以下、本発明の好適な実施形態につき説明する。
<第1の実施形態:構成>
図1は本発明の一実施形態にかかる画像形成装置1のハードウェア構成例を示す図である。
図1において、画像形成装置1は、バス102に接続されたCPU(Central Processing Unit)103、記憶装置104、ネットワークI/F(Interface)105および外部メディアI/F106を含むコントローラ101を備えている。
コントローラ101は画像形成装置1の主たる制御動作を行う部分である。CPU103は、コンピュータプログラムの実行により所定の制御処理を行う部分である。記憶装置104は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等のデータ記憶媒体である。ネットワークI/F105は、PC(Personal Computer)等の外部機器22との間でデータ通信を行う部分である。外部メディアI/F106は、フラッシュメモリ等の外部メディア23との間でデータの読み書きを行う部分である。
また、画像形成装置1は、コントローラ101のバス102に接続された操作部107、表示部108、プロッタデバイス109、スキャナデバイス110およびFAXデバイス111を備えている。操作部107は、ユーザにより操作されるボタンおよびタッチパネルを含む。表示部108は、液晶パネル等により構成され、画像形成装置1の設定内容や状態を表示する部分である。プロッタデバイス109は、用紙への印字を行う部分である。スキャナデバイス110は、原稿の読み取りを行う部分である。FAXデバイス111は、電話回線を介してFAX専用機等の外部機器21との間でファクシミリ送受信を行う部分である。
図2は本発明の一実施形態にかかる画像形成装置1のソフトウェア構成例を示す図である。
図2において、画像形成装置1は、共通の制御部として、表示制御部121、要求管理部122、実行順制御部123、ジョブ制御部124および出力順制御部125を備えている。
表示制御部121は、操作部107(図1)のキー押下情報を受け、表示部108への画面の表示、画面の遷移、要求管理部122への実行指示を行う機能を有している。
要求管理部122は、ジョブ単位の実行管理を行う部分であり、内部機能の一つとして実行順制御部123を有している。実行順制御部123は、複数のジョブが実行される際の実行順管理を行う機能を有している。
ジョブ制御部124は、入力と出力を組み合わせたジョブの実行制御を行う部分であり、内部機能の一つとして出力順制御部125を有している。出力順制御部125は、複数の出力の順序制御を行う機能を有している。
また、入力群として、FAX受信制御部126、読み取り制御部127、PC受信制御部128および文書読み出し制御部129を有している。
FAX受信制御部126は、外部機器21(図1)より電話回線を利用して送られてくるデータを解析し、画像形成装置1内で取り扱い可能な形の画像データを生成する画像入力機能を提供する。
読み取り制御部127は、画像形成装置1内のスキャナデバイス110を制御することで原稿を読み取り、画像形成装置1内で取り扱い可能な形で画像データを生成する画像入力機能を提供する。
PC受信制御部128は、ネットワークで送られてくるPCからのデータを解析し、画像形成装置1内で取り扱い可能な形の画像データを生成する画像入力機能を提供する。
文書読み出し制御部129は、画像形成装置1内の記憶装置104やSDカード等の外部メディア23に保管文書として記憶されている画像データを、画像形成装置1内で取り扱い可能な形の画像データに変換する画像入力機能を提供する。
また、出力群として、印刷制御部130、FAX送信制御部131、文書蓄積制御部132およびメール送信制御部133を有している。
印刷制御部130は、画像形成装置1内のプロッタデバイス109を制御することで、画像形成装置1内で加工された画像データを紙などの媒体に転写することによって機器外に出力する画像出力機能を提供する。
FAX送信制御部131は、画像形成装置1から電話回線を介して外部機器21に画像データを送出する画像出力機能を提供する。
文書蓄積制御部132は、画像データを画像形成装置1内の記憶装置104やSDカード等の外部メディア23に保管文書として記憶する画像出力機能を提供する。
メール送信制御部133は、画像形成装置1からネットワークに画像データを送出する画像出力機能を提供する。
図3は制御動作に用いられるジョブ実行順管理テーブルT1および利用機能テーブルT2の例を示す図である。
図3において、要求管理部122は、ジョブの実行順を管理するためのデータとしてジョブ実行順管理テーブルT1を有し、ジョブ制御部124は、ジョブが利用している機能を管理するためのデータとして利用機能テーブルT2を有している。
ジョブ実行順管理テーブルT1は、要求管理部122が記憶領域上に実行管理処理のために一時的に保存することで保持しているデータである。縦軸にジョブ、横軸にシステム上利用可能な機能の利用の有無が並んでいる。ユーザがジョブの実行要求を行うたびに、投入されたジョブのデータをジョブ実行順管理テーブルT1上に作成し、ジョブが利用している機能が何かを記載する。ジョブのデータは、新規ジョブが作成されるごとにテーブル下部から上部に向かって追加、記載していくが、ジョブの実行状態が変化するたびに最新の実行順にソートされる。
利用機能テーブルT2は、ジョブ制御部124が記憶領域上に実行管理処理のために一時的に保存することで保持しているデータである。このデータはジョブごとに存在し、利用できる機能とその利用状態を入力と出力に分けて記載している。利用状態としては、このジョブを実行する上で不要な機能であることを示す「不使用」、このジョブを実行する上で必要な機能であるか、機能が利用されているか(情報を得ていないので)不明な状態であることを示す「利用予定」、このジョブを実行する上で必要な機能であり、他のジョブで使用されているので順番待ちしている状態を示す「空き待ち」、このジョブを実行する上で必要な機能であり、このジョブ実行で実際に使用している状態を示す「利用中」がある。加えて、出力に関しては、どのようなタイミングで出力動作を開始するかについての設定を記載している。ここでは「順次実行」が設定されているが、他に「一斉実行」がある。
<第1の実施形態:動作>
図4A〜図4Cは上記の実施形態の基本的な処理例を示すシーケンス図である。また、図5A〜図5Cは表示部108(操作部107兼用)に表示される設定画面の例を示す図、図6A〜図6Dは利用機能テーブルT2の例を示す図、図7A、図7Bはジョブ実行順管理テーブルT1の例を示す図である。
以下、ジョブ#1として入力:読み取り、出力:印刷、FAX送信、ジョブ#2として入力:読み取り、出力:印刷、蓄積を順次に投入する場合を例に、多出力ジョブの予約と実行の処理例について説明する。
先ず、画像形成装置1に実行中のジョブも予約中のジョブもない状態から1ジョブ目の投入を行う場合について説明する。
図4Aにおいて、表示制御部121により表示部108(操作部107兼用)に表示される動作設定画面を利用してユーザは設定を行う(ステップS101)。ここでは、設定内容を動作設定#1とする。
図5Aは動作設定画面の例を示しており、領域141にはステータス等のメッセージ142と受け付けられるジョブ番号143とが表示されている。領域144の領域145には入力として利用可能な機能が表示され、文字列「▽入力」の横には選択中の入力機能146が表示される。領域147の領域148には出力として利用可能な機能が表示される。
ユーザは設定が終わると、操作部107のスタートキー(図示せず)を押下して画像形成装置1に対してジョブの実行を指示する。ユーザが操作部107のスタートキーを押下することにより、操作部107はスタートキーが押下されたことを表示制御部121に通知する。
図4Aに戻り、表示制御部121はスタートキーの押下の通知を受けて、動作設定として画面で設定されているパラメータ郡"動作設定#1"を伴って要求管理部122に対して実行要求の"投入"を指示する(ステップS102)。
表示制御部121から"投入"指示を受けると、要求管理部122は、受け取った"動作設定#1"を伴ってジョブ制御部124に対して"ジョブ生成"を指示する(ステップS103)。"ジョブ生成"指示を受けると、ジョブ制御部124は、受け取った"動作設定#1"の内容を実行するための"ジョブ#1"を生成し、要求元の要求管理部122に返す(ステップS104)。なお、ジョブ制御部124は、"動作設定#1"を解析し、"ジョブ#1"で利用する入力機能、出力機能の使用状態を利用機能テーブルT2に記載する。図6Aはこの時点における利用機能テーブルT2の例を示しており、ジョブ#1は、入力機能として"読み取り"、出力機能として、"印刷"、"FAX送信"を利用するので、それらが"利用予定"になっている。利用しない機能は、"不使用"になっている。
図4Aに戻り、ジョブが生成されると、要求管理部122は、"ジョブ#1"を実行するためのリソースの状況を確認するために、"ジョブ#1"を伴ってジョブ制御部124に対して"問い合わせ"を指示する(ステップS105)。
"問い合わせ"指示を受けると、ジョブ制御部124は、受け取った"ジョブ#1"の利用機能テーブルT2を参照し、"利用予定"になっている機能に対応する制御部(読み取り制御部127、印刷制御部130、FAX送信制御部131)に対して、"ジョブ#1"を伴って"問い合わせ"を実施する(ステップS106、S108、S110)。
"問い合わせ"指示を受けた各制御部は、現在実行されているジョブがあるのかを確認し、ジョブ実行を受け付けることが可能かどうかを返す(ステップS107、S109、S111)。ここでは、何も実行されているものがないので、各制御部からは、"OK"が返答される。すなわち、読み取り:OK、印刷:OK、FAX送信:OKとなる。
ジョブ制御部124は、この結果を、利用機能テーブルT2に記録する。この時点での"ジョブ#1"の利用機能テーブルT2は、図6Bに示すように、以前の"利用予定"が"利用OK"になる。そして、図4Aに戻り、ジョブ制御部124は、この結果を要求管理部122に返答する(ステップS112)。全ての機能が利用可能状態にあるので、"全OK"を返答する。
ジョブ制御部124からの返答を受けると、要求管理部122は、実行順制御部123を使って"実行順判断"を行う(ステップS113)。この際、要求管理部122は、"ジョブ#1"の利用機能テーブルT2を参照して、ジョブ実行順管理テーブルT1にエントリを追加する。基本的に、新規エントリは投入された順番にジョブ実行順管理テーブルT1の下部から上部に積み上がっていく。この時点でのジョブ実行順管理テーブルT1の例を図7Aに示す。
また、図4Aにおいて、実行順制御部123による"実行順判断"は、ジョブ間で利用機能の競合がないので、"ジョブ#1"はすぐに実行可能な状態("実行全OK")にあると判断される(ステップS114)。
続いて、要求管理部122は、先の判断結果に基づき、ジョブ制御部124に対して、実行対象のジョブである"ジョブ#1"と実行を許可する機能の指定である"読み取り:OK、印刷:OK、FAX送信:OK"を指定して"実行"を指示する(ステップS115)。
"実行"指示を受けると、ジョブ制御部124は、出力順制御部125を利用して、出力可否チェックを行う(ステップS116)。出力順制御部125は、出力のタイミングを判断する役割を持っていて、本実施形態では、順次に実行するためのタイミングを判定している。出力順制御部125は、"ジョブ#1"の利用機能テーブルT2を元に出力を開始してもよいか否か判断する。ここでは、利用出力機能の印刷、FAX送信がどちらも"利用OK"であるので、出力可能である("OK")と判断される(ステップS117)。
そのため、ジョブ制御部124は、要求管理部122から実行を許可された機能、ここでは"読み取り:OK、印刷:OK、FAX送信:OK"であるので、読み取り制御部127、印刷制御部130、FAX送信制御部131に対して、"実行"を指示していく(ステップS118〜S123)。ジョブ制御部124は、この指示の後、利用機能テーブルT2を更新する。更新後の利用機能テーブルT2は、図6Cに示すように、以前の"利用OK"が"利用中"になる。
図4Aに戻り、実行指示が完了してジョブ制御部124から要求管理部122に応答があると(ステップS124)、要求管理部122は生成した"ジョブ#1"を表示制御部121に渡す(ステップS125)。
その後、読み取り制御部127で管理する読み取り動作が完了すると、読み取り制御部127は、対象のジョブである"ジョブ#1"を伴ってジョブ制御部124に対して"実行完了"を伝える(ステップS126)。
これを受け、ジョブ制御部124は、利用機能テーブルT2を更新し(読み取り:利用中→読み取り:利用完了)、要求管理部122に対し、次のジョブを受け付け可能になった("次ジョブOK")ことを伝える(ステップS127)。
これを受け、要求管理部122は、表示制御部121に対して次の要求の受け付けが可能になった("要求受付可")ことを伝える(ステップS128)。表示制御部121から読み取り制御部127へは応答が行われる(ステップS129〜S131)。
これにより、表示制御部121は、動作設定画面に予約キーを表示して、ユーザに対して次のジョブが受付可能になったことを知らせる。図5Bは動作設定画面の例を示しており、画面上方に「新規予約」という見出しの予約キー149が表示されている。
次に、1ジョブ目の実行中における2ジョブ目の実行予約を説明する。基本的には、1ジョブ目の実行と同様の流れになる。
図4Bにおいて、表示制御部121により表示部108(操作部107兼用)に表示される動作設定画面を利用してユーザは設定を行う(ステップS132)。ここでは、設定内容を動作設定#2とする。
設定開始時の動作設定画面は図5Bに示したようなものとなっており、予約キー149を押下することで、図5Cのような動作設定画面となり、ユーザに条件設定を促す。領域141の表示は、図5Aと比べ、メッセージ142が「実行できます。」から「予約できます。」に変更され、ジョブ番号143が"ジョブ#1"から"ジョブ#2"に変更されている。
ユーザは設定が終わると、操作部107のスタートキー(図示せず)を押下して画像形成装置1に対してジョブの実行を指示する。ユーザが操作部107のスタートキーを押下することにより、操作部107はスタートキーが押下されたことを表示制御部121に通知する。
図4Bに戻り、表示制御部121はスタートキーの押下の通知を受けて、動作設定として画面で設定されているパラメータ郡"動作設定#2"を伴って要求管理部122に対して実行要求の"投入"を指示する(ステップS133)。
表示制御部121から"投入"指示を受けると、要求管理部122は、受け取った"動作設定#2"を伴ってジョブ制御部124に対して"ジョブ生成"を指示する(ステップS134)。"ジョブ生成"指示を受けると、ジョブ制御部124は、受け取った"動作設定#2"の内容を実行するための"ジョブ#2"を生成し、要求元の要求管理部122に返す(ステップS135)。なお、ジョブ制御部124は、"動作設定#2"を解析し、"ジョブ#2"で利用する入力機能、出力機能の使用状態を利用機能テーブルT2に記載する。
ジョブが生成されると、要求管理部122は、"ジョブ#2"を実行するためのリソースの状況を確認するために、"ジョブ#2"を伴ってジョブ制御部124に対して"問い合わせ"を指示する(ステップS136)。
"問い合わせ"指示を受けると、ジョブ制御部124は、受け取った"ジョブ#2"の利用機能テーブルT2を参照し、"利用予定"になっている機能に対応する制御部(読み取り制御部127、印刷制御部130、文書蓄積制御部132)に対して、"ジョブ#2"を伴って"問い合わせ"を実施する(ステップS137、S139、S141)。
"問い合わせ"指示を受けた各制御部は、現在実行されているジョブがあるのかを確認し、ジョブ実行を受け付けることが可能かどうかを返す(ステップS138、S140、S142)。ここでは、読み取り動作は完了しているため読み取り制御部127からは"OK"が返答されるが、"ジョブ#1"で印刷とFAX送信を利用中であるので、印刷制御部130からは"NG"が返答され、文書蓄積制御部132からは"OK"が返答される。
ジョブ制御部124は、この結果を、利用機能テーブルT2に記録する。この時点での"ジョブ#2"の利用機能テーブルT2は、図6Dに示すようなものとなる。そして、図4Bに戻り、ジョブ制御部124は、この結果、読み取り:OK、印刷:NG、蓄積:OKを要求管理部122に返答する(ステップS143)。
ジョブ制御部124からの返答を受けると、要求管理部122は、実行順制御部123を使って"実行順判断"を行う(ステップS144)。この際、要求管理部122は、"ジョブ#2"の利用機能テーブルT2を参照して、ジョブ実行順管理テーブルT1にエントリを追加する。この時点でのジョブ実行順管理テーブルT1の例を図7Bに示す。
また、図4Bにおいて、実行順制御部123による"実行順判断"では、"ジョブ#2"の利用機能テーブルT2から、印刷は空きを待っている状態で、蓄積と読み取りが利用可能な状態であることと、ジョブ実行順管理テーブルT1から"ジョブ#2"が利用予定の印刷について、"ジョブ#2"の前に実行しているジョブ("ジョブ#1")が利用している機能との間で競合しているが、蓄積は実行可能で、出力可能なものがある状態であることがわかるため、判断結果は、"実行全OK"となる(ステップS145)。
続いて、要求管理部122は、先の判断結果に基づき、ジョブ制御部124に対して、実行対象のジョブである"ジョブ#2"と実行を許可する機能の指定である"読み取り:OK"等を指定して"実行"を指示する(ステップS146)。
"実行"指示を受けると、ジョブ制御部124は、出力順制御部125を利用して、出力可否チェックを行う(ステップS147)。出力順制御部125は、"ジョブ#2"の利用機能テーブルT2を元に出力を開始してもよいか否か判断する。ここでは、"ジョブ#2"の利用機能テーブルT2では出力タイミングが"順次実行"であることと、利用予定の出力機能のうち、蓄積が"利用OK"であるので"蓄積OK"と判断される(ステップS148)。
そのため、ジョブ制御部124は、読み取り制御部127と文書蓄積制御部132に"実行"を指示する(ステップS149〜S152)。印刷は"空き待ち"であるので、印刷制御部130に"実行"は指示しない。ジョブ制御部124は、この指示の後、利用機能テーブルT2を更新し、実行を指示した"読み取り"につき、以前の"利用OK"から"利用中"に変更する。
実行指示が完了してジョブ制御部124から要求管理部122に応答があると(ステップS153)、要求管理部122は生成した"ジョブ#2"を表示制御部121に渡す(ステップS154)。
その後、読み取り制御部127で管理する読み取り動作が完了すると、読み取り制御部127は、対象のジョブである"ジョブ#2"を伴ってジョブ制御部124に対して"実行完了"を伝える(ステップS155)。
これを受け、ジョブ制御部124は、利用機能テーブルT2を更新し(読み取り:利用中→読み取り:利用完了)、要求管理部122に対し、次のジョブを受け付け可能になった("次ジョブOK")ことを伝える(ステップS156)。
これを受け、要求管理部122は、表示制御部121に対して次の要求の受け付けが可能になった("要求受付可")ことを伝える(ステップS157)。表示制御部121から読み取り制御部127へは応答が行われる(ステップS158〜S160)。
次に図4Cにおいて、印刷制御部130で管理する印刷動作が完了すると、印刷制御部130は、対象のジョブである"ジョブ#1"を伴ってジョブ制御部124に対して"実行完了"を伝える(ステップS161)。
これを受け、ジョブ制御部124は、"ジョブ#1"の利用機能テーブルT2を更新し(印刷:利用中→印刷:利用完了)、印刷制御部130に応答を返す(ステップS162)。
次いで、印刷制御部130は、"ジョブ#2"を伴ってジョブ制御部124に対して"実行可能"を伝える(ステップS163)。
これを受け、ジョブ制御部124は、"ジョブ#2"の利用機能テーブルT2を更新し(印刷:空き待ち→印刷:利用OK)、"ジョブ#2"を伴って要求管理部122に"印刷:空き(ジョブ#2)"を伝える(ステップS164)。
これを受け、要求管理部122は、実行順制御部123を使って"実行順判断"を行うが(ステップS165)、このタイミングでは、空き待ちになっていた印刷が完了したため、実行順判断は"印刷OK"となる(ステップS166)。
従って、要求管理部122は、ジョブ制御部124に対して、実行対象のジョブである"ジョブ#2"と"全出力:OK等を指定して"実行"を指示する(ステップS167)。
"実行"指示を受けると、ジョブ制御部124は、出力順制御部125を利用して、出力可否チェックを行う(ステップS168)。ここでは、"印刷OK"と判断される(ステップS169)。
そのため、ジョブ制御部124は、印刷制御部130に"実行"を指示する(ステップS170、S171)。ジョブ制御部124から印刷制御部130へは応答が行われる(ステップS172、S174)。
その後、FAX送信制御部131で管理するFAX送信動作が完了すると、FAX送信制御部131は、対象のジョブである"ジョブ#1"を伴ってジョブ制御部124に対して"実行完了"を伝える(ステップS175)。
これを受け、ジョブ制御部124は、"ジョブ#1"の利用機能テーブルT2を更新し(FAX送信:利用中→FAX送信:利用完了)、"ジョブ#1"を伴って要求管理部122に"実行完了"を伝える(ステップS176)。
これを受け、要求管理部122は、表示制御部121に"ジョブ#1"を伴って"実行完了"を伝え(ステップS177)、表示制御部121は表示部108に"ジョブ#1"の完了を表示する。表示制御部121からFAX送信制御部131へは応答が行われる(ステップS178〜S180)。
その後、文書蓄積制御部132で管理する蓄積動作が完了すると、文書蓄積制御部132は、対象のジョブである"ジョブ#2"を伴ってジョブ制御部124に対して"実行完了"を伝える(ステップS181、S182)。
その後、印刷制御部130で管理する印刷動作が完了すると、印刷制御部130は、対象のジョブである"ジョブ#2"を伴ってジョブ制御部124に対して"実行完了"を伝える(ステップS183)。
これを受け、ジョブ制御部124は、"ジョブ#2"の利用機能テーブルT2を更新し(印刷:利用中→印刷:利用完了)、"ジョブ#2"を伴って要求管理部122に"実行完了"を伝える(ステップS184)。
これを受け、要求管理部122は、表示制御部121に"ジョブ#2"を伴って"実行完了"を伝え(ステップS185)、表示制御部121は表示部108に"ジョブ#2"の完了を表示する。表示制御部121から印刷制御部130へは応答が行われる(ステップS186〜S188)。
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、第1の実施形態をベースとしつつ、ユーザとそのユーザへの通知先を予め登録し、ジョブを実行したユーザに出力が終了したことを通知する機能を追加したものである。かかる機能は、図8に示すように、画像形成装置1に新たに設けられる終了通知部163とユーザ情報記憶部164により提供される。終了通知部163は、ジョブを実行したユーザに出力が終了したことを通知する機能を有している。ユーザ情報記憶部164は、ユーザとそのユーザへの通知先(例えばメールアドレス等)が予め登録されており、指定したユーザへの連絡先を提供する機能を有している。
これにより、ユーザに出力が終了したことを通知することができ、ユーザは出力されたことを認識することができる。
図9A〜図9Cはジョブの個々の出力の終了を通知する場合の処理例を示すシーケンス図である。ここでは、出力として"印刷"および"FAX送信"が指定されている"ジョブ#1"、続く予約ジョブの出力として"印刷"、"蓄積"が指定された"ジョブ#2"が投入されるケースについて説明する。
図9Aの処理(ステップS201〜S231)は、既に説明した図4Aの処理(ステップS101〜S131)と同様である。
図9Bの"ジョブ#2"の投入、実行、出力可否チェックまでの処理(ステップS232〜S248)は、既に説明した図4Bの処理(ステップS132〜S148)と同様である。
図9Bにおいて、出力可否チェック(ステップS247、S248)の結果、出力の内1つでもすぐに実行できない場合、"ジョブ#2"は予約ジョブとなったものとして投入したユーザをジョブ制御部124で記憶する(ステップS249、S250)。この情報は、後にそのジョブに属する出力が終了した際に使われる。
図9Bにおけるその後の処理(ステップS251〜S262)は、既に説明した図4Bの処理(ステップS149〜S160)と同様である。
図9Cにおいて、"ジョブ#2"の出力が1つ終了し(ステップS283)、その出力が属するジョブが予約ジョブである場合、ジョブ制御部124は終了通知部163に出力が終了したことを通知する(ステップS284)。
終了通知部163は、予めユーザとそのユーザへの通知先が登録されているユーザ情報記憶部164から"ジョブ#2"を実行したユーザを元に通知先を取得し(ステップS285、S286)、出力の1つが終了したことをジョブを実行したユーザに通知する(ステップS287、S288)。
その後も同様に、"ジョブ#2"の出力が終了すると(ステップS291)、ジョブ制御部124は予約ジョブか判定し、終了通知部163に出力が終了したことを通知し、ジョブを実行したユーザに通知を行う(ステップS292〜S297)。図9Cにおける他の処理は、既に説明した図4Cの処理と同様である。
<第3の実施形態>
第3の実施形態は、第2の実施形態をベースとしつつ、1つの出力が終了した際に、その出力を行ったジョブの他の出力が全て終了した場合にユーザに通知する機能を追加したものである。かかる機能は、図8に示すように、画像形成装置1に新たに設けられるジョブ終了判定部165により提供される。ジョブ終了判定部165は、1つの出力が終了した際に、その出力を行ったジョブの他の出力が全て終了しているかを判定する機能を有している。
これにより、ユーザに全ての出力が終了したことを通知することができ、ユーザが予約したジョブが終了したことを認識することができる。
図10A〜図10Cはジョブの全ての出力の終了を通知する場合の処理例を示すシーケンス図である。ここでは、出力として"印刷"および"FAX送信"が指定されている"ジョブ#1"、続く予約ジョブの出力として"印刷"、"蓄積"が指定された"ジョブ#2"が投入されるケースについて説明する。
図10Aの処理(ステップS401〜S431)は、既に説明した図9Aの処理(ステップS201〜S231)と同様である。
図10Bの処理(ステップS432〜S462)は、既に説明した図9Bの処理(ステップS232〜S262)と同様である。
図10Cにおいて、"ジョブ#2"の出力が1つ終了すると(ステップS483)、その"ジョブ#2"に属する全ての出力が終了したかをジョブ終了判定部165で判定する(ステップS484、S485)。ここではまだ印刷の出力が終了していないと判定されるため、他の出力の終了を待つ。
その後、"ジョブ#2"の印刷が終了したとき(ステップS487)、再度、ジョブ終了判定部165を用い、"ジョブ#2"の出力が全て終了しているかをチェックする(ステップS488、S489)。このとき、"ジョブ#2"は全ての出力が終了しているため、"ジョブ#2"が終了していると判定される。
"ジョブ#2"が終了し、その出力が属するジョブが予約ジョブである場合、ジョブ制御部124は終了通知部163に出力が終了したことを通知する(ステップS490)。
終了通知部163は、予めユーザとそのユーザへの通知先が登録されているユーザ情報記憶部164から"ジョブ#2"を実行したユーザを元に通知先を取得し(ステップS491、S492)、ジョブの全ての出力が終了したことをジョブを実行したユーザに通知する(ステップS493、S494)。図10Cにおける他の処理は、既に説明した図9Cの処理と同様である。
<第4の実施形態>
第4の実施形態は、第2および第3の実施形態をベースとしつつ、ユーザによる初期設定に従い、出力の終了を通知するかどうか選択できる機能を追加したものである。かかる機能は、図8に示すように、画像形成装置1に新たに設けられる初期設定記憶部161により提供される。初期設定記憶部161は、表示制御部121から入力された初期設定の値を記憶する機能を有している。
これにより、ユーザが初期設定で通知するかどうか選択することができ、通知する場合は、予約ジョブの出力が終了するたびに通知するか、予約ジョブが終了したときのみ通知するかを選択できるので、状況に応じた使い方ができる。
処理にあっては、先ず、ジョブを投入する前に予め初期設定として、予約ジョブの出力が終了したとき、そのジョブを実行したユーザに、1つの出力が終了する度に通知するか、ジョブが終了したときに通知するか、通知しないかを設定する。図11は出力終了時の通知設定の画面例を示す図であり、「通知しない」「出力毎に通知する」「ジョブ終了時に通知する」のそれぞれのボタンを押下することにより設定することができる。
図12A〜図12Cは出力終了時の通知設定に応じた処理例を示すシーケンス図である。ここでは、出力として"印刷"および"FAX送信"が指定されている"ジョブ#1"、続く予約ジョブの出力として"印刷"、"蓄積"が指定された"ジョブ#2"が投入されるケースについて説明する。
図12Aの処理(ステップS501〜S531)は、既に説明した図9Aの処理(ステップS201〜S231)と同様である。
図12Bの処理(ステップS532〜S562)は、既に説明した図9Bの処理(ステップS232〜S262)と同様である。
図12Cにおいて、"ジョブ#2"の出力が1つ終了すると(ステップS583)、ジョブ制御部124は初期設定記憶部161を参照する(ステップS584、S585)。
そして、出力毎に通知するものとなっている場合、終了通知部163により通知を行う(ステップS586〜S591)。
全ての出力が終了した時に通知するものとなっている場合、ジョブ終了判定部165により判定を行う(ステップS592、S993)。ここでは、ここではまだ印刷の出力が終了していないと判定されるため、他の出力の終了を待つ。
その後、"ジョブ#2"の印刷が終了したとき(ステップS595)、再度、初期設定記憶部161を参照する(ステップS596、S597)。
そして、出力毎に通知するものとなっている場合、終了通知部163により通知を行う(ステップS598〜S603)。
全ての出力が終了した時に通知するものとなっている場合、ジョブ終了判定部165により判定を行う(ステップS604、S605)。このとき、"ジョブ#2"は全ての出力が終了しているため、"ジョブ#2"が終了していると判定され、終了通知部163により通知を行う(ステップS606〜S611)。図12Cにおける他の処理は、既に説明した図9Cの処理と同様である。
<第5の実施形態>
第5の実施形態は、第1の実施形態をベースとしつつ、出力が終了した際にジョブを実行したユーザに通知するかしないかをユーザに選択できる機能を追加したものである。かかる機能は、図8に示すように、画像形成装置1に新たに設けられる終了通知有無選択部162と終了通知部163とユーザ情報記憶部164とジョブ終了判定部165により提供される。終了通知有無選択部162は、出力が終了した際、ジョブを実行したユーザに通知するかしないかをユーザに選択させる機能を有している。
これにより、ユーザが予約ジョブ投入時に通知するかどうか選択することができ、通知する場合は、予約ジョブの出力が終了するたびに通知するか、予約ジョブが終了したときのみ通知するかを選択できるので、予約するジョブごとに状況に応じた使い方ができる。
図13A〜図13Cは予約ジョブの出力終了時の通知設定に対応した処理例を示すシーケンス図である。ここでは、出力として"印刷"および"FAX送信"が指定されている"ジョブ#1"、続く予約ジョブの出力として"印刷"、"蓄積"が指定された"ジョブ#2"が投入されるケースについて説明する。
図13Aの処理(ステップS701〜S731)は、既に説明した図9Aの処理(ステップS201〜S231)と同様である。
図13Bの"ジョブ#2"の投入、実行、出力可否チェックの後の予約になったことの記憶までの処理(ステップS732〜S750)は、既に説明した図9Bの処理(ステップS232〜S250)と同様である。
図13Cにおいて、投入したジョブが予約ジョブであることがわかった時、ジョブ制御部124は終了通知有無選択部162に、出力が終了した際にどのように通知するかを判定させる(ステップS751)。終了通知有無選択部162は、表示制御部121に設定画面を表示をさせ、ユーザに、1つの出力が終了する度に通知するか、ジョブが終了したときに通知するか、通知しないかを、選択させる(ステップS752、S753)。図14は予約ジョブの出力終了時の通知設定の画面例を示す図であり、「通知しない」「出力毎に通知する」「ジョブ終了時に通知する」のそれぞれのボタンを押下することにより設定することができる。
その後、"ジョブ#2"のFAX送信の終了(図13CのステップS788)までは、図9Cと同じである。
図13Cにおいて、"ジョブ#2"の出力が1つ終了すると(ステップS789)、ジョブ制御部124は出力終了時の振る舞いを取得する(ステップS790、S791)。
そして、出力毎に通知するものとなっている場合、終了通知部163により通知を行う(ステップS792〜S797)。
全ての出力が終了した時に通知するものとなっている場合、ジョブ終了判定部165により判定を行う(ステップS798、S799)。ここでは、ここではまだ印刷の出力が終了していないと判定されるため、他の出力の終了を待つ。
その後、"ジョブ#2"の印刷が終了したとき(ステップS801)、再度、出力終了時の振る舞いを取得する(ステップS802、S803)。
そして、出力毎に通知するものとなっている場合、終了通知部163により通知を行う(ステップS804〜S809)。
全ての出力が終了した時に通知するものとなっている場合、ジョブ終了判定部165により判定を行う(ステップS810、S811)。このとき、"ジョブ#2"は全ての出力が終了しているため、"ジョブ#2"が終了していると判定され、終了通知部163により通知を行う(ステップS812〜S817)。図13Cにおける他の処理は、既に説明した図9Cの処理と同様である。
<第6の実施形態>
第6の実施形態は、第1の実施形態をベースとしつつ、現在の出力の利用状況を表示する機能を追加したものである。かかる機能は、図8に示すように、画像形成装置1に新たに設けられる出力利用状況表示部166により提供される。これにより、現在の出力状況が表示されるため、ユーザが出力の利用状況に応じた出力を選択することができる。
例えば、既に説明した図4BのステップS149〜S152において、ジョブ制御部124から読み取り制御部127と文書蓄積制御部132に"ジョブ#2"の出力の実行を指示しており、このタイミングでジョブ制御部124から表示制御部121に対して予約時の状態表示を依頼する。図15は出力利用状況表示の画面例を示す図であり、"ジョブ#2"の出力である読み取り、印刷、蓄積(HDD)について「利用中」「空き待ち」等の状態が表示される。
<第7の実施形態>
第7の実施形態は、第1の実施形態をベースとしつつ、ジョブの状況と予約したジョブの出力状況を表示する機能を追加したものである。かかる機能は、図8に示すように、画像形成装置1に新たに設けられるジョブ表示部167と予約ジョブ状況表示部168により提供される。これにより、予約したジョブの出力状況が表示されるため、ユーザが予約したジョブの実行状況を認識することができる。
例えば、既に説明した図5Aの設定画面において、「ジョブ一覧」ボタン171を押下することにより、投入されているジョブを一覧表示することができる。
「ジョブ一覧」ボタン171を押下すると、要求管理部122にて保持されているジョブ一覧情報が図16Aに示すように表示され、更に、図16Aの「詳細状態表示」ボタン172を押下することにより、各ジョブの出力機能の状態(ジョブ制御部124の利用機能テーブルT2の情報)が図16Bのように表示される。なお、図16A、図16Bのように基本的なジョブ一覧画面表示と各ジョブの出力機能の状態表示を別の画面で表示しているが、操作部パネルの大きさ、文字サイズの表示性能によっては一つの画面で表示する場合もある。
<総括>
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に定義された本発明の広範な趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更を加えることができることは明らかである。すなわち、具体例の詳細および添付の図面により本発明が限定されるものと解釈してはならない。