JP2015074746A - 離型フィルム - Google Patents

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秀人 中川
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Abstract

【課題】フッ素樹脂を構成成分として含有しつつ、薄膜化が可能な離型フィルムを提供する。
【解決手段】官能基Xを含有するフッ素樹脂(A)、並びに、離型成分(B)及び硬化剤(C)の少なくとも一方を含む組成物から形成された塗膜のみからなる離型フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、離型フィルムに関する。
離型フィルムは、各種製品の製造工程における傷つきや汚れの付着を防ぐことを目的として、広く使用されている。中でも、プリント配線基板の製造工程においては、熱硬化型接着剤によってカバーレイフィルムを基板表面に熱プレス接着する際に、カバーレイフィルムとプレス熱板とが接着するのを防止したり、プリント配線基板を同時に複数製造する際に、プリント配線基板同士が接着するのを防止したりする目的で使用される。
従来より、離型フィルムには、シリコーン塗布ポリエステルフィルムが多く用いられてきたが、近年では、新たな素材として、フッ素樹脂をポリエステルフィルムにコーティングした離型フィルムが提案されつつある。しかし、フッ素樹脂は基材フィルムに対する接着性が乏しく、実用性のある離型フィルムを製造することは困難であった。
そのような中で、フッ素樹脂をコーティング剤としつつ、基材フィルムとの密着性に優れる離型フィルムとして、特定の構造を有するフルオロオレフィン、特定の構造を有するシクロヘキシル基含有アクリル酸エステル、及び、特定の構造を有する水酸基含有ビニルエーテルを構成成分とする含フッ素ポリマーを用いたフッ素樹脂コートポリエステルフィルム(例えば、特許文献1参照。)や、ポリエステルフィルムに、フッ素含有樹脂とポリアルキレングリコール鎖を含有するブロックイソシアネート架橋剤とを必須成分として含む塗布液を塗布して得られる熱プレス成型用離型ポリエステルフィルム(例えば、特許文献2参照。)が報告されている。
しかしながら、実用上は、離型フィルムをより使い勝手の良いものとするため、薄膜化する等の設計の改善を求める声があり、更なる検討が必要とされている。
特開2003−261702号公報 特開2008−162222号公報
本発明の目的は、上記現状に鑑み、フッ素樹脂を構成成分として含有しつつ、薄膜化が可能な離型フィルムを提供することにある。
本発明は、官能基Xを含有するフッ素樹脂(A)、並びに、離型成分(B)及び硬化剤(C)の少なくとも一方を含む組成物から形成された塗膜のみからなる離型フィルムである。
上記フッ素樹脂(A)の官能基Xは、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、カルボニル基、ニトリル基、及び、加水分解性アルキルシリケート残基からなる群より選択される少なくとも一つの官能基であることが好ましい。
上記離型成分(B)は、液状のポリジアルキルシロキサン(B1)、及び、液状のフルオロポリエーテル(B2)からなる群より選択される少なくとも一つの成分であることが好ましい。
上記ポリジアルキルシロキサン(B1)は、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、チオール基、−(CO)−(CO)(Rは、炭素数1〜8のアルキル基を表す。a及びbは、同一又は異なって、1〜40のいずれかの整数を表す。)、及び、加水分解性アルキルシリケート残基からなる群より選択される少なくとも一つの官能基Yを含有することが好ましい。
上記フルオロポリエーテル(B2)は、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、チオール基、ニトリル基、ヨウ素原子、及び、加水分解性アルキルシリケート残基からなる群より選択される少なくとも一つの官能基Yを含有することが好ましい。
上記硬化剤(C)は、イソシアネート化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、有機酸、ヒドラジド化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、−Si(OR(Rは、炭素数1〜10の非フッ素化炭化水素基を表す。)を含有する化合物、RSi(OR(R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜10の非フッ素化炭化水素基を表す。)を含有する化合物、これらの単独縮合オリゴマー、及び、これらの共縮合オリゴマーからなる群より選択される少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
上記離型成分(B)は、離型性を向上させるために用いられるが、上記フッ素樹脂(A)及び上記硬化剤(C)のみで充分な離型性が得られる場合は、必ずしも必要ではない。
上記硬化剤(C)は、上記フッ素樹脂(A)と上記離型成分(B)とを結合させるために用いられるが、上記フッ素樹脂(A)及び上記離型成分(B)のみで硬化反応が生じる場合は、必ずしも必要ではない。
本発明の離型フィルムは、上記組成物から形成された塗膜のみからなる単層フィルムともいえる。上記塗膜は、上記組成物を離型用基材に塗布し、乾燥又は硬化させた後、離型用基材から引き剥がすことにより得られるフィルムであってもよい。
本発明の離型フィルムの厚みは、5〜25μmであることが好ましい。
本発明の離型フィルムは、フッ素樹脂を構成成分として含有しつつ、薄膜化が可能である。
本発明の離型フィルムは、例えば、フレキシブルプリント配線基板等の電子基板の製造時における回路部の保護フィルムとして好適に使用される。また、半導体封止材料又は発光ダイオード封止材料のモールド成形において、封止材料とモールド成形機の金型との間に挟み込み、封止材料と金型とを離型するためのモールド成形用離型フィルムとしても使用することができる。
本発明の離型フィルムは、所定の成分を含む組成物から形成された塗膜のみからなる。
本発明の離型フィルムの塗膜を形成するための組成物は、官能基Xを有するフッ素樹脂(A)を含むこと、並びに、離型成分(B)及び硬化剤(C)の少なくとも一方を含むことを必須とする。これら全てを含む場合は、フッ素樹脂(A)が有する官能基と、離型成分(B)とを、硬化剤(C)を介して又は直接縮合して化学的に結合させ、離型成分(B)を、得られる塗膜の一方の表面付近に高濃度で偏在させることにより、更に優れた離型性が発揮される。
上記組成物に含まれる離型成分(B)の好適なものとしては、液状のポリジアルキルシロキサン(B1)、及び、液状のフルオロポリエーテル(B2)が挙げられる。ここでの「液状」とは、室温(25℃)において流動性を持つものをいう。
まず、ポリジアルキルシロキサン(B1)について詳しく説明する。
ポリジアルキルシロキサン(B1)とは、同一のジアルキルシロキサンが2個以上縮合したオリゴマー、又は、異なるジアルキルシロキサンが2個以上縮合したコオリゴマーのことをいう。縮合するジアルキルシロキサンの数は、好ましくは10個以上である。また、縮合するジアルキルシロキサンの数は、好ましくは10000個以下、より好ましくは1000個以下である。
ポリジアルキルシロキサン(B1)は、官能基Yとして、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、チオール基、−(CO)−(CO)(Rは炭素数1〜8のアルキル基を表す。a及びbは、同一又は異なって、1〜40のいずれかの整数を表す。)、及び、加水分解性アルキルシリケート残基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基を含有することが好ましく、より好ましくは1000個以下含有する化合物である。
加水分解性アルキルシリケート残基としては、−SiR 3−m(OR(式中、Rは炭素数1〜18の非加水分解性の炭化水素基を表し、一部又は全部の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよい。Rは炭素数1〜18の炭化水素基を表す。mは1〜3のいずれかの整数である。)で示されるケイ素含有官能基が好ましい。
としては、例えば、メチル基、エチル基、及び、プロピル基が挙げられる。
としては、例えば、メチル基、エチル基、及び、プロピル基が挙げられ、加水分解性に優れる点からメチル基が好ましい。
mとしては、加水分解性に優れる点から3であることが好ましい。
官能基Y含有ポリジアルキルシロキサン(B1)としては、具体的には、下記式(1):
Figure 2015074746
(式中、R、R、R、R10、R11及びR12は、同一又は異なって、炭素数1〜8のアルキル基、Rf基(Rf基は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数1〜18のフルオロアルキル基を表し、官能基Yを有していてもよく、互いに隣接しない限り、炭素原子間に酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。)、又は、−R13−Y(R13は、炭素数0〜14の2価の炭化水素基を表し、互いに隣接しない限り、炭素原子間に酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよい。)を表し、少なくとも1つは官能基Yを含む。lは1〜10000のいずれかの整数を表す。mは1〜1000のいずれかの整数を表す。nは0〜10000のいずれかの整数を表す。)で示される化合物が例示できる。
、R、R、R10、R11及びR12はいずれも、非加水分解性の基である。好ましい具体例としては、CH、C、C等の官能基Yを有しないアルキル基;Y−CH−、Y−CHCH−、Y−CHCHCH−等の官能基Y含有アルキル基;−CH−Rf、−CHCH−Rf(Rfは、炭素数1〜18のフルオロアルキル基を表す。フッ素原子の数は特に限定されない。)等の官能基Yを有しない含フッ素アルキル基;−CH−Rf、−CHCH−Rf、−CHCHCH−Rf(Rfは、官能基Yを有する炭素数1〜18のフルオロアルキル基を表す。フッ素原子の数は特に限定されない。)等の官能基Yを有する含フッ素アルキル基等が挙げられる。
Rfの具体例としては、以下のものが挙げられる。
官能基Yを有さないフルオロアルキル基:
−、C17−、C19−、CSON(CH)C−、CN(CH)C−等
官能基Yを有さないフルオロエーテル基:
CFOCFCFO−C−、CF(CFCFO)−C−、CFO(CFO)(CFCFO)−、CFCFCFO(CFCFCFO)−、F−(CO)−(CO)−等
Rfの具体例としては、以下のものが挙げられる。
官能基Yを有するフルオロアルキル基:
OHCCFCFCFCF−、HOOCCFCFCFCF−等
官能基Yを有するフルオロエーテル基:
HOCHCFO(CF2CFO)−C−、HOOCCFO(CFCFO)−、C−等
撥水撥油性に優れる点から、これらのうち少なくとも1つは、官能基Yを有さないフルオロアルキル基又はフルオロエーテル基であることが好ましい。
官能基Yとしては上記のものが挙げられるが、次のような形で結合していることが好ましい。
Figure 2015074746
(式中、Rは上記と同じである。R14は炭素数0〜8のアルキレン基を表す。R15は炭素数0〜8のアルキレン基を表す。a及びbは正の整数を表す。)
官能基Y含有ポリジアルキルシロキサン(B1)の具体例を官能基Yの種類別に市販品で例示すると、以下のようになる。
官能基Yが−OH:
サイラプレーンFM−4421、FM−0421、FM−0411、FM−0425、FM−DA11、FM−DA21等(以上、チッソ(株)製);
KF−6001、KF−6002、X−22−4015、X−22−176DX等(以上、信越化学工業(株)製)
官能基Yが−NH、又は、−R14−NH−R15−NH(式中、R14及びR15は上記と同じ。):
サイラプレーンFM−3321、FM−3311、FM−3325等(以上、チッソ(株)製);
KF−860、KF−861、KF−865、KF−8002、X−22−161B等(以上、信越化学工業(株)製);
FZ−3501、FZ−3789、FZ−3508、FZ−3705、FZ−4678、FZ−4671、FZ−4658等(以上、日本ユニカー(株)製)
官能基Yがエポキシ基:
サイラプレーンFM−0521、FM−5521、FM−0511、FM−0525等(以上、チッソ(株)製);
KF−101、X−22−163B、X−22−169B等(以上、信越化学工業(株)製);
L−9300、FZ−3736、FZ−3720、LE−9300、FZ−315等(以上、日本ユニカー(株)製)
官能基Yが−COOH:
X−22−162C、X−22−3701E等(以上、信越化学工業(株)製);
FZ−3703等(以上、日本ユニカー(株)製)
官能基Yが−SH:
KF−2001、X−22−167B等(以上、信越化学工業(株)製)
官能基Yが−(CO)(CO)(式中、Rは上記と同じ。):
KF−353、KF−355A、KF−6015等(以上、信越化学工業(株)製)
次に、フルオロポリエーテル(B2)について詳しく説明する。
フルオロポリエーテル(B2)は、水酸基、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、チオール基、ニトリル基、ヨウ素原子、及び、加水分解性アルキルシリケート残基からなる群より選択される少なくとも1つの官能基Yを含有することが好ましい。
加水分解性アルキルシリケート残基としては、上記ポリジアルキルシロキサン(B1)において説明したものと同じものが好ましい。
官能基Y含有フルオロポリエーテル(B2)としては、下記式(2):
Figure 2015074746
(式中、R16はH、炭素数1〜8のアルキル基、F、又は、C2q+1O−(qは1〜5のいずれかの整数を表す。)を表す。Yは上記のとおりである。l、m、n、p及びrは、同一又は異なって、0〜200のいずれかの整数を表し、全てがゼロになることはない。)で示される化合物が好ましい。
16としては、H;F;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜8の非フッ素化アルキル基;CF、C等の炭素数1〜15のパーフルオロアルキル基;Y−(CH−C2qO−(qは1〜5のいずれかの整数を表す。sは0〜200のいずれかの整数を表す。Yは上記のとおりである。)等のパーフルオロアルコキシ基等が挙げられ、撥水撥油性に優れる点から特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
官能基Yとしては上記のものが挙げられるが、次のような形で結合していることが好ましい。
Figure 2015074746
(式中、R15は上記と同じである。R17及びR18は、同一又は異なって、炭素数1〜4のアルキル基を表す。R19としては下記のもの:
Figure 2015074746
が挙げられる。)
官能基Y含有フルオロポリエーテル(B2)の具体的なオリゴマーを官能基Yの種類別に例示すると、以下のようになる。
官能基Yが−OH:
F(CO)CFCFCHOH(nは10〜14のいずれかの整数である。)、OHCHCFO(CFCFO)−(CFO)−CFCHOH(nの平均は25であり、mの平均は5である。)等
官能基Yが−NH、又は、−NH−R15−NH
F(CO)CFCFCHNH(nの平均は12である。)等
官能基Yがエポキシ基:
Figure 2015074746
(nの平均は16である。)等
官能基Yが−COOH:
F(CO)CFCFCOOH(nの平均は25である。)等
官能基Yが−I(ヨウ素):
F(CO)CFCFI(nの平均は10である。)等
そのほか、米国特許第5,279,820号明細書に記載されたものも使用できる。
フッ素樹脂(A)が有する官能基Xとしては、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、カルボニル基、ニトリル基、及び、加水分解性アルキルシリケート残基からなる群より選択される少なくとも一つの官能基が好ましく挙げられる。
これらのうち、離型成分(B)の官能基Y又はYとの反応性に優れる点、イソシアネート化合物等の硬化剤(C)との反応性が良好な点、更に、密着性が改善できる点から、水酸基又は加水分解性アルキルシリケート残基が特に好ましい。
官能基X含有フッ素樹脂(A)には、次のような形態が含まれる。
(I)フルオロオレフィンと官能基X含有非フッ素化単量体との共重合体、
(II)官能基X含有フルオロオレフィンと官能基Xを有しないフルオロオレフィンとの共重合体、
(III)2種以上の樹脂をブレンドして調製した官能基X含有フッ素樹脂ブレンド物、
(IV)フッ素樹脂粒子に、更に官能基X含有非フッ素化単量体をシード重合した複合化樹脂(シード重合体)。
フルオロオレフィンとしては、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン(VdF)、フッ化ビニル等が挙げられる。
また、官能基X含有フルオロオレフィンとしては、次のものが例示できる。
(i)CF=CF(CF
(ZはSOM又はCOOM(MはH、NH又はアルカリ金属を表す。)を表す。aは1〜10のいずれかの整数である。)
具体例としては、CF=CFCF−COOH等が挙げられる。
(ii)CF=CF(CFCF(CF))−Z
(ZはSOM又はCOOM(MはH、NH又はアルカリ金属を表す。)を表す。bは1〜5のいずれかの整数である。)
具体例としては、CF=CFCFCF(CF)−COOH、CF=CF(CFCF(CF))−COONH等が挙げられる。
(iii)CF=CF−O−(CFRf−Z
(RfはF又はCFを表す。ZはSOM又はCOOM(MはH、NH又はアルカリ金属を表す。)を表す。cは1〜10のいずれかの整数である。)
具体例としては、CF=CF−O−CFCFCFCOOH等が挙げられる。
(iv)CF=CF−O−(CFCFRfO)−Z
(RfはF又はCFを表す。ZはSOM又はCOOM(MはH、NH又はアルカリ金属を表す。)を表す。dは1〜10のいずれかの整数である。)
具体例としては、CF=CF−O−CFCF(CF)OCFCFCOOH、CF=CF−O−CFCF(CF)OCFCFSOH等が挙げられる。
(v)CH=CFCF−O−(CF(CF)CFO)−CF(CF)−Z
(ZはSOM又はCOOM(MはH、NH又はアルカリ金属)を表す。eは0〜10のいずれかの整数である。)
具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2015074746
(vi)CF=CFCF−O−(CF(CF)CFO)−CF(CF)−Z
(ZはSOM又はCOOM(MはH、NH又はアルカリ金属)を表す。fは1〜10のいずれかの整数である。)
具体例としては、CF=CFCFO−CF(CF)CFO−CF(CF)COOH、CF=CFCFO−CF(CF)CFO−CF(CF)SOH等が挙げられる。
官能基X含有非フッ素化単量体のうち水酸基含有非フッ素化単量体としては、下記式(3):
Figure 2015074746
(式中、R20は−OR21又はCHOR21(R21は水酸基を有するアルキル基を表す。)を表す。)で表されるヒドロキシアルキルビニルエーテル又はヒドロキシアリルエーテルが挙げられる。
21としては、例えば、炭素数1〜8の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基に1〜3個の水酸基が結合したものが挙げられ、好ましくは1個の水酸基が結合したものである。
21の具体例としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシ−2−メチルブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等が挙げられる。そのほか、アリルアルコール等も例示できる。
加水分解性アルキルシリケート残基含有の非フッ素化単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン等のビニルアルコキシシラン類;トリメトキシシリルエチルビニルエーテル;トリエトキシシリルエチルビニルエーテル;トリエトキシシリルプロピルビニルエーテル;トリイソプロペニルオキシシリルエチルビニルエーテル;γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等が例示できる。
カルボキシル基含有非フッ素化単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、クロトン酸、桂皮酸、3−アリルオキシプロピオン酸、イタコン酸、イタコン酸モノエステル、イタコン酸無水物、コハク酸無水物、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、マレイン酸無水物、フマル酸、フマル酸モノエステル、フタル酸ビニル、ピロメリット酸ビニル、3−アリルオキシプロピオン酸等のカルボキシル基含有単量体が挙げられる。
その他の官能基X含有非フッ素化単量体としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、エポキシビニル、エポキシビニルエーテル等のエポキシ基含有単量体;ジアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等のアミノ基含有単量体;(メタ)アクリロニトリル等のニトリル基含有単量体;アクロレイン、ビニルエチルケトン、ジアセトンアクリルアミド等のカルボニル基含有単量体等が例示できる。
また、上記の官能基Xを有しない単量体を共単量体として使用してもよい。例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のα−オレフィン類;エチルビニルエーテル(EVE)、シクロヘキシルビニルエーテル(CHVE)、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、ポリオキシエチレンビニルエーテル等のビニルエーテル類;ポリオキシエチレンアリルエーテル、エチルアリルエーテル、アリルエーテル等のアルケニル類;酢酸ビニル、乳酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、飽和カルボン酸ビニル(例えば、シェル化学社製のベオバ9及びベオバ10)等のビニルエステル類;マレイン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸ジエステル類;メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物等が使用できる。
上記(I)の形態の共重合体のうち、水酸基含有共重合体としては、上記フルオロオレフィンと、水酸基含有単量体と、要すればこれらの単量体と共重合可能な単量体との共重合体が挙げられる。水酸基含有単量体の代表例はヒドロキシブチルビニルエーテルであり、カルボキシル基含有単量体の代表例はマレイン酸である。他の共単量体としては、アルキルビニルエステル類、アルキルビニルエーテル類、エチレン、プロピレン、イソブテン等のオレフィン類、(メタ)アクリレート類、スチレン等が挙げられる。
具体的には、特公昭60−21686号、特開平3−121107号、特開平4−279612号、特開平4−28707号、特開平2−232221号等の各公報に記載されているようなものが挙げられる。上記共重合体の数平均分子量(GPCによる)は、1000〜100000であることが好ましく、1500〜30000であることがより好ましい。上記数平均分子量が1000未満であれば硬化性又は耐候性が不充分になる傾向があり、100000を超えると作業性又はフィルム形成性に問題が生じる傾向がある。
より具体的には、TFE/アルキルビニルエーテル/HBVE系共重合体、CTFE/アルキルビニルエーテル/HBVE系共重合体、TFE/アルキルビニルエーテル/マレイン酸系共重合体、CTFE/アルキルビニルエーテル/マレイン酸系共重合体等が挙げられる。
上記共重合体の水酸基価としては、10〜300(mgKOH/g)が好ましく、10〜200(mgKOH/g)がより好ましく、10〜150(mgKOH/g)が更に好ましい。上記水酸基価が少なくなると硬化不良になりやすい傾向があり、200(mgKOH/g)を超えるとフィルムの可撓性に問題が生じる傾向がある。
上記共重合体の酸価としては、0.5〜100(mgKOH/g)が好ましく、0.5〜50(mgKOH/g)がより好ましい。上記酸価が少なくなると硬化不良となりやすい傾向があり、100(mgKOH/g)を超えるとフィルムの可撓性に問題が生じる傾向がある。
上記共重合体の市販品としては、ダイキン工業(株)製のゼッフル、旭硝子(株)製のルミフロン、セントラル硝子(株)製のセフラルコート、大日本インキ化学工業(株)製のフルオネート、東亜合成(株)製のザフロン等が挙げられる。
官能基含有含フッ素共重合体(I)のうち、官能基として加水分解性アルキルシリケート残基を有するフルオロオレフィン樹脂としては、例えば、特開平4−4246号公報に記載されているようなものが挙げられる。上記共重合体の数平均分子量(GPCによる)は、1000〜100000であることが好ましく、1500〜30000であることがより好ましい。上記数平均分子量が1000未満であれば硬化性又は耐候性が不充分になる傾向があり、100000を超えると、作業性又はフィルム形成性に問題が生じる傾向がある。
より具体的には、TFE/ビニルメトキシシランを含む共重合体、TFE/トリメトキシシリルエチルビニルエーテルを含む共重合体等が挙げられる。
上記共重合体の加水分解性アルキルシリケート残基の含有量としては、1〜50モル%が好ましく、より好ましくは5〜40モル%である。上記加水分解性アルキルシリケート残基が少なくなると硬化不良になりやすい傾向があり、多くなりすぎるとフィルムの可撓性に問題が生じる傾向がある。
共重合体(I)の他の例としては、CTFE/エチルビニルエーテル/2−ヒドロキシブチルビニルエーテル系共重合体、TFE/シクロヘキシルビニルエーテル/ベオバ10/クロトン酸系共重合体等が挙げられる。
共重合体(II)の例としては、TFE/HFP/上記式(i)〜(vi)で示される官能基X含有含フッ素単量体系共重合体等が挙げられる。
官能基X含有含フッ素単量体系共重合体は、フッ素含有率が比較的高いものが、離型性、耐候性等が良好で、屈折率が低い点から好ましい。好ましくはフッ素含有率が10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。上限は各樹脂の水素原子を全てフッ素原子に置き換えたパーフルオロ樹脂のフッ素含有率である。
また、官能基X含有含フッ素単量体系共重合体は、屈折率が低い方が透明性に優れ、鮮明度が向上する点で好ましい。好ましくは、屈折率は1.6以下であり、より好ましくは1.5以下である。また、好ましくは、屈折率は1.3以上である。
ブレンド物(III)としては、共重合体(I)又は(II)同士のブレンド物、共重合体(I)又は(II)と官能基X含有非フッ素化樹脂とのブレンド物、共重合体(I)又は(II)と官能基Xを含有しない非フッ素化樹脂とのブレンド物、官能基X含有非フッ素化樹脂と官能基Xを含有しないフッ素樹脂とのブレンド物等が挙げられる。
官能基X含有非フッ素化樹脂としては上記官能基X含有単量体の(共)重合体が例示でき、具体的には、アクリルポリオール及びウレタンポリオールが好ましく挙げられる。官能基Xを含有しない非フッ素化樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル等が例示できる。また、官能基Xを含有しないフッ素樹脂としては、VdF単独重合体、VdF/TFE系共重合体、VdF/HFP系共重合体、VdF/CTFE系共重合体、VdF/TFE/CTFE系共重合体、VdF/TFE/HFP系共重合体等のVdF系重合体;TFE/HFP系共重合体;フルオロオレフィンと官能基Xを有しない非フッ素化単量体(例えば、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、α−オレフィン類、又は、ビニル芳香族化合物)との共重合体等が例示できる。
ブレンドの比率は、官能基Xの含有量、フッ素含有量等により適宜選定すればよいが、官能基Xが離型成分(B)、更には硬化剤(C)と充分に反応し得る量となるようにブレンドすることが離型性の持続効果に優れる点から望ましい。
複合化樹脂(シード重合体)(IV)としては、上記官能基Xを有する又は有しないフッ素樹脂の粒子の水性分散液中で、官能基Xを含有する非フッ素化単量体をシード重合して製造されたものが好ましく例示できる。具体的には、VdF系共重合体粒子の水性分散体中で、アクリル酸、メタクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、官能基X含有ビニル化合物等をシード重合して得られる複合化樹脂が好ましい。
以上の官能基X含有フッ素樹脂は、有機溶剤型組成物又は水性分散型組成物の一成分として本発明の離型フィルムの塗膜の形成に利用できるが、特に複合化樹脂は、水性分散型組成物として使用する場合に有用である。これらの詳しい条件については後述する。
以上のように、本発明の離型フィルムの塗膜の形成に用いられる組成物は、官能基Xを含有するフッ素樹脂(A)、並びに、離型成分(B)及び硬化剤(C)の少なくとも一方を本質的に含むものである。
フッ素樹脂(A)100質量部に対する離型成分(B)の配合量は、0.01〜50質量部であることが好ましい。より好ましい下限は0.1質量部であり、より好ましい上限は20質量部である。離型成分(B)が多くなりすぎると成膜性及び耐候性が低下する傾向にあり、少なすぎると撥水撥油性が低下する傾向にある。
フッ素樹脂(A)の官能基Xと離型成分(B)の官能基Y又はYとが、水酸基同士、水酸基とアミノ基、カルボキシル基同士、カルボキシル基とアミノ基、カルボキシル基とエポキシ基、アミノ基同士、又は、エポキシ基同士の場合には特に、更に硬化剤(C)を配合することが好ましい。また、水酸基と加水分解性アルキルシリケート残基の組合せの場合も硬化剤(C)を使用してもよい。
硬化剤(C)の種類は、官能基Xと官能基Y又はYとの組合せに応じて適宜適切なものが選択される。
好ましい硬化剤(C)の具体例としては、イソシアネート化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、有機酸、ヒドラジド化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、Si(OR(Rは炭素数1〜10の非フッ素アルキル基を表す。)を含有する化合物、RSi(OR(R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜10の非フッ素化アルキル基を表す。)を含有する化合物、これらの化合物から形成された単独縮合オリゴマー、及び、これらの化合物から形成された共縮合コオリゴマーなる群から選ばれた少なくとも1種が挙げられる。
硬化剤(C)の配合量は、硬化剤の種類によって適宜調整されるが、好ましくは、フッ素樹脂(A)と離型成分(B)の合計100質量部に対して0〜200質量部である。より好ましい上限は100質量部、更に好ましい上限は80質量部である。また、より好ましい下限は5質量部、更に好ましい下限は10質量部である。
以下、フッ素樹脂(A)と離型成分(B)の官能基の組合せと、その組合せに好適な硬化剤(C)の例を挙げる。
(1)上記フッ素樹脂(A)が有する官能基Xが水酸基であり、離型成分(B)が有する官能基Y又はYが水酸基又はアミノ基である場合、硬化剤(C)としてはイソシアネート化合物が好ましい。
上記イソシアネート化合物にはブロックイソシアネート化合物も含まれる。上記イソシアネート化合物の具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンメチルエステルジイソシアネート、メチルシクロヘキシルジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、n−ペンタン−1,4−ジイソシアネート、これらの三量体、これらのアダクト体、これらのビュウレット体、これらの重合体で2個以上のイソシアネート基を有するもの、リジントリイソシアネート(具体的には2−イソシアナートエチル2,6−ジイソシアナートヘキサノエート等)、ブロック化されたイソシアネート類等が挙げられる。
また、加水分解性アルキルシリケート残基を有するイソシアネート化合物も好ましく使用できる。
加水分解性アルキルシリケート残基としては、ポリジアルキルシロキサン(B1)又はフルオロポリエーテル(B2)において説明したものが好ましく使用される。
加水分解性アルキルシリケート残基を有するイソシアネート化合物の具体例としては、OCNCSi(OCH、OCNCSi(OC、OCNCSi(OCOCH、OCNCSi(CH)(OCH等が挙げられる。
イソシアネート化合物とフッ素樹脂(A)との混合割合はNCO/OH(モル比)で0.5〜5.0が好ましく、0.8〜1.5がより好ましい。また、イソシアネート化合物が湿気硬化タイプの場合は1.1〜1.5が好ましい。
硬化剤(C)としては、イソシアネート化合物に代えて、又は、加えて、Si(OR(Rは炭素数1〜10の非フッ素アルキル基を表す。)、RSi(OR(R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜10の非フッ素アルキル基を表す。)、これらの単独縮合オリゴマー、及び、これらの共縮合オリゴマーよりなる群から選ばれた少なくとも1種を使用することもできる。
これらの4官能又は3官能の非フッ素化アルキルシリケートとしては、例えば、米国特許第5,635,572号明細書等に記載されたものが使用できる。
具体的には、テトラアルコキシシラン、テトラアルコキシシランの縮合物、アルキルトリアルコキシシラン、アルキルトリアルコキシシランの縮合物、ポリシルセスキオキサン、コロイダルシリカ等が挙げられる。
テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、これらの縮合物等が例示され、市販品としては、三菱化学(株)製のMS51、MS56、MS57等、コルコート社製のエチルシリケート28、エチルシリケート40、エチルシリケート48等が使用できる。
ポリシルセスキオキサンとしては、ポリフェニルシルセスキオキサン、ポリメチルシルセスキオキサン、ポリハイドロジェンシルセスキオキサン等が挙げられる。
コロイダルシリカとしては、日産化学(株)製のスノーテックス等が使用できる。
これらのうち、架橋密度が高く強固な被膜が形成できる点から、テトラアルコキシシランの縮合物が好ましい。
このようなシリケート系硬化剤の配合量は、硬化剤の種類によって適宜選択されるが、フッ素樹脂(A)と離型成分(B)の合計100質量部に対して0〜100質量部であることが好ましい。より好ましい上限は50質量部であり、より好ましい下限は10質量部である。
この組合せにおいて使用する水酸基含有フッ素樹脂としては、水酸基価が10mgKOH/g以上、好ましくは50mgKOH/g以上であることが、架橋密度を高めフィルム強度を向上させる点から好ましい。水酸基価の好ましい上限は300mgKOH/g、より好ましくは200mgKOH/gであり、多くなりすぎるとフィルムの可撓性に問題が生ずることがある。
また、水酸基含有フッ素樹脂のフッ素含有率は10質量%以上であることが好ましく、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上であることが、離型性や耐候性を向上させ、屈折率を低下させる点から好ましい。上限は水素原子を全てフッ素原子に置き換えたパーフルオロ樹脂のフッ素含有率である。
また、離型成分(B)の官能基Y又はYとしては、アミノ基であることが、硬化剤(C)として使用するイソシアネート化合物との反応性が良好な点から特に好ましい。
この場合、離型成分(B)のアミノ当量は1000以上であることが好ましい。
アミノ当量とは、数平均分子量10000当たりのアミノ基の個数の指標であり、「(数平均分子量10000)/(数平均分子量10000当たりのアミノ基の個数)」で表される値である。したがって、アミノ当量が大きくなるほど、同一分子量の化合物ではアミノ基の個数が少ないことを示す。
好ましいアミノ当量は、1500以上であり、より好ましくは3000以上であり、更に好ましくは10000以上である。上限は50000である。アミノ当量が少なくなりすぎる(アミノ基の個数が多くなりすぎる)と、水酸基含有フッ素樹脂の水酸基との反応よりイソシアネート化合物との反応が先行して、イソシアネート化合物と離型成分(B)とが複合体を形成し粒子化してフィルム外観を損なうことがある。
ただし、そうした大きな粒子も、例えば50μm孔のメッシュで濾過して取り除けば、フィルム外観を損なうことはない。
(2)上記フッ素樹脂(A)が有する官能基Xがカルボキシル基であり、離型成分(B)が有する官能基Y又はYがカルボキシル基、アミノ基又はエポキシ基である場合、硬化剤(C)としては、アミノ化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物又はカルボジイミド化合物であることが好ましい。
アミノ化合物系硬化剤としては、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、アミンアダクト、ポリアミド等が挙げられる。
市販品としては、日本サイテック(株)製のサイメル;ソルーシア社製のレジメン;エアプロダクツ社製のアンカミン及びエピリンク;ヘンケル社製のバーサミン及びバーサミド;富士化成工業(株)製のトーマイド及びフジキュアー;第一ゼネラル(株)製のバーサミド;ジャパンエポキシレジン(株)製のエピキュアー;三和化学(株)製のサンマイド;味の素(株)製のエポメート等が挙げられる。
エポキシ化合物系硬化剤としては、エポキシ樹脂、エポキシ変性シランカップリング剤等が挙げられ、市販品としてはジャパンエポキシレジン(株)製のエピコート及びエピレック;カードライト社製のカードライト;日本ユニカー(株)製のコートジル1770及びA−187が挙げられる。
アジリジン化合物系硬化剤としては、BF−グッドリッチ社製のXAMA2及びXAMA7等が挙げられる。
カルボジイミド化合物系硬化剤としては、日清紡製のカルボジライト、ユニオンカーバイド社製のUCARLNK Crosslinker XL−29SE等が挙げられる。
(3)上記フッ素樹脂(A)が有する官能基Xがアミノ基であり、離型成分(B)が有する官能基Y又はYがアミノ基又はカルボキシル基である場合、硬化剤(C)としてはエポキシ化合物又は有機酸が好ましい。
エポキシ化合物系硬化剤としては、上記(2)で例示したものが使用できる。
有機酸系硬化剤としては、無水フタル酸、アジピン酸、コハク酸等の多価カルボン酸、ポリアクリル酸等が挙げられる。
(4)上記フッ素樹脂(A)が有する官能基Xがエポキシ基であり、離型成分(B)が有する官能基Y又はYがアミノ基又はエポキシ基である場合、硬化剤(C)としては有機酸又はアミノ化合物が好ましい。
有機酸系硬化剤としては、上記(3)で例示したものが使用できる。
アミノ化合物系硬化剤としては、上記(2)で例示したものが使用できる。
(5)上記フッ素樹脂(A)が有する官能基Xがカルボニル基又はカルボキシル基であり、離型成分(B)が有する官能基Y又はYがアミノ基又はカルボキシル基である場合、硬化剤(C)としてはエポキシ化合物又はヒドラジド化合物が好ましい。
ヒドラジド化合物系硬化剤としては、マロン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、ヒドラジン、マレイン酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド等が挙げられる。
これらのうち、特に好ましい組合せは、反応性及び合成の容易さを考慮すると、上記フッ素樹脂(A)が有する官能基Xが水酸基であり、離型成分(B)が有する官能基Y又はYがアミノ基であり、硬化剤(C)がイソシアネート化合物、特に加水分解性アルキルシリケート残基を有するイソシアネート系硬化剤である。
上記組成物においては、硬化剤(C)に代えて、又は、加えて、硬化触媒(D)を使用してもよい。
特に、フッ素樹脂(A)が加水分解性アルキルシリケート基を有し、離型成分(B)が水酸基若しくは加水分解性アルキルシリケート残基を有する場合、又は、フッ素樹脂(A)が水酸基を有し、離型成分(B)が加水分解性アルキルシリケート残基を有する場合は、硬化剤(C)を特に配合しなくても、フッ素樹脂(A)の官能基Xと離型成分(B)中の官能基Y又はYとが充分に硬化反応を生ずる。
硬化触媒(D)としては、有機スズ化合物、有機酸性リン酸エステル、有機チタネート化合物、酸性リン酸エステルとアミンとの反応物、飽和又は不飽和の多価カルボン酸又はその酸無水物、有機スルホン酸、アミン系化合物、アルミニウムキレート化合物、チタニウムキレート化合物、ジルコニウムキレート化合物等が挙げられる。
上記有機スズ化合物の具体例としては、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート、ジオクチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート等が挙げられる。
上記有機酸性リン酸エステルの具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2015074746
上記有機チタネート化合物としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、トリエタノールアミンチタネート等のチタン酸エステルが挙げられる。
上記アミン系化合物の具体例としては、ブチルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、オレイルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンジアミン、グアニジン、ジフェニルグアニジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、モルホリン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)ウンデセン−7(DBU)等のアミン系化合物、それらのカルボン酸等の塩、過剰のポリアミンと多塩基酸より得られる低分子量ポリアミド樹脂、過剰のポリアミンとエポキシ化合物の反応生成物等が挙げられる。
上記キレート化合物の具体例としては、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトナート)、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセトナート)、ジイソプロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタネート等が挙げられる。
硬化触媒(D)は1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。好ましい硬化触媒(D)としては、有機スズ化合物及びアルミニウムキレート化合物が挙げられる。硬化触媒(D)の配合量は、フッ素樹脂(A)と離型成分(B)と硬化剤(C)の合計100質量部に対して0〜10質量部、好ましくは0.001〜5質量部である。
上記組成物は、有機溶剤を含む有機溶剤型組成物であってもよい。
有機溶剤としては、キシレン、トルエン、ソルベッソ100、ソルベッソ150、ヘキサン等の炭化水素系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸エチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸ジエチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコール、酢酸ジエチレングリコール等のエステル系溶剤;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン系溶剤;N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルアセトアミド、アセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド等のアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホン酸エステル系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール(重合度3〜100)、CFCHOH、F(CFCHOH、(CFCHOH、F(CFCHOH、F(CFOH、H(CFCHOH、H(CFCHOH、H(CFCHOH等のアルコール系溶剤等が挙げられるが、相溶性、フィルム外観、及び、貯蔵安定性の点から低級アルコール、低級フッ素アルコール等のアルコール系溶剤が好ましい。
上記フッ素樹脂(A)とアルコール系溶剤との配合割合については、フッ素樹脂(A)100質量部に対してアルコール系溶剤が1〜50質量部であることが好ましく、硬化性及びフィルム外観の点から1〜25質量部であることがより好ましい。
また、硬化剤が常温硬化型のイソシアネート等のようにアルコールと反応性が高い場合には、アルコールは1〜15質量部であることが更に好ましく、アルコールの種類は2級又は3級アルコールが好ましい。
上記組成物は、水性媒体に各成分が分散した水性分散型組成物であってもよい。
水性分散型組成物である場合、固形分濃度はフィルム化するときの安定性に優れる点から20〜70質量%であることが好ましく、30〜60質量%であることがより好ましい。平均粒子径は水性分散液の安定性に優れる点から50〜300nmであることが好ましく、100〜250nmであることがより好ましい。pHは5〜10の範囲内であることが好ましい。
水性分散型組成物に調製する場合、硬化剤(C)及び硬化触媒(D)も水溶性又は水分散性のものを使用することが好ましい。
水性分散型組成物においても、上記の各種の添加剤を配合することができる。なお、造膜性を向上させるために造膜助剤を配合することが好ましい。造膜助剤としては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、アジピン酸ジエチル、アジピン酸ジブチル等が挙げられ、市販品としては、チッソ(株)製のCS−12、デュポン社製のDBE、DBE−IB等が使用できる。
また、水性分散液の分散安定性を与えるため、界面活性剤を存在させることが好ましい。界面活性剤としては、パーフルオロオクタン酸アンモニウム、パーフルオロノナン酸アンモニウム等のフッ素系界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ソルビタンアルキルエステル等の非イオン性非フッ素系界面活性剤;アルキルスルホン酸ナトリウム、コハク酸ジアルキルエステルスルホン酸ナトリウム等のアニオン性非フッ素系界面活性剤;ラウリルベタイン、ポリオキシエチレンノニルエーテル硫酸ナトリウム等の両性界面活性剤等が例示できる。
上記組成物には、顔料、顔料分散剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤、造膜助剤、紫外線吸収剤、HALS、艶消し剤、フィラー、コロイダルシリカ、防カビ剤、シランカップリング剤、皮張り防止剤、酸化防止剤、難燃剤、垂れ防止剤、帯電防止剤、防錆剤、水溶性樹脂(ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド等)、防腐剤、凍結防止剤等の通常の添加剤を配合することもできる。
上記顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、アルミメタリック顔料、カーボンブラック、焼成顔料、フタロシアニン系顔料、有機顔料、体質顔料等が挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系又はベンゾトリアゾール系の化合物が好適である。
ベンゾフェノン系であれば、より好ましくは、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、又は、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンである。
ベンゾトリアゾール系であれば、より好ましくは、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−5,6−ジクロルベンゾトリアゾール)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロル−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−フェニルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tertブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジtertブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、又は、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tertオクチルフェニル)ベンゾトリアゾールである。
特に好適な紫外線吸収剤は、下記式(4):
Figure 2015074746
(式中、R22及びR23は、同一又は異なって、水素原子、低級アルキル基(好ましくは分岐鎖状の低級アルキル基)、又は、アリール基(好ましくはフェニル基)を表す。Xは、水素原子又はハロゲン原子(好ましくは塩素原子)を表す。)で示されるものである。
上記HALSとしては、BASF(株)製チヌビン−400、479、770、292、622、123、440等が挙げられる。
上記艶消し剤としては、富士シリシア(株)製サイリシア350、380等、サイロホービック200、ヘキストインダストリー(株)製セリダスト#3620、#9615A、#9612A、#3715、#3910等、ヘキストワックスPE520、ホワイトカーボン等が挙げられる。
上記シランカップリング剤としては、メチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−(グリシジルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−トリメトキシシリルプロピルイソシアネート、3−トリエトキシシリルプロピルイソシアネート、メチルトリス(エチルメチルケトオキシム)シラン等が挙げられ、アルキルケトオキシム基及びイソシアネート基の少なくとも一方を含有するものが好ましい。
以下、本発明の離型フィルムの製造方法について詳しく説明する。
上記組成物からなる塗膜(単層フィルム)の作製には、キャスティング法、エアスプレー法、ディッピング法、フローコート法、スピンコート法、ロールコート法等が用いられる。
例えば、エアスプレー法では、配合した組成物をエアスプレーで離型用基材(フィルム、シート、板等)上に塗布し、室温で30分間放置したのち、100℃で30分間程度焼き付けして硬化させ、その後、離型用基材から剥がす方法が簡便である。組成物が放置され乾燥する際に離型成分(B)がフィルムの自由表面付近に高濃度で集まり、その状態で硬化させることにより、一方の表面付近に離型成分(B)が偏在した離型フィルムを形成することができる。
また、フローコート法によれば、配合した組成物をフローコーターで離型用基材上に塗布し、室温で10分間放置したのち、100℃で30分間程度焼き付けして硬化させ、その後、離型用基材から剥がす方法により、一方の表面付近に離型成分(B)が偏在した単層フィルムを形成することができる。
離型用基材上に塗布された組成物を硬化する方法は特に限定されず、加熱、養生、活性エネルギー線照射等の処理を、上記組成物に含まれる成分の種類に応じて適宜選択することが好ましい。
本発明の離型フィルムの厚さとしては、1μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、10μm以上が更に好ましい。また、50μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましく、20μm以下が更に好ましい。
フッ素樹脂を基材フィルム上にコーティングする従来の離型フィルムにおいては、厚みを50μmよりも大きく設計することが通常であったが、本発明により、離型フィルムの薄膜化を実現することができる。
本発明の離型フィルムは、使用時には、接着面側に接着剤が適用されてもよい。接着剤は、離型フィルム及び基材を劣化させない限り特に限定されず、離型フィルムの材質、基材の種類、要求される接着強度等に応じて適宜選定すればよい。
具体的には、アクリル系、酢酸ビニル系、EVA系、エポキシ系、ウレタン系、シアノアクリレート系、ユリア樹脂系、メラミン樹脂系、フェノール系、合成ゴム系、ポリ塩化ビニル系、シリコーン系、イソシアネート系、クロロプレン系、ニトリルゴム系、及び、SBR系の接着剤が例示できる。
上記接着剤は、溶剤型、エマルション型、固形状(例えばホットメルト型)として適用できる。積層フィルムの接着剤層として用いる場合は、離型フィルム基材の表面に接着剤を塗布し又は押し出し、乾燥することにより形成すればよい。
以下に、本発明の離型フィルムを製造した例について説明する。
調整例1
ゼッフルGK−570(ダイキン工業社製;水酸基含有テトラフルオロエチレン共重合体、水酸基価60mgKOH/g、酸価4mgKOH/g、酢酸ブチル溶液、固形分65%;フッ素樹脂(A))の100部に、硬化剤としてスミジュールN−3300(住化バイエル社製のイソシアネート系硬化剤、硬化剤(C))を13部、アミノ基含有シリコーンオイルSF8417(東レ・ダウコーニング社製のアミノ変性シリコーンオイル、離型成分(B))を0.2部、酢酸ブチルを190部加え、よく撹拌して組成物を得た。
調整例2
ゼッフルGK−570(ダイキン工業社製、同上)の100部に、硬化剤としてスミジュールN−3300(住化バイエル社製、同上)を13部、酢酸ブチルを190部加え、よく撹拌して組成物を得た。
実施例1
調整例1で作製した組成物をエアスプレー法によりポリプロピレン製シート(PPシート)に乾燥膜厚が30μmとなる量で塗布し、80℃で20分間乾燥後、40℃で48時間乾燥させた。この硬化フィルムをPPシートから剥離して離型フィルムを得た。
比較例1
調整例2で作製した組成物をエアスプレー法によりポリプロピレン製シート(PPシート)に乾燥膜厚が30μmとなる量で塗布し、80℃で20分間乾燥後、40℃で48時間乾燥させた。この硬化フィルムをPPシートから剥離して離型フィルムを得た。
以上のようにして作製した離型フィルムに対して、以下の試験を行った。
油性インキ汚染試験:
離型フィルムの表面(PPシート剥離面と反対側)に寺西化学工業社製の油性インキ(マジックインキ、内田洋行社の登録商標)の赤色を塗り、24時間放置した後、紙タオルにより空拭きで拭き取り、拭き取れなかった領域の残存率を次の基準で評価した。
A:5%未満
B:5〜15%
C:15%超で30%以下
D:30%超
ラッカー汚染試験:
離型フィルムの表面(PPシート剥離面と反対側)に関西ペイント社製のラッカースプレーの赤色をスプレー塗布し、24時間放置した後、紙タオルにより空拭きで拭き取り、拭き取れなかった領域の残存率を次の基準で評価した。
A:5%未満
B:5〜15%
C:15%超で30%以下
D:30%超
毛染め液汚染試験:
離型フィルムの表面(PPシート剥離面と反対側)に資生堂社製の毛染め液の黒色を刷毛で塗布し、24時間放置した後、紙タオルにより空拭きで拭き取り、拭き取れなかった領域の残存率をつぎの基準で評価した。
A:5%未満
B:5〜15%
C:15%超で30%以下
D:30%超
カレー汚染試験:
離型フィルムの表面(PPシート剥離面と反対側)に大塚食品社製のレトルトカレーをナイフコートし、24時間放置した後、紙タオルにより空拭きで拭き取り、拭き取れなかった領域の残存率をつぎの基準で評価した。
A:5%未満
B:5〜15%
C:15%超で30%以下
D:30%超
テープ剥離試験:
離型フィルムの表面(PPシート剥離面と反対側)に日東電工社製のポリエステル粘着テープNo.31Bを圧着後、20g/cmの荷重をかけ70℃で20時間放置した。30分冷却後、手でゆっくりと剥がし、以下の基準で評価した。
A:ストレスなく剥がれる
B:剥離時に少しストレスを感じる
耐候性試験:
JIS
K5400に準じ、サンシャインウェザーメータ(スガ試験機社製)を用い、500時間の促進耐候性試験を行った後、上記油性インキ汚染試験を行った。
接触角:
自動接触角計Drop Master701(和界面科学社製)を用いて、離型フィルムの表面(PPシート剥離面と反対側)の耐水接触角を測定した。
A:100°以上
B:90〜100°
C:80〜90°
D:80°以下
結果を表1に示す。
Figure 2015074746
以上のように、実施例1で作製した離型フィルムでは、比較例1で作製した離型フィルム及び積層体に対し、耐油性インキ汚染性(耐候性試験後も含む。)、耐ラッカー汚染性、耐毛染め液汚染性、及び、耐カレー汚染性を含む全ての耐汚染性の指標で、同等かそれ以上の優れた結果が得られた。また、実施例1で作製した離型フィルムでは、比較例1で作製した離型フィルムに対し、高い撥水性が得られることがわかった。更に、実施例1で作製した離型フィルムでは、比較例1で作製したフィルムに対し、優れたテープ剥離性が得られることがわかった。
このように、実施例1によれば、離型フィルムとして充分に優れた特性を持つフィルムを薄膜で得ることができた。

Claims (7)

  1. 官能基Xを含有するフッ素樹脂(A)、並びに、離型成分(B)及び硬化剤(C)の少なくとも一方を含む組成物から形成された塗膜のみからなることを特徴とする離型フィルム。
  2. 官能基Xは、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、カルボニル基、ニトリル基、及び、加水分解性アルキルシリケート残基からなる群より選択される少なくとも一つの官能基であることを特徴とする請求項1記載の離型フィルム。
  3. 組成物は、離型成分(B)を含み、
    離型成分(B)は、液状のポリジアルキルシロキサン(B1)、及び、液状のフルオロポリエーテル(B2)からなる群より選択される少なくとも一つの成分であることを特徴とする請求項1又は2記載の離型フィルム。
  4. ポリジアルキルシロキサン(B1)は、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、チオール基、−(CO)−(CO)(Rは、炭素数1〜8のアルキル基を表す。a及びbは、同一又は異なって、1〜40のいずれかの整数を表す。)、及び、加水分解性アルキルシリケート残基からなる群より選択される少なくとも一つの官能基を含有することを特徴とする請求項3記載の離型フィルム。
  5. フルオロポリエーテル(B2)は、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基、チオール基、ニトリル基、ヨウ素原子、及び、加水分解性アルキルシリケート残基からなる群より選択される少なくとも一つの官能基を含有することを特徴とする請求項3記載の離型フィルム。
  6. 組成物は、硬化剤(C)を含み、
    硬化剤(C)は、イソシアネート化合物、アミノ化合物、エポキシ化合物、有機酸、ヒドラジド化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、−Si(OR(Rは、炭素数1〜10の非フッ素化炭化水素基を表す。)を含有する化合物、RSi(OR(R及びRは、同一又は異なって、炭素数1〜10の非フッ素化炭化水素基を表す。)を含有する化合物、これらの単独縮合オリゴマー、及び、これらの共縮合オリゴマーからなる群より選択される少なくとも一つの化合物であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の離型フィルム。
  7. 厚みが5〜25μmであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の離型フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019124490A1 (ja) * 2017-12-20 2019-06-27 Agc株式会社 加飾フィルムおよび加飾フィルム付き3次元成形品の製造方法

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