JP5489672B2 - 軌道走行車両の部品劣化予測システム - Google Patents

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本発明は、軌道走行車両の管理システムに関し、詳しくは、軌道走行車両の走行状況等を管理することにより交換が必要な劣化部品を予測する部品劣化予測システムに関する。
従来より、車両の走行距離等に基づいて補修部品の需要予測を行うように構成された管理システムが提案されている。(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、車両の走行距離を算出する走行距離算出部と、補修部品の耐久基準が記憶されている部品情報記憶部と、走行距離と耐久基準とに基づいて劣化部品の数量を算出する劣化部品算出部とを備えた管理システムが開示されている。
特開2004−234375号公報
しかしながら、上述の特許文献1の構成では、車両の走行距離及び部品の耐久基準の2つの情報のみから部品の劣化状態を判断しており、車両の速度等の運行情報や温度等の環境情報は劣化状態の判断に全く考慮されていなかった。したがって、劣化状態の判断の精度が十分でないという問題があった。また、上述の特許文献1の構成では、部品の劣化の過去の判断結果が蓄積されず、劣化状態の判断の精度を徐々に高めることもできなかった。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、運行情報と路線情報と環境情報との相関関係に基づいて計算することにより、部品の劣化状態の予測を精度良く行うことが可能な軌道走行車両の部品劣化予測システムを提供することである。
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、過去に劣化によって交換された軌道走行車両の部品の情報を蓄積する部品交換情報記憶部と、過去に劣化以外の不具合原因により交換された前記軌道走行車両の部品の情報を記憶する不具合部品交換情報記憶部と、前記軌道走行車両において一定期間交換されていない部品の情報を記憶する正常部品情報記憶部と、前記軌道走行車両の運行情報を記憶する運行情報記憶部と、前記軌道走行車両の走行路線の路線情報を記憶する路線情報記憶部と、前記軌道走行車両の走行路線の環境情報を記憶する環境情報記憶部と、前記運行情報と前記路線情報と前記環境情報との間の相関関係を示す相関関係情報を計算する相関関係計算部と、前記運行情報と前記路線情報と前記環境情報に特異値が検出されない場合、前記部品交換情報記憶部と前記正常部品情報記憶部とに記憶されている各部品について前記相関関係情報に基づいた評価尺度を計算して、前記部品交換情報記憶部の各部品の前記評価尺度と前記正常部品情報記憶部の各部品の前記評価尺度との分布を分析することにより、部品の劣化を判定するための前記評価尺度の閾値を決定し、前記運行情報と前記路線情報と前記環境情報とのいずれかに特異値が検出された場合、前記不具合部品交換情報記憶部と前記正常部品情報記憶部とに記憶されている各部品について前記相関関係情報に基づいた評価尺度を計算して、前記不具合部品交換情報記憶部の各部品の前記評価尺度と前記正常部品情報記憶部の各部品の前記評価尺度との分布を分析することにより、部品に不具合原因が生じたかを判定するための前記評価尺度の閾値を決定する閾値計算部と、前記正常部品情報記憶部の各部品の前記評価尺度と前記閾値計算部により決定された前記評価尺度の前記閾値とを比較することにより前記正常部品情報記憶部の各部品の劣化状態を判定する部品劣化予測部と、該部品劣化予測部によって劣化と判定された部品を表示する劣化部品表示部とを備えている。
また、本発明によれば、前記運行情報は、前記軌道走行車両の速度の情報と、前記軌道走行車両の走行時間の情報と、前記軌道走行車両の走行距離の情報とを含んでおり、前記路線情報は、前記軌道走行車両の走行区間上にある駅数の情報と、前記軌道走行車両の前記走行区間の路線形状に関する情報とを含んでおり、前記環境情報は、前記軌道走行車両が走行している間の気温の情報と、前記軌道走行車両が走行している間の湿度の情報と、前記軌道走行車両が走行している間の気中塩分濃度の情報とを含んでいる。
また、本発明によれば、前記運行情報と前記路線情報と前記環境情報に特異値が検出されない場合、前記部品劣化予測部により劣化と判定された部品の情報は、前記部品交換情報記憶部にフィードバックされて前記部品交換情報記憶部に蓄積され、前記運行情報と前記路線情報と前記環境情報とのいずれかに特異値が検出された場合、前記部品劣化予測部により不具合原因が生じたと判定された部品の情報は、前記不具合部品交換情報記憶部にフィードバックされて前記不具合部品交換情報記憶部に蓄積され、前記部品劣化予測部により正常と判定された部品の情報は、前記正常部品情報記憶部にフィードバックされて前記正常部品情報記憶部に蓄積されるように構成されている。
また、本発明によれば、前記相関関係計算部は、マハラノビス・タグチシステムを用いて前記相関関係情報を計算するように構成されており、前記相関関係情報は、前記運行情報と前記路線情報と前記環境情報との間の相関関係に基づいて算出されるものであり、前記評価尺度は、前記相関関係情報に基づいて算出されるマハラノビス距離である。
また、本発明によれば、前記劣化部品表示部は、前記部品劣化予測部によって劣化と判定された部品をアラーム信号として出力するように構成されている。
また、本発明によれば、前記部品劣化予測部は、前記部品劣化予測部によって劣化と判定された部品の周辺の部品も劣化と判定するように構成されている。
本発明に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムによれば、過去に劣化によって交換された軌道走行車両の部品の情報を蓄積する部品交換情報記憶部と、前記軌道走行車両において一定期間交換されていない部品の情報を記憶する正常部品情報記憶部と、前記軌道走行車両の運行情報を記憶する運行情報記憶部と、前記軌道走行車両の走行路線の路線情報を記憶する路線情報記憶部と、前記軌道走行車両の走行路線の環境情報を記憶する環境情報記憶部と、前記運行情報と前記路線情報と前記環境情報との間の相関関係を示す相関関係情報を計算する相関関係計算部と、前記部品交換情報記憶部と前記正常部品情報記憶部とに記憶されている各部品について前記相関関係情報に基づいた評価尺度を計算して、前記部品交換情報記憶部の各部品の前記評価尺度と前記正常部品情報記憶部の各部品の前記評価尺度との分布を分析することにより、部品の劣化を判定するための前記評価尺度の閾値を決定する閾値計算部と、前記正常部品情報記憶部の各部品の前記評価尺度と前記閾値計算部により決定された前記評価尺度の前記閾値とを比較することにより前記正常部品情報記憶部の各部品の劣化状態を判定する部品劣化予測部と、該部品劣化予測部によって劣化と判定された部品を表示する劣化部品表示部とを備えているので、部品の劣化の判断に過去の部品交換のデータも反映されるようになり、より精度の高い劣化の予測を行うことができる。また、本発明によれば、部品の劣化の判定を運行情報と路線情報と環境情報との間の相関関係に基づいて行っているので、部品の劣化の判定に各情報を1つずつ用いた場合に比べて精度の高い判定を行うことができる。
また、本発明に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムによれば、前記運行情報は、前記軌道走行車両の速度の情報と、前記軌道走行車両の走行時間の情報と、前記軌道走行車両の走行距離の情報とを含んでおり、前記路線情報は、前記軌道走行車両の走行区間上にある駅数の情報と、前記軌道走行車両の前記走行区間の路線形状に関する情報とを含んでおり、前記環境情報は、前記軌道走行車両が走行している間の気温の情報と、前記軌道走行車両が走行している間の湿度の情報と、前記軌道走行車両が走行している間の気中塩分濃度の情報とを含んでいるので、部品の劣化状態の予測を上述した複数の情報間の相関関係に基づいて行えるようになり、部品の劣化の予測の精度をより高めることができる。
また、本発明に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムによれば、前記部品劣化予測部により劣化と判定された部品の情報は、前記部品交換情報記憶部にフィードバックされて前記部品交換情報記憶部に蓄積され、前記部品劣化予測部により正常と判定された部品の情報は、前記正常部品情報記憶部にフィードバックされて前記正常部品情報記憶部に蓄積されるように構成されているので、劣化の判定に関するデータが徐々に蓄積されることになり、システムを使用しながら部品の劣化の予測の精度を徐々に高めていくことができる。
また、本発明に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムによれば、前記相関関係計算部は、マハラノビス・タグチシステムを用いて前記相関関係情報を計算するように構成されており、前記相関関係情報は、前記運行情報と前記路線情報と前記環境情報との間の相関関係に基づいて算出されるものであり、前記評価尺度は、前記相関関係情報に基づいて算出されるマハラノビス距離であるので、複数の情報に基づいて部品の劣化の判定を行う場合でも、マハラノビス距離という1つの評価尺度で劣化の判定を行えるので、計算コストを抑えつつ、相関関係に基づいた精度の高い判定を行うことができる。
また、本発明に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムによれば、前記劣化部品表示部は、前記部品劣化予測部によって劣化と判定された部品をアラーム信号として出力するように構成されているので、システムの操作者に対して部品の劣化を効果的に知らせることができる。これにより、操作者が部品の劣化に気付かないというトラブルを未然に防止することができる。
また、本発明に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムによれば、前記部品劣化予測部は、前記部品劣化予測部によって劣化と判定された部品の周辺の部品も劣化と判定するように構成されているので、部品が劣化状態と判定された場合、その部品を周辺部品と一緒に部品ユニットごと交換することができ、メンテナンスの効率化を図ることができる。
また、本発明に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムによれば、過去に劣化以外の不具合原因により交換された部品の情報を記憶する不具合部品交換情報記憶部を更に備え、前記運行情報と前記路線情報と前記環境情報とのいずれかに特異値が検出された場合に、前記閾値計算部は、前記不具合部品交換情報記憶部と前記正常部品情報記憶部との各部品について前記相関関係情報に基づいた評価尺度を計算するように構成され、前記閾値計算部は、前記不具合部品交換情報記憶部の各部品の前記評価尺度と前記正常部品情報記憶部の各部品の前記評価尺度との分布を比較することにより、部品に不具合原因が生じたかを判定するための前記評価尺度の閾値を決定するようになっているので、通常の劣化よりも早い時期に生じる部品の不具合(異常な環境下で車両が運行された場合の不具合)を予測することができる。また、運行情報等の各情報が特異値を検出したかどうかに基づいて不具合部品交換情報記憶部と正常部品情報記憶部とを適宜切り換えるので、通常の部品の劣化と、劣化以外の不具合原因による劣化との両方を1つのシステムで予測することが可能となる。
また、本発明に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムによれば、前記部品劣化予測部により不具合原因が生じたと判定された部品の情報は、前記不具合部品交換情報記憶部にフィードバックされて前記不具合部品交換情報記憶部に蓄積されるように構成されているので、不具合原因による部品交換に関するデータが徐々に蓄積されることになり、システムを使用しながら部品の劣化の予測の精度を徐々に高めていくことができる。
本発明の第1実施形態に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムの構成を示した図である。 軌道走行車両の部品の劣化に対する速度と気温の関係を示した図である。 相関関係情報に基づいて計算されたマハラノビス距離の度数分布図である。 本発明の第1実施形態に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムの構成を示した図である。 本発明の第2実施形態に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムの動作を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムの構成を示した図である。 本発明の第3実施形態に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムの動作を示すフローチャートである。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムを、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムの構成を示した図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る部品劣化予測システム1は、軌道系走行車両の運行状況を管理する中央指令室(図示せず)の汎用コンピュータに設けられるものである。部品劣化予測システム1は、相関関係計算部2と、車両関連情報記憶部21と、閾値計算部3と、部品交換情報記憶部31と、正常部品情報記憶部32と、部品劣化予測部4と、劣化部品表示部5とを備えている。
図1に示すように、車両関連情報記憶部21は、車両が走行している間の気温の情報21Aと、車両の走行時間の情報21Bと、車両の速度の情報21Cと、車両が走行する路線上の駅数の情報21Dとを記憶するデータベースである。これらの各情報21A,21B,21C,21Dに対しては、予めデータを取得する間隔(データ取得間隔)が設定されており、車両関連情報記憶部21は、所定のデータ取得間隔で、気温の情報21Aと、走行時間の情報21Bと、速度の情報21Cと、駅数の情報21Dとをデータとして記憶するように構成されている。
この第1実施形態において、部品交換情報記憶部31は、過去に劣化によって交換された車両の部品の情報を蓄積するデータベースである。また、正常部品情報記憶部32は、予め設定された一定期間(耐久期間)の間交換されていない部品の情報を記憶するデータベースである。
図1に示すように、相関関係計算部2は、車両関連情報記憶部21に接続されている。そして、相関関係計算部2は、車両関連情報記憶部21に記憶された気温の情報21Aと走行時間の情報21Bと速度の情報21Cと駅数の情報21Dとの間の相関関係を示す相関関係情報を計算するように構成されている。
図2は、部品の劣化に対する速度と気温の関係を示した図である。部品の劣化に対する速度と気温の関係を見ると、車両の速度が速くなればなるほど部品の劣化が進み、気温が高くなればなるほど部品の劣化が進むようになっている。相関関係計算部2では、このような車両関連情報記憶部21に記憶された各情報21A,21B,21C,21Dの間の相関関係を示す相関関係情報が計算される。
具体的には、相関関係計算部2は、「MTシステムにおける技術開発 刊行委員会委員長 田口玄一著 日本規格協会刊」に記載されているようなマハラノビス・タグチシステムを用いて相関関係情報を計算するように構成されている。
例えば、相関関係計算部2は、車両関連情報記憶部21に記憶された各情報21A,21B,21C,21Dごとに平均及び分散を計算するように構成されている。更に、相関関係計算部2は、車両関連情報記憶部21に記憶された各情報21A,21B,21C,21Dの間の相関関係を表す相関係数行列及び相関係数逆行列を計算するように構成されている。
図1に示すように、閾値計算部3は、部品交換情報記憶部31と正常部品情報記憶部32とに接続されている。閾値計算部3は、部品交換情報記憶部31と正常部品情報記憶部32とに記憶されている各部品について相関関係情報に基づいた評価尺度を計算するように構成されている。ここで、評価尺度は、相関関係計算部2で算出された相関関係情報に基づいて計算されるマハラノビス距離である。
このマハラノビス距離を計算するために、閾値計算部3は、部品交換情報記憶部31と正常部品情報記憶部32とに記憶されている各部品に対応する情報を、相関関係計算部2で得られた平均及び分散を利用して正規化するようになっている。
更に、閾値計算部3は、正規化された部品交換情報記憶部31の部品に対応する情報と相関係数逆行列とを利用して、全ての項目間の相関性を考慮した基準の中の中心からの距離である第1のマハラノビス距離を計算するようになっている。また、閾値計算部3は、正規化された正常部品情報記憶部32の部品に対応する情報と相関係数逆行列とを利用して、全ての項目間の相関性を考慮した基準の中の中心からの距離である第2のマハラノビス距離を計算するようになっている。
そして、閾値計算部3は、部品交換情報記憶部31の部品についての第1のマハラノビス距離と正常部品情報記憶部32の部品についての第2のマハラノビス距離との分布を分析して、部品の劣化を判定するためのマハラノビス距離の閾値を決定するようになっている。
例えば、図3に示すように、閾値計算部3は、第1のマハラノビス距離及び第2のマハラノビス距離の度数分布を分析する。図3を参照すると、部品交換情報記憶部31から算出された第1のマハラノビス距離が3より大きい値に偏って分布し、正常部品情報記憶部32から算出された第2のマハラノビス距離は3以下に偏って分布している。このような場合、閾値計算部3は、部品の劣化を判定するための閾値を「3」に決定する。
図1に示すように、部品劣化予測部4は、閾値計算部3及び劣化部品表示部5に接続されている。部品劣化予測部4は、正常部品情報記憶部32の部品についての第2のマハラノビス距離と閾値計算部により決定された閾値「3」とを比較することにより正常部品情報記憶部32の部品の劣化状態を判定するように構成されている。さらに、部品劣化予測部4は、部品劣化予測部4によって劣化状態と判定された部品の情報を劣化部品表示部5に送信するようになっている。
また、部品劣化予測部4は、部品交換情報記憶部31と正常部品情報記憶部32とに接続されている。部品劣化予測部4は、劣化状態と判定された部品の情報を部品交換情報記憶部31に送信し、劣化していないと判定された部品の情報を正常部品情報記憶部32に送信するようになっている。
劣化部品表示部5は、部品劣化予測部4から受信した劣化状態と判定された部品を表示するように構成されている。例えば、劣化部品表示部5は、汎用コンピュータに接続されるディスプレイである。
次に、第1実施形態に係る部品劣化予測システム1の動作を、図面を参照しながら説明する。図4は、本発明の第1実施形態に係る部品劣化予測システム1の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS1,S2,S3において、相関関係計算部2が、車両関連情報記憶部21に記憶された気温の情報21Aと走行時間の情報21Bと速度の情報21Cと駅数の情報21Dとを取得する。
次に、ステップS4において、相関関係計算部2が、取得した各情報21A,21B,21C,21Dの間の相関関係を示す相関関係情報を計算する。この際、相関関係計算部2は、マハラノビス・タグチシステムを用いて相関関係情報を計算する。ここで、相関関係計算部2は、車両関連情報記憶部21から取得した各情報21A,21B,21C,21Dごとに平均及び分散を計算し、更に、車両関連情報記憶部21から取得した各情報21A,21B,21C,21Dの間の相関関係を表す相関係数行列及び相関係数逆行列を計算する。
次に、ステップ5において、閾値計算部3は、部品交換情報記憶部31の各部品に対応する各情報21A,21B,21C,21Dを車両関連情報記憶部21から取得する。さらに、閾値計算部3は、正常部品情報記憶部32の各部品に対応する各情報21A,21B,21C,21Dを車両関連情報記憶部21から取得する。この際、閾値計算部3は、車両関連情報記憶部21から取得した各情報を、相関関係計算部2で得られた平均及び分散を利用して正規化する。更に、閾値計算部3は、正規化された部品交換情報記憶部31の部品に対応する情報と相関係数逆行列とを利用して、全ての項目間の相関性を考慮した基準の中の中心からの距離である第1のマハラノビス距離を計算する。また、閾値計算部3は、正規化された正常部品情報記憶部32の部品に対応する情報と相関係数逆行列とを利用して、全ての項目間の相関性を考慮した基準の中の中心からの距離である第2のマハラノビス距離を計算する。
さらに、ステップ5において、閾値計算部3は、部品交換情報記憶部31の部品についての第1のマハラノビス距離と正常部品情報記憶部32の部品についての第2のマハラノビス距離との分布を分析して、部品の劣化を判定するためのマハラノビス距離の閾値を決定する。
次に、ステップS6において、部品劣化予測部4は、正常部品情報記憶部32の部品についての第2のマハラノビス距離と閾値計算部3により決定された閾値とを比較する。
次に、ステップS7において、部品劣化予測部4は、正常部品情報記憶部32の部品について、予め設定された一定期間(耐久期間)内に交換が必要かを判定する。
そして、部品劣化予測部4が部品の交換が必要であると判定した場合(ステップS7のY)、部品の情報は劣化部品表示部5に送信される。さらに、ステップ8において、部品劣化予測部4は、交換が必要であると判定された部品の情報を部品交換情報記憶部31にフィードバックする。
一方、部品劣化予測部4が部品の交換が必要ないと判定した場合(ステップS7のN)、ステップ9において、部品劣化予測部4は、その部品の情報を正常部品情報記憶部32にフィードバックする。
以上のS1〜S9のステップは、所定の時間の頻度(例えば、1日に1回等)で繰り返し実行される。
第1実施形態に係る部品劣化予測システム1によれば、過去に劣化によって交換された車両の部品の情報を蓄積する部品交換情報記憶部31と、車両において一定期間交換されていない部品の情報を記憶する正常部品情報記憶部32と、車両が走行している間の気温の情報21Aと車両の走行時間の情報21Bと車両の速度の情報21Cとを記憶する車両関連情報記憶部21と、各情報21A,21B,21C,21Dの間の相関関係を示す相関関係情報を計算する相関関係計算部2と、部品交換情報記憶部31と正常部品情報記憶部32とに記憶されている各部品について相関関係情報に基づいた評価尺度を計算して、部品交換情報記憶部31の各部品の評価尺度と正常部品情報記憶部32の各部品の評価尺度との分布を分析することにより、部品の劣化を判定するための評価尺度の閾値を決定する閾値計算部3と、正常部品情報記憶部32の各部品の評価尺度と閾値計算部3により決定された評価尺度の閾値とを比較することにより正常部品情報記憶部32の各部品の劣化状態を判定する部品劣化予測部4と、部品劣化予測部4によって劣化と判定された部品を表示する劣化部品表示部5とを備えているので、部品の劣化の判断に過去の部品交換のデータも反映されるようになり、より精度の高い劣化の予測を行うことができる。また、本発明によれば、部品の劣化の判定を気温の情報21Aと走行時間の情報21Bと速度の情報21Cとの間の相関関係に基づいて行っているので、部品の劣化の判定に各情報を1つずつ用いた場合に比べて精度の高い判定を行うことができる。
第1実施形態に係る部品劣化予測システム1によれば、部品劣化予測部4により劣化と判定された部品の情報は、部品交換情報記憶部31にフィードバックされて部品交換情報記憶部31に蓄積され、部品劣化予測部4により正常と判定された部品の情報は、正常部品情報記憶部32にフィードバックされて正常部品情報記憶部32に蓄積されるように構成されているので、劣化の判定に関するデータが徐々に蓄積されることになり、システムを使用しながら部品の劣化の予測の精度を徐々に高めていくことができる。
第1実施形態に係る部品劣化予測システム1によれば、相関関係計算部2は、マハラノビス・タグチシステムを用いて相関関係情報を計算するように構成されており、相関関係情報は、気温の情報21Aと走行時間の情報21Bと速度の情報21Cとの間の相関関係に基づいて算出されるものであり、評価尺度は、相関関係情報に基づいて算出されるマハラノビス距離であるので、複数の情報に基づいて部品の劣化の判定を行う場合でも、マハラノビス距離という1つの評価尺度で劣化の判定を行えるので、計算コストを抑えつつ、相関関係に基づいた精度の高い判定を行うことができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係る部品劣化予測システム1を、図面を参照しながら説明する。図5は、本発明の第2実施形態に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムの構成を示した図である。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の部分については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
この第2実施形態においては、図5に示すように、部品劣化予測システム1は、運行情報記憶部22と、環境情報記憶部23と、路線情報記憶部24とを備えている。
運行情報記憶部22は、車両の走行時間の情報22Aと、車両が走行した走行距離の情報22Bと、車両の速度の情報22Cとを記憶するデータベースである。これらの各情報に対しては、予めデータを取得する間隔(データ取得間隔)が設定されており、運行情報記憶部22は、所定のデータ取得間隔で、走行時間の情報22Aと走行距離の情報22Bと速度の情報22Cとをデータとして記憶するように構成されている。
環境情報記憶部23は、車両が走行している間の気温の情報23Aと、車両が走行している間の湿度の情報23Bと、車両が走行している間の気中塩分濃度の情報23Cとを記憶するデータベースである。これらの各情報に対しては、予めデータを取得する間隔(データ取得間隔)が設定されており、環境情報記憶部23は、所定のデータ取得間隔で、気温の情報23Aと湿度の情報23Bと気中塩分濃度の情報23Cとをデータとして記憶するように構成されている。
路線情報記憶部24は、車両が走行する路線上の駅数の情報24Aと、車両が走行する路線の形状の情報24Bとを記憶するデータベースである。これらの各情報に対しては、予めデータを取得する間隔(データ取得間隔)が設定されており、路線情報記憶部24は、所定のデータ取得間隔で、駅数の情報24Aと路線の形状の情報24Bとをデータとして記憶するように構成されている。
次に、第2実施形態に係る部品劣化予測システム1の動作を、図面を参照しながら説明する。図6は、本発明の第2実施形態に係る部品劣化予測システム1の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS11,S12,S13において、相関関係計算部2が、運行情報記憶部22に記憶されている各情報22A,22B,22Cと、環境情報記憶部23に記憶されている各情報23A,23B,23Cと、路線情報記憶部24に記憶されている各情報24A,24Bとを取得する。
次に、ステップS4において、相関関係計算部2が、運行情報記憶部22に記憶されている各情報22A,22B,22Cと、環境情報記憶部23に記憶されている各情報23A,23B,23Cと、路線情報記憶部24に記憶されている各情報24A,24Bとの間の相関関係を示す相関関係情報を計算する。この際、相関関係計算部2は、マハラノビス・タグチシステムを用いて相関関係情報を計算する。ここで、相関関係計算部2は、取得した各情報22A,22B,22C,23A,23B,23C,24A,24Bごとに平均及び分散を計算し、更に、取得した各情報22A,22B,22C,23A,23B,23C,24A,24Bの間の相関関係を表す相関係数行列及び相関係数逆行列を計算する。
次に、ステップ5において、閾値計算部3は、部品交換情報記憶部31の各部品に対応する各情報22A,22B,22C,23A,23B,23C,24A,24Bを、運行情報記憶部22と環境情報記憶部23と路線情報記憶部24とから取得する。さらに、閾値計算部3は、正常部品情報記憶部32の各部品に対応する各情報22A,22B,22C,23A,23B,23C,24A,24Bを、運行情報記憶部22と環境情報記憶部23と路線情報記憶部24とから取得する。この際、閾値計算部3は、運行情報記憶部22と環境情報記憶部23と路線情報記憶部24とから取得した各情報を、相関関係計算部2で得られた平均及び分散を利用して正規化する。更に、閾値計算部3は、正規化された部品交換情報記憶部31の部品に対応する情報と相関係数逆行列とを利用して、全ての項目間の相関性を考慮した基準の中の中心からの距離である第1のマハラノビス距離を計算する。また、閾値計算部3は、正規化された正常部品情報記憶部32の部品に対応する情報と相関係数逆行列とを利用して、全ての項目間の相関性を考慮した基準の中の中心からの距離である第2のマハラノビス距離を計算する。
さらに、ステップ5において、閾値計算部3は、部品交換情報記憶部31の部品についての第1のマハラノビス距離と正常部品情報記憶部32の部品についての第2のマハラノビス距離との分布を分析して、部品の劣化を判定するためのマハラノビス距離の閾値を決定する。
次に、ステップS6において、部品劣化予測部4は、正常部品情報記憶部32の部品についての第1のマハラノビス距離と閾値計算部3により決定された閾値とを比較する。
次に、ステップS7において、部品劣化予測部4は、正常部品情報記憶部32の部品について、予め設定された一定期間(耐久期間)内に交換が必要かを判定する。
そして、部品劣化予測部4が部品の交換が必要であると判定した場合(ステップS7のY)、部品の情報は劣化部品表示部5に送信される。さらに、ステップ8において、部品劣化予測部4は、交換が必要であると判定された部品の情報を部品交換情報記憶部31にフィードバックする。
また、部品劣化予測部4が部品の交換が必要ないと判定した場合(ステップS7のN)、ステップ9において、部品劣化予測部4は、その部品の情報を正常部品情報記憶部32にフィードバックする。
以上のステップは、所定の時間の頻度(例えば、1日に1回等)で繰り返し実行される。
第2実施形態に係る部品劣化予測システム1によれば、運行情報記憶部22は、車両の走行時間の情報22Aと、車両が走行した走行距離の情報22Bと、車両の速度の情報22Cとを含み、環境情報記憶部23は、車両が走行している間の気温の情報23Aと、車両が走行している間の湿度の情報23Bと、車両が走行している間の気中塩分濃度の情報23Cとを含み、路線情報記憶部24は、車両が走行する路線上の駅数の情報24Aと、車両が走行する路線の形状の情報24Bとを含んでいるので、部品の劣化状態の予測を上述した複数の情報22A,22B,22C,23A,23B,23C,24A,24Bの間の相関関係に基づいて行えるようになり、部品の劣化の予測の精度をより高めることができる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態に係る部品劣化予測システム1を、図面を参照しながら説明する。図7は、本発明の第3実施形態に係る軌道走行車両の部品劣化予測システムの構成を示した図である。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の部分については、同一の符号を付して重複する説明は省略する。
この第3実施形態においては、図7に示すように、部品劣化予測システム1は、不具合部品交換情報記憶部33を備えている。不具合部品交換情報記憶部33は、過去に劣化以外の不具合原因により交換された部品の情報を蓄積するデータベースである。
閾値計算部3は、運行情報記憶部22に記憶されている各情報22A,22B,22Cと、環境情報記憶部23に記憶されている各情報23A,23B,23Cと、路線情報記憶部24に記憶されている各情報24A,24Bとのいずれかに特異値が検出された場合に、閾値を計算するための対象を部品交換情報記憶部31から不具合部品交換情報記憶部33に切り換えるようになっている。つまり、閾値計算部3は、取得した各情報22A,22B,22C,23A,23B,23C,24A,24Bのいずれかに特異値が検出された場合に、不具合部品交換情報記憶部33と正常部品情報記憶部32との各部品について相関関係情報に基づいた評価尺度を計算するように構成されている。
ここで、評価尺度は、相関関係計算部2で算出された相関関係情報に基づいて計算されるマハラノビス距離である。また、ここで、特異値とは、各情報において予め設定された上限値又は下限値を超えるような値である(例えば、気温の情報については、極端に暑い又は寒い日など異常な環境状況を記録した場合)。
また、閾値計算部3は、不具合部品交換情報記憶部33の各部品のマハラノビス距離と正常部品情報記憶部32の各部品のマハラノビス距離との分布を比較して、部品に不具合原因が生じたかを判定するためのマハラノビス距離の閾値を決定するようになっている。
次に、第3実施形態に係る部品劣化予測システム1の動作を、図面を参照しながら説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係る部品劣化予測システム1の動作を示すフローチャートである。
まず、ステップS11,S12,S13において、相関関係計算部2が、運行情報記憶部22に記憶されている各情報22A,22B,22Cと、環境情報記憶部23に記憶されている各情報23A,23B,23Cと、路線情報記憶部24に記憶されている各情報24A,24Bとを取得する。
次に、ステップS14において、閾値計算部3は、正常部品情報記憶部32の各部品に対応する各情報22A,22B,22C,23A,23B,23C,24A,24Bを、運行情報記憶部22と環境情報記憶部23と路線情報記憶部24とから取得する。この際、閾値計算部3は、正常部品情報記憶部32の各部品に対応する各情報22A,22B,22C,23A,23B,23C,24A,24Bのいずれかに特異値あるか判定する。
ここで、特異値がない場合(S14のY)、そのままステップS4に進む。一方、特異値がある場合(S14のN)、ステップS15において、閾値計算部3は、計算の対象のデータベースを部品交換情報記憶部31から不具合部品交換情報記憶部33に置き換える。
次に、ステップS4において、相関関係計算部2が、運行情報記憶部22に記憶されている各情報22A,22B,22Cと、環境情報記憶部23に記憶されている各情報23A,23B,23Cと、路線情報記憶部24に記憶されている各情報24A,24Bとの間の相関関係を示す相関関係情報を計算する。この際、相関関係計算部2は、マハラノビス・タグチシステムを用いて相関関係情報を計算する。ここで、相関関係計算部2は、取得した各情報22A,22B,22C,23A,23B,23C,24A,24Bごとに平均及び分散を計算し、更に、取得した各情報22A,22B,22C,23A,23B,23C,24A,24Bの間の相関関係を表す相関係数行列及び相関係数逆行列を計算する。
次に、特異値がない場合(S14のY)のステップS5の処理について説明する。この場合、ステップS5において、閾値計算部3は、部品交換情報記憶部31の各部品に対応する各情報22A,22B,22C,23A,23B,23C,24A,24Bを、運行情報記憶部22と環境情報記憶部23と路線情報記憶部24とから取得する。さらに、閾値計算部3は、正常部品情報記憶部32の各部品に対応する各情報22A,22B,22C,23A,23B,23C,24A,24Bを、運行情報記憶部22と環境情報記憶部23と路線情報記憶部24とから取得する。この際、閾値計算部3は、運行情報記憶部22と環境情報記憶部23と路線情報記憶部24とから取得した各情報を、相関関係計算部2で得られた平均及び分散を利用して正規化する。更に、閾値計算部3は、正規化された部品交換情報記憶部31の部品に対応する情報と相関係数逆行列とを利用して、全ての項目間の相関性を考慮した基準の中の中心からの距離である第1のマハラノビス距離を計算する。また、閾値計算部3は、正規化された正常部品情報記憶部32の部品に対応する情報と相関係数逆行列とを利用して、全ての項目間の相関性を考慮した基準の中の中心からの距離である第2のマハラノビス距離を計算する。
さらに、ステップ5において、閾値計算部3は、部品交換情報記憶部31の部品についての第1のマハラノビス距離と正常部品情報記憶部32の部品についての第2のマハラノビス距離との分布を分析して、部品の劣化を判定するためのマハラノビス距離の閾値を決定する。
次に、特異値がある場合(S14のN)のステップS5の処理について説明する。この場合、ステップS5において、閾値計算部3は、不具合部品交換情報記憶部33の各部品に対応する各情報22A,22B,22C,23A,23B,23C,24A,24Bを、運行情報記憶部22と環境情報記憶部23と路線情報記憶部24とから取得する。さらに、閾値計算部3は、正常部品情報記憶部32の各部品に対応する各情報22A,22B,22C,23A,23B,23C,24A,24Bを、運行情報記憶部22と環境情報記憶部23と路線情報記憶部24とから取得する。この際、閾値計算部3は、運行情報記憶部22と環境情報記憶部23と路線情報記憶部24とから取得した各情報を、相関関係計算部2で得られた平均及び分散を利用して正規化する。更に、閾値計算部3は、正規化された不具合部品交換情報記憶部33の部品に対応する情報と相関係数逆行列とを利用して、全ての項目間の相関性を考慮した基準の中の中心からの距離である第3のマハラノビス距離を計算する。また、閾値計算部3は、正規化された正常部品情報記憶部32の部品に対応する情報と相関係数逆行列とを利用して、全ての項目間の相関性を考慮した基準の中の中心からの距離である第2のマハラノビス距離を計算する。
さらに、ステップ5において、閾値計算部3は、不具合部品交換情報記憶部33の部品についての第3のマハラノビス距離と正常部品情報記憶部32の部品についての第2のマハラノビス距離との分布を分析して、部品の劣化を判定するためのマハラノビス距離の閾値を決定する。
次に、ステップS6において、部品劣化予測部4は、正常部品情報記憶部32の部品についての第2のマハラノビス距離と閾値計算部3により決定された閾値とを比較する。
次に、ステップS7において、部品劣化予測部4は、正常部品情報記憶部32の部品について、予め設定された一定期間(耐久期間)内に交換が必要かを判定する。
そして、部品劣化予測部4が部品の交換が必要であると判定した場合(ステップS7のY)、部品の情報は劣化部品表示部5に送信される。さらに、ステップ8において、部品劣化予測部4は、特異値があった場合(S14のN)、交換が必要であると判定された部品の情報を不具合部品交換情報記憶部33にフィードバックする。一方、特異値がない場合(S14のY)、部品劣化予測部4は、交換が必要であると判定された部品の情報を部品交換情報記憶部31にフィードバックする。
また、部品劣化予測部4が部品の交換が必要ないと判定した場合(ステップS7のN)、ステップ9において、部品劣化予測部4は、その部品の情報を正常部品情報記憶部32にフィードバックする。
以上のステップは、所定の時間の頻度(例えば、1日に1回等)で繰り返し実行される。
第3実施形態に係る部品劣化予測システム1によれば、過去に劣化以外の不具合原因により交換された部品の情報を記憶する不具合部品交換情報記憶部33を更に備え、取得した各情報22A,22B,22C,23A,23B,23C,24A,24Bのいずれかに特異値が検出された場合に、閾値計算部3は、不具合部品交換情報記憶部33と正常部品情報記憶部32との各部品について相関関係情報に基づいたマハラノビス距離を計算するように構成され、閾値計算部3は、不具合部品交換情報記憶部33の各部品の第3のマハラノビス距離と正常部品情報記憶部32の各部品の第2のマハラノビス距離との分布を比較することにより、部品に不具合原因が生じたかを判定するためのマハラノビス距離の閾値を決定するようになっているので、通常の劣化よりも早い時期に生じる部品の不具合(異常な環境下で車両が運行された場合の不具合)を予測することができる。また、取得した各情報22A,22B,22C,23A,23B,23C,24A,24Bが特異値を検出したかどうかに基づいて不具合部品交換情報記憶部33と正常部品情報記憶部32とを適宜切り換えるので、通常の部品の劣化と、劣化以外の不具合原因による劣化との両方を1つのシステムで予測することが可能となる。
第3実施形態に係る部品劣化予測システム1によれば、部品劣化予測部4により不具合原因が生じたと判定された部品の情報は、不具合部品交換情報記憶部33にフィードバックされて不具合部品交換情報記憶部33に蓄積されるように構成されているので、不具合原因による部品交換に関するデータが徐々に蓄積されることになり、システムを使用しながら部品の劣化の予測の精度を徐々に高めていくことができる。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態に係る部品劣化予測システム1を説明する。
この第4実施形態においては、部品交換情報記憶部31と正常部品情報記憶部32とに記憶されている各部品は、その部品の周辺部品と関連付けて記憶されている。そして、部品劣化予測部4は、ある部品が部品劣化予測部4によって劣化と判定された場合、その部品の周辺の部品も劣化と判定するように構成されている。
第4実施形態に係る部品劣化予測システム1によれば、部品劣化予測部4は、部品劣化予測部4によって劣化と判定された部品の周辺の部品も劣化と判定するように構成されているので、部品が劣化状態と判定された場合、その部品を周辺部品と一緒に部品ユニットごと交換することができ、メンテナンスの効率化を図ることができる。
[第5実施形態]
以下、本発明の第5実施形態に係る部品劣化予測システム1を説明する。
この第5実施形態においては、劣化部品表示部5は、部品劣化予測部4によって劣化と判定された部品をアラーム信号として出力するように構成されている。
第5実施形態に係る部品劣化予測システム1によれば、劣化部品表示部5は、部品劣化予測部4によって劣化と判定された部品をアラーム信号として出力するように構成されているので、システムの操作者に対して部品の劣化を効果的に知らせることができる。これにより、操作者が部品の劣化に気付かないというトラブルを未然に防止することができる。
以上、本発明の実施の形態につき述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものでなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。
1 部品劣化予測システム
2 相関関係計算部
21 車両関連情報記憶部
21A 気温の情報
21B 走行時間の情報
21C 速度の情報
21D 駅数の情報
22 運行情報記憶部
22A 走行時間の情報
22B 走行距離の情報
22C 速度の情報
23 環境情報記憶部
23A 気温の情報
23B 湿度の情報
23C 気中塩分濃度の情報
24 路線情報記憶部
24A 駅数の情報
24B 路線形状の情報
3 閾値計算部
31 部品交換情報記憶部
32 正常部品情報記憶部
33 不具合部品情報記憶部
4 部品劣化予測部
5 劣化部品表示部

Claims (6)

  1. 過去に劣化によって交換された軌道走行車両の部品の情報を蓄積する部品交換情報記憶部と、
    過去に劣化以外の不具合原因により交換された前記軌道走行車両の部品の情報を記憶する不具合部品交換情報記憶部と、
    前記軌道走行車両において一定期間交換されていない部品の情報を記憶する正常部品情報記憶部と、
    前記軌道走行車両の運行情報を記憶する運行情報記憶部と、
    前記軌道走行車両の走行路線の路線情報を記憶する路線情報記憶部と、
    前記軌道走行車両の走行路線の環境情報を記憶する環境情報記憶部と、
    前記運行情報と前記路線情報と前記環境情報との間の相関関係を示す相関関係情報を計算する相関関係計算部と、
    前記運行情報と前記路線情報と前記環境情報に特異値が検出されない場合、前記部品交換情報記憶部と前記正常部品情報記憶部とに記憶されている各部品について前記相関関係情報に基づいた評価尺度を計算して、前記部品交換情報記憶部の各部品の前記評価尺度と前記正常部品情報記憶部の各部品の前記評価尺度との分布を分析することにより、部品の劣化を判定するための前記評価尺度の閾値を決定し、
    前記運行情報と前記路線情報と前記環境情報とのいずれかに特異値が検出された場合、前記不具合部品交換情報記憶部と前記正常部品情報記憶部とに記憶されている各部品について前記相関関係情報に基づいた評価尺度を計算して、前記不具合部品交換情報記憶部の各部品の前記評価尺度と前記正常部品情報記憶部の各部品の前記評価尺度との分布を分析することにより、部品に不具合原因が生じたかを判定するための前記評価尺度の閾値を決定する閾値計算部と、
    前記正常部品情報記憶部の各部品の前記評価尺度と前記閾値計算部により決定された前記評価尺度の前記閾値とを比較することにより前記正常部品情報記憶部の各部品の劣化状態を判定する部品劣化予測部と、
    該部品劣化予測部によって劣化と判定された部品を表示する劣化部品表示部と
    を備えていることを特徴とする軌道走行車両の部品劣化予測システム。
  2. 前記運行情報は、前記軌道走行車両の速度の情報と、前記軌道走行車両の走行時間の情報と、前記軌道走行車両の走行距離の情報とを含んでおり、
    前記路線情報は、前記軌道走行車両の走行区間上にある駅数の情報と、前記軌道走行車両の前記走行区間の路線形状に関する情報とを含んでおり、
    前記環境情報は、前記軌道走行車両が走行している間の気温の情報と、前記軌道走行車両が走行している間の湿度の情報と、前記軌道走行車両が走行している間の気中塩分濃度の情報とを含んでいることを特徴とする請求項1に記載の軌道走行車両の部品劣化予測システム。
  3. 前記運行情報と前記路線情報と前記環境情報に特異値が検出されない場合、前記部品劣化予測部により劣化と判定された部品の情報は、前記部品交換情報記憶部にフィードバックされて前記部品交換情報記憶部に蓄積され、
    前記運行情報と前記路線情報と前記環境情報とのいずれかに特異値が検出された場合、前記部品劣化予測部により不具合原因が生じたと判定された部品の情報は、前記不具合部品交換情報記憶部にフィードバックされて前記不具合部品交換情報記憶部に蓄積され、
    前記部品劣化予測部により正常と判定された部品の情報は、前記正常部品情報記憶部にフィードバックされて前記正常部品情報記憶部に蓄積されるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の軌道走行車両の部品劣化予測システム。
  4. 前記相関関係計算部は、マハラノビス・タグチシステムを用いて前記相関関係情報を計算するように構成されており、前記相関関係情報は、前記運行情報と前記路線情報と前記環境情報との間の相関関係に基づいて算出されるものであり、前記評価尺度は、前記相関関係情報に基づいて算出されるマハラノビス距離であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の軌道走行車両の部品劣化予測システム。
  5. 前記劣化部品表示部は、前記部品劣化予測部によって劣化と判定された部品をアラーム信号として出力するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の軌道走行車両の部品劣化予測システム。
  6. 前記部品劣化予測部は、前記部品劣化予測部によって劣化と判定された部品の周辺の部品も劣化と判定するように構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか一項に記載の軌道走行車両の部品劣化予測システム。
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