JP5489558B2 - インクジェット記録媒体の製造方法 - Google Patents
インクジェット記録媒体の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5489558B2 JP5489558B2 JP2009157920A JP2009157920A JP5489558B2 JP 5489558 B2 JP5489558 B2 JP 5489558B2 JP 2009157920 A JP2009157920 A JP 2009157920A JP 2009157920 A JP2009157920 A JP 2009157920A JP 5489558 B2 JP5489558 B2 JP 5489558B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coating liquid
- recording medium
- jet recording
- ink jet
- ink
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
Description
式(1):付着エネルギーE=(M・G・sinα)/2πr
[式(1)中、αは、塗工液に接するローラーと同じ材料で形成した板状体を、該塗工液の液滴を載せた状態で水平面に対して平行状態から傾けたときに、該液滴の滑落方向に対して最後端が滑落する、板状体の水平面に対する最小の角度である。Mは液滴の質量(g)である。Gは重力加速度(9.8m/s2)である。rは液滴の着液半径(m)である。]
本発明に用いられる支持体の原料としては、例えば、木綿パルプ、麻パルプ、三椏パルプ、楮パルプ、ワラパルプ、竹パルプ、バガスパルプ、葦パルプ、木材パルプ、および故紙パルプなどの各種パルプが挙げられる。この原料に、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリンなどの各種填料、澱粉、PVAなどのバインダー、サイズ剤、定着剤、歩留り剤、紙力増強剤などを好適に配合し、紙料とする。この紙料を酸性、中性、アルカリ性の何れの状態とし、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種抄紙機により抄紙することによって支持体とする。支持体には、表面性や密度を得るために各種カレンダー処理を施してもよい。
インク受容層は、互いに圧接した2本のローラー間に支持体を通過させて、該支持体の少なくとも一方の表面に無機微粒子とバインダーとを含有するインク受容層用塗工液を塗工することで形成する。この時、インク受容層用塗工液の物性を以下のように制御することで、インク受容層の剥離ムラの発生を抑制している。
本発明の塗工液は、無機微粒子とバインダーとを含有し、さらにその物性が、下記<1>および<2>を満たすものである。
<1>せん断速度6000(1/s)で測定されるハイシェア粘度が100mPa・s以上、300mPa・s以下。
<2>下記式(1)で表される、インク受容層用塗工液の付着エネルギーEが11mJ/m2以下。
式(1): 付着エネルギーE=(M・G・sinα)/2πr
[式(1)中、αは、塗工液に接するローラーと同じ材料で形成した板状体を、該塗工液の液滴を載せた状態で水平面に対して平行状態から傾けたときに、該液滴の滑落方向に対して最後端が滑落する、板状体の水平面に対する最小の角度である。Mは液滴の質量(g)である。Gは重力加速度(9.8m/s2)である。rは液滴の着液半径(m)である。]
以下、これらの物性を詳細に説明する。
ハイシェア粘度は、液体に高いせん断応力を与えた時の粘度である。例えば、レオメーター等の測定装置で測定することができる。サイズプレス方式は、互いに圧接した2本のローラー間に支持体を通過させて該支持体の少なくとも一方の表面に塗工液を塗工する方式である。従って、塗工液には、塗工時に高いせん断応力が発生する。この高いせん断応力がかかった状態での塗工液の粘度特性が、インク受容層表面に発生する剥離ムラに影響を与える。
本発明では、ローラーと塗工液との式(1)で表される付着エネルギーEを11mJ/m2以下としている。付着エネルギーを図2を用いて説明する。式(1)中の「液滴の滑落方向に対して最後端が滑落する、板状体の水平面に対する最小の角度」とは、図1に示されるように、板状体を水平面に対して角度が次第に大きくなるよう傾けたときに、液滴の滑落方向に対して最後端が、板状体における初期の位置から残液を残すことなく移動し始める最初の角度αである。この液滴が滑落する最小の角度αが小さいほど、即ち液滴の最後端が板状体から剥離しやすいほど、付着エネルギーが小さくなる。
30≦(B/A)×100≦100
とすることが好ましい。(B/A)×100が30より小さくなると、インク受容層の塗膜強度低下が見られ、インクジェット記録媒体表面が擦過されることで無機微粒子の粉落ちが発生することがある。また、(B/A)×100が100より大きくなると、インク吸収容量・吸収スピードが低下し、得られる記録媒体が良好な印画画像が得られないことがある。
インク受容層は、互いに圧接した2本のローラー間に支持体を通過させて、該支持体の少なくとも一方の表面に無機微粒子とバインダーとを含有するインク受容層用塗工液を塗工する、サイズプレス方式により設ける。サイズプレス方式としては、例えばゲートロール式、ロッドメタリング式、シムサイザー式、トランスファーロール式等が挙げられる。
非晶質シリカ粉末(平均2次粒子径1.6μm、吸油量240cm3/100g)をイオン交換水中に攪拌しながら混合して固形分濃度15wt%の非晶質シリカ分散液を得た。この非晶質シリカ分散液と、バインダーAを含有する水溶液と、バインダー以外の樹脂であるカチオン性樹脂(ポリアリルアミン塩酸塩;インク定着剤)の20%水溶液とを、乾燥重量比を以下のようにして混合攪拌した。
シリカ 100部
バインダー 54部
カチオン性樹脂 20部
この後、上記混合液をイオン交換水で希釈して、固形分14%の塗工液を得た。この塗工液を、坪量80g/m2の中性パルプ原紙である支持体上に、サイズプレス装置を用いて塗工し、乾燥させた。これにより、支持体と1層のインク受容層からなるインクジェット記録媒体を得た。
混合液の乾燥重量比を以下のようにした以外は、実施例1と同様の製造方法でインクジェット記録媒体を得た。
シリカ 100部
バインダー 54部
カチオン性樹脂 40部
(実施例3)
バインダーAの代わりにバインダーBを使用した以外は、実施例1と同様の製造方法でインクジェット記録媒体を得た。
バインダーAの代わりにバインダーCを使用し、塗工液の固形分を18%とした以外は、実施例1と同様の製造方法でインクジェット記録媒体を得た。
フッ素系界面活性剤をシリカ100部に対して0.5部加えた以外は、実施例1と同様の製造方法でインクジェット記録媒体を得た。
塗工液の固形分を10%とした以外は、実施例1と同様の製造方法でインクジェット記録媒体を得た。
塗工液の固形分を18%とした以外は、実施例1と同様の製造方法でインクジェット記録媒体を得た。
バインダーAの代わりにバインダーDを使用した以外は、実施例1と同様の製造方法でインクジェット記録媒体を得た。
フッ素系界面活性剤をシリカ100部に対して1.5部加えた以外は、実施例1と同様の製造方法でインクジェット記録媒体を得た。
フッ素系界面活性剤をシリカ100部に対して3.0部加えた以外は、実施例1と同様の製造方法でインクジェット記録媒体を得た。
バインダーAの代わりにバインダーEを使用した以外は、実施例1と同様の製造方法でインクジェット記録媒体を得た。
バインダーAの代わりにバインダーFを使用した以外は、実施例1と同様の製造方法でインクジェット記録媒体を得た。
塗工液の固形分を12%とした以外は、比較例6と同様の製造方法でインクジェット記録媒体を得た。
塗工液の固形分を11%とした以外は、比較例6と同様の製造方法でインクジェット記録媒体を得た。
バインダーAの代わりにバインダーGを使用した以外は、実施例1と同様の製造方法でインクジェット記録媒体を得た。
バインダーAの代わりにバインダーHを使用した以外は、実施例1と同様の製造方法でインクジェット記録媒体を得た。
バインダーAの代わりにバインダーIを使用した以外は、実施例1と同様の製造方法でインクジェット記録媒体を得た。
式(1): 付着エネルギーE(mJ/m2 )=(M・G・sinα)/2πr
[式(1)中、αは、塗工液に接するローラーと同じ材料で形成した板状体を、該塗工液の液滴を載せた状態で水平面に対して平行状態から傾けたときに、該液滴の滑落方向に対して最後端が滑落する、板状体の水平面に対する最小の角度である。Mは液滴の質量(g)である。Gは重力加速度(9.8m/s2)である。rは液滴の着液半径(m)である。]
塗工液の表面張力は、自動表面張力計(CBVP−Z:協和界面科学社製)を用い、白金プレートを使用した吊環法にて測定した。
インクジェット記録装置としてimagePROGRAF 500(キヤノン製)を用いた。該インクジェット記録装置により、各インクジェット記録媒体に染料シアンインク(PFI−102 C)で100%打込み量(1200×2400dpi)の画像を印画した。得られた画像の剥離ムラを、目視により以下の基準に従って評価した。
A 剥離ムラは確認できない。
B 剥離ムラが僅かに生じている。
C 剥離ムラが生じている。
D 剥離ムラがかなり生じている。
塗工液を転写した後の支持体の重量を測定した。測定された重量と、塗工液に含まれる無機微粒子の含有割合から、支持体に転写した無機微粒子の乾燥重量を算出し、以下の基準で評価した。
A 支持体に転写した無機微粒子の乾燥重量が1g/m2以上。
B 支持体に転写した無機微粒子の乾燥重量が1g/m2より少ない。
Claims (4)
- 互いに圧接した2本のローラー間に支持体を通過させて、該支持体の少なくとも一方の表面に無機微粒子とバインダーとを含有するインク受容層用塗工液を塗工し、該支持体の少なくとも一方の表面にインク受容層を形成する工程を有するインクジェット記録媒体の製造方法であって、
該塗工液は、バインダーとしてポリアクリルアミド系樹脂を含有し、
該塗工液は、せん断速度6000(1/s)で測定されるハイシェア粘度が100mPa・s以上、300mPa・s以下であり、
下記式(1)で表される、該塗工液の付着エネルギーEが11mJ/m2以下であることを特徴とするインクジェット記録媒体の製造方法。
式(1): 付着エネルギーE=(M・G・sinα)/2πr
[式(1)中、αは、塗工液に接するローラーと同じ材料で形成した板状体を、該塗工液の液滴を載せた状態で水平面に対して平行状態から傾けたときに、該液滴の滑落方向に対して最後端が滑落する、板状体の水平面に対する最小の角度である。Mは液滴の質量(g)である。Gは重力加速度(9.8m/s2)である。rは液滴の着液半径(m)である。] - 前記塗工液の表面張力が45mN/m以上、72.75mN/m以下である請求項1に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
- 前記無機微粒子が、非晶質シリカであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
- 前記塗工液の付着エネルギーEが3mJ/m2以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録媒体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009157920A JP5489558B2 (ja) | 2009-07-02 | 2009-07-02 | インクジェット記録媒体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009157920A JP5489558B2 (ja) | 2009-07-02 | 2009-07-02 | インクジェット記録媒体の製造方法 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011011467A JP2011011467A (ja) | 2011-01-20 |
JP2011011467A5 JP2011011467A5 (ja) | 2012-08-16 |
JP5489558B2 true JP5489558B2 (ja) | 2014-05-14 |
Family
ID=43590798
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009157920A Expired - Fee Related JP5489558B2 (ja) | 2009-07-02 | 2009-07-02 | インクジェット記録媒体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5489558B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10114142A (ja) * | 1996-10-11 | 1998-05-06 | Fuji Photo Film Co Ltd | インクジェット記録用紙 |
US20020052439A1 (en) * | 2000-08-08 | 2002-05-02 | 3M Innovative Properties Company | Ink receptive compositions and articles for image transfer |
DE10256267A1 (de) * | 2002-12-03 | 2004-06-24 | Degussa Ag | Dispersion, Streichfarbe und Aufnahmemedium |
JP2007136812A (ja) * | 2005-11-17 | 2007-06-07 | Konica Minolta Holdings Inc | 記録材料用支持体及びインクジェット記録媒体 |
US20100233391A1 (en) * | 2006-01-30 | 2010-09-16 | Yasuyuki Kumada | Ink- Jet Recording Medium |
JP2009102641A (ja) * | 2008-11-28 | 2009-05-14 | Kuraray Co Ltd | ビニルアルコール系重合体 |
-
2009
- 2009-07-02 JP JP2009157920A patent/JP5489558B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2011011467A (ja) | 2011-01-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2010240950A (ja) | インクジェット用記録紙 | |
JP4579454B2 (ja) | インクジェット記録シート | |
JP5489558B2 (ja) | インクジェット記録媒体の製造方法 | |
JP2004276519A (ja) | 両面インクジェット記録用シートおよびその使用 | |
JP5414097B2 (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP2011213009A (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP5745333B2 (ja) | インクジェット記録シートの製造方法 | |
JP4312533B2 (ja) | インクジェット記録用紙 | |
JP3728062B2 (ja) | インクジェット記録シート | |
JP4257732B2 (ja) | インクジェット記録用光沢紙 | |
JP2011011466A (ja) | インクジェット記録媒体の製造方法 | |
JP2006281606A (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP2015139996A (ja) | 油性インク用インクジェット記録用光沢紙 | |
JP5330786B2 (ja) | インクジェット用記録紙 | |
JP2006062228A (ja) | インクジェット記録媒体 | |
JP4342097B2 (ja) | インクジェット記録用紙の製造方法 | |
JP5167045B2 (ja) | インクジェット用記録紙 | |
JP4515480B2 (ja) | インクジェット記録用シート | |
JP6890462B2 (ja) | 印刷用塗工紙 | |
JP3778577B2 (ja) | インクジェット記録シート | |
JP2526536B2 (ja) | 熱転写記録用シ―ト | |
JP2011011465A (ja) | インクジェット記録媒体の製造方法 | |
JP3704528B2 (ja) | インクジェット記録シート | |
JP2004209684A (ja) | インクジェット記録用紙およびその製造方法 | |
JP2005212263A (ja) | インクジェット記録媒体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20120628 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120628 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20131030 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131105 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20140106 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140128 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140225 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 5489558 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |