JP5995437B2 - 改良されたネジヘッド - Google Patents

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Description

本発明は、ネジ、特に、歯科用インプラントの分野で用いられ、支台等の二次部品を歯科用インプラントに取り付けるためのものに関する。
歯科用インプラントは、個別の歯を取り替え、または、いくつかの歯又はすべての歯を取り替える、より複雑な構造体を固定するために用いられる。
インプラントは、通常2つの部品で構成され、この場合、インプラントとして分離されて呼称される固定部分と、別個の支台とから構成される。この固定部分は、骨の中に、すなわち、歯槽頂の高さに完全に埋め込まれるか、または、歯槽頂から柔らかい組織内に数ミリメータだけ突き出るかのいずれかである。支台は、固定部分に取り付けられ、そして、口腔に伸びて、義歯又は入れ歯のための支持体を形成する。
義歯の寿命は20年を越えることができるが、インプラントシステムは、そしゃくによって生じる大きな負荷にさらされる。それゆえ、支台は、部品の緩みあるいは部品の欠損が生じる可能性を防止するために、インプラントにしっかり固定されなければならない。これは、圧入嵌合又は接着を介して、多数の方法で達成することができる。しかし、取り付け時に高いトルクを十分に加えることにより、インプラントと支台との間の確実な連結を達成することができる。
それゆえ、多くのシステムでは、インプラントは、内ネジを有する内腔を含み、支台は、対応する根尖部にネジを含み、その結果、台座をインプラントに直接ネジ込ませることが可能になる。しかし、これは、インプラントに対する支台の正確な角度位置が、最終の固定状態になるまでわからない。これは、支台が単一の義歯を支持する場合に、特に、欠点となる。
それゆえ、多くのインプラントシステムは、インプラントと支台との間の相対回転を防止する非回転手段を含み、この手段は、支台がインプラントに対して持つことができる、有限の角度位置を設定する。
これらの非回転手段は、インプラントと支台における補足的な非円形状の対称部分からなり、通常、六角形又は八角形等の多角形状を有する。
このようなシステムは、インプラントに対する支台の正確な角度位置が、固定状態の前に分かり、かつインプラントの寿命中、支台の緩みを防止するのに役立つ。
もちろん、このような非回転手段が用いられるとき、インプラントに対して支台を回転することは不可能であり、それゆえ、支台は、インプラントに直接ネジ込むことはできない。したがって、基本的なネジとして知られる第3の部品が、インプラントに支台を結合するのに用いられる。
基本的なネジが用いられるとき、支台は、これを貫通し、かつネジ座を有するネジ通路を一般的に含んでいる。これにより、基本的なネジは、ドライバーを用いて、ネジ通路内に挿入されて、ネジヘッドがネジ座に当接するまで供給でき、更に、インプラントの内ネジの穴にこのネジをネジ込んで固定することができる。この結果、インプラントに対して、支台を確実に締結できる。
このような公知のインプラントシステムの例は、例えば、特許文献1に開示され、ここで、ネジ座は、円錐であり、また特許文献2では、ネジ座が平坦である。
欧州特許公開第1679049号公報 国際公開第2006/012273号公報
支台と同様、基本的なネジは、また、他の、一時的な二次部品、例えば、治療用キャップ、閉鎖ネジ、及び歯列の支柱をインプラントに連結するのに用いられる。
上述したように、特に、支台は、インプラントシステムの寿命にわたり緩みを防止するために、インプラントにしっかりと固定されることが重要である。ネジ固定システムにおいて、このことは、高い前荷重または締結力を得るために、第3部品又は支台自体のいずれかのネジ部品を締め付けることによって達成される。
最大の前荷重を達成するために、ネジの屈折強さに達しない可能な強さで、ネジを締め付けることが望ましい。この点で、ネジ本体の緊張は、ネジの塑性変形、また、ある場合にはネジの破壊を生じる。これは、ネジを取り除くとき、または交換するときに、大変都合が悪い。損傷したネジの除去は、必ずしも容易ではなく、また、これにより、インプラントの内ネジに損傷を与えることになる。ある場合には、最終の義歯が支台に固定された後になって始めて、ネジへの損傷が明らかになる。そして、ネジの交換は、新しい義歯を作る必要が生じてくる。
それゆえ、歯科用インプラントシステムの製造業者は、推奨する最大トルク値を設定し、過度の緊張を超えないように、予め高いネジ荷重を確保する。しかし、本来の要望を考えると、歯科医は、インプラントシステムの高い予荷重を確保するために、ネジの破壊をまねくような推奨値をかなり超えた締結トルクをしばしば適用する。
このような状況において、破壊を防止するためにネジの緊張強さを増加させるための1つの有力な解法は、より強力な異なる材料からネジを製造することである。しかし、人体内に長い期間にわたってネジを使用するので、どのように新しい材料であっても、厳しい安全テストに耐えなければならない。そして、必要とされる生体適合性とともに必要な高い強度を有する新しい材料を見つけることは、単純な事柄ではない。
別の選択は、ネジの寸法を大きくすることである。しかし、歯科用インプラントシステム空間では、顎骨の中で利用可能な空間内において、インプラントを適合させることに限界があり、一方、インプラント側の外傷を制限するために、骨の量をできるだけ少なく取り除かなくてはならない。
それゆえ、インプラントシステムの全体の寸法を変更することはできない。そして、ネジの径を増加させて、インプラントおよび/または支台の厚さを同程度に減少させる。このような修正は、システムの別の領域を単純に弱めることになる。
それゆえ、本発明の少なくとも好ましい実施形態の目的は、材料又は全体の寸法を変えることなく、より高いトルクに耐えることができる設計を有するネジ部品を提供することである。
本発明の1つの構成によれば、ネジ部品と台座部品を含む締結システムを提供する。
ネジ部品は、ネジ部を含むとともに、長手方向軸線に沿って伸びて最大半径R 1 を有するネジシャフトを含む。さらに、ネジ部品は、前記ネジシャフトの一端部にネジヘッドを含み、該ネジヘッドは、ネジヘッドの露出した下面が前記ネジシャフトの最大半径R1を越えて半径方向に伸びるように、前記ネジシャフトより大きな最大半径R2を有する底部端を含んでいる。
前記台座部品は、ネジ通路を含み、該ネジ通路は、前記ネジシャフトの最大半径R1に等しいかまたは大きな最小半径R3を有する平坦なネジ座を含んでいる。
前記ネジヘッドの底部端は、前記ネジ座に対して当接するための環状接触面を含み、前記環状接触面は、前記ネジヘッドの下面に設けた少なくとも1つの下方に伸びる突出部の先端部によって形成され、前記環状接触面は、前記ネジ座の最小半径R3よりも大きい最小半径を有していることを特徴とする。
本発明において、ネジ部品の「底部」は、ネジシャフトの先端部、即ち、ネジヘッドに対するネジシャフトの対向端部であると考えられる。それゆえ、ヘッドの底部端は、ネジシャフトに最も近いヘッドの端部である。そして、下方に伸びている突出部は、ネジの底部に向かって突出するものである。
従来の歯科技術によれば、「根尖部」は、骨に向かう方向に言及し、「歯冠」は、歯に向かう方向に言及する。それゆえ、部品の根尖部は、使用時に顎骨に向かう部分であり、歯冠部は、口腔に向かう部分である。本発明のネジ部品が、歯科用ネジ部品である場合ネジヘッドの底部端は、また、根尖部の端部とみなすことができ、それは、根尖部に伸びる1つ以上の突出部とみなすことができる。
本発明によれば、ネジヘッドの環状接触面は、ネジシャフトの外半径から離れた径方向位置に配置されている。言い換えれば、環状接触面の軸方向位置に、環状接触面の最小半径とネジヘッドの径方向内側部分との間にギャップが存在する。これは、ネジヘッドの下面上に1つ以上の突出部を設けることによって達成され、突出部は、環状接触面を作り出すために下方向に伸びている。ネジヘッドの内側部分と環状接触面との間に作り出されたギャップは、環状接触面がネジシャフトの最小半径より大きな最小半径を有するので、十分に大きい。
環状接触面の最小半径がネジ座の最小半径より大きいので、ネジ座の最内部の領域は、使用中、ネジヘッドに接触しないであろう。
ネジを締め付けるとき、負荷されたトルクのある部分のみが予荷重に変えられる。ネジに負荷しなければならない全トルクは、比較的高く、トルクの大部分が、ネジヘッドとネジに作用する摩擦に打ち勝つのに用いられる。一般的に、負荷されるトルクの約10〜15%のみがネジを締め付けるのに用いられることが推定される。
従来技術のネジシステムにおいて、ネジヘッドの下面は、ネジ座に補完するように形作られている。それゆえ、ネジ座が平坦であるとき、ネジの下面もまた平坦である。その結果、より大きな接触面が形成される。効果としては、ネジヘッドの全体の下面が、環状接触面として作用する。対照的に、本発明において、ネジヘッドの下面部分のみが、環状接触面を形成するので、少なくとも1つの下方に伸びる突出部は、より小さい環状接触面を作り出す。突出部の作用によって、ネジヘッドとネジ座の径方向に重なり合う領域のすべてが、互いに接触しているわけではない。環状接触面は、ネジ座の最小半径より大きな最小半径を有するので、これは、従来の平坦なネジヘッドを用いるときに達成されるよりも大きな摩擦半径を有する。また、このネジヘッドは、ネジ座の内側部分に接触する。結果として、ネジヘッドに加わる摩擦に打ち勝つために必要とされるトルクは、増加し、また、予荷重力に変えられるトルクの割合が減少する。
それゆえ、ユーザーが、推奨される最大トルク限界を超えて、ネジに損傷を与えることを減少させ、ネジヘッドの摩擦抵抗によって負荷されるトルクの多くを吸収する。
多くのシステムにおいて、製造許容公差を考慮すると、ネジ座の最小半径は、ネジシャフトの最大半径に等しい。これは、ネジ座の下側に最も狭いネジ通路を提供し、ネジ座にネジシャフトを収容できる。その結果、従来の平坦なヘッドネジは、最大半径R1から外側に伸びる平坦な下面を含んでいる。
それゆえ、別の特徴から見ると、本発明のネジ部品は、ネジ部を含むとともに、長手方向軸線に沿って伸びて最大半径R1を有するネジシャフトを含み、さらに、前記ネジ部品は、前記ネジシャフトの一端部にネジヘッドを含み、該ネジヘッドは、ネジヘッドの露出した下面が前記ネジシャフトの最大半径R1を越えて半径方向に伸びるように、前記ネジシャフトより大きな最大半径R2を有する底部端を含み、ネジヘッドの底部端が、前記ネジ座に対して当接するための環状接触面を含み、前記環状接触面は、前記ネジヘッドの下面に設けた少なくとも1つの下方に伸びる突出部の先端部によって形成され、前記環状接触面は、前記ネジシャフトの最大半径よりも大きな最小半径を有する。
本発明の両方の構成による好ましい特徴は、以下に記載されている。
環状接触面は、複数の突出部によって形成することができる。その結果、接触面は、断続的に、すなわち、分断されている。ネジヘッドの下面は、多数の突出部を含むとき、これらの先端部は、異なる半径方向位置にある。例えば、長手方向軸線から突出部までの距離は、突出部から突出部に交互に変わる。このような実施形態において、環状接触面の最小半径は、長手方向軸線に最も近い突出部の先端部によって設定される。しかし、好ましくは、複数の突出部の先端部は、長手方向軸線から等しい距離にある。さらに、これらの距離が同一、または少なくとも前記先端部の形状が同一であることが望ましい。
しかし、好ましくは、環状接触面は、長手方向軸線の回りに360°広がる単一の突出部によって形成される。この環状接触面は、不規則な、例えば、起伏する形状を有することが可能であるが、環状接触面は、好ましくは、均一な内半径を有する。環状接触面は、好ましくは、長手方向軸線の回りに均一、即ち、最小半径及び最大半径が、両方とも均一である。接触面が、使用時、平坦なネジ座に隣接している場合、環状接触面は、長手方向軸線に垂直な平面上にある。
均一な内半径を有する接触面を設けることにより、最大の摩擦半径が達成される。この「摩擦半径」は、接触面の平均半径である。これは、使用時、ネジ座に接触する表面であり、ネジヘッド下での摩擦抵抗に打ち勝つために、この半径が大きくなればなるほど、必要とされるトルクが大きくなる。
摩擦半径を増加させる従来の方法は、ネジヘッドを広げ、および/またはネジ座の最小半径を増加させることを含んでいる。しかし、上述したように、歯科用インプラントシステム等のあるシステムでは、その空間が制限され、このような増加は、可能ではなく、また、ネジによって締結される複数の部品に、受け入れがたい弱点を導くことになる。
本発明は、摩擦半径を増加させる別の方法を提供し、これは、周りの部品からの容積損失を必要としない。代わりに、これは、ネジヘッドの下面に比較的小さい修正を介して達成することができる。
原理において、摩擦半径を最大にするために、環状接触面ができるだけ狭くなるように、かつできるだけ大きい最小半径を有することが好ましい。従って、また、環状接触面の最大半径がネジヘッドの底部端の最大半径に等しいことが好ましい。好ましい実施形態において、環状接触面の最大半径は、ネジヘッドの外半径に等しい。しかし、実際の製造及び他の懸念もまた考慮に入れなければならない。
例えば、ネジ座は、ネジ通路の端部に配置することができる。この結果、ネジ座は、台座部品の外側表面上に形成される。しかし、多くの場合、ネジ座は、ネジ通路内に配置されるであろう。このような場合、ネジ通路は、少なくとも2つの部分から形成される。第1部分は、第1直径を有し、第2部分は、第2のより小さい直径を有する。ここで、ネジ座は、これら2つの直径の範囲で変移することにより形成される。いくつかの部品において、この変移は、徐々に起こり、円錐のネジ座を導く。
しかし、この発明は、平坦なネジ座にのみ関連し、少なくとも第1直径と第2直径の間の変移の一部で、段階的変化として生じる。この通路を作るために用いられる製造方法により、第1ネジ通路部分の壁とネジ座との間の変移において、小さい半径がしばしば形成される。ネジヘッドが、第1のネジ通路部分の直径に概略等しい外半径を有するとき、ネジヘッドの半径方向端に位置する環状接触面は、ネジ座上に正確に配置されず、かつスムーズに回転することができない。
さらに、ネジ部品の機能により、ヘッドは、底部端から半径方向外側にテーパー形状となっており、その結果、ネジヘッドの最大半径は、ネジ座の半径、および接触面の半径よりかなり大きい。
それゆえ、接触面の別の位置を、ネジヘッドの下面またはネジ座の最小半径に関連して定めることができる。
環状接触面は、ネジヘッドの下面の外側半部に配置されることが好ましい。さらに好ましくは、環状接触面は、ネジヘッドの下面の外側75%以内に配置され、また、外側80%内にあることがより好ましい。本発明の構成では、ネジヘッドの下面は、ネジの底部端の最大半径(R2−R1)に対して、ネジシャフトの外側境界を越えて半径方向に伸びる表面として定義される。
好ましくは、環状接触面の最小半径は、ネジ座の最小半径よりも少なくとも20%大きく、さらに好ましくは、25%より大きい。好ましくは、接触面は、ネジ座の最小半径の125〜150%の範囲内に配置される。特に好ましい実施形態では、接触面は、ネジ座の最小半径の128〜140%の範囲内に配置される。
好ましくは、使用時、ネジ座の表面積の少なくとも内側50%は、環状接触面によって接触されていない。
上記比率は、ネジヘッド又はネジ座の全直径に如何なる増加も必要とせず、摩擦半径における効果的な増加を与えるために、接触されていないネジ座の最適な内側領域を与える。
上述したように、多くの実施形態において、ネジ座の最小半径は、ネジシャフトの最大半径にほぼ等しい。
その結果、好ましい実施形態において、環状接触面の最小半径は、ネジシャフトの最大半径より少なくとも20%大きく、更に好ましくは、30%より大きい。好ましくは、接触面は、ネジシャフトの最大半径の125〜150%の範囲内に配置されている。特に好ましい実施形態では、接触面は、ネジシャフトの最大半径の130〜140%の範囲内に配置されている。
歯科用インプラントの分野では、インプラントのネジ部品は、インプラント内に適合するために非常に小さい寸法を有し、ネジシャフトの最大半径R1は、0.6〜1mmの間が好ましく、ネジヘッドの底部端の最大半径R2は、最大半径R1の1.2〜1.5倍の間が好ましい。特に、好適なR2の範囲は、0.8〜1.3mmである。
上述したように、環状接触面は狭いことが望ましく、それゆえ、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の突出部の先端部は、先の尖ったまた湾曲した形状を有する。ネジヘッドをネジ座に締結する際、このような狭い接触面は、変形しかつネジ座に対して平坦になるであろう。これは、2つの表面の間の接触が密着することを確実にし、そして、ネジ座の表面が粗い又は平らでないとき、特に有益である。しかし、多くの場合、1つまたは複数の突出部は、平坦な先端部を含むことが好ましい。これは、製造を容易にし、かつユーザーへの損傷の危険を軽減する。好ましくは、接触面は、ネジシャフトの最大半径の10〜20%とネジ座の最小半径の10〜20%の両方または一方の半径方向幅を有する。
歯科用インプラントの分野において、接触面は、好ましくは、0.05〜0.15mmの間の幅を有する。好ましくは、ネジシャフトの最大半径と環状接触面の最小半径の間の寸法差は、0.2〜0.4mmの間である。
少なくとも1つの突出部は、ネジヘッドの下面からほぼ直角に下方に伸びるように形成することができる。しかし、1つまたは複数の突出部は、少なくともその半径方向内側で、テーパー形状となることが好ましい。
このようなテーパー形状は、本発明にさらなる利益をもたらす。ネジが、ネジ座に対して締め付けられるので、テーパー形状の突出部は、上方または冠状の方向に、わずかに曲がる。
これは、3部品構成において、分離したネジ部品を、インプラントに歯科用支台を取り付けるために用いるときに、特に有益である。時間経過後及び使用時、支台が、インプラント内に僅かに沈み込むことは一般的である。従来のシステムにおいて、これは、ネジ座が、ネジヘッドから離れて沈み込むことになり、そして、部品間の摩擦が減少する。これは、使用後又は動的試験の後で、ネジを外すのに必要な取外しトルクが、用いられた初期の挿入トルクよりかなり少なくなることによって明らかになる。
しかし、驚いたことに、ネジの挿入中、ネジによって耐えることができる最大トルクを更に増加させた場合、この好ましい実施形態のネジ設計では、取外しトルクもまた増加する。これは、ネジヘッドの上述した屈曲性によると考えられる。ネジヘッドは、スプリングとして動作することができ、支台が使用時に沈み込むと、ネジヘッドは、曲げられず、支台に対して下方に位置し、その結果、ネジ座とネジヘッドとの間の接触度合がより強くなる。それゆえ、これは、ネジを取外すのに必要とされる取外しトルクを増加させ、その結果、連結の安全性を高める。
好ましくは、1つ以上の突出部の半径方向内側は、15°〜25°の間、最適には、20°の角度で下方に先細っている。好ましくは、テーパーは、少なくとも部分的に、好ましくは、十分に、半径を横切って湾曲している。テーパーが、部分的に湾曲しているだけであると、この湾曲は、突出部の基端部に配置されることが好ましい。
ネジヘッドの底部端の軸方向位置は、環状接触面によって定められ、本発明によれば、ギャップによってネジヘッドの内側部分から半径方向に離れている。ネジヘッドの底部端の半径方向内側部分は、ネジシャフトに結合する。ネジヘッドのこの部分は、最大半径R1に等しい半径、または、ある場合には、ネジ座の最小半径より小さい限り、最大半径R1より大きい半径を有する。
好ましくは、ネジは、ネジシャフトとネジヘッドとの間の変移部分にアンダーカットを含む。その結果、突出部のテーパーは、最大半径R1の半径方向内側から開始する。これは、テーパー形状の突出部がより長い半径方向長さを有することを可能にし、それにより、今度は、スプリング効果を増大させる。テーパーが半径を横切って湾曲していると、この湾曲は、好ましくは、アンダーカットへと続き、そして、少なくともアンダーカットの一部分を形成する。
アンダーカットは、ネジシャフト又はネジヘッド、あるいは両方の中に配置される。好ましい実施形態では、アンダーカットは、少なくとも部分的に、ネジシャフトに配置され、その結果、ネジシャフトの上部端は、最大半径R1よりも小さい半径を有する。これは、ネジシャフトとネジ座の縁との間の許容公差を増加させる。
ネジヘッド上にテーパー形状の突出部を設けることは、それ自体、発明性を有するものであり、それゆえ、別の構成からみると、本発明は、ネジ部品と台座部品を含む締結システムを提供する。
ネジ部品は、ネジ部を含むとともに、長手方向軸線に沿って伸びて最大半径R1を有するネジシャフトを含み、さらに、前記ネジ部品は、前記ネジシャフトの一端部にネジヘッドを含み、該ネジヘッドは、ネジヘッドの露出した下面が前記ネジシャフトの最大半径R1を越えて半径方向に伸びるように、前記ネジシャフトより大きな最大半径R2を有する底部端を含んでいる。
前記台座部品は、ネジ通路を含み、該ネジ通路は、前記ネジシャフトの最大半径R1に等しいかまたは大きな最小半径R3を有する平坦なネジ座を含んでいる。前記ネジヘッドの底部端は、前記ネジ座に対して当接するための環状接触面を含み、前記環状接触面は、前記ネジヘッドの下面に設けた少なくとも1つの下方に伸びる突出部の先端部によって形成され、前記少なくとも1つの下方に伸びる突出部は、少なくともその半径方向内側に先細っている。
好ましくは、接触面の最小半径は、前記ネジ座の最小半径R3よりも大きい。この構成に従うネジ部品は、ここで論じられる好ましい特徴をいくつかまたは全てを、付加的に又は代わりに有する。
本発明に従うネジ部品を用いると、ネジ部品によって耐えられる最大トルクは、10%まで増加させることができることがわかった。
それゆえ、本発明によれば、ネジ故障の発生率は、システムに対する外的寸法または材料の変更を行う必要なしに減ずることができる。インプラント及び支台等の締結部品の形状または容積の変更を必要としない。好ましくは、ネジ部品は、一体化して形成される。
本発明のネジ部品及び台座部品は、どのような技術分野においても使用することができ、その場合、標準の平坦なネジヘッドが使用される。本発明は、歯科用インプラントシステム等の締結部品の外的寸法を変えるのに制限された能力があるシステムでは、特に有益である。
それゆえ、好ましくは、ネジ部品は、歯科用ネジ部品である。これは、歯科用インプラント又は他の歯科用部品に直接取り付けるために、例えば、歯科用支台等の歯科用の二次部品である。しかし、好ましくは、ネジ部品は、1つの歯科用部品、例えば、支台または他の二次部品を、他の、例えば、インプラントに取り付けるように配置された歯科用ネジである。また、歯科用ネジは、例えば、義歯を支台に取り付けるのに用いることができる。
疑いを避けるために、歯科用ネジは、1つの部品を他の部品に締結するために用いられる要素である。それゆえ、システムの「第3部品」と見ることができる。歯科用ネジは、それ自体、歯科用インプラントシステム内のいくつかの機能を実行できるものではなく、このシステムに締め付け動作により別の部品を取り付けるだけである。
対照的に、本発明のネジ部品が、歯科用の二次部品であるとき、これは、前に、インプラントに取り付けられた付加的な機能を実行する。例えば、支台は、義歯のための支持構造体を与え、一方、インプラント歯科治療の間、治療キャップがインプラントをシールし、そして、インプラントの回りの歯肉を形作るのに役立つ。義歯は、本来の1つまたは複数の歯に対して一時的または永久の置き換えを与える。
1つの好ましい実施形態において、ネジ部品は、支台等の歯科用二次部品を含み、台座部品は歯科用インプラントを含んでいる。この実施形態では、ネジ通路は、インプラント内の内腔によって形成されている。平坦なネジ座は、この内腔内に形成されるか、またはインプラントの冠状端面、即ち、ネジ通路の冠状端部に形成することができる。
別の好ましい実施形態において、台座部品は、歯科用二次部品を含み、ネジ部品は、インプラントに対して二次部品を固定するための歯科用ネジである。このような実施形態において、ネジ座は、ネジ通路内に通常配置され、ネジ通路は、二次部品を貫通している。二次部品は、例えば、歯科用支台または歯列ポストとすることができる。
本発明の好ましい実施形態は、例示のみのために、添付の図面に関連して以下に記載されるであろう。
(a)は、従来の基本ネジを示す図であり、(b)は、(a)のX部分の詳細図である。 (a)は、本発明に従う基本ネジを示す図であり、(b)は、(a)のX部分の詳細図である。 (a)は、二次部品のネジ領域に接触する図1のネジの概略代表図であり、(b)は、同一のネジ座に接触する(b)のネジの概略代表図である。 本発明に従って設計された代替シートヘッドを示す図である。 本発明に従って設計された別のシートヘッドを示す図である。 本発明に従って設計されたさらに別のシートヘッドを示す図である。 本発明に従うネジ部品の底面図である。 本発明の別の実施形態に従うネジ部品の底面図である。 本発明に従う支台を示す図である。
図1(a)と図1(b)は、従来システムに従う基本ネジ1を示す。このネジは、長手方向軸線5に沿って伸びるネジシャフト2を含んでいる。このネジシャフト2は、その先端部にネジ部3を含み、ネジの寸法及びピッチは、インプラントのネジ内孔に嵌合するように選択される。ネジシャフト2の対向端に、ネジヘッド4を結合する。ヘッド4は、その冠状端内に中空部6を含み、冠状端は、ネジドライバ等の駆動ツールの挿入を可能にするように形作られている。中空部6は、トルクが駆動ツールからネジ1に伝達されるように、非円形の対称形状を有する。
ヘッド4の底部、即ち、根尖部端は、シャフト2の最大半径R1よりも大きな最大半径R2を有する。これにより、環状接触面がネジヘッド4の下面8によって形成されることになる。ネジが係合する台座(支台)又は他の部品は、ネジシャフト2の通過を可能にするように寸法付けられたネジ通路を含まなければならないので、ネジヘッド4とネジ座との間に可能な最大接触面積は、π(R 2 2−R 1 2)である。
底部端の最大半径R2は、ネジヘッド4の全体の最大半径よりも小さい場合には、何の価値もない。それは、傾斜面9が、底部端をネジヘッド4の外周にリンクさせるからである。これは、後に示すように、ネジ1をネジ通路内に適合させることを改善する。
この傾斜面にも係わらず、下面8は、比較的大きな表面領域を備え、この表面領域により、ヘッド4が支台または他の二次部品のネジ座に接触することができる。更に、この表面領域は、ネジシャフト2の最大半径R1から外側に伸びている。
図2(a)は、本発明に従うネジ10を示す。このネジシャフト12は、図1に図示した従来のネジと同一のもので、先端部にネジ部13を有し、その対向端部で、ネジヘッド14に結合する。再び、ヘッド14は、駆動ツールに係合できるように中空部16を含む。先端部にネジ部13を図示したが、代わりに、シャフト上の軸方向位置に配置することもできる。
従来例と比較して、ネジヘッド14の下面18は、平坦ではないが、下方に伸びる突出部17を含んでいる。この突出部17は、底部を形成する平坦な先端表面、即ち、ネジヘッド14の端部15における根尖部が、下方に向けてテーパー形状となっている。このテーパーは、半径方向外側がベベル形状の表面19で、半径方向内側が凹状表面で形成されている。
下面18の形状は、環状接触面に形作られ、この接触面は、R2−R1より小さい幅を有し、ネジヘッド14の外半径に向けて配置されている。ネジヘッドのこの形状は、ネジの摩擦半径を増加させ、ネジヘッドの摩擦抵抗に打ち勝つために必要とされるトルクを増加させる。
これは、図3(a)及び図3(b)に関連して明示されている。図3(a)は、3つの部品構成のインプラントシステムにおいて、図1におけるネジ1の部分断面図の概略図を示している。台座20は、歯冠部と根尖部を有するネジ通路を含む。これらは、直径方向において険しい変化により分離されており、ネジ座22を形成する。ネジ座22は、平坦でかつシステムの長手方向軸線5に垂直である。製造方法によると、ネジ通路21の歯冠部の外壁からネジ座22への変化は、湾曲している。
台座20は、インプラント30の内腔31に位置している。この内腔は、台座20をぴったり収容する形状であり、ネジ部33を含む。
台座20をインプラント30に連結するために、ネジ1のネジ部3がインプラントのネジ部33と係合できるまで、ネジ1がネジ通路21に押し込まれる。ネジ1を締結することにより、ヘッド4は、ネジ座22上に押圧されて、インプラント30内に台座20を固定する。
ネジヘッド4の傾斜面エッジ9は、ネジ通路21の湾曲した変移領域によって如何なる干渉を受けない。下面8の平坦面は、ネジヘッド4とネジ座22の間の広い接触領域C1を作り出す。図3(a)に図示するシステムの摩擦半径は、この接触領域RF1の平均半径である。
トルクが中空部6(図3(a)に図示されない)を介してネジ1に加えられるとき、このトルクの一部は、ネジヘッド4のもとで摩擦抵抗に打ち勝つために用いられるであろう。別の部分は、ネジに加わる摩擦抵抗に打ち勝つために用いられる。また、残りのトルクは、ネジを締め付け、ネジ本体における張力を増加する。トルクが多く加えすぎると、ネジ1への緊張力を超え、これにより、割れ目や破壊が生じる。
図3(b)は、図3(a)と同一のインプラントシステムを示す。しかし、今度は、ネジ10が台座20をインプラント30に連結するのに用いられる。見ることができるように、下方に伸びる突出部17は、ネジヘッド14とネジ座22との間の接触領域C2をかなり減少する。
重要なことに、表面間の接触は、ネジ座22の半径方向の最内領域に存在しない。なぜなら、ネジヘッドの接触面は、ネジ座22の最小半径R3より大きな最小半径を有するからである。この半径は、ネジシャフト12の最大半径R1と類似している。ネジシャフト12は、ネジ通路21の根尖部内にネジ座22を貫通させることができるに違いない。
ネジ座22の半径方向内側領域で接触が不足すると、システムの摩擦半径RF2を増加させ、その結果、ネジヘッド14のもとで摩擦抵抗に打ち勝つために必要とされるトルクを増加させる。本発明に従うネジを用いることにより、負荷されたトルクのより小さい割合が緊張のために使用され、そして、ネジ10は、発生する緊張力を超える前により多くのトルクに対して持ちこたえることができる。
突起部17は、摩擦半径RF2を増加させるために、ネジヘッド14の外側径方向縁に、できるだけ近づいて配置される。更に、突出部17の先端表面は、できるだけ狭く作られている。
図2及び図3(b)に図示されたネジ10の突出部17は、ネジヘッド14を曲げることが可能になるように、その半径方向内側にテーパー付けられた表面を有する。ネジヘッド14は、ネジ座22の下方向に伸びているので、テーパー形状の表面は、突出部17を僅かに旋回させることができる。その結果、ネジヘッド14は、負荷されたばねのように作用する。台座20の使用中、これは、更にインプラント穴31内に配置または埋め込まれる。従来のシステムでは、これは、ネジ1を取り除くために必要とされるトルクを減少させる。しかし、本発明の好ましい実施形態に従うネジを用いると、台座20は、インプラント30内により低く配置されるので、テーパー形状の突出部17は、曲げられることなく、かつネジ座と良好な接触を維持する。これは、台座20の長期使用の後で、より高い取外しトルクを導く。
このテーパーの長さを増加するために、ネジ10は、ネジシャフト1からネジヘッド14への移行部分に、アンダーカット11を含んでいる。これは、突出部17のスプリング力を増加させ、さらに、ネジヘッド14とネジ座22との間の許容差を増加する。この実施形態では、突出部は、アンダーカット部11に続くテーパーの湾曲があり、そしてアンダーカット部の一部分を形成する。
比較テストでは、図1及び図2に図示する設計を有するネジを回転させた。平均破壊トルクは、ネジ1の場合の51.8Ncmから、ネジ10の場合、57.8Ncmに増加した。さらに、280Nの負荷で疲労試験を行った後、ネジ10の取外しトルクは、ネジ1に対する17.9Ncmと比較して、26.1Ncmであった。
図4〜図6は、本発明のさらなる実施形態を示す。図4は、テーパー状の突出部47を有するネジヘッド44を示しており、突出部は、ヘッド44の根尖部45を形成し、かつネジヘッドの外半径に配置されている。ネジ40は、所定の外半径のネジに対して可能な最適摩擦半径を与えており、また、製造公差が許される状況において、例えば、ネジ座22が、座部品の外側表面によって形成され、および/またはネジヘッドを越えて半径方向に伸びている場合に、使用することができる。この実施形態は、テーパー形状の突出部47のスプリング効果を増加させる、アンダーカット41を有することを特徴とする。このアンダーカット41は、ネジヘッド44に配置されている。
図5は、代替のネジヘッド54を示し、その中に、突出部57がヘッド54のアンダーカット58から直角に伸びている。平坦な根尖部55と接触面を設けることにより、ネジの整合性と予測可能性を良くする。この実施形態において、アンダーカットは、シャフトとヘッドとの間の変移部分には存在しない。
図6は、湾曲した突出部67にある起伏する下面68を有するネジヘッド64を示している。ここで、アンダーカット61は、ネジシャフト62とネジヘッド64の両方に伸びている。
図7は、本発明に従ってネジの一般的な底部を示す。ネジヘッド74は、ネジシャフト72よりも大きな半径を有し、かつ形成する下面78から外側に伸びている。ベベル表面79は、下面78の半径方向縁とネジヘッド74の周縁との間に伸びている。ネジヘッド74の下面78は、連続する環状接触面Cを形成する先端面に根尖部の方向に伸びている突出部を含む。突出部の位置、幅及び形状は、図2及び図4〜図6に示すように変えることができる。図7において、単一の突出部は、均一で連続する接触面を形成するために、ネジの長手軸方向の回りに360°に広がっている。
また、複数の突出部によって接触面を形成することは可能である。これは、図8に示されている。ここでは、ネジヘッド84の下面88が複数の突出部87を含んでいることが見られる。これらの突出部は、前の実施形態に図示したいくつかの形状を有することができ、各々は、先端面に向かって先端方向に伸び、これらの先端面は、組み合わされて、断続的な環状接触面Cを形成する。
本発明は、主として、分離したネジ部品に関連して上述してきたが、この部品は、支台等の二次部品をインプラントに結合するために用いることができる。しかし、それ自体二次部品として、本発明のネジ部品を形成することが可能である。インプラントに対して、この部品の正確な角度位置を確かなものにする必要がない場合、二次部品は、インプラントに直接ネジ込まれる。この直接結合は、例えば、インプラントが、ブリッジ、即ち、複数の歯を置き換える単一の義歯を支持することを意図している場合、一般的である。このような状況において、ブリッジは、2つまたはそれ以上のインプラントに取り付けられ、かつブリッジの角度位置は、これらの多数の結合点によって定まる。治療キャップ等の他の二次部品は、一時的に用いられる場合、及び義歯を支えるものであり、インプラントに直接ネジ込むことができる。
図9は、インプラントに直接結合するために設計された二次部品を示している。この部品90は、ネジ部93を有するシャフト92を含み、インプラントにネジ結合する。部品90は、さらに、ヘッド94を含み、このヘッドは、使用時、インプラントから柔らかい組織に、または組織を貫いて突き出る。
ヘッド94の底部又は根尖部は、シャフト92よりも大きな半径を有する。その結果、下面98が作り出される。この下面98は、部品の長手方向軸線回りに360°広がる先端方向に伸びる突出部97を含む。その結果、環状接触面が形成される。図9の円形部分の詳細は、図2(a)に図示したネジ10と形状において非常に類似している。部品90の環状接触面は、シャフト92の最大半径及びインプラントのネジ座の最小半径、よりも大きな最小半径を有する。それゆえ、ネジヘッドの摩擦半径は、従来の部品に対して増加している。
上記した実施形態は、説明のためであり、当業者には、本発明の特許請求の範囲内に包含される多くの代替構成が可能であることが理解できよう。
いくつかの請求項に記載された技術的特徴は、参照記号に従っており、これらの参照記号は、請求項の構成の理解度を高める目的だけに含まれるものであり、このような参照記号による例示によって識別された各要素の範囲に基づいて、制限されるものではない。
1 基本ネジ、2、12 ネジシャフト、3、13 ネジ部品、4、14 ネジヘッド、5 長手方向軸線、10 ネジ部、11 アンダーカット、17 突出部、18 下面、20 台座、21 ネジ通路、22 ネジ座、30 インプラント、

Claims (15)

  1. ネジ部品(10)と台座部品(20)を含む締結システムであって、
    前記ネジ部品(10)は、
    ネジ部(13)を含むとともに、長手方向軸線(5)に沿って伸びて最大半径R1を有するネジシャフト(12)を含み、さらに、
    前記ネジ部品(10)は、前記ネジシャフト(12)の一端部にネジヘッド(14)を含み、
    該ネジヘッドは、ネジヘッドの露出した下面(18)が前記ネジシャフトの最大半径R1を越えて半径方向に伸びるように、前記ネジシャフトより大きな最大半径R2を有する底部端(15)を含み、
    前記台座部品(20)は、
    ネジ通路(21)を含み、該ネジ通路は、前記ネジシャフトの最大半径R1に等しいかまたは大きな最小半径R3を有する平坦なネジ座(22)を含んでおり、
    前記ネジヘッドの底部端が、前記ネジ座に対して当接するための環状接触面(C)を含み、前記環状接触面は、前記ネジヘッドの下面に設けた少なくとも1つの下方に伸びる突出部(17)の先端部によって形成され、
    前記環状接触面が、前記ネジ座の最小半径R3よりも大きい最小半径を有するため、前記締結システムの使用時に、前記ネジ座の最内領域は、前記ネジヘッドと接触しないようになっており、
    1つまたはそれ以上の前記突出部(17)は、少なくともその半径方向内側がテーパー形状になっており、
    1つまたはそれ以上の前記突出部(17)の前記テーパー形状が最大半径R1の半径方向内側から始まるように、前記ネジ部品(10)は、前記ネジシャフト(12)と前記ネジヘッド(14)の間の変移部分にアンダーカット部(11)を含んでいる、ことを特徴とする締結システム。
  2. 前記環状接触面(C)は、前記長手方向軸線(5)の回りに360°広がっている単一の突出部(17)によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の締結システム。
  3. 前記環状接触面(C)は、均一の内半径を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の締結システム。
  4. 前記環状接触面(C)は、前記ネジヘッドの下面(18)の外側半部内に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の締結システム。
  5. 前記環状接触面(C)の最小半径は、前記ネジ座(22)の最小半径Rより少なくとも25%大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の締結システム。
  6. 前記環状接触面(C)は、前記ネジ座(22)の最小半径Rより少なくとも128〜140%の範囲内にあることを特徴とする請求項5に記載の締結システム。
  7. 前記環状接触面(C)の最小半径は、前記ネジシャフト(12)の最大半径R1より少なくとも30%大きいことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の締結システム。
  8. 1つまたはそれ以上の突出部(17)は、平坦な先端部を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の締結システム。
  9. 前記1つまたはそれ以上の突出部(17)の半径方向内側は、15°〜25°の範囲の角度、最適には20°の角度で下方に向けてテーパー形状となっていることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の締結システム。
  10. 前記テーパー形状は、半径の範囲にわたり少なくとも一部分湾曲していることを特徴とする請求項9に記載の締結システム。
  11. 前記テーパー形状の曲線が、前記アンダーカット部内に続き、かつ前記アンダーカット部の一部分を形成することを特徴とする請求項10に記載の締結システム。
  12. 前記ネジ部品(10)は、歯科用インプラント(30)に前記台座部品(20)または他の二次部品を取り付けるための歯科用ネジであることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の締結システム。
  13. 前記請求項1〜12のいずれかに記載の締結システムに用いるネジ部品。
  14. ネジ部(13)を含むとともに、長手方向軸線(5)に沿って伸びて最大半径R1を有するネジシャフト(12)を含むネジ部品(10)であって、
    該ネジ部品(10)は、さらに、前記ネジシャフト(12)の一端部にネジヘッド(14)を含み、
    該ネジヘッドは、ネジヘッドの露出した下面(18)が前記ネジシャフトの最大半径を越えて半径方向に伸びるように、前記ネジシャフトより大きな最大半径R2を有する底部端(15)を含み、
    該底部端は、平坦なネジ座に当接するための環状接触面(C)を含み、該環状接触面は、前記ネジヘッドの下面に設けた少なくとも1つの下方に伸びる突出部(17)の先端部によって形成され、
    前記環状接触面が、前記ネジシャフトの最大半径R1よりも大きな最小半径を有するため、前記締結システムの使用時に、前記ネジ座の最内領域は、前記ネジヘッドと接触しないようになっており、
    1つまたはそれ以上の前記突出部(17)は、少なくともその半径方向内側がテーパー形状になっており、
    1つまたはそれ以上の前記突出部(17)の前記テーパー形状が最大半径R1の半径方向内側から始まるように、前記ネジ部品(10)は、前記ネジシャフト(12)と前記ネジヘッド(14)の間の変移部分にアンダーカット部(11)を含んでいる、ことを特徴とするネジ部品。
  15. 前記環状接触面(C)の最小半径は、前記ネジシャフト(12)の最大半径R1よりも少
    なくとも30%大きいことを特徴とする請求項14に記載のネジ部品。
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