JP5489233B2 - 低コストかつ高速な成膜方法及び装置 - Google Patents

低コストかつ高速な成膜方法及び装置 Download PDF

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Description

技術分野及び背景技術
本出願は、同じ発明者による「Low Cost High Rtae Deposition Tooling」という名称の2007年6月5日に出願された仮出願第60/924,930号と同時に係属しており、この仮出願の優先権の利益を主張する。この仮出願の全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、広くには、均一な成膜を実現するために複雑な回転手段が必要とされる基材への薄膜に関する。タングステン−ハロゲン白熱ランプ及びドリルのビットが、そのような基材の2つの例である。そのような基材のための従来技術の成膜システムは、一般に、マグネトロン・スパッタリング・システムを利用している。図1及び2は、従来技術のマグネトロン・スパッタリング・システムの斜視図である。図1を参照すると、従来のマグネトロン・スパッタリング・システムは、円筒形の回転ドラム2を真空チャンバ1内に取り付けて使用し、真空チャンバ1の壁に、スパッタリングターゲット3が配置されている。さらに、当技術分野において公知のプラズマまたはマイクロ波発生器4は、真空チャンバ1の壁に配置されている。基材6は、ドラム2上のパネルまたは基材ホルダ5に着脱可能に取り付けられている。図2を参照すると、ランプなどの基材6は、従来の基材ホルダ8を介して回転ドラム2に取り付けられている。従来の基材ホルダ8は、通常は、1つ以上のランプ6をそれぞれの軸を中心にして回転できるようにする複数の歯車及び軸受9を備えている。このようにして、スパッタリングターゲット3からの材料を、ランプ6がターゲット3を過ぎるときにランプ6の周囲に分布させることができる。十分な成膜の均一性を得るために、通常は、ターゲット3を通過して複数回の回転が必要である。
図1及び2に示した従来技術のシステム及びそれぞれの手段は、いくつかの点で問題がある。例えば、それぞれのランプについて軸受及び歯車が必要であり、1回の成膜作業に数千ものランプが含まれる可能性があり、したがって初期の建設コストが高くなる。そのような手段の保守は、部品ならびに摩耗した歯車及び軸受の交換に必要な作業の両者において、高価につく。また、軸受によって動作温度が制限され、材料の選択及び膜の品質が制約される。
従来技術のシステム及び手段の他の問題は、現行の歯車の構成によって、隣り合う2つの基材が反対方向に回転する点にある。これにより、チャンバ内に異なる2組の成膜条件が生じる。一方の条件は、時計方向に回転する基材によるもので、他方の条件は、反時計方向に回転する基材によるものである。この先行技術の問題は、2組の成膜条件の間の妥協を強いられ、基材への成膜条件を両方とも最適にすることを不可能にする。さらに、従来技術の手段は、各々の手段一式が、搭載数を最大にすべくただ1つの種類またはサイズの基材に合わせて特定的に設計されているため、柔軟性を欠く。異なるサイズの基材は、まったく新しい手段一式の建設を必要とし、全体としてのコストがさらに増す。
従来技術の手段のさらなる問題は、基材ホルダまたはラックの物理的な厚さである。ランプなどの基材は、通常は複雑な形状であり、均一な成膜が難しく、手段によって物理的に遮られることによる悪影響を被る。したがって、配列された基材群に材料の層を効率的に堆積させるための装置及び方法について、当技術分野にニーズが存在している。
課題を解決するための手段
したがって、本発明の一実施形態は、配列された基材群に材料の層を成膜する方法であって、配列された基材群を第1の角運動にて1つ以上の成膜材料源を過ぎて移動させると同時に、第2の角運動にて移動させる新規な方法を提供する。これにより、各々の基材を、第1及び第2の角運動からの求心力によって生じる第3の角運動にて移動させることができる。
本発明の別の実施形態は、配列された基材群を第1の角運動にて1つ以上の成膜材料源を過ぎて移動させつつ同時に第2の角運動にて移動させて、配列された基材群に材料の層を成膜するプロセスであって、第1及び第2の角運動からの求心力が、各々の基材を各々の基材の軸を中心にして回転させるプロセスを提供する。
本発明のさらなる実施形態は、配列された基材群に材料を成膜する方法であって、配列された基材群を第1の回転運動にて1つ以上の成膜材料源を過ぎて移動させるステップを含む方法を提供する。同時に、配列された基材群を、第2の回転運動にて移動させることができ、第1及び第2の運動の組み合わせが、各々の基材を第3の回転運動にて移動させる。
本発明のさらなる実施形態は、配列された基材群に材料の層を成膜する方法であって、基材を、キャリアを該キャリアの長手軸を中心にして回転させることを含む第1の運動にて、1つ以上の成膜材料源を過ぎて移動させるステップを含む方法を提供する。同時に、各々の基材を、歯車及び軸受を使用することなく、各々の基材の長手軸を中心にして回転させることができる。
本発明の一実施形態は、配列された基材群に材料の層を成膜する方法であって、基材を、キャリアを該キャリアの長手軸を中心にして回転させることを含む第1の運動にて、1つ以上の成膜材料源を過ぎて移動させるステップを含む方法を提供する。同時に、各々の基材を、各々の基材の長手軸を中心にして回転させることができ、隣り合う基材は、それぞれ自身の長手軸を中心にして同じ方向に回転する。
本発明のまたさらなる実施形態は、配列された基材群を1つ以上の成膜材料源を過ぎて移動させるためのプロセスであって、1枚又はそれより多いディスクが軸方向に整列され各ディスクが各ディスクの外周に沿って配置された複数の基材ホルダを有している1つ以上のパレットを設けるステップを含む方法を提供する。パレットを外周に沿って配置したパレットキャリアを設けることができる。各々の基材を、基材ホルダに配置することができる。キャリアの中心軸を中心にしてキャリアを回転させることができる。この方法は、パレットを各ディスクが該ディスクの中心軸を中心にして回転するように駆動するステップをさらに含むことができる。キャリア及びパレットの駆動の結果として基材に加わる力が、各々の基材を該基材の中心軸を中心にして回転させる。
本発明の一実施形態は、薄膜成膜プロセスにおいて、配列された基材群を移動させるための装置を提供する。この装置は、略円形の断面を有し、その中心軸を中心にして回転可能であるキャリアと、キャリアの中心軸を中心にしてキャリアを回転させるためのキャリア駆動機構とを備えることができる。この装置は、それぞれが回転可能な中心シャフトと中心シャフトに沿って軸方向に整列した1枚又はそれより多いディスクとを有する複数のパレットを備えることができる。各ディスクは、ディスクの外周に沿って配置された複数のスピンドル保持ウェルを備え、各々のウェルが、略円筒形の壁を有している。各パレットの中心シャフトを回転させて、各ディスクを該ディスクの中心軸を中心にして回転させるために、パレット駆動機構を設けることができる。さらに、それぞれが略円柱壁面を有している複数のスピンドルを設けることができる。各々のスピンドルは、該スピンドルの略円柱壁面がスピンドル保持ウェルの略円筒形の壁に隣接するようにスピンドル保持ウェルによって保持されるように形成される。各々のスピンドルは、少なくとも1つの基材を該スピンドルの略円柱形の壁の軸に軸を整列させて保持するように形成される。
本発明の実施形態によるさらなる装置は、略円形の断面を有し、その中心軸を中心にして回転可能であるキャリアと、キャリアの中心軸を中心にしてキャリアを回転させるためのキャリア駆動機構とを備えている。複数のパレットを設けることができる。各々のパレットは、回転可能な中心シャフトと中心シャフトに沿って軸方向に整列した1枚又はそれより多いディスクとを備えている。各ディスクは、ディスクの外周に沿って配置され1つ以上の基材を保持する複数の基材保持ロッドを備えている。さらに装置は、各パレットの中心シャフトを回転させて、ディスクの中心軸を中心にして各ディスクを回転させるためのパレット駆動機構を備えることができる。
本発明のさらなる実施形態は、薄膜成膜システムにおいて、基材を運ぶための装置を提供する。この装置は、中心軸を中心にして回転することができる主キャリアと、主キャリアによって保持され主キャリアの中心軸から離れそれぞれ自身の中心軸を中心にして回転可能である1枚又はそれより多いプラネタリディスクとを備えることができる。複数の基材ホルダをプラネタリディスクの外周に沿って配置することができる。各々の基材ホルダを、主キャリア及びディスクの回転からもたらされる求心力によってディスクに保持された各々の基材に該基材の軸を中心とする回転がもたらされるように、1つ以上の基材を保持するように形成することができる。
本発明の別の実施形態は、配列された基材群上の材料層の膜の分布及び酸化を最適化する方法を提供する。この方法は、配列された基材群を、第1の角運動にて1つ以上の成膜材料源を過ぎて移動させると同時に、第2の角運動にて移動させることを含む。第1及び第2の角運動が、実質的に等しい大きさであって、反対の方向を有する。
これらの実施形態ならびにこれらの実施形態の多数の他の目的及び利点が、特許請求の範囲、添付の図面、及び以下の実施形態の詳細な説明を十分に検討することで、本発明の属する技術分野の当業者にとって容易に明らかであろう。
従来技術のマグネトロン・スパッタリング・システムの斜視図である。 従来技術のマグネトロン・スパッタリング・システムの斜視図である。
本発明の一実施形態による装置の斜視図である。
本発明の一実施形態によるパレットの一部分の斜視図である。
本発明のさらなる実施形態によるパレットの斜視図である。 本発明のさらなる実施形態によるパレットの斜視図である。
本発明の実施形態の図示である。 本発明の実施形態の図示である。 本発明の実施形態の図示である。 本発明の実施形態の図示である。
本発明の実施形態の回転速度のグラフ表示である。
本発明の実施形態の角加速度のグラフ表示である。
本発明の実施形態の回転速度のグラフ表示である。
本発明の別の実施形態の斜視図である。
図面を参照し、低コストかつ高速な成膜手段のための方法及び装置の種々の実施形態を説明する。図面においては、本発明の理解を容易にするために、同様の構成要素には同様の符号を付与している。
図3は、本発明の一実施形態による装置の斜視図である。図3に示すように、典型的な装置は、略円柱形の回転ドラムまたはキャリア2が真空チャンバ1内に取り付けられてなり、真空チャンバ1の壁に、スパッタリングターゲット3が配置されている。さらに、当技術分野において公知のプラズマまたはマイクロ波発生器4が真空チャンバ1の壁に配置されている。キャリア2は、略円形の断面を有し、中心軸を中心にして回転するように形成されている。キャリア2の中心軸を中心にしてキャリア2を回転させるために、駆動機構(図示されていない)が設けられている。複数のパレット50は、真空チャンバ1内のキャリア2に取り付けられている。各々のパレット50は、回転可能な中心シャフト52と、中心シャフト52に沿って軸方向に整列した1つ以上のディスク11とを備えている。一実施形態においては、ディスク11が、実質的に中実であってもよい。
図4は、本発明の一実施形態によるパレットの一部分の斜視図である。図4に示すように、パレット50は、車輪のスポークと同様に複数のアームを中心軸またはハブから放射状に延在させて有しているディスク11を備えている。スポークの端部に外周リングが接続されて、各々のリング、プラネタリディスク、環状ディスク11によって構成される。ディスク11は、その外周に沿って配置された複数のスピンドル保持ウェル53を備えている。また、各々のウェル53は、略円筒形の壁を有している。一実施形態において、ウェル53は、底部をさらに備え、及び/またはウェル53の外周縁にリップを備えている。各々のパレット50の中心シャフト52を回転させ、各々のディスク11またはプラネットを各々の中心軸を中心にして回転させるために、パレット駆動機構(図示されていない)を設けている。パレット50の回転速度を、キャリア2の回転速度とは別に制御することが可能である。各々のスピンドル13は、略円柱壁面を有し、この略円柱壁面がスピンドル保持ウェル53の略円筒形の壁に隣接するように、スピンドル保持ウェル53によって保持されるように形成されている。一実施形態においては、スピンドル13の略円柱壁面にローレット加工を施してもよい。各々のスピンドル13は、スピンドル13の略円柱壁面の軸に軸合わせしてランプなどの1つ以上の基材12を保持し得る。成膜対象の基材12は、いくつかある任意の方法にてスピンドル13に取り付けられる。例えば、ランプが基材として設けられる場合には、ランプのリード線12Aを、スピンドル13に開けられた穴13Aへと挿入することができる。
ディスク11はそれぞれの軸を中心にして回転し、かつキャリア2がその軸を中心にして回転するとき、ウェル53のスピンドル13には、2つの求心力が加わる。これら2つの別個独立の力の和によって、適切な条件が選択されたときに、各々のスピンドル13が該当のウェル53の壁に接触する。スピンドル13の壁の力によって、スピンドル13がウェル53に沿って回転する。パレット50、すなわちディスク11を、キャリア2と同じ方向または反対の方向に回転させることができる。さらに、パレット50または複数のパレット内の各々のスピンドル13を、1つの方向に回転させることができ、あるいは時計方向及び反時計方向の回転を交互させることができる。
図5及び6は、本発明のいくつかの実施形態によるパレットの斜視図である。図5に示すように、発光管などの端部が開口された基材14に成膜を行うために、別の基材ホルダ機構を利用することができる。この実施形態においては、各々のスピンドル保持ウェルを、ディスク11またはプラネットの外周に沿って配置されたロッド15によって置き換えることができる。管または他の端部が開口された基材14に成膜を行うための実施形態においては、管14の内径が、保持ロッド15の直径よりも大きく、管14に作用する求心力によって、管14がロッド15の周囲で回転する。スピンドル及びウェルを備えている実施形態と同様に、結果的に、基材が、ターゲットを過ぎるときに、軸受または歯車を必要とせずに回転する。図6に示すように、別のロッドの構成16を、1つのロッド上で複数の管、ランプ外被、または同様の構造体17への成膜を行うために使用することができ、そのような外被を典型的な装置に多数搭載して、生産性の向上をもたらすことができる。
標準的な手段のラックをディスクで置き換えることによって、ドラム機構に第3の次元が追加され、ドラムの円柱形の表面に比べ、基材を取り付けるためのより大きな面積がもたらされる。同じドラム回転速度及びターゲットのスパッタリング電力を使用して、従来の手段の成膜速度と本発明の実施形態による手段の成膜速度との間の比較を行うと、平均の成膜速度は、材料がより広い面積にわたって成膜されるがゆえに、新たな手段において低くなる。ドラムの直径が実質的に増加することで、それぞれの基材について、ターゲットの前面を通過してから次にターゲットの前面を通過するまでの時間間隔がより長くなり膜について必要な酸化を実現することがより容易になる。これにより、スパッタリングターゲットへの電力を増すことができ、ターゲットの前面における瞬時の成膜速度及びドラム上の基材にとっての平均の成膜速度の両方を向上させることができる。ターゲットへの電力を、平均成膜速度が古い手段において達成される成膜速度に比較できるまで高めることで、搭載量の増加ゆえに、装置の処理能力を高めることができる。
本発明の実施形態を、数学的な分析ならびに図7から図10の図示によって、さらに理解することができる。本明細書において使用される座標系は、典型的なドラムの中心軸18を基準にする。以下の定義が、図7から図10及び以下の数学的分析において用いられる。
Figure 0005489233
クトル23を表わす。
Figure 0005489233
ル24を表わす。
Figure 0005489233
表わす。
は、スピンドル33の中心32から測定したスピンドル33の半径34を表わす。
θは、時間tにおいてドラムが回転した角度25を表わす。
Figure 0005489233
動した全体の角度ではなく、プラネットがθに対して移動した付加的な角度であることに、留意されたい。
Figure 0005489233
ω、ω、及びtの関数である。これは、θと同様に、この任意の点が移動した全体の
Figure 0005489233
ωは、ドラムの回転速度(=dθ/dt(ラジアン/秒))を表わす。
は、ドラムの回転20の方向(=ω/2π(回転/秒))を表わす。
ωは、プラネットの回転速度(=dθ/dt(ラジアン/秒))を表わす。
は、プラネットの回転22の方向(=ω/2π(回転/秒))を表わす。
ωは、法線加速度が最大である壁上の点の回転速度(=dθ/dt(ラジアン/秒))を表わす。
ωは、スピンドルの自身の軸を中心とする回転速度(=dθ/dt(ラジアン/秒))を表わす。
αは、ウェルの壁上の点の加速度の法線成分を表わす。
は、スピンドルの慣性モーメントを表わす。
τ4dは、ウェルの壁によってスピンドルへと加えられる駆動トルクを表わす。
τ4fは、スピンドルとウェルの床との間の摩擦によって生じるトルクを表わす。
μfsは、スピンドルとウェルの床との間の運動摩擦係数を表わす。
μ4dは、スピンドルとウェルの壁との間の静止摩擦係数を表わす。
図10は、各々のスピンドル保持ウェルをプラネット21の外周に沿って位置するロッド39によって置き換えることができる図5及び図6の本発明の別の実施形態を図示して
Figure 0005489233
表わす。管35などの中空な基材を、ロッド39にかぶさるように配置することができる。ウェルの壁に沿って回転するスピンドルの運動を予測する後述の式と同じ式は、ロッドの周囲を回転する管の運動を表す。しかしながら、この特定の事例において、今やrが、ロッドの中心37からロッドの表面上の点までのベクトルであり、rが、管の半径40であって、rがrよりも大きいことに、留意されたい。この実施形態においては、ウェルの壁上の任意の点の運動を考慮するよりもむしろ、式は、ロッドの表面の任意の点の運動を表すと考えられる。後述の式の検討により、ロッドの半径が小さいほど、管の回転速度が速くなることが、容易に明らかである。
Figure 0005489233
ルが、加速度の法線成分が最大である点において壁に接触し、常にそのような接触のままであると仮定することができる。この点の全体としての速度及び加速度(法線成分及び接
Figure 0005489233
と表せる。
次いで、式(1)を、
Figure 0005489233
と表せる。
Figure 0005489233
と表せる。
次いで、式(3)を、時間に関して2回微分して、以下の関係をもたらすことができる。
Figure 0005489233
ウェルの壁上またはロッド表面の点の加速度の法線成分を、以下の関係、すなわち
Figure 0005489233
または
Figure 0005489233
に割り出すことができる。
この加速度が最大である点を割り出すために、これらの式をθに関して微分することができ、その結果がゼロに等しくなるような条件において、加速度の法線成分が最大または最小である。
Figure 0005489233
式(7)をθについて解くと、時間tにおいて法線加速度が最大である角度が、
Figure 0005489233
ともたらされ、ここで
Figure 0005489233
である。
式(8)が、加速度が最小である角度(例えば、最大加速度の点から180度離れている)をさらにもたらすことに、留意されたい。
式(8)の壁−スピンドル接触点の角回転速度を、時間に関して微分して、以下の関係をもたらすことができる。
Figure 0005489233
スピンドルが滑ることなくウェルの縁に沿って転がる条件を割り出すために、スピンドルに加わるトルクならびにスピンドルのそれぞれの慣性モーメントを考慮する必要があると考えられる。スピンドルに加わる駆動トルクは、加速度ベクトルの接線成分によって生じる。接触点における接線加速度を計算し、スピンドルが滑っていない場合に、これが接触点におけるスピンドルの壁面の接線加速度でもあると見ることができる。スピンドルの慣性モーメントが中実円柱の慣性モーメントと同じであると仮定すると、駆動トルクを、以下の関係
Figure 0005489233
によって表わすことができる。
スピンドルとスピンドルウェルの床との間の摩擦に起因してスピンドルに作用する第2のトルクも、存在する可能性があり、以下の関係
Figure 0005489233
によって表わすことができる。
スピンドルと床との間の摩擦に起因するトルクは、通常は、駆動トルクとは反対の方向に作用する。駆動トルクが摩擦に起因するトルクに打ち勝つほど十分に大きくない場合、スピンドルは動かない。本発明の実施形態の1つの典型的な動作方法は、スピンドルが滑ることなくスピンドルウェルの壁面に接触したままであることである。駆動トルクが、ウェルの壁面とスピンドルとの間の摩擦に起因するトルクを超えるほどに大きくなる場合、スピンドルは滑り始める。スピンドルが滑らない条件を、以下の関係
Figure 0005489233
によって表わすことができる。
この接触点の微分が摩擦及びスピンドルの慣性を無視している理想的な事例であることは、当業者にとって容易に明らかである。特定の実施形態において、スピンドルと壁面との間の接触点は、理論的な接触点からわずかに遅れる可能性がある。この遅れの大きさをウェルの壁面の加速度の接線成分によって割り出すことができる。スピンドルは、加速度が摩擦及びスピンドルの慣性の作用に打ち勝つほど十分に大きくなるまで、増加する接線加速度の方向に、理論的な接触点から逸脱する可能性がある。また、慣性抗力及び摩擦に対して駆動力が大きいほど、接触点が理想的な事例に近づくことに、留意されたい。これらのパラメータの両方を考慮する実験データを、容易に得ることが可能である。
上記の式の詳細な検討が、種々の因子の組み合わせによってそれぞれ決定されるいくつかの異なるレジメが典型的な成膜システムまたは装置にとって可能であることを示している。それらの因子のいくつかを調べ、それらがどのようにシステムの性能に影響するのかを、詳しく後述する。本明細書で述べられる列挙される因子もレジメもすべて包括的でも排他的でもなく、そのような実施例が、添付の特許請求の範囲を限定するものではないことに、留意されたい。
例えば、典型的な手段が動作しているとき、壁面の加速度の接線成分ゆえに、駆動トルクがスピンドルに作用しうる(式(10)を参照)。さらに、壁面とスピンドルとの間に摩擦力が存在しうる。スピンドルは、一般に、駆動トルクが静止摩擦によってもたらされうる最大トルクよりも小さい限りにおいて、自身の軸を中心にして回転する。ひとたび駆動トルクがこの力を超えると、スピンドルは滑り始める可能性がある(式(12)を参照)。この最大許容トルクを超えると、接触点が、最大法線加速度の点から離れるように移動する。しかしながら、運動摩擦係数によって決定される大きさにて加えられるトルクが依然として存在する。ひとたび駆動トルクが或る程度まで減少すると、スピンドルは滑ることを止め、最大法線加速度によって決定される点へと再び戻る。
第2の摩擦力が、スピンドルの底部とウェルの床との間に存在しうる。この摩擦源が、駆動トルクと反対の方向にトルクを加える可能性がある。駆動トルクがこの第2の摩擦トルク以下である場合、スピンドルは動かない。手段が効率的に動作するためには、スピンドルの底部とウェルの床との間の摩擦係数(静止及び運動の両方)が、可能な限り小さくなければならない。これらの動作条件を、「床の摩擦からのトルク(A)<τ4d(B)<壁の摩擦からの滑り誘発トルク(C)」と要約することができる。詳しくは、これらの動作条件を、以下の関係
Figure 0005489233
Figure 0005489233
によって表わすことができ、ここで円柱のIは、I=m(r/2と表わされる。
回転が始まっていない場合、またはωが符号を変える場合、静止摩擦係数が回転の開始を支配する。τ4dが、スピンドルを「解放」するほど十分に大きい場合、過渡が生じうる。要約すると、好ましい動作モードは、τ4d/τ4f>>1の場合である。
ウェルの壁面とスピンドルとの間の摩擦力を最大にするために、多数の選択肢が利用可能である。摩擦係数を大きくすべくスピンドルの表面を削り、あるいはスピンドルの表面にローレット加工を施すことが、本発明のいくつかの実施形態のための選択肢である。スピンドルの表面及びウェルの壁面に摩擦係数の大きい材料を選択することが、本発明のいくつかの実施形態のための別の選択肢である。しかしながら、これらの場合において、対象の摩擦係数は、スピンドルが壁面に沿って転がっているため、運動係数というよりはむしろ静止係数であることに留意されたい。スピンドルが、転がるよりもむしろ壁面に沿って滑っている場合には、運動摩擦係数が重要になる。同様に、スピンドルとウェルの床との間の摩擦を、適切な材料を選択することによって最小限にすることができる。典型的に手段は、アルミニウム及びステンレス鋼などの材料から製造されるが、銅及びプラスチックなどの他の多くの材料も利用可能であり、そのような実施例は、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
上記の検討においては、スピンドルを円柱であると仮定した。さまざまな形状及び重量のスピンドルを、本発明の実施形態において利用でき、慣性モーメント及びトルクについての式を相応に調節できることを、容易に理解できる。したがって、多様なスピンドルの重量、形状、及び材料を利用して、本発明の実施形態において適切な摩擦係数または他の値を得ることができ、本明細書に提示される実施例は、添付の特許請求の範囲を限定するものではない。
システムの変数のいくつかについて、以下の関係
Figure 0005489233
によって表わされる別の値αを考慮する場合が存在しうる。
α=0である動作領域は、一定のωでのスピンドルの滑らかな回転をもたらす。αがゼロに等しいためには、通常は、ω=−ωまたはr=0という2つの条件の一方が満足されなければならない。この場合、αは、rまたはrのいずれかとは関係ない。α<<1の場合、スピンドルは、きわめて一定に近い速度で回転する。したがって、α<1の値の場合、dθ/dtは通常は同じ符号を有し、スピンドルは、変化する速度で一方向に回転する。α>1の場合には、dθ/dtが正及び負の間を変化し、接触点の運動が方向を変え、交互に時計方向及び反時計方向に回転し、正味の回転はゼロである。αがきわめて大きい場合、スピンドルの回転はゼロに近づく。
したがって、r=0に設定すると、有用であると考えられる別の手段の構成なる。そのような手段の実施形態においては、スピンドルウェルが、プラネットの縁に位置するよりもむしろ、プラネットの中央に中心を有すると考えられる。そのような手段は、2つ以上のスピンドルを保持することはできないが、直径が数インチにもなるスピンドルウェルを可能にし、大型または一風変わった形状の基材への成膜を可能にする。
αが1に近く、あるいは1に等しい場合には、興味深い別の事例が生じる。例えば、αの値が1に近いとき、数学的分析によれば、スピンドルが大きくかつ急激な加速度及び減速度にさらされる。実験によれば、このときに、駆動トルクがスピンドルとウェルの壁面との間の摩擦力に打ち勝つほどに大きくなって、スピンドルが滑り、不規則な粗い運動が生じる。したがって、スピンドルが滑らかに回転するためには、αがこの範囲にならないように確保するために、適切な機械または装置のパラメータを選択しなければならない。
図11は、本発明の実施形態の回転速度のグラフ表示である。図11に示すように、0.4というα及び60rpmというプラネットの回転速度の場合の1秒の時間期間におけるプラネットの回転速度42、ウェルの壁面上の任意の点の回転速度41、及び基材の回転速度43についてグラフ表示されている。y軸が、ラジアン/秒(rad/sec)という単位で回転速度を示し、一方で、x軸は、秒単位で時間を示している。平たい線が一定なプラネットの回転速度を表わし、一方で、大きな曲線41がfを示している。予想されるとおり、壁面上の点は、プラネットの回転速度よりも小さい回転速度で始まって、プラネットの回転速度よりも高い値でピークとなるまで徐々に速度を上げ、次いで再び速度を落とす。2つの曲線のうちの小さい方の曲線43が、fを表わしているが、これは、fに機械の構成によって定まる幾何学的な係数を乗じたものに相当する。
図12は、本発明の実施形態の角加速度のグラフ表示である。図12に示すように、図11に示した曲線の微分係数が提示されている。αは、やはり0.4であり、プラネットの回転は、60rpmである。y軸が、ラジアン/秒という単位で角加速度を示し、一方で、x軸は時間を示している。大きい方の曲線48は、壁上の点の角加速度が時間とともにどのように増加し、次いで減少するかを示している。小さい方の曲線49は、回転する基材の角加速度を表わしている。
図13は、本発明の実施形態の回転速度のグラフ表示である。図13を参照すると、毎秒1回転というプラネットの回転速度ならびに1.7及び0.7というαの値について、回転速度fがグラフ表示されている。y軸が、ラジアン/秒という単位で回転速度を示している一方で、x軸は、時間を示している。x軸の下方へと降下している第1の曲線52が、1.7というαの値における回転を表わしており、軸の上方及び下方の面積を調べることによって明らかになるとおり、部品の正味の回転は存在しない。これは、スピンドルがウェル内で往復の揺動を行うが、ウェルの壁面に沿った正味の前進は行わないという実験的証拠に合致している。第2の曲線53は、0.7というαの値における回転を表わしている。
従来の手段は、各々の基材がターゲットの前面を過ぎ、あるいは酸化領域を通過するときに、少なくとも完全に1回転することを確保するために、約1000rpmで基材を回転させている。下記の表1は、種々のαの値において測定されたθの値を示している。表1の値を参照すると、本発明の実施形態による典型的な手段は、より低速な回転速度をもたらすことができ、基材の正しい位相を保証するためのシステムパラメータの選択が重要である。基材がターゲットの前面を過ぎるときに毎回同じやり方で直面すると、非均一な成膜につながるので、そのようなことがないように、関連のパラメータを適切に選択しなければならない。さらに、表1は、ウェルに配置されたスピンドル、固定のロッドに配置された大型の開口端の管、及び固定のロッドに配置された小型の開口端の管について、いくつかのαの値ならびに種々のドラム及びプラネットの回転速度において観察された回転速度を示している。表2から表4は、表1のデータのさらに詳細な調査を示しており、各々の回転する基材を順に分析し、理論上の回転速度を実際に観察された回転速度と比較している。
表1:種々のαにおいて測定されたθの値の表(周波数の単位は、分かり易さのためにrpsではなくてrpmである)。下記の表における値:スピンドルウェルの直径 17.3mm、ディスクスピンドルの直径 15.8mm、大径ロッドの直径 11.97mm、小径ロッドの直径 6.5mm、ガラス管の内径 14.9mm。
Figure 0005489233
表2:種々のαの値における実験によるスピンドル回転速度と理論上のスピンドル回転速度との比較。
Figure 0005489233
Figure 0005489233
表3:種々のαの値における実験による大径ロッドの回転速度と理論上の大径ロッドの回転速度との比較。
Figure 0005489233
表4:種々のαの値における実験による小径ロッドの回転速度と理論上の小径ロッドの回転速度との比較。
Figure 0005489233
上記の表1〜表4を参照すると、0.7未満のαの値においては、予測された回転速度と観察された回転速度との比が、10パーセントの範囲内に入っており、十分に実験誤差の範囲内である。このことは、実験によって決定することができる幾何学的因子が機械に存在することを示している。この因子を決定することによって、各部品の回転速度を、正確に予測することができる。0.29というαの値において、手段を予想される速度で回転させるための十分な求心力をもたらすことができないほどに遅いプラネットの回転速度に起因して、1つの例外が生じている。1以上のαの値においては、理論上は各部品は回転しないはずであり、実験的証拠は、この理論を反映している。0.7〜1の間のαの値においては、手段の動きがもはや滑らかでないことが実験から明らかであり、実験による回転速度が、もはや予測された回転速度に従っていない。これは、動作の最適領域が、αが1未満であり、あるいは1よりもはるかに小さい場合である旨を述べている理論に一致している。さらに、本発明の実施形態によれば、層の数が40を超えかつ厚さが4ミクロンよりも大きい複雑な膜を1〜2パーセントの範囲内にてランプへと成膜できることが実験によって示されている。各々の層がターゲットを数回通過することを必要としてよい。
本発明のいくつかの実施形態は、スピンドルがウェルの壁面に滑ることなく接触したままの状態で動作することができる。一実施形態における他の動作モードは、スピンドルが常にウェルの壁面に接しているのではなく、一方向に回転しつつ無作為な間隔で壁面との接触から離れる状況であってもよい。スピンドルウェルの壁面のスピンドルに対する運動は、通常は、任意の接触点において一方向であり、したがって、回転速度は無作為であるが、スピンドルを一方向に回転している状態に保つ。この事例に該当するパラメータを割り出すために、スピンドルが壁面にとどまる状態を割り出すために用いた数学式と同じ数学式を、利用することができる(この場合には、スピンドルが壁面に常に接触しているわけではないため、αは意味のあるパラメータではない)。
一実施形態におけるさらなる動作モードは、スピンドルがスピンドルウェルの壁面から無作為かつさまざまな方向に跳ね返り、最初にある方向に回転し、その後に別の方向に回転する状況であってもよい。回転の速度も無作為であってもよい。やはり、この事例が当てはまる場合を割り出すために、先の事例で述べた数学式を使用することが可能である。数学的な分析によって、いつスピンドルが壁面から離れるかを予測することができるが、ひとたびこれが生じたときのスピンドルの運動を予測するものではないことに、留意されたい。
本発明のさらなる実施形態は、典型的な手段をディスク成膜装置において使用することができる。図14が、本発明の別の実施形態の斜視図である。図14に示すように、典型的な手段を、ディスク成膜装置200において使用することができる。そのような実施形態においては、1つ以上のプラネット220を、ディスク210の上面202の外周に沿って配置することができる。ディスク210を、その中心軸を中心にして回転速度ωで回転するように駆動でき、一方で、各々のプラネット220は、自身の中心軸を中心にして回転速度ωで回転するように駆動される。各々のプラネット220を、同じまたは異なる回転速度で回転するように駆動することができる。スピンドル230が、各々のプラネット220の外周に沿って配置され、上述のドラムの構成の検討において述べたとおりに回転する。プラネット240からなる1つ以上の内側リングを、ディスク210の上面202にさらに配置してもよい。プラネットからなる内側リングの各々のプラネットを、自身の中心軸を中心にして別の回転速度ωで回転するように独立に駆動することができる。当然ながら、ωは、ωと同じでも、同じでなくてもよい。プラネットからなる外周のリングと同様に、各々のプラネット240を、同じまたは異なる回転速度で回転するように駆動することができる。基材(図示されていない)を、それぞれのスピンドルに適切に配置することができる。
このように、回転系に存在する求心力を利用して、歯車または軸受を使用することなく基材を回転させることで、従来技術において直面される問題を軽減することが、本発明の実施形態の態様である。
収容すべき歯車及び軸受を持たず、従来のラック及び手段よりも大幅に薄い新規な手段を提供することで、遮蔽を大幅に少なくして成膜の均一性を改善することが、本発明の実施形態の1つの態様である。成膜にきわめて高い精度が要求される本発明の実施形態においては、所定の設計に従って基材の或る部分を意図的に遮蔽するために、マスキングを設けてもよい。
スピンドルまたは回転する管状の基材を滑らかかつ連続的に運動させるための機械のパラメータを選択することによって、手段の動作条件を選択することも、本発明の実施形態の態様である。正しい条件のもとで、基材の回転を段階的に行うことができ、このことは、均一な膜の分布及び酸化にとって重要である。また、厚さ4ミクロンを超える複雑な多層膜にて基材に均一に成膜を施すことも、本発明の実施形態の態様である。これらの膜を、ターゲットを複数回通過させる必要があり、1〜2パーセントの厚さのばらつきを有することができるいくつかの層で構成することができる。
本発明の好ましい実施形態を説明したが、上述した実施形態が例示にすぎず、本発明の技術的範囲は、あらゆる均等物ならびに本明細書を通読した当業者にとって自然に想起される多数の変種及び変形を含む添付の特許請求の範囲によってのみ定められることを、理解されたい。

Claims (12)

  1. ディスクに基材ホルダを介して配列された基材群を前記ディスクを配列したキャリアの長手軸を中心とする第1の角運動にて1つ以上の成膜材料源を過ぎて移動させつつ同時に前記ディスクの回転による第2の角運動にて移動させて、配列された前記基材群に材料の層を成膜するプロセスであって、
    前記基材ホルダ、前記ディスク及び前記キャリアのそれぞれの軸(回転軸,中心軸)は、すべて縦向き(垂直)、かつ、平行であり、
    前記第1及び第2の角運動からの求心力によって生じる第3の角運動が、前記の各基材を、各々の基材ホルダの軸上で回転させることを特徴とするプロセス。
  2. 前記第1及び第2の角運動が、同じ方向である請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記第1及び第2の角運動が、反対の方向である請求項1に記載のプロセス。
  4. 前記第3の角運動が、一方向において速度を変化させる請求項1に記載のプロセス。
  5. 前記第3の角運動が、方向を変化させる請求項1に記載のプロセス。
  6. ディスクに基材ホルダを介して配列された基材群を前記ディスクを配列したキャリアの長手軸を中心とする第1の角運動にて1つ以上の成膜材料源を過ぎて移動させつつ同時に前記ディスクの回転による第2の角運動にて移動させて、配列された前記基材群に材料の層を成膜するプロセスにおいて、
    前記基材ホルダ、前記ディスク及び前記キャリアのそれぞれの軸(回転軸,中心軸)は、すべて縦向き(垂直)、かつ、平行であり、
    配列された前記基材群を1つ以上の成膜材料源を過ぎて移動させるために、
    1枚又はそれより多いディスクが軸方向に整列され、各ディスクが各ディスクの外周に沿って配置された複数の基材ホルダを有しているパレットを1つ以上設けるステップ、
    パレットキャリアを設けるステップ、
    前記パレットを、前記パレットキャリアの外周に沿って配置するステップ、
    各々の基材を前記基材ホルダに配置するステップ、
    前記パレットキャリアを、当該キャリアの中心軸を中心にして第1の角運動として回転するように駆動するステップ、及び
    各ディスクが当該ディスクの中心軸を中心にして回転するように、前記パレットを第2の角運動として駆動するステップを含み、
    前記パレットキャリア及び前記パレットを回転したとき前記基材に加わる力が、第3の角運動として各々の基材を当該基材の中心軸を中心にして回転させることを特徴とするプロセス。
  7. 前記パレットが、前記キャリアと同じ方向に駆動される請求項6に記載のプロセス。
  8. 前記パレットが、前記キャリアとは反対の方向に駆動される請求項6に記載のプロセス。
  9. 基材ホルダである1つ以上のスピンドルが、一方向に回転する請求項6に記載のプロセス。
  10. 基材ホルダである1つ以上のスピンドルが、時計方向及び反時計方向の回転を交互に行う請求項6に記載のプロセス。
  11. 1つ以上の基材ホルダが、略円柱形のスピンドルを備え、各スピンドルが、ディスクの外周付近に形成されたスピンドル保持ウェルに配置され、各々のウェルが、該ウェルに配置されるスピンドルの直径よりも大きい直径を有している請求項6に記載のプロセス。
  12. 1つ以上の基材ホルダが、ディスクの外周付近に配置されたロッドを備えている請求項6に記載のプロセス。
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