおよびステンレスなどの金属材料により構成されている。
負極活物質層24Bは、負極活物質として、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料のいずれか1種または複数種を含んでいる。なお、この二次電池では、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の充電容量が、正極23の充電容量よりも大きくなっており、充電の途中において負極24にリチウム金属が析出しないようになっている。
リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料としては、例えば、難黒鉛化性炭素、易黒鉛化性炭素、黒鉛、熱分解炭素類、コークス類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維または活性炭などの炭素材料が挙げられる。このうち、コークス類には、ピッチコークス、ニードルコークスあるいは石油コークスなどがある。有機高分子化合物焼成体とは、フェノール樹脂やフラン樹脂等の高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいい、一部には難黒鉛化性炭素または易黒鉛化性炭素に分類されるものもある。また、高分子材料としてはポリアセチレンあるいはポリピロールなどがある。これら炭素材料は、充放電時に生じる結晶構造の変化が非常に少なく、高い充放電容量を得ることができると共に、良好なサイクル特性を得ることができるので好ましい。特に黒鉛は、電気化学当量が大きく、高いエネルギー密度を得ることができ好ましい。また、難黒鉛化性炭素は、優れた特性が得られるので好ましい。さらにまた、充放電電位が低いもの、具体的には充放電電位がリチウム金属に近いものが、電池の高エネルギー密度化を容易に実現することができるので好ましい。
また、負極材料としては、上記に示した炭素材料の他に、ケイ素、スズ、及びそれらの化合物、マグネシウム、アルミニウム、ゲルマニウム等、リチウムと合金を作る元素を含む材料を用いてもよい。更にチタンのようにリチウムと複合酸化物を形成する元素を含む材料も考えられる。
本発明の非水電解液二次電池において、上記負極活物質層24Bの片面あたりの厚さは好ましくは40μm以上80μm以下である。より好ましくは40μm以上60μm以下の範囲である。活物質層の厚さを40μm以上とすることで、電池の高容量化を図ることができる。また、80μm以下とすることで充放電を繰り返した時の放電容量維持率を大きくすることに寄与できる。また、上記負極活物質層24Bは塗布、乾燥して片面当たり7〜15mg/cmとすることが好ましい。
(セパレータ)
セパレータ25は、正極23と負極24とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させるものである。このセパレータ25は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレンおよびポリエチレンなどよりなる合成樹脂製の多孔質膜、またはセラミック製の多孔質膜により構成されており、これらの複数種の多孔質膜を積層した構造とされていてもよい。セパレータ25には、例えば液状の電解質である電解液が含浸されている。
(外装部材)
外装部材30は、例えば、ナイロンフィルム、アルミニウム箔およびポリエチレンフィルムをこの順に貼り合わせた矩形状のアルミラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30は、例えば、ポリエチレンフィルム側と巻回電極体20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着あるいは接着剤により互いに密着されている。外装部材30と正極リード21および負極リード22との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム31が挿入されている。密着フィルム31は、正極リード21および負極リード22に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレンあるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材30は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルムあるいは金属フィルムにより構成するようにしてもよい。
(製造方法)
この二次電池は、例えば、高分子化合物を用いる場合は、次のようにして製造することができる。
正極は、例えば次の方法で作製できる。まず、正極活物質と、導電剤と、バインダー(前記コポリマーを含んでもよい)とを混合して正極合剤を調製し、この正極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の正極合剤スラリーとする。続いて、この正極合剤スラリーを正極集電体23Aに塗布し溶剤を乾燥させたのち、ロールプレス機などにより圧縮成型して正極活物質層23Bを形成し、正極23を作製する。この際、正極活物質層23Bの厚さは40μm以上となるようにする。
また、負極は、例えば次の方法で作製できる。まず、黒鉛、または構成元素としてケイ素およびスズのうちの少なくとも一方を含む負極活物質と、導電剤と、バインダー(前記コポリマーを含むことが好ましい)とを混合して負極合剤を調製したのち、この負極合剤をN−メチル−2−ピロリドンなどの溶剤に分散させてペースト状の負極合剤スラリーとする。次いで、この負極合剤スラリーを負極集電体24Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型することにより、上述した負極活物質よりなる負極活物質粒子を含有する負極活物質層24Bを形成し、負極24を得る。この際、負極活物質層24Bの厚さは40μm以上となるようにする。
つぎに、正極23および負極24のそれぞれに、電解液と、高分子化合物と、混合溶剤とを含む前駆溶液を塗布し、混合溶剤を揮発させて電解質層26を形成する。次いで、正極集電体23Aに正極リード21を取り付けると共に、負極集電体24Aに負極リード22を取り付ける。続いて、電解質層26が形成された正極23と負極24とをセパレータ25を介して積層し積層体としたのち、この積層体をその長手方向に巻回して、最外周部に保護テープ27を接着して巻回電極体20を形成する。そののち、例えば、外装部材30の間に巻回電極体20を挟み込み、外装部材30の外縁部同士を熱融着などにより密着させて封入する。その際、正極リード21および負極リード22と外装部材30との間には密着フィルム31を挿入する。これにより、図1、2に示した二次電池が完成する。
また、この二次電池は、次のようにして作製してもよい。まず、上述したようにして正極23および負極24を作製し、正極23および負極24に正極リード21および負極リード22を取り付けたのち、正極23と負極24とをセパレータ25を介して積層して巻回し、最外周部に保護テープ27を接着して、巻回電極体20の前駆体である巻回体を形成する。次いで、この巻回体を外装部材30に挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とし、外装部材30の内部に収納する。続いて、電解液と、高分子化合物の原料であるモノマーと、必要に応じて重合開始剤あるいは重合禁止剤などの他の材料とを含む電解質用組成物を用意し、外装部材30の内部に注入したのち、外装部材30の開口部を熱融着して密封する。そののち、必要に応じて熱を加えてモノマーを重合させて高分子化合物とすることによりゲル状の電解質層26を形成し、図1、2に示した二次電池を組み立てる。
この二次電池では、充電を行うと、例えば、正極23からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極24に吸蔵される。一方、放電を行うと、例えば、負極24からリチウムイオンが放出され、電解液を介して正極24に吸蔵される。
上記形態では、電池の形状としてラミネート電池を例示したが、本発明は上記に限定されない事は言うまでもない。すなわち、筒型電池、角型電池、等にも適用可能である。
以上、実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は実施の形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、電解質として電解液を用いる場合について説明し、更に、電解液を高分子化合物に保持させたゲル状電解質を用いる場合についても説明したが、他の電解質を用いるようにしてもよい。他の電解質としては、例えば、イオン伝導性セラミックス、イオン伝導性ガラスあるいはイオン性結晶などのイオン伝導性無機化合物と電解液とを混合したもの、または他の無機化合物と電解液とを混合したもの、またはこれらの無機化合物とゲル状電解質とを混合したものが挙げられる。
また、上記実施の形態では、電極反応物質としてリチウムを用いる電池について説明したが、ナトリウム(Na)あるいはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、またはマグネシウムあるいはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、またはアルミニウムなどの他の軽金属を用いる場合についても、本発明を適用することができる。
更に、上記実施の形態では、負極の容量が、リチウムの吸蔵および放出による容量成分により表されるいわゆるリチウムイオン二次電池ついて説明したが、本発明は、負極活物質にリチウム金属を用い、負極の容量が、リチウムの析出および溶解による容量成分により表されるいわゆるリチウム金属二次電池、あるいは、リチウムを吸蔵および放出することが可能な負極材料の充電容量を正極の充電容量よりも小さくすることにより、負極の容量がリチウムの吸蔵および放出による容量成分と、リチウムの析出および溶解による容量成分とを含み、かつその和により表されるようにした二次電池についても同様に適用することができる。
以下、本発明の実施例を比較例とともに説明する。
比較例1−1〜1−3、実施例1−1〜1−9、実施例2−1〜2−4、実施例3−1〜3−12
下記基本形に基づく電池を作成し、以下により評価した。
<基本形>
正極活物質としてコバルト酸リチウム95部と重量平均分子量が約100000のPVDFホモポリマー5部とを均質に混合して溶剤を添加し正極合剤塗液を得た。次に、得られた正極合剤塗液を、アルミニウム箔上の両面に均一に塗布、乾燥して正極活物質層を形成した。これを50mm×350mmに切断して正極を作成した。
負極活物質として人造黒鉛95質量部、重量平均分子量が約100000のバインダーを5質量部とを均質に混合して溶剤を添加し負極合剤塗液を得た。次に、得られた負極合剤塗液を、負極集電体となる銅箔上の両面に均一に塗布、乾燥して負極活物質層を形成した。これを52mm×370mmの形状に切断して負極を作成した。
非水電解液はエチレンカーボネート(EC)/プロピレンカーボネート(PC)=5/5(質量比)及びLiPF=0.6mol/kgを混合して作成した。
微多孔性ポリエチレンフィルムの両面にHFP6.9質量%含有PVDFを塗布したセパレータを用意した。
正極と負極を、上記セパレータを介して積層して巻き取り、アルミニウムラミネートフィルムからなる袋に入れ、非水電解液を注液後、袋を熱融着してラミネート型電池を作成した。
<剥離強度測定>
金属箔の上に塗布した負極活物質層表面にテープを貼り付け、一定圧力で圧着させることで試験片とした。試験片は幅15mmにカット。180°剥離、引張速度は100mm/minとする。テープを引張り、金属箔と負極活物質層の剥離強度を測定する。剥離強度は、引っ張り初めてから10mmの位置までを除外した平均値を電極幅で規格化した値とする。条件はJIS Z0237を参考にしている。65mN/mm以上が良。
<構造変化率>
H−NMRチャートにて、バインダーにおけるVDFのCHの積分比とエステル基のC−Hの積分比からエステル基含有量を計算し、サイクル評価前後でのエステル基含有量を比較する。エステル基の何mol%が分解したかを計算する。
<放電容量維持率>
4.2V−0.8Aの定電流定電圧充電、0.8A−3Vの定電流放電の繰り返し充放電後の、「500サイクル時の容量/5サイクル時の容量」(%)を求めた。75%以上が良。
比較例1−1〜1−3、実施例1−1〜1−9
基本形において、負極活物質層のバインダーの仕様を以下の通りとした。また、表1にも仕様及び評価結果を記載した。
比較例1−1
バインダーとして、PVDFホモポリマーを用いた。
比較例1−2
バインダーとして、VDFとマレイン酸モノメチルのコポリマーを用いた。マレイン酸モノメチルの含有量(コポリマーに対するmol%)は表1に示した。本発明のモノマー(1)と同じ構造であるが、置換基(R1)の炭素数が本願の下限を下回るものである(比較例1−3も同様である)。
比較例1−3
バインダーとして、VDFとマレイン酸モノエチルのコポリマーを用いた。
実施例1−1〜1−9
バインダーとして、VDFとマレイン酸モノn−ブチルの共重合比を表1に記載のように変更して作製したコポリマーを用いた。このコモノマーは、モノマー(1)の置換基R1が、炭素数4のn−ブチル基である。
Figure 0005493516
上表より、実施例では、マレイン酸エステルの共重合比を増やすことで剥離強度が増大し、サイクル特性も向上した。比較例は、構造変化率が高く、サイクル特性、剥離強度が、実施例1−5との比較から改善されていないことが分かる。これは、コモノマーの違いによるものである。
実施例2−1〜2−4
実施例1−5を基準に負極中のバインダー添加量を変更した。結果を表2に示す。
Figure 0005493516
上表より、マレイン酸エステルの置換基の嵩高さを大きくすることでバインダー使用量を減らしてもサイクル特性を維持しつつ剥離強度が高くできた。活物質層の組成が変わればもっと少ない量で高い剥離強度を示す可能性がある。
実施例3−1〜3−12
実施例1−5を基準にコモノマーの置換基又はコモノマーの種類を変更した。結果を表3に示す。
Figure 0005493516

上表より、以下のことが理解される。
コモノマーのエステル基の立体障害により、構造変化率が変わり、実施例3−4に示すように立体障害が大きいほど(置換基の炭素数が大きいほど)、構造変化率は小さい。
剥離強度もバインダー(コポリマー)の軟化点が低くなる組成を導入したものほど剥離強度が大きく、サイクル後の剥離強度も保たれている。比較例1−2、1−3のエステル基がメチル基やエチル基に比べ、炭素数が4以上の置換基になると、大きく剥離強度向上効果を示した。これはエステル基の嵩高さにより、ポリマーの軟化点が低下した効果による。
モノマー(1)のようにカルボキシル基があると金属箔との結着力が上がるが、実施例3−7〜3−13のコモノマーにはカルボキシル基が無いため、剥離強度が低目となる。シアノ基とホルミル基は極性が高いため、比較的剥離強度は高くなる。
実施例3−7〜3−13のコモノマーにはカルボキシル基が無いため、カルボキシル基の触媒効果によるエステル分解が起こらず、エステル基は安定となる。シアノ基とホルミル基は極性が高いため、やや触媒効果を示して、エステル基を分解する。
実施例4−1、比較例4−1
実施例1−5において、負極に用いたバインダーを正極に用い、負極のバインダーとして比較例1−1のPVDFホモポリマーを用いて、それ以外は実施例1−5と同様にして実施例4−1の電池を作製した。比較例4−1は、実施例4−1の正極において、マレイン酸モノ−n−ブチルに代えてマレイン酸モノメチルを用いた以外は実施例4−1と同様にして電池を作製した。結果を表4に示す。
Figure 0005493516
上表より、以下のことが理解される。
カルボキシル基による金属箔との結着力向上効果はアルミ箔でも発現し、正極活物質間の結着力向上効果も発現する。
本発明に用いるバインダーは正極でも負極と同様の効果を示すが、正極よりも負極に用いた方が効果は大きい。
正極では、活物質の影響により負極より構造変化率が高い。活物質が触媒となり、分解を促すためである。しかしながら、マレイン酸モノ−n−ブチルを用いた実施例4−1は、マレイン酸モノメチルを添加した系の比較例4−1に比べ、大きく構造変化率を下げている。嵩高いエステル基を入れることで分解を抑制する効果は、負極と同様に正極でも見られる。
20…巻回電極体、23…正極、23A…正極集電体、23B…正極活物質層、24…負極、24A…負極集電体、24B…負極活物質層、25…セパレータ、21…正極リード、22…負極リード、26…電解質層、27…保護テープ、30…外装部材、31…密着フィルム。

Claims (3)

  1. 集電体と、
    この集電体に設けられた、下記一般式(1)〜(4)から選択される少なくとも1種のモノマーをコモノマーとしてフッ化ビニリデン又はフッ化ビニリデン及びその共重合可能なモノマーと共重合させたコポリマーを含有し、
    前記コモノマーは、コポリマー中に0.1mol%以上5mol%以下で共重合されている活物質層と
    を有する電極。
    (式中、R1〜R3は各々独立に炭素数4〜10の炭化水素基を示し、R4は水素原子又はメチル基を示し、R6及びR7は各々独立に水素原子又は炭素数1〜4の炭化水素基を示し、R5は炭素数4〜10の炭化水素基を示し、炭化水素基8は素原子又は炭素数4〜10の炭化水素基を示し、Xはシアノ基又はアルデヒド基を示す。)
    Figure 0005493516
  2. 前記コモノマーは、一般式(1)の化合物を含む請求項1の電極。
  3. 請求項1〜2の何れかの電極を有する電池。
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