JP2020122193A - 成膜装置 - Google Patents

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基史 鈴木
美沙 鐘川
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美沙 鐘川
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今日子 名村
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直也 波多野
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Abstract

【課題】転動体に均一な薄膜を形成することができる成膜装置を提供する。【解決手段】転動体Rを収容する収容器3と、前記収容器3に収容された前記転動体Rへの成膜を行うスパッタガン5と、を備えた成膜装置1であって、前記収容器3は、前記転動体Rを載置するための載置面311と、前記載置面311に対し前記転動体Rが通過しない隙間を空けて前記載置面311上に設けられ、前記転動体Rの前記載置面311への追随を阻害するスポーク32と、前記載置面311をスポーク32に対し相対移動させる移動手段と、を備えた、成膜装置1。【選択図】図2

Description

本発明は、転動体に薄膜を形成する成膜装置に関する。
従来より、ステンレス球などの転動体に薄膜を形成する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、真空中においてスパッタリングによって転動体上に固体潤滑膜を形成する技術が開示されている。
図15(a)は、特許文献1に開示されているスパッタ装置100の側断面図であり、図15(b)は、図15(a)のAA’線に沿う治具104の平面図である。スパッタ装置100では、真空チャンバー101の中の上部に二硫化モリブデンからなるターゲット102が設けられ、下方には回転テーブル103が設けられている。回転テーブル103の上には、ターゲット102に対向する半径方向位置に玉(転動体)106を載せる治具104が設置され、ターゲット102と玉106との間にシャッタ105が設けられている。
さらに、図15(b)に示されるように、治具104には、ターゲット102に対向する回転円周上に、ターゲット直径に近い幅の外リング141と内リング142からなるリング溝が設けられている。その円周方向に複数の仕切り部材143が設けられ、リング溝と仕切り部材143により転動体収納部144が形成され、転動体収納部144に複数の玉106を載せる際に転動体収納部144を塞がないように空き間44aを設けるようにしている。また、転動体収納部144内における玉106の転動が可能なように、回転テーブル103には玉106に加速度を付与するための正転・逆転および加速・減速の繰り返しを行う回動機構109が設けられている。これにより回転テーブル103に設けた治具104の上で玉106をランダムに転動させるようにしてある。
このような構成において、真空チャンバー101内を真空に引いてスパッタを行うと、玉106は回転テーブル103の回動機構109により加速度を受けて治具104上の転動体収納部144内をランダムに転がり、ターゲット102に対してスパッタされる玉106の面が時間変化と共に順次変わるため、玉106の全面にスパッタが行われる。
特開平10−183343号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、回転テーブル103を正転および逆転させて、玉106をランダムに転動させながら成膜を行っているため、玉106同士が頻繁にぶつかり合う。その結果、玉106に形成された薄膜がはがれやすくなり、均一な薄膜を得ることは難しい。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであって、転動体に均一な薄膜を形成することができる成膜装置を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意研究を行った結果、転動体を載置するための載置面に、転動体が通過しない隙間を空けて追随阻害手段を設け、載置面を追随阻害手段に対し相対移動することで転動体を回転させ、この状態で成膜を行うことにより、均一な薄膜を形成することができることを見出した。すなわち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.
転動体を収容する収容器と、
前記収容器に収容された前記転動体への成膜を行う成膜手段と、
を備えた成膜装置であって、
前記収容器は、
前記転動体を載置するための載置面と、
前記載置面に対し前記転動体が通過しない隙間を空けて前記載置面上に設けられ、前記転動体の前記載置面への追随を阻害する追随阻害手段と、
前記載置面を前記追随阻害手段に対し相対移動させる移動手段と、
を備えた、成膜装置。
項2.
前記移動手段は、前記載置面を回転させる、項1に記載の成膜装置。
項3.
前記載置面は円形であり、
前記追随阻害手段は、前記載置面の径方向に伸びるスポークである、項2に記載の成膜装置。
項4.
前記成膜手段は、スパッタガンである、項1〜3のいずれかに記載の成膜装置。
本発明によれば、転動体に均一な薄膜を形成することができる成膜装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る成膜装置の概略図である。 (a)は、成膜装置に設けられた収容器の平面図であり、(b)は、当該収容器のBB’断面図である。 転動体が回転する原理を説明するための図である。 (a)は、変形例に係る収容器であり、(b)は、当該収容器の側視図であり、(c)は、当該収容器のCC’断面図である。 スパッタガンと皿との位置関係を示す図である。なお、図5では、収容器の皿およびホルダ以外の部材は省略している。 (a)は、載置面上に転動体を載置した状態を示す平面図であり、(b)は、当該状態を示す写真である。 転動体に形成する光干渉膜の構造を示す概略図である。 実施例において成膜された試料の外観を示す図である。 スパッタガンからSiOをスパッタリングする場合の粒子の入射方向と各転動体の回転軸の関係を説明するための平面図である。 (a)は、載置面上の一領域での成膜中の様子の拡大図であり、(b)は、載置面上の他の領域での成膜中の様子の拡大図である。 SiO粒子の出射距離と膜厚との関係を測定する実験の説明図である。 図11の基準線に示した載置面の端からの距離に対する膜厚をプロットした結果を示すグラフである。 SiOのスパッタガンからの転動体の位置に関する膜厚分布を示す図である。 実施例において成膜された転動体上の異なる3か所で測定した反射スペクトルを示すグラフである。 (a)は、従来のスパッタ装置の側断面図であり、(b)は、図15(a)のAA’線に沿う治具の平面図である。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、本発明は、下記の実施形態に限定されるものではない。
(全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る成膜装置1の概略図である。成膜装置1は、転動体に薄膜を形成する装置であり、成膜室2と、収容器3と、加熱装置4と、スパッタガン5と、を主に備えている。成膜室2は、ロータリーポンプ11およびクライオポンプ12からなる真空排気装置によって内部が真空に保たれている。
収容器3は、転動体を収容する部材である。収容器3の具体的な構成は、後述する。加熱装置4は、収容器3の下方に設けられており、収容器3の温度を調節する。
スパッタガン5は、収容器3に収容された転動体への成膜を行う成膜手段である。本実施形態では、スパッタガン5は3つ設けられており、3つのスパッタガン5は、転動体にそれぞれ、Ag鏡面、SiO層およびAgナノ粒子層をスパッタリングによって形成する。各スパッタガン5は、収容器3に対向するターゲット51を備え、高周波電源13からターゲット51にマイナス電圧を印加してグロー放電を発生させ、放電ガス(Ar)をイオン化して、高速でターゲット51の表面にガスイオンを衝突させる。これにより、ターゲット51を構成する成膜材料の粒子(原子・分子)が弾き出され、収容器3に収容された転動体に薄膜が形成される。放電ガスの流量は、マスフローコントローラ14によって制御される。
(収容器の構成)
図2(a)は、収容器3の平面図である。また、図2(b)は、図2(a)に示す収容器3のBB’断面図である。収容器3は、皿31と、スポーク32と、スポークホルダ33と、支持部材34と、を主に備えている。
皿31は、転動体Rを載置するための載置面311を有している。本実施形態では、皿31は円盤状であり、載置面311は円形である。皿31は、ホルダ35上に設けられており、図示しないステッピングモータ(移動手段)によってホルダ35とともに回転することができる。転動体Rは、本実施形態では、微小な球体である。
スポーク32は、皿31の載置面311の径方向に伸びる棒状部材である。スポーク32は3本設けられており、載置面311の中心上の接続部321で接続されている。3本のスポーク32は、接続部321から120°の角度で3方向に分岐している。また、スポーク32は、載置面311に対し転動体Rが通過しない隙間を空けて載置面311上に設けられている。これにより、後述するように、スポーク32は、載置面311(皿31)が回転した場合に、載置面311の移動に伴う転動体Rの載置面311への追随を阻害する追随阻害手段として機能する。
なお、スポーク32の本数は、特に限定されない。また、スポーク32の幅および厚さは、転動体Rが乗り越えない程度の大きさであれば、特に限定されない。スポーク32と載置面311との間の隙間の大きさも、転動体Rの直径より小さければ特に限定されないが、転動体Rの直径の1/2以下であることが好ましい。
スポークホルダ33は、スポーク32を支持するリング状の部材である。スポークホルダ33の内周縁には、スポーク32の端部が接合されている。スポークホルダ33の内周の直径は、載置面311の直径よりも小さく、スポークホルダ33の内周縁も、載置面311に対し転動体Rが通過しない隙間を空けて離間している。これにより、載置面311上に載置された転動体Rは、載置面311が回転しても、スポーク32およびスポークホルダ33の内周で仕切られた領域内にとどまる。
支持部材34は、スポークホルダ33を支持する部材であり、本実施形態では3つ設けられている。各支持部材34の一端は、スポークホルダ33の底面の3箇所で接合されており、各支持部材34の他端は、ボルト36によって固定されている。
載置面311が回転すると、図3に示すように、載置面311がスポーク32に対し相対移動する。このとき、載置面311上の転動体Rは、載置面311に追随するが、載置面311とスポーク32との隙間は転動体Rが通過できない大きさであるため、スポーク32に接触した後、スポーク32によって載置面311への追随が阻害される。これにより、スポーク32と転動体Rとの摩擦係数が載置面311と転動体Rとの摩擦係数よりも著しく大きくない限り、転動体Rは、スポーク32に接触しながらその場で回転する。
転動体Rの回転軸は常に一定ではなく、他の転動体Rとの接触などにより、ランダムに変化する。この状態で、各スパッタガン5によってそれぞれ所定時間スパッタリングを行うことにより、スパッタ粒子が転動体R上に満遍なく堆積する。
以上のように、本実施形態では、転動体Rを載置するための載置面311に、転動体Rが通過しない隙間を空けてスポーク32を設け、載置面311をスポーク32に対し相対移動することで転動体Rを回転させ、この状態で成膜を行っている。これにより、転動体Rに均一な薄膜を形成することができる。
(変形例)
上記実施形態では、載置面311は円形であったが、載置面311の形状は特に限定されない。
図4(a)は、変形例に係る収容器3’であり、図4(b)は、収容器3’の側視図であり、図4(c)は、収容器3’のCC’断面図である。
収容器3’は、ベルト31’と、棒状部材32’と、支持部材33’と、を主に備えている。ベルト31’は帯状であり、2つのローラ37によって矢印の方向に移動する。ベルト31’の上面が、転動体Rを載置するための載置面311’となる。
棒状部材32’は、載置面311’に対し転動体Rが通過しない隙間を空けて載置面311’上に設けられている。棒状部材32’の延伸方向は、載置面311の移動方向と直交している。
支持部材33’は、棒状部材32’を支持する部材であり、棒状部材32’の両端に接続されている。支持部材33’は、上側のベルト31’の側方に近接して設けられている。
このような構成により、載置面311’上に載置された転動体Rは、載置面311’が移動しても、棒状部材32’および支持部材33’で仕切られた領域内にとどまる。載置面311’が移動すると、載置面311’が棒状部材32’に対し相対移動する。このとき、載置面311’上の転動体Rは、載置面311’に追随しようとするが、棒状部材32’によって、載置面311’への追随が阻害される。これにより、転動体Rは、棒状部材32’に接触しながらその場で回転する。
この状態で、図示しないスパッタガンなどの成膜手段によって、転動体Rに成膜を行うことにより、転動体Rに均一な薄膜を形成することができる。
(付記事項)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、皿31を回転させることにより、載置面311をスポーク32に対し相対移動させていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、皿31を固定してスポーク32(スポークホルダ33)を回転させることにより、載置面311をスポーク32に対し相対移動させてもよい。
また、転動体Rは、載置面上を転動する物体であれば特に限定されず、例えば、多面体であってもよい。
また、上記実施形態では、スパッタガン5が3つ設けられていたが、スパッタガン5の個数は特に限定されない。転動体Rに形成される薄膜の種類および層数も、特に限定されない。
また、転動体Rに薄膜を形成する方法も、スパッタリングに限定されず、真空蒸着、イオンプレーティングなどのPVD法、あるいは、プラズマCVDなどのCVD法が適用できる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれに限定されない。
(転動体への成膜)
本実施例では、図1に示す成膜装置1を用いて、転動体RにAg鏡面/SiO層/Agナノ構造層からなる光干渉膜を形成した。転動体Rは、直径2mmのステンレス球を用いた。
成膜手段は、3つのスパッタガン5からなる三元マグネトロンスパッタガンを用いた。図5に示すように、各スパッタガン5の軸線と鉛直方向とのなす角度(スパッタガン5の指向方向の皿31への入射角)は28°であり、ターゲット51と収容器3の中心との距離は100mmであった。ターゲット51としては、2つのSiOのターゲットと1つのAgターゲットを用意した。いずれのターゲットも、直径50mm、純度99.99%のものを用いた。
図6(a)および(b)に示すように、載置面311上のスポーク32で区切られた3つの領域311a,311b,311cに、それぞれ9個または10個の転動体Rを載置した。そして、領域311a,311bの各中心線(領域を二等分する径方向の線)に沿ってAg粒子が入射し、領域311cの中心線に沿ってSiO粒子が入射するように、各スパッタガン5にターゲット51を設置した。
皿31を10.0rpmで回転させたところ、転動体Rの連続した転動が確認できた。この状態で、図7に示すようなAg鏡面/SiO層/Agナノ構造層からなる光干渉膜を転動体Rに形成した。具体的には、成膜室2に放電ガス(Ar)を導入し、高周波電源13の出力を50W、成膜室2内の圧力を0.90Paに設定して、転動体RにAg粒子をスパッタリングすることにより、200nmのAg鏡面を形成した。続いて、高周波電源13の出力を150W、成膜室2内の圧力を1.0Paに設定して、Ag鏡面上にSiO粒子をスパッタリングすることにより、SiO層を形成した。SiO層の膜厚は、試料ごとに40nm、80nm、120nm、140nm、160nmの5段階に異ならせた。さらに、高周波電源13の出力を30W、成膜室2内の圧力を0.82Paに設定して、SiO層上にAg粒子をスパッタリングすることにより、Agナノ構造層を形成した。Agナノ構造層の膜厚は、試料ごとに5nm、7nm、10nmの3段階に異ならせた。作製した試料の各層の膜厚を表1に示す。
(試料の外観と膜厚の均一性)
成膜された試料1〜7の外観を図8に示す。成膜の際に載置した領域311a〜311cごとに、各試料の代表的な3つを抽出した。光の干渉により、SiO層およびAgナノ構造層の膜厚に応じて、試料の色が変化する。領域311bでは、各試料とも、色のばらつきが殆ど無く、各層の膜厚の均一性が良好であることが分かった。一方、領域311aおよび領域311cでは、試料によっては、色のばらつきが存在し、各層の膜厚の均一性が劣っていた。この結果については、
・スポークの配置の影響
・スパッタガンの傾きの影響
という2つの原因が考えられる。
まず、スポークの配置の影響について考察する。図9は、スパッタガン5からSiOをスパッタリングする場合の粒子の入射方向と各転動体Rの回転軸の関係を説明するための平面図である。領域311aではSiO粒子の入射方向と転動体Rの回転軸が平行だが、領域311bおよび領域311cでは平行でない。
図10(a)は、領域311aでの成膜中の様子の拡大図である。この場合は、スパッタガン5に対して自身の影に入り込む時間が長くなる部分が存在し、1つの転動体R上に膜厚の差が現れ均一性が悪化すると考えられる。
図10(b)は、領域311b,311cでの成膜中の様子の拡大図である。この場合は、スパッタガン5側を向く面と影になる部分が交互に入れ替わり、膜厚の均一性が向上すると考えられる。スポーク32は各スパッタガン5に対称に配置しているので、どのスパッタガン5に対しても均一性が向上する領域と悪化する領域が存在する。したがって、1つの転動体Rで、領域311aではSiO層の膜厚がばらつきやすく、領域311cではAg層の膜厚がばらつきやすく、領域311bではSiO層およびAg層のいずれの膜厚もばらつきにくいと考えられる。
次に、スパッタガンの傾きによる影響について考察する。図5に示したように、スパッタガン5は軸線と鉛直方向のなす角度が28°となるように取り付けられているため、載置面上の位置によって膜厚分布があると考えられる。これを検証するため、載置面311を静止させたことを除き、上述の「転動体への成膜」と同じ態様で、転動体RにSiO層を形成した。このとき図11に示すように、SiOの出射方向と収容器3の中心を結ぶ直線に対して垂直に載置面311を設置した。載置面311には5mmの等間隔で81個の点を打ち、無作為に21箇所の膜厚を測定した。
図12は、図11の基準線Lに示した載置面311の端からの距離に対する膜厚をプロットした結果を示すグラフである。図12に示すように、ターゲットとの距離が長くなるにつれて膜厚が直線的に減少することがわかった。他のスパッタガンについても同じことが言えると考えられる。
図13は、SiOのスパッタガン5からの転動体Rの位置に関する膜厚分布を示す図である。各破線上で同量のSiO粒子が堆積する。領域311aでは、おおむね破線に直交する方向に転動体Rが並んでいるが、領域311b,311cでは、おおむね破線に沿って転動体Rが並んでいる。したがって、領域311aではSiO層の膜厚がばらつきやすく、領域311cではAg層の膜厚がばらつきやすく、領域311bではSiO層およびAg層のいずれの膜厚もばらつきにくいと考えられる。
以上のように、
・スポークの配置の影響
・スパッタガンの傾きの影響
により、領域311bでは、他の領域311a,311cに比べて、転動体Rに多層膜を作製する際に、各層の膜厚が均一になると考えられる。
次に、領域311bで作製した光干渉膜の具体的な均一性について確認した。領域311bで作製された試料5から1つの転動体Rを取り出し、この転動体R上の異なる3か所で測定した反射スペクトルを、図14に示す。3つの反射スペクトルはほぼ一致していることから、実際に領域311bで作製した転動体Rの膜厚の均一性がよいことがわかった。
1 成膜装置
2 成膜室
3 収容器
31 皿
311 載置面
311a〜311c 領域
32 スポーク(追随阻害手段)
321 接続部
33 スポークホルダ
34 支持部材
35 ホルダ
36 ボルト
37 ローラ
3’ 収容器
31’ ベルト
311’ 載置面
32’ 棒状部材(追随阻害手段)
33’ 支持部材
4 加熱装置
5 スパッタガン(成膜手段)
51 ターゲット
R 転動体

Claims (4)

  1. 転動体を収容する収容器と、
    前記収容器に収容された前記転動体への成膜を行う成膜手段と、
    を備えた成膜装置であって、
    前記収容器は、
    前記転動体を載置するための載置面と、
    前記載置面に対し前記転動体が通過しない隙間を空けて前記載置面上に設けられ、前記転動体の前記載置面への追随を阻害する追随阻害手段と、
    前記載置面を前記追随阻害手段に対し相対移動させる移動手段と、
    を備えた、成膜装置。
  2. 前記移動手段は、前記載置面を回転させる、請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記載置面は円形であり、
    前記追随阻害手段は、前記載置面の径方向に伸びるスポークである、請求項2に記載の成膜装置。
  4. 前記成膜手段は、スパッタガンである、請求項1〜3のいずれかに記載の成膜装置。
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