〔第1実施形態〕
以下、添付図面を参照して、本発明に係る好適な実施形態を詳細に説明する。
<画像形成システム構成>
図1は、本発明の画像処理装置を適用可能なデジタル複合機で構成するシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図1において、304はインターネット通信網である。303はファイアーウォールであり、これによりLAN40内部と外部通信網(インターネット304)とを接続し、セキュリティー管理等を行う。302は機器管理サーバであり、LAN40で接続された各機器10,20,21,301を管理する。301はファイルサーバであり、LAN40で接続された複数のユーザがデータを共有することができる。
10はデジタル複合機であり、主に画像の入出力機能を有する。このデジタル複合機10において、180は操作ユニットであり、ユーザが各種の操作を行うためのものである。140はイメージスキャナであり、操作ユニット180やホストPC20,21からの指示にしたがって画像読み取り処理を行う。120はプリンタであり、ホストPC20,21やファイルサーバ301からのデータを用紙に印刷処理する。
100はコントローラユニットであり、操作ユニット180やホストPC20,21からの指示に基づいてスキャナ140,プリンタ120に対する画像データの入出力の制御を行う。例えば、スキャナ140が取り込んだ画像データをコントローラユニット100内部のメモリに蓄積したり、ホストPC20,21に出力したり、あるいはプリンタ120で印刷するなどの制御を行う。
また、デジタル複合機10は、電源OFFからの起動時、及び省電力モード(スリープモードともいう)からの復帰時に、デジタル複合機10が持っている複数の機能のうちのある機能を優先的に立ち上げる手段を有する。なお、デジタル複合機10が持っている複数の機能とは、本実施形態では、コピー,FAX(ファクシミリ),SCAN(スキャン),プリンタ等とする。
<スキャナ,プリンタ>
図2は、図1に示したデジタル複合機10のスキャナ140,プリンタ120の構成を示す断面図である。
図2に示すように、スキャナ140において、203は原稿台ガラス(以下、プラテン)である。プラテン203上の原稿204は、ランプ205で照射され、ミラー206,207,208によりレンズ209に導かれる。そして、レンズ209によって、集光された光を電気信号に変換する3ラインセンサ(以下、CCD)210上に像を結び、フルカラー情報レツド(R)、グリーン(G),ブルー(B)成分としてコントローラユニット100に送られる。
なお、ランプ205,ミラー206を固定しているキヤリツジは速度「v」で、ミラー207,208は速度「1/2v」でラインセンサの電気的走査(主走査)方向に対して垂直方向に機械的に動くことによって、原稿全面を走査(副走査)する。
読み取られた画像は、コントローラユニット100内のメモリに格納されていく。次にコントローラユニット100は、メモリから再び画像データ(読み取られた画像)を読みだし、電気的に処理し、マゼンタ(M),シアン(C),イエロー(Y),ブラツク(Bk)の各成分に分解し、プリンタ120に送る。
なお、スキャナ140における一回の原稿走査につき、M、C、Y、Bkのうちひとつの成分がプリンタ120に送られ、計4回の原稿走査によって、一回のプリントアウトが完成する。また、スキャナ140には、ドキュメントフィーダ(DF)160が搭載可能である。このドキュメントフィーダ160は、ドキュメントフィーダ160の原稿台に載置された原稿束から順次原稿をスキャナ140に供給する。なお、このドキュメントフィーダ160は、ドキュメントフィーダ160に原稿がセットされたか否かを検知可能なセンサ(不図示)を備えている。
なお、ドキュメントフィーダ160は、原稿台203上に載置された原稿の圧板としての機能も有している。また、スキャナ140は、この圧版(ドキュメントフィーダ160)が開いているか否かを検知可能なセンサ(不図示)を備えている。
スキャナ140よりコントローラユニット100を介してプリンタ120に送られてくるM、C、Y、Bkの各画像信号は、レーザドライバ212に送られる。レーザドライバ 212は、送られてきた画像信号に応じ、半導体レーザ213を変調駆動する。レーザ光は、ポリゴンミラー214,f−θレンズ215,ミラー216を介し、感光ドラム217上を走査する。
218は回転現像器であり、マゼンタ現像部219、シアン現像部220、イエロー現像部221、ブラツク現像部222より構成され、4つの現像部が交互に感光ドラム217に接し、感光ドラム217上に形成された潜像現像をトナーで現像する。
223は転写ドラムであり、用紙カセツト224または225より供給される用紙をこの転写ドラム223に巻き付け、感光ドラム217上に現像された像を用紙に転写する。この様にして、M、C、Y、Bkの4色が順次転写された後に、用紙は定着ユニット226を通過して、トナーが用紙に定着された後に排紙される。
<コントローラユニット>
図3は、図1に示したデジタル複合機10の構成及びコントローラユニット100の構成を示す図である。
コントローラユニット100は、画像入力デバイスであるスキャナ140や画像出力デバイスであるプリンタ120と接続し、一方ではLAN40や公衆回線(WAN)60接続することで、画像情報やデバイス情報の入出力を行う為のコントローラである。
CPU1100は、システム全体を制御するコントローラである。RAM1110は、CPU1100が動作するためのシステムワークメモリであり、画像データを一時記憶するための画像メモリでもある。
ROM1120は、ブートROMであり、システムのブートプログラムが格納されている。HDD1130は、ハードディスクドライブであり、システムソフトウェア(bootable)、画像データ、ソフトウェアカウンタ値等を格納する。ソフトウェアカウンタ値は、用紙サイズ別カウンタ領域とデータ処理容量別カウンタ領域が設定されており、画像出力枚数やCPU1100が処理したデータ容量に基づき予め設定した任意の基準容量値を基準に算出してカウントアップが行われる。カウンタ値はHDD1130に限らず電源が切れても記憶保持することができれば、図示しないEEPROM等にその記憶領域を持ってもよい。
システムソフトウェア(bootable)は、コピー機能,FAX機能,SCAN機能,プリンタ機能,操作部(UI)表示等の機能を実現するためのプログラムである。システムソフトウェアは機能ごとに分割されており(後述するスプリット構成)、HDD1130に格納されている。システムソフトウェアは圧縮された状態でHDD1130に格納されていてもよい。そして、システムソフトウェアを実行する際にはRAM1110上にダウンロードし展開(伸張動作などを含む)される。
ソフトウェアカウンタ値は、用紙サイズ別カウンタ領域とデータ処理容量別カウンタ領域が設定されており、画像出力枚数やCPU1100が処理したデータ容量に基づき予め設定した任意の基準容量値を基準に算出してカウントアップが行われる。カウンタ値は、HDD1130に限らず電源が切れても記憶保持することができれば、図示しないEEPROM等にその記憶領域を持ってもよい。
LANC(LAN Controller)1200は、LAN40に接続し、出力用画像データの入出力や機器制御にかかわる情報の入出力を行う。また、操作ユニット180における入力操作によってネットワーク上のホストPC20や図示しない出力用画像データ管理装置から操作ユニット180による入力操作に応じた出力用画像データを受信して画像出力を行う。
ローカルI/F1210は、USBやセントロ等のローカルI/Fであり、ケーブル50にてホストPC30や図示しないプリンタと接続し、データの入出力(通信)を行う。通信形態は、シリアル通信や、バイセントロインタフェース、またはBluetoothなどの無線通信などの形式がある。MODEM1220は、公衆回線60に接続し、データの入出力を行う。カードリーダI/F1230は、ICカード等の認証カード70からデータの読み出し可能な外部I/Fである。
プリンタI/F1300は、プリンタ120と接続し、プリンタ120のCPUとそれぞれ通信を行う。また、プリンタI/F1300は、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナI/F1400は、スキャナ140と接続し、スキャナ140のCPUとそれぞれ通信を行う。また、スキャナI/F1400は、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
操作部I/F1500は、操作ユニット(UI)180とのインタフェース部であり、操作ユニット180に表示する画像データを操作ユニット180に対して出力する。また、操作ユニット180から本システム使用者が入力した情報を、CPU1100に伝える役割をする。
優先機能選択情報保持部1600は、デジタル複合機の電源ON時もしくはスリープモードからの復帰時に、デジタル複合機が持っているコピー機能,FAX機能,SCAN機能,プリンタ機能のうち、どの機能を優先的に立ち上げるかを示す情報を保持する。
優先機能ロード指示フラグ1700は、ユーザが指定した機能に対応したプログラムのロードを指示するためのフラグであり、本フラグが「true」である場合に、優先機能選択情報保持部1600の情報とあわせてプログラムのロードを制御する。即ち、優先機能ロード指示フラグ1700が「true」である場合には、いずれかの機能を優先的に立ち上げる処理を行い、その機能についてのみ早期に使用可能にするように制御される。一方、優先機能ロード指示フラグ1700が「false」である場合には、従来のように全ての機能を立ち上げた後、使用可能となるように制御される。
機能ロード管理フラグ1710は、機能に対応したプログラムデータをRAM1110にロードしたかを判別するためのフラグである。この機能ロード管理フラグ1710は、機能bootableロード済みフラグとして、コピー機能,FAX機能,SCAN機能,プリンタ機能の各プログラムデータに対して1対1でロード状態を保持するものである。即ち、機能ロード管理フラグ1710でフラグが「true」となっている機能のプログラムは、RAM1110にロード済であることを示す。
操作ユニット180は、操作部2000と機能選択部2010で構成される。操作部2000は、テンキーやコピースタートボタン等の入力手段とLCD表示器等の表示手段で構成される。機能選択部2010は、デジタル複合機の機能を選択するためのハードキーである。また、機能選択部2010は、電源をONに制御するものでもある。なお、操作ユニット180の詳細は外観を含め後述する。
電源部200は、デジタル複合機10全体に電力を供給するものである。なお、本実施形態においては、機能選択部2010をユーザが操作することで電源をONにすることができる構成とする。
<スプリットプログラム構成>
図4は、図3に示したHDD1130に格納されるシステムソフトウェア(bootable)の構成(スプリットプログラム構成)を示すブロック図である。
なお、このシステムソフトウェア(bootable)は、デジタル複合機10の高速立ち上げを可能にするためのスプリットプログラムを使用する場合に対応する。特にデジタル複合機10が、コピー機能,FAX機能,SCAN機能,プリンタ機能を有する場合のbootableがHDD1130に格納されている例を示す。
オペレーティングシステム(OS)1141は、システム全体を制御するための基本プログラムである。1131,1132,133,1140,1135はそれぞれコピー機能,FAX機能,SCAN機能,プリンタ,UI表示機能を実行するプログラム及びデータである。なお、本実施形態では、コピー機能を実行するためのプログラム及びデータをコピーbootableと呼ぶ。また、その他の機能についても同様の呼び名とする。例えば、FAX機能を実行するプログラムであればFAXbootableと呼ぶ。
デジタル複合機10の電源がONされて立ち上がる場合には、CPU1100は、まずROM1120からブートプログラムを読み出す。次にCPU1100は、HDD1130からOS1141、引き続きそれぞれの機能のbootable1131〜1135をRAM1110に展開(ダウンロード)する。これにより、CPU1100は各機能を実行可能にする事ができる。
なお、機能を実行可能にする際に、UI表示機能のbootableである(UI DISPLAY)1135を読み出し実行することで、RAM1110にロード済みの機能を優先的に利用可能とする。例えば、コピー機能を優先的に実行可能にする際には、OS1141,コピーbootable1131,UI DISPLAY bootable1135の順にロードする。これにより、コピー機能が優先的に実行可能になる。
<操作ユニットの外観>
図5は、図3に示した操作ユニット180の外観の一例を示す平面図であり、図3に示したコントローラユニットのブロック構成と対比して説明する。
機能選択部2010は本実施形態の特徴的な構成であり、図5に示すように機能(コピー機能,FAX機能,スキャン機能,プリンタ機能)を選択するための押しボタン(ハードキー)2010a〜2010dで構成される。
電源がOFFの状態で当該ボタン2010a〜2010dを押下することにより、電源をONにすると共に、選択した機能を優先的に利用可能なように起動を行う。なお、前述の通り、コピースタートボタン2000a,ストップボタン2000b等の入力手段とLCD表示器2000c等の表示手段の部分が操作部2000に相当する。
<特定機能を優先的に利用可能にする処理フロー>
図6は、本発明における第1の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、本実施形態における特定機能を優先的に利用可能にする処理に対応する。詳細には、ユーザが電源OFF状態のデジタル複合機10の機能選択部2010を操作することで利用したい特定機能が選択されると電源をONにし、選択された特定機能を利用可能にし、その後継続して残りの全機能を利用可能にするまでの処理に対応する。なお、このフローチャートで示される処理はコントローラユニット100で処理されるものであり、機能選択部2010による処理及びCPU1100がROM1120に格納されるシステムのブートプログラムを実行することにより実現される処理に対応する。なお、図中、S1000〜S1009は各ステップを示す。以下、各ステップについて詳細に示す。
まず、ステップS1000で、ユーザにより操作ユニット180の機能選択部2010が操作され、利用したい特定機能のボタン2010a〜2010dが押下されると、機能選択部2010は以下の処理を実行する。機能選択部2010は、電源部200を制御してデジタル複合機10の電源をONにしてステップS1001に処理を進める。そして、ステップS1001において、機能選択部2010は、機能選択部2010のスイッチ押下情報を、操作部IF1500を介して優先機能選択情報保持部1600に保持させる。
次に、ステップS1002において、CPU1100は、HDD1130に格納されたOS1141をRAM1110にロードし、ステップS1003に処理を進める。
ステップS1003で、CPU1100は、機能ロード管理フラグ1710が保持する機能bootable毎に割り当てた機能bootableロード済みフラグを全て「false」にクリアし、ステップS1004に処理を進める。なお、本実施形態のデジタル複合機10は、コピー機能、FAX機能、SCAN機能、プリンタ機能の4つの機能を持つので、機能bootableロード済みフラグは4つ存在することになる。
次に、ステップS1004で、CPU1100は、優先機能ロード指示フラグ1700を「true」にセットしステップS1005に処理を進める。本ステップの実行で、ユーザが指定した特定機能の機能bootableのロードを指示する。
ステップS1005において、CPU1100は、優先機能の機能bootableをRAM1110にロードする処理を行い、ステップS1006に処理を進める。なお、この処理の詳細は図7にて説明する。
次に、ステップS1006で、CPU1100は、HDD1130に格納されたUI機能bootable1135をRAM1110にロードし、さらに、ロード済みの機能bootableを実行し、ステップS1007に処理を進める。本ステップを実行することで、ユーザが指定した特定機能が利用可能になる。
次に、ステップS1007で、CPU1100は、優先機能ロード指示フラグ1700を「false」にクリアし、ステップS1008に処理を進める。本ステップ実行で、未ロードの機能bootableのロードを指示する。
ステップS1008において、CPU1100は、未ロードの機能bootableをRAM1110にロードする処理を行い、ステップS1009に処理を進める。なお、この処理の詳細は図7A,図7Bにて説明する。
ステップS1009において、CPU1100は、RAM1110にロードされた全機能の機能bootableを利用可能に制御し、本フローチャートの処理を終了する。
<機能bootableをRAMにロードする処理フロー>
図7A,図7Bは、本発明における第2の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図6のステップS1005,S1008に示した機能bootableをRAMにロードする処理に対応する。なお、このフローチャートで示される処理はコントローラユニット100で処理されるものであり、CPU1100がROM1120に格納されるシステムのブートプログラムを実行することにより実現される処理に対応する。なお、図中、S2000〜S2015は各ステップを示す。以下、各ステップについて詳細に示す。
本フローチャートの処理は、優先機能ロード指示フラグ1700と機能ロード管理フラグ1710の状態に応じて機能bootableをRAM1110にロードすると共に機能ロード管理フラグの状態を制御する処理に対応する。優先機能ロード指示フラグ1700が「true」の場合で且つ特定機能が優先機能として選択されている場合には機能bootableをロードする。また優先機能ロード指示が「false」の場合で機能bootableが未ロードであった場合にも機能bootableをロードする。それ以外の場合には機能bootableはロードしない。
以下、ステップS2000〜S2003は、コピーbootable1131のRAM1110へのロードを示す。以下、詳細に説明する。
ステップS2000において、CPU1100は、優先機能ロード指示フラグ1700の状態を判定し、「true」と判定した場合には、ステップS2001に処理を進める。
そして、ステップS2001で、CPU1100は、優先機能選択情報保持部1600がコピー機能が選択された状態を示すか否かを判定する。ステップS2001で、優先機能選択情報保持部1600がコピー機能が選択された状態を示すと判定した場合には、CPU1100は、ステップS2003に処理を進める。
そして、ステップS2003において、CPU1100は、HDD1130からコピーbootable1131をRAM1110にロードする。さらに、CPU1100は、機能ロード管理フラグ1710のうち、コピーbootableのフラグの状態を、ロード済み状態を示す「true」にセットし、ステップS2004に処理を進める。
一方、ステップS2001で、CPU1100は、コピー機能が選択された状態でないと判定した場合には、そのままステップS2004に処理を進める。
一方、ステップS2000で、CPU1100は、優先機能ロード指示フラグ1700の状態が「true」でない判定した場合には、ステップS2002に処理を進める。
次に、ステップS2002で、CPU1100は、機能ロード管理フラグ1710のうち、コピーbootableのフラグの状態がロード済み状態を示す「true」であるか否かを判定する。そして、コピーbootableのフラグの状態が「true」でないと判定した場合(ステップS2002でno)には、ステップS2003に処理を進め、コピーbootable1131のロード処理を行う。
一方、ステップS2002で、CPU1100は、機能ロード管理フラグ1710のうちコピーbootableのフラグの状態が「true」と判定した場合(ステップS2002でyes)には、そのままステップS2004に処理を進める。
以下、ステップS2004〜S2007はFAXbootable1132のRAM1110へのロードを示す。以下、詳細に説明する。
ステップS2004において、CPU1100は、優先機能ロード指示フラグ1700の状態を判定し、「true」と判定した場合には、ステップS2005に処理を進める。
そして、ステップS2005で、CPU1100は、優先機能選択情報保持部1600が、FAX機能が選択された状態を示すか否かを判定し、FAX機能が選択された状態を示すと判定した場合には、ステップS2007に処理を進める。
そして、ステップS2007において、CPU1100は、HDD1130からFAXbootable1132をRAM1110にロードする。さらに、CPU1100は、機能ロード管理フラグ1710のうち、FAXbootableのフラグの状態を、ロード済み状態を示す「true」にセットし、ステップS2008に処理を進める。
一方、ステップS2005で、CPU1100は、FAX機能が選択された状態でないと判定した場合には、そのままステップS2008に処理を進める。
一方、ステップS2004で、CPU1100は、優先機能ロード指示フラグ1700の状態が「true」でない判定した場合には、ステップS2006に処理を進める。
次に、ステップS2006で、CPU1100は、機能ロード管理フラグ1710のうちFAXbootableのフラグの状態がロード済み状態を示す「true」か否かを判定する。そして、「true」でないと判定した場合(ステップS2006でno)には、CPU1100は、ステップS2007に処理を進め、FAXbootable1132のロード処理を行う。
一方、ステップS2006で、CPU1100は、機能ロード管理フラグ1710のうちFAXbootableのフラグの状態が「true」と判定した場合(ステップS2006でyes)には、そのままステップS2008に処理を進める。
以下、ステップS2008〜S2011はSCANbootable1133のRAM1110へのロードを示す。以下、詳細に説明する。
ステップS2008において、CPU1100は、優先機能ロード指示フラグ1700の状態を判定し、「true」と判定した場合には、ステップS2009に処理を進める。
そして、ステップS2009で、CPU1100は、優先機能選択情報保持部1600がSCAN機能が選択された状態を示すか否かを判定し、SCAN機能が選択された状態を示すと判定した場合には、ステップS2011に処理を進める。
そして、ステップS2011において、CPU1100は、HDD1130からSCANbootable1133をRAM1110にロードする。さらに、CPU1100は、機能ロード管理フラグ1710のうち、SCANbootableのフラグの状態を、ロード済み状態を示す「true」にセットし、ステップS2012に処理を進める。
一方、ステップS2009で、CPU1100は、SCAN機能が選択された状態でないと判定した場合には、そのままステップS2012に処理を進める。
一方、ステップS2008で、CPU1100は、優先機能ロード指示フラグ1700の状態が「true」でない判定した場合には、ステップS2010に処理を進める。
次に、ステップS2010で、CPU1100は、機能ロード管理フラグ1710のうち、SCANbootableのフラグの状態がロード済み状態を示す「true」であるか否かを判定する。そして、「true」でないと判定した場合(ステップS2010でno)には、CPU1100は、ステップS2011に処理を進め、SCANbootable1134のロード処理を行う。
一方、ステップS2010で、CPU1100は、機能ロード管理フラグ1710のうちSCANbootableのフラグの状態が「true」と判定した場合(ステップS2010でyes)には、そのままステップS2012に処理を進める。
以下、ステップS2012〜S2015はプリンタbootable1134のRAM1110へのロードを示す。以下、詳細に説明する。
ステップS2012において、CPU1100は、優先機能ロード指示フラグ1700の状態を判定し、「true」と判定した場合には、ステップS2013に処理を進める。
そして、ステップS2013で、CPU1100は、優先機能選択情報保持部1600がプリンタ機能が選択された状態を示すか否かを判定し、プリンタ機能が選択された状態を示すと判定した場合には、ステップS2015に処理を進める。
そして、ステップS2015において、CPU1100は、HDD1130からプリンタbootable1134をRAM1110にロードする。さらに、CPU1100は、機能ロード管理フラグ1710のうち、プリンタbootableのフラグの状態を、ロード済み状態を示す「true」にセットし、本フローチャートの処理を終了する。
一方、ステップS2013で、CPU1100は、プリンタ機能が選択された状態でないと判定した場合には、そのまま本フローチャートの処理を終了する。
一方、ステップS2012で、CPU1100は、優先機能ロード指示フラグ1700の状態が「true」でない判定した場合には、ステップS2014に処理を進める。
次に、ステップS2014で、CPU1100は、機能ロード管理フラグ1710のうち、プリンタbootableのフラグの状態がロード済み状態を示す「true」であるか否かを判定する。そして、「true」でないと判定した場合(ステップS2014でno)には、CPU1100は、ステップS2013に処理を進め、プリンタbootableのロード処理を行う。
一方、ステップS2014で、CPU1100は、機能ロード管理フラグ1710のうち、プリンタbootableのフラグの状態が「true」と判定した場合(ステップS2014でyes)には、そのまま本フローチャートの処理を終了する。
なお、図7A,図7Bのフローチャートは、デジタル複合機10がコピー機能、FAX機能、SCAN機能、プリンタ機能の4つの機能を有する場合を前提としている。デジタル複合機10が他にも機能を有する場合には、ステップS2015以降にステップS2000〜S2003のような処理を繰り返すようにすればよい。
<スプリットプログラム展開:優先機能が一つの場合>
図8は、スプリットプログラム構成のbootableをCPU1100がRAM1110のワークメモリ領域にダウンロードする場合のRAM1110へのbootableダウンロード状態(スプリットプログラム展開)を示す図である。なお、ここでは、コピー機能を優先して立ち上げた場合の一例を示す。
図8(a)は、操作ユニット180の機能選択部2010のうちコピー機能を選択するボタン2010aをユーザが押下した状態を示す。この操作により、デジタル複合機10の電源がONになると共に優先機能選択情報保持部1600にはコピー機能が選択された状態が保持され、コピー機能を特定機能として優先的に利用可能とする処理が開始される。
図8(b)は、デジタル複合機10の電源がONされて、HDD1130からそれぞれの機能のbootableをRAM1110にダウンロードされる前の状態を示す。
図8(c)は、HDD1130からコピーbootable1131がRAM1110にダウンロードされ、優先機能のプログラムが実行された状態を示す。即ち、図6に示したフローチャートにおけるステップS1006まで処理が完了した状態に相当する。この状態の時、コピーbootable1131は既にメインメモリであるRAM1110に展開済みなので、コピー機能のみは他の機能が使用できなくても実行が可能である。
図8(d)は、デジタル複合機10の持つ全機能のbootableを、HDD1130からRAM1110にダウンロードされた状態を示す。即ち、図6に示したフローチャートにおけるステップS1009までの処理が完了した状態に相当する。この状態の時、デジタル複合機10の持つ全ての機能の実行が可能である。
<スプリットプログラム展開:優先機能が複数の場合>
図9は、スプリットプログラム構成のbootableをCPU1100がRAM1110のワークメモリ領域にダウンロードする場合のRAM1110へのbootableダウンロード状態(スプリットプログラム展開)を示す図である。ここでは、コピー機能とFAX機能の2機能を優先して立ち上げた場合の一例を示す。
図9(a)は、操作ユニット180の機能選択部2010のうちコピー機能とFAX機能の両方を選択するボタン2010a,2010bをユーザが押下する状態を示す。本操作により、デジタル複合機の電源がONになると共に優先機能選択情報保持部1600にはコピー機能とFAX機能が選択された状態が保持され、コピー機能とFAX機能の2機能を特定機能として優先的に利用可能とする処理が開始される。
図9(b)は、デジタル複合機10の電源がONされて、HDD1130からそれぞれの機能のbootableをRAM1110にダウンロードされる前の状態を示す。
図9(c)は、HDD1130からコピーbootable1131とFAXbootable1132がRAM1110にダウンロードされ、優先機能のプログラムが実行された状態を示す。即ち、図6に示したフローチャートにおけるステップS1006まで処理が完了した状態に相当する。この状態の時、コピーbootable1131とFAXbootable1132は既にメインメモリであるRAM1110に展開済みなので、コピー機能とFAX機能は他の機能が使用できなくても実行が可能である。
図9(d)は、デジタル複合機10の持つ全機能のbootableを、HDD1130からRAM1110にダウンロードされた状態を示す。即ち、図6に示したフローチャートにおけるステップS1009までの処理が完了した状態に相当する。この状態の時、デジタル複合機10の持つ全ての機能の実行が可能である。
以上説明したように、本実施形態では、プログラムを機能毎に分割して特定の機能を個別に実行可能な構成にする。また、機能を選択する機能選択部2010は電源をONにする機能も兼ね備える構成にし、機能選択部2010による選択情報を優先機能選択情報保持部1600に保持する構成にする。このような構成により、ユーザが選択したデジタル複合機10の特定機能が利用可能になるまでの時間が短縮され、かつ最終的には全機能を利用することもできるため利便性が向上する。この利点を活かし、機器を電源OFFにする機会を増やすことにより省エネルギーにも貢献することができる。
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、機能bootableのロード制御に単一の優先機能ロード指示フラグ1700と機能ロード管理フラグ1710を用いて機能bootableをRAM1110にロードする処理を行う構成について説明した。本第2実施形態では、機能bootable毎に優先機能としての選択状態とRAM1110へのロード状態をテーブルとして管理するように構成する。この構成では、プログラムのロード順番をテーブルで管理可能とする効果もあわせもつ。以下、この実施形態について説明する。
<コントローラユニット>
図10は、本発明の第2実施形態におけるデジタル複合機10の構成及びコントローラユニット100の構成を示すブロック図であり、図3と同一のものには同一の符号を付してあり、説明は省略する。
図10に示す本実施形態のデジタル複合機10と第1実施形態で示した図3との差分は、機能ロード管理テーブル1720を、図3に示した優先機能ロード指示フラグ1700と機能ロード管理フラグ1710に代わり構成要件とした点である。
機能ロード管理テーブル1720は、機能bootable毎に優先機能としての選択状態とRAM1110へのロード状態を管理するテーブルである。また、機能ロード管理テーブル1720は、プログラムのロード順番を管理するものでもある。
図11は、図10に示した機能ロード管理テーブル1720の一例を示す図である。
図11に示すように、機能ロード管理テーブル1720は、管理番号1720a、機能名1720b、優先機能フラグ1720c、ロード済みフラグ1720dの4項目で構成される。
機能名1720bは、機能の名称であり、機能bootableを特定するための情報である。優先機能フラグ1720cは、優先機能として利用可能にするか否かを示すフラグであり、「true」である場合に優先機能として扱うことを示し、一方、「false」である場合に優先機能として扱わないことを示す。ロード済みフラグ1720dは、「true」の場合に機能bootableがRAM1110にロード済みであることを示し、一方、「false」の場合に機能bootableがRAM1110に未ロードであることを示す。
なお、管理番号1720aは、機能のロード順番を示す。よって、機能ロード管理テーブル1720の管理番号1720aの管理番号1720aの初期値を変更することでロード順番を変更することも可能な構成である。
この機能ロード管理テーブル1720内の管理番号1720a,機能名1720bの情報は、工場出荷時やデジタル複合機10の管理者等により予め作成され、機能ロード管理テーブル1720に保持されているものとする。なお、機能ロード管理テーブル1720は、管理者等による操作ユニット180の操作によって任意のタイミングで任意のロード順序に変更可能である。
<第2実施形態における特定機能を優先的に利用可能にする処理フロー>
図12は、本発明における第3の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、第2実施形態における特定機能を優先的に利用可能にする処理に対応する。詳細には、ユーザが電源OFF状態のデジタル複合機10の機能選択部2010を操作することで利用したい特定機能が選択されると電源をONにし、選択された特定機能を利用可能にし、その後継続して残りの全機能を利用可能にするまでの処理に対応する。なお、このフローチャートで示される処理はコントローラユニット100で処理されるものであり、機能選択部2010による処理及びCPU1100がROM1120に格納されるシステムのブートプログラムを実行することにより実現される処理に対応する。なお、図中、S3000〜S3009は各ステップを示す。以下、各ステップについて詳細に示す。
まず、ステップS3000で、ユーザにより操作ユニット180の機能選択部2010が操作され、利用したい特定機能のボタン2010a〜2010dが押下されると、機能選択部2010は以下の処理を実行する。即ち、機能選択部2010は、電源部200を制御してデジタル複合機10の電源をONにしてステップS3001に処理を進める。そして、ステップS3001で、機能選択部2010は、機能選択部2010のスイッチ押下情報を操作部IF1500を介して優先機能選択情報保持部1600に保持させる。
次に、ステップS3002において、CPU1100は、HDD1130に格納されたOS1141をRAM1110にロードし、ステップS3003に処理を進める。
そして、ステップS3003で、CPU1100は、機能ロード管理テーブル1720が保持する機能bootable毎に割り当てた機能bootableロード済みフラグ1720dを全て「false」にクリアし、ステップS3004に処理を進める。
次に、ステップS3004で、CPU1100は、優先機能選択情報保持部1600の機能選択部2010スイッチ押下情報に応じて機能ロード管理テーブル1720の優先機能フラグ1720cの値を「true」又は「false」にセットする。そして、ステップS3005に処理を進める。例えば、優先機能選択情報保持部1600がコピー機能のみ選択状態を示す値を保持していれば、コピー機能に対応した優先機能フラグの値を「true」に、他の機能に対応する優先機能フラグは「false」にセットする。本ステップの実行で、ユーザが指定した特定機能の機能bootableのロードを指示する。
ステップS3005において、CPU1100は、優先機能の機能bootableをRAM1110にロードする処理を行い、ステップS3006に処理を進める。なお、この処理の詳細は図13にて説明する。
次に、ステップS3006で、CPU1100は、HDD1130に格納されたUI機能bootable1135をRAM1110にロードし、さらに、ロード済みの機能bootableを実行し、ステップS3007に処理を進める。本ステップを実行することで、ユーザが指定した特定機能が利用可能になる。
次に、ステップS3007で、CPU1100は、機能ロード管理テーブル1720の優先機能フラグ1720cを全て「false」にクリアし、ステップS3008に処理を進める。本ステップ実行で、未ロードの機能bootableのロードを指示する。
ステップS3008において、CPU1100は、未ロードの機能bootableをRAM1110にロードする処理を行い、ステップS3009に処理を進める。なお、この処理の詳細は図13にて説明する。
ステップS3009において、CPU1100は、RAM1110にロードされた全機能の機能bootableを利用可能に制御し、本フローチャートの処理を終了する。
<第2実施形態における機能bootableをRAMにロードする処理フロー>
図13は、本発明における第4の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、図12のステップS3005,S3008に示した機能bootableをRAMにロードする処理に対応する。なお、このフローチャートで示される処理はコントローラユニット100で処理されるものであり、CPU1100がROM1120に格納されるシステムのブートプログラムを実行することにより実現される処理に対応する。なお、図中、S4000〜S4005は各ステップを示す。以下、各ステップについて詳細に示す。
本フローチャートの処理は、機能ロード管理テーブル1720の状態に応じて機能bootableをRAM1110にロードすると共に機能ロード管理テーブル1720のロード済みフラグの状態を制御する処理に対応する。機能bootableロードポインタを用いて指示した管理番号1720aの機能bootable毎に優先起動選択している場合にはbootableをロードする。また優先起動選択していない場合で機能bootableが未ロードの場合にも機能bootableをロードする。それ以外の場合には機能bootableはロードしない。
まず、ステップS4000において、CPU1100は、機能bootableロードポインタを「0」に初期化し、ステップS4001に進む。機能bootableロードポインタは、機能ロード管理テーブル1720のうち対象となる機能名を特定するために使用する内部変数であり、管理番号1720aの値に対応する。
ステップS4001において、CPU1100は、機能bootableロードポインタが指し示す管理番号1720aの機能の優先機能フラグ1720cが「true」(即ち、優先起動選択されている)であるか否かを判定する。そして、機能bootableロードポインタが指し示す管理番号1720aの機能の優先機能フラグ1720cが「true」である(優先起動選択されている)と判定した場合には、ステップS4003に処理を進める。
そして、ステップS4003において、CPU1100は、HDD1130から機能bootableロードポインタが指し示す管理番号1720aの機能の機能bootableをRAM1110にロードする。さらに、CPU1100は、ロード済みフラグ1720dを「true」にセットし、ステップS4004に処理を進める。
一方、ステップS4001で、機能bootableロードポインタが指し示す管理番号1720aの機能の優先機能フラグ1720cが「true」でない(優先起動選択されていない)場合、CPU1100は、ステップS4002に処理を進める。
そして、ステップS4002で、CPU1100は、機能bootableロードポインタが指し示す管理番号1720aの機能のロード済みフラグ1720dが「true」か否かを判定する。そして、該ロード済みフラグ1720dが「true」でないと判定した場合には、当該機能bootableはRAMに未ロードなので、ステップS4003に処理を進め、当該機能bootableのロード処理を行う。
一方、ステップS4002で、機能bootableロードポインタが指し示す機能のロード済みフラグ1720dが「true」の場合、CPU1100は、当該機能bootableはRAMにロード済みであるので、ステップS4004に処理を進める。
次に、ステップS4004において、CPU1100は、機能bootableロードポインタの値が機能ロード管理テーブル1720の管理番号1720aの最後を示しているか否かを判定する。そして、ステップS4004で、機能bootableロードポインタの値が機能ロード管理テーブル1720の管理番号1720aの最後を示していると判定した場合には、CPU1100は、そのまま処理を終了させる。
一方、ステップS4004で、機能bootableロードポインタの値が機能ロード管理テーブル1720の管理番号1720aの最後を示していないと判定した場合には、CPU1100は、ステップS4005に処理を進める。
そして、ステップS4005で、CPU1100は、機能bootableロードポインタの値を「1」インクリメントし、ステップS4001に処理を戻す。
以上示したように、本発明の第2実施形態では、上述した第1実施形態の効果に加え、以下の効果を奏する。即ち、機能ロード管理テーブル1720の管理番号1720aの初期値を変更することにより、優先選択した機能以外の機能のロード順序を変更することが可能となる。
〔第3実施形態〕
上記第1,第2実施形態では、電源OFF状態又はスリープ状態からの復帰操作でユーザにより選択された特定の機能を優先的に利用可能とする構成について説明した。本第3実施形態では、認証カードを用いてユーザごとに優先的に立ち上げる機能を設定可能な構成とする。以下、その実施形態について説明する。
<コントローラユニット>
図14は、本発明の第3実施形態におけるデジタル複合機10の構成及びコントローラユニット100の構成を示すブロック図である。なお、図14は、図3と同一のものには同一の符号を付してあり、説明は省略する。
操作部2000は、テンキーやコピースタートボタン等の入力手段とLCD表示器等の表示手段で構成される。また、操作部2000は、操作部I/F1500および電源部200と接続されている。操作部I/F1500は、操作部2000とのインタフェース部で、操作部2000の図示しないLCD表示部に表示する画像データを操作部2000に対して出力する。また、操作部I/F1500は、本デジタル複合機10を利用する使用者が操作部2000から入力した情報を、CPU1100に伝える役割をする。
また、デジタル複合機10は、図示しない電源スイッチ(ハードスイッチ)を有し、この電源スイッチにより、図示しない電源部より電源供給を開始させて電源OFF状態から電源をONすることができる。
<スプリットプログラム構成>
図15は、図14に示したHDD1130に格納されるシステムソフトウェア(bootable)の構成(スプリットプログラム構成)を示すブロック図である。
なお、このシステムソフトウェア(bootable)は、デジタル複合機10の高速立ち上げを可能にするためのスプリットプログラムを使用する場合に対応する。特にデジタル複合機10が、コピー機能,FAX機能,SEND(データ送信)機能,SCAN機能を有する場合のbootableがHDD1130に格納されている例を示す。
3131,3132,3133,3134,3135はそれぞれコピー機能,FAX機能,SEND機能,SCAN機能,UI表示機能を実行するプログラム及びデータである。なお、本実施形態では、コピー機能を実行するためのプログラム及びデータをコピーbootableと呼ぶ。また、その他の機能についても同様の呼び名とする。FAX機能を実行するプログラムであればFAXbootableと呼ぶ。
また、UI表示bootable3135については、3136,3137,3138,3139に示すように、それぞれの機能に対するUI表示のbootableを分割した構成となっている。
デジタル複写機10の電源がONされて立ち上がる場合には、CPU1100は、ROM1120からブートプログラムを読み出す。次にCPU1100は、HDD1130からそれぞれの機能のbootableをRAM1110に展開(ダウンロードや伸張動作など)する。これにより、CPU1100は各機能を実行可能にすることができる。
<スプリットプログラム展開>
図16A,図16Bは、図15に示したスプリットプログラム構成のbootableをCPU1100がRAM1110のワークメモリ領域にダウンロードする場合のRAM1110へのbootableダウンロード状態(スプリットプログラム展開)を示す図である。なお、ここでは、コピー機能を優先して立ち上げた場合の一例を示す。
図16A(a)は、デジタル複写機10の電源がONされて、HDD1130からそれぞれの機能のbootableをRAM1110にダウンロードされる前の状態を示す。
図16A(b)は、HDD1130からコピーbootable3131がRAM1110にダウンロードされた状態を示す。この状態の時、コピーbootable3131は既にメインメモリであるRAM1110に展開済みなので、コピー機能のみは他の機能が使用できなくても実行が可能である。実際のコピー機能の利用に際しては、コピー機能表示bootableをRAM1110にダウンロードしておく必要がある。
図16B(c)は、コピー機能の後にSEND機能を優先的に立ち上げられ、HDD1130からコピーbootable3131の次にSENDbootable3133がRAM1110にダウンロードされた状態を示す。この状態の時、コピーbootable3131及びSENDbootable3133は既にメインメモリであるRAMに展開済みなので、コピー機能,SEND機能のみは他の機能が使用できなくても実行が可能である。
図16B(d)は、デジタル複写機10の持つ全機能のbootableを、HDD1130からRAM1110にダウンロードされた状態を示す。この状態の時、デジタル複合機10の持つ全ての機能の実行が可能である。
<認証カード>
図17は、本実施形態のデジタル複合機10で使用する認証カード70の一例を示す図である。
認証カード70は、図17(a)に示すように、内部に少なくとも優先立ち上げ機能データ情報74(図17(b))を記憶するメモリ72と、メモリ72とデジタル複合機10のカードリーダI/F1230を接続する接続インタフェース71とを備える。
図17(b),図17(c)は、メモリ72の構成を示す。
図17(b)は、メモリ72の中に優先立ち上げ機能データ情報74を1つだけ持つ構成を示す。
図17(c)は、メモリ72の中にそのカードの使用ユーザを示すデータ(ユーザ情報)75と、優先立ち上げ機能データ情報74をもつ構成を示す。本優先立ち上げ機能データ情報は優先的に立ち上げたい機能を全て記憶している構成を示している。そして、記憶した機能に対して優先順位をつけている。
図17(d)は、メモリ72が図17(b)に示した構成の場合の認証カードの一例を示す。認証カード70のメモリ72の中には優先立ち上げ機能データ情報74しか入っていないので、見た目に分かるように、FAX機能優先立ち上げカード等の記載をしておく。
FAX機能を早く使用したいユーザは、この認証カード70をデジタル複合機10のカードリーダI/F1230に接続し、デジタル複合機10の電源をONすれば、FAX機能を他の機能より先に立ち上げられ、すぐにFAX機能を使用することができる。
図17(e)は、メモリ72が図5(c)時の場合の認証カードの一例を示す。この認証カード70は、ユーザ「AAA」さんの認証カードである事がわかる。この認証カード70には、ユーザ認証を行わなければ使用できないデジタル複合機等において、メモリ72の中にユーザAAAが優先立ち上げしたい機能の順序を示す優先立ち上げ機能データ情報74が記憶されている。
なお、図17に示した優先立ち上げ機能データ情報74は、ユーザにより容易に変更可能である。例えば、認証カード70をカードリーダ1230に挿し込み、操作部2000からのユーザ操作により、優先立ち上げ機能データ情報74を書き換え可能に構成してもよい。
<第3実施形態における立ち上がり時のフローチャート>
図18は、本発明における第5の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、本実施形態におけるデジタル複合機10の電源ONもしくはスリープモードからの復帰時の処理に対応する。ここでは、図17(c)で示した認証カード70をデジタル複合機10のカードリーダI/F1230に接続した例を用いて説明する。なお、このフローチャートで示される処理はコントローラユニット100で処理されるものであり、CPU1100がROM1120に格納されるシステムのブートプログラムを実行することにより実現される処理に対応する。なお、図中、S501〜S510は各ステップを示す。以下、各ステップについて詳細に示す。
まず、デジタル複合機10が、電源ONもしくは電源ONと同様のブート手順を必要とするスリープモード状態から復帰すると(S501)、ステップS502に処理が移行する。
ステップS502において、CPU1100は、認証カード70が接続されている(読み取り可能である)か否かを判定する。認証カード70が接続されている(読み取り可能である)ことを検知したと判定した場合には、CPU1100は、ステップS503において、優先立ち上げ機能データ情報74を認証カード70が含んでいるかを判定する。
ステップS503で、CPU1100は、認証カード70が優先立ち上げ機能データ情報74を含んでいると判定した場合、ステップS504において、CPU1100は、認証カード70より優先立ち上げ機能データ情報74を読み出す。そして、ステップS505に処理を進める。
なお、上述のステップS502〜ステップS504については、CPU1100がブートプログラムの読み出しの早い段階で実行する。ここで早い段階とは、各機能のbootableの読み出しを行う順序を決定する前のことであり、ROM1120のブートプログラムは早い段階で優先立ち上げ機能データ情報74を読み出せるプログラムとなっている。
次に、ステップS505において、CPU1100は、ステップS504の読み出し結果に応じて、第1優先に立ち上げる機能のbootableをHDD1130からRAM1110のそれぞれのワークメモリ領域にダウンロードする(展開する)。そして、該ダウンロードしたプログラムを実行して該機能を使用可能にする(起動する)。例えば、第1優先に立ち上げる機能はコピー機能であるとCPU1100は判断すると、ステップS505においてコピーbootable3131をHDD1130からRAM1110のそれぞれのワークメモリ領域にダウンロードする。
ダウンロードが終了すると、ステップS506において、CPU1100は、次に優先立ち上げする機能があるか否かを判定する。次に優先立ち上げする機能があると判定した場合には、ステップS507に処理を進め、CPU1100は、次に優先立ち上げする機能のbootableをHDD1130からRAM1110のそれぞれのワークメモリ領域にダウンロードする(展開する)。ここで、次に優先立ち上げする機能がSEND機能である場合と優先立ち上げ機能データ情報74よりCPU1100は判断した場合を説明する。この場合、CPU1100は、ステップS107においてSENDbootable3133をHDD1130からRAM1110のそれぞれのワークメモリ領域にダウンロードする。
なお、ステップS505,S507で、それぞれの機能のbootableをHDD1130からRAM1110のそれぞれのワークメモリ領域にダウンロードする時に、CPU1100が以下の処理も行うように構成してもよい。CPU1100は、上記ステップS505,S507でそれぞれダウンロードする機能bootableと一緒に該機能のUI表示機能bootableをダウンロードするように構成してもよい。なお、この処理は、図15の3136〜3139に示すように、UI表示機能bootable3135も機能毎に分割されている場合に限られる。
例えば、上記ステップS505においてコピーbootable3131をHDD1130からRAM1110のワークメモリ領域にダウンロードする時に、CPU1100が、コピー機能表示bootable3136を一緒にダウンロードする。これでコピー機能が先行して使用できることをUIに表示して、ユーザに伝えることができる。
ステップS507のダウンロード処理が終了すると、CPU1100は、ステップS506に処理を戻し、次に優先立ち上げする機能があるか否かを判定する。即ち、ステップS506,S507を優先立ち上げする機能がなくなるまで繰り返す。
一方、ステップS506で、CPU1100が、次に優先立ち上げする機能がないと判定した場合には、ステップS508に処理を進める。
例えば、図17(c)に示した認証カード70では、最後に立ち上げる機能bootableがSCANである。よって、SCANbootable3134をHDD1130からRAM1110のそれぞれのワークメモリ領域にダウンロードすると、ステップS106にて次に優先立ち上げする機能がないと判断され、ステップS508に処理が進められる。
次に、ステップS508において、CPU1100は、まだRAM1110にダウンロードされていないbootableがあるか否かを判定する。そして、まだRAM1110にダウンロードされていないbootableがあると判定した場合には、CPU1100は、ステップS509に処理を進める。
ステップS509において、CPU1100は、まだダウンロードの終了していないbootableを、HDD1130からRAM1110のそれぞれのワークメモリ領域にダウンロードする(展開する)。そして、該ダウンロードした各プログラムを実行して各機能を使用可能にする(起動する)。そして、処理を終了する。
一方、ステップS508で、もうRAM1110にダウンロードされていないbootableがないと判定した場合には、そのまま処理を終了する。
なお、ステップS502で、認証カード70が接続されていないと判定した場合には、ステップS510に処理を進める。
また、ステップS503で、CPU1100は、認証カード70が優先立ち上げ機能データ情報74を含んでいないと判定した場合にも、ステップS5104に処理を進める。
そして、ステップS5110において、CPU1100は、デジタル複合機10のデフォルト設定の手順で立ち上げ処理を行う。即ち、HDD1130に格納された各機能のbootableを予め定められたデフォルトの順序でRAM1110にダウンロードし、全てのbootableがダウンロードされると、デジタル複合機10を使用開始にする。そして、立ち上げ処理が終了すると、本フローチャートの処理を終了する。
以上、説明した、ユーザごとに優先的に立ち上げる機能を設定した認証カード70を用いたシステムプログラム高速立ち上げ方法は、デジタル複合機10を使用するユーザ毎に、すぐに使用したい特定の機能を優先的に立ち上げることができる。
〔第4実施形態〕
上記第3実施形態では、認証カード70に記憶されたユーザが優先的に立ち上げる機能の情報(優先立ち上げ機能データ)に基づいて、ユーザごとに優先的に立ち上げる機能を制御する構成について説明した。本発明の第4実施形態では、ユーザ毎にそのユーザが前回使用していた機能の情報を保存しておき、電源ONもしくはスリープからの復帰時に、ユーザ認証して、そのユーザが前回使用していた機能を優先機能として立ち上げるように構成する。
<コントローラユニット>
図19は、本発明の第4実施形態におけるデジタル複合機10の構成及びコントローラユニット100の構成を示すブロック図であり、図3,図14と同一のものには同一の符号を付してある。
図19において、優先機能選択情報保持部1600は、デジタル複写機の電源ON時もしくはスリープモードからの復帰時に、デジタル複合機10が有するコピー,FAX,SEND,プリンタのうち、どの機能を優先的に立ち上げるかを示す情報を保持する。
なお、デジタル複合機10は、図示しない電源スイッチ(ハードスイッチ)を有し、この電源スイッチにより、図示しない電源部より電源供給を開始させて電源OFF状態から電源をONすることができる。
<スプリットプログラム構成>
図20は、図14に示したHDD1130に格納されるシステムソフトウェア(bootable)の構成及びシステムの立ち上げ構成を示すブロック図である。
図20(a)は、図14に示したHDD1130に格納されるシステムソフトウェア(bootable)の構成(スプリットプログラム構成)を示す。なお、図20(a)に示す本実施形態のスプリットプログラム構成は、上述の図15に示した第3実施形態と同様であるので説明は省略する。
<従来のシステム立ち上げ構成>
図20(b)は従来のシステム立ち上げのプログラムの構成を示す。
図20(b)示すように、CPU1100は、以下の(一)〜(三)の手順によりシステム立ち上げを行う。
(一)CPU1100は、FlashRom(ROM1120)よりシステムチェック機能のプログラムをダウンロードしてシステムの基本立ち上げを行う。なお、システムチェックとはSDRAM(RAM1110)のアクセスチェック、操作部I/F1500のアクセスチェック、カードリーダ1230のアクセスチェック等を示す。
(二)CPU1100は、HDD1130よりコピー機能,FAX機能,SCAN機能,SEND機能,その他の機能を全てSDRAM(RAM1110)にダウンロードする。
(三)CPU1100は、SDRAM(RAM1110)にダウンロードしたプログラムよりシステムの機能を立ち上げる。
図20(b)に示す従来の方法では、上述の(二),(三)でデジタル複合機10の全ての機能,コピー機能,FAX機能,SCAN機能,SEND機能等をダウンロードしてシステムを立ち上げていたため、使用可能となるまで時間がかかっていた。
システムの立ち上げ時間は、機能が多くなるほど長くなり、ユーザは待ち時間が長くなる。しかし、システムの電源を入れ続けていることは、装置の不使用の際には無駄な電力を使用することになり省電力にならない。
<スプリットプログラムによる機能分割立ち上げ>
図20(c)は本実施形態におけるスプリットプログラムによる立ち上げ構成を示す。
本実施形態での立ち上げ方法では、機能を分割して優先立ち上げ機能をまず操作可能にした後、他の機能を次々に立ち上げるように構成する。以下、(i)〜(iv)にて詳細に説明する。
(i)電源ON又はスリープモードからの復帰が指示されると、CPU1100は、FlashRom(ROM1120)よりシステムチェック機能のプログラムをダウンロードしてシステムの基本立ち上げを行う。
(ii)システム立ち上げ後、カードリーダ1230を介して認証カード内のユーザ情報を読み取り、該読み取ったユーザ情報に対応して優先機能選択情報保持部1600に保持される優先機能の情報を読み取る。ここでは、FAX機能が優先機能として優先機能選択情報保持部1600に保持されているものとする。なお、優先機能選択情報保持部1600に保持されるユーザに対応する優先機能の情報は、前回、そのユーザが使用していた機能の情報に対応する。
CPU1100は、優先機能選択情報保持部1600に記録されたFAX優先データより、HDD1130よりFAXbootable3132をSDRAM(RAM1110)にダウンロードする。なお、ここでFAX機能表示bootable3137もRAM1110へダウンロードしてもよい。
(iii)CPU1100は、SDRAM(RAM1110)にダウンロードしたFAXbootable3132よりFAXの機能を立ち上げる。
(iv)FAXが操作できる状態で、CPU1100は、次々に他の機能をHDD1130からRAM1110へダウンロードして機能を立ち上げる。
以上、(i)〜(iv)により、FAX機能を最優先にして立ち上げることができる。
図20(c)では、FAX機能を優先にする例について説明したが、図20(a)に示したように機能のプログラムが分割されていて、立ち上げる際の優先機能を選択して立ち上げ順番を指示することにより、優先機能を立ち上げることができる。
図21は、本実施形態において、認証カード70の情報と現在使用している機能を次回立ち上げ機能として選択する電源OFF時の機能と操作条件情報を合わせてメモリに記憶して、次回の電源立ち上げ時に優先機能を立ち上げる機能を説明する図である。なお、各機能は図19に示したコントローラユニット100を用いて実行される。
まず、ユーザがある機能の操作を行い、次回も同じ機能を優先的に立ち上げたい場合、ユーザは、デジタル複合機10の電源OFF前にカードリーダ1230に認証カード70を挿入して認証カード70の個人情報を読み取らせる(図21(1))。CPU1100は、デジタル複合機10の電源OFF前に認証カード70の個人情報を読み取り、個人、機能、条件の情報をセットで、SRAM(優先機能選択情報保持部1600)に記憶させる。
例えば、ユーザ「キクガワ」がSEND機能を操作すると、CPU1100が認証カード70の個人情報「キクガワ」とその機能「SEND」、操作条件の情報を、優先機能選択情報保持部1600に記憶させる。
その後、デジタル複合機10が電源OFF、またはスリープモードに入る(図21(2))。
そして、ユーザが、認証カード70をカードリーダ1230に入れて電源ON又はスリープ復帰の操作を行う。すると、図21(3)に示すように、CPU1100は、ROM1120のプログラムからシステムチェックをする立ち上げ処理を行う。
そして、図21(4)に示すように、CPU1100は、カードリーダ1230を介して挿入されている認証カード70の情報を読み取る。さらに、CPU1100は、読み取ったユーザ情報に対応してSRAM(優先機能選択情報保持部1600)に記憶されている、当該ユーザと関連付けられた立ち上げ時に優先して立ち上げる機能の情報を認識する。
例えば、優先機能選択情報保持部1600には、ユーザ「キクガワ」に対応して「SEND」機能を優先する情報が格納されている。また、ユーザ「タナカ」に対応して「FAX」機能を優先する情報、さらに、ユーザ「サトウ」に対応して「コピー」機能を優先する情報も、それぞれ格納されている。
即ち、ユーザ「キクガワ」が認証カード70を用いて電源を立ち上げれば、SEND機能が優先機能として認識される。また、ユーザ「タナカ」が認証カード70を用いて電源を立ち上げれば、FAX機能が優先機能として認識される。さらに、ユーザ「サトウ」が認証カード70を用いて電源を立ち上げれば、SEND機能が優先機能として認識される。
次に、図21(5)に示すように、CPU1100は、HDD1130(プログラム格納)より優先機能(例えばSEND)のbootableを最初にSDRAM(RAM1110)へダウンロードする。これにより、優先的に「SEND機能」が立ち上がり、操作可能になる。
さらに、図21(6)に示すように、CPU1100は、HDD_1130よりSEND機能のbootable以外の残りの機能のbootableをSDRAM(RAM1110)へダウンロードする。デジタル複合機の全機能が操作可能状態となる。
<第4実施形態における電源OFFもしくはスリープモード移行時のフローチャート>
図22は、本発明における第6の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、本実施形態におけるデジタル複合機10の電源OFFもしくはスリープモードへの移行時の処理に対応する。なお、このフローチャートで示される処理はコントローラユニット100で処理されるものであり、CPU1100がROM1120に格納されるシステムのブートプログラムを実行することにより実現される処理に対応する。なお、図中、S601〜S605は各ステップを示す。以下、各ステップについて詳細に示す。
まず、ユーザによりコピー機能,FAX機能,SEND機能,SCAN機能のいずれかの機能の操作が行われると(S601)、CPU1100は、ステップS602に処理を進める。
次に、ステップS602において、CPU1100は、認証カード70がカードリーダ1230に接続されている(読み取り可能)か否かを判定する。そして、認証カード70がカードリーダ1230に接続されていない(読み取り不可能)と判定した場合には、CPU1100は、そのまま本フローチャートの処理を終了する。
一方、ステップS602で、認証カード70が接続されている(読み取り可能)と判定した場合には、CPU1100は、ステップS603に処理を進める。
次に、ステップS603において、CPU1100は、認証カード70からユーザ情報を読み出す。
次に、ステップS604において、CPU1100は、ステップS603で読み出したユーザ情報及びステップS601で操作された機能(現在の機能)の情報,操作状態等の情報を優先機能選択情報保持部1600に記憶させる。そして、本フローチャートの処理を終了する。
なお、この後、電源OFFもしくはスリープモードへの移行指示があると、CPU1100は、デジタル複合機10を電源OFFもしくはスリープモードへ移行させる。
なお、上記フローチャートでは、ユーザにより操作が行われるたびに、該ユーザのユーザ情報と操作された機能の情報等を優先機能選択情報保持部1600に記憶する構成について説明した。しかし、電源OFFもしくはスリープモード状態への移行指示を検知すると、ユーザ情報とその時点で選択されている機能の情報等を、優先機能選択情報保持部1600に記憶するように構成してもよい。
<第4実施形態における立ち上がり時のフローチャート>
図23は、本発明における第7の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、本実施形態におけるデジタル複合機10の電源ONもしくはスリープモードからの復帰時の処理に対応する。なお、このフローチャートで示される処理はコントローラユニット100で処理されるものであり、CPU1100がROM1120に格納されるシステムのブートプログラムを実行することにより実現される処理に対応する。なお、図中、S701〜S708は各ステップを示す。以下、各ステップについて詳細に示す。
まず、ステップS701において、デジタル複合機10が、電源ONもしくは電源ONと同様のブート手順を必要とするスリープモード状態から復帰する。すると、ステップS702において、CPU1100は、認証カード70がカードリーダ1230に接続されている(読み取り可能)か否かを判定する。認証カード70がカードリーダ1230に接続されている(読み取り可能)と判定した場合には、CPU1100は、ステップS703において、認証カード70からユーザ情報を読み出す。
次に、ステップS704において、CPU1100は、優先機能選択情報保持部1600にステップS703で読み出したユーザ情報に対応する優先機能選択情報が保持されているか否かを判定する。そして、保持されていると判定した場合には、ステップS705において、CPU1100は、上記ユーザ情報に対応する優先機能選択情報を優先機能選択情報保持部1600から読み出す。
次に、ステップS706において、CPU1100は、ステップS705で読み出した優先機能選択情報に対応する機能のbootable,当該機能に対応するUI表示bootableをHDD1130からRAM1110のワークメモリ領域にダウンロードする(展開する)。そして、この機能を使用可能にする。例えば、ユーザ情報に対応する優先機能選択情報がSEND機能の場合、SENDbootable3133,SEND機能表示bootable3138をHDD1130からRAM1110のそれぞれのワークメモリ領域にダウンロードする。そして、SEND機能を使用可能にする。
ダウンロードが終了すると、ステップS707において、CPU1100は、残りの機能のbootableをHDD1130からRAM1110のそれぞれのワークメモリ領域にダウンロードする(展開する)。そして、他の機能も使用可能にし、処理を終了する。
一方、ステップS702で、認証カード70がカードリーダ1230に接続されていない(読み取り不可能)と判定した場合には、CPU1100は、ステップS708に処理を進める。また、ステップS704で、ユーザ情報に対応する優先機能選択情報が優先機能選択情報保持部1600に保持されていないと判定した場合にも、CPU1100は、ステップS708に処理を進める。
そして、ステップS708において、CPU1100は、デジタル複合機10のHDD1130に格納された全ての機能のbootableを予め定められたデフォルトの順序でRAM1110にダウンロードする。そして、全てのbootableがダウンロードされると、デジタル複合機10を使用開始にする。そして、立ち上げ処理が終了すると、本フローチャートの処理を終了する。
以上説明したように、認証カード70を用いてユーザ認証させ、該ユーザのIDカードの個人情報と対応させて、該ユーザが前回使っていた機能を次回の立ち上げ時に優先的に立ち上げることができる。これにより、ユーザごとに使用する可能性の高いシステムを短時間で立ち上げて使用することが可能となる。
なお、本実施形態では、ユーザ情報を、電源ON時等に、カードリーダ1230で認証カード70内のユーザ情報を読み出すことにより入力している。しかしながら、電源ON時、まず操作部2000のユーザ情報入力機能ブートプログラムにより有効にし、操作部2000からユーザ情報を入力させることにより取得するように構成してもよい。
また、認証カード70は、接触読み取り型であっても、非接触読み取り型であってもよい。また、RF−ID等を用いてもよい。さらに、ユーザ情報は、ユーザIDであってもよいし、ユーザを特定できる情報であればどのような情報であってもよい。例えば、ユーザの生体情報(指紋、声紋、角膜、静脈等)を利用するものであってもよい。ユーザの生体情報を利用する場合には、電源ON時等に、生体情報入力手段(指紋リーダ、マイク、角膜読み取り装置、掌の静脈パターン読み取り装置)により生体情報を読み取るように構成する。また、認証カードや生体情報を読み取る仕組みを設けずに、ユーザIDと必要に応じてパスワードを操作部2000から入力するように構成しても良い。
なお、図17に示した優先立ち上げ機能データ情報74は、ユーザにより容易に変更可能である。例えば、認証カード70をカードリーダ1230に挿し込み、操作部2000からのユーザ操作により、優先立ち上げ機能データ情報74を書き換え可能に構成してもよい。
〔第5実施形態〕
本第5実施形態では、電源ONから特定時間(機能確定タイマ1620に設定された時間)内にスタートキー操作が行われた場合、ドキュメントフィーダに原稿が有るか否かに応じてコピー機能に必要なモジュールを優先的にロードするか、全機能のモジュールをロードするかを制御するように構成する。
<コントローラユニット>
図24は、本発明の第5実施形態におけるデジタル複合機10の構成及びコントローラユニット100の構成を示すブロック図であり、図14と同一のものには同一の符号を付してあり、説明は省略する。
操作部2000は、操作部I/F1500と接続されている。操作部I/F1500は、操作部2000とのインタフェース部で、操作部2000のLCD表示部2232(図27)に表示する画像データを操作部2000に対して出力する。また、本デジタル複合機10を利用する使用者が操作部2000から入力した情報を、CPU1100に伝える役割をする。
1620は機能確定タイマであり、デジタル複合機10の主電源を入力した後、デジタル複合機10を機能限定、或いは特定の機能を優先して起動するか、それとも全機能を起動させるかの目安となる時間(キーセンス時間)を設定するタイマである。なお、機能確定タイマ1620の設定は、不図示のレジスタにて行う。また、上記キーセンス時間は、管理者等により操作部2000から任意に設定変更可能である。
例えば、デジタル複合機10の主電源を入力する。そして、ユーザが、デジタル複合機10のドキュメントフィーダ160に複写対象原稿をセットし、機能確定タイマ1620に設定された時間以内にデジタル複合機10の操作部2000上のスタートキー2229(図27)を押下する。すると、デジタル複合機10は、コピーモードで起動し、ドキュメントフィーダ160にセットされた原稿の複写を実行する。
また、デジタル複合機10は、図示しない電源スイッチ(ハードスイッチ)を有し、この電源スイッチにより、図示しない電源部より電源供給を開始させて電源OFF状態から電源をONすることができる。
<スプリットプログラム構成>
図25は、図24に示したHDD1130に格納されるシステムソフトウェア(bootable)の構成(スプリットプログラム構成)を示すブロック図である。なお、図25に示す本実施形態のスプリットプログラム展開は、上述の図16A,図16Bに示した第3実施形態と同様であるので説明は省略する。
<スプリットプログラム展開>
図26A,図26Bは、図25に示したスプリットプログラム構成のbootableをCPU1100がRAM1110のワークメモリ領域にダウンロードする場合のRAM1110へのbootableダウンロード状態(スプリットプログラム展開)を示す図である。なお、図26A,図26Bに示す本実施形態のスプリットプログラム展開は、上述の図16A,図16Bに示した第3実施形態と同様であるので説明は省略する。
図27は、図24に示した操作部2000の構成を示した平面図である。
図27において、LCD表示部2232は、LCD上にタッチパネルシートが貼られており、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報をコントローラユニット100に伝える。
テンキー2228は、コピー枚数など、数字の入力時に使用する。スタートキー2229は、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。ストップキー2230は、稼働中の動作を止めるときに使用する。リセットキー2231は、操作部からの設定を初期化する時に用いる。
<第5実施形態における立ち上がり時のフローチャート>
図28は、本発明における第8の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、デジタル複合機10の主電源入力後、コピーbootable3131のダウンロード処理に対応する。なお、このフローチャートで示される処理はコントローラユニット100で処理されるものであり、CPU1100がROM1120に格納されるシステムのブートプログラムを実行することにより実現される処理に対応する。なお、図中、S801〜S805は各ステップを示す。以下、各ステップについて詳細に示す。
まず、デジタル複合機10が、電源ONもしくは電源ONと同様のブート手順を必要とするスリープモード状態から復帰し、主電源入力後、本フローチャートの処理を開始する。
ステップS801において、CPU1100は、操作部2000上のスタートキー2229が押下されたか否かを検出する処理を行う。
ステップS801で、CPU1100が、操作部2000にあるスタートキー2229の押下を検出していないと判定した場合には、処理をステップS804へ移行させる。そして、ステップS804で、機能確定タイマ1620に設定した時間(キーセンス時間)を経過していない場合には、CPU1100は、処理をS801に戻し、再度、スタートキーの押下検出を行う。
一方、ステップS804で、機能確定タイマ1620に設定された時間(キーセンス時間)が経過したと判定した場合には、CPU1100は、処理をステップS805に移行させる。
そして、ステップS805において、CPU1100は、HDD1130からデジタル複写機10の機能を全て起動させるbootableをメインメモリ(RAM1110)にダウンロードする。Bootableをダウンロードする順序は予め定められた順序に従うものとする。そして、全bootableを実行して全機能を使用可能にする。この処理は、デジタル複写機10の通常の起動と同じである。そして、本フローチャートの処理を終了する。
一方、ステップS801で、スタートキー2229の押下を検出したと判定した場合には、CPU1100は、処理をステップS802に移行させる。
ステップS802において、CPU1100は、ドキュメントフィーダ(DF)160に複写原稿があるか否かを検出する処理を行う。そして、ステップS802で、ドキュメントフィーダ160に複写原稿が検出されたと判定した場合には、処理をステップS803へ移行させる。
次に、ステップS803において、CPU1100は、HDD1130からコピー機能に必要なコピーbootable3131,コピー機能表示bootable3136をメインメモリ(RAM1110)にダウンロードする。そして、該ダウンロードしたコピーbootable3131,コピー機能表示bootable3136を実行してコピー機能を動作させる。この処理により、デジタル複写機10は、コピーモードとして一時的に起動し、ドキュメントフィーダ160にセットされた複写原稿のコピーを実行する。そして、本フローチャートの処理を終了する。
一方、ステップS802で、ドキュメントフィーダ160上に複写原稿が検出されなかったと判定した場合には、CPU1100は、ステップS805へ処理を移行させ、フル機能モジュールをロードさせる。
なお、図28のステップS803で、コピー機能について実行可能にした後、他の機能のbootableもRAM1110上にロードして、全機能を実行可能にするように構成してもよい。また、他の要求があるまで、他の機能についてのbootableはRAM1110上にロードしないように構成してもよい。
また、図28のステップS803では、コピー機能とSCAN機能について優先的に実行可能にするように構成してもよい。
また、デジタル複合機10の主電源投入後、或いはスリープモードからの復帰後、スタートキー2229の押下に関わらず、上述の特定時間内にドキュメントフィーダ160に原稿が載置されていることを検知した場合、以下のようにしても良い。即ち、原稿読み取り動作が関連する機能、即ち、コピー機能、SCAN機能、SEND機能を優先的に立ち上げるために、これらの機能に対応するbootableと、これらの機能に対応する機能表示bootableを優先的にRAM1110へダウンロードして実行する。
以上示したように、ユーザは、デジタル複合機10の主電源を入力した後、特定時間(機能確定タイマ1620に設定された時間)内に特定の手順に従ってデジタル複合機10を操作することで、デジタル複合機10を複写機能限定で短時間で起動させることが可能となる。
また、電源ON時等に、ドキュメントフィーダや原稿台等に原稿がセットしておくことで、コピー,スキャン機能等を優先して起動させることが可能となる。
〔第6実施形態〕
上記第5実施形態では、特定時間(機能確定タイマ1620に設定された時間)内にスタートキー操作が行われた場合、ドキュメントフィーダに原稿が有るか否かに応じてコピー機能に必要なモジュールを優先的にロードするか、全機能のモジュールをロードするかを制御する構成について説明した。本第6実施形態では、ドキュメントフィーダ上の原稿の有無のみでなく、圧版が開いているか否かにも応じて、コピー機能に必要なモジュールを優先的にロードするか、全機能のモジュールをロードするかを制御するように構成してもよい。
以下、図29に示す構成以外は全て第5実施形態と同一とする。
<第6実施形態における立ち上がり時のフローチャート>
図29は、本発明における第9の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、デジタル複合機10の主電源入力後のコピーbootable3131のダウンロード処理に対応する。なお、このフローチャートで示される処理はコントローラユニット100で処理されるものであり、CPU1100がROM1120に格納されるシステムのブートプログラムを実行することにより実現される処理に対応する。なお、図中、S901〜S906は各ステップを示す。以下、各ステップについて詳細に示す。
まず、デジタル複合機10が、電源ONもしくは電源ONと同様のブート手順を必要とするスリープモード状態から復帰し、主電源入力後、本フローチャートの処理を開始する。
ステップS901において、CPU1100は、操作部2000上のスタートキー2229が押下されたか否かを検出する処理を行う。ステップS901で、CPU1100が、操作部2000にあるスタートキー2229の押下を検出していないと判定した場合には、処理をステップS904へ移行させる。そして、ステップS904で、機能確定タイマ1620に設定した時間(キーセンス時間)を経過していない場合には、CPU1100は、処理をS901に戻し、再度、スタートキーの押下検出を行う。
一方、ステップS904で、機能確定タイマ1620に設定された時間(キーセンス時間)が経過したと判定した場合には、CPU1100は、処理をステップS906に移行させる。
そして、ステップS906において、CPU1100は、HDD1130からデジタル複写機10の機能を全て起動させるbootableをメインメモリ(RAM1110)にダウンロードする。そして、全bootableを実行して全機能を使用可能にする。この処理は、デジタル複写機10の通常の起動と同じである。そして、本フローチャートの処理を終了する。
一方、ステップS901で、スタートキー2229の押下を検出したと判定した場合には、CPU1100は、処理をステップS902に移行させる。
ステップS902において、CPU1100は、スキャナ140にある原稿台203の圧板(ドキュメントフィーダ160が圧板としての機能を有している。本実施形態ではドキュメントフィーダ160を圧板160と称する場合もある。)が開いているか否かを検出する処理を行う。そして、スキャナ140にある原稿台203の圧板160が開いていることが検出されたと判定した場合には、CPU1100は、処理をステップS903へ移行させる。
そして、ステップS903において、CPU1100は、HDD1130からコピー機能に必要なコピーbootable3131,コピー機能表示bootable3136をメインメモリ(RAM1110)にダウンロードする。そして、該ダウンロードしたコピーbootable3131,コピー機能表示bootable3136を実行してコピー機能を動作させる。この処理により、デジタル複写機10は、コピーモードとして一時的に起動し、不図示の原稿台にセットされた原稿を原稿台203の圧板160が閉じられた後に複写原稿のコピーを実行する。そして、本フローチャートの処理を終了する。
一方、ステップS902で、スキャナ140にある原稿台203の圧板160が開いていないと判定した場合には、CPU1100は、処理をステップS905へ移行させる。
ステップS905において、CPU1100は、ドキュメントフィーダ160に複写原稿があるか否かを検出する処理を行う。そして、ステップS905で、ドキュメントフィーダ160に複写原稿が検出されたと判定した場合には、処理をステップS903へ移行させ、コピー機能に必要なモジュールをロードさせる。
一方、ステップS905で、ドキュメントフィーダ160上に複写原稿が検出されなかったと判定した場合には、CPU1100は、ステップS906へ処理を移行させ、フル機能モジュールをロードさせる。
なお、図29のステップS903で、コピー機能について実行可能にした後、他の機能のbootableもRAM1110上にロードして、全機能を実行可能にする。
また、図29のステップS903では、コピー機能とSCAN機能について優先的に実行可能にするように構成してもよい。
また、デジタル複合機10の主電源投入後、或いはスリープモードからの復帰後、スタートキー2229の押下に関わらず、上述の特定時間内にドキュメントフィーダ160に原稿が載置されていることを検知した場合、或いは、圧板160が開いていることを検知した場合、以下のようにしても良い。即ち、原稿読み取りが関連する機能、即ち、コピー機能、SCAN機能、SEND機能を優先的に立ち上げるために、これらの機能に対応するbootableと、これらの機能に対応する機能表示bootableを優先的にRAM1110へダウンロードして実行する。
以上示したように、ユーザは、デジタル複合機10の主電源を入力した後、特定の手順に従ってデジタル複合機10を操作することで、デジタル複合機10を複写機能限定で短時間で起動させることが可能となる。
〔第7実施形態〕
本発明の第7実施形態では、電源ON時に、過去に使用された機能の回数に基づいて、優先機能を選択制御するように構成する。以下、その実施形態について説明する。
<コントローラユニット>
図30は、本発明の第7実施形態を示すデジタル複合機の構成及びコントローラユニットの構成を示す図であり、図3と同一のものには同一の符号を付してある。
優先機能選択情報保持部1600は、デジタル複合機の電源ON時もしくはスリープモードからの復帰時に、デジタル複合機が持っているコピー機能,FAX機能,SEND機能,プリンタ機能のうち、どの機能を優先的に立ち上げるかを示す情報を保持する。
機能利用回数情報保持部1610は、本デジタル複合機が持つ機能のうち、どの機能を何回使用したかの情報を保持する。
また、デジタル複合機10は、図示しない電源スイッチ(ハードスイッチ)を有し、この電源スイッチにより、図示しない電源部より電源供給を開始させて電源OFF状態から電源をONすることができる。
<スプリットプログラム構成>
図31は、図30に示したHDD1130に格納されるシステムソフトウェア(bootable)の構成(スプリットプログラム構成)を示す図である。なお、図31に示す本実施形態のスプリットプログラム構成は、上述の図15に示した第3実施形態と同様であるので説明は省略する。
<スプリットプログラム展開>
図32は、図31に示したスプリットプログラム構成のbootableをCPU1100がRAM1110のワークメモリ領域にダウンロードする場合のRAM1110へのbootableダウンロード状態(スプリットプログラム展開)を示す図である。なお、図31に示す本実施形態のスプリットプログラム展開は、上述の図16A,図16Bに示した第3実施形態と同様であるので説明は省略する。
<電源ON時のプログラムロード>
図33は、本発明における第10の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、デジタル複合機10の電源ON時のプログラムロード制御に対応する。なお、このフローチャートで示される処理はコントローラユニット100で処理されるものであり、CPU1100がROM1120に格納されるシステムのブートプログラムを実行することにより実現される処理に対応する。なお、図中、S1001〜S1007は各ステップを示す。以下、各ステップについて詳細に示す。
機能利用回数情報保持部1610は不揮発性メモリでありユーザの使用した機能プログラム回数が格納されている。
まず、電源がONされると(S1001)、最初にCPU1100が、ROM1120のブートプログラムのアクセスにより初期設定を開始する。この初期設定においてCPU1100は、機能利用回数情報保持部1610を確認する(S1002)。
次に、ステップS1003において、CPU1100は、ステップS1002で確認した機能利用回数頻度の順番に基づいて、各機能プログラムのロード順序Xを確定し、優先機能選択情報保持部1600に格納する(S1003)。
次に、CPU1100は、変数NにN=1の初期値を設定する(S1004)。そして、CPU1100は、優先機能選択情報保持部1600に格納されたロード順序X=Nの機能プログラムをHDD1130からRAM1110にロードする。そして、該機能プログラムを実行して、対応する機能を使用可能にする(起動)(S1005)。
次に、CPU1100は、未ロードのプログラムがあるか否かを判定し(S1007)、未ロードのプログラムがあると判定した場合には、ステップS1006に処理を進める。
そして、ステップS1006において、CPU1100は、N=N+1の処理(変数Nのインクリメント)を行い、ステップS1005に処理を戻し、全てのプログラムがロードし終わるまでプログラムロード動作を繰り返す。
一方、ステップS1007で、全てのプログラムがロードされていると判定した場合には、そのまま本プログラムロード動作を終了する。
上述のステップS1005では、優先機能選択情報保持部1600に格納された機能利用回数頻度の順番(X)でアプリケーションプログラムのロードが行われる。
例えば、コピー=150回、SEND=120回、SCAN=50回、FAX=20回と各機能プログラムの使用回数が機能利用回数情報保持部に記録されている場合は、優先機能選択情報保持部における優先順序は次のようになる。コピー(N=1)>SEND(N=2)>SCAN(N=3)>FAX(N=4)の順番となる。CPU1100は、この順番で各機能プログラムをHDD1130からRAM1110へ格納する。
コピー(N=1)プログラムをRAM1110に格納した状態が、上述した図32(b)である。また、SEND(N=2)プログラムまでをRAM1110に格納した状態が図32(c)である。さらに、FAX(N=4)プログラムまでの全てのプログラムがRAM1110に格納された状態が図32(d)である。
以上説明したように、本実施形態によれば、電源ON後に、使用回数の高い機能プログラムの順番に機能プログラムを優先して起動する。これにより、利用実績の高い機能を優先的に使用可能にして、ユーザの待ち時間を少なくしてデジタル複合機を使用可能にすることができる。
なお、ユーザ認証を行い、ユーザ毎に機能利用回数を保持させ、電源ON時等にもユーザ認証を行い、ユーザ毎の機能利用回数に応じて、機能を優先的に起動するように構成してもよい。
即ち、ユーザ毎に過去に使用された機能の回数に基づいて優先機能を選択するように構成する。これにより,ユーザ毎に、使用頻度が多い例えばコピー機能などある特定の機能を優先して起動することができ、ユーザの待ち時間を少なくすることができる。
〔第8実施形態〕
上記第7実施形態では、各機能の過去の実行回数順に機能プログラムをロードする構成について説明した。本第8実施形態では、機能利用回数情報保持部1610に格納するデータとして、上述した機能プログラム使用回数のほかに、各機能の使用ページ枚数や、前回の電源ON→OFF期間の機能プログラム使用回数を保持するように構成する。そして、この各機能の使用ページ枚数や前回の電源ON→OFF期間の機能プログラム使用回数の順序を優先機能選択情報保持部1600に格納し、該順序で機能プログラムのロードを行うように構成してもよい。
〔第9実施形態〕
本発明の第9実施形態では、電源ON時に、インタフェースの接続状況に基づいて優先機能をロード選択するように構成する。以下、その実施形態について説明する。
<コントローラユニット>
図34は、本発明の第9実施形態を示すデジタル複合機の構成及びコントローラユニットの構成を示す図であり、図3と同一のものには同一の符号を付してある。
優先機能選択情報保持部1600は、デジタル複合機の電源ON時もしくはスリープモードからの復帰時に、デジタル複合機が持っているコピー機能,FAX機能,SEND機能,プリンタ機能のうち、どの機能を優先的に立ち上げるかを示す情報を保持する。
優先機能選択テーブル1630は、機能に対応したプログラムデータをRAM1110にロードしたかを判別するためのフラグである。この優先機能選択テーブル1630は、機能bootableロード済みフラグとして、コピー機能,FAX機能,SEND機能,SCAN機能の各プログラムデータに対して1対1でロード状態を保持するものである。即ち、優先機能選択テーブル1630でフラグが「済」となっている機能のプログラムは、RAM1110にロード済であることを示す。
なお、デジタル複合機10は、図示しない電源スイッチ(ハードスイッチ)を有し、この電源スイッチにより、図示しない電源部より電源供給を開始させて電源OFF状態から電源をONすることができる。
<スプリットプログラム構成>
図35は、図34に示したHDD1130に格納されるシステムソフトウェア(bootable)の構成(スプリットプログラム構成)を示す図である。なお、図35に示す本実施形態のスプリットプログラム構成は、上述の図15に示した第3実施形態と同様であるので説明は省略する。
<スプリットプログラム展開>
図36は、図34に示したスプリットプログラム構成のbootableをCPU1100がRAM1110のワークメモリ領域にダウンロードする場合のRAM1110へのbootableダウンロード状態(スプリットプログラム展開)を示す図である。なお、図36に示す本実施形態のスプリットプログラム展開は、上述の図16A,図16Bに示した第3実施形態と同様であるので説明は省略する。
<電源ON時のプログラムロード>
図37は、本発明における第11の制御処理手順の一例を示すフローチャートであり、デジタル複合機10の電源ON時のプログラムロード制御に対応する。なお、このフローチャートで示される処理はコントローラユニット100で処理されるものであり、CPU1100がROM1120に格納されるシステムのブートプログラムを実行することにより実現される処理に対応する。なお、図中、S1101〜S1114は各ステップを示す。以下、各ステップについて詳細に示す。
まず、電源がONされると(S1101)、最初にCPU1100が、ROM1120のブートプログラムのアクセスにより初期設定を開始する(S1102)。この初期設定においてCPU1100は、各I/Oポートの設定を行うが、このときデジタル複合機10の物理I/Fの状況を各ブロックのI/Oポートから確認する(S1103)。
デジタル複合機10の物理I/Fの確認とは、例えば、(1)スキャナ140のドキュメントフィーダ160の原稿の有無、(2)ローカルI/F1210のホストPC30との接続、(3)MODEM1220の公衆回線60への接続等を示す。
CPU1100は、上記ステップS1104のI/Oポート確認結果を、優先機能選択テーブル1630に格納する(S1104)。
次に、デジタル複合機10のアプリケーションプログラムをHDD1130からRAM1110にロードする。この際、上記デジタル複合機10の物理I/Fの状況を優先機能選択テーブル1630を参照してアプリケーションプログラムのうち優先してプログラムのロードを行う。
まず、ステップS1105において、CPU1100は、ドキュメントフィーダ160又は原稿台203の原稿検知の有無を判定する。そして、原稿検知を確認した場合には、CPU1100は、コピー機能プログラム(コピーbootable3131,コピー機能表示bootable3136)をHDD1130からRAM1110に転送する。そして、該コピー機能プログラムを実行して、対応する機能を使用可能にする(起動)(S1106)。さらに、CPU1100は、優先機能選択テーブル1630でコピープログラムを転送済とする(S1107)。そして、ステップS1108に処理を進める。なお、ステップS1106,S1107では、SCAN機能も同時に起動させるように構成してもよい。
一方、ステップS1105で、原稿を検知できない場合は、プログラムを転送せずにそのままシーケンスをステップS1108に進める。
また、ステップS1108において、CPU1100は、ローカルI/F1210のホストPC30との接続の有無を判定する。そして、ローカルI/F1210のホストPC30との接続を確認した場合には、ステップS1109に処理を進める。
ステップS1109において、CPU1100は、SENDプログラム(SENDbootable3133,SEND機能表示bootable3138)をHDD1130からRAM1110に転送する(S1109)。そして、該SENDプログラムを実行して、対応する機能を使用可能にする(起動)。さらに、CPU1100は、優先機能選択テーブル1630でSENDプログラムを転送済とする(S1110)。そして、ステップS1111に処理を進める。
一方、ステップS1108で、ローカルI/F1210のホストPC30との接続を確認できない場合は、プログラムを転送せずにそのままシーケンスをステップS1111に進める。
また、ステップS1111において、CPU1100は、MODEM1220の公衆回線60への接続の有無を判定する。そして、MODEM1220の公衆回線60への接続を確認した場合には、CPU1100は、FAXプログラム(FAXbootable3132,FAX機能表示bootable3137)をHDD1130からRAM1110に転送する(S1112)。そして、該FAXプログラムを実行して、対応する機能を使用可能にする(起動)。さらに、CPU1100は、優先機能選択テーブル1630でFAXプログラムを転送済とする(S1113)。そして、ステップS1114に処理を進める。
一方、ステップS1108で、MODEM1220の公衆回線60への接続を確認できない場合は、プログラムを転送せずにシーケンスをステップS1114に進める。
以上のように、デジタル複合機10の物理I/Fの状況により優先するプログラムを先にロードし終わった後に、ステップS1114に処理を進める。ステップS1114において、CPU1100は、優先機能選択テーブル1630でいまだ未ロードとなっているプログラムをHDD1130からRAM1110に格納し、処理を終了する。
例えば、物理I/Fの確認により、ドキュメントフィーダ160の原稿有、ローカルI/F1210のホストPC30との接続、MODEM1220の公衆回線60への未接続を検出した場合は、コピー機能、SEND機能が優先してRAM1110に格納さる。即ち、フローチャート(S1114)の時点で、図36(c)の状態となり、コピー機能、SEND機能を優先して使用することができるようになる。
また、デジタル複合機10がプリンタ機能を有する場合には、以下のように構成しても良い。即ち、ローカルI/F、例えば、USBに接続があった場合、プリンタ機能のbootableをRAM1110へダウンロードするようにする。例えば、USBメモリなどのリムーバブルメモリの接続があった場合に、リムーバブルメモリ内の画像データを印刷する、いわゆるダイレクトプリントを実行するであろうことを想定した場合、このような構成が有効である。
更に、どの物理I/Fに対して接続があった場合にどの機能bootableを優先的にRAM1110へダウンロードするかを、操作部2000からの指示で可変に設定可能に構成しても良い。また、この設定は特定のユーザ、例えば、デジタル複合機10の管理者だけが設定可能にしても良い。
以上説明したように、デジタル複合機10の電源立ち上げ後に、デジタル複合機10のADFの原稿検知、インタフェース(ローカルI/F、電話回線)の接続状況等(即ち、各機能を実行する手段の状況)を確認する。そして、前記各機能を実行する手段の状態に基づいて、機能プログラムの起動順序を制御するように構成する。この構成により、使用する可能性が高い(又は、ユーザが使用しようとしている)プログラムの順番に機能プログラムを優先して起動することができ、ユーザの待ち時間を少なくしてデジタル複合機を使用することができるようになる等の効果を奏する。
なお、上記各実施形態において示した、電源起動(電源ON,電源立ち上げ等とも表現してある)は、電源起動に限られるものではなく、電源起動と同様の起動手順を必要とする省電力状態(スリープモード等)からの復帰も含むものとする。
また、上述した各種データの構成及びその内容はこれに限定されるものではなく、用途や目的に応じて、様々な構成や内容で構成されることは言うまでもない。
以上、一実施形態について示したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
以下、図38に示すメモリマップを参照して、本発明に係る画像処理装置(デジタル複合機10)で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップの構成について説明する。
図38は、本発明に係る画像処理装置(デジタル複合機10)で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体(記録媒体)のメモリマップを説明する図である。
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
本実施形態における図6,図7A,図7B,図12,図13,図18,図22,図23,図28,図29,図33,図37に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD-ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD-ROM、CD-R、CD-RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のプログラムそのものをハードディスク等の記憶媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、該ホームページから圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記憶媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやFTPサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
また、本発明のプログラムを暗号化してCD-ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布する。さらに、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。さらに、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、以下のような構成も含まれることは言うまでもない。例えば、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードを、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込む。そして、該メモリに書き込まれたプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を該システムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。