JP2016166288A - 組成物及びフィルム - Google Patents

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Yuko Shioya
優子 塩谷
將 神原
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將 神原
田中 義人
Yoshito Tanaka
義人 田中
吉景 大向
Yoshikage Omukai
吉景 大向
三木 淳
Atsushi Miki
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Abstract

【課題】特定の溶媒を選択しなくても、透明性に優れたフィルムを得ることができ、更に、得られるフィルムの柔軟性を容易に制御することができる組成物を提供する。【解決手段】含フッ素ポリマー、アルコキシシラン化合物及び溶媒を含む組成物であって、上記含フッ素ポリマーは、フッ素含有率が50質量%以下であり、水酸基価が44.9mgKOH/g以下であり、炭素数1〜3のアルコールの少なくとも1種に可溶であることを特徴とする組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、含フッ素ポリマー及びアルコキシシラン化合物を含む組成物、並びに、上記組成物から得られるフィルムに関する。
光学レンズ、光ディスク基板、導光板及び光学用フィルム等の光学部品には、透明性と、小型かつ軽量であることとが求められることから、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、環状ポリオレフィン等の透明樹脂が多く使用されている。
また、太陽電池の分野では、透明性等の特性の他に、耐候性も求められる。耐候性に優れる材料として、酸化ケイ素を含有する含フッ素ポリマー組成物が知られている(特許文献1及び2参照)。また、特許文献3では、特許文献1及び2に記載の方法で透明なフィルムを製造するためには、ポリケイ酸の使用量または酢酸の使用量を増やす必要があると指摘されており、透明で強靭なフィルムを製造できる組成物として、含フッ素オレフィン/ビニルアルコール共重合体、アルコキシシラン化合物、溶媒および加水分解・縮合触媒を含有する組成物において、溶媒として、炭素数3〜10のケトン化合物、炭素数2〜10のニトリル化合物、窒素原子に結合した水素原子が炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよい、炭素数3〜10のアミド化合物および特定のエーテル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが提案されている。
米国特許第3429845号明細書 米国特許第3429846号明細書 国際公開第2013/051669号
しかし、特定の溶媒を選択することにより透明性に優れたフィルムが得られるとしても、溶媒が限定されるのは不便であり、工業的にも好ましくない。
本発明は、このような現状を鑑みてなされたものであり、特定の溶媒を選択しなくても、透明性に優れたフィルムを得ることができ、更に、得られるフィルムの柔軟性を容易に制御することができる組成物を提供することを課題とする。
また、本発明は、透明性に優れるとともに、柔軟性の制御が容易なフィルムを提供することを課題とする。
本発明は、含フッ素ポリマー、アルコキシシラン化合物及び溶媒を含む組成物であって、上記含フッ素ポリマーは、フッ素含有率が50質量%以下であり、水酸基価が44.9mgKOH/g以下であり、炭素数1〜3のアルコールの少なくとも1種に可溶であることを特徴とする組成物である。
上記溶媒は、アルコール、ケトン、ニトリル、アミド及びエーテルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記溶媒は、アルコールであることが好ましい。
上記組成物は、更に、加水分解・縮合触媒を含むことが好ましい。
上記含フッ素ポリマーは、フルオロモノマーと親水性部位含有単量体との共重合体であって、フルオロモノマー単位と親水性部位含有単量体単位とのモル比(フルオロモノマー単位/親水性部位含有単量体単位)が25/75〜75/25であることが好ましい。
上記含フッ素ポリマーは、フルオロモノマー/N−ビニル−ラクタム化合物共重合体、フルオロモノマー/ポリオキシアルキレンビニルエーテル共重合体、及び、フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明は、上述の組成物から得られ、ヘイズ値が20%以下であることを特徴とするフィルムでもある。
上記フィルムにおける上記含フッ素ポリマーは、フルオロモノマー/N−ビニル−ラクタム化合物共重合体、及び、フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の組成物は、上記の構成を有することから、特定の溶媒を選択しなくても、透明性に優れたフィルムを得ることができ、更に、得られるフィルムの柔軟性を容易に制御することができる。
本発明のフィルムは、透明性に優れるとともに、柔軟性の制御が容易である。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の組成物は、含フッ素ポリマー、アルコキシシラン化合物及び溶媒を含む。
〔含フッ素ポリマー〕
本発明の組成物の特徴の一つは、フッ素含有率が50質量%以下であり、かつ、水酸基価が44.9mgKOH/g以下である含フッ素ポリマーを含む点にあり、この特徴により、透明性に優れたフィルムを得ることができる。
更に、本発明の組成物は、上記特定の含フッ素ポリマーを含むことによって、含フッ素ポリマーとアルコキシシランとの比率を幅広い範囲で変化させても優れた透明性のフィルムを得ることができる。また、上記含フッ素ポリマーの含有量を変化させることによって、柔軟性を調整することもできる。そのため、優れた透明性を維持させながら、柔軟性が高いフィルム及び柔軟性が低いフィルムのいずれをも得ることができる。
上記フッ素含有率は、45質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましい。上記フッ素含有率が高すぎると、透明性及び柔軟性に優れたフィルムを得ることができないおそれがあり、上記フッ素含有率が低すぎると、耐熱性に優れたフィルムを得ることができないおそれがある。
上記フッ素含有率は、酸素フラスコ燃焼法により試料10mgを燃焼し、分解ガスを脱イオン水20mlに吸収させ、吸収液中のフッ素イオン濃度をフッ素選択電極法で測定することにより求める。
上記水酸基価は、44.9mgKOH/g以下であることが好ましく、0.0mgKOH/g以上であることが好ましい。
上記水酸基価は、含フッ素ポリマーの重量と−OH基のモル数より計算にて求めた値である。−OH基のモル数は、含フッ素ポリマーのNMR測定、IR測定、元素分析等により求めることができる。
本発明の組成物は、上記含フッ素ポリマーが炭素数1〜3のアルコールのうち少なくとも1種に可溶であることも、もう一つの特徴である。この特徴により、透明性及び柔軟性に優れたフィルムを得ることができる。アルコールに可溶であるとは、好ましくはアルコールに90質量%以上が溶解することを意味し、より好ましくはアルコールに99質量%以上が溶解することを意味する。
上記含フッ素ポリマーのアルコールに対する溶解量は、5gのアルコールに上記含フッ素ポリマー50mgを投入して、25℃で10分間撹拌した後、得られた溶液をろ過して、ろ液の重さを測定することにより、算出することができる。
上記含フッ素ポリマーは、炭素数1〜3のアルコールのなかでも、炭素数1〜3の炭化水素系低級アルコールのうち少なくとも1種に溶解することが好ましく、メタノール、エタノール、プロパノール、又は、イソプロパノールに溶解することがより好ましく、メタノール、又は、エタノールに溶解することが更に好ましい。
炭素数1〜3の炭化水素系低級アルコールは、汎用的に使用されるアルコールであることから、上記含フッ素ポリマーがこれらのアルコールに溶解するものであると、溶媒としてこれらのアルコールを使用でき、工業的にも設備的にも経済的にも好ましい。
上記含フッ素ポリマーの好ましいガラス転移温度は、作成されるフィルムの使用される温度によって決まるが、例えば、25℃以上であることが好ましく、35℃以上であることがより好ましい。より柔軟性の高いフィルムを得ることが容易になることから、ガラス転移温度は35℃以上200℃以下であることが更に好ましく、40℃以上150℃以下であることが特に好ましい。上記ガラス転移温度の範囲は、25℃程度の室温で使用するフィルムである場合に特に好ましい。
ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC測定)により求めることができる。
上記含フッ素ポリマーとしては、フルオロモノマーと親水性部位含有単量体との共重合体であることが好ましい。親水性部位とは、親水性基を有する部位又は他の部位と水素結合可能な部位を意味する。親水性部位としては、水酸基、オキシアルキレン鎖、ラクタム環、カルボン酸、アミド基、アミノ基、イオン性官能基等が挙げられる。
上記含フッ素ポリマーとしては、フルオロモノマーと親水性部位含有単量体との共重合体であって、フルオロモノマー単位と親水性部位含有単量体単位とのモル比(フルオロモノマー単位/親水性部位含有単量体単位)が25/75〜75/25であることが好ましく、30/70〜70/30であることがより好ましい。上記モル比は、35/65〜65/35であることが更に好ましく、40/60〜60/40であることが特に好ましい。
上記フルオロモノマーとしては、テトラフルオロエチレン[TFE]、ヘキサフルオロプロピレン[HFP]、クロロトリフルオロエチレン[CTFE]、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、フルオロアルキルビニルエーテル、フルオロアルキルエチレン、トリフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、ヘキサフルオロイソブテン及び一般式:CH=CFRf(式中、Rfは炭素数1〜12の直鎖又は分岐したフルオロアルキル基)で表されるフルオロモノマーからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、TFE、CTFE及びHFPからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、TFEであることが更に好ましい。
上記親水性部位含有単量体としては、N−ビニル−ラクタム化合物、水酸基含有アルキルビニルエーテル、ポリオキシアルキレンビニルエーテル、ビニルアルコール、アミド基含有化合物、アミン化合物、及び、カルボン酸含有化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、N−ビニル−ラクタム化合物、ポリオキシアルキレンビニルエーテル、水酸基含有アルキルビニルエーテル、及び、ビニルアルコールからなる群より選択される少なくとも1種であることが更に好ましく、N−ビニル−ラクタム化合物、ポリオキシアルキレンビニルエーテル、及び、ビニルアルコールからなる群より選択される少なくとも1種であることが特に好ましく、N−ビニル−ラクタム化合物、及び、ビニルアルコールからなる群より選択される少なくとも1種であることが殊更に好ましい。
水酸基含有アルキルビニルエーテルは、親水性の水酸基を含有するものの、アルキル基部分が疎水的でアルコキシシランとの相溶性が低い傾向がある。またアルキル基部分によりポリマーのガラス転移温度が低いため、得られるフィルムの耐熱性に乏しくなる傾向にあるため、その含有量は含フッ素ポリマーを構成する全モノマー単位に対して水酸基価が44.9mgKOH/g以下になるようにすることが好ましい。これはヘキサブチルビニルエーテルの場合に換算すると9.3質量%以下となる。
上記含フッ素ポリマーとしては、フルオロモノマー/N−ビニル−ラクタム化合物共重合体、フルオロモノマー/ポリオキシアルキレンビニルエーテル共重合体、フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体、及び、フルオロモノマー/アミド基含有ビニル化合物共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、フルオロモノマー/N−ビニル−ラクタム化合物共重合体、フルオロモノマー/ポリオキシアルキレンビニルエーテル共重合体、及び、フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、フルオロモノマー/N−ビニル−ラクタム化合物共重合体、及び、フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。
上記含フッ素ポリマーは、本発明の効果を損なわない範囲で、フルオロモノマー単位及び親水性部位含有単量体単位以外の他の単量体単位を有していてもよい。他の単量体単位の合計は、0〜50モル%であることが好ましく、0〜40モル%であることがより好ましく、0〜30モル%であることが更に好ましい。
上記含フッ素ポリマーは、重量平均分子量が10000以上であることが好ましい。より好ましくは、15000〜500000であり、更に好ましくは、20000〜300000である。上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。
上記フルオロモノマー/N−ビニル−ラクタム化合物共重合体は、フルオロモノマーとN−ビニル−ラクタム化合物との共重合体であり、フルオロモノマー単位及びN−ビニル−ラクタム化合物単位を含む。
上記フルオロモノマー/N−ビニル−ラクタム化合物共重合体としては、フルオロモノマー単位とN−ビニル−ラクタム化合物単位とのモル比(フルオロモノマー単位/N−ビニル−ラクタム化合物単位)が25〜75/25〜75であるものが好ましく、35〜65/35〜65であるものがより好ましい。モル比が小さすぎると、耐熱性に優れたフィルムを得ることができないおそれがあり、モル比が大きすぎると、透明性及び柔軟性に優れたフィルムを得ることができないおそれがある。
上記フルオロモノマーとしては、TFE、HFP、CTFE、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、フルオロアルキルビニルエーテル、フルオロアルキルエチレン、トリフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、ヘキサフルオロイソブテン及び一般式:CH=CFRf(式中、Rfは炭素数1〜12の直鎖又は分岐したフルオロアルキル基)で表されるフルオロモノマーからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、TFE、CTFE、フッ化ビニリデン及びHFPからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、TFE及びフッ化ビニリデンからなる群より選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。
上記N−ビニル−ラクタム化合物は、ビニル基とラクタム環構造とを有する化合物である。上記N−ビニル−ラクタム化合物としては、N−ビニル−β−プロピオラクタム、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−γ−バレロラクタム、N−ビニル−2−ピペリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタム、及び、N−ビニル−ヘプトラクタムからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピペリドン、及び、N−ビニル−ε−カプロラクタムからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
上記フルオロモノマー/N−ビニル−ラクタム化合物共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、フルオロモノマー単位及びN−ビニル−ラクタム化合物単位以外の他の単量体単位を有していてもよい。他の単量体単位としては、ビニルエステルモノマー単位、ビニルエーテルモノマー単位、ポリエチレングリコールを側鎖に有する(メタ)アクリルモノマー単位、ポリエチレングリコールを側鎖に有するビニルモノマー単位、長鎖炭化水素基を有する(メタ)アクリルモノマー単位、長鎖炭化水素基を有するビニルモノマー単位等が挙げられる。他の単量体単位の合計は、0〜50モル%であることが好ましく、0〜40モル%であることがより好ましく、0〜30モル%であることが更に好ましい。
上記フルオロモノマー/N−ビニル−ラクタム化合物共重合体は、実質的にフルオロモノマー単位及びN−ビニル−ラクタム化合物単位のみからなることが好ましい。
上記フルオロモノマー/N−ビニル−ラクタム化合物共重合体は、重量平均分子量が10000以上であることが好ましい。より好ましくは、15000〜500000であり、更に好ましくは、20000〜300000である。上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。
上記フルオロモノマー/N−ビニル−ラクタム化合物共重合体は、ラジカル重合によって製造できる。製造プロセスの種類や媒体の種類・有無、重合反応系内の均一性等に関して特に限定されることはないが、例えば、溶液重合、乳化重合、ソープフリー重合、懸濁重合、沈殿重合、分散重合、塊状重合などにより製造できる。
上記フルオロモノマー/ポリオキシアルキレンビニルエーテル共重合体は、フルオロモノマーとポリオキシアルキレンビニルエーテルとの共重合体であり、フルオロモノマー単位及びポリオキシアルキレンビニルエーテル単位を含む。
上記フルオロモノマー/ポリオキシアルキレンビニルエーテル共重合体としては、フルオロモノマー単位とポリオキシアルキレンビニルエーテル単位とのモル比(フルオロモノマー単位/ポリオキシアルキレンビニルエーテル単位)が35〜75/25〜65であるものが好ましく、40〜69/31〜60であるものがより好ましい。モル比が小さすぎると、耐熱性に優れたフィルムを得ることができないおそれがあり、モル比が大きすぎると、透明性及び柔軟性に優れたフィルムを得ることができないおそれがある。
上記フルオロモノマーとしては、TFE、HFP、CTFE、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、フルオロアルキルビニルエーテル、フルオロアルキルエチレン、トリフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、ヘキサフルオロイソブテン及び一般式:CH=CFRf(式中、Rfは炭素数1〜12の直鎖又は分岐したフルオロアルキル基)で表されるフルオロモノマーからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、TFE、CTFE、フッ化ビニリデン及びHFPからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、TFE及びフッ化ビニリデンからなる群より選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。
上記ポリオキシアルキレンビニルエーテルとしては、下記式:
CH=CH(CHn21−(OR21n22−O−R22
(式中、n21は0又は1、R21は炭素数2〜4のアルキレン基、n22は1〜11の整数、R22は水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)で表される化合物が好ましい。
上記式中、n21は0であることが好ましい。
21は、−CH−CH−、−CH−CH−CH−、−CH−CH(CH)−又は−CH−CH−CH−CH−であることが好ましく、−CH−CH−であることがより好ましい。
n22は、1〜9の整数であることが好ましい。
22は、水素原子又は炭素数1又は2のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は−CHであることがより好ましい。
上記フルオロモノマー/ポリオキシアルキレンビニルエーテル共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、フルオロモノマー単位及びポリオキシアルキレンビニルエーテル単位以外の他の単量体単位を有していてもよい。他の単量体単位としては、ビニルエステルモノマー単位、ビニルエーテルモノマー単位、ポリエチレングリコールを側鎖に有する(メタ)アクリルモノマー単位、ポリエチレングリコールを側鎖に有するビニルモノマー単位、長鎖炭化水素基を有する(メタ)アクリルモノマー単位、長鎖炭化水素基を有するビニルモノマー単位等が挙げられる。他の単量体単位の合計は、0〜50モル%であることが好ましく、0〜40モル%であることがより好ましく、0〜30モル%であることが更に好ましい。
上記フルオロモノマー/ポリオキシアルキレンビニルエーテル共重合体は、実質的にフルオロモノマー単位及びポリオキシアルキレンビニルエーテル単位のみからなることが好ましい。
上記フルオロモノマー/ポリオキシアルキレンビニルエーテル共重合体は、重量平均分子量が10000以上であることが好ましい。より好ましくは、15000〜500000であり、更に好ましくは、20000〜300000である。上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。
上記フルオロモノマー/水酸基含有アルキルビニルエーテル共重合体は、フルオロモノマーと水酸基含有アルキルビニルエーテルとの共重合体であり、フルオロモノマー単位及び水酸基含有アルキルビニルエーテル単位を含む。
上記フルオロモノマー/水酸基含有アルキルビニルエーテル共重合体としては、フルオロモノマー単位と水酸基含有アルキルビニルエーテル単位とのモル比(フルオロモノマー単位/水酸基含有アルキルビニルエーテル単位)が、上述した水酸基価の基準を満たす範囲内において、55〜97/3〜45であるものが好ましい。モル比が小さすぎると、耐熱性に優れたフィルムを得ることができないおそれがあり、モル比が大きすぎると、透明性及び柔軟性に優れたフィルムを得ることができないおそれがある。
上記フルオロモノマーとしては、TFE、HFP、CTFE、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、フルオロアルキルビニルエーテル、フルオロアルキルエチレン、トリフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、ヘキサフルオロイソブテン及び一般式:CH=CFRf(式中、Rfは炭素数1〜12の直鎖又は分岐したフルオロアルキル基)で表されるフルオロモノマーからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、TFE、CTFE、フッ化ビニリデン及びHFPからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、TFE及びフッ化ビニリデンであることが更に好ましい。
上記水酸基含有アルキルビニルエーテルとしては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシ−2−メチルブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等が挙げられる。
本明細書において、上記水酸基含有アルキルビニルエーテルは、1つのエーテル結合を有する化合物である。上記水酸基含有アルキルビニルエーテルは、2つ以上のエーテル結合を含む化合物を含まない。
上記水酸基含有アルキルビニルエーテルとしては、下記式:
CH=CH(CHn11−O−(CHn12−OH
(式中、n11は0又は1、n12は1〜8の整数を表す。)で表される化合物が好ましい。n11は0であることが好ましい。n12は2〜6の整数であることが好ましい。
上記水酸基含有アルキルビニルエーテルとしては、なかでも、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましい。
上記フルオロモノマー/水酸基含有アルキルビニルエーテル共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、フルオロモノマー単位及び水酸基含有アルキルビニルエーテル単位以外の他の単量体単位を有していてもよい。他の単量体単位としては、ビニルエステルモノマー単位、ビニルエーテルモノマー単位、ポリエチレングリコールを側鎖に有する(メタ)アクリルモノマー単位、ポリエチレングリコールを側鎖に有するビニルモノマー単位、長鎖炭化水素基を有する(メタ)アクリルモノマー単位、長鎖炭化水素基を有するビニルモノマー単位等が挙げられる。他の単量体単位の合計は、0〜50モル%であることが好ましく、0〜40モル%であることがより好ましく、0〜30モル%であることが更に好ましい。
上記フルオロモノマー/水酸基含有アルキルビニルエーテル共重合体は、実質的にフルオロモノマー単位及び水酸基含有アルキルビニルエーテル単位のみからなることが好ましい。
上記フルオロモノマー/水酸基含有アルキルビニルエーテル共重合体は、重量平均分子量が10000以上であることが好ましい。より好ましくは、15000〜500000であり、更に好ましくは、20000〜300000である。上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。
上記フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体は、フルオロモノマーとビニルアルコールとの共重合体であり、フルオロモノマー単位及びビニルアルコール単位を含む。
上記フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体としては、フルオロモノマー単位とビニルアルコール単位とのモル比(フルオロモノマー単位/ビニルアルコール単位)が25〜55/45〜75であるものが好ましく、30〜46/54〜70であるものがより好ましい。モル比が小さすぎると、耐熱性に優れたフィルムを得ることができないおそれがあり、モル比が大きすぎると、透明性及び柔軟性に優れたフィルムを得ることができないおそれがある。
上記フルオロモノマーとしては、TFE、HFP、CTFE、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、フルオロアルキルビニルエーテル、フルオロアルキルエチレン、トリフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン、トリフルオロブテン、テトラフルオロイソブテン、ヘキサフルオロイソブテン及び一般式:CH=CFRf(式中、Rfは炭素数1〜12の直鎖又は分岐したフルオロアルキル基)で表されるフルオロモノマーからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、TFE、CTFE、フッ化ビニリデン及びHFPからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、TFE及びフッ化ビニリデンからなる群より選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。
上記フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、フルオロモノマー単位及びビニルアルコール単位以外の他の単量体単位を有していてもよい。他の単量体単位としては、ビニルエステルモノマー単位、ビニルエーテルモノマー単位、ポリエチレングリコールを側鎖に有する(メタ)アクリルモノマー単位、ポリエチレングリコールを側鎖に有するビニルモノマー単位、長鎖炭化水素基を有する(メタ)アクリルモノマー単位、長鎖炭化水素基を有するビニルモノマー単位等が挙げられる。他の単量体単位の合計は、0〜50モル%であることが好ましく、0〜40モル%であることがより好ましく、0〜30モル%であることが更に好ましい。
上記フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体は、ビニルエステルモノマー単位を有していてもよい。ビニルエステルモノマー単位を有するフルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体は、ビニルエステルモノマー単位とフルオロモノマー単位とを有する共重合体を加水分解することにより製造できる。
上記ビニルエステルモノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、バレリン酸ビニル、イソバレリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、へプチル酸ビニル、カプリル酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ペラルゴン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、ペンタデシル酸ビニル、パルチミン酸ビニル、マルガリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オクチル酸ビニル、ベオバ−9(昭和シェル石油(株)製)、ベオバ−10(昭和シェル石油(株)製)、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられるが、中でも入手が容易で安価である点から、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニルが好ましく用いられる。また、これらを混合して用いてもよい。
上記フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体は、実質的にフルオロモノマー単位及びビニルアルコール単位のみからなることが好ましい。
上記フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体は、重量平均分子量が10000以上であることが好ましい。より好ましくは、30000〜2000000であり、更に好ましくは、50000〜1000000である。上記重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めることができる。
上記フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体としては、ビニルアルコール単位とフルオロモノマー単位との交互率が20%以上であることが好ましい。より好ましくは30%以上であり、更に好ましくは50%以上であり、更により好ましくは55%以上であり、特に好ましくは60%以上である。
ビニルアルコール単位(−CH−CH(OH)−)とフルオロモノマー単位との交互率は、重アセトン等の共重合体(A)が溶解する溶媒を用いて、上記共重合体のH−NMR測定を行い、以下の式より3連鎖の交互率として算出できる。
交互率(%)=C/(A+B+C)×100
A:−V−V−V−のように2つのVと結合したVの個数
B:−V−V−F−のようにVとFとに結合したVの個数
C:−F−V−F−のように2つのFに結合したVの個数
(F:フルオロモノマー単位、V:ビニルアルコール単位)
A、B、CのV単位の数は、H−NMR測定のビニルアルコール単位(−CH−CH(OH)−)の3級炭素に結合する主鎖のHの強度比より算出する。
上記フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体は、例えば、特開2013−151671号公報に記載の製造方法により製造することができる。交互率についても、例えば、特開2013−151671号公報に記載の方法により調整できる。
〔アルコキシシラン化合物〕
上記アルコキシシラン化合物としては、下記式:
31 n31Si(OR324−n31
(式中、R31は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10の含フッ素アルキル基又は炭素数6〜12のアリール基、n31は0〜3の整数、R32は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10の含フッ素アルキル基又は炭素数6〜12のアリール基を表す)で表される化合物又はそのオリゴマーであることが好ましい。
式中、R31は、炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数6〜12のアリール基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数6〜7のアリール基であることがより好ましい。
n31は、0〜2の整数であることが好ましく、0又は1であることがより好ましい。
32は、複数個のR32のうち、少なくとも1つが炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、全てのR32が、炭素数1〜10のアルキル基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基であることが更に好ましい。
上記アルコキシシラン化合物としては、テトラアルコキシシラン及びそのオリゴマー、トリアルコキシシラン及びそのオリゴマー、並びに、ジアルコキシシラン及びそのオリゴマーからなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等が挙げられ、トリアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等が挙げられる。ジアルコキシシランとしては、メチルフェニルジメトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラヘキソキシシラン、ジフェニルメトキシシラン等が挙げられる。
オリゴマーとしては、2〜8量体が好ましく、2量体、3量体又は4量体が好ましい。オリゴマーとしては、2〜8量体の混合物であってもよく、平均2〜4量体が好ましい。
上記アルコキシシラン化合物としては、なかでも、テトラエトキシシラン及びそのオリゴマー、並びに、テトラメトキシシラン及びそのオリゴマー、メチルトリメトキシシラン及びそのオリゴマー、メチルトリエトキシシラン及びそのオリゴマー、フェニルトリメトキシシラン及びそのオリゴマー、フェニルトリエトキシシラン及びそのオリゴマーからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の組成物は、上記アルコキシシラン化合物を、アルコキシシラン化合物が縮合して生成するSiOに換算した場合に、上記含フッ素ポリマーに対して5〜800質量%含むことが好ましい。上記アルコキシシラン化合物の含有量は、アルコキシシラン化合物が縮合して生成するSiOに換算した場合に、上記含フッ素ポリマーに対して8質量%以上であることがより好ましく、10質量%以上であることが更に好ましく、700質量%以下であることがより好ましく、500質量%以下であることが更に好ましい。
柔軟性の高いフィルムを得る場合、本発明の組成物は、上記アルコキシシラン化合物を、アルコキシシラン化合物が縮合して生成するSiOに換算した場合に、上記含フッ素ポリマーに対して10〜400質量%含むことが好ましく、10〜300質量%含むことがより好ましい。
〔溶媒〕
上記溶媒としては、アルコール、ケトン、ニトリル、アミド及びエーテルからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、アルコール及びエーテルからなる群より選択される少なくとも1種であることがより好ましく、溶解性の観点からアルコールであることが更に好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びプロパノールからなる群より選択される少なくとも1種が特に好ましい。また、これらの低級アルコールと同定度またはそれ以上の溶解性を示す溶媒であれば、それも好ましく、例えばエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテルが挙げられる。
本発明の組成物は、上記含フッ素ポリマーを含むものであることから、溶媒としてアルコールを含む場合であっても、透明性に優れたフィルムを得ることができ、また、得られるフィルムの柔軟性を容易に制御することができる。
上記アルコールとしては、炭素数が1〜5のアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール及びブタノールからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びプロパノールからなる群より選択される少なくとも1種が更に好ましい。
上記ケトンとしては、炭素数3〜10のケトン化合物が好ましく、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等が挙げられる。
上記ニトリルとしては、炭素数2〜10のニトリル化合物が好ましく、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、2−メトキシプロピオニトリル等が挙げられる。
上記アミドとしては、窒素原子に結合した水素原子が炭素数1〜5のアルキル基で置換されていてもよい、炭素数3〜10のアミド化合物が好ましく、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
上記エーテルとしては、一般式:R41−(OCHR42CHn41−OR43(式中、R41は炭素数1〜5のアルキル基、R42は水素原子又は水酸基、n41は1〜5の整数、R43は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表す)で表される化合物が好ましく、エチレングリコールモノエーテル、エチレングリコールジエーテル、プロピレングリコールモノエーテル等、具体的にはエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
本発明の組成物は、上記溶媒の含有量が30.0〜98.0質量%であることが好ましく、50.0〜95.0質量%であることがより好ましく、70.0〜95.0質量%であることが更に好ましい。
本発明の組成物は、含フッ素ポリマー、アルコキシシラン化合物及び溶媒のみからなるものであってもよい。
〔加水分解・縮合触媒〕
本発明の組成物は、更に、加水分解・縮合触媒を含むことが好ましい。上記加水分解・縮合触媒は、上記アルコキシシラン化合物中のアルコキシ基からシラノール基(Si−OH基)を生成させる加水分解反応と、2つのアルコキシシラン化合物の分子から生成したシラノール基同士が結合してSi−O−Si結合を生成させる縮合反応とを促進する触媒である。
上記加水分解・縮合触媒としては、無機酸、有機酸、有機金属化合物及びアルカリ化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
上記無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等が挙げられる。
上記有機酸としては、ギ酸、酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロ安息香酸、ヘキサフロログルタール酸、オクタフロロアジピン酸、マレイン酸、フタル酸、フマル酸、マロン酸、コハク酸、クエン酸等が挙げられる。
上記有機金属化合物としては、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、チタンアセチルアセトナート、アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、ジイソプロポキシ(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズオクチレート等が挙げられる。
上記アルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、アンモニア水、アンモニア塩、アルキルアミン等が挙げられる。
上記加水分解・縮合触媒としては、なかでも、無機酸であることがより好ましく、塩酸、硫酸及び硝酸からなる群より選択される少なくとも1種であることが更に好ましい。
本発明の組成物は、上記加水分解・縮合触媒を、上記アルコキシシラン化合物に対して0.01〜1質量%含むことが好ましい。上記加水分解・縮合触媒の含有量は、上記アルコキシシラン化合物に対して0.015質量%以上であることがより好ましく、0.020質量%以上であることが更に好ましく、5質量%以下であることがより好ましく、2質量%以下であることが更に好ましい。
本発明の組成物は、含フッ素ポリマー、アルコキシシラン化合物、溶媒及び上記加水分解・縮合触媒のみからなるものであってもよい。
本発明の組成物は、充填剤、硬化剤、硬化促進剤、硬化遅延剤、顔料、顔料分散剤、消泡剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤、増粘剤、密着改良剤、つや消し剤、防腐剤、酸化防止剤等の他の成分を含むものであってもよい。上記充填剤としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、天然繊維、有機繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、セラミックスファイバー、セラミックビーズ、アスベスト、ワラステナイト、タルク、クレイ、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、ドロマイト、カオリン、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、珪酸アルミニウム、酸化ケイ素、石膏、ノバキュライト、ドーソナイト、白土等が挙げられる。
本発明の組成物は、上記他の成分の含有量が、含フッ素ポリマーに対して0〜30質量%であることが好ましい。上記他の成分の含有量は、含フッ素ポリマーに対して25質量%以下であることがより好ましく、20質量%以下であることが更に好ましく、また、0.1質量%超であってよい。
本発明の組成物は、含フッ素ポリマー、アルコキシシラン化合物、溶媒、加水分解・縮合触媒及び上記他の成分のみからなるものであってもよい。
本発明の組成物を硬化させることによって硬化物を得ることができる。得られる硬化物は、透明性に優れる。また、硬化物の柔軟性を容易に制御できることから、硬化物の優れた透明性を維持しながら、優れた柔軟性を有するものとすることができる。更に、本発明の組成物は、得られる硬化物を耐熱性が優れたものとすることができる。上記硬化は、本発明の組成物から溶媒を除去することにより行うことができる。硬化に必要な温度は、通常、40〜200℃であり、硬化に必要な時間は、通常、1〜100時間である。上記硬化物は、膜、フィルム等の如何なる形状にも成形することができる。
本発明の組成物は、塗料として使用できる。本発明の組成物は、公知の方法により、基材に適用することができる。基材への適用方法としては、ナイフコーティング法、ロールコーティング法、グラビアコーティング法、ブレードコーティング法、リバース法、ロッドコーティング法、エアドクタコーティング法、カーテンコーティング法、ファクンランコーティング法、キスコーティング法、スクリーンコーティング法、スピンコーティング法、スプレーコーティング法、押出コーティング法、マイクログラビアコート法、フローコート法、バーコート法、ダイコート法、ディップコート法等が採用できる。
上記組成物から得られ、ヘイズ値が20%以下であることを特徴とするフィルムも本発明の一つである。上記ヘイズ値は、18%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることが更に好ましい。下限は特に限定されないが、0%とすることができる。
上記ヘイズ値は、ヘイズメーターを用いてASTM D1003に従い、測定を行うことにより得られる。
上記フィルムは、上記組成物を基材に適用することにより塗膜を形成した後、溶媒を除去することにより製造することができる。溶媒を除去した後、フィルムを基材から剥がして回収してもよい。溶媒は、炭素数が1〜5のアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール、プロパノール及びブタノールからなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。また、炭素数1〜3のアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロパノール及びプロパノールからなる群より選択される少なくとも1種が更に好ましい。
上記フィルムにおいて、含フッ素ポリマーが、フルオロモノマー/N−ビニル−ラクタム化合物共重合体、フルオロモノマー/ポリオキシアルキレンビニルエーテル共重合体、フルオロモノマー/水酸基含有アルキルビニルエーテル共重合体及び、フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが、フィルム作成の簡便さの点から好ましく、より好ましくは、フルオロモノマー/N−ビニル−ラクタム化合物共重合体、フルオロモノマー/ポリオキシアルキレンビニルエーテル共重合体、及び、フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であり、特に好ましくは、フルオロモノマー/N−ビニル−ラクタム化合物共重合体、及び、フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である。
本発明の組成物は、種々の用途に使用することができる。本発明の組成物は、光学レンズ用材料、光ディスク基板用材料、導光板用材料、光学フィルム用材料、太陽電池フロントシート用材料、太陽電池バックシート用材料、薬包用材料、ブリスターパッケージ用材料、農業用ビニールフィルム用材料、有機EL封止材用材料、フレキシブルプリント基板用材料、ガスバリヤフィルム用材料、ガス分離積層フィルム用材料として、好適に利用できる。
上記硬化物及びフィルムは、種々の用途に使用することができる。上記硬化物又はフィルムとしては、光学レンズ、光ディスク基板、導光板、光学フィルム、太陽電池用フロントシート、太陽電池用バックシート、薬包、ブリスターパッケージ、農業用ビニールフィルム、有機EL封止材、フレキシブルプリント基板、ガスバリヤフィルム、ガス分離積層フィルム等が挙げられる。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
ヘイズ値
ヘイズメーターを用いて、実施例及び比較例で得られたフィルムを測定した。フィルム外観の評価は、ヘイズ値が20.0%以下である場合を透明、20.0%を超える場合を不透明とした。
共重合体の構造および組成
H NMRおよび19F NMR測定より同定、算出した。溶媒は重アセトンを用いた(標準物質:テトラメチルシラン)。
共重合体の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)
DMF溶媒のゲルろ過クロマトグラフィー(GPC)測定(ポリスチレン換算)により行った。
共重合体のフッ素含有率
酸素フラスコ燃焼法により試料10mgを燃焼し、分解ガスを脱イオン水20mlに吸収させ、吸収液中のフッ素イオン濃度をフッ素選択電極法で測定することにより求めた。
共重合体の水酸基価
含フッ素ポリマーの重量と元素分析より求めた−OH基のモル数より計算にて求めた。
実施例及び比較例で使用した含フッ素ポリマー、アルコキシシラン化合物、溶媒、加水分解・縮合触媒は下記に示す通りである。
〔含フッ素ポリマー〕
(1)TFEVP:テトラフルオロエチレン(TFE)/ビニルピロリドン(VP)共重合体(TFE/VP=50:50(モル比)、水酸基価0.0mgKOH/g、フッ素含有率36質量%、重量平均分子量6.4万)
(TFEVPの調製)
気密検査済みの耐圧性反応容器内を十分に窒素置換した後、脱酸素処理したアセトン(752g)及びN−ビニルピロリドン(27.2g)を添加した。続いてテトラフルオロエチレン(100g)を加圧添加し、攪拌しながら混合物の内温を60℃となる様に調整した上で、t-ブチルパーオキシピバレートを加えて反応を開始した。反応開始から35分後、残存するテトラフルオロエチレンを除去し、精製、乾燥することでTFEVPを15g得た。TFEVPの重量平均分子量は6.4×10、分子量分布は1.9であった。
(2)TFEHBVE:TFE/CH=CHOCOH共重合体(テトラフルオロエチレン/CH=CHOCOH=58:42(モル比)、水酸基価240.0mgKOH/g、フッ素含有率41.3質量%、重量平均分子量4.2万)
(3)TFEVE:TFE/CH=CH(OCHCHOCH共重合体(テトラフルオロエチレン/CH=CH(OCHCHOCH=51:49(モル比)、水酸基価0.0mgKOH/g、フッ素含有率26.9質量%、重量平均分子量4.2万)
上記含フッ素ポリマーは全て、メタノール、エタノールに可溶であった。
〔アルコキシシラン化合物〕
・TEOS:テトラエトキシシラン
・シリケート51:メチルシリケート(コルコート(株)製)
・MeSi(OEt):モノメチルトリエトキシシラン
〔溶媒〕
・MeOH:メタノール
・EtOH:エタノール
・エチレングリコールジメチルエーテル
〔加水分解・縮合触媒〕
・0.1M HCl
・シュウ酸/ジエチレングリコールジメチルエーテル(シュウ酸二水和物29.9mg/ジエチレングリコールジメチルエーテル10.0g溶液)
実施例1〜12及び比較例1〜3
含フッ素ポリマーを溶媒に溶解させ、アルコキシシラン化合物及び加水分解触媒(酸)を加えて、所定の時間撹拌した。透明の溶液をアルミカップにあけ、所定の温度で縮合反応を行い、溶媒を除去してフィルムを得た。
使用した含フッ素ポリマー、アルコキシシラン化合物等の種類及び量は下記表1〜3に記載する通りである。
Figure 2016166288
Figure 2016166288
Figure 2016166288

Claims (8)

  1. 含フッ素ポリマー、アルコキシシラン化合物及び溶媒を含む組成物であって、
    前記含フッ素ポリマーは、フッ素含有率が50質量%以下であり、水酸基価が44.9mgKOH/g以下であり、炭素数1〜3のアルコールの少なくとも1種に可溶である
    ことを特徴とする組成物。
  2. 溶媒は、アルコール、ケトン、ニトリル、アミド及びエーテルからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1記載の組成物。
  3. 溶媒は、アルコールである請求項1又は2記載の組成物。
  4. 更に、加水分解・縮合触媒を含む請求項1、2又は3記載の組成物。
  5. 含フッ素ポリマーは、フルオロモノマーと親水性部位含有単量体との共重合体であって、フルオロモノマー単位と親水性部位含有単量体単位とのモル比が25/75〜75/25である請求項1、2、3又は4記載の組成物。
  6. 含フッ素ポリマーは、フルオロモノマー/N−ビニル−ラクタム化合物共重合体、フルオロモノマー/ポリオキシアルキレンビニルエーテル共重合体、及び、フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1、2、3、4又は5記載の組成物。
  7. 請求項1、2、3、4、5又は6記載の組成物から得られ、ヘイズ値が20%以下であることを特徴とするフィルム。
  8. 含フッ素ポリマーは、フルオロモノマー/N−ビニル−ラクタム化合物共重合体、及び、フルオロモノマー/ビニルアルコール共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である請求項7記載のフィルム。
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