JP5488403B2 - 油圧制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、変速機に対して供給する油圧を制御する装置に関するものである。
油圧は動力を伝達する手段として有効であり、各種の機械装置類で採用されている。例えば、特許文献1には、ベルト式無段変速機の油圧制御装置について記載されており、この特許文献1に記載された装置は、ベルト式無段変速機の駆動プーリおよび従動プーリの各油圧室に対して油圧を給排し、その油圧によってベルトの巻き掛け半径を変化させたり、ベルト挟圧力を発生させたりするように構成されている。また、特許文献1に記載された装置は、油圧によるベルト挟圧力制御の応答性を向上させるために、各油圧室に対して油圧を供給する油圧供給用の電磁制御式開閉弁と各油圧室から油圧を排出する油圧排出用の電磁制御式開閉弁とがそれぞれ設けられている。そのため各油圧室に対する油圧の供給および排出は個別の電磁制御式開閉弁によって行われるので、油圧の漏れが抑えられて油圧回路の密閉性が高くなり、その結果、油圧応答性を向上できる、とされている。
欧州特許第0985855号明細書
しかしながら従来一般的に、圧油はギアによって掻き上げられたり、車両の振動などによって撹拌され、空気と混合しているので、不可避的に空気が混入した圧油が油圧室に供給されるようになる。また、車両のエンジンの停止時には、油圧を発生させるオイルポンプも停止するので、油圧室の油圧が次第に低下し、またこれに伴って油圧室に不可避的に空気が混入する。その結果、油圧室の油圧を上昇させるためには、圧油に混入した体積弾性率の低い空気が油圧によって圧縮されるまで油圧室における油圧(圧力)の上昇が生じない。
したがって、特許文献1に記載された構成では、油圧室や油圧回路の密閉性が高いことにより、油圧室やこれに供給される圧油に空気が混入すると、その空気が油圧室や油圧回路に溜まってしまい、この空気がいわゆる空気ばねとして作用して例えばベルト挟圧力制御の油圧応答性が低下する虞がある。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、油圧室に混入した空気を排出して油圧応答性を向上することのできる油圧制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、油圧が供給されることにより動作する油圧供給部が回転体に設けられている油圧制御装置において、前記油圧供給部の内部に混入し、前記油圧供給部に生じる遠心力によって分離されかつ前記油圧供給部の半径方向で内側に集められた空気の量に応じて前記回転体の半径方向に移動可能な可動部材と、該可動部材の移動に伴って開閉されて前記分離された空気を前記油圧供給部の外部に排出する開閉弁とを備えていることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記可動部材の密度は、前記空気と前記圧油との間の密度であることを特徴とする油圧制御装置である。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記開閉弁および前記可動部材は、前記回転体の内部に形成された油圧室に設けられ、その油圧室に対して前記分離された空気を供給する排気管路が前記油圧供給部の半径方向で内側に連通して設けられ、前記油圧供給部と前記排気管路との連通部分よりも前記油圧供給部の半径方向で外側に、前記油圧供給部に対して前記油圧を給排する給排油路が連通して設けられていることを特徴とする油圧制御装置である。
請求項4の発明は、請求項1または3の発明において、前記開閉弁は、弁体を弁座シート部に押し付けることによって閉じ、前記弁体を前記弁座シート部から離隔することによって開くように構成され、かつ前記弁座シート部に対する前記弁体の変位の方向が前記回転体の回転軸線方向に平行になるように配置され、更に前記開閉弁は、前記可動部材の前記回転体の半径方向で外側に向けた移動に伴って前記弁体を前記弁座シート部から離隔させ、前記可動部材の前記回転体の半径方向で内側に向けた移動に伴って前記弁体を前記弁座シート部に押し付けるように前記弁体と前記可動部材とを連結するリンク機構を介して開閉されることを特徴とする油圧制御装置である。
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記回転体の内部に、前記弁体を前記弁座シート部に押し付けるように作用する前記油圧供給部の油圧を相殺する圧力を前記弁体に付与する油圧シリンダ部が更に設けられていることを特徴とする油圧制御装置である。
請求項6の発明は、請求項1の発明において、前記油圧供給部の内部に、前記回転体の回転中心を中心として前記回転体と一体回転するとともに前記回転体の回転軸線に平行に環状のプレートが設けられていることを特徴とする油圧制御装置である。
請求項7の発明は、請求項6の発明において、前記環状のプレートは、その円周方向に分割された複数のプレート片によって構成されるとともに、前記プレート片の密度は前記空気と前記圧油との間の密度とされ、前記プレート片を前記分離された空気の量に応じて前記回転体の半径方向に移動させるガイド機構が前記回転体に一体に設けられていることを特徴とする油圧制御装置である。
請求項8の発明は、請求項1の発明において、前記油圧供給部の内部に、表面張力あるいは毛細管圧力により前記圧油を保持する多孔質弾性部材が設けられていることを特徴とする油圧制御装置である。
請求項9の発明は、請求項1の発明において、前記油圧供給部に対して前記油圧を供給する前記給排油路を、油圧供給用の油路と油圧排出用の油路とに分ける分離手段を備え、 前記油圧供給用の油路に、前記油圧供給用の油路を介して前記油圧供給部に前記油圧を供給する場合に開状態とされ、前記油圧供給用の油路を介して前記油圧供給部から前記油圧を排出する場合に閉状態とされる油圧供給用一方向弁が介装され、前記油圧排出用の油路に、前記油圧排出用の油路を介して前記油圧供給部に前記油圧を供給する場合に閉状態とされ、前記油圧排出用の油路を介して前記油圧供給部から前記油圧を排出する場合に開状態とされる油圧排出用一方向弁が介装されていることを特徴とする油圧制御装置である。
請求項10の発明は、請求項1の発明において、前記油圧供給部は、前記油圧が給排されることによりベルトの巻き掛け半径あるいはベルト挟圧力を変更するベルト式無段変速機におけるプーリの油圧室を含むことを特徴とする油圧制御装置である。
請求項1の発明によれば、空気は、圧油に比較して密度が低いので、油圧供給部の内部に混入した空気は、回転体および油圧供給部の回転に伴って生じる遠心力により油圧供給部の半径方向で内側に移動する。また、相対的に密度の高い圧油は、油圧供給部の半径方向で外側に移動する。そして、遠心力によって分離されかつ油圧供給部の半径方向で内側に集められた空気の量に応じて可動部材が油圧供給部の半径方向で外側あるいは内側に移動することにより開閉弁が開閉されて空気が油圧供給部の外部に選択的に排出される。その結果、油圧供給部の半径方向で内側に集められた空気の量に応じて可動部材が油圧供給部の半径方向で外側あるいは内側に移動して開閉弁が開閉されて体積弾性率の低い空気を選択的に排出することができる。そのため、油圧供給部の内部における圧油の体積弾性率を、圧油に空気が混入していた場合に比較して高くすることができ、油圧応答性を向上させることができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、可動部材の密度は、空気と圧油との間の密度であるので、これらに生じる遠心力はこれらの密度差に応じてそれぞれ異なるようになっている。そのため、油圧供給部が回転すると、その半径方向で内側に空気が集められ、半径方向で外側に圧油が集められ、これらの間に可動部材が移動することになる。そのため、油圧供給部が回転すると、可動部材は、油圧供給部の半径方向で内側に集められた空気の量に応じて油圧供給部の半径方向で外側に押し退けられて移動し、その可動部材の移動距離あるいは変位量に応じて開閉弁が開閉される。その結果、開閉弁は油圧供給部の半径方向で内側に集められた空気の量に応じて開閉されることになり、分離された体積弾性率の低い空気を選択的に排出することができる。そして、油圧供給部の内部における圧油の体積弾性率を、圧油に空気が混入していた場合に比較して高くすることができ、油圧応答性を向上させることができる。
請求項3の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、回転体の内部に形成された油圧室に可動部材および開閉弁が設けられており、その油圧室に対して遠心力によって分離された空気を供給する排気管路が油圧供給部における半径方向で内側に連通して設けられ、油圧供給部に対して油圧を給排する給排油路が油圧供給部と排気管路との連通部分よりも油圧供給部における半径方向で外側に連通して設けられている。遠心力によって分離された空気は油圧供給部における半径方向で内側に移動し、排気管路を通って油圧室に供給されるため、油圧供給部から空気を抜くことができ、したがって、油圧供給部から油圧を排出する場合に、圧油とともに空気が給排油路から排出されることを防止もしくは抑制できる。そのため、油圧供給部の油圧を低下させた後、再び油圧供給部の油圧を上昇させる場合に、給排油路内に留まっていた空気を含んだ圧油を油圧供給部に供給することを防止もしくは抑制できる。その結果、油圧供給部や給排油路に空気が残留しないので、油圧供給部の内部における圧油の体積弾性率を、圧油に空気が混入していた場合に比較して高くすることができ、油圧応答性を向上させることができる。
請求項4の発明によれば、請求項1または3の発明による効果と同様の効果に加えて、開閉弁は、いわゆるポペット弁とされ、その開閉は、リンク機構を介しておこなわれるようになっている。より具体的には、空気量に応じた可動部材の油圧室あるいは回転体の半径方向で外側に向けた移動距離あるいは変位量に応じて、開閉弁の弁体は、リンク機構を介して弁座シート部から離隔させられて開閉弁が開かれ、油圧供給部の外部に空気が選択的に排出される。そして、油圧室の内部において、空気量が減少すると、可動部材の密度は圧油よりも低いので、可動部材は圧油との遠心力の差あるいは圧油から受ける浮力によって油圧室あるいは回転体の半径方向で内側に移動する。また、これに伴って開閉弁の弁体は、リンク機構を介して弁座シート部に向けて移動し、弁座シート部に押し付けられて開閉弁が閉じられる。すなわち、リンク機構を介することによって、空気量に応じた可動部材の移動距離あるいは変位量に伴って開閉弁の開閉あるいは開度を調整でき、分離された体積弾性率の低い空気を選択的に排出することができる。その結果、油圧供給部の内部における圧油の体積弾性率を、圧油に空気が混入していた場合に比較して高くすることができ、油圧応答性を向上させることができる。
請求項5の発明によれば、請求項4の発明による効果と同様の効果に加えて、回転体の内部に、開閉弁の弁体に作用する油圧供給部の油圧を相殺する圧力を発生させる油圧シリンダ部が更に設けられているので、開閉弁の開閉動作に必要とする力から油圧供給部の油圧の影響を減じることができる。その結果、油圧室の内部に導入される空気量や可動部材に作用する遠心力や可動部材に生じる浮力などに応じて開閉弁の開度を調整することができる。
請求項6の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、油圧供給部の内部に環状のプレートが設けられているので、遠心力によって分離された空気と圧油との境界が、回転体や油圧供給部の回転変動および振動などによって波立って、分離された空気と圧油とが再び混ざり合った状態になることを防止もしくは抑制することができる。そして、分離した空気のみを開閉弁から油圧供給部の外部に可及的速やかに排出することができ、油圧応答性を向上させることができる。
請求項7の発明によれば、請求項6の発明による効果と同様の効果に加えて、環状のプレートは、円周方向に分割された複数のプレート片によって構成されるとともに、分割されたプレート片の密度は、空気と圧油との間の密度であり、更に、これらの分割されたプレート片を空気量に応じて油圧供給部の内部で回転体の半径方向に移動させるガイド機構が設けられている。そのため、油圧供給部の内部において、各プレート片は、これらの間の密度差に基づく遠心力の差によって分離された空気と圧油との境界に配置されるようになる。したがって、その境界において、回転体や油圧供給部の回転変動および振動などによって分離された空気と圧油とが再び混ざり合った状態になることを未然に防止もしくは抑制することができる。その結果、空気のみを開閉弁から油圧供給部の外部に排出することができ、油圧応答性を向上させることができる。
請求項8の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、油圧供給部の内部に、圧油を保持し、あるいは圧油が浸潤する多孔質弾性部材が設けられているので、油圧供給部における油圧を低下させる場合や油圧供給部における油圧が不可避的に低下する場合などであっても、圧油をその多孔質弾性部材の内部に留めることができる。その結果、油圧の低下に伴って油圧供給部から圧油が流れ出たり、あるいは漏洩したりすることを防止もしくは抑制できるとともに、油圧供給部における油圧の低下や圧油の流出に伴って不可避的に油圧供給部の内部に空気が入り込むことを防止もしくは抑制することができる。
請求項9の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、油圧供給部に対して油圧を給排する給排油路が油圧供給用の油路と油圧排出用の油路とに分けられ、かつ各油路に、各油路における圧油の流動方向が一方向となるように一方向弁が介装されている。そのため、油圧供給部から油圧を排出する場合は、油圧供給部からの油圧あるいは圧油は、常に油圧排出用の油路に供給されるようになる。また、油圧供給部の内部に空気が混入した場合であっても、その空気が混入した圧油は常に油圧排出用の油路に供給されるようになる。したがって、油圧供給部の内部に混入した空気が油圧供給用の油路に入り込んだり、その油圧供給用の油路に入り込んだ空気が、油圧供給部に再供給されたりすることを未然に防止もしくは抑制することができる。その結果、油圧供給部の内部における圧油の体積弾性率を高くすることができ、油圧応答性を向上させることができる。
請求項10の発明によれば、請求項1の発明による効果と同様の効果に加えて、相対的に高密油性のベルト式無段変速機におけるプーリの油圧室に混入した空気を排出することができる。その結果、プーリの油圧室における圧油の体積弾性率を、圧油に空気が混入していた場合に比較して高くすることができ、油圧応答性を向上させることができる。
この発明に係る油圧制御装置を、車両に搭載される無段変速機をの駆動プーリに適用した例を模式的に示す図である。 図1に示す油圧シリンダ部の作動を模式的に示す図である。 図1に示す開閉弁が開状態の場合における弁体に作用する圧力を模式的に示す図である。 図1に示す構成を改良した例を模式的に示す図である。 図4に示す環状のプレートの他の構成を模式的に示す図である。 図1に示す構成を更に改良した例を模式的に示す図である。 図1に示す構成を更に改良した他の例を模式的に示す図である。
つぎに、この発明を具体的に説明する。この発明に係る油圧制御装置は、車両や航空機、船舶、産業用機械などの各種の分野の機械・装置類に用いることができる。図1に、この発明に係る油圧制御装置を、車両に搭載される無段変速機の駆動プーリに適用した例を模式的に示してある。ケーシング1とエンドカバー2とによって構成される中空部に無段変速機3が収納されている。その無段変速機3は、従来知られているベルト式のものであり、駆動側の回転軸、すなわち例えばエンジンやモータなどの駆動力源からトルクが入力される駆動軸4に取り付けられた駆動プーリ5と、従動側の回転軸、すなわち例えばデファレンシャルギヤなどの出力部材にトルクを出力する従動軸に取り付けられた従動プーリ(図示せず)と、それら駆動プーリ5および従動プーリに巻き掛けられる伝動ベルト6とを備えている。そして、駆動プーリ5および従動プーリに対する伝動ベルト6の巻き掛かり半径を連続的に変化させることにより、変速比を連続的にすなわち無段階に設定できるように構成されている。
駆動プーリ5は、駆動軸4に対してその回転軸線方向に移動可能に取り付けられた可動シーブ7と、可動シーブ7を駆動軸4の回転軸線方向に移動させるための油圧供給部(油圧サーボ機構あるいは油圧アクチュエータと呼ばれることがある。)8と、駆動軸4に対してその回転軸線方向に移動不可能に取り付けられた固定シーブ9とを備え、可動シーブ7と固定シーブ9との間にV字形状のベルト巻き掛け溝が構成されるようになっている。
油圧供給部8について更に説明すると、可動シーブ7と一体回転可能にドラム10が設けられている。そして、可動シーブ7における伝動ベルト6と接触する面とは反対側の面、すなわち可動シーブ7におけるドラム10に対向する面にピストン部11が形成されている。このピストン部11とドラム10の内周面とによって構成される中空部に対して油圧を給排することにより、可動シーブ7を駆動軸4の回転軸線方向で固定シーブ9に対して接近・離隔させるようになっており、したがって、この中空部が油圧供給部8となっている。
図1において、駆動軸4の内部であって固定シーブ9側に、駆動軸4の回転軸線に沿って所定長さの油路12が形成されている。この油路12にはオイルポンプから吐出され、圧力制御弁などによってその圧力が調整された油圧が供給されるようになっている。この油路12と前述した油圧供給部8とが給排油路13によって連通されており、油路12に供給された油圧が給排油路13を介して油圧供給部8に供給され、油圧供給部8の油圧が給排油路13を介して油路12に排出されるようになっている。
また、駆動軸4の内部における可動シーブ7が取り付けられる側に、油圧室14が形成されている。この油圧室14は、油圧供給部8に対して油圧を給排する給排油路13に比較して、油圧供給部8の半径方向で内側に連通された排気管路15を介して油圧供給部8に連通されている。油圧室14の内部には、複数の可動部材16が設けられており、可動部材16の密度は、圧油よりも低く、空気よりも高くなるようになっている。したがって、この可動部材16は圧油に対してフロートとして機能するようになっており、可動部材16は、油圧室14の内部で、油圧室14の内部に混入した空気に押し退けられたり、可動シーブ7の回転に伴ってこれに生じる遠心力によって油圧室14の内部においてその半径方向に移動できるようになっている。
図1において、油圧室14の内部かつ油圧室14からその一部が突出した状態で、弁体17が設けられている。弁体17は、長軸形状あるいは円柱形状に形成され、かつその先端部がテーパ状もしくは半球状に形成されており、弁体17の長手方向が駆動軸4の回転軸線に平行になるように配置されている。ここに示す例では、弁体17の一方の端部は、油圧室14から突出した状態で配置された例を示してあるが、油圧室14の内部に配置されるように構成してもよい。
可動部材16と弁体17の他方の端部とがリンク機構18を介して連結されている。このリンク機構18は、可動部材16の油圧室14の半径方向の移動に伴って弁体17を駆動軸4の回転軸線に沿って移動させるように構成されている。図1に示す例では、リンク機構18は、4つのリンク部材19がその端部で互いに回動可能に連結された平行運動機構(四節回転連鎖)となっており、図1において、上下の連接部分に可動部材16がそれぞれ連結され、左側の連接部分に弁体17の他方の端部が連結され、右側の連接部分が駆動軸4あるいは油圧室14の内部に固定されている。リンク機構18は、要は、可動部材16の半径方向の移動あるいは変位に伴って弁体17の位置を駆動軸4の回転軸線に沿って移動あるいは変位させることができるように構成されていればよい。
油圧室14の側面に、テーパ状もしくは半球状に形成された弁体17の先端部が押し付けられる弁座シート部20が設けられている。この弁座シート部20において、弁体17が押し付けられる部分は、例えば弁体17の先端部の形状に対応するように、弁体17の先端部に対して窪んだテーパ状もしくは半球状に形成されている。また、その中央部に円筒形状のポート21が設けられていて、弁座シート部20に弁体17が押し付けられることによってポート21が閉じ、弁座シート部20から弁体17が引き離されることによってポート21が開くようになっている。したがって、前述した油圧室14、可動部材16、弁体17、リンク機構18、弁座シート部20、ポート21などによってポペット弁(開閉弁)22が構成されており、油圧室14と排気管路15との連通部分が開閉弁22の吸入ポートに相当し、ポート21が開閉弁22の排出ポート21に相当する。
駆動軸4の内部であって開閉弁22の排出ポート21側に、油圧シリンダ部23が設けられている。油圧シリンダ部23は、一例として円筒形状のシリンダケース24を備え、シリンダケース24の一方の端部が弁座シート部20に連結されている。シリンダケース24の内部には、油圧が供給されて動作するピストン部25と、ピストン部25に対してその動作のための油圧を供給するシリンダ油圧室26と、ピストン部25を挟んでシリンダ油圧室26とは反対側にピストン部25に設けられたロッド27とが設けられている。シリンダ油圧室26は、油路28を介して油圧室14に連通されており、したがって、油圧供給部8および油圧室14の油圧とシリンダ油圧室26の油圧とが同じになっている。シリンダケース24とピストン部25との間には、シール部材29が設けられており、シリンダ油圧室26の圧油あるいは油圧の漏洩を防止もしくは抑制するようになっている。ここに示す例では、ピストン部25に所定幅の溝が形成され、その溝にシール部材29が設けられている。
また、油圧シリンダ部23は、そのピストン部25およびロッド27の動作方向が、駆動軸4の回転軸線方向に平行になるように配置されている。ピストン部25およびロッド27は、例えば円柱形状に形成されており、ピストン部25の直径は、シリンダケース24の内径よりも小さく、かつ前述した弁体17と排出ポート21との接触円OC、すなわち円筒形状の排出ポート21の直径と同じか、あるいはこれよりも若干小さくなるように形成されている。ロッド27の直径はピストン部25の直径よりも小さく形成されている。ロッド27の先端部における直径は、排出ポート21の直径よりも小さく形成されており、したがってロッド27の先端部は、排出ポート21を通って弁体17に接触できるようになっている。さらにまた、シリンダケース24とロッド27と間には空隙部30が形成されていて、この空隙部30は、図1に示す例では、ケーシング1およびエンドカバー2とによって構成される中空部あるいはその外部に抜き孔31を介して連通されている。空隙部30は、要は、油圧供給部8の外部に連通されていればよい。
図2は、油圧シリンダ部の作動を模式的に示す図であって、開閉弁が閉状態の場合における油圧シリンダ部の状態を模式的に示してある。前述したように、弁体17は弁座シート部20に押し付けられることによって排出ポート21を閉じ、弁体17を弁座シート部20から離隔することによって排出ポート21を開くように構成されている。そのため、弁体17と排出ポート21との接触部分は、弁体17において円形状あるいはほぼ円形状になり、その直径は排出ポート21の直径と同じかほぼ同じになる。そこで、その円OCの面積を受圧面積Avとし、弁体17に作用する油圧供給部8の油圧をP1とし、空隙部30の圧力(大気圧にほぼ等しい)をP0とすると、圧力P0は圧力P1に抗するように作用するから、開閉弁22の弁体17には、(P1−P0)Avの圧力が弁体17を弁座シート部20に押し付ける方向に作用する。
また、図3に、開閉弁が開状態の場合における弁体に作用する圧力を模式的に示してある。開閉弁22の開状態において、弁体17と弁座シート部20との距離が最も短くなるのは、弁体17において接触円OCが形成される箇所と、弁座シート部20が弁体17に接触して接触円OCを形成する箇所、言い換えれば排出ポート21の内周側に弁体17が接触する箇所との間の距離になる。したがって、弁体17において接触円OCが形成される箇所を境にして弁体17に作用する圧力が変化するとともに、開閉弁22の開度が増大することに伴って、弁体17に作用する開閉弁22を閉じる方向の圧力が減少するようになる。そこで、油圧シリンダ部23のピストン部25の直径すなわちピストン部25の受圧面積を、接触円OCや排出ポート21の直径すなわち受圧面積Avと同じか、あるいはこれよりも若干小さくなるように設計することにより、弁体17に作用する圧力に抗する圧力を油圧シリンダ部23に発生させることができる。したがって、油圧シリンダ部23を前述したように構成することにより、弁体17に作用する開閉弁22の閉じ方向の圧力を相殺することができ、油圧室14の内部における空気量に応じて可動部材16を移動させて弁体17を弁座シート部20に押し付けたり、引き離したりすることができる。
このように、図1に示すよう構成された油圧制御装置においては、駆動力源が動力を発生し、これに伴って駆動軸4および駆動プーリ5ならびに可動シーブ7が回転し始めると、油圧供給部8の内部に混入した空気は、圧油と空気との間の密度差、すなわちこれらに生じる遠心力の差によって分離される。より具体的には、圧油は遠心力によって油圧供給部8の半径方向で外側に移動し、空気は圧油の移動に伴って油圧供給部8の半径方向で内側に移動する。油圧供給部8の半径方向で内側に移動した空気は、排気管路15を通って油圧室14に導入される。したがって、可動シーブ7が回転し始めると、油圧供給部8と給排油路13との連通部分の周りには、空気が存在し難くなる。そのため、可動シーブ7が回転している状態で油圧供給部8の油圧の下降させる場合に、油圧供給部8に混入した空気が油圧供給部8から給排油路13に導入され、その後、油圧供給部8の油圧を上昇させる場合に、給排油路13の内部に留まっていた空気が給排油路13から油圧供給部8に圧油とともに再供給されることを未然に防止もしくは抑制することができる。
油圧室14は、前述したように駆動軸4の内部に形成されているので、この油圧室14の内部においても、遠心力によって圧油と空気とが分離され、空気は油圧室14の半径方向で内側、すなわち駆動軸4の回転軸線周りに集められる。また、可動部材16は、その密度が空気よりも大きく、また圧油よりも小さくなるようになっているので、油圧室14の半径方向で内側に集められた空気よりも油圧室14の半径方向で外側に移動する。この可動部材16の半径方向の移動に伴ってリンク機構18は、図1において上下方向に延長するとともに左右方向に短縮して弁体17を弁座シート部20から引き離して開閉弁22を開弁させる。開閉弁22が開弁すると、駆動軸4の回転軸線周りに集められた空気は、排出ポート21を通って空隙部30に導入され、抜き孔31を介して油圧供給部8の外部に排出される。
そして、油圧供給部8の外部に空気が排出されると、相対的に可動部材16よりも密度の低い空気がなくなるので、可動部材16は、圧油との密度差、すなわち可動部材16と圧油とに生じる遠心力の差によって油圧室14の半径方向で内側に移動する。この可動部材16の移動に伴ってリンク機構18は、図1において上下方向に短縮するとともに左右方向に延長して弁体17が弁座シート部20に押し付けられて開閉弁22を閉弁させる。
したがって、前述した構成によれば、油圧供給部8に混入した空気をその外部に選択的に排出することができるので、油圧供給部8の内部における圧油の体積弾性率を、圧油に空気が混入している場合に比較して高くすることができ、油圧応答性を向上させることができる。また、圧油の体積弾性率が高められることにより、油圧供給部8の油圧応答性を高めるために、油圧供給部8に対し、過剰に油圧を供給することを防止もしくは抑制できる。その結果、油圧を発生させるオイルポンプや油圧を制御するためのバルブなどの油圧部品の体格の増大を未然に防止もしくは抑制することができる。
図4に、図1に示す構成を改良した例を模式的に示してある。ここに示す例は、油圧供給部の内部であって、可動シーブ7の背面側にこれと一体化して環状あるいは円筒形状のプレートを設けた例である。環状あるいは円筒形状のプレート32は、油圧供給部8の内部かつその半径方向で内側に、可動シーブ7に連結あるいは一体化して設けられている。より具体的には、このプレート32は、油圧供給部8と給排油路13との連通部分よりも油圧供給部8の半径方向で内側であって、かつ油圧供給部8と排気管路15との連通部分よりも油圧供給部8の半径方向で外側に設けられている。なお、図4に示す例では、プレート32は可動シーブ7に設けた例を示してあるが、油圧供給部8を構成するドラム10の内側にプレート32を設けてもよい。
したがって、図4に示すよう構成された油圧制御装置においては、可動シーブ7の回転に伴って油圧供給部8の内部に混入した空気は、圧油と空気との間の密度差、すなわちこれらに生じる遠心力の差によって分離され、その分離された空気は前述したように油圧供給部8の半径方向で内側に移動するとともに、プレート32を越えて更に油圧供給部8の半径方向で内側に移動する。そして、最終的に排気管路15を通って駆動軸4の回転軸線周りに集められる。したがって、前述した構成によれば、プレート32が設けられているので、駆動力源の振動や車両の走行に伴う振動あるいは駆動軸4の回転変動などによって分離された空気と圧油とがこれらの界面において撹拌されたり、あるいは再混合されることを未然に防止もしくは抑制することができる。また、分離された空気は、開閉弁22を介して油圧供給部8の外部に可及的速やかに排出されるので、圧油に空気が混入している場合に比較して、油圧供給部8における圧油の体積弾性率を高めることでき、油圧応答性を向上させることができる。
図5に、図4に示す環状のプレートの他の構成を模式的に示してある。ここに示す例は、環状のプレートをその円周方向に分割した複数のプレート片によって構成するとともに、これらを油圧供給部の半径方向に移動可能に設けた例である。各プレート片33は、例えば円弧形状に形成されていて、その密度が、空気の密度よりも大きく、かつ圧油の密度よりも小さくなるようになっている。そして、各プレート片33は、図5に示したように、その円周方向の各端部において、他のプレート片33と互いに交互に重なり合うように配置されて環状になっている。
可動シーブ7のピストン部11側に、可動シーブ7の半径方向に亘ってガイド溝34が形成あるいは設けられている。また、駆動軸4の回転軸線方向に平行な各プレート片33の長手方向の端部であってガイド溝34に対向する箇所に、駆動軸4の軸線方向に凸となって例えば円柱形状のガイド凸部35が設けられている。このガイド凸部35は、ガイド溝34に嵌め込まれることにより、プレート片33の油圧供給部8の半径方向への移動を案内するためのものである。したがって、ガイド凸部35の直径はガイド溝34の溝幅よりも短くなっている。これらのガイド溝34とガイド凸部35とによって、プレート片33を油圧供給部8の半径方向に案内するガイド機構36が構成されており、これらがこの発明に係るガイド機構に相当する。
なお、図5に示す例では、プレート片33の端部にガイド凸部35を設け、これに対向する可動シーブ7のピストン部11側にガイド溝34を設けた例を示してあるが、これらに替えて、プレート片33の長手方向で中央付近に、駆動軸4の回転軸線方向に平行な長孔とその長孔に挟まれた軸部とを設け、この長孔の間に設けられた軸部が嵌め込まれるガイド溝が形成された柱状部材を駆動軸4の回転軸線に対して垂直な方向に設けることによって、プレート片33を油圧供給部8の半径方向に案内するように構成してもよい。ガイド機構36は、要は、各プレート片33を油圧供給部8の半径方向に案内できるように構成されていればよい。
このように、前述した構成においては、可動シーブ7の回転に伴って油圧供給部8の内部に混入した空気は、圧油と空気との間の密度差、すなわちこれらに生じる遠心力の差によって分離され、その分離された空気は前述したように油圧供給部8の半径方向で内側に移動するとともに、プレート片33を越えて更に油圧供給部8の半径方向で内側に移動する。そして、プレート片33よりも油圧供給部8の半径方向で内側にある程度の量の空気が集まると、プレート片33はその空気との密度差、すなわちこれらの間に生じる遠心力の差によって油圧供給部8の半径方向で外側に、ガイド機構36に案内されながら移動する。また、分離された空気は、次第に排気管路15を通って駆動軸4の回転軸線周りに集められ、開閉弁22を介して油圧供給部8の外部に排出される。
したがって、前述した構成によれば、プレート片33は、これらの間の密度差によって分離された空気と圧油との境界あるいは界面に存在することになるので、駆動力源の振動や車両の走行に伴う振動あるいは駆動軸4の回転変動などによって分離された空気と圧油とがこれらの界面あるいは境界において撹拌されたり、あるいは混合されることを未然に防止もしくは抑制することができる。また、分離された空気は、開閉弁22を介して油圧供給部8の外部に可及的速やかに排出されるので、油圧供給部8の圧油に空気が混入している場合に比較して、油圧供給部8における圧油の体積弾性率を高めることができ、油圧応答性を向上させることができる。
図6に、図1に示す構成を更に改良した例を模式的に示してある。ここに示す例は、油圧供給部の内部に多孔質弾性部材を充填し、これに圧油を保持あるいは浸潤させることにより、油圧供給部の油圧が不可避的に低下した場合、あるいは油圧供給部の油圧を意図的に低下させた場合に、その油圧の低下に伴って油圧供給部の内部に空気が混入することを未然に防止もしくは抑制するように構成した例である。油圧供給部8の内部に、圧油との親和性あるいは、親油性が高く、また毛細管圧力によって圧油を保持あるいは浸潤することができる多孔質弾性部材37が充填され、あるいは設けられている。多孔質弾性部材37は、一例として、ニトリルゴムによって形成された多孔質体や、ポリオレフィン系樹脂あるいはポリエステル系樹脂などの合成樹脂材料によって形成された多孔質体を使用することができる。
したがって、図6に示す構成においては、油圧供給部8の内部に多孔質弾性部材37が設けられているので、例えば、駆動プーリ5における伝動ベルト6のベルト巻き掛け半径を小さくして変速比を大きく設定するために、油圧供給部8の油圧を低下させて可動シーブ7を固定シーブ9から離隔させる場合や車両の停車時などの駆動力源の停止に伴ってオイルポンプも停止して不可避的に油圧が低下する場合などであっても、圧油は多孔質弾性部材37の表面張力や毛細管圧力などによってその内部にある程度保持される。そのため、油圧の低下に伴って油圧供給部8から圧油が流れ出ることを防止もしくは抑制できる。またこれにより、油圧供給部8の内部に空気が入り込むことを防止もしくは抑制することができる。その結果、油圧供給部8における圧油の体積弾性率を高めることができ、油圧応答性を向上させることができる。
図7に、図1に示す構成を更に改良した例を模式的に示してある。ここに示す例は、駆動軸の内部に形成された油路を油圧供給用の油路と油圧排出用の油路とに分けるとともに、これらの油路に一方向弁をそれぞれ設けることにより、油圧供給部から排出した圧油に混入した空気が油路に留まって、これが油圧供給部に対して再供給されることを未然に防止もしくは抑制するように構成した例である。油路12の内部に、一例として円柱形状のセパレータ38が設けられている。セパレータ38は、油路12の内部に駆動軸4の回転軸線に沿ってこれと平行に所定長さに亘って配置されている。セパレータ38の外周円の直径は油路12の内周円の直径よりも小さく形成されており、セパレータ38の外側と油路12の内壁とによって形成される間隙が油圧供給部8から油圧を排出する油圧排出用の油路39となっている。また、セパレータ38の内側が油圧供給部8に対して油圧を供給する油圧供給用の油路40となっている。
先ず、油圧供給用の油路40について説明すると、油圧供給用の油路40には、オイルポンプ41から吐出された油圧が圧力制御弁42において圧力調整されて供給されるようになっており、また、圧力制御弁42を挟んでオイルポンプ41とは反対側に、油圧供給部8に対して油圧を供給する場合に開き、油圧供給部8から油圧を排出する場合に閉じられる一方向弁43が介装されている。オイルポンプ41は、駆動力源の駆動に伴って駆動される機械式オイルポンプあるいは電気的に駆動されて油圧を発生させる電動式オイルポンプのいずれであってもよく、要は、油圧を発生させるとともに、送油できるように構成されていればよい。圧力制御弁42は、オイルポンプ41が発生させた油圧を所望の圧力に調整するためのものであり、したがって、従来一般的に使用されている任意の圧力制御弁を使用することができる。一方向弁43は、要は、油圧供給部8に油圧を供給する場合に開き、油圧供給部8から油圧を排出する場合に閉じられるように構成されていればよく、したがって、いわゆる逆止弁やチェックバルブ、油圧を供給するための制御信号を受けて開閉される電磁制御式の電磁弁などを使用することができる。
油圧排出用の油路39には、油圧供給部8に対して油圧を供給する場合に閉じ、油圧供給部8から油圧を排出する場合に開く一方向弁44が介装されている。この一方向弁44は、前述した一方向弁43と同様に、要は、油圧供給部8に油圧を供給する場合に閉じ、油圧供給部8から油圧を排出する場合に開くように構成されていればよく、したがって、いわゆる逆止弁やチェックバルブ、油圧を供給するための制御信号を受けて開閉される電磁制御式の電磁弁などを使用することができる。一方向弁44を介して排出された油圧は前述した圧力制御弁42に供給されるようになっており、この圧力制御弁42を介してオイルパンやリザーバなどのドレン箇所45に排出されるようになっている。したがって、前述したセパレータ38が、この発明に係る油圧供給部に対して油圧を供給する給排油路を、油圧供給用の油路と油圧排出用の油路とに分ける分離手段に相当し、一方向弁43が、この発明に係る油圧供給用一方向弁に相当し、一方向弁44がこの発明に係る油圧排出用一方向弁に相当する。
このように、図7に示す構成においては、油圧供給部8に対して油圧を給排する油路12がセパレータ38によって油圧供給用の油路40と油圧排出用の油路39とに分離され、各油路39,40に一方向弁43,44がそれぞれ設けられているので、油圧供給部8に対して油圧を供給する場合には、一方向弁43は開状態とされ、一方向弁44は閉状態とされる。これとは反対に、油圧供給部8から油圧を排出する場合には、一方向弁43は閉状態とされ、一方向弁44は開状態とされる。
したがって、前述した構成によれば、油圧供給部8から排出される油圧は常にセパレータ38の外側と油路12の内壁との間に形成される油圧排出用の油路39を通ってドレン箇所45に排出されるので、セパレータ38の内部に形成される油圧供給用の油路40に、油圧供給部8の内部に混入した空気が導入されることを未然に防止もしくは抑制することができる。そのため、油圧供給部8に対して空気が混入していない圧油を供給することができるようになり、あるいは油圧供給部8に対して空気の混入を抑えることができるようになる。その結果、油圧供給部8における圧油の体積弾性率を高めることができ、油圧応答性を向上させることができる。
この発明に係る油圧制御装置によれば、空気と圧油との間の密度を有する可動部材と、この可動部材の回転体の半径方向で外側に向けた移動に伴って開閉される開閉弁とを備えていることにより、油圧供給部に混入し、空気と圧油との間に生じる遠心力に差によって分離された空気の量に応じて開閉弁を開閉することができ、その結果、油圧供給部の外部に選択的に分離された空気を排出するこができる。したがって、油圧供給部の内部における圧油の体積弾性率を相対的に高めることができ、油圧応答性を向上させることができる。
2…駆動軸、 7…可動シーブ、 8…油圧供給部、 16…可動部材(フロート)、 18…リンク機構、 22…開閉弁(ポペット弁)、 32…環状のプレート、 33…プレート片、 36…ガイド機構、 37…多孔質弾性部材。

Claims (10)

  1. 油圧が供給されることにより動作する油圧供給部が回転体に設けられている油圧制御装置において、
    前記油圧供給部の内部に混入し、前記油圧供給部に生じる遠心力によって分離されかつ前記油圧供給部の半径方向で内側に集められた空気の量に応じて前記回転体の半径方向に移動可能な可動部材と、
    該可動部材の移動に伴って開閉されて前記分離された空気を前記油圧供給部の外部に排出する開閉弁とを備えている
    ことを特徴とする油圧制御装置。
  2. 前記可動部材の密度は、前記空気と前記圧油との間の密度であることを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
  3. 前記開閉弁および前記可動部材は、前記回転体の内部に形成された油圧室に設けられ、その油圧室に対して前記分離された空気を供給する排気管路が前記油圧供給部の半径方向で内側に連通して設けられ、前記油圧供給部と前記排気管路との連通部分よりも前記油圧供給部の半径方向で外側に、前記油圧供給部に対して前記油圧を給排する給排油路が連通して設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
  4. 前記開閉弁は、弁体を弁座シート部に押し付けることによって閉じ、前記弁体を前記弁座シート部から離隔することによって開くように構成され、かつ前記弁座シート部に対する前記弁体の変位の方向が前記回転体の回転軸線方向に平行になるように配置され、
    更に前記開閉弁は、前記可動部材の前記回転体の半径方向で外側に向けた移動に伴って前記弁体を前記弁座シート部から離隔させ、前記可動部材の前記回転体の半径方向で内側に向けた移動に伴って前記弁体を前記弁座シート部に押し付けるように前記弁体と前記可動部材とを連結するリンク機構を介して開閉される
    ことを特徴とする請求項1または3に記載の油圧制御装置。
  5. 前記回転体の内部に、前記弁体を前記弁座シート部に押し付けるように作用する前記油圧供給部の油圧を相殺する圧力を前記弁体に付与する油圧シリンダ部が更に設けられている
    ことを特徴とする請求項4に記載の油圧制御装置。
  6. 前記油圧供給部の内部に、前記回転体の回転中心を中心として前記回転体と一体回転するとともに前記回転体の回転軸線に平行に環状のプレートが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
  7. 前記環状のプレートは、その円周方向に分割された複数のプレート片によって構成されるとともに、前記プレート片の密度は前記空気と前記圧油との間の密度とされ、
    前記プレート片を前記分離された空気の量に応じて前記回転体の半径方向に移動させるガイド機構が前記回転体に一体に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の油圧制御装置。
  8. 前記油圧供給部の内部に、表面張力あるいは毛細管圧力により前記圧油を保持する多孔質弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
  9. 前記油圧供給部に対して前記油圧を供給する前記給排油路を、油圧供給用の油路と油圧排出用の油路とに分ける分離手段を備え、
    前記油圧供給用の油路に、前記油圧供給用の油路を介して前記油圧供給部に前記油圧を供給する場合に開状態とされ、前記油圧供給用の油路を介して前記油圧供給部から前記油圧を排出する場合に閉状態とされる油圧供給用一方向弁が介装され、
    前記油圧排出用の油路に、前記油圧排出用の油路を介して前記油圧供給部に前記油圧を供給する場合に閉状態とされ、前記油圧排出用の油路を介して前記油圧供給部から前記油圧を排出する場合に開状態とされる油圧排出用一方向弁が介装されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
  10. 前記油圧供給部は、前記油圧が給排されることによりベルトの巻き掛け半径あるいはベルト挟圧力を変更するベルト式無段変速機におけるプーリの油圧室を含むことを特徴とする請求項1に記載の油圧制御装置。
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