JP5489765B2 - 光学素子の製造方法、及び、光学素子成形用型セット - Google Patents

光学素子の製造方法、及び、光学素子成形用型セット Download PDF

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Description

本発明は、離型剤供給工程を含む光学素子の製造方法、並びに、一対の成形型及びスリーブを備える光学素子成形用型セットに関する。
従来、一対の成形型によるプレス成形で光学素子を製造する際に、成形型と光学素子材料との離型性(剥離性)を良好にする目的で離型剤が使用されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば、離型剤は、成形型や光学素子材料に直接塗布され、光学素子材料の加熱工程で、成形温度よりも低い温度で揮発する。
図5A〜図5Cは、従来の、離型剤を用いた光学素子の製造方法を説明するための概略図である。
図5Aは加熱工程を、図5Bは加圧工程及び冷却工程を、図5Cは離型工程を、それぞれ示している。
上型81と下型82とが互いに対向した状態で、下型82には例えばガラス材料である光学素子材料83が配置されている。この光学素子材料83の外周面には、高さ方向中央部分に離型剤84が塗布されている。
図5Aに示す加熱工程では、上型81は、光学素子材料83との接触位置よりも上方で待機した状態にある。この状態で、光学素子材料83は、下型82からの熱伝導等によって加熱される。このとき、光学素子材料83に塗布された離型剤84は、加熱されて揮発する。揮発した離型剤84は、上型81の底面に付着物84aとして付着する。なお、図示はしないが、付着物84aは、光学素子材料83にも付着する。
図5Bに示す加圧工程では、上型81は、光学素子材料83を加圧するべく下降し、付着物84aが底面に付着した状態のまま光学素子材料83を加圧する。冷却工程では、所望の厚さまで加圧された光学素子材料83が、例えばガラス転移点温度以下になるまで冷却される。
図5Cに示す離型工程では、上型81は、光学素子材料83を加圧した位置から上方の待機位置へ上昇し、光学素子材料83から離型される。
以上のように製造される光学素子(光学素子材料)83には、付着物84aが付着すると共に、上型81に付着した付着物84aの形状が転写されて微細な凹部83aが形成される。
特開2003−20247号公報
上述のように、離型剤を用いて光学素子を製造すると、揮発した離型剤が光学素子材料に付着したり、成形型に付着した離型剤の形状が光学素子材料に転写されたりすることで、光学素子の面精度が悪化する。
本発明の目的は、離型剤を用いても光学素子の面精度の悪化を防ぐことができる光学素子の製造方法及び光学素子成形用型セットを提供することである。
本発明の光学素子の製造方法は、一対の成形型により光学素子材料を加圧する加圧工程を備え、この加圧工程は、上記光学素子材料を加圧し始めた後で且つ加圧し終える前に、上記一対の成形型の間への離型剤の供給を開始する離型剤供給工程を含む。
また、上記光学素子の製造方法において、上記離型剤供給工程では、上記加圧工程において上記一対の成形型の両方が上記光学素子の有効径の範囲全面に接触した後で且つ上記光学素子材料を加圧し終える前に、上記離型剤の供給を開始するとよい。
また、上記光学素子の製造方法において、上記一対の成形型の周囲には、スリーブが配置され、上記スリーブの内周面には、凹部が形成され、上記離型剤供給工程では、上記加圧工程時に上記一対の成形型が相対的に接近することによって、上記一対の成形型のうちの少なくとも一方の成形型の外周面に配置された離型剤が上記凹部に露出することにより、上記一対の成形型の間の空間に上記離型剤を供給するとよい。
また、上記光学素子の製造方法において、上記離型剤供給工程では、上記一対の成形型の間に上記離型剤を吐出することにより、上記離型剤を供給するとよい。
本発明の光学素子成形用型セットは、一対の成形型と、前記一対の成形型の周囲に配置されたスリーブと、を備え、前記スリーブの内周面には、凹部が形成され、前記一対の成形型のうちの少なくとも一方の成形型の外周面には、離型剤が配置され、前記離形剤が配置される位置は、前記一対の成形型の間隔が、加圧する光学素子材料の厚さより小さくかつ最終的に得る光学素子の厚さより大きい長さまで狭まったときに、初めて前記凹部に露出する位置である。

また、上記光学素子成形用型セットにおいて、上記離型剤は、上記成形型の外周面に設けられた窪みに配置される構成とするとよい。
本発明によれば、離型剤を用いても光学素子の面精度の悪化を防ぐことができる。
本発明の第1の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子成形用型セットの部分断面図(その1)である。 本発明の第1の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子成形用型セットの部分断面図(その2)である。 本発明の第1の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子成形用型セットの部分断面図(その3)である。 本発明の第1の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子成形用型セットの部分断面図(その4)である。 本発明の第1の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子成形用型セットの部分断面図(その5)である。 本発明の第2の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子成形用型セットの断面図(その1)である。 本発明の第2の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子成形用型セットの断面図(その2)である。 本発明の第2の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子成形用型セットの断面図(その3)である。 本発明の第2の実施の形態に係る光学素子成形用型セットの上型及びスリーブを示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子成形用型セットの部分断面図(その1)である。 本発明の第3の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子成形用型セットの部分断面図(その2)である。 本発明の第3の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子成形用型セットの部分断面図(その3)である。 本発明の第3の実施の形態の変形例に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子成形用型セットの正面図である。 従来の、離型剤を用いた光学素子の製造方法を説明するための概略図(その1)である。 従来の、離型剤を用いた光学素子の製造方法を説明するための概略図(その2)である。 従来の、離型剤を用いた光学素子の製造方法を説明するための概略図(その3)である。
以下、本発明の実施の形態に係る光学素子の製造方法及び光学素子成形用型セットについて、図面を参照しながら説明する。
<第1の実施の形態>
図1A〜図1Eは、本発明の第1の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための光学素子成形用型セット(以下、単に「型セット」という)10の部分断面図である。
型セット10は、一対の成形型としての上型(第1の成形型)11及び下型(第2の成形型)12と、これらの周囲に配置されたスリーブ13と、を備える。
上型11及び下型12は、例えば円柱形状を呈し、互いに対向して配置されている。本実施の形態では、上型11及び下型12の成形面11a,12aは、平面に形成されている。なお、成形面11a,12aの形状は、球面形状、非球面形状、自由曲面形状、フレネル形状、微細構造を有する形状等であってもよい。
下型12の成形面12a上には、光学素子材料20が配置される。この光学素子材料20は、例えばガラス材料である。
下型12の外周面には、窪み12bが設けられている。この窪み12bは、本実施の形態では下型12の外周面の全周に亘って帯状に設けられている。窪み12bには、離型剤30が定期的に塗布される。離型剤30は、例えば、上型11若しくは下型12又はこれらの間に配置された光学素子材料20の加圧工程時の温度よりも低い温度で揮発するものを用いるとよい。
本実施の形態では、離型剤30は窪み12bに配置されるが、下型12の外周面におけるスリーブ13の内周面の摺動を阻害したり、離型剤30が散乱したりしなければ、窪み12bを省略することも可能である。なお、離型剤30が、窪み12bから下型12とスリーブ13との間隙を通って、上型11と下型12との間の空間に流入するのを防ぐため、スリーブ13に径方向に延びる通気孔を設けると共に、この通気孔を介して上型11と下型12との間の空間の気体ごと離型剤30を吸引する吸引部を配置してもよい。
スリーブ13は、例えば円筒形状を呈する。スリーブ13の内周面には、凹部13aが形成されている。この凹部13aは、本実施の形態ではスリーブ13の内周面の全周に亘って形成されている。
スリーブ13は、上型11と共に、例えば、図示しない型昇降部に連結された上側ヒータプレートに固定されている。このように上型11とスリーブ13とは一体に移動するため、上型11とスリーブ13とを一体に形成してもよい。一方、下型12は、例えば、光学素子製造装置のベース部上に配置された下側ヒータプレートに固定されている。
以下、本実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明する。なお、後述する動作の制御は、図示しない制御部によって行なわれるものとする。また、上型11を介しての光学素子材料20の加圧は、上記の図示しない型昇降部(加圧部)によって行われ、光学素子材料20の温度調整は、上記の図示しないヒータプレート(加熱部・冷却部)によって行われるものとする。
図1Aに示すように、図示しない搬送ロボットにより下型12の成形面12a上に光学素子材料20が配置される。なお、光学素子材料20が上記搬送ロボットにより上型11と下型12との間に搬送されてくる際には、図1Eに示すように、上型11及びスリーブ13は、下型12の上方で待機している。
図1Aに示すように上型11と光学素子材料20との間に間隔がある状態、又は、図1Bに示すように上型11と光学素子材料20とが互いに接触した状態で、光学素子材料20は、上型11及び下型12を介した熱伝導等によって例えばガラス転移点温度以上になるまで加熱される(加熱工程)。この加熱工程では、窪み12bに配置された離型剤30が揮発するが、窪み12bがスリーブ13の内周面で塞がれているため、離型剤30は窪み12bから放出されない。なお、上述した吸引部を設けた場合には、離型剤30は、吸引部により吸引され、スリーブ13と上下型11,12で形成された空間内へは流入しない。
図1Bに示すように上型11と光学素子材料20とが互いに接触した状態から、図1Cに示すように、上型11及びスリーブ13が下降し、上型11と下型12との間で光学素子材料20が加圧される(加圧工程)。
この加圧工程時に上型11及びスリーブが下降して上型11と下型12とが接近することによって、下型12の窪み12bに配置された離型剤30がスリーブ13の凹部13aに露出する。この凹部13aは、光学素子材料20の加圧時に上型11と下型12との間の空間に連通するため、凹部13aに露出して揮発した離型剤30が凹部13aを介して上型11と下型12との間に供給される(離型剤供給工程)。
このように、上型11と下型12とが相対的に接近することによって、加圧工程において光学素子材料20を加圧し始めた後で且つ加圧し終える前に、上型11と下型12との間への離型剤30の供給が開始される。
なお、本実施の形態では、図1Cに示すように、加圧工程において上型11及び下型12の両方が光学素子の有効径20aの範囲全面に接触した後で且つ光学素子材料20を加圧し終える前に、離型剤30の供給が開始される。
そのため、上型11と下型12との間に供給された離型剤30は、光学素子材料20のうち有効径20aの範囲外の表面、並びに、上型11及び下型12の成形面11a,12aのうち有効径20aの範囲外に形状を転写する部分に付着物(離型皮膜)30aとして付着する。
ここで、有効径20aとは、光学素子として光学機能を発揮する領域、又は、光学素子として光学機能を発揮させるために周囲よりも高精度に形状を転写される領域をいうものとする。
図1Dに示すように光学素子材料20が所望の厚さになるまで加圧された後、光学素子材料20は、例えばガラス転移点温度以下になるまで冷却される(冷却工程)。
そして、図1Eに示すように上型11及びスリーブ13が上昇し、光学素子材料20から上型11が離型される(離型工程)。この離型工程では、上型11と光学素子材料20との接触面のうち光学素子材料20の有効径20aの範囲外の外周部分に離型剤30の付着物30aが付着しているため、この付着物30aによって離型が促進される。
上型11及びスリーブ13が下型12の上方まで上昇した後、光学素子材料20が図示しない搬送ロボットにより下型12上から搬出されることで、例えばガラスレンズである光学素子20が製造される。
以上説明した本実施の形態では、加圧工程において光学素子材料20を加圧し始めた後で且つ加圧し終える前に、一対の成形型(上型11及び下型12)の間への離型剤30の供給が開始される。そのため、成形型(上型11)と光学素子材料20との離型面のうちの外周部分に付着した離型剤30(付着物30a)によって離型を促進することができる。また、離型面のうちの中央部分に離型剤30(付着物30a)が付着するのを抑えることができるため、光学素子材料20の面精度の悪化を防ぐことができる。
よって、本実施の形態によれば、離型剤30を用いても光学素子の面精度の悪化を防ぐことができる。
ところで、従来は、例えば、光学素子材料又は成形型に直接塗布された離型剤を揮発させることによって、光学素子材料と成形型との接触面の全面に離型剤(離型皮膜)が付着していた。この離型皮膜は、加圧工程等で光学素子材料の流動が少ない部分、特に中央付近で光学素子材料(光学素子)の表面を荒らしてしまい、面精度を悪化させる(外観不良を生じさせる)。
そのため、流動の多い接触面のうちの外周部分へ優先的に離型皮膜を生成させるのが望ましい。なお、接触面のうちの外周部分の離型性は、光学素子材料20の冷却収縮時に中心部分がひけて外周部分で圧力を受けやすい凸レンズ等で特に重要であり、外周部分の皮膜生成のみでも、離型性向上、ひいては割れやクラックなどの不具合の発生を抑えるのに有効である。また、外周部分の皮膜生成のみでも、例えば図2Cに示すように、外周部に平面突出部があるような光学素子形状において、割れやクラックを防ぐためにその部分の滑りが特に重要となるため有効である。
本実施の形態の離型剤供給工程では、加圧工程において一対の成形型(上型11及び下型12)の両方が光学素子の有効径20aの範囲全面に接触した後で且つ光学素子材料20を加圧し終える前に、離型剤30の供給が開始される。したがって、光学素子の面精度の悪化を有効に防ぐことができる。
また、本実施の形態では、一対の成形型(上型11及び下型12)の周囲にはスリーブ13が配置され、このスリーブ13の内周面には凹部13aが形成される。また、離型剤供給工程では、加圧工程時に一対の成形型(上型11及び下型12)が相対的に接近することによって、一対の成形型(上型11及び下型12)のうちの少なくとも一方の成形型(下型12)の外周面に配置された離型剤30がスリーブ13の凹部13aに露出することにより、一対の成形型(上型11及び下型12)の間の空間に離型剤30が供給される。そのため、簡素な構成で、離型剤30を供給することができる。
また、本実施の形態では、離型剤30は、成形型(下型12)の外周面に設けられた窪み12bに配置される。そのため、下型12の外周面におけるスリーブ13の内周面の摺動を阻害したり、離型剤30が散乱したりするのを防ぐことができる
なお、本実施の形態では、加圧工程において光学素子材料20が加圧され始めた後に、離型剤30が凹部13aに露出することにより上型11と下型12との間の空間に供給されるが、離型剤30が上型11等に十分に付着するまでに時間がかかる場合や、光学素子材料20を加圧する時間が短い場合などには、光学素子材料20を加圧し始める前に離型剤30を露出させ、光学素子材料20が加圧され始めた後で且つ加圧され終わる前に、上型11と下型12との間に離型剤30が供給されるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、上型11とスリーブ13とが一体に移動するため、離型剤30(窪み12b)が下型12に配置されるが、上型11とスリーブ13とが相対的に移動する場合には上型11のみに、或いは、上型11及び下型12の両方に離型剤30が配置されるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、下型12の窪み12bに離型剤30が配置されるが、例えば、スリーブ13の凹部13aの下方に形成された窪み等に配置された離型剤30が、下型12の窪み12b及びスリーブ13の凹部13aを介して、上型11と下型12との間に供給されるようにしてもよい。その他にも、光学素子材料20が加圧され始めた後で且つ加圧され終わる前に、上型11と下型12との間に離型剤30が供給される供給方法であれば、採用可能である。
<第2の実施の形態>
図2A〜図2Cは、本発明の第2の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための型セット40の断面図である。
図2Dは、型セット40の上型41及びスリーブ43を示す断面図である。図2A〜図2Cは、図2DのII−II断面図である。
なお、本実施の形態では、光学素子材料20、離型剤30等については上述の第1の実施の形態と同様であるため、適宜説明を省略する。
型セット40は、一対の成形型としての上型(第1の成形型)41及び下型(第2の成形型)42と、これらの周囲に配置されたスリーブ43と、を備える。型セット40は、例えば、加熱ステージ、加圧ステージ及び冷却ステージを備える光学素子製造装置内に投入され、ステージ間を順次移送される。これにより、型セット40に収容された光学素子材料20から光学素子が製造される。
上型41及び下型42は、例えば円柱形状を呈し、互いに対向して配置されている。本実施の形態では、上型41の底面及び下型42の上面には、凹型の成形面41a,42aが形成されている。
上型41の外周面には、図2Dに示すように3つの窪み41bが例えば周方向に一定間隔で設けられている。各窪み41bには、離型剤30が例えば嵌入されることにより配置されている。なお、窪み41bは、本実施の形態のように上型51の周方向に間隔を隔てて複数個設けるか、或いは、上述の第1の実施の形態のように上型51の周方向に延びるものを1つ以上設けることで、上型41と下型42との間に離型剤30を均等に供給することができる。
スリーブ43は、例えば円筒形状を呈する。スリーブ43の内周面には、凹部43aが形成されている。この凹部43aは、本実施の形態では図2Dに示すように窪み41bと同数の3つ設けられている。なお、凹部43aは、窪み41bから上型41と下型42との間に離型剤30を供給できるものであればよい。そのため、上述の第1の実施の形態のようにスリーブ43の周方向に延びる凹部であれば、窪み41bの数よりも少なくしてもよい。
以下、本実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明する。なお、後述する動作の制御は、図示しない制御部によって行なわれるものとする。また、上型41を介しての光学素子材料20の加圧は、例えばシリンダである図示しない加圧部によって行われ、光学素子材料20の温度調整は、上型41及び下型42にそれぞれ接触する図示しないヒータプレート(加熱部・冷却部)によって行われるものとする。
図2Aに示すように、上型41は、スリーブ43に上方から嵌入されて光学素子材料20と接触した状態にある。この状態で、型セット20は、図示しない移送ロボットにより光学素子製造装置内の加熱ステージに投入される。
上型41と光学素子材料20とが互いに接触した状態で、光学素子材料20は、上型41及び下型42を介しての熱伝導等によって例えばガラス転移点温度以上になるまで加熱される(加熱工程)。この加熱工程では、窪み41bに配置された離型剤30が揮発するが、窪み41bがスリーブ43の内周面で塞がれているため、離型剤30は窪み41bから放出されない。
図2Bに示すように、加熱された光学素子材料20は、例えば加圧ステージに移送された後、上型41を介して加圧される(加圧工程)。
この加圧工程時に上型41が下降して下型42と接近することによって、上型41の窪み41bに配置された離型剤30がスリーブ43の凹部43aに露出する。この凹部43aは、光学素子材料20の加圧時に上型41と下型42との間の空間に連通するため、凹部43aに露出した離型剤30が揮発して、凹部43aを介して上型41と下型42との間に供給される(離型剤供給工程)。
このように、上型41と下型42とが相対的に接近することによって、加圧工程において光学素子材料20が加圧され始めた後で且つ加圧され終わる前に、上型41と下型42との間への離型剤30の供給が開始される。
なお、本実施の形態においても、図2Bに示すように、加圧工程において上型41及び下型42の両方が光学素子の有効径20aの範囲全面に接触した後で且つ光学素子材料20を加圧し終える前に、離型剤30の供給が開始される。
そのため、上型41と下型42との間に供給された離型剤30は、光学素子材料20のうち有効径20aの範囲外の部分、並びに、上型41及び下型42の成形面41a,42aのうち有効径20aの範囲外に形状を転写する部分に付着物(離型皮膜)30aとして付着する。
図2Cに示すように光学素子材料20の加圧が終了した後、光学素子材料20は、冷却ステージに移送され、例えばガラス転移点温度以下になるまで冷却される(冷却工程)。
そして、型セット40は、光学素子製造装置から搬出され、その後、上型41が光学素子材料20から離型される(離型工程)。この後、製造された光学素子(光学素子材料)20が取り出される。
なお、離型工程では、上型41と光学素子材料20との接触面のうち光学素子材料20の有効径20aの範囲外の外周部分に離型剤30の付着物30aが付着しているため、この付着物30aによって離型が促進される。
以上説明した本実施の形態においても、上述の第1の実施の形態と同様に、加圧工程において光学素子材料20が加圧され始めた後で且つ加圧され終わる前に、一対の成形型(上型41及び下型42)の間への離型剤30の供給が開始されることなどによって、離型剤30を用いても光学素子の面精度の悪化を防ぐことができるなどの第1の実施の形態の効果を得ることができる。
<第3の実施の形態>
図3A〜図3Cは、本発明の第3の実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための型セット50の部分断面図である。
なお、本実施の形態においても、光学素子材料20、離型剤30等については上述の第1の実施の形態と同様であるため、適宜説明を省略する。
型セット50は、一対の成形型としての上型(第1の成形型)51及び下型(第2の成形型)52と、これらの周囲に配置されたスリーブ53と、を備える。
上型51及び下型52は、例えば円柱形状を呈し、互いに対向して配置されている。本実施の形態では、上型51の底面には凸型の成形面51aが形成され、下型52の上面には平面の成形面52aが形成されている。
スリーブ53は、例えば円筒形状を呈する。スリーブ53には、径方向に延びる2つの貫通孔53aが形成されている。
離型剤吐出部としての2つのノズル60は、図示しない離型剤供給源に直接的又は間接的に連結され、それぞれ、スリーブ53の貫通孔53aにスリーブ53の外側から挿入される。ノズル60の吐出口である先端は、例えば貫通孔53aの内部に位置している。なお、本実施の形態では、ノズル60を2つ配置しているが、1つのみ配置しても、3つ以上配置してもよい。
型セット50の周囲は特に加熱工程時や加圧工程時に高温となるため、ノズル60に図示しない断熱機構や冷却機構を設けることでノズル60内の離型剤30の熱分解を防ぐとよい。
スリーブ53は、上型51と共に、例えば、図示しない型昇降部に連結された上側ヒータプレートに固定されている。そのため、上型51とスリーブ53とを一体形成してもよい。一方、下型52は、例えば、光学素子製造装置のベース部上に配置された下側ヒータプレートに固定されている。
以下、本実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明する。なお、後述する動作の制御は、図示しない制御部によって行なわれるものとする。また、上型51を介しての光学素子材料20の加圧は、上記の図示しない型昇降部(加圧部)によって行われ、光学素子材料20の温度調整は、上記の図示しないヒータプレート(加熱部・冷却部)によって行われるものとする。
図示しない搬送ロボットにより下型52の成形面52a上に光学素子材料50が配置された後、上型51及びスリーブ53が下降し、図3Aに示すように上型51と光学素子材料20とが互いに接触した状態となる。この状態で、光学素子材料20は、上型51及び下型52を介しての熱伝導等によって、例えばガラス転移点温度以上になるまで加熱される(加熱工程)。
光学素子材料20が加熱された後、図3Bに示すように、上型51及びスリーブ53が下降し、光学素子材料20が加圧される(加圧工程)。
この加圧工程において、光学素子材料20が加圧され始めた後で且つ加圧され終わる前に、ノズル60は、上型51と下型52との間へ離型剤30を吐出し、離型剤30の供給が開始される(離型剤供給工程)。
なお、本実施の形態では、図3Bに示すように、加圧工程において上型51が光学素子の有効径20aの範囲全面に接触する前に、ノズル60は、離型剤30の供給を開始する。
そのため、上型51と下型52との間に供給された離型剤30は、光学素子材料20のうち有効径20aの範囲の内外に亘って付着物30aとして付着すると共に、上型51及び下型52にも付着物30aとして付着する。
図3Cに示すように光学素子材料20の加圧が終了した後、光学素子材料20は、例えばガラス転移点温度以下になるまで冷却される(冷却工程)。
そして、図示はしないが、上型51及びスリーブ53が上昇し、上型51が光学素子材料20から離型される(離型工程)。この離型工程では、上型51と光学素子材料20との接触面のうち光学素子材料20の有効径20aの範囲の内外に離型剤30の付着物30aが付着しているため、第1及び第2の実施の形態のように光学素子材料20の有効径20aの範囲内のみに付着物30aが付着している場合よりも離型が促進される。
この後、上型51及びスリーブ53が下型52の上方まで上昇した後、成形された光学素子材料(光学素子)20を図示しない搬送ロボットにより下型52上から搬出される。
以上説明した本実施の形態においても、上述の第1及び第2の実施の形態と同様に、加圧工程において光学素子材料20が加圧され始めた後で且つ加圧され終わる前に、一対の成形型(上型51及び下型52)の間への離型剤30の供給が開始されることなどによって、離型剤30を用いても光学素子の面精度の悪化を防ぐことができるなどの第1及び第2の実施の形態の効果を得ることができる。
但し、本実施の形態では、離型剤供給工程では、加圧工程において一対の成形型(上型51及び下型52)の両方が光学素子の有効径20aの範囲全面に接触する前に、離型剤30の供給が開始される。
しかしながら、第1の実施の形態で述べたように、付着物30a(離型皮膜)は、加圧工程等で光学素子材料の流動が少ない部分、特に中央付近で光学素子材料(光学素子)20の表面を荒らしてしまう。そのため、有効径20aの範囲の一部に離型剤30の付着物30aが付着していても、成形型(上型51)と光学素子材料20との接触面の全面に離型剤30が付着した場合に比べて面精度の悪化を防ぐことができる。
また、本実施の形態では、離型剤30を吐出することにより一対の成形型(上型51及び下型52)の間に離型剤30が供給される。したがって、確実に離型剤30を供給することができる。
なお、本実施の形態では、上型51、下型52及びスリーブ53を有する型セット50を例に説明したが、図4に示すようにスリーブを有さない型セット70を用いても離型剤30を供給することは可能である。
図4に示す型セット70は、凸型の成形面71aが形成された上型71と、平面の成形面72aが形成された下型72と、を有する。この型セット70を用いる場合、ノズル(離型剤吐出部)60は、吐出口である先端が上型71と下型72との間或いはその近傍に位置するように配置される。
10 光学素子成形用型セット
11 上型
11a 成形面
12 下型
12a 成形面
12b 窪み
13 スリーブ
13a 凹部
20 光学素子材料
20a 有効径
30 離型剤
30a 付着物
40 光学素子成形用型セット
41 上型
41a 成形面
41b 窪み
42 下型
42a 成形面
43 スリーブ
43a 凹部
50 光学素子成形用型セット
51 上型
51a 成形面
52 下型
52a 成形面
53 スリーブ
53a 貫通孔
60 ノズル
70 光学素子成形用型セット
71 上型
71a 成形面
72 下型
72a 成形面

Claims (6)

  1. 一対の成形型により光学素子材料を加圧する加圧工程を備え、
    前記加圧工程は、前記光学素子材料を加圧し始めた後で且つ加圧し終える前に、前記一対の成形型の間への離型剤の供給を開始する離型剤供給工程を含む、光学素子の製造方法。
  2. 請求項1記載の光学素子の製造方法において、
    前記離型剤供給工程では、前記加圧工程において前記一対の成形型の両方が前記光学素子の有効径の範囲全面に接触した後で且つ前記光学素子材料を加圧し終える前に、前記離型剤の供給を開始する、光学素子の製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2記載の光学素子の製造方法において、
    前記一対の成形型の周囲には、スリーブが配置され、
    前記スリーブの内周面には、凹部が形成され、
    前記離型剤供給工程では、前記加圧工程時に前記一対の成形型が相対的に接近することによって、前記一対の成形型のうちの少なくとも一方の成形型の外周面に配置された離型剤が前記凹部に露出することにより、前記一対の成形型の間の空間に前記離型剤を供給する、光学素子の製造方法。
  4. 請求項1又は請求項2記載の光学素子の製造方法において、
    前記離型剤供給工程では、前記一対の成形型の間に前記離型剤を吐出することにより、前記離型剤を供給する、光学素子の製造方法。
  5. 一対の成形型と、
    前記一対の成形型の周囲に配置されたスリーブと、を備え、
    前記スリーブの内周面には、凹部が形成され、
    前記一対の成形型のうちの少なくとも一方の成形型の外周面には、離型剤が配置され、
    前記離形剤が配置される位置は、前記一対の成形型の間隔が、加圧する光学素子材料の厚さより小さくかつ最終的に得る光学素子の厚さより大きい長さまで狭まったときに、初めて前記凹部に露出する位置である
    、光学素子成形用型セット。
  6. 請求項5記載の光学素子成形用型セットにおいて、
    前記離型剤は、前記成形型の外周面に設けられた窪みに配置される、光学素子成形用型セット。
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