JP5487415B2 - インプラント - Google Patents
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Description
上記アバントメント及び芯部の空洞部分には、歯冠等の固定手段となる、金属又はセラミック製の内側スリーブを有する。
また、アバットメントが、金属やセラミックよりも軟らかい材料で形成されている。このため、上記のような構造の一体型のインプラントについて、外側本体を顎骨に埋入するための、ねじ込み(埋設)の施術が困難であると思われる。
本発明は、施術が簡易で且つ汎用性が高い一体側のインプラントを提供することを課題としている。
上記人工歯根部は、骨に埋入する歯根部本体と、その歯根部本体から骨から離れる方向に突出する支柱部とを備え、
上記アバットメントは、上記支柱部に貫通された状態に上記人工歯根部に支持され、
上記支柱部先端部に、人工歯根部へのトルク入力部を設け、
上記人工歯根部は、歯根部本体と一体に構成されると共に粘膜部分に配置される粘膜貫通部を備え、
その粘膜貫通部は、上記支柱部の根本側を囲むように、歯根部本体から離れるほど外周面及び内周面が大径となるお椀状の壁面からなる受部で構成され、
上記受部の上端面には、周方向における少なくとも一部分に、他の部分よりも高くなっていると共に外周面側から内周面側に向かうにつれて低くなる斜面が形成されて薄肉となっており、
上記アバットメントの下端部は上記受部内のうち少なくとも上記斜面に当接して嵌合する形状となっていることで、その受部の内面に上記アバットメントの歯根部本体側端面が接触していることを特徴するものである。
また、アバットメントをプラスチック又はハイブリッドセラミックス製とすることで、金属やセラミックよりも軟らかい素材となって、人工歯根部を埋設後に支台歯形成のための加工が容易となる。このため、人工歯根部の取付け軸が傾いたり、傾けて取付けざるを得ない場合であっても、アバットメントの軸の向きなどを、所望の状態に加工容易となり、その分汎用性が高い。また、アバットメントの素材を軟らかくすることで、その分、切削時における骨への熱や震動を緩和されて、患者への負担も軽減する。
またこのように、アバットメントを軟らかい材料で構成しても、支柱部で支持させることで取付けの強度を確保可能となる。
また、受部でもアバットメントの支持が行われて、さらにアバットメントの支持が補強される。
更に、受部がお椀状となることで、粘膜貫通部を構成する金属部分を薄い壁部とすることが出来る。このため、粘膜部分に配置される受部が露出しても加工が容易となる。
また、請求項2に係る発明によれば、人工歯根部とアバットメントの一体化が容易となる。また、人工歯根部にアバットメントを圧入で一体化するので、アバットメントの形状を種々用意しておき、一体化する際に選択するなども可能となる。
図1は、本実施形態に係るインプラントを示す図である。図2は、図1におけるA方向からみた図である。図3は、図1におけるB方向からみた図である。
(構成)
本実施形態のインプラントは、図1〜図3に示すように、人工歯根部1とアバットメント2とが一体になって構成される。
歯根部本体3は、円柱形状若しくは略円柱形状を基本とし、その外径面に雄ねじが形成されている。
上記歯根部本体3の上部には受部5が形成されている。受部5は、上側に開口したお椀形状の壁部からなる。この受部5は、支柱部4の根本側の周りを囲むように配置すると共に、内周面及び外周面が、歯根部本体3から離れるほど大径となっている。
アバットメント2は、図6及び図7に示すように、外周面が円柱形状の筒形状をしている。そのアバットメント2の径は、上記受部5の最大径とほぼ同じ径に設定してある。その下端部2aは、上記受部5内に嵌合する形状となっている。また、アバットメント2の上端部2bは、軸を挟んだ左右両側位置にそれぞれ平坦部(2面幅)7が形成されている。
ここで、図1及び図2に示すように、アバットメント2の長さは、支柱部4の長さよりも少しだけ短く設定してある。
なお、人工歯根部1の支柱部4に直接、アバットメント2を成形しても良い。但し、圧入による一体化の方が容易である。
また、アバットメント2の外形形状は上記形状に限定しない。また、人工歯根部1に設ける雄ねじもテーパねじとなるようにしても良い。また、上記支柱部4の軸は、人工歯根部1の軸と同軸である必要はなく、人工歯根部1の軸から傾いていても良い。
ドリルで顎骨に下穴を開口する。その下穴に上記インプラントの人工歯根部1をねじ込んで埋設する。このとき、人工歯根部1の上部のトルク入力部をレンチで回転させることで、歯根部本体3にトルクを伝達してねじ込む。なお、セルフタップ構造としても良い。
歯根部本体3を骨に埋設したら、所定期間、例えば3月間、養生を行う。このとき受部5が粘膜部分を貫通した状態で配置される。
養生期間が経過したら、上記アバットメント2を切削、つまり支台歯形成のための加工を施した後に、当該アバットメント2にクラウン(人工の歯)などの上部構造物(不図示)を取り付ける。
このため、アバットメント2の形状を整形して、上部構造物の向きが目標となる向きで
取付け可能にする必要が出てくる。
また、チタンやセラミックよりも軟らかい素材でアバットメント2を構成させても、上下に延びる支柱部4でアバットメント2を支持させているので、所定の強度をもってアバットメント2を保持させることが出来る。
ここで、上記受部5外面の表面を、陽極酸化処理により明るいピンク色にしたり、アイボリーのアナターゼ皮膜を形成したりしておけば、歯肉色が自然観を呈することが期待できる。
1回法一体型を採用することにより、簡便で外科的侵襲が少なくなる。
また、アバットメント2の形状を容易に整形(支台歯形成)が可能となるので、複雑なアバットメント2を用意しておく必要もない。また、整形のための時間も短く出来る。
ここで、アバットメント2が硬い場合には、アバットメント2による適正なエマージェンスプロファイルの獲得が出来ないため、軟組織の吸収などによる審美的、機能的障害を引き起こす恐れがあった。また、ポスト部分である歯冠相当部が切削し難く、熱や震動で骨にダメージを与える可能性がある。
これを、本実施形態で緩和可能となる。
また、人工歯根部1を金属製とすることで、必要な強度を持たせつつ必要以上に径が大きくなることが回避出来る。
また、アバットメント2を軟らかい材料で構成しても、支柱部4で支持させることでアバットメント2の保持強度を稼ぐことが出来る。
また、筒状のアバットメント2に支柱部4を圧入する場合には、人工歯根部1とアバットメント2の一体化が容易となる。
また、受部5でもアバットメント2の支持が行われて、さらにアバットメント2の支持が補強される。
以上のように、本実施形態のインプラントは、簡単に埋入手術が可能であり、手術の回数を1回で済ませ、複雑なアバットメント2システムや特別な印象法などを必要としない。また、構造がシンプルで低コストであり、審美的な上部構造部の作成が可能となる。
2 アバットメント
2a 下端部
2b 上端部
3 歯根部本体
4 支柱部
4a 根本部
4b 中間軸部
4c 上軸部
5 受部(粘膜貫通部)
7 二面幅
8 貫通穴
Claims (2)
- 骨に埋設する金属からなる人工歯根部と、その人工歯根部に支持されプラスチック又はハイブリッドセラミックスで構成したアバットメントとを備えるインプラントであって、
上記人工歯根部は、骨に埋入する歯根部本体と、その歯根部本体から骨から離れる方向に突出する支柱部とを備え、
上記アバットメントは、上記支柱部に貫通された状態に上記人工歯根部に支持され、
上記支柱部先端部に、人工歯根部へのトルク入力部を設け、
上記人工歯根部は、歯根部本体と一体に構成されると共に粘膜部分に配置される粘膜貫通部を備え、
その粘膜貫通部は、上記支柱部の根本側を囲むように、歯根部本体から離れるほど外周面及び内周面が大径となるお椀状の壁面からなる受部で構成され、
上記受部の上端面には、周方向における少なくとも一部分に、他の部分よりも高くなっていると共に外周面側から内周面側に向かうにつれて低くなる斜面が形成されて薄肉となっており、
上記アバットメントの下端部は上記受部内のうち少なくとも上記斜面に当接して嵌合する形状となっていることで、その受部の内面に上記アバットメントの歯根部本体側端面が接触していることを特徴するインプラント。 - 上記アバットメントは、上記支柱部を圧入可能な貫通穴を有する筒形状に成形され、相対的に上記貫通穴に上記支柱部を圧入することで、人工歯根部とアバットメントを一体化することを特徴とする請求項1に記載したインプラント。
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