JP2013042775A - 人工歯根及び人工歯根ユニット - Google Patents

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陽如 高野
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Abstract

【課題】キーパをフィクスチャーに固定するための部材の強度を十分に確保でき、且つ、取扱いの手間を少なくすることのできる、人工歯根及び人工歯根ユニットを提供する。
【解決手段】人工歯根1は、顎骨202に固定されるフィクスチャー8と、フィクスチャー8に固定されるスリーブ9と、スリーブ9に固定され、義歯2の磁石5と磁気結合するためのキーパ10と、を備える。フィクスチャー8及びスリーブ9は、生体親和性を有する材料を用いて形成されている。スリーブ9は、アバットメント部13と、第1結合部19と、を一体に有する。キーパ10は、磁性材料を用いて形成されており、第2結合部22を有している。第2結合部22は、第1結合部19との間で押圧力を作用させ前記第1結合部から締付け力を受けた状態で、第1結合部19に機械結合されている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、義歯を口腔内に固定するための人工歯根及び人工歯根ユニットに関する。
高齢者等、歯が抜けてしまった患者は、入れ歯を口腔内に装着することがある。入れ歯を口腔内に固定するために、例えば、磁石が用いられる。具体的には、患者の顎骨に、磁性体製のキーパを含む人工歯根を設置する。そして、入れ歯の義歯床に固定された磁石をキーパに接触させることで、入れ歯の磁石をキーパに吸着させる。これにより、入れ歯が人工歯根に固定される。このような構成により、入れ歯が受ける荷重を、人工歯根を通して顎骨に伝達でき、顎骨への負荷を、自然歯が失われる前の状態と略同じにできる。したがって、顎骨の萎縮を抑制できる。
人工歯根は、顎骨に固定されたフィクスチャーを含む。フィクスチャーは、内部に雌ねじ部が形成された細長い形状を有しており、このフィクスチャーに磁性体製のキーパが固定される(例えば、特許文献1,2,3参照)。特許文献1には、磁性ステンレス合金からなる頭つきネジ形状であるキーパネジが、リング状のアバットメントを挿通した状態で、フィクスチャーのめねじ部に螺合する構成が開示されている。キーパネジの頭部と、入れ歯の磁石との間で磁気吸引力が生じることにより、入れ歯は人工歯根に固定される。
特許文献2には、フィクスチャーの上部にリング状のアバットメントを載せ、さらに、当該アバットメントの上部にリング状のキーパ本体を載せた構成が開示されている。アバットメントは、アバットメントスクリューと称するチタン合金製のねじによって、フィクスチャーに固定されている。また、キーパ本体を挿通する磁性材料製のねじが、アバットメントスクリューの上部に形成されためねじ部に螺合している。このねじによって、キーパ本体は、アバットメントに固定されている。
特許文献3には、フィクスチャーのめねじ部に、磁性アタッチメント用アバットメントと称するチタン合金製のねじを螺合する構成が開示されている。磁性アタッチメント用アバットメントの頭部には、キーパ取付穴と称する凹部が形成されている。このキーパ取付穴には、軟磁性体製の円板状のキーパが、歯科用セメントや歯科用接着剤を用いて固定されている。
特開平6−296625号公報([0004])、[0005]、図1) 特開2000−24004号公報([要約]、[0008]) 特開2011−115499号公報([0011]、[0013]、[0016])
特許文献1に記載の構成では、患者が硬いものを噛んだとき等に、キーパネジを介して、リング状の薄肉のアバットメントに大きな力が作用し、アバットメントが破損する虞がある。
特許文献2に記載の構成では、キーパ本体を固定するためのねじは、磁性材料製であるので、強度があまり高くない。その上、キーパ本体を固定するためのねじは、フィクスチャーに固定されたアバットメントスクリューの上面に設けられた細いめねじ部と螺合する必要がある。このため、キーパ本体を固定するためのねじのおねじ部が細い。よって、当該ねじは、アバットメントスクリューに形成されためねじ部との間に作用する締結力に耐えきれず、破損する虞がある。
また、特許文献3に記載の構成では、直径がわずか数ミリメートル程度の小さなキーパ取付穴に、接着剤を用いてキーパを固定する必要があり、キーパの取り付け作業に手間がかかる。特に、特許文献3に記載の構成では、この固定作業は、フィクスチャーに磁性アタッチメント用アバットメントを螺合した状態で、即ち、当該アバットメントが患者の口腔内に固定された状態で行われる。このため、上記の固定作業が極めて手間のかかるものとなっている。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、キーパをフィクスチャーに固定するための部材の強度を十分に確保でき、且つ、取扱いの手間を少なくすることのできる、人工歯根及び人工歯根ユニットを提供することを目的とする。
上記目的を達成するための第1発明に係る人工歯根は、磁石が固定された義歯床を含む義歯を顎骨に固定するための人工歯根であって、顎骨に固定されるフィクスチャーと、前記フィクスチャーに固定されるスリーブと、前記スリーブに固定され、前記磁石と磁気結合するためのキーパと、を備え、前記フィクスチャー及びスリーブは、それぞれ、生体親和性を有する材料を用いて形成されており、前記スリーブは、前記フィクスチャーに形成された孔部に固定される固定部と、前記フィクスチャーから突出するアバットメント部と、当該アバットメント部に配置された第1結合部と、を一体に有し、前記キーパは、磁性材料を用いて形成されており、且つ、前記第1結合部との間で押圧力を作用させ前記第1結合部から締付け力を受けた状態で前記第1結合部に機械結合された第2結合部を有していることを特徴とする。
この発明によると、スリーブは、フィクスチャーに固定される固定部と、キーパを支持するアバットメント部とが一体に形成されている。これにより、アバットメント部の強度を極めて高くできる。したがって、義歯からアバットメント部に強い荷重が作用したときでも、アバットメント部が破損することを、より確実に防止できる。更に、スリーブの固定部を、フィクスチャーの孔部に直接固定できる。このため、固定部の直径を大きくできるので、固定部の強度を十分に高くすることができ、その結果、固定部の破損をより確実に防止することができる。また、スリーブとキーパとは、互いの間に押圧力が作用するように機械結合されている。このような構成であれば、キーパの第2結合部を、スリーブの第1結合部に対して所定の荷重で押圧させることにより、キーパをスリーブに容易に固定することができる。
従って、本発明によると、キーパをフィクスチャーに固定するための部材の強度を十分に確保でき、且つ、取扱いの手間を少なくすることのできる、人工歯根を提供することができる。
第2発明に係る人工歯根は、第1発明の人工歯根において、前記第1結合部および前記第2結合部の一方は凸部を含み、他方は前記凸部に嵌合し前記凸部に圧接によって固定される凹部を含むことを特徴とする。
この発明によると、凸部と凹部とを嵌め合わせるという簡易な構成で、キーパをスリーブに固定することができる。
第3発明に係る人工歯根は、第2発明の人工歯根において、前記凸部は、前記凹部に圧入固定されることを特徴とする。
この発明によると、凸部を凹部へ押し込むという簡易な構成で、キーパをスリーブに固定することができる。
第4発明に係る人工歯根は、第2発明の人工歯根において、前記凸部は雄ねじ部を含み、前記凹部は、前記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を含むことを特徴とする。
この発明によると、雄ねじ部と雌ねじ部とを螺合させる簡易な構成で、キーパをスリーブに固定することができる。
第5発明に係る人工歯根は、第1発明乃至第4発明の何れかの人工歯根において、前記スリーブに前記キーパを固定することでスリーブユニットが形成されており、前記キーパの上面には、前記スリーブを前記フィクスチャーに固定するための工具を係合可能な工具係合部が形成されていることを特徴とする。
特許文献3に記載の構成では、アバットメントは、単体の状態で工具を用いてフィクスチャーに固定され、その後、アバットメントにキーパが接着されるようになっている。よって、キーパに工具係合部を設けても、当該工具係合部は、アバットメントをフィクスチャーに固定する作業の際に役に立たない。これに対し、第5発明の上記構成によると、スリーブは、キーパと結合されたスリーブユニットの状態で、キーパに係合された工具を用いてフィクスチャーに固定されることとなる。その結果、キーパを利用して、スリーブを、十分な結合力でフィクスチャーに固定することができる。更に、キーパの上面において、工具係合部を設けて工具を係合できるようにしている。これにより、工具を患者の歯や歯茎に接触させることなく、スリーブユニットを患者の口腔内のフィクスチャーに装着することができる。
第6発明に係る人工歯根は、第5発明の人工歯根において、前記スリーブユニットの上面全面が、前記キーパの前記上面によって形成されていることを特徴とする。
この発明によると、スリーブユニットの上面全面を、義歯との磁気結合に用いることができる。これにより、キーパと磁石とによって、効率のよい磁気回路を形成することができ、その結果、キーパと磁石との磁気結合力をより高くすることができる。また、特許文献3に記載の構成では、キーパの上面の角度(向き)の調整作業は、キーパとアバットメントとの間の接着剤が乾燥する前に、キーパを僅かな量だけ動かすことにより行われる。このため、キーパの向きの調整作業に手間がかかる。これに対し、第6発明の構成によると、キーパの上面の角度(向き)の調整作業は、第2結合部に対するキーパの上面の傾きを予め設定することにより行われる。このため、キーパをスリーブに固定する際には、キーパの向きをスリーブに対して微調整する必要がない。よって、キーパの向きの調整作業にかかる手間を少なくできる。
第7発明に係る人工歯根ユニットは、磁石が固定された義歯床と、当該義歯床に支持された人工歯とを含む義歯と、第1発明乃至第6発明の何れかの人工歯根と、を備えることを特徴とする。
この発明によると、キーパをフィクスチャーに固定する部材の強度を十分に確保でき、且つ、取扱いの手間を少なくすることのできる、人工歯根ユニットを提供することができる。
本発明によると、キーパをフィクスチャーに固定するための部材の強度を十分に確保でき、且つ、取扱いの手間を少なくすることのできる、人工歯根及び人工歯根ユニットを提供することができる。
本発明の一実施の形態に係る人工歯根を含む人工歯根ユニットを示す斜視図である。 人工歯根ユニットの一部断面図である。 人工歯根の周辺の一部断面図である。 図3のアバットメント部の周辺の拡大図である。 (a)、(b)、(c)は、患者への人工歯根ユニットの設置について説明するための図である。 本発明の別の実施形態の主要部の一部断面図である。 本発明の更に別の実施形態の主要部の一部断面図である。 本発明の更に別の実施形態の主要部の一部断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、義歯を患者に対して着脱可能にするための人工歯根として広く適用することができる。
図1は、本発明の一実施の形態に係る人工歯根1を含む人工歯根ユニット100を示す斜視図である。図2は、人工歯根ユニット100の一部断面図である。図1及び図2を参照して、人工歯根ユニット100は、歯を失った患者の口腔内に設置され、失われた歯の機能を当該歯に代わって発揮する。人工歯根ユニット100は、人工歯根1と、義歯2と、を備えている。
義歯2は、患者に対して着脱可能に設けられている。本実施形態において、義歯2は、総入れ歯として設けられており、無歯顎の患者の顎骨202に設置される。義歯2は、義歯床3と、人工歯4と、磁石5と、を有している。義歯床3は、人工歯4を支持する土台として設けられている。義歯床3は、ポリマー材料等の樹脂材料を用いて形成されている。義歯床3は、床縁部6を含んでいる。床縁部6は、平面視においてU字状に細長く形成されている。また、床縁部6は、床縁部6の長手方向と直交する断面形状が、患者の歯肉201側に向けて解放されたU字状である。上記の構成により、床縁部6は、患者の歯肉201の土手に載せることが可能に構成されている。
人工歯4は、患者の失われた歯の代わりに設けられる代替歯であり、義歯床3の床縁部6に複数設けられている。人工歯4は、義歯床3の床縁部6の長手方向に沿って並んで複数配置されており、床縁部6の表面から突出している。
磁石5は、義歯2を人工歯根1に固定するために設けられている。磁石5は、床縁部6の長手方向に沿って離隔して複数(本実施形態では、4個)設けられている。各磁石5は、永久磁石であり、床縁部6における裏面の窪みの底に固定されている。各磁石5は、例えば、円板状に形成されており、人工歯根1と対向する一側面5aが、平坦面となっている。各磁石5のうち、一側面5aと反対側の面は、床縁部6に形成された樹脂部7に固定されている。樹脂部7の材料として、アクリル材料を例示することができる。アクリル材料として、ポリメタクリル酸メチル樹脂(Poly Methyl Methacrylate、PMMA)を例示することができる。
人工歯根1は、患者の顎骨202の歯槽骨部203に固定され、且つ義歯2を顎骨202に固定するために設けられている。人工歯根1は、1又は複数設けられている。本実施形態では、人工歯根1は、磁石5の位置に対応する位置にそれぞれ設けられている。尚、各人工歯根1は、同様に構成されている。このため、以下の説明では、同様に構成される人工歯根1のうちの1つの人工歯根1について説明し、他の人工歯根1についての説明を省略する。
図3は、人工歯根1の周辺の一部断面図である。図2及び図3に示すように、人工歯根1は、フィクスチャー8と、スリーブ9と、キーパ10と、を含んでいる。フィクスチャー8は、顎骨202の歯槽骨部203に固定される。
フィクスチャー8は、生体親和性を有する材料を用いて形成されている。尚、生体親和性を有する材料とは、生体組織との馴染みが良い材料をいう。換言すれば、生体親和性を有する材料とは、生体組織に接触した際に長期的、慢性的な炎症反応を引き起こさず、周囲組織と良好な密着状態を維持することができる材料をいう。生体親和性を有する材料として、純チタン、チタン合金、コバルト・クロム系合金等の金属材料、及びアルミナセラミック等のセラミック材料を例示することができる。
フィクスチャー8は、細長い筒状に形成されており、歯槽骨部203側の先端部8aが閉じられ、且つ、先端部8aとは反対側の基端部8bが解放されている。また、フィクスチャー8の外周部8cは、基端部8b側の一部が、一定の直径を有するように構成されており、且つ、当該一定の直径を有する部分から先端部8aにかけての間の部分は、先細り形状に形成されている。
フィクスチャー8は、顎骨202に固定されるねじとして設けられている。具体的には、フィクスチャー8の外周部8cには、第1雄ねじ部8dが形成されている。第1雄ねじ部8dは、歯槽骨部203にねじ込まれると同時に、歯槽骨部203に第1雌ねじ部204を形成するように構成されている。第1雄ねじ部8dは、フィクスチャー8の外周部8cのうち、先細り形状に形成された部分に配置されている。また、第1雄ねじ部8dのうち、先端部8a側の一部には、切欠部8eが、フィクスチャー8の長手方向に沿って延びるように形成されている。
フィクスチャー8は、歯槽骨部203上の歯肉201を切除した状態で、歯槽骨部203にねじ込まれる。そして、フィクスチャー8が歯槽骨部203にねじ込まれてから例えば数か月経過することにより、歯槽骨部203の骨細胞が、フィクスチャー8の外周部8cに結合(骨性結合)する。フィクスチャー8の上面8fは、平坦な面であり、歯肉201の表面と略段差無く配置されている。フィクスチャー8には、フィクスチャー8の上面8fから歯槽骨部203側に向けて延びる孔部8gが形成されている。
図3に示すように、フィクスチャー8の孔部8gは、スリーブ9を受け容れ、且つ、スリーブ9を固定するために設けられている。孔部8gは、フィクスチャー8の先端部8a側の端面としての上面8fに解放されている。この孔部8gは、先端部8a側に進むに従い、段階的に狭くなるように構成されている。孔部8gは、第1工具係合部8hと、受け部8iと、第1挿通部8jと、第2雌ねじ部8kと、第2挿通部8mと、を含んでおり、これら各部は、基端部8bから先端部8aに向かって上記の順に並んでいる。
第1工具係合部8hは、フィクスチャー8を歯槽骨部203にねじ込んで固定する際に、工具(図示せず)を係合するために設けられており、例えば、断面六角形形状に形成されている。第1工具係合部8hに、断面六角形形状の工具(例えば、六角棒レンチ)を係合させた状態で、工具を回転させることで、フィクスチャー8を歯槽骨部203にねじ込むことができる。
受け部8iは、フィクスチャー8の外周面を受けることが可能に設けられている。受け部8iは、例えば、円筒状に形成されている。第1挿通部8jは、スリーブ9と接触することなくスリーブ9を取り囲む部分として設けられている。第2雌ねじ部8kは、スリーブ9を固定する固定部として設けられている。第2雌ねじ部8kは、第1雄ねじ部8dに取り囲まれるように配置されており、直径(谷径)が、受け部8iの内径よりも小さい。第2挿通部8mは、スリーブ9の後述する第3部分16を取り囲む部分として設けられている。上記の構成を有する孔部8gに、スリーブ9が挿通されている。
スリーブ9は、フィクスチャー8に固定され、且つ、キーパ10を固定する部材として設けられている。また、スリーブ9は、キーパ10と協働してスリーブユニット11を形成している。即ち、スリーブユニット11は、スリーブ9と、キーパ10と、を含んでいる。スリーブ9とキーパ10とが結合されたスリーブユニット11は、フィクスチャー8に固定される。
スリーブ9は、生体親和性を有する単一材料を用いて、全体が一体に形成されている。スリーブ9の材料として、フィクスチャー8と同様の材料を例示することができる。このうち、特に、チタン合金は、強度の点で優れており、スリーブ9の材料として好ましい。
スリーブ9は、細長い棒状に形成されており、基端側の部分が太く、先端側の部分が細くなる形状を有している。スリーブ9は、軸部12と、軸部12の基端に配置されたアバットメント部13と、を含んでいる。
軸部12は、フィクスチャー8の孔部8gに収容され且つ固定される部分として設けられており、基端側の部分と比べて先端側の部分が細い形状を有している。軸部12は、第1部分14と、第2部分15と、第3部分16と、を備えて構成されており、これら各部14,15,16が、軸部12の基端側から先端側に向かって上記の順に並んでいる。
第1部分14は、軸部12のうち最も直径の大きい部分として、且つ、アバットメント部13と連続する部分として設けられている。第1部分14は、円柱状に形成されており、フィクスチャー8の孔部8gの第1工具係合部8h及び受け部8iを挿通している。第1部分14は、受け部8iの直径と略同じ直径を有しており、受け部8iに受けられている。第1部分14の先端部には、面取り部が形成されている。これにより、第1部分14の大径部の先端側部分は、先細り形状に形成されている。第1部分14の先端に、第2部分15が接続されている。
第2部分15は、第1部分14の直径よりも小さい直径を有している。第2部分15には、第2雄ねじ部18が形成されている。第2雄ねじ部18は、フィクスチャー8の孔部8gの第2雌ねじ部8kに固定される固定部として設けられており、当該第2雌ねじ部8kに螺合している。これにより、スリーブ9は、フィクスチャー8に固定されている。第2部分15の先端に、第3部分16が接続されている。
第3部分16は、第2雄ねじ部18を第2雌ねじ部8kに挿入する際の案内部として設けられている。第3部分16は、円柱状に形成されており、第2部分15と比べて細い。第3部分16の長さは、例えば、第2部分15の長さの半分以下である。第3部分16は、フィクスチャー8の孔部8gの第2挿通部8mにおいて、当該第2挿通部8mの内周面とは接触しないように配置されている。上記の構成を有する軸部12によって、アバットメント部13が支持されている。
図2及び図3に示すように、アバットメント部13は、キーパ10及び義歯2を支持する支台部材として設けられている。アバットメント部13は、フィクスチャー8から突出するように配置されている。本実施形態において、アバットメント部13は、円板状に形成され、且つ上面13aに窪みが形成された形状を有している。また、アバットメント部13は、軸部12に対してスリーブ9の長手方向の一方に延びているとともに、スリーブ9の径方向に拡がるように延びており、スリーブ9の頭部を構成している。
アバットメント部13の外周部13cは、スリーブ9の長手方向の基端側から先端側に向けて、順に、第1円筒面、テーパ面、及び第2円筒面が並んだ構成となっており、第1円筒面の直径が、第2円筒面の直径よりも大きい。アバットメント部13の下面13bは、円環状の平面であり、フィクスチャー8の上面8fと全周に亘って面接触している。アバットメント部13の下面13bの直径は、フィクスチャー8の上面8fの直径と略同じである。
尚、本実施形態では、アバットメント部13は、歯肉201の外側に配置されているけれども、この通りでなくてもよい。例えば、アバットメント部13の一部が、歯肉201内に配置されていてもよい。歯肉201と接触するアバットメント部13が、前述したように、生体親和性を有する材料を用いて形成されている。これにより、歯肉と接触する部分をステンレス鋼で形成した人工歯根と比べて、人工歯根1の全体としての生体親和性が高いものとなっている。
図4は、図3のアバットメント部13の周辺の拡大図である。アバットメント部13には、第1結合部19が設けられている。第1結合部19は、キーパ10を固定するために設けられている。第1結合部19は、アバットメント部13の上面13aを窪ませた凹部である。第1結合部19は、アバットメント部13の上面13a側に配置され円柱状の空間を形成する円筒面19aと、円筒面19aの一端からフィクスチャー8側へ延びる円錐面としての底面19bと、を含んでいる。第1結合部19の円筒面19aは、上面13aから、アバットメント部13の外周面13cのテーパ状部に取り囲まれる位置まで延びている。
上記の構成を有するアバットメント部13の第1結合部19に、キーパ10が固定されている。キーパ10は、スリーブ9に固定され、且つ、義歯2の磁石5(図2参照)と磁気結合することにより、義歯2を患者の口腔内に固定するために設けられている。キーパ10は、例えば、強磁性体であり、磁石5と磁気結合可能な磁性材料を用いて形成されている。このような磁性材料として、磁性ステンレス鋼を例示することができる。磁性ステンレス鋼として、マルテンサイト系ステンレス、及びフェライト系ステンレスを例示することができる。より具体的には、磁性ステンレス鋼として、JIS(日本工業規格)のSUSXM27、SUS447J1を例示することができる。その他、磁性ステンレス鋼として、AUM20を例示することができる。また、上記磁性材料として、磁性粉末を含む合成樹脂等、少なくとも一部に強磁性体を含む材料を例示することができる。
キーパ10の材料の強度とスリーブ9の強度の関係としては、キーパ10の材料の強度(引張強さ)よりもスリーブ9の材料の強度(引張強さ)のほうが高いことが好ましい。これにより、スリーブ9の引張強さを高くでき、スリーブ9とフィクスチャー8との間に万一、過度な締結トルクが作用したときでも、スリーブ9の破断を抑制できる。
キーパ10は、円板状のキーパ本体21と、キーパ本体21の下面21bから第1結合部19に向けて突出する第2結合部22とを含んでいる。キーパ本体21の外周面は、テーパ状に形成されており、スリーブ9から遠ざかるに従い、直径が小さくなっている。
キーパ本体21の下面21bは、第1結合部19の外周に配置された円筒面であり、アバットメント部13の上面13aと全周に亘って面接触して当該スリーブ9に受けられている。キーパ本体21の上面は、キーパ10の上面21aとして設けられている。キーパ10の上面21aは、スリーブユニット11の上面として設けられている。即ち、スリーブユニット11の上面は、キーパ10の上面21aによって形成されている。キーパ10の上面21aは、平坦な面であり、アバットメント部13の上面13aと平行である。
尚、本実施形態では、キーパ10の上面21aが、キーパ本体21の下面21bと平行である構成を例に説明しているけれども、この通りでなくてもよい。例えば、キーパ10の上面21aが、キーパ本体21の下面21bに対して傾いていてもよい。キーパ本体21の下面21bに対するキーパ10の上面21aの角度を調整することにより、キーパ10の上面21aの向き(キーパ10の設置角度)を容易に変更することができる。キーパ10の上面21aには、第2工具係合部23が形成されている。第2工具係合部23については、後述する。
第2結合部22は、第1結合部19との間で押圧力を作用させ第1結合部19から締付け力を受けた状態で第1結合部19に機械結合された部分として設けられている。第2結合部22が第1結合部19に結合されることにより、キーパ10がアバットメント部13に固定されている。
第2結合部22は、キーパ本体21の下面21bに対してアバットメント部13側に突出した、円板状に形成されている。第2結合部22の外周面は、当接部22aと、案内部22bと、を含んでおり、これら各部22a,22bは、キーパ本体21の下面21bから、上記の順に並んでいる。
当接部22aは、第1結合部19の円筒面19aに嵌合し、円筒面19aに圧接によって固定される圧入固定部として設けられた円筒面である。キーパ10がアバットメント部13に組み付けられる前の場合において、即ち、当接部22aが第1結合部19の円筒面19aに圧入固定される前の場合において、当接部22aの直径は、第1結合部19の円筒面19aの直径と比べて、例えば、0.02mm〜0.07mm大きい。
前述した、当接部22aの直径と、第1結合部19の円筒面19aの直径との差が0.02mm未満であると、第1結合部19と第2結合部22との嵌合力が低くなり、キーパ10とアバットメント部13との結合力を十分に発揮できない。一方、上記の差が0.07mmを超えると、当接部22aが第1結合部19の円筒面19aに対して太くなり過ぎ、その結果、キーパ10をアバットメント部13に圧入することが困難となる。
案内部22bは、環状の段部22cを介して当接部22aに接続されている。案内部22bは、第2結合部22を第1結合部19へ挿入し易くするために設けられている。案内部22bは、当接部22aと同心の円筒面である。案内部22bの直径は、第1結合部19の円筒面19aの直径よりも小さく、円筒面19aとは離隔して配置されている。案内部22bの先端は、第1結合部19の円筒面19aと底面19bとの境界部の近傍に配置されているけれども、当該境界部には接触しないように配置されている。これにより、案内部22bの先端と上記境界部との接触による負荷が当該境界部に集中して作用することが防止されている。また、当接部22aの厚みと案内部22bの厚みとを適宜変更することにより、第2結合部22の厚みを変更することなく、当接部22aと第1結合部19との圧入固定力を変更することができる。
キーパ10の上面21aの第2工具係合部23は、スリーブユニット11をフィクスチャー8にねじ込んで固定するための工具(図示せず)と係合可能に構成されている。第2工具係合部23は、例えば、断面六角形形状に形成されている。第2工具係合部23に、断面六角形形状の工具(例えば、六角棒レンチ)を係合させた状態で、当該工具を回転させることで、スリーブユニット11の第2雄ねじ部18を、フィクスチャー8の第2雌ねじ部8kに螺合することができる。
キーパ10の上面21aは、磁石5(図2参照)との磁気結合によって、当該磁石5に覆われる。したがって、患者の食事のときに生じる食べ滓が第2工具係合部23内に詰まることは、抑制されている。
次に、人工歯根1を患者へ設置する作業を説明する。まず、図5(a)に示すように、単品のキーパ10とスリーブ9とを用意する。そして、スリーブ9の第1結合部19に、キーパ10の第2結合部22を挿入する。
第2結合部22を第1結合部19に挿入する際には、図5(b)に示すように、まず、第2結合部22の案内部22bを、第1結合部19内に挿入する。そして、第2結合部22の段部22cが第1結合部19の円筒面19aの縁部に受けられた状態から、プレス機27を用意し、当接部22aを、円筒面19aへ所定の荷重(例えば、数kN)で圧入する。このとき、キーパ本体21の下面21bがアバットメント部13の上面13aに当接するまで、第2結合部22を第1結合部19へ圧入する。この圧入作業では、例えば、アバットメント部13を治具26で支持しておき、この状態でキーパ10の上面21aに、プレス機27の荷重を作用させる。これにより、キーパ10とスリーブ9とが一体化され、スリーブユニット11が完成する。
次に、図5(c)に示すように、スリーブユニット11の第2工具係合部23に、六角棒レンチ等の工具28を差し込み、術者がこの工具28を保持する。そして、歯槽骨部203に固定されたフィクスチャー8の孔部8gに、スリーブユニット11の軸部12を挿入する。そして、工具28を回転することにより、スリーブユニット11の第2雄ねじ部18をフィクスチャー8の第2雌ねじ部8kに螺合させる。このとき、スリーブユニット11は、所定の締め付けトルク(例えば、20N・cm)でフィクスチャー8に締結される。その後、義歯2の磁石5(図2参照)を人工歯根1のキーパ10に接触させる。これにより、磁石5とキーパ10とが磁気結合し、磁石5とキーパ10との間に作用する磁気吸引力によって、義歯2が人工歯根1に固定される。
以上説明したように、人工歯根1によると、スリーブ9は、フィクスチャー8に固定される第2雄ねじ部18と、キーパ10を支持するアバットメント部13とが一体に形成されている。これにより、アバットメント部13の強度を極めて高くできる。したがって、義歯2からアバットメント部13に強い荷重が作用したときでも、アバットメント部13が破損することを、より確実に防止できる。更に、スリーブ9の第2雄ねじ部18を、フィクスチャー8の孔部8gに直接固定できる。このため、第2雄ねじ部18の直径を大きくできるので、第2雄ねじ部18における軸部12の強度を十分に高くすることができ、その結果、第2雄ねじ部18を含む軸部12の破損をより確実に防止することができる。また、スリーブ9とキーパ10とは、互いの間に押圧力が作用するように機械結合されている。このような構成であれば、キーパ10の第2結合部22を、スリーブ9の第1結合部19に対して所定の荷重で圧入することにより、キーパ10をスリーブ9に容易に固定することができる。
従って、人工歯根ユニット100によると、キーパ10をフィクスチャー8に固定するためのスリーブ9の強度を十分に確保でき、且つ、キーパ9の取扱いの手間を少なくすることができる。
また、人工歯根ユニット100によると、第1結合部19は、凹部を含み、第2結合部22は、凸部を含む。これにより、凸部としての第1結合部19と凹部としての第2結合部22とを嵌め合わせるという簡易な構成で、キーパ10をスリーブ9に固定することができる。
換言すれば、人工歯根ユニット100によると、上記凸部としての第1結合部19を上記凹部としての第2結合部22へ押し込むという簡易な構成で、キーパ10をスリーブ9に固定することができる。
また、特許文献3に記載の構成では、アバットメントは、単体の状態で工具を用いてフィクスチャーに固定され、その後、アバットメントにキーパが接着されるようになっている。よって、キーパに工具係合部を設けても、当該工具係合部は、アバットメントをフィクスチャーに固定する作業の際に役に立たない。
これに対し、人工歯根ユニット100によると、スリーブ9は、キーパ10と結合されたスリーブユニット11の状態で、キーパ10に係合された工具28を用いてフィクスチャー8に固定されることとなる。その結果、キーパ10を利用して、スリーブ9を、十分な結合トルクでフィクスチャー8に固定することができる。更に、キーパ10の上面21aにおいて、第2工具係合部23を設けて工具28を係合できるようにしている。これにより、工具28を患者の歯茎に接触させることなく、スリーブユニット11を患者の口腔内のフィクスチャー8に装着することができる。
また、人工歯根ユニット100によると、スリーブユニット11の上面の全面が、キーパ10の上面21aによって形成されている。これにより、スリーブユニット11の上面全面を、義歯2の磁石5との磁気結合に用いることができる。したがって、キーパ10と磁石5とによって、効率のよい磁気回路を形成することができ、その結果、キーパ10と磁石5との磁気結合力をより高くすることができる。また、特許文献3に記載の構成では、キーパの上面の角度(向き)の調整作業は、キーパとアバットメントとの間の接着剤が乾燥する前に、キーパを僅かな量だけ動かすことにより行われる。このため、キーパの向きの調整作業に手間がかかる。これに対し、人工歯根ユニット100によると、キーパ10の上面21aの角度(向き)の調整作業は、第2結合部22に対するキーパ10の上面21aの傾きを予め設定することにより行われる。このため、キーパ10をスリーブ9に固定する際には、キーパ10の向きをスリーブ9に対して微調整する必要がない。よって、キーパ10の調整作業にかかる手間を少なくできる。
また、特許文献3に記載の構成では、キーパの上面の角度は、キーパをアバットメントに接着剤で固定する際に調整できるけれども、キーパ外周に配置されたアバットメントの上面部分の角度は調整することができない。このため、キーパの上面をアバットメント部の上面に対して傾けたとき、キーパの上面とアバットメントの上面との間に段差ができ、当該段差に食べ滓が詰まる虞れがある。これに対し、人工歯根ユニット100によると、キーパ10の上面21aによってスリーブユニット11の上面全面が形成されており、当該上面21aは、磁石5によって覆われる。このため、キーパ10の上面の角度(向き)に拘らず、キーパ10の上面21aに食べ滓が詰まることを抑制できる。
また、人工歯根ユニット100によると、スリーブ9とキーパ10とが一部品としてのスリーブユニット11を形成している。これにより、人工歯根1を患者の顎骨202に固定する際に取扱いが必要な部品点数を少なくできる。
また、人工歯根ユニット100によると、スリーブ9の第2雄ねじ部18は、フィクスチャー8の第2雌ねじ部8kに対して、歯槽骨部203に取り囲まれた位置で、固定されている。このような構成であれば、従来から用いられているフィクスチャー8にスリーブユニット11を螺合させることが可能である。したがって、患者に設置されている既存のアバットメント等をフィクスチャーから取り外し、その後、スリーブユニット11を、既存のフィクスチャーに螺合させることにより、本実施形態の人工歯根1を形成することができる。よって、スリーブユニット11の汎用性を高くできる。
以上、本発明の実施形態について説明したけれども、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。例えば、次のように変更して実施してもよい。
前述の実施形態では、第1結合部19と第2結合部22とが圧入固定される形態を例にとって説明したけれども、この通りでなくてもよい。例えば、図6に示すように、第1結合部19Aと第2結合部22Aとが、ねじ結合によって互いに固定されてもよい。尚、以下では、図1〜図5に示す実施形態と異なる点について主に説明し、同様の構成には図に同一の符号を付してその説明を省略する。
第1結合部19Aの円筒面19aには、第3雌ねじ部31が形成されている。また、第2結合部22Aの外周部には、第3雌ねじ部31と螺合する第3雄ねじ部32が形成されている。第3雄ねじ部32は、第2結合部22Aの厚み方向(スリーブ9の長手方向)の全域に亘って形成されている。第3雄ねじ部32のねじれ方向と、第2雄ねじ部18のねじれ方向とは、同じであり、例えば、右ねじれである。
キーパ10をスリーブ9に固定する際には、キーパ10の第2工具係合部23に工具(図示せず)を係合し、工具とともにキーパ10を回す。これにより、キーパ10の第3雄ねじ部32とアバットメント部13の第3雌ねじ部31とを螺合させ、第1結合部19Aと第2結合部22Aとを固定する。このとき、第3雌ねじ部31と第3雄ねじ部32との間には押圧力としての軸力が作用し、第3雌ねじ部31と第3雄ねじ部32との強固な結合が達成される。
この変形例にかかる人工歯根ユニット100によると、第3雄ねじ部32と第2雌ねじ部8kとを螺合させる簡易な構成で、キーパ10をスリーブ9に固定することができる。
前述の実施形態では、第1結合部が凹部を含み、第2結合部22が凸部を含む形態を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、図7に示すように、第1結合部19Bが凸部を含み、第2結合部22Bが凹部を含む構成であってもよい。第1結合部19Bは、アバットメント部13の上面13aから突出する円柱状の凸部として設けられている。また、第2結合部22Bは、キーパ本体21Bの下面21bに形成されており、当該下面21bからキーパ10の上面21a側に窪む円柱状の空間を形成している。第1結合部19Bの外周面と、第2結合部22Bの内周面とは、圧入固定されている。
なお、図7に示す変形例では、第1結合部19Bと第2結合部22Bとが圧入固定される形態を例に説明したけれども、この通りでなくてもよい。例えば、図8に示すように、第1結合部19Bの外周面に第4雄ねじ部34を設けるとともに、第2結合部22Bの内周面に第4雌ねじ部35を設け、これら第4雄ねじ部34と第4雌ねじ部35とを螺合させてもよい。この場合、第4雄ねじ部34と第4雌ねじ部35との螺合によって押圧力としての軸力が作用し、キーパ10がスリーブ9に固定される。
上述の各実施形態では、第1結合部と第2結合部とが、圧入結合またはねじ結合によって結合される形態を例に説明したけれども、この通りでなくてもよい。第1結合部と第2結合部とは、互いの間に押圧力が作用することで固定されていればよく、具体的な固定構造は、限定されない。
また、上述の実施形態では、フィクスチャーとスリーブとは、第2雄ねじ部と、固定部としての第1雌ねじ部との螺合によって固定されている形態を例に説明したけれども、この通りでなくてもよい。フィクスチャーとスリーブとを固定する固定構造は、特に限定されない。
また、上述の各実施形態では、無歯顎に装着される義歯としての総入れ歯である構成を例に説明したけれども、この通りでなくてもよい。義歯は、歯が一部残っている顎骨に装着される、部分入れ歯であってもよい。
本発明は、キーパをフィクスチャーに固定するための部材の強度を十分に確保でき、且つ、取扱いの手間を少なくすることのできる、人工歯根及び人工歯根ユニットとして、広く適用することができるものである。
1 人工歯根
2 義歯
3 義歯床
5 磁石
8 フィクスチャー
8g 孔部
9 スリーブ
10 キーパ
13 アバットメント部
18 第2雄ねじ部(固定部)
19 第1結合部
22 第2結合部
202 顎骨

Claims (7)

  1. 磁石が固定された義歯床を含む義歯を顎骨に固定するための人工歯根であって、
    顎骨に固定されるフィクスチャーと、
    前記フィクスチャーに固定されるスリーブと、
    前記スリーブに固定され、前記磁石と磁気結合するためのキーパと、を備え、
    前記フィクスチャー及びスリーブは、それぞれ、生体親和性を有する材料を用いて形成されており、
    前記スリーブは、前記フィクスチャーに形成された孔部に固定される固定部と、前記フィクスチャーから突出するアバットメント部と、当該アバットメント部に配置された第1結合部と、を一体に有し、
    前記キーパは、磁性材料を用いて形成されており、且つ、前記第1結合部との間で押圧力を作用させ前記第1結合部から締付け力を受けた状態で前記第1結合部に機械結合された第2結合部を有していることを特徴とする、人工歯根。
  2. 請求項1に記載の人工歯根であって、
    前記第1結合部および前記第2結合部の一方は凸部を含み、他方は前記凸部に嵌合し前記凸部に圧接によって固定される凹部を含むことを特徴とする、人工歯根。
  3. 請求項2に記載の人工歯根であって、
    前記凸部は、前記凹部に圧入固定されることを特徴とする、人工歯根。
  4. 請求項2に記載の人工歯根であって、
    前記凸部は雄ねじ部を含み、前記凹部は、前記雄ねじ部に螺合する雌ねじ部を含むことを特徴とする、人工歯根。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の人工歯根であって、
    前記スリーブに前記キーパを固定することでスリーブユニットが形成されており、
    前記キーパの上面には、前記スリーブを前記フィクスチャーに固定するための工具と係合可能な工具係合部が形成されていることを特徴とする、人工歯根。
  6. 請求項5に記載の人工歯根であって、
    前記スリーブユニットの上面全面が、前記キーパの前記上面によって形成されていることを特徴とする、人工歯根。
  7. 磁石が固定された義歯床と、当該義歯床に支持された人工歯とを含む義歯と、
    請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の人工歯根と、を備えることを特徴とする、人工歯根ユニット。
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