JP5485626B2 - 星形ポリマー - Google Patents
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刺激応答性を示すポリマーは希であるが、従来、刺激に応じて親媒性から疎媒性へ、または疎媒性から親媒性へと変化するブロックポリマーである線状ポリマーが知られていた(特許文献1参照)。
更に、優れた刺激応答性を有する星形ポリマーもまた報告されている(特許文献2参照)。
しかしなお、多様な星形ポリマーの開発が求められている。
一方、フッ素原子を有する星形ポリマーとして、例えば、特許文献3には、ペルフルオロキャッピング剤と、星形ポリマーのコアとの反応により得られる星形ブロックポリマーが開示されている。また、特許文献4には、中心核から特定の構造の枝が分枝している星形ポリマーが開示されている。
塗膜を撥水性にする樹脂としては、フッ素樹脂が知られている。例えば特許文献5には含フッ素アクリル系重合体水性エマルジョンが開示されている。また、それ以外にも、例えば特許文献6にはフルオロオレフィン共重合体からなるフッ素樹脂系エマルションよりなる水性塗料組成物が開示されている。
他方、塗膜表面を親水性にする方法として、塗料中にオルガノシリケートの変性縮合物を配合する方法が知られている(特許文献7参照)。該変性オルガノシリケートは、塗膜中で降雨水等の水分により加水分解され、シラノール基となって塗膜表層を親水化すると考えられている。
また、特許文献8にはフッ素化オレフィン系重合体、フッ素化(メタ)アクリレートと親水性構造単位含有エチレン性不飽和単量体及びその他のエチレン性不飽和単量体とを重合させて得られる共重合体、加水分解性シリル基を有する化合物を必須成分として含有してなり、さらに(メタ)アクリロイル基を含有する単量体の重合体を含んでなる被覆組成物が開示されている。該文献に記載の組成物によれば、フッ素化(メタ)アクリレートと親水性構造単位含有エチレン性不飽和単量体及びその他のエチレン性不飽和単量体とを重合させて得られる共重合体が、パーフルオロアルキル基と親水性構造の作用により、加水分解性シリル基を有する化合物と共に、膜表面を親水性に改質できる。
しかし、フッ素原子を有する星形ポリマーであっても、前記特許文献3に記載の星形ポリマーはアニオン重合法で合成されるので、分子の構造を高度に制御することができず、高機能材料としては適していないと考えられる。また、刺激応答性を有することは示されていない。
また、前記特許文献4に記載の星形ポリマーは枝(アーム)の数が、用いるコアによって限定されるので、多様な星形ポリマーを得ることが困難であり、特に枝の数が多い星形を得ることが困難である。また刺激応答性を有することは示されていない。
すなわち、本発明は、刺激応答性を有する新規の星形ポリマー、フッ素原子を有する星形ポリマーを提供することを目的とする。
また、特許文献7に記載の方法は降雨水等により付着した汚れ成分を洗い流す自浄作用を発揮することができる利点を有するものであるが、塗膜表面を親水化するまでに時間がかかり、親水化発現までに汚れが付着する問題を有している。また、本質的にフッ素系塗料との相溶性がよくない。
また、特許文献8に記載の被覆組成物は、耐雨垂れ汚染性に優れた塗膜を形成できるものであるが、該共重合体は水及び水系塗料中の樹脂に対して相溶し難いという問題点を有している。
[1]
核部と、当該核部に連結している3本以上の枝部とを有するリビングカチオン重合により得られた星形ポリマーであって、
前記核部は、式(II o )
CHR 3 =CH−X c1 −R 4o −X c2 −CH=CHR 5 (II o )
[式中、
R 3 およびR 5 は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、
R 4o は、フッ素化されていない2価の有機基を表し、
X c1 およびX c2 は、それぞれ−O−を表す。]
で表される化合物であるジアルケニル化合物の架橋ポリマーからなり、
前記枝部は、式(If)
−(CH(−X−R1f)−CH(−R2))p−R (If)
[式中、
R1fは、それぞれ少なくともフッ素で置換され、かつ更にフッ素以外の置換基で置換されていてもよい、炭素数1〜12のアルキル基(当該アルキル基の炭素−炭素結合には、アミド、イミド、ウレタンおよび尿素結合から選択される1種以上が挿入されていてもよい)、置換されていてもよい炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜20のアルコキシアルコキシアルキル基、及び炭素数3〜10のシクロアルキル基からなる群から選択されたフッ素化されている1価の有機基を表し、
R2は、水素原子またはアルキル基を表し、
Rは、置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基(当該アルキル基の炭素−炭素結合には、アミド、イミド、ウレタンおよび尿素結合から選択される1種以上が挿入されていてもよい)、置換されていてもよい炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、及び置換されていてもよい炭素数3〜20のアルコキシアルコキシアルキル基ならびに炭素数3〜10のシクロアルキル基からなる群から選択された1価の有機基を表し、
Xは、−O−を表し、
pは、1以上の整数を表す。]
で表され、1,000〜100万の数平均分子量を有する1価の有機基である
ことを特徴とする星形ポリマー。
[2]
Rは、フッ素化されている1価の有機基であることを特徴とする
前記[1]に記載の星形ポリマー。
[3]
前記式(If)が、式(If'):
−(CH(−X−R1f)−CH(−R2))p−CHRa−X1−(Y−X2)m−(CH2)n−Rf' (If')
[式中、
R aは、アルキル基を表し、
X1およびX2は、それぞれ−O−を表し、
Yは、炭素数1〜3のアルキレン鎖を表し、
Rf'は、(a)炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基、または(b)−C3F6O−、−C2F4O−および−CF2O−から選択される1種以上の繰り返し単位を有する、炭素数2〜50のパーフルオロエーテル基を表し、
mは、0〜10の整数を表し、
nは、1〜18の整数を表し、
その他の記号は前記と同意義を表す。]
であることを特徴とする
前記[1]または[2]に記載に記載の星形ポリマー。
[4]
重量平均分子量が1万〜1000万であり、分子量分布が1〜5である、
前記[1]〜前記[3]のいずれか1項に記載の星型ポリマー。
[5]
工程1:
式(III)
CH(−X−R1f)=CH(−R2) (III)
[式中、各記号は、前記[1]の記載と同意義を表す。]
で表されるビニル化合物を、
ルイス酸および式(IV)
Rb−CO−O−R (IV)
[式中、
Rbは、脂肪族炭化水素基、フェニル、パーフルオロアルキル基、またはパーフルオロエーテル基を表し、
その他の記号は前記[1]の記載と同意義を表す。]
で表される化合物の存在下でリビングカチオン重合させる工程、
工程2:
工程1で得られる反応混合物に、式(II o )
CHR 3 =CH−X c1 −R 4o −X c2 −CH=CHR 5 (II o )
[式中の記号は請求項1の記載と同意義を表す。]
で表される化合物であるジアルケニル化合物を添加し、更にリビングカチオン重合させる工程および
工程3:
工程2で得られる反応混合物に、重合停止剤を添加し、リビングカチオン重合を停止させる工程
を含む
ことを特徴とする
前記[1]に記載の星形ポリマーの製造方法。
また、本発明の星形ポリマーは塗料用の汚染付着防止剤として有用であり、それを含有する塗料用組成物は汚染防止性に優れる。
本発明の星形ポリマーは、核部(中心核)と、当該核部に連結している3本以上の枝部とを有する。
前記核部は、ジアルケニル化合物の架橋ポリマーからなる。「ジアルケニル化合物の架橋ポリマー」とは、ジアルケニル化合物から形成される架橋ポリマーを意味する。
当該ジアルケニル化合物は、式(IIo)
CHR3=CH−Xc1−R4o−Xc2−CH=CHR5 (IIo)
[式中、
R3およびR5は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、
R4oは、フッ素化されていない2価の有機基を表し、
Xc1およびXc2は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−NH−または−N(−CH3)−を表す。]
で表される化合物である。
R4oで表される「フッ素化されていない2価の有機基」としては、例えば、
炭素数1以上(好ましくは、4〜8)のアルキレン鎖および
−(CH2)p1−R4'−(CH2)p2−
(式中、
p1およびp2は、それぞれ独立して、1以上(好ましくは、1〜10)の整数を表し、
R4'は、−O−、−O−フェニレン−O−、−O−フェニレン−C(CH3)2−フェニレン−O−または炭素数3以上のシクロアルキレン(好ましくは、シクロヘキシレン(例、1,4−シクロヘキシレン))を表す。)
が挙げられる。p1およびp2は同一であることが好ましい。
本発明において、Xc1およびXc2は、それぞれ−O−である。
また、当該ジアルケニル化合物としては、
エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエ
チレングリコールジビニルエーテル、ビスフェノールAビス(ビニルオキシエチレン)エ
ーテル、ビス(ビニルオキシエチレン)エーテル、ヒドロキノンビス(ビニルオキシエチ
レン)エーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、
前記ジアルケニル化合物の架橋ポリマーは、フッ素原子を有していてもよい。
当該架橋ポリマーが、フッ素原子を有する態様の好ましい例としては、次の2つが挙げ
られる。
態様1において、
前記ジアルケニル化合物の架橋ポリマーは、式
−ORsf
(式中、Rsfはフッ素化されている1価の基を表す。)
で表される基を有している態様が挙げられる。
本明細書中、「フッ素化されている」とは、化合物またはその部分の水素原子の一部ま
たは全部がフッ素原子に置換されていることを意味する。
式−ORsfで表される基は、前記ジアルケニル化合物が架橋ポリマーを形成するときに
アルケニル基に生じるカチオンとの反応によって、当該架橋ポリマーからなる核部の表面
に導入される。なお、式−ORsfで表される基は、下記で説明する停止剤に由来する。
好ましくは、式−ORsfで表される基は、前記枝部と同様の数が導入される。
態様2において、前記ジアルケニル化合物は、式(IIf)
CHR3=CH−Xc1−R4f−Xc2−CH=CHR5 (IIf)
[式中、
R3およびR5は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、
R4fは、フッ素化されている2価の有機基を表し、
Xc1およびXc2は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−NH−または−N(−CH3)−を表す。]
で表される化合物であってもよい。
R4fで表される「フッ素化されている2価の有機基」としては、R4oで表される「フッ素化されていない2価の有機基」がフッ素化されている基が挙げられる。
この構造から明らかなように、当該態様において、フッ素原子は、当該ジアルケニル化合物から形成される架橋ポリマーからなる核部の全体に存在する。
前記枝部の数は、3本以上、好ましくは10本以上、より好ましくは20本以上である。この数は、本発明の星形ポリマーに所望する性質によって、適宜選択することができるが、その上限は通常、1,000本程度である。
枝の数を少なくすると、星型ポリマーとしての特徴が低下するが、合成プロセス上、有利となる傾向があり、枝の数を多くすると、星型ポリマーとしての特徴が向上するが、合成上、困難となる傾向がある。
−(CH(−X−R1f)−CH(−R2))p−R (If)
[式中、
R1fは、フッ素化されている1価の有機基を有し、
R2は、水素原子またはアルキル基を表し、
Rは、1価の有機基を表し、
Xは、単結合、−O−、−S−、−NH−、または−N(−CH3)−を表してもよく、
pは、1以上の整数を表す。]
で表され、1,000〜100万の数平均分子量を有する1価の有機基である。
炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基が、−O−を介して2〜30個連結した炭素数4〜50の基(例、−C3H6O−、−C2H4O−および−CH2O−から選択される1種以上の繰り返し単位(好ましくは−C2H4O−)を有する、炭素数4〜50のポリエーテル基)、
置換されていてもよい炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜10)のアルコキシアルキル基、
置換されていてもよい炭素数3〜20(好ましくは炭素数3〜10)のアルコキシアルコキシアルキル基、
炭素数1〜20のシリロキシアルキル基、
炭素数3〜10のシクロアルキル基、
炭素数6〜10のアリール基、
置換されていてもよい炭素数7〜20のアルキルアリール基、
炭素数7〜20のアリールアルキル基、
炭素数7〜20のアリールオキシアルキル基、
炭素数8〜20のアリールオキシカルボニルアルキル基、
(メタ)アクリルカルボニルオキシエチル基、
スチリルカルボニルオキシエチル基および
ソルビンカルボニルオキシエチル基が挙げられる。
前記「−C3H6O−、−C2H4O−および−CH2O−から選択される1種以上の繰り返し単位(好ましくは−C2H4O−)を有する、炭素数4〜50のポリエーテル基」としては、例えば、末端に炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基を有し、−C3H6O−、−C2H4O−および−CH2O−から選択される1種以上の繰り返し単位を有する、炭素数4〜50のポリエーテル基が挙げられる。当該繰り返し単位としては、−C2F4O−が好ましい。前記繰り返し単位の繰り返し数は、好ましくは、2〜20である。
前記「フッ素以外の置換基」としては、例えば、炭素数3〜10のシクロアルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基およびリン酸基から選択される置換基が挙げられる。
R1fの好ましい例としては、例えば、それぞれ少なくともフッ素で置換され、かつ更にフッ素以外の置換基で置換されていてもよい、炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜10)のアルコキシアルキル基、および炭素数3〜10のシクロアルキル基が挙げられる。
本発明において、R 1f は、それぞれ少なくともフッ素で置換され、かつ更にフッ素以外の置換基で置換されていてもよい、炭素数1〜12のアルキル基(当該アルキル基の炭素−炭素結合には、アミド、イミド、ウレタンおよび尿素結合から選択される1種以上が挿入されていてもよい)、置換されていてもよい炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、置換されていてもよい炭素数3〜20のアルコキシアルコキシアルキル基、及び炭素数3〜10のシクロアルキル基からなる群から選択されたフッ素化されている1価の有機基である。
R2の特に好ましい例としては水素原子およびメチル基が挙げられる。
置換されていてもよい炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基(当該ア
ルキル基の炭素−炭素結合には、アミド、イミド、ウレタンおよび尿素結合から選択され
る1種以上が挿入されていてもよい)、
炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基が、−O−を介して2〜30個連結した炭素数4〜50の基(例、−C3H6O−、−C2H4O−および−CH2O−から選択される1種以上の繰り返し単位(好ましくは−C2H4O−)を有する、炭素数4〜50のポリエーテル基)、
置換されていてもよい炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜10)のアルコキシアルキル基、
置換されていてもよい炭素数3〜20(好ましくは炭素数3〜10)のアルコキシアルコキシアルキル基、
炭素数1〜20のシリロキシアルキル基、
炭素数3〜10のシクロアルキル基、
炭素数6〜10のアリール基、
置換されていてもよい炭素数7〜20のアルキルアリール基、
炭素数7〜20のアリールアルキル基、
炭素数7〜20のアリールオキシアルキル基、
炭素数8〜20のアリールオキシカルボニルアルキル基、
(メタ)アクリルカルボニルオキシエチル基、
スチリルカルボニルオキシエチル基および
ソルビンカルボニルオキシエチル基が挙げられる。
これらの置換されていてもよい基の置換基としては、例えば、フッ素原子、炭素数3〜10のシクロアルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基およびリン酸基から選択される置換基が挙げられる。
本発明において、Rは、置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基(当該アルキル基の炭素−炭素結合には、アミド、イミド、ウレタンおよび尿素結合から選択される1種以上が挿入されていてもよい)、置換されていてもよい炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、及び置換されていてもよい炭素数3〜20のアルコキシアルコキシアルキル基ならびに炭素数3〜10のシクロアルキル基からなる群から選択された1価の有機基である。
当該置換基がフッ素原子である場合、本発明の星形ポリマーは、枝部の末端にフッ素原子を有する。
Rの好ましい例としては、例えば、置換されていてもよい炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜10)のアルコキシアルキル基および置換されていてもよい炭素数3〜10のシクロアルキル基が挙げられる。
Rで表される「1価の有機基」としては、式(Irf')
−CHRa−X1−(Y−X2)m−(CH2)n−Rf' (Irf')
[式中、
Raは、アルキル基を表し、
X1およびX2は、それぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−NH−、または−N(−CH3)−を表し、
Yは、炭素数1〜3のアルキレン鎖を表し、
Rf'は、(a)炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基、または(b)−C3F6O−、−C2F4O−および−CF2O−から選択される1種以上の繰り返し単位を有する、炭素数2〜50のパーフルオロエーテル基を表し、
mは、0〜10の整数を表し、
nは、1〜18の整数を表し、
その他の記号は前記と同意義を表す。]
で表される基も挙げられる。この場合も、本発明の星形ポリマーは、枝部の末端にフッ素原子を有する。
「(b)−C3F6O−、−C2F4O−および−CF2O−から選択される1種以上の繰り返し単位を有する、炭素数2〜50のパーフルオロエーテル基」としては、例えば、炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜6)のパーフルオロアルコキシ基が挙げられる。当該「パーフルオロアルキル基」は、直鎖状でも分子鎖状でもよいが、直鎖状のものが好ましい。また、末端に−C(CF3)2の構造を有し、その他の部分は直鎖状のものも好ましい。
また、「(b)−C3F6O−、−C2F4O−および−CF2O−から選択される1種以上の繰り返し単位を有する、炭素数2〜50のパーフルオロエーテル基」としては、例えば、末端に炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜6)のパーフルオロアルキル基を有し、−C3F6O−、C2F4O−、および−CF2O−から選択される1種以上の繰り返し単位を有する、炭素数2〜50のパーフルオロポリエーテル基が挙げられる。当該繰り返し単位としては、−C2F4O−が好ましい。前記繰り返し単位の繰り返し数は、好ましくは、2〜20である。
パーフルオロポリエーテル基として、具体的には例えば、F(CF(−CF3)−CF2−O)n−CF(CF3)−[式中、n=1〜16の整数である。]、
CF3O−(CF(−CF3)−CF2−O)n−(CF2O)m−CF2−[式中、n=0〜16、m=0〜20の整数である。]、
CF3−O−((CF2)2−O)n−(CF2−O)m−CF2−[式中、n=1〜20、m=0〜20の整数である。]、および
F((CF2)3−O)n−(CF2)2−[式中、n=1〜16の整数である。]
等が挙げられる。
前記式(Irf')において、Raで表されるアルキル基としては、例えば、炭素数1〜18(好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基が挙げられ、なかでも、例えば、メチル基が好ましい。
また、X1としては、例えば、−O−が好ましい。
また、X2としては、例えば、−O−が好ましい。
また、mは、例えば、0〜6の整数が好ましい。
また、nは、例えば、1〜6の整数が好ましい。
本発明の星形ポリマーは、分子量分布が、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4であり、さらに好ましくは1〜3、特に好ましくは1〜2である。これにより、刺激応答性が顕著に発現するという効果が得られる。
なお、本明細書中、分子量分布とは、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比、Mw/Mnを意味する。平均分子量および分子量分布は、以下のGPC(ゲル濾過クロマトグラフィー)測定に基づいて求められる。
(GPC測定)
以下のカラムを順に直列配管したものを使用して測定する。
TOSOH TSKguardcolumn HXL−L(6.0mmI.D.×4cm)
TOSOH TSKgel G4000HXL(7.8mmI.D.×30cm)
TOSOH TSKgel G3000HXL(7.8mmI.D.×30cm)
TOSOH TSKgel G2000HXL(7.8mmI.D.×30cm)
溶出液:クロロホルム
標準ポリスチレンで分子量を校正する。
なお、本明細書中、粒径は、動的光散乱(DLS)により解析された数値を意味する。DLSは、例えば、大塚電子(株)から入手可能な装置によって測定することができる。
以下に、本発明の星形ポリマーの製造方法を説明する。
下記の製造方法における原料化合物は、市販品にて入手するか、公知の方法に準じて合成することができる。
本発明の星形ポリマーは、以下に説明する製造方法およびそれらに準じる方法によって製造することができる。
本発明の星形ポリマーは、リビングカチオン重合によって製造される。
リビングカチオン重合において、下記のルイス酸と開始種は、重合開始剤として機能する。
本発明の星形ポリマーの製造方法1は以下の工程1、工程2および工程3を有する。
CH(−X−R1f)=CH(−R2) (III)
[式中、各記号は、前記記載と同意義を表す。]
で表されるビニル化合物を、
ルイス酸および式(IV)
Rb−CO−O−R (IV)
[式中、
Rbは、脂肪族炭化水素基、フェニル、パーフルオロアルキル基、またはパーフルオロエーテル基を表し、
その他の記号は前記と同意義を表す。]
で表される化合物の存在下でリビングカチオン重合させる。
(式中、Xa、XbおよびXcは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリロキシ基を表す。)
で表されるアルミニウム化合物。
Xa、XbおよびXcで表される「ハロゲン原子」としては、例えば、塩素、臭素およびヨウ素などが挙げられる。
Xa、XbおよびXcで表される「アルキル基」としては、例えば、炭素原子数1〜10のアルキル基が挙げられる。
Xa、XbおよびXcで表される「アリール基」としては、例えば、炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。
Xa、XbおよびXcで表される「アルコキシ基」としては、例えば、炭素原子数1〜10のアルコキシ基が挙げられる。
Xa、XbおよびXcで表される「アリール基」としては、例えば、炭素数6〜10のアリール基が挙げられる。
式(VI)で表されるアルミニウム化合物として具体的には、例えば、
ジエチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムフルオライド、ジエチルアルミニウムアイオダイド、ジイソプロピルアルミニウムクロライド、ジイソプロピルアルミニウムブロマイド、ジイソプロピルアルミニウムフルオライド、ジイソプロピルアルミニウムアイオダイド、ジメチルアルミニウムセスキクロライド、メチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジブロマイド、エチルアルミニウムジフルオライド、エチルアルミニウムジアイオダイド、イソブチルアルミニウムジクロライド、オクチルアルミニウムジクロライド、エトキシアルミニウムジクロライド、ビニルアルミニウムジクロライド、フェニルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムセスキクロライド、エチルアルミニウムセスキブロマイド、アルミニウムトリクロライド、アルミニウムトリブロマイド、エチルアルミニウムエトキシクロライド、ブチルアルミニウムブトキシクロライド、エチルアルミニウムエトキシブロマイドなどの有機ハロゲン化アルミニウム化合物およびジエトキシエチルアルミニウムなどのジアルコキシアルキルアルミニウム、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)メチルアルミニウム、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェノキシ)メチルアルミニウムなどのビス(アルキル置換アリロキシ)アルキルアルミニウムなどが挙げられる。これらのアルミニウム化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(式中、Mは4価のTiまたはSnを表し、Ya、Yb、YcおよびYdは、それぞれハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリロキシ基を示す。)
でそれぞれ表される。四価チタニウムまたは四価スズ化合物。
Ya、Yb、YcおよびYdでそれぞれ表される、「ハロゲン原子」、「アルキル基」、「アリール基」および「アルコキシ基」としては、それぞれXa、XbおよびXcについて例示したものと同様のものが挙げられる。
式(VII)で表される四価チタニウム化合物として具体的には、例えば、
四塩化チタン、四臭化チタン、四ヨウ化チタン等のハロゲン化チタン、
チタントリエトキシクロライド、チタントリn−ブトキシドクロライド等のハロゲン化チタンアルコキシド、
チタンテトラエトキシド、チタンn−ブトキシドなどのチタンアルコキシドなどが挙げられる。
式(VII)で表される四価スズ化合物として具体的には、例えば、
四塩化スズ、四臭化スズ、四ヨウ化スズ等のハロゲン化スズ等を挙げることができる。
これらの四価チタン化合物および四価スズ化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
当該含酸素または含窒素化合物としては、例えば、エステル、エーテル、酸無水物、ケトン、イミド、リン酸化合物、ピリジン誘導体およびアミンが挙げられる。具体的には、エステルとしては、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸フェニル、クロロ酢酸メチル、ジクロロ酢酸メチル、酪酸エチル、ステアリン酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸フェニル、フタル酸ジエチル、イソフタル酸ジエチルなどが挙げられる。
当該エーテルとしては、例えば、
ジエチルエーテル、エチレングリコールなどの鎖状エーテル、
ジオキサン、テトラヒドロフランなどの環状エーテルが挙げられる。
前記酸無水物としては、無水酢酸などが挙げられる。
前記ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
前記イミドとしては、エチルフタルイミドなどが挙げられる。
前記リン酸化合物としては、トリエチルホスフェートなどが挙げられる。
前記ピリジン誘導体としては、2,6−ジメチルピリジンなどが挙げられる。
前記アミンとしては、トリブチルアミンなどが挙げられる。
これらの化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記含酸素または含窒素化合物の使用量は、含酸素または含窒素化合物/ルイス酸(モル比)=0.1〜2,000が好ましく、1〜2,000がより好ましい。
開始種の濃度は、0.1〜1,000mMが好ましく、1〜100mMがより好ましい。
溶媒としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、四塩化炭素、塩化メチレン、ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテルなどのエーテルなどが挙げられる。特に無極性溶媒が好ましい。これらの溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶媒の使用量は、通常、溶媒:ビニル化合物(容量比)=1:1〜100:1であり、好ましくは5:1〜30:1である。
反応温度は、通常−80℃〜150℃、好ましくは−78〜80℃である。
反応時間は、通常1分〜1ヶ月間、好ましくは1分〜100時間である。
当該ジアルケニル化合物としては、前記で例示したものが挙げられる。
ここで、ジアルケニル化合物として、前記式(IIf)で表される化合物をした場合、前述のフッ素原子を有する態様2の星形ポリマーを製造することができる。
反応温度は、通常−80℃〜150℃、好ましくは−78〜80℃である。
反応時間は、通常、1分〜1ヶ月、好ましくは1分〜100時間である。
リビングポリマーにジアルケニル化合物を添加すると、まず、側鎖にアルケニル基を有するポリマーが得られ、続いて、これらの分子間架橋反応が起こり、高分子量の星型ポリマーが生成する。これは、GPC−MALLSの測定により、観察することができる。
当該重合停止剤としては、例えば、アルコールまたはカルボン酸を用いることができるが、好ましくはアルコールが用いられる。
当該アルコールとしては、式:Rs−OH
[式中、
Rsは、炭素数1〜12のアルキル基を表す。]
で表される化合物が挙げられる。
当該カルボン酸としては、式:Rs−COOH
[式中、
Rsは、炭素数1〜12のアルキル基を表す。]
で表される化合物が挙げられる。
また、当該重合停止剤として、式
Rsf−OH
[式中、Rsfはフッ素化されている1価の有機基を表す。]
を用いることもできる。この場合、活性種を消失させて、リビングカチオン重合を停止させるとともに、フッ素原子を含む−ORsf基が、核部に結合する。これにより、前述のフッ素原子を有する態様1の星形ポリマーを製造することができる。
Rsfで表される「フッ素化されている1価の有機基」の好適な例としては、例えば、炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基または−C3F6O−、−C2F4O−および−CF2O−から選択される1種以上の繰り返し単位(好ましくは−C2F4O−)を有する、炭素数4〜50のパーフルオロポリエーテル基が挙げられる。
重合停止剤の使用量は、通常、過剰量(2当量以上)であればよく、好ましくは10当量以上である。
当該製造方法によれば、重量平均分子量が、好ましくは1万〜1,000万の星形ポリマーが得られる。
当該製造方法によれば、分子量分布が、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4であり、さらに好ましくは1〜3、特に好ましくは1〜2の星形ポリマーが得られる。
なお、本明細書中、分子量分布とは、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比、Mw/Mnを意味する。
当該製造方法によれば、重量平均分子量が、好ましくは1万〜1,000万の星形ポリマーが得られる。
当該製造方法によれば、分子量分布が、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜4であり、さらに好ましくは1〜3、特に好ましくは1〜2の星形ポリマーが得られる。
本発明の星形ポリマーは、温度変化などの外的環境の微小変化(外部刺激)に対して敏感に応答し、物性等が著しく変化する刺激応答性を有する。特に、本発明の星形ポリマーは、温度感応特性に関し、従来知られている星形ポリマーと比較して転移温度がシフトしており、かつヒステリシスを示すという特徴を有する。このことから、本発明の星形ポリマーは、新しい高機能材料として使用することができる。
具体的用途として、例えば、本発明の星形ポリマーは、塗料用の分散助剤、レオロジー制御剤、定着剤(これは、基板密着性を向上させる)、または汚染付着防止剤(当該用途の詳細は後述する)等として用いることができる。ここで、本発明の星形ポリマーは、そのフッ素の含有量に応じて、溶剤への適当な分散性、適当な塗料粘度、および基板への適当な密着性等を有することができる。
また、本発明の星形ポリマーは、高機能性表面処理剤(例、テキスタイル用撥水撥油剤、カーペット用撥剤、紙用撥剤および離型剤等)として用いることができる。ここで、本発明の星形ポリマーは、導入したフッ素の効果に起因して被覆物の表面に効率よく配向することによって、撥水性、撥油性、または防汚性を効果的に発現しうる。したがって、本発明の星形ポリマーは、環境応答性を有する優れた撥水撥油剤等として用いることができる。
また、本発明の星形ポリマーは、樹脂添加剤(例、相溶化剤、内添型撥剤、内添型防汚剤、離型剤、難燃化剤、ドリップ防止剤、耐衝撃改良剤、剛性改良剤および強化剤等)として用いることができる。ここで、本発明の星形ポリマーは、フッ素の含有量の調節によって、例えば、フッ素の疎水的作用と枝部の親水的作用に基づく樹脂との相溶性をコントロールし、添加対象となる樹脂に対して適当な相溶性を有することができる。なお、本発明の星形ポリマー、波長レベル以下の粒径を有することができ、このような星形ポリマーは、特に透明樹脂の添加剤として好適である。
また、本発明の星形ポリマーは、上述のように、優れた温度感応特性を示し、温度を調節することにより、薬物の放出を制御することが可能であるので、DDS(ドラッグデリバリーシステム)の担体等として用いることができる。
また、本発明の星形ポリマーは、導入したフッ素同士が疎水性相互作用によって分子間および分子内にて自己組織化することで、大きな集合体(高次構造)を形成する。この自己組織化によって得られた集合体の場を様々な用途(例、酵素などの触媒の固定化担体等)として用いることができる。
また、特に、本発明の星形ポリマーの粒径が数十nm程度である場合、透明性に非常に優れるので、各種光学部材の材料または添加剤(例、屈折率調整剤、防汚剤、発光素子材料、レンズ用材料、光デバイス用材料、表示用材料、光学記録材料、光信号伝送用材料(光伝送媒体)、封止部材用材料)として用いることができる。
また、本発明の星形ポリマーは、フッ素が存在することによる優れた分子配向性により、フッ素に由来するすべり性、撥水撥油性、防汚性を発現することができるので、化粧品(洗顔料、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、スキンケア製品、ファンデーション、口紅、ポイントメーク製品、ボディシャンプー、液体石けん、サンスクリーン化粧品等のサンケア製品、ハンドケア製品、防臭化粧品、浴剤等の皮膚化粧料;シャンプー、リンス、コンディショナー、トリートメント、ヘアリキッド、ヘアスプレー、ヘアマニキュア、セットフォーム、ヘアゲル等の毛髪化粧料)の性質改変剤として使用することができる。
また、本発明の星形ポリマーは、フッ素の疎水的相互作用を利用したゲル化剤、優れた温度感応特性を利用したセンサー(例、温度センサー、湿度センサー)、メカノケミカル材料および接着剤等における使用が可能である。
特に、水性塗料用の汚染防止剤として使用する場合には、本発明の星形ポリマーのなかでも、星形ポリマーの枝の部分に相当する式(If)におけるR1が、炭素数1〜12(好ましくは炭素数1〜6)のアルキル基が、−O−を介して2〜30個連結した炭素数4〜50の基(例、−C3H6O−、−C2H4O−および−CH2O−から選択される1種以上の繰り返し単位(好ましくは−C2H4O−)を有する、炭素数4〜50のポリエーテル基)であるポリマーが好ましい。このような親水基を有する星形ポリマーは、水中に極めて安定に分散し、親水性の汚染付着防止剤として極めて有効である。
ここで、水性塗料としては、特にフッ素樹脂系エマルション系の水性塗料が好ましい。
ここで、フッ素樹脂系エマルションとしては、フルオロオレフィンを重合して得られる含フッ素重合体またはフルオロオレフィンとの共重合が可能な単量体とフルオロオレフィンとを共重合して得られる含フッ素重合体、または含フッ素重合体の粒子の存在下に反応性α,β−不飽和基を有する単量体をシード重合して得られる含フッ素シード重合体のエマルションが好ましく挙げられる。
前記フルオロオレフィンとしては、例えばフッ化ビニル、ビニリデンフルオライド(VdF)、テトラフルオロエチレン(TFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、トリフルオロエチレン、ペンタフルオロプロピレンなどの炭素数2〜4程度のフルオロオレフィンが好ましく採用されるが、重合性の点から、VdF、TFE、CTFE、HFPが好ましい。
前記フルオロオレフィンとの共重合が可能な単量体としては、例えばシクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)、エチルビニルエーテル(EVE)、ブテルビニルエーテル、メチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル(POEAE)、エチルアリルエーテルなどのアルケニルビニルエーテル、ビニルトリメトキシシラン(VSi)、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(メトキシエトキシ)シランなどの反応性α,β−不飽和基を有する有機ケイ素化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルなどのアクリル酸エステル、メタアクリル酸メチル、メタクリル酸エチルなどのメタアクリル酸エステル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、「ベオバ」(シェル社製のビニルエステル)などのビニルエステルなどが挙げられるが、共重合性、成膜性、耐候性などの点からアルキルビニルエーテル、アリルビニルエーテル、ビニルエステル、反応性α,β−不飽和基を有する有機ケイ素化合物が好ましく、CHVE、EVE、安息香酸ビニル、クロトン酸ビニル、POEAE、VSiがさらに好ましい。
前記含フッ素シード重合体とは、前記含フッ素重合体の粒子の存在下に反応性α,β−不飽和基を有する単量体を重合して得られるものである。
反応性α,β−不飽和基を有する単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸ブチル(BA)、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル(MMA)、メタクリル酸ブチル、ポリオキシエチレンメタアクリレート(POEMA)などのメタクリル酸エステル、γ−メタクリロイルオキシプロピル−トリメトキシシラン(SiMA)、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリエトキシシランなどの反応性α,β−不飽和基を有する有機ケイ素化合物、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、「ベオバ」(シェル社製のビニルエステル)などのビニルエステル、スチレン、P−tert−ブチル−スチレンなどの芳香族ビニル化合物などが挙げられるが、成膜性、耐候性などの点からアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、反応性α,β−不飽和基を有する有機ケイ素化合物、ビニルエステルが好ましく、BA、MMA、POEMA、SiMAがさらに好ましい。
なお、前記重合または共重合時に、反応性α,β−不飽和基を有する有機ケイ素化合物を過剰量用いることによっても、重合または共重合後に該有機ケイ素化合物を配合するのと同等の効果が得られる。
塗料用樹脂組成物は、
(A)本発明の星形ポリマーおよび
(B)塗料用樹脂
を含有する。
官能基含有フッ素樹脂には、次のような形態が含まれる。
(I)フルオロオレフィンと官能基含有非フッ素系単量体との共重合体(以下、共重合体(I)と称する場合がある。)、
(II)官能基含有フルオロオレフィンと官能基非含有フルオロオレフィン(すなわち、フルオロオレフィン)との共重合体(以下、共重合体(II)と称する場合がある。)、
(III)2種以上の樹脂をブレンドして調製した官能基含有フッ素樹脂ブレンド物(以下、ブレンド物(II)と称する場合がある。)、
(IV)フッ素樹脂粒子にさらに官能基含有非フッ素系単量体をシード重合した複合化樹脂(シード重合体)(以下、複合化樹脂(シード重合体)(IV)と称する場合がある。)。
(ZはSO3MまたはCOOM(MはH、NH4またはアルカリ金属);aは1〜10の整数)
具体例としては、
CF2=CFCF2−COOH
などが挙げられる。
(ZはSO3MまたはCOOM(MはH、NH4またはアルカリ金属);bは1〜5の整数)
具体例としては、
CF2=CFCF2CF(CF3)−COOH、
CF2=CF(CF2CF(CF3))2−COONH4
などが挙げられる。
(Rf3はFまたはCF3;ZはSO3MまたはCOOM(MはH、NH4またはアルカリ金属);cは1〜10の整数)
具体例としては、
CF2=CF−O−CF2CF2CF2COOH
などが挙げられる。
(Rf3はFまたはCF3;ZはSO3MまたはCOOM(MはH、NH4またはアルカリ金属);dは1〜10の整数)
具体例としては、
CF2=CF−O−CF2CF(CF3)OCF2CF2COOH、
CF2=CF−O−CF2CF(CF3)OCF2CF2SO3H
などが挙げられる。
(ZはSO3MまたはCOOM(MはH、NH4またはアルカリ金属);eは0または1〜10の整数)
具体例としては、
(ZはSO3MまたはCOOM(MはH、NH4またはアルカリ金属);fは1〜10の整数)
具体例としては、
CF2=CFCF2O−CF(CF3)CF2O−CF(CF3)COOH、
CF2=CFCF2O−CF(CF3)CF2O−CF(CF3)SO3H
などが挙げられる。
前記官能基含有非フッ素系単量体のうち水酸基含有非フッ素系単量体としては、式:CH2=CHRb1(式中、Rb1は−ORb2または−CH2ORb2(ただしRb2は水酸基を有するアルキル基)である)で表わされるヒドロキシアルキルビニルエーテルまたはヒドロキシアリルエーテルが挙げられる。Rb2としては、例えば炭素数1〜8の直鎖または分岐鎖状のアルキル基に1〜3個、好ましくは1個の水酸基が結合したものである。
これらの例としては、例えば2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシ−2−メチルブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテルなどが挙げられる。そのほか、アリルアルコールなども例示できる。
官能基非含有フッ素樹脂としては、フッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体などが挙げられる。フッ化ビニリデンの単独重合体または共重合体としては、例えば、特公昭43−10363号、特開平3−28206号、特開平4−189879号などの各公報に記載に記載されているようなものが挙げられる。
なお、本発明の塗料用組成物における塗料用樹脂として官能基を有しない樹脂のみを用いる場合は、本発明の塗料用組成物には限らずしも硬化剤、または硬化触媒を用いる必要は無い。
CH2=CHOH、
CH2=CHO(CH2)4OH
などを挙げることができる。
例えばエチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン、クロロプレンなど。
例えばエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、ペンチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、イソヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、4−メチル−1−ペンチルビニルエーテルなどの鎖状アルキルビニルエーテル類、シクロペンチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルなどのシクロアルキルビニルエーテル類、フェニルビニルエーテル、o−,m−,p−トリビニルエーテル類などのアリールビニルエーテル類、ベンジルビニルエーテル、フェネチルビニルエーテルなどのアラルキルビニルエーテル類など。
例えば酢酸ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、イソカプロン酸ビニル、ピバリック酸ビニル、カプリン酸ビニルなどのビニルエステル類および酢酸イソプロペニル、プロピオン酸イソプロペニルなどのプロペニルエステルなど。
例えばアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ラウリルなどのアクリル酸またはメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステル;アクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸エトキシブチルなどのアクリル酸またはメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル類など。
例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−クロルスチレンなど。
アクリロニトリル、メタクリルロニトリルなど。
式(5):
などを挙げることができる。
前記アミノ樹脂としては、メラミン樹脂などが挙げられる。
前記無機系素材としては、フッ素非含有の非加水分解性基含有金属(Si、Ti、Alなど)アルコキシド、フッ素非含有の非加水分解性基含有オルガノポリシロキサン、フッ素非含有の金属(Si、Ti、Alなど)アルコキシドなどが挙げられる。このような無機系素材としては、例えばグンゼ産業(株)発売エコルトン、日本合成ゴム(株)製グラスカ、トウペ(株)製ポーセリン、日本油脂(株)製ベルクリーン、ベルハード、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製SH、SRおよびDCシリーズ、信越化学工業(株)製KRシリーズ、味の素(株)製プレンアクト、日本曹達(株)製有機チタネート、川研ファインケミカル(株)製アルミニウムアルコレートおよびアルミニウムキレート化合物、北興化学工業(株)製ジルコニウムアルコキサイド、日本ユニカー(株)製複合変性シリコーンオイルならびにMMCAなどの市販品を用いることができる。
また、前記無機系素材としては、フッ素シリコーン樹脂も挙げられる。当該フッ素シリコーン樹脂としては、例えば特開平4−279612号公報に記載のものなどが挙げられる。
硬化剤(C)としてはイソシアネート化合物が好ましい。
5.0が好ましく、さらに0.8〜1.5がより好ましい。また、イソシアネートが湿気
硬化タイプの場合は1.1〜1.5が好ましい。
硬化剤(C)としてはアミノ化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物またはカルボジイミド化合物が好ましい。
硬化剤(C)としてはエポキシ化合物または有機酸が好ましい。
硬化剤(C)としては有機酸またはアミノ化合物が好ましい。
で示されるものである。
塗料用樹脂組成物における塗料用樹脂の濃度は、塗料用組成物全体に対して、通常30〜60%(重量%、以下同様)であり、好ましくは35〜55%である。該濃度が30%未満では塗料化時の粘度調整が困難になる傾向があり、60%を超えると分散液の保存安定性が低下する傾向がある。
本発明の星形ポリマーからなる汚染付着防止剤を用いた塗料用樹脂組成物は、必要に応じて適宜塗料の分野で公知の添加剤を含有してもよい。このような添加剤としては例えば顔料、可塑剤、溶剤、分散剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、防黴剤、沈降防止剤、レベリング剤、紫外線吸収剤などが挙げられる。顔料としては、例えば二酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、カオリンなどの白色顔料;カーボンブラック、弁柄、シアニンブルーなどの有色顔料などが挙げられるが、これらのみに限定されるものではない。
塗料用組成物は、有機溶剤型塗料および水性分散型塗料等の形態に応じて、通常の塗料と同様に、慣用の方法で使用すればよい。
重合用のガラス器具は、すべて送風定温乾燥機(130℃)にて3時間乾燥させたものを用いた。三方活栓をつけたガラス反応容器を窒素ガス気流下で、工業用ドライヤーを用いて加熱し(容器内温度 約240℃、10分)、窒素加圧下にて室温まで放冷、乾燥窒素で常圧に戻し、容器内を十分乾燥させた。
窒素雰囲気下、容器内に、トルエンを2.6mL、1,4−ジオキサンを0.5mL(1.2M)、モノマーとして2−(ペルフルオロヘキシル)プロポキシエチルビニルエーテル[CH2=CHO(CH2)2O(CH2)3C6F13]を1.2mL(2M)、あらかじめヘキサンを用いて0.2Mに希釈しておいた開始種 1−イソブトキシエチルアセテート(IBEA)[1-(Isobutoxy)ethyl acetate,CH3CH(OiBu)OCOCH3]を0.25mL(10 mM)、それぞれ添加し、全体を4.5mLとした。
窒素加圧下で氷浴につけ、マグネティックスターラーを用い攪拌し、0℃に恒温化させた。これに、あらかじめ重合溶媒であるヘキサンで50mMに希釈して0℃に恒温化させておいたエチルアルミニウムセスキクロライド(Et1.5AlCl1.5)を、乾燥窒素下で素早く0.5mL(20mM)加えて重合を開始した。4時間後、トルエンで5倍希釈して0℃に恒温化させておいた1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル[(CH2=CHOCH2)2C6H10]溶液0.5mL(開始種に対して10等量)を反応系に添加し、18時間後に0.1wt%アンモニア性メタノールを2mL加えることで重合を停止した。
生成したポリマーの精製は、まず重合停止後の反応溶液をジクロロメタンで希釈後、触媒残査を除去するため0.6N HCl水溶液で3回、イオン交換水で1回、0.6N NaOH水溶液で1回洗浄した後、イオン交換水で中性になるまで洗浄した。この溶液をナス型フラスコに移し、ロータリーエバポレーターを用いて、溶媒、未反応モノマー、添加塩基を減圧留去し、その後、シリカゲル入りのデシケーター中(室温、0.1mmHg)で8時間以上減圧乾燥することで、枝部に100%フッ素を有する星型ポリマーを得た。
生成したポリマーは、重量法によりモノマーの転化率(重合率、Conversion)を算出し、後述するGPC測定によりポリマーの数平均分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)を算出した。なお、下記の実施例においても、特に言及しない限り、重合操作は基本的に上記の方法に準じた。
カラム 以下のカラムを順に直列配管したものを使用
TOSOH TSKguardcolumn HXL-L (6.0 mm I.D.×4 cm)
TOSOH TSKgel G4000HXL (7.8 mm I.D.×30 cm)
TOSOH TSKgel G3000HXL (7.8 mm I.D.×30 cm)
TOSOH TSKgel G2000HXL (7.8 mm I.D.×30 cm)
溶出液:クロロホルム [Chloroform, CHCl3](ナカライテスク 特級)
標準ポリスチレンで分子量を校正した。
装置:GPC Agilent Technology 1200series
カラム:Shodex GPC K803, K804, K805
MALLS:DAWN HELEOS (Wyatt Technology) Ga-As laser λ= 690 nm
溶出液:クロロホルム [Chloroform, CHCl3](ナカライテスク、特級)
なお、枝の数fは、次式に従って求めた。
f(枝の数)=(アルケニルエーテルモノマーの重量画分)×[Mw(全体)]/[Mw(枝)]
実施例1と同様に、モノマーとしてイソブチルビニルエーテルを使用し、重合度20、30、50、150、200として、リビングポリマー(Poly(2-(ペルフルオロヘキシル)プロポキシエチルビニルエーテル[CH2=CHO(CH2)2O(CH2)3C6F13])を重合した。さらに1,4-シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテルを添加した後、18時間反応させ、星型ポリマーを得た。
重合度20の枝ポリマーからなる星型ポリマーの分子量は、Mn=0.49×104、
重合度30の枝ポリマーからなる星型ポリマーの分子量は、Mn=0.74×104、
重合度50の枝ポリマーからなる星型ポリマーの分子量は、Mn=1.24×104、
重合度150の枝ポリマーからなる星型ポリマーの分子量は、Mn=3.72×104、
重合度200の枝ポリマーからなる星型ポリマーの分子量は、Mn=4.96×104
となり、枝の重合度にともなって星型ポリマーの分子量は増大した。
得られた星型ポリマーのGPC−MALLSにより求めた重量平均分子量は、いずれも通常のGPCにより測定した重量平均分子量より大きい。このことから、本発明の星型ポリマーは分岐が多く、コンパクトな、末端にフッ素構造を有することが明らかである。
実施例1の方法に従って製造した枝にフッ素を有する星形ポリマーの1重量% トルエン溶液を調製し、この溶液に対する500nmの光透過率を、下記の測定機器および測定条件によって温度調節機能付UV分光光度計(日本分光(株)製)を用いて測定した。
20〜40℃まで昇温・降温速度1℃/分で変化させた場合、40℃から降温していくと、ポリマー溶液は28℃で高感度に透明状態から白濁状態へ変化した(第1回冷却)。
図1に、光透過率の変化のグラフを示す。この変化は可逆的であるが、低温から高温に戻すと、降温過程とは異なり、約28℃位から徐々に透明化してきて、34℃以上では、ほぼ初期状態と同じになる(第1回昇温)。その状態から、再び、降温すると、最初の時と同様に、28℃において、非常に高感度に白濁化した(第2回冷却)。
以下、3回までこの現象を確認したが、非常に良い再現性を示した。
[光の透過率の測定機器および測定条件]
UV検出器:JASCO V-550 UV-VIS Spectrophotometer(日本分光)
温度可変コントローラ:JASCO ETC-505T Peltier Type Thermostatic cell holder(日本分光)
測定条件:1重量%水溶液,昇温速度1℃/分
また、本発明の星形ポリマーは塗料用の汚染防止剤として有用であり、塗料分野における使用が可能である。
Claims (5)
- 核部と、当該核部に連結している3本以上の枝部とを有するリビングカチオン重合により得られた星形ポリマーであって、
前記核部は、式(II o )
CHR 3 =CH−X c1 −R 4o −X c2 −CH=CHR 5 (II o )
[式中、
R 3 およびR 5 は、それぞれ独立して、水素原子またはメチル基を表し、
R 4o は、フッ素化されていない2価の有機基を表し、
X c1 およびX c2 は、それぞれ−O−を表す。]
で表される化合物であるジアルケニル化合物の架橋ポリマーからなり、
前記枝部は、式(If)
−(CH(−X−R1f)−CH(−R2))p−R (If)
[式中、
R1fは、それぞれ少なくともフッ素で置換され、かつ更にフッ素以外の置換基で置換されていてもよい、
炭素数1〜12のアルキル基(当該アルキル基の炭素−炭素結合には、アミド、イミド、ウレタンおよび尿素結合から選択される1種以上が挿入されていてもよい)、
置換されていてもよい炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、
置換されていてもよい炭素数3〜20のアルコキシアルコキシアルキル基、及び
炭素数3〜10のシクロアルキル基からなる群から選択されたフッ素化されている1価の有機基を表し、
R2は、水素原子またはアルキル基を表し、
Rは、
置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル基(当該アルキル基の炭素−炭素結合には、アミド、イミド、ウレタンおよび尿素結合から選択される1種以上が挿入されていてもよい)、
置換されていてもよい炭素数2〜20のアルコキシアルキル基、及び
置換されていてもよい炭素数3〜20のアルコキシアルコキシアルキル基ならびに炭素数3〜10のシクロアルキル基からなる群から選択された1価の有機基を表し、
Xは、−O−を表し、
pは、1以上の整数を表す。]
で表され、1,000〜100万の数平均分子量を有する1価の有機基である
ことを特徴とする星形ポリマー。 - Rは、フッ素化されている1価の有機基であることを特徴とする
請求項1に記載の星形ポリマー。 - 前記式(If)が、式(If'):
−(CH(−X−R1f)−CH(−R2))p−CHRa−X1−(Y−X2)m−(CH2)n−Rf' (If')
[式中、
R aは、アルキル基を表し、
X1およびX2は、それぞれ−O−を表し、
Yは、炭素数1〜3のアルキレン鎖を表し、
Rf'は、(a)炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基、または(b)−C3F6O−、−C2F4O−および−CF2O−から選択される1種以上の繰り返し単位を有する、炭素数2〜50のパーフルオロエーテル基を表し、
mは、0〜10の整数を表し、
nは、1〜18の整数を表し、
その他の記号は前記と同意義を表す。]
であることを特徴とする、
請求項1または2に記載の星形ポリマー。 - 重量平均分子量が1万〜1000万であり、分子量分布が1〜5である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の星型ポリマー。 - 工程1:
式(III)
CH(−X−R1f)=CH(−R2) (III)
[式中、各記号は、請求項1の記載と同意義を表す。]
で表されるビニル化合物を、
ルイス酸および式(IV)
Rb−CO−O−R (IV)
[式中、
Rbは、脂肪族炭化水素基、フェニル、パーフルオロアルキル基、またはパーフルオロエーテル基を表し、
その他の記号は請求項1の記載と同意義を表す。]
で表される化合物の存在下でリビングカチオン重合させる工程、
工程2:
工程1で得られる反応混合物に、式(II o )
CHR 3 =CH−X c1 −R 4o −X c2 −CH=CHR 5 (II o )
[式中の記号は請求項1の記載と同意義を表す。]
で表される化合物であるジアルケニル化合物を添加し、更にリビングカチオン重合させる工程および
工程3:
工程2で得られる反応混合物に、重合停止剤を添加し、リビングカチオン重合を停止させる工程
を含むことを特徴とする
請求項1に記載の星形ポリマーの製造方法。
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