JP5488132B2 - 燃料電池用触媒層及び膜電極接合体 - Google Patents

燃料電池用触媒層及び膜電極接合体 Download PDF

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Description

本発明は、燃料電池用触媒層及び膜電極接合体に関する。
燃料電池のカソード極やアノード極といった電極は、カーボンクロス、カーボンペーパー、カーボンフェルト等のガス透過性のある基材と、この基材の一面に形成された触媒層とからなる。触媒層以外の部分は基材によって構成されており、ここは非電解質層側で触媒層に空気や燃料を拡散する拡散層とされている。また、各電極においては、空気や燃料の拡散及び生成水の排水等を制御するために、触媒層と拡散層との間に細孔を有する中間層を設けることも一般的に良く行われている。触媒層は、触媒と高分子電解質とを含有している。触媒は、カーボン担体に白金(Pt)等の触媒微粒子を担持させてなる。
燃料電池の性能を向上させるためには、反応の活性点における密度の向上が必要と考え、カーボン担体の比表面積を大きくするとともに、このカーボン担体へより多くの触媒微粒子を高い分散率で担持させることを目指してきた。
例えば、比表面積が800m2/g以上のカーボン担体を採用し、これにPt微粒子を50wt%以上担持させた場合、Pt微粒子の比表面積は100m2/g−Pt以上とすることができる。このようなカーボン担体としては、ケッチェンブラックEC(ケッチェン・ブラック・インターナショナル社製の商品名(以下、同様))、ケッチェンブラックEC−600JD(以下、KB600JDと省略する。)等を挙げることができる。
このように触媒微粒子の担持量を多くすることで触媒層の薄膜化が可能となり、高活性でかつ濃度過電圧の低い膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を提供できる。なお、本件に関連する技術を開示する文献としては非特許文献1がある。この非特許文献1には、40nm及び100nm径の細孔を有するカーボン担体が開示されている。
J. Electrochem. Soc., Vol. 142, No. 12, December 1995, P4146, right column.
しかし、白金等の触媒微粒子は高価であるので、これを高濃度かつ高分散させると、燃料電池用触媒層、ひいてはMEAの製造コストを増大させることとなる。このため、発明者らは触媒微粒子の使用量を削減すべく鋭意検討を重ねてきた。その結果、下記の知見を見出した。
図1にカーボン担体91としてのKB600JDに、Ptを用いた触媒微粒子92を担持密度60wt%で担持した触媒の3D−TEM観察結果を示す。図(A)は2D−TEM画像を示し、図(B)は3方向スライス像を示す。右図より、触媒の内部に触媒微粒子92が存在することが確認される。また、この触媒で触媒層を製造し、この触媒層をもつMEAの一部を図2に拡大して模式的に示す。図2中、触媒微粒子92aを黒丸で示す。図1及び図2に示すように、観察対象の触媒90では、触媒微粒子92の約6割がカーボン担体91内に存在し、その結果、活性点となる触媒微粒子92の表面の約5割の面積がカーボン担体91内にあることとなる。
このカーボン担体91内に存在している触媒微粒子92が発電に寄与していないのであれば、担持した触媒微粒子92のうちのかなりの割合が無駄に存在していることになる。触媒微粒子92の担持量が十分に多ければ、カーボン担体91の外表面に存在する触媒微粒子92のみで充分な高性能を得られるが、触媒微粒子92の使用量の低減のために触媒微粒子92の担持量を減らして、かつ性能を維持するためには、触媒微粒子92がカーボン担体91内に存在する比率をできるだけ少なくし、触媒微粒子92の利用率を上げる必要がある。
図3は触媒層におけるN2吸着の測定結果である。触媒層は、アイオノマーとして機能する高分子電解質と、カーボン担体との重量比(E/C比)を変えて作製されている。
図3によれば、E/C比を大きくしたときに減少するカーボン担体の細孔容積は、主に細孔径4nm以上の細孔によるものである。カーボン担体内の細孔径約4nm未満の細孔による細孔容積は、E/C比を大きくしても、ほとんど変化しない。このことから、カーボン担体内の細孔は高分子電解質によって殆どふさがれていないことが分かる。
図4は、図3の結果に基づき、E/C比とカーボン担体の細孔容積との関係をグラフ化したものである。図4より、E/C比を大きくしたときに減少する細孔容積は主に細孔径4nm以上のものであり、細孔径4nm未満の細孔による細孔容積はほとんど変化しないことが分かる。
以上の結果から、高分子電解質はカーボン担体の4nm未満の細孔には入らず、4nm未満の細孔に存在する触媒微粒子は電解質に接することができないことが分かる。このような触媒微粒子の周囲には三相界面が形成されず、発電に寄与することができないことも分かる。
かかる触媒微粒子に対して電解質を接触させる方策として、高分子電解質を微細化、あるいは低分子化して、細孔径が4nm未満の細孔内まで高分子電解質が入り込めるようにすることが考えられるが、プロトン伝導性の確保のためには高分子電解質の連続性が必要であり、細孔内での高分子電解質の構造制御は難しい。また、4nm未満のような極めて小径な細孔内において、そもそも触媒微粒子に酸素を十分供給し、かつ生成水を排出するといった物質移動が円滑に実行されるか否か疑問でもある。
発明者等は、上記知見に基づき、燃料電池用の触媒として、細孔径が4nm以上の細孔のみを有するカーボン担体に触媒微粒子を担持させてなるものが好適であるとの特許出願を行った(特願2009−013219号)。この触媒によれば、高分子電解質が入り込めない細孔に触媒微粒子が入ることを防ぐことができる。このため、このカーボン担体を用いることで触媒微粒子の利用率を高めることができ、結果として白金の使用量の削減が可能となる。
しかし、発明者らが出願した上記触媒をもってしても、触媒層における高電流領域及び低加湿環境下での電気化学反応の円滑な進行は未だ充分とはいえず、更なる出力の向上が求められる。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、触媒中の触媒微粒子の使用量低減と高出力化との両立が可能な燃料電池用触媒層を提供することを解決すべき課題としている。また、この燃料電池用触媒層を備えた膜電極接合体を提供することも解決すべき課題としている。
発明者等は、細孔径が4nm未満の細孔を持たないカーボン担体、すなわち低比表面積カーボン担体を用いた触媒を検討し、この触媒による触媒層を有する燃料電池について、高出力化(高電流密度化)が困難である理由について鋭意研究を行った。その結果、その原因は触媒層におけるフラッディングの影響が大きいことが判明した。
すなわち、触媒と混合される高分子電解質は、触媒層において一時的に水を保持する保水材としての機能を有する。そして、この高分子電解質の保水機能は、過加湿環境及び低加湿環境下での電気化学反応時に、触媒層中の水の量の増減を緩衝させる効果があるとも考えられる。
しかし、触媒微粒子の使用量削減を目的として低比表面積カーボン担体を用いた場合、触媒層中の高分子電解質が少なくなり、高分子電解質による上記の保水機能が低減する。この結果、高電流領域でこの触媒層にはフラッディングが生じ易くなり、電気化学反応の円滑な進行が妨げられている。発明者等は以上のように考察している。
また同じく、触媒層中の高分子電解質が少なくなれば、低加湿環境下での電気化学反応時にこの触媒層が乾き易くなる。このため、この触媒層においては、低加湿環境下での電気化学反応の円滑な進行が妨げられていると考えられる。
上記の知見に基づき、発明者等は、低比表面積カーボン担体を用いつつ、触媒層中に水を保水する機能を持たせることにより、燃料電池の触媒微粒子の使用量低減と高出力化との両立が可能であると考えた。こうして、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明の燃料電池用触媒層は、電解質層の一面に接合され、細孔径が4nm以上である低比表面積カーボン担体に触媒微粒子が担持されてなる無数の触媒と、高分子電解質と、水を保持可能な保水材とを含有し、
前記保水材は、親水化カーボン、吸水性高分子、金属酸化物及び吸水性繊維の少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明の触媒層を構成する触媒には、低比表面積カーボン担体が採用されている。低比表面積カーボン担体とは、細孔径が4nm以上のカーボン担体である。この低比表面積カーボン担体としては、BLACKPEARL880(CABOT社製の商品名、以下、BP880と省略する。)等を挙げることができる
このため、この触媒を用いた触媒層では、高分子電解質が入り込めない細孔に触媒微粒子が入ることを防ぐことができる。このため、この触媒層では、電気化学反応時において触媒微粒子の利用率を高めることができるとともに、白金等からなる触媒微粒子の使用量の削減が可能となる。
また、この触媒層では、E/C比、すなわち、高分子電解質量を少なくすることで、低比表面積カーボン担体においても、図5に示すように、触媒90の周囲に形成される高分子電解質93による層を薄く保つことができる。このため、この触媒層では、電気化学反応時に酸素が充分に供給され、かつ上記のように触媒微粒子の利用率が高いため、低電流領域における電気化学反応が円滑に進行されて燃料電池の性能が高くなる。
さらに、この触媒層は、水を保持可能な保水材を含有している。このため、この触媒層は、高電流領域においてフラッディングが生じ難く、電気化学反応の円滑な進行が妨げられ難くなる。また、保水材を含有することで、この触媒層は、低加湿環境下での電気化学反応時に触媒層が乾き難くなり、低加湿環境下においても電気化学反応の円滑な進行が妨げられ難い。
したがって、本発明の燃料電池用触媒層によれば、触媒中の触媒微粒子の使用量低減と高出力化との両立が可能である。
保水材としては、保水能力の他に、燃料電池が動作する環境において、保水材が溶出または変性等をすることがない物質であることが求められる。また、保水材は、燃料電池の動作に悪影響を与えず、触媒層を製造する際に粉砕等の加工が容易な物質であることも好ましい。また、保水材は単独物質でも良く、複数の物質からなる複合体であっても良い。さらに、上記の触媒層における電気化学反応の効率を向上させる観点から、保水材は、保水性とともに、電子伝導性及びプロトン伝導性を有していることが好ましい。
これらに基づき、保水材としては、単独物質として保水性をもつ、親水化カーボン、吸水性高分子、金属酸化物、吸水性繊維等を採用することができる。また、上記のように、保水性を有する単独物質を少なくとも一つ含む複合体も保水材として採用することができる。保水材として、これらの高い保水性のある物質を用いることにより、高い保水効果を得ることができる。親水化カーボンとしては、表面に親水基を導入したカーボンブラック等を挙げることができる。吸水性高分子としては、シリカゲル、ポリアクリル酸等を採用することができる。また、金属酸化物としては、TiO2、SiO2等を採用することができる。さらに、吸水性繊維としては、錦糸、化学繊維等を採用することができる。
本発明の膜電極接合体は、該電解質層の一面に接合されたカソード触媒層と、該電解質層の他面に接合されたアノード触媒層とを有する膜電極接合体であって、
少なくとも前記カソード触媒層は、第1層と第2層とが前記電解質層上に順に積層されて層状に形成され、
前記第1層は、細孔径が4nm以上である低比表面積カーボン担体に触媒微粒子が担持されてなる無数の触媒と、高分子電解質とを有し、
前記第2層は、水を保持可能な保水材を有し、
前記保水材は、親水化カーボン、吸水性高分子、金属酸化物及び吸水性繊維の少なくとも1種であることを特徴とする。
本発明の膜電極接合体における少なくともカソード触媒層は、第1層と第2層とが電解質層上に順に積層されて層状に形成されている。つまり、第1層が電解質層側に形成される。この第1層は無数の触媒と高分子電解質とを有している。また、第2層は非電解質層側に形成される。この第2層は保水材を有している。これらのため、この膜電極接合体は、上記保水材を含有する触媒層と同様、触媒微粒子の利用率を高くすることができ、低電流領域での電気化学反応が円滑に進行される。また、少なくともカソード触媒層において、高電流領域におけるフラッディングが生じ難く、電気化学反応の円滑な進行が妨げられ難くなる。同様に、低加湿環境下での電気化学反応時に少なくともカソード触媒層が乾き難くなり、低加湿環境下においても電気化学反応の円滑な進行が妨げられ難い。なお、第1層及び第2層は複数でも良い。
この膜電極接合体において、カソード触媒層側に設けられる触媒層は、低電流領域で電圧を高く確保するため、上記のE/C比が0.5以下であることが好ましい。低比表面積カーボン担体を使用して作製した触媒層は、電解質の適正配置を追及することが好ましいからである。これにより、上記の図5に示した通り、触媒90の周囲に形成される高分子電解質93による層が薄くなる。このため、電気化学反応時に酸素、水素の拡散又は供給が速やかに行われる。このため、低電流領域における電気化学反応がより円滑に進行されて燃料電池の性能が高くなる。
また、本発明の膜電極接合体は、以下の構成とすることもできる。すなわち、この膜電極接合体は、電解質層と、該電解質層の一面に接合されたカソード触媒層と、該電解質層の他面に接合されたアノード触媒層とを有する膜電極接合体であって、
少なくとも前記カソード触媒層は、第1層と第2層とが前記電解質層上に順に積層されて層状に形成され、
前記第1層は、細孔径が4nm以上である低比表面積カーボン担体に触媒微粒子が担持されてなる無数の触媒と、高分子電解質と、水を保持可能な保水材とを有し、
前記第2層は、前記保水材を有し、
前記保水材は、親水化カーボン、吸水性高分子、金属酸化物及び吸水性繊維の少なくとも1種であることを特徴とする。
この膜電極接合体において、少なくともカソード触媒層の第1層は、上記請求項1に示す触媒層と同じ構成となっている。他の構成は上記請求項2に示す膜電極接合体と同様である。すなわち、この膜電極接合体は、第1層及び第2層ともに保水材を有している。このため、この膜電極接合体は、少なくともカソード触媒層において、高電流領域におけるフラッディングが生じ難く、電気化学反応の円滑な進行が妨げられ難くなる。同様に、低加湿環境下での電気化学反応時に少なくともカソード触媒層が乾き難くなり、低加湿環境下においても電気化学反応の円滑な進行が妨げられ難くなる。なお、第1層及び第2層は複数でも良い。
したがって、本発明のこれらの膜電極接合体によれば、触媒中の触媒微粒子の使用量低減と高出力化との両立が可能である。
約3.5nmの細孔を有するカーボン担体における触媒微粒子の分布を示す3D−TEM像である。図(A)が2D−TEM画像を示し、図(B)が3方向スライス像を示す。 約3.5nmの細孔を有するカーボン担体を有する触媒層における電気化学反応を示す拡大模式図である。 約3.5nmの細孔を有するカーボン担体を有する触媒を有する触媒層において、E/C比を変化させたときの触媒層の細孔の分布を示すグラフである。 E/C比と触媒層の細孔容積との関係を示すグラフである。 約4nm以上の細孔を有するカーボン担体を有する触媒層における電気化学反応を示す拡大模式図である。 実施例1のMEAの一部を示す部分拡大模式図である。 BP880及びKB600JDの比表面積を示すグラフである。 保水材ペーストのE/C比と、重量比/体積比と、触媒層の厚さ増加率との関係を示すグラフである。 カソード触媒層を構成する触媒ペーストのE/C比の変化と、触媒微粒子の重量比活性の変化との関係を示すグラフである。 実験例1に係り、E/C比の相違の下、フル加湿状態におけるセル電流とセル電圧との変化を示すグラフである。 実験例2に係り、E/C比の相違の下、低加湿状態におけるセル電流とセル電圧との変化を示すグラフである。 実験例3に係り、保水材の有無の下、フル加湿状態におけるセル電流とセル電圧との変化を示すグラフである。 実験例4に係り、保水材の有無の下、低加湿状態におけるセル電流とセル電圧との変化を示すグラフである。 実験例5に係り、保水材の有無の下、低加湿状態におけるセル電流とセル電圧との変化を示すグラフである。 実施例2のMEAの一部を示す部分拡大模式図である。 実施例3のMEAの一部を示す部分拡大模式図である。
(実施例1)
図6に示すように、実施例1のMEA1は、ナフィオンからなる電解質膜11と、この電解質膜11の一面に接合されて空気が供給されるカソード極3と、電解質膜11の他面に接合されて水素等の燃料が供給されるアノード極5とを有している。
カソード極3は、カーボンペーパーからなる基材と、この基材の一面に形成されたカソード触媒層10とからなる。カソード極3におけるカソード触媒層10以外の部分は基材によって構成されており、ここは非電解質層側でカソード触媒層10に空気を拡散するカソード拡散層13とされている。アノード極5側は、アノード触媒層12と、アノード拡散層14とされている。このMEA1のカソード触媒層10は触媒ペーストと保水材ペーストとによって形成されている。
触媒ペーストは以下の製造方法で製造されている。まず、図5に示す低比表面積カーボン担体91として、市販のBP880を用意した。このBP880は1次粒径が15nm程度である。
このBP880と、従来からカーボン担体として用いられているKB600JDとのN2の吸着測定結果を図7に示す。図7では、BJH法によって求めた細孔径1.7nm〜300nmのメソ細孔の比表面積と、細孔径4nm〜300nmの比表面積とをそれぞれ棒グラフによって示している。
図7が示すように、BP880では、細孔径1.7nm〜300nmのメソ細孔の比表面積と細孔径4nm〜300nmとの比表面積とがほぼ等しい。すなわち、4nm未満の細孔が殆ど存在しないことが分かる。一方、KB600JDでは、4nm未満の細孔が全比表面積の半分以上を占めていることが分かる。
BP880に対し、触媒微粒子92(図5参照)を担持密度20wt%で担持させ、触媒90とした。この触媒90に対して水を添加し、自転/公転式遠心攪拌機(キーエンス社製、商品名「ハイブリッドミキサーHM−500」)によって脱泡及び攪拌を行い、触媒90と水とをなじませたプレペーストを得た。
このプレペーストに対し、5重量%のアイオノマー溶液(ナフィオン溶液(5質量%溶液))を添加した。この際、(アイオノマー溶液中のナフィオンの重量)/(カーボン担体91の重量)(E/C比)が0.15となるように、触媒90に対してアイオノマー溶液を添加した。その後、これらを自転/公転式遠心攪拌機によってさらに攪拌し、触媒ペーストを得た。
一方、保水材を構成する保水材ペーストは、以下に示す製造方法で製造されている。まず、保水性のある親水化カーボンとして、Vulcan−XC72R(CABOT社製の商品名)を用意した。このVulcan−XC72Rに溶媒及び5重量%のナフィオン溶液を添加した。この際、(ナフィオン溶液中のナフィオンの重量)/(親水化カーボンの重量)(E/C比)が1.0となるようにナフィオン溶液を添加した。その後、これらを自転/公転式遠心攪拌機によって攪拌し、保水材ペーストを得た。
得られた触媒ペースト及び保水材ペーストを固形分重量比0.65:0.35の比率で混合し、混合ペーストを得た。この比率でこれらを混合することにより、混合ペースト全体でのE/C比は0.35となる。
この混合ペーストを基材にスクリーン印刷をした後、乾燥させ、カソード極3を得た。印刷した部分がカソード触媒層10である。なお、混合ペーストを基材へ塗布する方法としては、スクリーン印刷の他に、スプレー法、インクジェット法等の手段によっても行い得る。
図8は、保水材ペーストのE/C比と、重量比/体積比と、触媒層の厚さ増加率との関係を示すグラフである。触媒層は、触媒微粒子92の担持量を0.1mg/cm2としている。
図8において、保水材において、プロトンのパスのためのネットワークを確保しつつ、カソード触媒層10全体が極端に厚くならない条件で各数値の最適値を求めると、カソード触媒層10の体積に対する保水材ペーストの固形分の体積比は0.15〜0.25の範囲となる。
また、図8において、カソード触媒層10の厚さの増加率が2以下で保水材ペーストのE/C比を決めると、保水材ペーストのE/C比は0.6〜1.2の範囲となる。なお、カソード触媒層10の厚さの増加率(触媒層厚さ増加率)とは、カソード触媒層10を触媒ペーストのみで製造した場合の厚さと、カソード触媒層10を触媒ペースト及び保水材ペーストで製造した場合の厚さとの比である。
上記の条件から、保水材ペーストのE/C比を1.0とした場合、保水材ペーストにおける固形分の重量比は0.35となり、体積比は0.17となる。また、カソード触媒層10の厚さ増加率は1.4となる。
こうして得られたカソード極3とアノード極5とを電解質層11に接合し、図6に示すMEA1が得られる。
得られたMEA1では、カソード極3を構成するカソード触媒層10が触媒ペーストと保水材ペーストとで形成されている。図5及び図7に示すように、触媒ペーストの触媒90には低比表面積カーボン担体91が採用されているため、この触媒ペーストでは、アイオノマー溶液中の高分子電解質93であるナフィオンが入り込めない細孔に触媒微粒子92が入ることを防ぐことができる。このため、この触媒ペーストによって得られたカソード極3では、電気化学反応時において触媒微粒子92の利用率を高めることができるとともに、触媒微粒子92の使用量の削減が可能となる。
また、上記触媒ペーストによって得られたカソード極3では、触媒ペーストのE/C比が0.15と小さい、すなわち高分子電解質93の量が少ないため、BP880のような低比表面積カーボン担体91においても、触媒90の周囲に形成される高分子電解質93による層が薄い状態で保たれる(図5参照)。このため、実施例1のMEA1では、電気化学反応時に酸素、水素の拡散又は供給が速やかに行われ、かつ前記のように、触媒微粒子92の利用率が高いため、低電流領域における電気化学反応がより円滑に進行されて、燃料電池の性能が高くなる。以下、図9を基に具体的に説明する。
図9は、実施例1のMEA1におけるカソード触媒層10(触媒ペースト)のE/C比と、触媒微粒子92の重量比活性との関係を示すグラフである。重量比活性とは、電位を0.9Vに設定した際に、カソード触媒層10における1gあたりの触媒微粒子92(Pt微粒子)に流れる電流値を意味し、触媒活性の指標となる値である。このグラフでは、MEA1を備えたセルの温度を50°C、相対湿度を100%RHに設定しており、アノード極5に水素を、カソード極3に空気を各々常圧で流している。なお、セルの構成及び製造方法は公知のセルの構成及び製造方法と同様である。
このグラフが示すように、カソード触媒層10におけるE/C比が小さい、すなわち、カーボン担体91の重量に対するアイオノマー溶液中のナフィオンの重量比が小さいほど、カソード触媒層10における1gあたりの触媒微粒子92に流れる電流の値が大きくなる。つまり、触媒90の周囲に形成される高分子電解質93による層が薄くなるほど、電気化学反応時に酸素、水素の拡散又は供給が速やかに行われる。このことと、かつ、このMEA1では、前記のように触媒微粒子92の利用率が高いため、低電流領域における電気化学反応がより円滑に進行されて、触媒微粒子92の重量比活性が向上する、すなわち、燃料電池の性能を高くできる。
さらに、このカソード極3は、カソード触媒層10が保水材を含有しているため、カソード触媒層10中で水パスが充分に確保されており、カソード触媒層10中の水の移動が速やかに行われる。このため、高電流領域においてフラッディングが生じ難い。また、保水材ペーストは、図8の関係に基づいて、Vulcan−XC72Rと高分子電解質93とが混合されているため、保水材の部分において、水パスと同時に、プロトンと電子とのパスのためのネットワークが確保されている。これらにより、電気化学反応の円滑な進行が妨げられ難い。また、カソード触媒層10は、保水材を含有しているため、低加湿環境下での電気化学反応時に乾き難く、電気化学反応の円滑な進行が妨げられ難い。
したがって、実施例1のMEA1は、触媒90中の触媒微粒子92の使用量低減と高出力化との両立が可能である。
{検証}
次に、実施例1のMEA1の電圧特性を把握するため、実施例1のMEA1を備えたセルと、比較例1〜5のMEAを備えたセルとで、以下の各実験による検証を行った。なお、比較例1〜5のMEAを備えたセルの構成及び製造方法は、上記の実施例1のMEA1を備えたセルと同様である。
比較例1〜4のMEAのカソード触媒層は、いずれも保水材を含有させていない単独触媒層である。また、各MEAのカソード触媒層(触媒ペースト)におけるE/C比は以下の通りである。
比較例1:E/C比=0.10
比較例2:E/C比=0.15
比較例3:E/C比=0.35
比較例4:E/C比=0.60
比較例2のMEAは、保水材の有無を除き、実施例1のMEA1におけるカソード触媒層10と同じ条件とされている。比較例1〜4のMEAにおける他の構成及び製造方法は実施例1のMEAと同様である。
(実験例1)
実験例1では、比較例1〜3のMEAを備えた各セルの温度を50°Cに設定し、湿度が100%RHの測定環境(以下、フル加湿状態という。)の下、アノード極5に水素を、カソード極3に空気を流した場合の、各セルの電流及び各セルの電圧の変化を測定した。測定結果を図10に示す。
図10では、横軸にセル電流(A)を示し、縦軸にセル電圧(V)を示している(以下に示す、図11〜14も同様である。)。図10に示されるように、フル加湿状態において、E/C比が高いカソード触媒層を備えたセル(MEA)の方が高電流領域で高い電圧を発揮することが可能である。また、E/C比が高いカソード触媒層を備えたセル(MEA)の方が電流の変化に対する電圧の変化の度合いが小さい。
(実験例2)
実験例2では、比較例2、3、4のMEAを備えた各セルの温度を70°Cに設定し、湿度が40%RHの測定環境(以下、低加湿状態という。)の下、アノード極5に水素を、カソード極3に空気を流した場合の、各セルの電流及び電圧の変化を測定した。測定結果を図11に示す。
図11に示されるように、低加湿状態においても、E/C比が高いカソード触媒層を備えたセルの方が高電流領域で高い電圧を発揮することが可能である。また、この環境下でも、E/C比が高いカソード触媒層を備えたセルの方が電流の変化に対する電圧の変化の度合いが小さい。
これらの実験により、比較例1、2のMEAのように、カソード触媒層(触媒ペースト)のE/C比を小さくすると、上記のように触媒90の周囲に形成される高分子電解質93による層が薄くなる。このため、電気化学反応時において触媒微粒子92の重量比活性を高めることできる(図9参照)。この一方で、比較例1のMEAでは、高分子電解質93による層が薄くなることで、水パスが不足してしまう。このため、図10に示すように、フル加湿状態下(高加湿条件下)の高電流領域では、カソード触媒層中で生成した水の移動が速やかに行われず、フラッディングが発生してしまう。このため、E/C比が低い比較例1のMEAでは、電気化学反応の円滑な進行が妨げられ、高電流領域での電圧低下が大きくなる。すなわち、セルの性能が低下してしまう。
また、同様に、比較例2のMEAのように、カソード触媒層のE/C比を小さくすると、触媒層全体の保水機能が低下するため、図11に示すように、低加湿状態下では、触媒層、電解質膜が乾燥することで、ドライアップが発生してしまう。このため、フル加湿状態下と同様、電気化学反応の円滑な進行が妨げられ、電圧の低下が大きくなる。このため、上記と同様、セルの性能が低下してしまう。
(実験例3)
実験例3では、実施例1のMEA1を備えたセル及び比較例2のMEAを備えたセルについて、フル加湿状態の下、アノード極5に水素を、カソード極3に空気を流した場合の、各セルの電流及び電圧の変化を測定した。測定結果を図12に示す。
図12に示されるように、フル加湿状態において、比較例2のMEAを備えたセルよりも、実施例1のMEA1を備えたセルの方が高電流領域で高い電圧を発揮することが可能である。また、実施例1のMEA1を備えたセルは電流の変化に対する電圧の変化の度合いが小さい。
(実験例4)
実験例4では、実施例1のMEA1を備えたセル及び比較例2のMEAを備えたセルについて、低加湿状態の下、アノード極5に水素を、カソード極3に空気を流した場合の、各セルの電流及び電圧の変化を測定した。測定結果を図13に示す。
図13に示されるように、低加湿状態においても、比較例2のMEAを備えたセルよりも、実施例1のMEA1を備えたセルの方が高い電圧を発揮することが可能である。また、この環境下でも、実施例1のMEA1を備えたセルは、比較例2のMEAを備えたセルと比べ、電流の変化に対する電圧の変化の度合いが小さい。
これらの実験により、実施例1のMEA1を備えたセルは、比較例2のMEAを備えたセルと比較して、フル加湿状態及び低加湿状態のいずれにおいても電流に対する高い電圧特性を示した。つまり、実施例1のMEA1は比較例2のMEAより、環境や電流の変化に対する発電の安定性、すなわち、ロバスト性が高いことが証明された。
この理由は、カソード触媒層10に含まれる保水材による効果と考えられる。すなわち、実施例1のMEA1では、カソード触媒層10において、触媒微粒子92の利用率が高くなる低比表面積カーボン担体91を触媒90として用いている。そして、触媒ペーストのE/C比を0.15と低い値に設定して、触媒90の周囲に形成される高分子電解質93による層を薄く保つことで、電気化学反応時に酸素、水素の拡散又は供給が速やかに行われるようになっている。このため、触媒微粒子92の重量比活性、すなわち低電流領域での燃料電池性能が高くなる。さらに、このカソード触媒層10中に保水材を加えて、触媒層全体のE/Cを0.35と高めることにより、カソード触媒層10中の水パスを充分確保している。これにより低E/C時の問題点である、フル加湿状態でのフラッディング、低加湿状態でのドライアップを抑制することができた。この結果、実施例1のMEA1は、保水材を含有しない比較例2のMEAと比較して、全ての状態において、高い性能を発揮することができる。
(実験例5)
参考実験として、実験例5では、比較例5のMEAを用意した。このMEAは、実施例1のMEAと同様、カソード触媒層10を構成する触媒ペーストのE/C比を0.15としている。また、比較例5のMEAは、実施例1の場合と、触媒ペーストと保水材ペーストの混合比率を変更しており、保水材を含めたMEA全体のE/C比が0.60となっている。この実験例5では、比較例5MEAを備えたセル及び比較例2のMEAを備えたセルについて、低加湿状態の下、アノード極5に水素を、カソード極3に空気を流した場合の、各セルの電流及び電圧の変化を測定した。測定結果を図14に示す。
図14に示されるように、低加湿状態において、比較例5のMEAを備えたセルは、高電流領域で高い電圧を発揮することが可能となっている。また、比較例5のMEAにおけるE/C比は0.60であることから、図13に示すE/C比が0.35である実施例1のMEA1と比較しても、電流の変化に対する電圧の変化の度合いが小さく、より高性能であることが示されている。
(実施例2)
図15に示すように、実施例2のMEA21では、カソード極3におけるカソード触媒層20は、第1層41と第2層43とが順に積層されることで形成されている。この第1層41は実施例1の触媒ペーストからなり、第2層は実施例1の保水材ペーストからなる。
このカソード触媒層20は、以下の方法によって得られる。まず、保水材ペーストを基材にスクリーン印刷をした後、乾燥させる。こうして第2層43を形成する。その後、触媒ペーストを第2層43の表面にスクリーン印刷をして乾燥させる。こうして得られたカソード触媒層20では、電解質膜11上に第1層41と第2層43とが順に層状に形成される。つまり、第2層43が非電解質層側となる。MEA21における他の構成及び製造工程は実施例1と同様であり、同一の構成については同一符号を付して構成の詳細な説明は省略する。
このように、このMEA21は、カソード触媒層20に実施例1と同じ構成の触媒ペースト及び保水材ペーストで得られた第1層41と第2層43とが形成されている。このため、このMEA21も実施例1のMEA1と同様の効果を得られる。
したがって、実施例2MEA21も、触媒90中の触媒微粒子92の使用量低減と高出力化との両立が可能である。
(実施例3)
図16に示すように、実施例3のMEA31では、カソード極3におけるカソード触媒層30は、第1層42と第2層43とが順に積層されることで形成されている。この第1層42は実施例1の混合ペーストからなり、第2層は実施例1の保水材ペーストからなる。
このカソード触媒層30は、以下の方法によって得られる。まず、保水材ペーストを基材にスクリーン印刷をした後、乾燥させる。こうして第2層43を形成する。その後、混合ペーストを第2層43の表面にスクリーン印刷をして乾燥させる。こうして得られたカソード触媒層30では、電解質膜11上に第1層42と第2層43とが順に層状に形成される。つまり、第2層43が非電解質層側となる。MEA21における他の構成及び製造工程は実施例1と同様であり、同一の構成については同一符号を付して構成の詳細な説明は省略する。
このように、このMEA31は、カソード触媒層30に第1層42と第2層43とが形成されている。上記のように、第1層は、触媒ペーストと保水材ペーストとが混合された混合ペーストによって得られている。すなわち、このMEA31は、第1層42及び第2層43ともに保水材を有している。このため、このMEA31は、実施例1のMEA1よりも高い効果を得られると考えられる。
したがって、実施例3MEA31も、触媒90中の触媒微粒子92の使用量低減と高出力化との両立が可能である。
以上において、本発明を実施例1〜3に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜3に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施例1〜3において、アノード触媒層12をカソード触媒層10と同様の構成とすることもできる。
本発明は、電気自動車等の移動用電源、屋外据え置き用電源、ポータブル電源等の燃料電池システムに利用可能である。
91…カーボン担体(低比表面積カーボン担体)
92…触媒微粒子
90…触媒
93…ナフィオン(高分子電解質)
11…ナフィオン膜(電解質層)
10、20、30…カソード触媒層
12…アノード触媒層
1、21、31…MEA(膜電極接合体)

Claims (3)

  1. 電解質層の一面に接合され、細孔径が4nm以上である低比表面積カーボン担体に触媒微粒子が担持されてなる無数の触媒と、高分子電解質と、水を保持可能な保水材とを含有し、
    前記保水材は、親水化カーボン、吸水性高分子、金属酸化物及び吸水性繊維の少なくとも1種であることを特徴とする燃料電池用触媒層。
  2. 電解質層と、該電解質層の一面に接合されたカソード触媒層と、該電解質層の他面に接合されたアノード触媒層とを有する膜電極接合体であって、
    少なくとも前記カソード触媒層は、第1層と第2層とが前記電解質層上に順に積層されて層状に形成され、
    前記第1層は、細孔径が4nm以上である低比表面積カーボン担体に触媒微粒子が担持されてなる無数の触媒と、高分子電解質とを有し、
    前記第2層は、水を保持可能な保水材を有し、
    前記保水材は、親水化カーボン、吸水性高分子、金属酸化物及び吸水性繊維の少なくとも1種であることを特徴とする膜電極接合体。
  3. 電解質層と、該電解質層の一面に接合されたカソード触媒層と、該電解質層の他面に接合されたアノード触媒層とを有する膜電極接合体であって、
    少なくとも前記カソード触媒層は、第1層と第2層とが前記電解質層上に順に積層されて層状に形成され、
    前記第1層は、細孔径が4nm以上である低比表面積カーボン担体に触媒微粒子が担持されてなる無数の触媒と、高分子電解質と、水を保持可能な保水材とを有し、
    前記第2層は、前記保水材を有し、
    前記保水材は、親水化カーボン、吸水性高分子、金属酸化物及び吸水性繊維の少なくとも1種であることを特徴とする膜電極接合体。
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