JP2007242392A - 固体高分子型燃料電池用膜電極構造体 - Google Patents

固体高分子型燃料電池用膜電極構造体 Download PDF

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Abstract

【課題】 付加的な装置を設けることによるスペースの増大を招かず、また、余分なエネルギーを必要とせずに酸素分圧を高めることによって発電性能を向上させた固体高分子型燃料電池用膜電極構造体を提供する。
【解決手段】 高分子電解質膜の一方の面にカソード電極触媒層を形成し、他方の面にアノード電極触媒層を形成した固体高分子型燃料電池用膜電極構造体であって、
カソード電極触媒層は、触媒を担持した細孔径0.3〜0.5nmの細孔を有する分子篩炭を含む。
【選択図】 なし

Description

本発明は、固体高分子型燃料電池用膜電極構造体に係り、特に、カソード電極触媒層の酸素を富化することによって発電性能を向上させる技術に関する。
現在、石油資源の枯渇が重大な問題となっており、さらに、化石燃料の消費による大気汚染や地球温暖化等の環境問題が深刻化している。このような状況にあって、二酸化炭素の発生を伴わないクリーンな電動機用電力源として燃料電池が注目されて広範に開発されるとともに、一部では実用化され始めている。
燃料電池を自動車等に搭載する場合には、高電圧と大電流とが得やすいことから、高分子電解質膜を用いる固体高分子型燃料電池が好適に用いられる。固体高分子型燃料電池に用いる電極構造体として、イオン導伝可能な高分子電解質膜をアノードおよびカソードの一対の電極触媒層の間に挟持し、各電極触媒層の上に、拡散層を積層したものが知られている。電極触媒層は、白金等の触媒がカーボンブラック等の触媒担体に担持され、イオン導伝性高分子バインダーにより一体化されることにより形成されている。この電極構造体は、さらに各電極触媒層の上に、ガス通路を兼ねたセパレータを積層することにより、固体高分子型燃料電池を構成する。
このような固体高分子型燃料電池では、一方のアノード電極触媒層を燃料極として、アノード拡散層を介して水素、メタノール等の還元性ガスを導入するとともに、他方のカソード電極触媒層を酸素極として、カソード拡散層を介して空気、酸素等の酸化性ガスを導入する。燃料極側では、アノード電極触媒層に含まれる触媒の作用により、還元性ガスからプロトン(H)及び電子が生成し、プロトンは高分子電解質膜を介して、酸素極側のカソード電極触媒層に移動する。そして、プロトンは、カソード電極触媒層に含まれる触媒の作用により、酸素極に導入される酸化性ガス及び電子と反応して水を生成する。したがって、燃料極と酸素極とを導線により接続することにより、燃料極で生成した電子を酸素極に送る回路が形成され、電流を取り出すことができる。
カソード電極触媒層における酸化性ガスとしては純酸素を用いることが理想的であるが、純酸素を得るためのコストを要したり、移動手段に燃料電池を用いる場合には燃料の他に純酸素の蓄積手段をも要するなどの問題があるため、空気中の酸素を用いることが一般的である。空気中の酸素分圧は1/5程度であるため、電池反応の起電力を示すNernstの式にも示されているように、純酸素を使用した場合と比較して発電性能が低くなる。そのため、燃料電池の反応場における酸素分圧を上げ、発電性能を上げようとする種々の技術が公開されている。
具体的には、燃料電池の酸化性ガス供給口の前段階に窒素分離装置を設け、窒素が分離低減された酸素富化ガスとしてカソード極へ導入する技術(例えば、特許文献1参照)や、酸素分離膜によって空気を酸素富化空気としてカソード極へ導入する技術(例えば、特許文献2参照)、磁界式の酸素富化装置を利用した酸素富化部を介して燃料電池に酸素富化ガスを供給する技術(例えば、特許文献3参照)等が知られている。
特開平6−140067号公報 特開2000−67891号公報 特開平10−321249号公報
しかしながら、上記のように酸素を富化させるための装置を設ける方法では、システムの大型化を招き、また、装置を運転させるためのエネルギーが必要であり、燃料電池本体と酸素富化装置を含めたシステム全体でのエネルギー効率が減少してしまうおそれがあった。
本発明は上記状況に鑑みてなされたものであり、付加的な装置を設けることによるスペースの増大を招かず、また、余分なエネルギーを必要とせずに酸素分圧を高めることによって発電性能を向上させた固体高分子型燃料電池用膜電極構造体を提供することを目的としている。
本発明は、高分子電解質膜の一方の面にカソード電極触媒層を形成し、他方の面にアノード電極触媒層を形成した固体高分子型燃料電池用膜電極構造体であって、カソード電極触媒層は、触媒を担持した細孔径0.3〜0.5nmの細孔を有する分子篩炭を含むことを特徴としている。
本発明の固体高分子型燃料電池用膜電極構造体によれば、触媒を担持した分子篩炭の0.3〜0.5nmの細孔内に酸素を選択的に吸着するため、分子篩炭に近接する触媒担持粒子の反応場、すなわち触媒金属、プロトン電解質およびカーボン担体の三相界面が通常の反応場よりも酸素がリッチな状態となる。これにより、プロトン、酸素および電子の反応が促進され、燃料電池の発電性能が向上する。また、付加的な酸素富化のための装置を設ける必要がなく、カソード電極触媒層を形成するためのペーストを配合する際に原料に触媒担持分子篩炭を配合するだけ済むため、生産性を低下させることなく、発電性能の向上した燃料電池を製造することができる。
また、本発明は、触媒を担持した分子篩炭の比表面積が150〜700m/gであることを好ましい形態としている。このような形態によれば、酸素吸着のための領域が十分確保され、発電性能をより向上させることができる。
さらに、本発明は、カソード電極触媒層がさらに、触媒を短持した黒鉛化カーボンを含むことを好ましい形態としている。このような形態によれば、黒鉛化カーボンは分子篩炭と比較して耐久性が高いので、電極触媒層の劣化を抑制して長期に亘って発電性能を維持することができる。この際、触媒担持黒鉛化カーボンに対する触媒担持分子篩炭の配合重量が10〜100%であると、分子篩炭による発電性能向上効果と黒鉛化カーボンによる耐久性向上効果が両立できて好ましい。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の分子篩炭とは、分子篩炭素や分子篩活性炭とも呼ばれるように、高度に細孔が制御された活性炭のことを示す。通常の活性炭と比較してより微細な細孔の含有率が高いため、通常の活性炭では不可能な酸素分子吸着等の分子選択性の吸着を示す特性を有する。具体的には、細孔径の分布として0.08〜0.5nmの細孔割合が86.5%、0.5nm以上の細孔割合が13.5%である。通常の活性炭の比表面積が通常500〜2000m/g程度の範囲であるのに対し、分子篩炭は、より微細な細孔を主に有することから、比表面積は通常50〜800m/g程度である。この分子篩炭は、ガス分離装置には広く用いられており、例としてはクラレ社製PSA(Pressure Swing Adsorption)方式の窒素ガス分離装置がある。分子篩炭の英名は、Molecular Sieving Carbonとして知られている。
本発明の分子篩炭は、石炭、ヤシ殻炭あるいは種々の合成高分子化合物より製造することができる。これらの製造法としては、例えば、特公昭49−37036号公報、特公昭52−1867号公報、特公昭52−47758号公報、特開昭59−45914号公報、特開昭61−6108号公報、特開昭62−59510号公報等に開示されている。
本発明の意味する分子篩炭は、公知の分子篩炭より適宜選択すれば良いが、特に、特開平1−61306号公報に記載されたフェノール樹脂微粉末、熱硬化性樹脂溶液および高分子バインダーを主原料として製造した分子篩炭を充填材として用いた場合、より好ましい結果が得られる。この特開平1−61306号公報に記載の分子篩炭は、粒径0.8〜12μmの多数の球状炭素粒子が三次元的に不規則に重なり、かつ、合体された構造を有し、該多数の炭素粒子間には、三次元的に不規則に走る連続通路が存在し、該多数の炭素粒子のおのおのは、該粒子の間の通路に連通する多数の細孔を有し、そして、少なくとも、85重量%の炭素含有率を有することを特徴とする分子篩炭である。
本発明で用いた分子篩炭の製造方法では、(イ)熱硬化性フェノール樹脂またはメラミン樹脂の微粉末、(ロ)熱硬化性樹脂の溶液としての液状のレゾール樹脂またはノボラック樹脂、および(ハ)ポリビニルアルコール、水溶性または水膨張性セルロース誘導体から選ばれる高分子バインダーを使用することができる。熱硬化性樹脂(イ)100重量部当たりでは、熱硬化性樹脂の溶液(ロ)は固形分として5〜50重量部、高分子バインダー(ハ)は1〜30重量部の範囲で使用することができ、これらの均一混合物を調製する。この均一混合物を粒状物に成形して乳鉢で粉砕後、窒素雰囲気下500〜1100℃の温度範囲で30分〜2時間加熱処理を行い、炭化した粒状物を製造することができる。こうして得られる分子篩炭を、めのう乳鉢で粉砕して粉末状とし、本発明の電極触媒層ペーストに添加して用いる。
本発明の分子篩炭の細孔容積は、分子篩炭1g当たり0.05〜1.0cc/gであることが好ましい。また、分子篩炭に形成された細孔は種々の大きさのものが混在しているが、酸素分子を選択的に吸着する細孔直径0.3〜0.5nmの細孔が最も多く含まれていることが好ましく、酸素分子の吸着に直接関係がない直径0.5nmを越える細孔は少ないこと、すなわち全細孔中30%以下が好ましく、10%以下であればより好ましい。また、本発明の分子篩炭は、組成上の特徴として、少なくとも85重量%の炭素含有率を有し、好ましくは90重量%以上の炭素含有率を有する。
一般的な分子篩炭は、窒素吸着によるBET法により測定した比表面積として、通常50〜800m/g程度であるが、本発明においては、150〜700m/gであると好ましい。比表面積が150m/gであれば、酸素が吸着される領域が確保され、分子篩炭を含有することによる発電性能向上の効果を十分に発揮することができ、発電性能をより向上させることができる。一方、上限値については、比表面積が700m/gを超えても問題が生じるわけではないが、これ以上の比表面積においては性能向上率が緩やかになり、また、粉砕工程等、比表面積を増加させるための製造コストが増大するため、製造の容易性を考慮して700m/gが好ましい。
本発明の膜−電極構造体の第1の実施形態として、カソード電極触媒層が、触媒と、この触媒を担持した細孔径0.3〜0.5μmの細孔を有する分子篩炭と、プロトン電解質とを含む態様が挙げられる。この実施形態においては、従来の燃料電池におけるカーボン担体として分子篩炭が使用されている。上述のように、分子篩炭はその表面に酸素を選択的に吸着するので、分子篩炭近傍の酸素濃度が高まっている。同時に、分子篩炭自身が触媒を担持しているので、触媒金属、プロトン電解質およびカーボン担体(分子篩炭)の三相界面が従来の燃料電池の反応場よりも酸素を多く含み、プロトン、酸素および電子の電気化学反応が促進される。結果として、発電性能が向上する効果が得られる。
本発明の膜−電極構造体の第2の実施形態として、カソード電極触媒層が、触媒と、この触媒を担持した細孔径0.3〜0.5μmの細孔を有する分子篩炭と、同じく触媒を担持したカーボン担体と、プロトン電解質とを含む態様、すなわち上述の第1実施形態において一部の分子篩炭が従来のカーボン担体に置き換わった態様が挙げられる。この形態においては、分子篩炭およびカーボン担体が共に触媒金属を担持しているので、分子篩炭が酸素を吸着して三相界面の酸素濃度を高める効果に加えて、耐久性の高い従来のカーボン担体によって電極触媒層の劣化を抑制し、長期に亘って発電性能を維持することができる。このように、発電性能と耐久性を両立することができる。このようなカーボン担体としては、黒鉛化カーボンが好ましく使用されるが、本発明においては、ファーネスブラック、ケッチェンブラック等を使用することができる。また、黒鉛化カーボンに対する分子篩炭の配合重量は、10〜100重量%であることが好ましい。分子篩炭の配合重量比が10重量%以上の場合は、分子篩炭を含有することによる発電性能向上の効果が十分に得られ、好ましい。一方、配合重量比が100重量%以下の場合は、電極触媒層中に細孔を十分確保することができ、結果としてガス透過性を十分確保でき、また、生成する水を容易に排出することができ、好ましい。
触媒金属を分子篩炭に担持させる方法は特に限定されず、例えば触媒が白金の場合は、実施例で行ったように、白金含有イオンの溶液にチオ硫酸ナトリウム塩等の還元剤を添加してゾル状とし、これを分子篩炭上に吸着・乾燥させる方法の他、従来の熱分解法、すなわち触媒金属の化合物を溶解した溶液を塗布等により分子篩炭上に被覆した後、熱処理を行って被覆した触媒金属化合物を分解し、触媒金属に変換する方法を適用することも可能である。
本発明の実施例においては分子篩炭をアノード電極およびカソード電極の両方に含有させているが、少なくとも、分子篩炭による酸素分圧の向上効果が要求されるカソード電極層に含有されていれば、本発明の効果を得ることができる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を具体的に説明する。
A.触媒担持分子篩炭添加による検討
[実施例1]
熱硬化性フェノール樹脂微粉末100重量部と、液状レゾール樹脂20重量部(固形分)と、ポリビニルアルコール3重量部とを均一に混合し、この均一混合物を粒状物に成形して乳鉢で粉砕後、窒素雰囲気下650℃で1時間で加熱処理を行って炭化した粒状物を製造した。得られた粒状物をめのう乳鉢で10分以上粉砕し、粉末状の分子篩炭を得た。得られた分子篩炭は、最大直径15μm程度の球状の形態であり、細孔容積は分子篩炭1g当たり0.21cc/gであった。細孔分布測定機(商品名:AUTOSORB−1−MP、ユアサアイオニクス社製)を用い、窒素ガスを測定ガスとして測定を行ったところ、0.3〜0.5nmの細孔直径を有するミクロ孔の細孔容積の割合は89%、0.5μm以上の細孔直径を有するミクロ孔の細孔容積の割合は9.5%であった。また、炭素含有率は90重量%であった。この分子篩炭の比表面積は、窒素吸着によるBET法により測定した値として830m/gであった。
次に、金属白金触媒:分子篩炭=50:50の重量比で担持させて触媒担持分子篩炭を調製した。白金金属触媒の担持方法は、次のとおりである。塩化白金酸水溶液にチオ硫酸ナトリウム塩(Na・5HO)を添加してゾル状溶液とし、このゾルを分子篩炭上に吸着させ、乾燥して白金担持分子篩炭を得た。この触媒担持分子篩炭を、イオン伝導性材料溶液としてのパーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物(商品名:ナフィオン、デュポン社製)の水+n−プロパノール溶液に、触媒担持分子篩炭:イオン伝導性材料=50:50の重量比で均一に分散させることにより、触媒ペーストを調製した。
次に、フッ素樹脂系離型フィルム上に、前記触媒ペーストを触媒量が例えば0.4〜0.5mg/cmとなるようにスクリーン印刷し、乾燥させて電極触媒層を形成した。このフッ素樹脂系離型フィルム上に電極触媒層を形成したものをもう1つ作製し、高分子電解質膜(商品名:NF102、デュポン社製)をこれら一対の電極触媒層で挟持し、フッ素樹脂系離型フィルム越しに130℃、3MPaの面圧にて10分間ホットプレスした。これにより、電極触媒層が高分子電解質膜に転写され、続いてフッ素樹脂系離型フィルムを剥離し、高分子電解質膜が一対の電極触媒層に挟持された積層体を得た。
次に、撥水性材料としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子と、電子伝導性材料としてのカーボンブラックとを、撥水性材料:電子伝導性材料=5:4の重量比で混合して得られた混合物をエチレングリコールに均一に分散させて、第1のスラリーを調製した。第1のスラリーを、炭素基材層としてのカーボンペーパー上に塗布・乾燥させることにより、乾燥膜厚10μmの撥水性層を形成した。続いて、電子伝導性材料としてのカーボンブラックと、細孔形成材料としての炭素繊維(商品名:VGCF、昭和電工株式会社製)と、前記分子篩炭とを、イオン伝導性材料溶液としてのパーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物(商品名:ナフィオン、デュポン社製)溶液に、電子伝導性材料:細孔形成材料:イオン伝導性材料:分子篩炭=5:4:14:1の重量比で均一に分散させ、第2のスラリーを調製した。第2のスラリーを、前記撥水性層上に塗布・乾燥させることにより、膜厚4μmの親水性層を形成した。この結果、カーボンペーパー上に撥水性層および親水性層を順に設けた拡散電極が形成された。この親水性層は、分子篩炭を含む前記第2のスラリーにより形成されている。
同様にして拡散電極を一対作製し、拡散電極の親水性層側が電極触媒層側に積層されるように前記積層体を挟持し、カーボンペーパー越しに120℃、2MPaの面圧にて10分間ホットプレスし、実施例1の膜−電極構造体を得た。この膜−電極構造体を一対のセパレータ間に挟持し、スタックとした状態で、70℃の5%硫酸水溶液を20分間流し、不純物除去を行った後、純水を20分間流し、その後、窒素ガスにて5分間乾燥を行った。
[実施例2]
白金粒子:カーボンブラック(ファーネスブラック)を50:50の重量比で担持させて触媒担持粒子を調製した。次に、この触媒担持粒子と、実施例1において作製した触媒担持分子篩炭とを、イオン伝導性材料溶液としてのパーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物(商品名:ナフィオン、デュポン社製)溶液に、触媒担持粒子:触媒担持分子篩炭:イオン伝導性材料=4:1:5の重量比で均一に分散させることにより、触媒ペーストを調製した。この触媒ペーストを用いた以外は実施例1と同様にして、実施例2の膜−電極構造体を作製した。
[比較例1]
白金触媒を電子伝導性のカーボン担体(カーボンブラック(ファーネスブラック))に、触媒:電子伝導性材料=50:50の重量比で担持させて触媒担持粒子を調製した。この触媒担持粒子をイオン伝導性材料溶液としてのパーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物(商品名:ナフィオン、デュポン社製)溶液に、触媒担持粒子:イオン伝導性材料=5:5の重量比で均一に分散させることにより、触媒ペーストを調製した。この触媒ペーストを用いた以外は実施例1と同様にして、比較例1の膜−電極構造体を作製した。
実施例1、2および比較例1の膜−電極構造体を用いて電極面積が100cmの単セルを作製し、アノード側には純水素、カソード側には空気を供給して80℃での性能を評価した。加湿量はアノード/カソード=65/65%、利用率はアノード/カソード=80/75%とした。ここで、利用率とは、その電流密度と電極面積から理論上反応に消費される量のガスを投入した場合を100%とした値であり、例えば消費される量に対して2倍のガスを供給した場合には利用率50%となる。実施例1、2および比較例1の膜−電極構造体における電流密度とセル電圧の関係を示すグラフを図1に示す。図1に示すように、実施例1および2の膜−電極構造体では、高い電流密度であってもセル電圧の低下が抑制され、発電性能が向上している。
B.触媒担持分子篩炭の比表面積による検討
[実施例3〜9]
実施例1における分子篩炭作製の際に、焼成温度を500〜850℃の範囲で変化させ、めのう乳鉢での粉砕時間を5分〜48時間の範囲で変化(1時間以上はボールミルと併用)させることにより、比表面積が異なる実施例3〜9の分子篩炭を得た。BET法によってこれらの分子篩炭比表面積を求めたところ、表1に示すように62〜678m/gであった。これら分子篩炭を用いて、実施例1と同様の方法によって実施例3〜9の膜−電極構造体を作製した。以下、同様にして、得られた各膜−電極構造体を用いて単セルを作製し、性能評価を行った。実施例3〜9における分子篩炭比表面積とセル電圧の測定結果を表1に示し、これらをプロットしたグラフを図2に示す。
Figure 2007242392
表1および図2に示すように、分子篩炭の比表面積が150m/g以上の範囲において特に高い発電性能が示されている。なお、上限値については、図2に示すように比表面積が大きいほど発電性能が向上しているが、700m/g以上では性能向上率が飽和しこれ以上の性能向上が見込めないため、また、これ以上の比表面積を得るためにはさらなる粉砕等のコストを要するため、700m/gを上限としている。
C.触媒担持分子篩炭の重量比による検討
[実施例10]
白金粒子:黒鉛化カーボン=50:50の重量比で担持させて触媒担持粒子を調製した。次に、触媒担持粒子と、実施例1において作製した触媒担持分子篩炭とを、イオン伝導性材料溶液としてのパーフルオロアルキレンスルホン酸高分子化合物(商品名:ナフィオン、デュポン社製)溶液に、触媒担持粒子:触媒担持分子篩炭:イオン伝導性材料=x:y:5(但しx+y=5)の重量比で均一に分散させることにより、触媒ペーストを調製した。この際、触媒担持粒子:触媒担持分子篩炭=x:yの値を任意に変更した複数の触媒ペーストを作製し、実施例1と同様の方法によって膜−電極構造体を作製した。以下、同様にして、得られた各膜−電極構造体を用いて単セルを作製し、性能評価を行った。その結果を図3に示す。さらに、耐久試験として、性能測定時と同じ条件で1000時間連続運転し、初期電圧からの電圧低下量を性能低下量として比較した。その結果を図4に示す。図3および4に示すように、触媒担持分子篩炭の含有量が多いほど発電性能は高いが、触媒担持黒鉛化カーボンの含有量が多いほど耐久性は高いということが判明した。これらのデータから、黒鉛化カーボンに対する分子篩炭の含有量を10〜100%の範囲とすることにより、発電性能の向上と耐久性の確保が両立することが示された。
付加的な酸素富化装置等を設けることなく電極触媒層中の酸素分圧を高めることができ、発電性能の向上した燃料電池を提供することができる。
触媒担持分子篩炭添加による発電性能向上を示すグラフである。 触媒担持分子篩炭の比表面積とセル電圧(発電性能)の関係を示すグラフである。 触媒担持黒鉛化カーボンに対する触媒担持分子篩炭の含有量と、セル電圧(発電性能)の関係を示すグラフである。 触媒担持黒鉛化カーボンに対する触媒担持分子篩炭の含有量と、耐久試験後の電圧低下量の関係を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 高分子電解質膜の一方の面にカソード電極触媒層を形成し、他方の面にアノード電極触媒層を形成した固体高分子型燃料電池用膜電極構造体であって、
    上記カソード電極触媒層は、触媒を担持した細孔径0.3〜0.5nmの細孔を有する分子篩炭を含むことを特徴とする固体高分子型燃料電池用膜電極構造体。
  2. 前記触媒を担持した分子篩炭の比表面積が150〜700m/gであることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池用膜電極構造体。
  3. 前記カソード電極触媒層は、さらに、触媒を短持した黒鉛化カーボンを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の固体高分子型燃料電池用膜電極構造体。
  4. 前記触媒担持黒鉛化カーボンに対する前記触媒担持分子篩炭の配合重量が10〜100%であることを特徴とする請求項3に記載の固体高分子型燃料電池用膜電極構造体。
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WO2021095738A1 (ja) * 2019-11-13 2021-05-20 大阪ガスケミカル株式会社 分子篩活性炭

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