JP5491300B2 - 窒化アルミニウム製造方法 - Google Patents
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Description
ミニウム(AlN)の結晶を液相で成長させる際に、Li3AlN2が副生成物(不純物)として混入していることに着目し、Li3AlN2相を考慮してLi3N-Al擬二元系状態図を新規に作成した。窒化アルミニウム(AlN)結晶の副生成物であるLi3AlN2は、同じく副生成物であるリチウムアルミニウム(LiAl)やアルミン酸リチウム(LiAlO2)等とは異なり、窒化アルミニウム(AlN)の結晶の内部で入り混じった状態で、窒化アルミニウム(AlN)の結晶化と同時に生成されることから、結晶化後に除去することが困難である。このため、可能な限りLi3AlN2の生成を抑制することが、高純度の窒化アルミニウム(AlN)の結晶を得るために必要となる。なお、リチウムアルミニウム(LiAl)やアルミン酸リチウム(LiAlO2)は、窒化アルミニウム(AlN)とは分離した状態で生成される。このため、例えば、基板上に窒化アルミニウム(AlN)の結晶を生成した場合には、リチウムアルミニウム(LiAl)やアルミン酸リチウム(LiAlO2)は、上澄み溶液に含まれて生成されるため、当該上澄み溶液を取り除くことで除去することが可能ではある。しかしながら、除去コストが別途必要となるために、このような副生成物の生成を抑制することが製造コスト削減のためには好ましい。
ネルギーのデータはこれまでに報告されていない。本発明者らは、鋭意研究の結果、Li3AlN2のギブスエネルギーの温度依存関数を求めることにより、従来のデータベースを独自に修正し、新規なLi3N-Al擬二元系状態図を完成させた。このLi3N-Al擬二元系状態図により、従来よりも高純度なAlN結晶を生成できる生成条件を見出せることへの展望を与える。また、現在では高純度のAlN結晶を低温で生成するような生成条件が試行錯誤で研究されており、現状ではそのような生成条件は得られていないが、このLi3N-Al擬二元系状態図を用いることにより最適な生成条件を見出すことができる。
(機器)
・卓上型高温管状炉(山田電機製、TSR-430)
・タングステン(W)坩堝(フルウチ化学製)
・走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope;SEM)(JEOL社製、JSM6701F)
・制御盤(山田電機製、YKC-52)
・フロート式流量計(KOFLOC製)
・SiCら管型発熱体(シリコニット社製、Sp24)
(材料)
・高純度窒素ガス(純度99.9999%)
・水
・塩酸
以下の実施例で使用した窒化リチウム、アルミニウムおよび窒化アルミニウムの諸物性は、以下の通りである。
本発明の窒化アルミニウム材料の製造方法は、装置構成に関して、図2に示すように、窒素ガスの導入および排出を行うガス供給領域・ガス排出領域と、原料が化学反応を起こして結晶が生成される成長領域と、当該成長に必要な熱エネルギーを供給し、温度を制御する加熱領域・温度制御領域とから構成される。ガス供給領域は、高純度窒素ガス(純度99.9999%)を貯蔵する窒素ガスタンク1と、流量を計測する質量流量計11と、安全弁12とを備える。成長領域は、窒化アルミニウム生成反応を行う反応管2と、反応管2の内部に戴置されたタングステン製の坩堝21とを備える。加熱領域は、炉3と、炉3の内部に戴置された熱源31と、R型熱電対である熱電対32とを備える。温度制御領域は、熱電対32を介して熱源31の温度制御を行う制御盤4を備える。ガス排出領域は、反応管2から送られる流体を一旦タンクに取込み、バブリングすることによってガスを外部に排出するバブラー5を備える。以下、上記の各領域を詳述する。
窒素ガスタンク1に貯蔵された高純度窒素ガスを雰囲気ガスとして使用し、反応管2内の気相を常圧(1気圧)で置換する。流量は、質量流量計11としてのフロート式流量計(KOFLOC製)で制御し、窒化アルミニウムの成長において、昇温中、成長中および降温初期過程では、450ml/分を保持する。例えば、反応管2の内径が30mmの場合には、反応管2の入り口での流速は10.6mm/secとなる。また、反応管2の入り口直前に安全弁12を設けることにより、管内の圧力上昇を防止することができる。反応管2の下流はバブラー2に接続し、生成ガスの清浄後、系外へ排ガスを排出する。
加熱領域の水平中心位置に坩堝21の中心部が一致するように設置し、当該設置された位置を保持する。坩堝21は、気相成長を行う場合には、幅16mm、高さ(内寸)9mmとする。坩堝21は、液相成長を行う場合には、内径は20mm、高さ(内寸)20mm、厚さ1mmとする。気相成長および液相成長のいずれの場合でも、反応管2には内径30mm、厚さ5mmのムライト管を用いる。ムライト管は、酸化アルミニウムおよび二酸化ケイ素から成り、リチウムによる侵食を防止することができる。
加熱は、炉5の内部に備えられた熱源51としてのSiCら管型発熱体(シリコニット社製、Sp24)により行う。常用温度は1400℃、最高温度は1500℃となるようにする。熱電対32により、反応管2の水平中心位置の外壁の温度を計測し、別途接続する制御盤7としての制御盤(山田電機製、YKC-52)により計測温度を表示する。また、この制御盤7を用いてPID方式により加熱制御を行う。
(実施例1)
本発明のLi3N-Al擬二元系状態図の斜線部に含まれる実験条件(図1(a)中の点Y2)で窒化アルミニウムの生成を行った。すなわち、原料(粉末Li3Nおよび粉末Al)をAl/Li3N比1/1(アルミニウムの原料モル組成比[原料アルミニウム/(原料アルミニウム+原料窒化リチウム)]は0.50)でタングステン坩堝に入れ、横型管状炉を用いて、1気圧下、窒素雰囲気中で2時間のアニール処理(焼きなまし)を行った。5℃/分で温度1050℃まで昇温し、2時間保持した後、室温まで冷却した。この間、窒素流量を450ml/分で連続供給した。冷却後、得られたサンプルを回収し、水との反応により残留リチウムを除去した後、粉末XRD測定を行った。
本実施例では、上記の実施例1の手順において、Al/Li3N比のみを1/2(アルミニウムの原料モル組成比[原料アルミニウム/(原料アルミニウム+原料窒化リチウム)]は0.34、以下同じ)、1/1(0.50)、4/3(0.57)、4/1(0.80)、8/1(0.89)とした場合(各々、図1(a)中の点Y1〜Y5に対応する)を実施した(Al/Li3N比が1/1の場合は実施例1の結果を使用する)。なお、これらの5つの実験条件のうち、点Y1のみは、図1(a)の斜線部に含まれない実験条件であり、本発明の対照例である。得られた窒化アルミニウムのサンプルのXRDプロファイルに関して、図5に示すように、窒化アルミニウム(AlN)を主要素とするピークが確認された。
本発明のLi3N-Al擬二元系状態図によれば、アルミニウムの原料モル組成比[原料アルミニウム/(原料アルミニウム+原料窒化リチウム)]が0.9以上1未満の範囲において、さらに、1000℃以下という低温で従来よりも高純度に窒化アルミニウム(AlN)を生成できることが予想される。そこで本実施例では、この一例として、アルミニウムの原料モル組成比[原料アルミニウム/(原料アルミニウム+原料窒化リチウム)]を0.9、温度950℃に2時間保持し、窒化アルミニウム(AlN)生成を行った(図1(a)中の点Y6に対応する)。
種基板を用いることにより、基板の面方位と同一方位への窒化アルミニウム(AlN) 成長(エピタキシャル成長)が展開されることが知られている。そこで本実施例では、AlN/SiC 基板を種基板としたホモエピタキシャル成長を行った。
した。窒素流量を450ml/分で連続供給し、Al/Li3N比を4/1(アルミニウムの原料モル組成比[原料アルミニウム/(原料アルミニウム+原料窒化リチウム)]は0.80)とした。水との反応により残留リチウムを除去した後、SEM観察を行った。
11 質量流量計
12 安全弁
2 反応管
21 坩堝
3 炉
31 熱源
32 熱電対
4 制御盤
5 バブラー
Claims (3)
- 窒化アルミニウムの結晶を液相成長により生成する窒化アルミニウム製造方法であって、常圧窒素雰囲気下で、窒化リチウムおよびアルミニウムから成る原料混合物におけるアルミニウムの原料モル組成比[原料アルミニウム/(原料アルミニウム+原料窒化リチウム)]が0.9以上かつ1未満の範囲の組成として、850℃以上1000℃以下の温度にて、少なくとも2時間保持する工程を含むことを特徴とする窒化アルミニウム製造方法。
- 前記原料混合物を窒化アルミニウムを含む基板上に戴置して前記温度を保持することを特徴とする請求項1に記載の窒化アルミニウム製造方法。
- 前記基板がAlN/SiC基板であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化アルミニウム製造方法。
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