JP5484299B2 - プリント配線板 - Google Patents
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Description
また、ワイヤ・ハーネスを用いた場合は、コネクタに直接力が加わらないようハーネス部を引き回すため、収納作業が別途必要になることがあり、作業者は、作業に手間を要することがある。
そして、コネクタやその他電子部品に加わる力を緩和させるためにプリント配線板にスリットを設ける手法がある(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この手法は、例えば、プリント配線板に平行なスリットが設けられ、この平行なスリットと同じ方向へ位置ずれや応力が発生した場合、コネクタに加わる力の緩和が難しい。
電気回路が形成された複数の回路基板を電気的に接続する接続用配線板において、
前記複数の回路基板の電気回路とそれぞれ電気的に接続する複数のコネクタと、
前記複数のコネクタを電気的に接続する導電線と、
前記複数のコネクタと前記導電線とを配置した1枚の平らな配線板と
を備え、
前記配線板は、複数の板端部と前記複数の板端部をつなぐ曲折した曲折部とを有し、前記複数の板端部に前記複数のコネクタをそれぞれ配置し、前記曲折部に前記導電線を配置したことを特徴とする。
最初に、図1、図2、図3、図4、図5、図6を用いて実施の形態1における接続用配線板100の説明を行う。
図1は、接続用配線板100による回路基板500間の電気接続構造を示す斜視図である。
図2は、コネクタ150と回路基板コネクタ160とを示す斜視図である。
図3は、接続用配線板100の導電線140を示す上面図である。
図4は、板端部110と曲折部120との定義を示した図である。
図5は、接続用配線板100による回路基板500間の電気接続構造を概略的に示した上面図である。
図6は、接続用配線板100による回路基板500間の電気接続構造を概略的に示した断面図である。(図6は、図5に図示したA−A間における断面図である)。
接続用配線板100を構成する配線板170の材料は、例えばガラスエポキシ樹脂などからなる。
第1の回路基板500aと第2の回路基板500bとは、基板取付板502に例えばねじ止めなどで、取り付けられている。
そして、第1の回路基板500aには第1の電気回路501aが形成されており、第2の回路基板500bには第2の電気回路501bが形成されている。さらに、第1の電気回路501aに、第1の回路基板コネクタ160aが電気的に接続され、第2の電気回路501bに、第2の回路基板コネクタ160bが電気的に接続されている。ここで、回路基板コネクタ160と電気回路501との電気的接続は、例えば、はんだ付けなどで行われ、同時に回路基板コネクタ160と電気回路501とは物理的にも固定される。
接続用配線板100は、1枚の配線板170から成り、配線板170の端部に板端部110aと110bとを備える。
そして、同じ1枚の配線板170から成る、曲折した曲折部120が板端部110aと110bとを接続している。言い換えれば、曲折部120は、複数の板端部間を結ぶ最短距離を迂回して配置されている。
図4に、板端部110と曲折部120とを明示する。板端部110は、図4における黒部であり、曲折部120は、図4における白部である。そして、板端部間を結ぶ最短距離とは、図中の一点鎖線矢印の距離である。また、板端部110と曲折部120との接続箇所とは、板端部110と曲折部120とが互いに接している境界のことである。
図示(例えば図4)において、曲折部120の曲折の角度は90度となっている。しかし、曲折部120の曲折の角度は90度に限定されるものでは無い。
曲折部120と板端部110aとの接続箇所(例えば図4に示す板端部と曲折部との接続箇所a)は、曲折部120と板端部110bとの接続箇所(例えば図4に示す板端部と曲折部との接続箇所b)に対してなるべく離れた場所に位置しており、曲折部120は、複数の板端部間を結ぶ最短距離を迂回して配置されることになる。この結果、曲折部120の長さを長くすることが可能となる。
例えば、図1の例では、曲折部120は、L字型の形状が組み合わさった形状である。そして、曲折部120と板端部110aとの接続箇所は、板端部110aの板端部110bに対して反対側の角(例えば図4の角a)であり、曲折部120と板端部110bとの接続箇所は、板端部110bの板端部110aに対して反対側の角(例えば図4の角b)である。すなわち、曲折部120は、板端部110aと板端部110bとの直線距離が一番長くなる角同士を接続している。
そして、曲折部120は、板端部110aと板端部110bとの長辺よりも長い直線部分を2つ以上有している。(例えば図4中に点線矢印で説明の部分)。
ここで、電極パターン130と導電線140とは、例えば銅などの金属から成り、配線板170上に例えばめっき処理などで形成される。また、配線板170は片面配線基板であっても、両面配線基板であっても良く、電極パターン130と導電線140とは、例えばスルーホールなどを介して配線板170の両面に形成が可能である。
そして、第1のコネクタ150aは、板端部110aに形成された電極パターン130に電気的に接続され、第2のコネクタ150bは、板端部110bに形成された電極パターン130に電気的に接続される。ここで、コネクタ150と電極パターン130との電気的接続は、例えば、はんだ付けなどで行われ、同時にコネクタ150と電極パターン130とは物理的にも固定される。
図3、図5に示す上面図においては、配線板170の上面に電極パターン130と導電線140が形成され、配線板170の下面にコネクタ150が配置され、電極パターン130はスルーホールで、配線板170の上面と下面とを電気的に接続している。
よって、電気回路501aは、回路基板コネクタ160aとコネクタ150aと板端部110aに形成された電極パターン130とを介して、導電線140に電気的に接続され、更に、板端部110bに形成された電極パターン130とコネクタ150bと回路基板コネクタ160bとを介して、電気回路501bに電気的に接続される。
図5は、接続用配線板100で回路基板500aと回路基板500bとが接続されていることを示す。そして、図5におけるA−A間の断面を表したものが図6である。コネクタ150aは回路基板コネクタ160aと、コネクタ150bは回路基板コネクタ160bと嵌め合さっている。
本実施の形態により、接続用配線板100の曲折部120が曲折していることにより、曲折部120が変形し、接続用配線板100が接続される回路基板500間の位置ずれによる残留応力や、熱応力によるひずみを曲折部120が吸収緩和させることが可能となる。また、あらゆる方向に回路基板500間の位置ずれが生じた場合でも、接続用配線板100は、コネクタ150と回路基板コネクタ160とに加わる力を緩和させながら、回路基板500間を電気的に接続することが出来る。そして、コネクタ150と電極パターン130とのはんだ接合部もしくは、回路基板コネクタ160と電気回路501とのはんだ接合部は、応力に起因した接続不良や配線パターンの断線を起こさなくなる。
そして、図4により明らかなように、曲折部120は、板端部110aと板端部110bとの接続箇所(図4に示す板端部と曲折部との接続箇所b)の方が、接続箇所以外(例えば図4に示す実線矢印部分)より幅が広く(断面積が広く)なっている。このように曲折部120の板端部110aと板端部110bとの接続箇所の幅を広くすることで、応力の一番加わる曲折部120の板端部110aと板端部110bとの接続箇所の強度を向上することが可能である。
また、板端部110の1辺と曲折部120の1辺とが一致している。(板端部110の1辺の延長線上に曲折部120の1辺が形成されている。図3参照)。言い換えれば、曲折部120は板端部110の外周の1辺の途中には接続していない。このような形状によっても、曲折部120の板端部110aと板端部110bとの接続箇所の強度を向上することが可能である。
さらに、曲折部120は、板端部110aと板端部110bとの長辺よりも長い直線部分を2つ以上有していることで、より応力を緩和しやすくなる。
また、コネクタ150が実装された接続用配線板100を用いて、コネクタ150と回路基板コネクタ160との嵌合により複数の回路基板500間を電気的に接続することは、FFCやFPC、ワイヤ・ハーネスを用いて接続する場合に比べて、低コストでかつ、接続不良を起さない。また、回路基板500間の接続に関して、コネクタどうしの嵌合により接続されることは、作業性が良くなり、生産性が向上する。(例えば、ワイヤ・ハーネスを用いた場合に比べて、ハーネス部をまとめる作業や、引き回したハーネス部の収納作業が無くなるので、組立作業に手間がかからない)。
そして、接続用配線板100は、パターンが形成された配線板170とコネクタ150とだけを用いており、更にコネクタ150は、例えば、はんだ付けで配線板170(電極パターン130)に接続される。その為、接続用配線板100は、大量生産することも可能となり、FFCやFPC、ワイヤ・ハーネスを用いた場合より、低コストとなる。
接続用配線板100へ実装されているコネクタ150の電極パターン130の配列は、周辺部品の設計制約に応じて自由に設計できる。本実施の形態の例では、コネクタ150は、多電極で自動実装機にも対応でき、また、コネクタ150の電極パターン130の配列が2列以上あるものを用いている。
接続用配線板100は、フレキシブルに撓むのではなく、堅い(リジッドな)配線板170であるため、コネクタの挿入間隔が必然と決定し、コネクタの挿入箇所が明確となり接続作業の効率化を図ることが出来る。
また、図1〜6に示す曲折部120は、1つ以上の角を備えた曲折した形状を有すると言える。曲折部120は、1つ以上の角を備えることが、回路基板500間の応力緩和には望ましい。そして具体的には、図1〜6に示す曲折部120は、3つの角を備えている(図3に(1)〜(3)で図示)。このように3つ以上の角を備えることが、回路基板500間の応力緩和には更に望ましい。
ただし、曲折部120の角が多くなるほど、応力の緩和の効果は期待されるが、曲折部120の形状によっては、接続用配線板100全体の面積が大きくなってしまう為に、必要以上に曲折部120を長くしないことも考慮しなくてはならない。
接続用配線板100の曲折部120の曲折形状の他の例を示す。
図7は、四角い渦巻き状の形状をした曲折部120の第1の例を示す図である。
図8は、四角い渦巻き状の形状をした曲折部120の第2の例を示す図である。
図9は、ミアンダ状の形状をした曲折部120の例を示す図である。
図10は、曲線状の形状をした曲折部120の例を示す図である。
本実施の形態の説明においては、回路基板コネクタ160、回路基板500、電気回路501、基板取付板502の図示を省略しているが、図1の接続用配線板100が本実施の形態の接続用配線板100に置き換わるだけで、同様である。
曲折部120の少なくとも一部に渦巻き状の形状を有する、もしくは、接続用配線板100の少なくとも一部にミアンダ状の形状を有することで、第1のプリント配線板に備えられる回路基板コネクタ160aと第2のプリント配線板に備えられる回路基板コネクタ160bの間隔が変化した場合に、曲折部120は弾性変形することが可能となる。ここで、ミアンダ状とは、山谷を交互に(ジグザグに)蛇行した形状を示す。図9の例では、谷の部分が1つであるが、接続用配線板100の大きさの制約が無ければ、曲折部120の山谷の数をもっと増やすことも可能である。また、ミアンダ状は、M字型、N字型、S字型、U字型、V字型、W字型、Z字型でも良い。
図7又は図8に示す曲折部120の渦巻き状の形状は、板端部110を取り巻くように形成されている。(図7においては、板端部110b側。図8においては板端部110aと板端部110bとの両方)。渦巻き状の形状は、図7に示すように片側の板端部110bを取り巻く形状でも良いし、図8に示すように両側の板端部110aと板端部110bとを取り巻く形状でも良い。
また、図9に示す曲折部120のミアンダ状の形状は、板端部110aと板端部110bとの間に形成されている。
このように曲折部120を配置することにより、曲折部120の角の数を増やしても、曲折部120は、省スペース化を図れる。具体的には曲折部120の角は6個有り(図7〜9に、(1)〜(6)で図示)、実施の形態1よりも角が多いので、回路基板500間の応力はより緩和される。すなわち、曲折部120の角は6個以上あると、回路基板500間の応力はより緩和され、望ましい。
さらに図10は、曲折部120の角が直角では無く、曲線状の例である。図10は、図9の例における曲折部120の角を曲線化したものであるが、実施の形態2に限らず、実施の形態1または後述の実施の形態3においても、曲線状の形状を適用することが出来る。また、図9の曲折部120には、直線部分が残っているが、直線部分を無くし、曲折部120は、円弧状の組み合わせでも構わない。
本実施の形態により、曲折部120が変形可能で有り、組立作業者は、コネクタをX方向、Y方向、Z方向のどの方向にでも動かすことが出来、コネクタ150aとコネクタ150bとの間の距離を調整することが出来る。
また、回路基板コネクタ160間にて、ねじれによる歪みが生じ、回路基板コネクタ160同士にZ方向に傾きが生じた場合でも、接続用配線板100は、コネクタ150の位置や向きを調整し、コネクタ150と回路基板コネクタ160とを嵌合させることが出来る。
同時に、接続用配線板100は、接続される回路基板500間の位置ずれによる残留応力や、熱応力によるひずみを緩和させることが可能となり、はんだ接合部に発生する接続不良を起こさなくなる効果も有る。
接続用配線板100の板端部110が2つよりも多い例を示す。
図11は、板端部110が3つ有る接続用配線板100の例を示す図である。図11においては、板端部110が3つの例を示しているが、数量は限定されない。
図11の例においては、隣合う板端部110aと110b間および隣合う板端部110bと110c間は、5つの角を有する曲折部120で接続されている。(図11に(1a)〜(5a)、(1b)〜(5b)で図示)。実施の形態1の曲折部120の3つの角よりも、本例のように5つの角を備えることの方が、回路基板500間の応力緩和には望ましい。ただし、必要に応じて、曲折部120の有する角を増やすことも、減らすことも可能である。
また、実施の形態2のような、曲折部120は、渦巻き状または、ミアンダ状の形状とすることも出来る。
本実施の形態に示す例においても、曲折部120が回路基板500間の応力を緩和することが可能であり、2つよりも多い回路基板500を接続することが可能である。
このように、様々な場合の回路基板500間の電気的接続に、接続用配線板100は利用可能である。
Claims (7)
- 電気回路が形成された複数の回路基板を電気的に接続するプリント配線板において、
前記複数の回路基板の電気回路とそれぞれ電気的に接続する複数のコネクタと、
前記複数のコネクタを電気的に接続する導電線と、
前記複数のコネクタと前記導電線とを配置した1枚の堅く平らな配線板と
を備え、
前記配線板は、複数の板端部と、前記複数の板端部をつなぐ曲折した曲折部であって弾性変形する曲折部とを有し、前記複数の板端部に前記複数のコネクタをそれぞれ配置し、前記曲折部に前記導電線を配置したことを特徴としたプリント配線板。 - 前記複数のコネクタは、
前記複数の回路基板が有する複数の回路基板コネクタであって前記複数の回路基板の電気回路と電気的に接続する複数の回路基板コネクタと、それぞれ接続することのみによって、前記複数の回路基板に固定されることを特徴とする請求項1に記載のプリント配線板。 - 前記配線板は、ガラスエポキシ樹脂製であることを特徴とする請求項1または2に記載のプリント配線板。
- 前記曲折部は、前記複数の板端部間を結ぶ最短距離を迂回して配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプリント配線板。
- 前記曲折部は、1つ以上の角を備えた曲折した形状を有することを特徴とする請求項1
〜4のいずれかに記載のプリント配線板。 - 前記曲折部は、少なくとも一部に渦巻き状の形状を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプリント配線板。
- 前記曲折部は、少なくとも一部にミアンダ状の形状を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のプリント配線板。
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