JP2011062432A - 支台部材及び人工歯根 - Google Patents

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Abstract

【課題】過大な回旋力が負荷された場合でも、所定の弾性係着機能及び回旋防止機能を発揮する支台部材を提供する。
【解決手段】埋入固定具と組み合わせて使用される支台部材であって、支台部材は、セラミック製支持体と、セラミック製支持体と埋入固定具との間に嵌入される金属製嵌合体と、を備え、金属製嵌合体は、埋入固定具の側から順に、埋入固定具との回旋を防止する第一嵌合凸部と、フランジ部と、嵌合凹部と嵌合してセラミック製支持体との回旋を防止する第二嵌合凸部と、係合凹部と係着して弾性係着力を発揮する係合凸部と、を備え、係合凸部を構成する壁体は、軸方向に延在するスリットによって複数の片持ち支持片に分割されており、金属製嵌合体の係合凸部がセラミック製支持体の係合凹部に挿入されたときに、各片持ち支持片が弾性的に変形することにより各片持ち支持片が反軸心方向の弾性係着力を発揮する。
【選択図】図2

Description

本発明は、義歯(人工補綴物)を支持するためのアバットメント(支台部材)に関し、さらに、当該アバットメント(支台部材)と、歯槽骨内に植設されるフィクスチャー(埋入固定具)と、を備える人工歯根に関する。
第一の従来技術によれば、アバットメント(支台部材)がチタン等の金属材料からできているとともに、人工歯冠等の人工補綴物(上部構造体)がセラミック材料からできている。一般に、アバットメントを構成する金属材料が暗色系であり且つ人工補綴物を構成するセラミック材料が明色系であるので、暗色系アバットメントが明色系人工補綴物の中に暗い陰影を生じさせて人工補綴物が他の自然歯と違っていることが視覚される。その結果、当該従来技術では、審美性が劣っている。そこで、審美性に優れた補綴を提供するために、アバットメントとしてセラミック材料を用いることが行われている。
ところで、歯槽骨内に植設されるフィクスチャー(埋入固定具)として、チタン等の金属材料が使用される。一般に、セラミック材料は金属材料よりも硬質であるために、セラミック材料からなるアバットメントと金属材料からなるフィクスチャーとを直接に連結した場合、金属材料よりも硬質であるセラミック材料からなるアバットメントによって、金属材料からなるフィクスチャーを傷付けることが多い。
また、アバットメントとフィクスチャーとの間で形成される嵌合構造には、フィクスチャーに設けられた凸状嵌合部とアバットメントに設けられた凹状嵌合部とが嵌合するエクスターナルタイプのものと、フィクスチャーに設けられた凹状嵌合部とアバットメントに設けられた凸状嵌合部とが嵌合するインターナルタイプのものと、がある。いずれのタイプの嵌合構造においても、アバットメント及びフィクスチャーがアバットメントスクリューによって連結固定される。
エクスターナルタイプの嵌合構造においては、咀嚼に起因した揺動が人工歯根に繰り返し加えられると、アバットメント及びフィクスチャーを連結固定するアバットメントスクリューが緩んでアバットメントスクリューの破折を引き起こしやすいという問題がある。これに対して、インターナルタイプの嵌合構造は、アバットメントスクリューが緩みにくいという特長を有するので現在の主流になっている。しかしながら、インターナルタイプの嵌合構造では、アバットメントにおける連結部分のサイズが小さくなるために、アバットメントが脆性材料であるところのセラミック材料から構成される場合、技工操作中や臨床中に破折する危険性を有している。
ところで、第二の従来技術によれば、セラミック材料からなるアバットメントにおいて、その嵌合部分を生体適合性の金属材料に置き換えることが提案されている(特許文献1を参照のこと)。すなわち、特許文献1には、補綴物を支持するためのセラミック部分(支台ポスト部)と、セラミック部分の凹部に嵌入される金属部分(嵌合部)と、から構成されたエクスターナルタイプの支持ポスト(アバットメント)が提案されている。
さらに、第三の従来技術によれば、セラミック支台ポスト部と、セラミック支台ポスト部の凹部に嵌合する六角嵌合凸端部の軸方向にわたって複数のスリットが形成された金属嵌合部と、から構成されたインターナルタイプのアバットメントが、プロセラ・アバットメント(Procera Abutment)という商品名でノーベル・バイオケア(Nobel Biocare)社から市販されている。
特表平10−509371号公報
第二の従来技術に係る特許文献1に開示されたエクスターナルタイプの支持ポスト(アバットメント)では、金属部分(嵌合部)は管状の第一係合凸端部と六角状の第二係合凸部とフランジ部とを備えており、管状の第一係合凸部及び六角状の第二係合凸部が、対応するセラミック部分(支台ポスト部)の凹部に嵌入するように構成されている。ここで、セラミック部分(支台ポスト部)の凹部に嵌入された管状の第一係合凸端部は、金属部分(嵌合部)がセラミック部分(支台ポスト部)に対して嵌入結合する嵌入結合機能に寄与し、六角状の第二係合凸部は、セラミック部分(支台ポスト部)に対して金属部分(嵌合部)が回旋することを防止する回旋防止機能に寄与している。しかしながら、管状の第一係合凸端部での嵌入結合構造は、管状の第一係合凸端部とセラミック部分(支台ポスト部)の凹部との間での寸法差に起因したいわゆる締まり嵌めであるので、第二の従来技術に係る嵌入結合構造は、適切且つ安定した嵌入結合力を提供しないという問題を有する。
また、図5に示した第三の従来技術に係るインターナルタイプのアバットメント108では、軸方向全体にわたって延在する(すなわち、六角嵌合凸端部185の上端部から底部まで延在する)6個のスリット186を有する六角嵌合凸端部185は、不図示のセラミック支台ポスト部の凹部に対して弾性的に係着する弾性係着機能及び六角嵌合凸端部の回旋を防止する回旋防止機能という二つの機能を兼ね備えている。すなわち、六角嵌合凸端部185において、隣接する6個のスリット186で囲まれて底部で弾性的に支持された複数の壁体182がそれぞれ弾性支持面として働いている。そして、弾性支持面としての壁体182が軸心反対方向に弾性力を付勢することにより、セラミック支台ポスト部の凹部に対して弾性的に係着する弾性係着機能を発揮している。また、六角嵌合凸端部185は、その壁体182が六角形状をしていることにより回旋防止機能を発揮している。
しかしながら、第三の従来技術に係る六角嵌合凸端部185では、スリット186が六角嵌合凸端部185の根元まで(すなわち、六角嵌合凸端部185の上端部から底部まで)延在しているので、過大な回旋力が六角嵌合凸端部185に負荷された場合、回旋力の分力が、軸心方向の力として、軸心反対方向に弾性力を付勢していた六角嵌合凸端部185の壁体182に作用する。そして、六角嵌合凸端部185の壁体182が軸心方向に弾性的に変形し、六角嵌合凸端部185の六角形状が縮小化するために、六角形状に基づいた嵌合力が低下する。その結果、六角嵌合凸端部185が過大な回旋力に抗することができなくなって、六角嵌合凸端部185すなわちアバットメント108の回旋が起こる。したがって、第三の従来技術に係るインターナルタイプのアバットメント108は、過大な回旋力の負荷によって回旋防止機能が低下するという構造上の問題を有している。逆に、十分な回旋防止機能を発揮させるようにスリット数を減じたり、六角嵌合凸端部185の軸直交方向の寸法を大きくしたりすると、弾性係着力が過大となる。この場合、セラミック製支持体を個々の歯冠形態に適合させるために追加工を行う技工操作の際の、適切な着脱操作性が損なわれてしまう。
したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、過大な回旋力が負荷された場合でも、所定の弾性係着機能及び回旋防止機能を発揮するアバットメント(支台部材)及び人工歯根を提供することである。
上記技術的課題を解決するために、本発明によれば、以下のアバットメント(支台部材)及び人工歯根が提供される。
すなわち、本発明の請求項1に係る支台部材は、
歯槽骨内に埋入固定される埋入固定具と組み合わせて使用される支台部材であって、
前記支台部材は、人工補綴物を支持するセラミック製支持体と、前記セラミック製支持体と埋入固定具との間に嵌入される金属製嵌合体と、前記埋入固定具の雌ネジに螺合して前記セラミック製支持体及び金属製嵌合体を埋入固定具に連結固定する連結ネジと、を備えてなり、
前記セラミック製支持体は、前記埋入固定具の側から順に、
前記金属製嵌合体との回旋を防止する嵌合凹部と、
前記金属製嵌合体と係着して弾性係着力を発揮する係合凹部と、
前記連結ネジのネジ部が挿入可能な大きさに寸法構成されたネジ部用挿入穴と、
前記ネジ頭部用挿入穴よりも大径であり、前記連結ネジの頭部が挿入可能な大きさに寸法構成されたネジ頭部用挿入穴と、を備え、
前記金属製嵌合体は、前記埋入固定具の側から順に、
前記埋入固定具との回旋を防止する第一嵌合凸部と、
前記セラミック製支持体の埋入固定具側の終端支持面に当接するフランジ部と、
前記嵌合凹部と嵌合して前記セラミック製支持体との回旋を防止する第二嵌合凸部と、
前記係合凹部と係着して弾性係着力を発揮する係合凸部と、を備え、
前記係合凸部を構成する壁体は、軸方向に延在するスリットによって複数の片持ち支持片に分割されており、前記金属製嵌合体の係合凸部が前記セラミック製支持体の係合凹部に挿入されたときに、前記片持ち支持片のそれぞれが弾性的に変形することにより各片持ち支持片が反軸心方向の弾性係着力を発揮するように構成されていることを特徴とする。
本発明の請求項2に係る支台部材では、金属製嵌合体の係合凸部を構成する壁体は、大略円環形状をしていることを特徴とする。
本発明の請求項3に係る支台部材では、金属製嵌合体の係合凸部を構成する壁体は、4乃至6個のスリットによって分割されていることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る支台部材では、金属製嵌合体の第二嵌合凸部は、前記セラミック製支持体の嵌合凹部よりも小さめに寸法構成されていることを特徴とする。
本発明の請求項5に係る支台部材では、金属製嵌合体の第二嵌合凸部は、断面視、正六角形状をしていることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る支台部材では、金属製嵌合体の係合凸部の上端は、前記セラミック製支持体の係合凹部内に収まるように寸法構成されており、前記連結ネジによる軸方向の締め付け力は、前記連結ネジの頭部と金属製嵌合体のフランジ部との間にあるセラミック製支持体の締付力負荷領域に作用する一方、前記金属製嵌合体の係合凸部には作用しないことを特徴とする。
本発明の請求項7に係る人工歯根では、
歯槽骨内に埋入される埋入固定具と、
その一端が埋入固定具に嵌合されるとともに、その他端に対して人工補綴物が装着される支台部材と、
前記埋入固定具の雌ネジに螺合して前記支台部材を埋入固定具に連結固定する連結ネジと、を備える人工歯根であって、
前記支台部材は、人工補綴物を支持するセラミック製支持体と、前記セラミック製支持体と埋入固定具との間に嵌入される金属製嵌合体と、を備えてなり、
前記セラミック製支持体は、前記埋入固定具の側から順に、
前記金属製嵌合体との回旋を防止する嵌合凹部と、
前記金属製嵌合体と係着して弾性係着力を発揮する係合凹部と、
前記連結ネジのネジ部が挿入可能な大きさに寸法構成されたネジ部用挿入穴と、
前記ネジ頭部用挿入穴よりも大径であり、前記連結ネジの頭部が挿入可能な大きさに寸法構成されたネジ頭部用挿入穴と、を備え、
前記金属製嵌合体は、前記埋入固定具の側から順に、
前記埋入固定具との回旋を防止する第一嵌合凸部と、
前記セラミック製支持体の埋入固定具側の終端支持面に当接するフランジ部と、
前記嵌合凹部と嵌合して前記セラミック製支持体との回旋を防止する第二嵌合凸部と、
前記係合凹部と係着して弾性係着力を発揮する係合凸部と、を備え、
前記係合凸部を構成する壁体は、軸方向に延在するスリットによって複数の片持ち支持片に分割されており、前記金属製嵌合体の係合凸部が前記セラミック製支持体の係合凹部に挿入されたときに、前記片持ち支持片のそれぞれが弾性的に変形することにより各片持ち支持片が反軸心方向の弾性係着力を発揮するように構成されていることを特徴とする。
本発明の請求項8に係る人工歯根では、金属製嵌合体の係合凸部を構成する壁体は、大略円環形状をしていることを特徴とする。
本発明の請求項9に係る人工歯根では、金属製嵌合体の係合凸部を構成する壁体は、4乃至6個のスリットによって分割されていることを特徴とする。
本発明の請求項10に係る人工歯根では、金属製嵌合体の第二嵌合凸部は、前記セラミック製支持体の嵌合凹部よりも小さめに寸法構成されていることを特徴とする。
本発明の請求項11に係る人工歯根では、金属製嵌合体の第二嵌合凸部は、断面視、正六角形状をしていることを特徴とする。
本発明の請求項12に係る人工歯根では、金属製嵌合体の係合凸部の上端は、前記セラミック製支持体の係合凹部内に収まるように寸法構成されており、前記連結ネジによる軸方向の締め付け力は、前記連結ネジの頭部と金属製嵌合体のフランジ部との間にあるセラミック製支持体の締付力負荷領域に作用する一方、前記金属製嵌合体の係合凸部には作用しないことを特徴とする。
請求項1に係る本発明は、金属製嵌合体が、セラミック製支持体の嵌合凹部と嵌合してセラミック製支持体との回旋を防止する第二嵌合凸部と、セラミック製支持体の係合凹部と係着して弾性係着力を発揮する係合凸部と、を備えて、回旋防止機能を発揮する第二嵌合凸部と、弾性係着機能を発揮する係合凸部とが分離独立した構成になっている。その結果、過大な回旋力が金属製嵌合体に負荷された場合でも、第二嵌合凸部の変形が起こらないので、第二嵌合凸部の本来的機能すなわち回旋防止機能を発揮するという効果を奏する。同時に、弾性係着力を発揮する係合凸部の設計自由度が向上するので、セラミック製支持体を個々の歯冠形態に適合させるために追加工を行う技工操作の際の、適切な着脱操作性との両立が可能となる。
セラミック製支持体の係合凹部と弾性的に係着して弾性係着力を発揮する係合凸部の構造として、様々な態様が利用可能であるが、請求項2に係る本発明は、加工が容易で且つ確実な弾性係着構造を提供するという効果を奏する。
スリットの数が少なければ、係合凸部における片持ち支持片の占有割合が大きくなって片持ち支持片の弾性的な変形が起こりにくくなる。また、係合凸部それ自身が小さなサイズであるので、スリットの数が多くなると、係合凸部の剛性が低下して係着力が低くなり、また小さな係合凸部に小さなスリットを多く加工することになるのでスリット加工性が低下する。そこで、請求項3に係る本発明は、適度な弾性係着力を発揮するとともにスリット加工性にも優れているという効果を奏する。
金属製嵌合体の第二嵌合凸部とセラミック製支持体の嵌合凹部との間での嵌め合いがキツイいわゆる締まりばめであるならば、セラミック製支持体の嵌合凹部に過大な引張応力を負荷するために、セラミック製支持体の破損を引き起こす危険性がある。そこで、請求項4に係る本発明は、金属製嵌合体の第二嵌合凸部とセラミック製支持体の嵌合凹部との間での嵌め合いが緩いいわゆる隙間ばめであるので、セラミック製支持体の破損が回避されるという効果を奏する。
金属製嵌合体の第二嵌合凸部の形状として様々な態様が利用可能であるが、請求項5に係る本発明は、回旋防止性及び加工性に優れているという効果を奏する。
請求項6に係る本発明は、連結ネジによる軸方向の締め付け力が金属製嵌合体の係合凸部には作用しないので、金属製嵌合体の係合凸部や第二嵌合凸部の変形に起因した嵌入結合機能や回旋防止機能を妨害しないという効果を奏する。
請求項7に係る本発明は、過大な回旋力が金属製嵌合体に負荷された場合でも回旋防止機能を発揮する人工歯根を提供するという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るアバットメント(支台部材)を構成する各要素部材の斜視図である。(A)はセラミック製支持体であり、(B)は金属製嵌合体であり、(C)は連結ネジ(アバットメントスクリュー)である。 本発明の一実施形態に係る人工歯根の縦方向断面図である。 図1に示したセラミック製支持体を説明する図である。(A)は正面図であり、(B)は縦方向断面図であり、(C)は底面図である。 図1に示した金属製嵌合体を説明する図である。(A)は正面図であり、(B)は縦方向断面図であり、(C)は、平面図であり、(D)は底面図である。 従来技術に係る金属製嵌合体を説明する斜視図である。
以下に、本発明に係る人工歯根1の一実施形態を、図1乃至4を参照しながら詳細に説明する。なお、本願において、上部や上面や上端における「上」という表現は、義歯4(人工補綴物)の側を指し、下部や下面や下端における「下」という表現は、フィクスチャー4の側(歯槽骨の側)を指している。
図1は、本発明の一実施形態に係るアバットメント6を構成する各要素部材の斜視図である。(A)はセラミック製支持体7であり、(B)は金属製嵌合体8であり、(C)はアバットメントスクリュー9である。図2は、本発明の一実施形態に係る人工歯根1の縦方向断面図である。図3は、図1に示したセラミック製支持体7を説明する図である。(A)は正面図であり、(B)は縦方向断面図であり、(C)は底面図である。図4は、図1に示した金属製嵌合体8を説明する図である。(A)は正面図であり、(B)は縦方向断面図であり、(C)は、平面図であり、(D)は底面図である。
図2に示すように、人工歯根1は、歯槽骨内に埋入固定されるフィクスチャー2(埋入固定具)と、フィクスチャー2の上部に固着されて歯肉に当接するアバットメント6(支台部材)と、アバットメント6をフィクスチャー2に連結固定するアバットメントスクリュー9(連結ネジ)と、アバットメント6に装着される義歯4(人工補綴物)と、から構成されている。
図2に示すように、フィクスチャー2においては、わずかに先細の大略円筒形状をした下部の外周面にセルフタップ式の外ネジ23(雄ネジ)が形成され、上端面25から軸方向に段状に延在する中空有底穴24が形成されている。中空有底穴24の上部には、大径の係合凹部21が形成されており、中空有底穴24の下部には、小径の内ネジ22(雌ネジ)が形成されている。後述するように、アバットメント6の第一嵌合凸部84をフィクスチャー2の係合凹部21に嵌合させた状態で、アバットメント6のネジ頭用挿入穴72及びネジ部用挿入穴73を通じてアバットメントスクリュー9の小径ネジ部93を内ネジ22に螺合させることにより、アバットメント6をフィクスチャー2に連結固定することができる。フィクスチャー2に設けられた係合凹部21とアバットメント6に設けられた第一嵌合凸部84とが嵌合するので、図2に示したものは、いわゆるインターナルタイプのものである。
なお、フィクスチャー2は、生体為害性の無い公知の材料、例えば、純チタンやチタン合金やコバルト・クロム合金、モリブデン合金等の金属材料や、アルミナセラミック等のセラミック材料から構成されている。
アバットメント6は、上端側に配設されて義歯4(人工補綴物)を支持するセラミック製支持体7と、下端側に配設されてセラミック製支持体7とフィクスチャー2との間に嵌入される金属製嵌合体8と、を備えている。
図3に示すように、アルミナやジルコニア等のセラミック材料から成るセラミック製支持体7は、大略円筒形状をしている。セラミック製支持体7の下端側から上端側に向けて順に、嵌合凹部75と、係合凹部74と、ネジ部用挿入穴73と、ネジ頭部用挿入穴72と、が同軸上に配設されている。
セラミック製支持体7の上端側には、義歯4(人工補綴物)を装着するための義歯装着部71が配設されている。セラミック製支持体7の内部には、上端側に配設されて大径のネジ頭部用挿入穴72と、下端側に配設されて小径のネジ部用挿入穴73と、からなる二段構成の連結ネジ用貫通穴が形成されている。円筒状の貫通穴であるネジ頭部用挿入穴72及びネジ部用挿入穴73は、それぞれ、アバットメントスクリュー9の大径ネジ頭部91、及び、小径軸部92と小径ネジ部93とを受け入れるように構成されている。ネジ頭部用挿入穴72とネジ部用挿入穴73との境界を画定する段差部分には、アバットメントスクリュー9の大径ネジ頭部91を受け止めるネジ頭支持面76が形成されている。
また、連結ネジ用貫通穴の下端側には、金属製嵌合体8に関係した係合凹部74及び嵌合凹部75が連通している。係合凹部74は、連通したネジ部用挿入穴73よりもさらに大径の円筒状凹部であって、金属製嵌合体8の係合凸部81に対して係合するように構成されている。嵌合凹部75は、連通した係合凹部74よりも大径の内部正六角形状の貫通穴であって、金属製嵌合体8の第二嵌合凸部82に対して回旋不能に嵌合するように構成されている。
セラミック製支持体7の最下端には、金属製嵌合体8のフランジ部83を受け止める終端支持面77が形成されている。ネジ頭支持面76から終端支持面77に至る軸方向に延在する領域は、セラミック製支持体7及び金属製嵌合体8を一体的に組み立ててアバットメントスクリュー9でフィクスチャー2に対してネジ止めしたときにアバットメントスクリュー9の締め付け力が負荷される締付力負荷領域78を形成する。
図4に示すように、純チタンやチタン合金やコバルト・クロム合金、モリブデン合金等の生体為害性の無い金属材料から成る金属製嵌合体8は、大略円筒形状をしていて、その上端側から下端側に向けて順に、係合凸部81と、第二嵌合凸部82と、フランジ部83と、第一嵌合凸部84と、を有する。金属製嵌合体8の内部には、軸方向に延在してアバットメントスクリュー9の小径軸部92が挿通可能なサイズに構成された中空穴88が形成されている。
大略円環形状をした係合凸部81は、その円環状壁体を軸方向に分割する複数のスリット86と、円環状壁体がスリット86で軸方向に切り欠かれて第二嵌合凸部82で弾性的に支持された複数の片持ち支持片85と、を備えてなる。図4に示した金属製嵌合体8は、6個のスリット85で大略60度の角度で均等に分割された6個の円弧状の片持ち支持片85を有する。係合凸部81の円環状壁体の外径は、セラミック製支持体7の係合凹部74の内径よりわずかに大きいように寸法構成されている。また、係合凸部81の上端は、セラミック製支持体7の係合凹部74に収まるように寸法構成されている。
金属製嵌合体8の係合凸部81をセラミック製支持体7の係合凹部74に挿入すると、各片持ち支持片85が軸心方向に弾性的に変形することにより、各片持ち支持片85が反軸心方向の弾性係着力を発揮する。その結果、係合凸部81と係合凹部74との間での係着構造は、セラミック製支持体7が金属製嵌合体8に対して弾性的に係着されるという弾性係着機能を発揮する。このような弾性係着機能によってセラミック製支持体7を金属製嵌合体8に対して脱離及び装着を行うことが可能となる。例えば、セラミック製支持体7を取り外して、セラミック製支持体7の義歯装着部71の上にペースト状の陶材(ポーセレン)を築盛したあと焼き付けることを繰り返して所望の義歯に技工することができる。技工操作の際に、耐熱性に劣る金属製嵌合体8に対してセラミック製支持体7を脱離したり装着したりする。あるいは、セラミック粉末を所望形状に成形した成形体を加熱焼結して作製されたセラミック製義歯をセラミック製支持体7の義歯装着部71に装着する態様であってもよい。なお、弾性係着力は、前記技工操作中やアバットメント6の輸送中や超音波洗浄中や口腔内への設置中に、セラミック製支持体7が金属製嵌合体8から脱離しない程度の大きさで十分である。過大な弾性係着力は、セラミック製支持体7への過大な引張力の負荷に起因したセラミック製支持体7の破損を招くので好ましくない。
円弧状の片持ち支持片85の弾性係着力は、円弧状の片持ち支持片85の円弧状壁体の長さや厚みや高さ、又は、スリット86による分割数等によって規定される。円弧状壁体の長さが短くなると、片持ち支持片85が軸心方向に弾性的に変形しにくくなる。円弧状壁体の厚みが厚くなると、片持ち支持片85が軸心方向に弾性的に変形しにくくなる。円弧状壁体の高さが低くなると、片持ち支持片85が軸心方向に弾性的に変形しにくくなる。スリット86による分割数が少なければ、係合凸部81における円弧状壁体の占有割合が大きくなるために、片持ち支持片85が軸心方向に弾性的に変形しにくくなる。また、係合凸部81それ自身が小さなサイズであるので、スリット86による分割数が多くなると、スリット86の加工性が低下する。したがって、片持ち支持片85による適度な弾性係着力の発揮及びスリット86の加工性の観点から、スリット86による分割数が4乃至6個であることが好適である。
係合凸部81の下端側には、外部正六角形状(水平断面視)の第二嵌合凸部82が配設されている。第二嵌合凸部82の外形寸法は、係合凸部81の外径よりも大きいように寸法構成されている。上述したように、第二嵌合凸部82がセラミック製支持体7の嵌合凹部75に対して回旋不能に嵌合するが、第二嵌合凸部82の外形サイズは、セラミック製支持体7の嵌合凹部75の内形サイズよりわずかに小さいように寸法構成されている。
第二嵌合凸部82の下端側には、円板状のフランジ部83が配設されている。フランジ部83の外径寸法は、第二嵌合凸部82の外形よりも大きいように寸法構成されている。アバットメント6及びフィクスチャー2を組み立てて人工歯根1を構成したとき、フランジ部83の上面及び下面は、それぞれ、アバットメント6の終端支持面77及びフィクスチャー2の上端面25に当接する。
フランジ部83の下端側には、外部正六角形状(水平断面視)の第一嵌合凸部84が配設されている。第一嵌合凸部84の外形寸法は、フランジ部83の外径より大きいように寸法構成されている。第一嵌合凸部84は、フィクスチャー2の係合凹部21に対して回旋不能に嵌合するように構成されている。
また、アバットメントスクリュー9は、上端側が大径であり下端側が小径である二段構成の大略円柱形状をしている。すなわち、アバットメントスクリュー9は、凹状頭部に装入器具(いわゆるドライバー)が装着される大径ネジ頭部91と、大径ネジ頭部91の下端側に延在する小径軸部92と、から構成されている。小径軸部92の下端側には、雄ネジの小径ネジ部93が形成されている。
人工歯根1としてアバットメント6及びフィクスチャー2を組み立てたとき、セラミック製支持体7の嵌合凹部75と係合凹部74とネジ部用挿入穴73とネジ頭部用挿入穴72と、金属製嵌合体8の中空穴88と、フィクスチャー2の中空有底穴24とが、同軸上に位置するように構成されている。そして、アバットメント6及びフィクスチャー2を組み立てたあと、アバットメントスクリュー9の小径ネジ部93がフィクスチャー2の内ネジ22に対して螺合することにより、アバットメントスクリュー9の締め付け力は、セラミック製支持体7の締付力負荷領域78に負荷されるが、金属製嵌合体8の係合凸部81や第二嵌合凸部82に負荷されることは無い。
次に、本発明に係るアバットメント6の金属製嵌合体8の一実施例について説明する。
アバットメント6の金属製嵌合体8は、チタンとアルミニウムとバナジウムとからなるチタン合金からなる。金属製嵌合体8の係合凸部81において、円弧状の片持ち支持片85の外径が2.55mmであり、その厚みが0.14乃至0.15mmであり、その高さが0.5mmである。金属製嵌合体8の係合凸部81の軸方向に延在するスリット86は、その幅が0.3mmであり、その長さが0.5mmである。本発明に係る試料番号1では、スリット86が90度の角度で等配されて、4個の片持ち支持片85に分割されている。また、本発明に係る試料番号2では、スリット86が60度の角度で等配されて、6個の片持ち支持片85に分割されている。金属製嵌合体8の係合凸部81とセラミック製支持体7の係合凹部74との間での寸法差は、0.02乃至0.05mmだけ、係合凹部81が大きくなるように設定されている。
Figure 2011062432
ここで、着脱操作性とは、操作者の指先による比較的小さな力で、セラミック製支持体7に対する金属製嵌合体8の着脱が可能であるか否かを調べたものである。なお、操作者による着脱力は、測定試験機を用いた引張試験での10乃至30Nの力に相当する。
また、回旋防止性とは、操作者の指先による比較的小さな回旋力で、セラミック製支持体7に対する金属製嵌合体8の回旋防止が可能であるか否かを調べたものである。
表1に示したように、本発明に係る試料番号1及び2においては、着脱操作性及び回旋防止性の両方共が良好であった。
参考例に係る試料番号3は、上記試料番号1及び2との対比で、スリット86が180度の角度で等配されて2個の片持ち支持片85に分割されていることが相違しており、その他の構成は同じである。表1に示すように、参考例に係る試料番号3では、回旋防止性は良好であったが、指先に非常に強い力を加えなければ着脱操作を行うことができなかったために着脱操作性があまり良くないと評価した。同様に、参考例に係る試料番号4は、スリット86が120度の角度で等配されて3個の片持ち支持片85に分割されていることが相違している。表1に示すように、参考例に係る試料番号4では、回旋防止性は良好であったが、指先に非常に強い力を加えなければ着脱操作を行うことができなかったために着脱操作性があまり良くないと評価した。
比較例に係る試料番号5乃至7は、本願の背景技術のところで説明した第三の従来技術に係る六角嵌合凸端部に相当する構成を有するアバットメントを再現したものである。六角嵌合凸端部に相当する構成は、スリットが六角嵌合凸端部の根元まで延在するものであり、本願発明における金属製嵌合体8の係合凸部81に相当するものを有していない。チタン合金からなる六角嵌合凸端部とセラミック製支持体の係合凹部との間でのはめあい公差は、上記試料番号1乃至4の場合と同様に、0.02乃至0.05mmである。
比較例に係る試料番号5は、六角嵌合凸端部に相当する構成を有してスリットが180度の角度で等配されて六角嵌合凸端部が2個の壁体に分割されていることを特徴としている。表1に示すように、比較例に係る試料番号5では、回旋防止性は良好であったが、指先に非常に強い力を加えても着脱操作を行うことができなかった。そこで、専用工具を用いることによってようやく着脱することができたことから、着脱操作性が不良であると評価した。比較例に係る試料番号6は、スリットが90度の角度で等配されて六角嵌合凸端部が4個の壁体に分割されていることを特徴としている。表1に示すように、比較例に係る試料番号6では、着脱操作性は良好であったが、指先による比較的小さな力でアバットメントがセラミック製支持体に対して回旋したために回旋防止性が不良であると評価した。同様に、スリットが60度の角度で等配されて六角嵌合凸端部が6個の壁体に分割された比較例に係る試料番号7も、着脱操作性は良好であったが、指先による比較的小さな力でアバットメントがセラミック製支持体に対して回旋したために回旋防止性が不良であると評価した。
なお、上記実施例で示した具体的数値は、本願発明の理解を助けるために例示したものであり、金属製嵌合体8として使用する材料によって当該数値が変動することから、本願発明が上記具体的数値に限定されるものではない。
また、アバットメント6におけるセラミック製支持体7と金属製嵌合体8との間や、アバットメント6の金属製嵌合体8とフィクスチャー2との間での回旋防止用の雌雄嵌合構造は、正六角形同士のものを例示したが、本願発明はこのような構造に限定されるものではない。すなわち、回旋防止用の嵌合構造としては、正四角形や正五角形や正八角形などの正多角形形状や、外部円周壁を部分的に切り欠いた切欠凹部と外部円周壁に対向する内部円周壁に設けられた凸部とが嵌合する嵌合構造等の様々な態様が利用可能である。
1:人工歯根
2:フィクスチャー(埋入固定具)
4:義歯(人工補綴物)
6:アバットメント(支台部材)
7:セラミック製支持体
8:金属製嵌合体
9:アバットメントスクリュー(連結ネジ)
21:係合凹部
22:内ネジ
23:外ネジ
24:中空有底穴
25:上端面
71:義歯装着部
72:ネジ頭部用挿入穴
73:ネジ部用挿入穴
74:係合凹部
75:嵌合凹部
76:ネジ頭部支持面
77:終端支持面
78:締付力負荷領域
81:係合凸部
82:第二嵌合凸部
83:フランジ部
84:第一嵌合凸部
85:片持ち支持片
86:スリット
88:中空穴
91:大径ネジ頭部
92:小径軸部
93:小径ネジ部

Claims (12)

  1. 歯槽骨内に埋入固定される埋入固定具と組み合わせて使用される支台部材であって、
    前記支台部材は、人工補綴物を支持するセラミック製支持体と、前記セラミック製支持体と埋入固定具との間に嵌入される金属製嵌合体と、前記埋入固定具の雌ネジに螺合して前記セラミック製支持体及び金属製嵌合体を埋入固定具に連結固定する連結ネジと、を備えてなり、
    前記セラミック製支持体は、前記埋入固定具の側から順に、
    前記金属製嵌合体との回旋を防止する嵌合凹部と、
    前記金属製嵌合体と係着して弾性係着力を発揮する係合凹部と、
    前記連結ネジのネジ部が挿入可能な大きさに寸法構成されたネジ部用挿入穴と、
    前記ネジ頭部用挿入穴よりも大径であり、前記連結ネジの頭部が挿入可能な大きさに寸法構成されたネジ頭部用挿入穴と、を備え、
    前記金属製嵌合体は、前記埋入固定具の側から順に、
    前記埋入固定具との回旋を防止する第一嵌合凸部と、
    前記セラミック製支持体の埋入固定具側の終端支持面に当接するフランジ部と、
    前記嵌合凹部と嵌合して前記セラミック製支持体との回旋を防止する第二嵌合凸部と、
    前記係合凹部と係着して弾性係着力を発揮する係合凸部と、を備え、
    前記係合凸部を構成する壁体は、軸方向に延在するスリットによって複数の片持ち支持片に分割されており、前記金属製嵌合体の係合凸部が前記セラミック製支持体の係合凹部に挿入されたときに、前記片持ち支持片のそれぞれが弾性的に変形することにより各片持ち支持片が反軸心方向の弾性係着力を発揮するように構成されていることを特徴とする支台部材。
  2. 前記金属製嵌合体の係合凸部を構成する壁体は、大略円環形状をしていることを特徴とする、請求項1に記載の支台部材。
  3. 前記金属製嵌合体の係合凸部を構成する壁体は、4乃至6個のスリットによって分割されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の支台部材。
  4. 前記金属製嵌合体の第二嵌合凸部は、前記セラミック製支持体の嵌合凹部よりも小さめに寸法構成されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の支台部材。
  5. 前記金属製嵌合体の第二嵌合凸部は、断面視、正六角形状をしていることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の支台部材。
  6. 前記金属製嵌合体の係合凸部の上端は、前記セラミック製支持体の係合凹部内に収まるように寸法構成されており、前記連結ネジによる軸方向の締め付け力は、前記連結ネジの頭部と金属製嵌合体のフランジ部との間にあるセラミック製支持体の締付力負荷領域に作用する一方、前記金属製嵌合体の係合凸部には作用しないことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一つに記載の支台部材。
  7. 歯槽骨内に埋入される埋入固定具と、
    その一端が埋入固定具に嵌合されるとともに、その他端に対して人工補綴物が装着される支台部材と、
    前記埋入固定具の雌ネジに螺合して前記支台部材を埋入固定具に連結固定する連結ネジと、を備える人工歯根であって、
    前記支台部材は、人工補綴物を支持するセラミック製支持体と、前記セラミック製支持体と埋入固定具との間に嵌入される金属製嵌合体と、を備えてなり、
    前記セラミック製支持体は、前記埋入固定具の側から順に、
    前記金属製嵌合体との回旋を防止する嵌合凹部と、
    前記金属製嵌合体と係着して弾性係着力を発揮する係合凹部と、
    前記連結ネジのネジ部が挿入可能な大きさに寸法構成されたネジ部用挿入穴と、
    前記ネジ頭部用挿入穴よりも大径であり、前記連結ネジの頭部が挿入可能な大きさに寸法構成されたネジ頭部用挿入穴と、を備え、
    前記金属製嵌合体は、前記埋入固定具の側から順に、
    前記埋入固定具との回旋を防止する第一嵌合凸部と、
    前記セラミック製支持体の埋入固定具側の終端支持面に当接するフランジ部と、
    前記嵌合凹部と嵌合して前記セラミック製支持体との回旋を防止する第二嵌合凸部と、
    前記係合凹部と係着して弾性係着力を発揮する係合凸部と、を備え、
    前記係合凸部を構成する壁体は、軸方向に延在するスリットによって複数の片持ち支持片に分割されており、前記金属製嵌合体の係合凸部が前記セラミック製支持体の係合凹部に挿入されたときに、前記片持ち支持片のそれぞれが弾性的に変形することにより各片持ち支持片が反軸心方向の弾性係着力を発揮するように構成されていることを特徴とする人工歯根。
  8. 前記金属製嵌合体の係合凸部を構成する壁体は、大略円環形状をしていることを特徴とする、請求項7に記載の人工歯根。
  9. 前記金属製嵌合体の係合凸部を構成する壁体は、4乃至6個のスリットによって分割されていることを特徴とする、請求項7又は8に記載の人工歯根。
  10. 前記金属製嵌合体の第二嵌合凸部は、前記セラミック製支持体の嵌合凹部よりも小さめに寸法構成されていることを特徴とする、請求項7乃至9のいずれか一つに記載の人工歯根。
  11. 前記金属製嵌合体の第二嵌合凸部は、断面視、正六角形状をしていることを特徴とする、請求項7乃至10のいずれか一つに記載の人工歯根。
  12. 前記金属製嵌合体の係合凸部の上端は、前記セラミック製支持体の係合凹部内に収まるように寸法構成されており、前記連結ネジによる軸方向の締め付け力は、前記連結ネジの頭部と金属製嵌合体のフランジ部との間にあるセラミック製支持体の締付力負荷領域に作用する一方、前記金属製嵌合体の係合凸部には作用しないことを特徴とする、請求項7乃至11のいずれか一つに記載の人工歯根。
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