以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る撮像装置としてのカメラについて説明する。図1及び図2は、第1の実施の形態に係るカメラ2の外観を示す図であり、図1は上面図、図2は背面図である。図1に示すように、カメラ2の上面には、カメラ2の電源をオンオフする電源スイッチ4、撮影等を指示するためのレリーズスイッチ6、及びガイドモードや様々な撮影モードに切り換えるためのモードダイヤル10が設けられている。
また、図2に示すように、カメラ2の背面には、画像等を再生表示するための背面液晶パネル12、記録媒体30(図4参照)に記録されている画像の再生表示を指示するための再生ボタン14、カメラ2の各種設定を行うメニュー画面の表示を指示するためのメニューボタン16、背面液晶パネル12に再生表示されている画像の縮小表示を指示するための縮小ボタン18、背面液晶パネル12に再生表示されている画像の拡大表示を指示するための拡大ボタン20、メニュー項目等の選択やカーソルを移動させる等のための十字操作キー22、各種選択項目に対する選択確定操作を行うためのOK(決定)ボタン23が設けられている。
図3は、モードダイヤル10の構成を示す図である。図3に示すように、モードダイヤル10は、外部操作により複数の操作位置10a〜10nを選択可能に構成されている。即ち、ユーザーによりモードダイヤル10が時計回りまたは反時計回りに回され、指標11の位置に対向配置された任意の操作位置(図3では、操作位置10a)が選択された操作位置となる。図3に示すように、操作位置10aが選択された場合には、カメラ2はガイドモードに設定される。ガイドモードにおいては、撮影に関する設定、再生に関する設定、カメラ2に関する設定を選択可能な画面を、背面液晶パネル12に表示する機能を実行する。このガイドモードについては、後述する。
また、操作位置10bが選択された場合にはオート撮影モードに設定され、オート撮影モードにおいては、カメラ2において撮影条件等を例えば測光結果や測距結果などの各種測定値に基づいてカメラ2が自動で設定(例えば、プログラム露出モード、低輝度時自動発光モード、オートフォーカス、オートホワイトバランス等)し、撮影を実行する。また、操作位置10cが選択された場合には、非発光での撮影を実行させるための発光禁止用撮影モードに、操作位置10dが選択された場合には、人物を撮影するのに最適な撮影条件(露出を決めるシャッター秒時と絞り値など)が設定されるポートレート用撮影モードに、操作位置10eが選択された場合には、風景を撮影するのに最適な撮影条件が設定される風景用撮影モードに、操作位置10fが選択された場合には、子供を撮影するのに最適な撮影条件が設定される子供スナップ用撮影モードに、操作位置10gが選択された場合には、スポーツ等の一瞬の動きを撮影するのに最適な撮影条件が設定されるスポーツ用撮影モードに、操作位置10hが選択された場合には、草花や昆虫を接写するのに最適な撮影条件が設定されるクローズアップ用撮影モードに、操作位置10iが選択された場合には、夜景や夕景をバックに人物を撮影するのに最適な撮影条件が設定される夜景ポートレート用撮影モードに、それぞれカメラ2が設定される。また、操作位置10jが選択された場合には、シャッタースピード及び絞り値をユーザーが手動で設定して撮影するマニュアル露出モードに、操作位置10kが選択された場合には、絞り値をユーザーが手動で設定して撮影する絞り優先露出モードに、操作位置10mが選択された場合には、シャッタースピードを手動で設定して撮影するシャッター優先露出モードに、操作位置10nが選択された場合には、シャッタースピードと絞りをカメラ2が自動で設定して撮影するプログラム露出モードに設定される。
図4は、第1の実施の形態に係るカメラ2のシステム構成を示すブロック図である。図4に示すように、カメラ2は、制御部26、撮像素子28、記録媒体30、背面液晶パネル12、電源スイッチ4、レリーズスイッチ6、モードダイヤル10、再生ボタン14、メニューボタン16、縮小ボタン18、拡大ボタン20、十字操作キー22、及びOK(決定)ボタン23を備えて構成されている。
制御部26は、CPU等により構成され、カメラ2の各部を統括的に制御する。撮像素子28は、CCDまたはCMOS等により構成され、図示しない撮影レンズを透過した被写体からの被写体光を撮像する。記録媒体30は、カメラ22に設けられた記録媒体差込口(図示せず)に着脱可能に装着される可搬性を有する記録媒体である。記録媒体30には、撮像素子28から出力された撮像信号に基づき生成された画像データ等、複数の画像データが撮影日時、絞り値、シャッタースピード等、その他画像に関する情報と共に、Exif(Exchangable image file format)等の所定の形式で記録されている。
背面液晶パネル12は、撮像素子28から読出された撮像信号に基づくスルー画像、記録媒体30に記録されている画像データから形成される画像、記録媒体30に記録されている画像に関する情報、及びメニュー画面等を表示する。
次に、この実施の形態に係るモードダイヤル10の操作位置10aに対応するガイドモードについて説明する。ユーザーにより操作位置10aが選択されると、制御部26は、ガイドモードに移行し、図5に示すように、背面液晶パネル12に、画面32を表示する。画面32には、撮影に関する設定及び撮影以外の機能に関する設定を選択可能な項目「撮る」「見る・消す」「設定する」が表示される。ユーザーは、撮影に関する設定を行う場合には「撮る」を、再生または削除に関する設定を行う場合には「見る・消す」を、カメラ2に関する設定を行う場合には「設定する」を、十字操作キー22を用いて選択する。なお、図5においては、「撮る」が選択されている。また、画面32には、図5に示すように、3つの選択可能な項目と共に、現在ガイドモード内のガイドメニューに入っていることを示す「ガイドメニュー」の文字表示、カメラ2に電力を供給するバッテリの残容量を示す残容量マーク32a、現在設定されている撮影モードを示す撮影モードマーク32b、記録媒体30の残容量に対して記録可能なコマ数32c、記録可能コマ数が1000コマ以上ある場合に表示される補助表示32d等が表示される。そして、これら残容量マーク32a、撮影モードマーク32b、記録可能なコマ数32c、補助表示32d等は、ガイドモード状態で次の画面が表示される等、背面液晶パネル12に表示される画面が変化した場合においても常に表示される。
この実施の形態では、他の撮影モード(操作位置10b〜10n)からガイドモード(操作位置10a)に移行すると、カメラ2はまず自動的に、ガイドモード下のオート撮影モードに設定される。オート撮影モードは、カメラ2において撮影条件等を自動で設定(例えば、プログラム露出モード、低輝度時自動発光モード、オートフォーカス、オートホワイトバランス等)し、撮影を実行させるためのモードである。したがって、ユーザーが撮影に関する設定を未だ行っていなくても、例えば図5に示す画面32が表示されている状態であっても、ユーザーは(オート撮影モードで)撮影を実行可能である。この場合には、撮影条件等が自動で設定されるため、撮影に失敗する率は少ない。
次に、ユーザーにより十字操作キー22を用いて「撮る」が選択され、OK(決定)ボタン23が押下されると、制御部26は、図6に示すように、撮影に関する設定を行うための画面34を背面液晶パネル12に表示する。画面34には、撮影に関する設定であって、選択可能な項目「場面にあわせて撮る」「テクニックを使って撮る」が表示される。ユーザーは、人物や風景等、場面にあわせて撮影条件を設定する場合には「場面にあわせて撮る」を、シャッタースピードや絞り等を手動で設定する場合には「テクニックを使って撮る」を、十字操作キー22の上下ボタンを用いて選択する。なお、図6においては、「場面にあわせて撮る」が選択されている。また、画面34には、十字操作キー22の左ボタンを押下すると前の画面(この場合では画面32)に戻れることを示す「戻るマーク」34aが表示される。
次に、ユーザーにより十字操作キー22の上下ボタンを用いて「場面にあわせて撮る」が選択され、その選択を確定するためにOK(決定)ボタン23が押下されると、制御部26は、図7に示すように、「場面にあわせて撮る」場合の更なる撮影に関する設定を行うための画面36を背面液晶パネル12に表示する。画面36には、選択可能な項目「おまかせで撮る」「フラッシュを使わずに撮る」「遠くの被写体を撮る」「花や小物をアップで撮る」「子供の寝顔を撮る」等が表示される。ユーザーは、所望の項目を十字操作キー22の上下ボタンを用いて選択する。なお、図7においては、「おまかせで撮る」が選択されている。また、画面36には、「おまかせで撮る」「フラッシュを使わずに撮る」「遠くの被写体を撮る」「花や小物をアップで撮る」「子供の寝顔を撮る」以外にも選択項目が存在することを示すスクロールバー36aが表示されている。
次に、ユーザーにより十字操作キー22の上下ボタンを用いて「おまかせで撮る」が選択され、OK(決定)ボタン23が押下されると、制御部26は、図8に示すように、「おまかせで撮る」場合における説明を行うための画面38を背面液晶パネル12に表示する。「おまかせで撮る」は、ガイドモード下におけるオート撮影モードであることから、オート撮影モードに設定された旨と、そのオート撮影モード下での撮影方法等の説明がメッセージ表示エリア38aに表示される。ユーザーは、このオート撮影モードにおいて撮影を行う場合には、画面38上の「撮影を始める」を選択し、OK(決定)ボタン23を押下する。
次に、図6に示す画面34上に表示されている「テクニックを使って撮る」を選択した場合について説明する。「テクニックを使って撮る」が選択され、OK(決定)ボタン23が押下されると、制御部26は、図9に示すように、「テクニックを使って撮る」場合の更なる撮影に関する設定を行うための画面40を背面液晶パネル12に表示する。画面40には、選択可能な項目「人物の動きを止めて撮る」「乗り物の動きを止めて撮る」「背景をぼかして撮る」が表示される。なお、図9においては、「人物の動きを止めて撮る」が選択されている。
次に、「人物の動きを止めて撮る」が選択され、OK(決定)ボタン23が押下されると、制御部26は、図10に示すように、「人物の動きを止めて撮る」場合におけるアドバイス情報を含む説明を行うための画面42を背面液晶パネル12に表示する。即ち、画面42には、ガイドモード下におけるSモード(シャッター優先オート/上述のシャッター優先露出モードと同様にシャッター速度はユーザーによる手動設定値を使用する露出モード)に設定された旨と、Sモードにおいてシャッタースピードを設定する際の推奨する値を示すアドバイス情報等がメッセージ表示エリア42cに表示される。なお、画面42には、ガイドモード下におけるSモードに移行した旨を示す撮影モードマーク42a、OK(決定)ボタン23を押下すると次の画面(この場合では画面44(図11参照))に進むことを示す「進むマーク」42bが表示される。
ここで、本実施形態では、上述したモードダイヤル10で操作位置10mが選択された場合(即ちモードダイヤルでシャッター優先露出モードに設定された場合)も、背面液晶パネル12にそのモードに設定されている旨を示すモードマークを表示するが、この場合のモードマークには上述したガイドモード下で設定したシャッター優先露出モードを示すモードマーク42aで示されるような「GUIDE」の文字記号の付記の無い「S」マーク(不図示)が表示される。これについては他のモード(プログラム露出モード「P」,マニュアル露出モード「M」、絞り優先露出モード「A」、及び既述のオート撮影モード)におけるモードマーク表示においても同様である。このようにモードマークの表示形態を(「GUIDE」の文字付きか否か)異ならせることによって、現在カメラ2に設定されているモードがガイドモード下にて設定されたモードであるか否かをユーザーが一目で識別することが可能となる。
次に、OK(決定)ボタン23が押下されると、制御部26は、図11に示すように、シャッタースピードを設定するための画面44を背面液晶パネル12に表示する。画面44には、十字操作キー22の上下ボタンを用いてシャッタースピードを設定することを示す「設定マーク」44a及びシャッタースピードを設定する際のアドバイス情報がメッセージ表示エリア44bに表示されている。ユーザーは、十字操作キー22の上下ボタンを用いてシャッタースピード設定表示エリア44cでシャッタースピードを確認しながらシャッタースピードを設定する。なおシャッタースピード設定表示エリア44cの左側には、そのシャッタースピードの変更に応じて変化する絞り値を絞り開口の様子と共に表示する絞り表示エリアが設けられている。ユーザーによりシャッタースピードが設定され、OK(決定)ボタン23が押下されると、制御部26は、図12に示すように、設定されたシャッタースピード等を示す画面46を背面液晶パネル12に表示する。ユーザーは、オート撮影モードにおいて撮影を行う場合には、画面46上の「撮影を始める」を選択し、OK(決定)ボタン23を押下する。
また、図9の画面40において「背景をぼかして撮る」が選択された場合には、制御部26は、図13に示すように、「背景をぼかして撮る」場合におけるアドバイス情報を含む説明を行うための画面48を背面液晶パネル12に表示する。即ち、画面48には、ガイドモード下におけるAモード(絞り優先オート)に設定された旨と、Aモードにおいて絞りを設定する際の効果等を示すアドバイス情報等がメッセージ表示エリア48bに表示される。なお、画面48には、ガイドモード下におけるAモードに移行した旨を示す撮影モードマーク48aが表示される。次に、OK(決定)ボタン23が押下されると、制御部26は、図14に示すように、背面液晶パネル12に絞り値を設定するための画面50を表示する。絞り値設定表示エリア50aで絞り値を確認しながら、十字操作キー22の上下ボタンを用いたユーザー操作により絞り値が設定され、OK(決定)ボタン23が押下されると、制御部26は、図15に示すように、設定された絞り値等を示す画面52を背面液晶パネル12に表示する。なお絞り値設定表示エリア50aの左側には、その設定絞り値に応じた絞りの開口状態を表示する。
次に、図5に示す画面32上に表示されている「見る・消す」を選択した場合について説明する。「見る・消す」が選択されると、制御部26は、図16に示すように、記録媒体30に記録済みの画像の背面液晶パネル12への再生表示、または記録媒体30に記録済みの画像の記録媒体30からの削除に関する設定を行うための画面54を背面液晶パネル12に表示する。画面54には、再生または削除に関する設定であって、選択可能な項目「1枚見る」「複数枚を見る」「日付を選んで撮る」「スライドショーで見る」「撮影した画像を消す」が表示される。なお、図16においては、「1枚見る」が選択されている。
「1枚見る」が選択されると、制御部26は、記録媒体30に記録されている画像の中で記録媒体30に最後に記録された「最新の画像」(或いは記録媒体に最初に記録された「最古の画像」)を背面液晶パネル12に再生表示する。十字操作キー22の左右ボタンを押下することにより、現在表示されている画像の前または後に記録されている画像を順次コマ送り再生表示し、前後の画像の再生表示方法をユーザーに示す情報(例えば1コマ前または1コマ後ろにコマ送りして表示させたいときにはどの操作部材を操作すれば良いか、等の情報)が画像と共に背面液晶パネル12に表示される。
「複数枚を見る」が選択されると、制御部26は、一画面に再生表示するコマ数(例えば、「4コマづつ」や「9コマづつ」等)を選択するための画面を背面液晶パネル12に表示する。コマ数が選択されると、制御部26は、記録媒体30に記録されている画像の中から、選択されたコマ数分の最新(または最古)の画像のサムネイル画像(例えば「4コマづつ」が選択された場合には、4コマ分それぞれに対応する4つのサムネイル画像)を一画面として背面液晶パネル12に再生表示する。十字操作キー22の左右ボタンを押下することにより前後の画像のサムネイル画像を(選択コマ数分のサムネイル画像を一画面として)再生表示し、前後の画像のサムネイル画像の再生表示方法をユーザーに示す情報(例えば次の4コマ1画面を画面送りして表示させたいときにはどの操作部材を操作すれば良いか、等の情報)がサムネイル画像と共に背面液晶パネル12に表示される。
「日付を選んで見る」が選択されると、制御部26は、日付を入力するための画面(例えば、カレンダー等)を背面液晶パネル12に表示する。日付が選択されると、制御部26は、記録媒体30に記録されている画像の中から、選択された日付に撮影された画像を自動抽出し、その抽出された画像を背面液晶パネル12に再生表示する。十字操作キー22の左右ボタンを押下することにより前後の画像を順次コマ送りして再生表示し、前後の画像の再生表示方法をユーザーに示す情報(上記と同様な情報)が画像と共に背面液晶パネル12に表示される。
「スライドショーで見る」が選択されると、制御部26は、スライドショーで画像を再生表示するための設定(例えば、インターバル時間の設定等)を行うための画面を背面液晶パネル12に表示する。スライドショーで画像を再生表示するための設定がなされると、制御部26は、記録媒体30に記録されている画像を、設定内容に従って背面液晶パネル12に順次自動的にコマ送りしながらスライドショー再生表示する。
「撮影した画像を消す」が選択されると、制御部26は、図17に示すように、記録媒体30に記録されている画像の削除に関する設定を行うための画面56を背面液晶パネル12に表示する。画面56には、選択可能な項目「複数画像をまとめて消す」「日付を指定して消す」「すべての画像を消す」が表示される。なお、図17においては、「複数画像をまとめて消す」が選択されている。
「複数画像をまとめて消す」が選択されると、制御部26は、記録媒体30に記録されている画像のサムネイル画像の一覧を背面液晶パネル12に表示する。すべてのサムネイル画像を一画面に表示できない場合には、例えば背面液晶パネル12の右側に設けられたスクロールバーを用いて、画面を前後させることによりすべてのサムネイル画像を表示可能とする。ユーザーにより、削除したい画像のサムネイル画像が選択され、OK(決定)ボタン23が押下されると、制御部26は、「削除しますか?」等の削除を確認するメッセージ、及びその確認に対してユーザー操作により選択可能な項目「はい」「いいえ」等を背面液晶パネル12に表示する。十字操作キー22及びOK(決定)ボタン23によるユーザー操作により「はい」が選択されると、制御部26は、選択された画像の記録媒体30からの削除を実行する。一方、ユーザー操作により「いいえ」が選択されると、制御部26は、選択された画像の記録媒体30からの削除を中止する。
「日付を指定して消す」が選択されると、制御部26は、日付を選択するための画面(例えば、カレンダー等)を背面液晶パネル12に表示する。ユーザー操作により、日付が選択され、OK(決定)ボタン23が押下されると、制御部26は、「複数画像をまとめて消す」場合と同様に、削除を確認するメッセージ等を背面液晶パネル12に表示し、ユーザーの選択操作に従って、画像の記録媒体30からの削除を実行または中止する。
「すべての画像を消す」が選択されると、制御部26は、「すべての画像を削除します。よろしいですか?」等の全削除を確認するメッセージ、及びその確認に対してユーザー操作により選択可能な項目「はい」「いいえ」等を背面液晶パネル12に表示し、ユーザーの選択操作に従って、画像の記録媒体30からの削除を実行または中止する。
次に、図5に示す画面32上に表示されている「設定する」を選択した場合について説明する。「設定する」が選択されると、制御部26は、図18に示すように、カメラ2に関する設定を行うための画面58を背面液晶パネル12に表示する。画面58には、カメラ2に関する設定であって、選択可能な項目「画質モード」「画像サイズ」「液晶モニターの明るさ」「地域と日時」「パワーオフ時間」などが表示される。なお、図18においては、「画質モード」が選択されている。また、画面58の「画質モード」の右側には、現在設定されている画質モードが表示されている(図18では「FINE」)。同様に、「画像サイズ」の右側には現在設定されている画像サイズ(図18では「L(大)」)、「液晶モニターの明るさ」の右側には現在設定されている背面液晶パネル12の明るさ(図18では「+1」)、「パワーオフ時間」の右側には現在設定されているパワーオフ時間(図18では「NORM(ノーマル)」)が表示されている。また、画面58には、「画質モード」「画像サイズ」「液晶モニターの明るさ」「地域と日時」「パワーオフ時間」以外にも選択項目が存在することを示すスクロールバー58aが表示されている。
ここで、ガイドモード下のカメラ2に関する設定で挙げられる選択項目は、通常の(ガイドモード下でない)カメラ2に関する設定での選択項目の中で、設定頻度の高い項目、初級者が容易に設定可能な項目等を抽出して構成されている。即ち、設定頻度の低い項目や上級者向けの設定項目が選択項目から予め除外されているため、ガイドモード下のカメラ2に関する設定では、通常のカメラ2に関する設定より容易に(早く)所望の選択項目を探し出すことができる。
制御部26は、「画質モード」が選択されると、選択可能な画質の種類を表示し、「画像サイズ」が選択されると、選択可能な画像サイズの種類を表示し、「液晶モニターの明るさ」が選択されると、明るさを設定するための画面を表示し、「地域と日時」が選択されると、「地域の設定」「日時の設定」「日付の表示方法」「夏時間の設定」等の選択可能な項目を表示する。また、「パワーオフ時間」が選択されると、選択可能なパワーオフ時間(カメラ2内の複数の回路部に電力供給を行う通常動作モードから複数の回路部への電力供給を通常動作モードよりも制限する低消費電力モードへの切換において、通常動作モードを継続する継続時間)の種類を表示する。そして、ユーザーにより設定項目に関する所望の設定値が選択されると、制御部26は、選択された所望の設定値に基づいて、設定項目の設定を行う。
なお、上述の「見る・消す」または「設定する」を選択してから、設定を終了するまでの間、例えば図16〜18に示すように、カメラ2は、ガイドモード下のオート撮影モードに設定されている。したがって、再生、削除またはカメラ2に関する設定を行っている間いつでも、撮影を実行することが可能である。この場合には、撮影条件等が自動で設定されるため、撮影に失敗する率は少ない。
制御部26は、ガイドモード下で撮影またはカメラ2に関する設定等が終了した後、図19に示すように、撮影待機状態の画面60を背面液晶パネル12に表示する。即ち、ユーザーにより例えば図8に示す画面38、図12に示す画面46、または図15に示す画面52上の「撮影を始める」が選択され、OK(決定)ボタン23が押下されると、制御部26は、画面60を背面液晶パネル12に表示する。
この実施の形態では、ガイドモード下で設定される撮影モード(以下、ガイド撮影モードという)は、他の操作位置を選択することにより設定され、ガイド撮影モードに対応して設けられている撮影モード(以下、通常撮影モードという)と独立して設定される。画面60の上部左側には、選択されている撮影モード(図19ではAモード)を示し、かつガイドモード下で設定されたものであるか否か(図19ではガイドモード下で設定されたものであることを示す文字「GUIDE」)を識別するマーク60aが表示されている。なお、図19ではガイドモード下で設定されたものであることを示す文字を表示しているが、文字に代えて記号を表示してもよい。また既述したように、操作位置10kが選択された場合に設定される通常の(ガイドモード下で設定されていない)Aモードでは、マーク60a下部に表記されている「GUIDE」が表記されない。このように、マーク60aを確認することにより、ガイドモード下で設定されたものであるか否かを容易に判別することができる。
また、画面60には、設定されているシャッタースピード60b、設定されている絞り値60c、選択されているオートフォーカスエリア(図19では、主要被写体領域、例えば顔認識等で自動識別される領域にピントを合わせるAUTO設定となっている)60d、設定されている画質モード60e、設定されている画像サイズ60f、設定されているホワイトバランス60g、設定されているISO感度60h、設定されている測光モード60i等が表示される。
これらの設定値(シャッタースピード60b、絞り値60c、オートフォーカスエリア60d、画質モード60e、画像サイズ60f、ホワイトバランス60g、ISO感度60h、測光モード60i等)は、ガイドモード下で設定されたAモードにおける撮影機能に関する設定値であって、操作位置10kを選択することにより設定される通常のAモードにおける撮影機能に関する設定値と独立して設定される。また、撮影機能に関する設定値だけでなく、再生機能やカメラ2に関する機能の中の幾つかについての設定値は、ガイドモード下で設定されたAモードにおいて、通常のAモードにおいて設定される設定値と独立して設定される。
例えば、図18に示すカメラ2に関する設定における選択項目である「地域と日時」や、不図示の「言語」等の機能については、ガイド撮影モードと通常撮影モードとで独立した設定値を設けたときに不都合が生じる場合があるため、ガイド撮影モードと通常撮影モードとで共通の設定値を設定する。また、図18に示すカメラ2に関する設定における選択項目である「液晶モニターの明るさ」「パワーオフ時間」や、不図示の「1コマ撮影または連続撮影」「フラッシュ設定」「画像仕上がり設定(画像データに対して色の鮮やかさや輪郭の強調具合等の画像処理を行う設定)」等の機能については、ガイド撮影モードと通常撮影モードとで独立した設定値を設定可能である。
通常撮影モードにおいて設定された撮影機能等、所定機能に関する設定値は、ユーザーにより通常撮影モードにおいて変更されない限り、不図示のメモリ等に保存される。即ち、ガイド撮影モードにおいて異なる設定値が設定された場合であっても、通常撮影モードにおける所定機能に関する設定値は変更されることなく保存される。
一方、ガイド撮影モードにおいて設定された所定機能に関する設定値のうち、明るさやカメラ2からの距離の異なる被写体を撮影したときに失敗する率が高い所定機能に関する設定値(例えば、シャッタースピード、絞り値、露出補正等)は、ガイドモードを解除した時点(他の撮影モードを選択した時点)でメモリ等に保存されることなく、リセットされる。それに対し、明るさやカメラ2からの距離の異なる被写体を撮影したとしても失敗しない所定機能に関する設定値(例えば、液晶モニターの明るさ、パワーオフ時間、1コマ撮影か連続撮影か、画像仕上がり設定等)は、ユーザーによりガイドモードにおいて変更されない限り、メモリ等に保存される。即ち、メモリ等には、ガイド撮影モードにおける設定値として、及び通常撮影モードにおける設定値として、同一機能における2つの異なる(または同一の)設定値が保存される。
なお、ガイドモード下における「パワーオフ時間」の初期設定値は、ガイドモードを使用するユーザーとして、設定等に時間を要する初級者を想定しているため、他の撮影モード(操作位置10b〜10nの何れかが選択されている場合)における「パワーオフ時間」の初期設定値より長く設定されている。なお、「パワーオフ時間」は変更可能であるため、ガイドモード下における「パワーオフ時間」の設定値を、他の撮影モードにおける「パワーオフ時間」の設定値以下にしてもよい。
また、例えばガイドモード下における「画像仕上がり設定」に関する設定値として選択可能な選択肢の数は、他の撮影モード下における「画像仕上がり設定」に関する設定値として選択可能な選択肢の数より少ない。具体的には、他の撮影モード下における「画像仕上がり設定」に関する設定値として、標準的な仕上がりの「スタンダード」、スタンダードより鮮やかさを抑えた仕上がりの「ニュートラル」、スタンダードより鮮やかな仕上がりの「ビビッド」、白黒仕上がりの「モノクローム」、人物を撮影する際に適した仕上がりの「ポートレート」、スタンダードより鮮やかに、且つビビッドより鮮やかさを抑えた仕上がりの「風景」等の選択肢がある。これに対し、ガイドモード下における「画像仕上がり設定」に関する設定値として選択可能な選択肢は、「スタンダード」「ビビッド」「モノクローム」の3つのみである。このように、ガイドモードを使用するユーザーである初級者にも容易に解る選択肢のみを抽出し、解り難い選択肢を省くことによりユーザーが混乱するのを防止することができる。
また、例えばガイドモード下における「ノイズ補正」(例えば、画像データに対して「長秒時ノイズ低減」や「高感度ノイズ低減」等のノイズ補正を行う設定)に関する設定値は、選択不可能な固定値であるのに対し、他の撮影モード下における「ノイズ補正」に関する設定値は、複数の選択肢の中から選択された値である。このように、画質に関する専門的な知識を要し、ガイドモードを使用するユーザーである初級者にとって設定困難かつ設定不要な機能に関する設定値については固定値とすることにより、ユーザーが混乱するのを防止することができる。なお、ガイドモード下における「ノイズ補正」等、設定値として固定値を有する機能については、設定する必要がないため、ガイドモード下において背面液晶パネル12に選択項目として表示されることはない。
上述したように、ガイドモードを用いた場合、ガイドモードから案内に従って順序良く様々な設定を行うことができるため、ユーザーが初級者であっても被写体に適した撮影条件を容易に設定することができ、撮影をより楽しむことができる。また、ガイドモードからは、撮影に関する設定のみならず、撮影した画像の再生に関する設定も案内に従って順序良く行うことができるため、ユーザーが初級者であっても例えばスライドショーやサムネイル画像表示等、様々な再生表示を容易に楽しむことができる。更に、ガイドモードからは、撮影した画像の削除に関する設定も案内に従って順序良く行うことができるため、ユーザーが初級者であっても不要な画像を間違い無く且つ容易に削除することができる。更にまた、ガイドモードからは、カメラ2に関する設定も行うことができ、ガイドモードにおいては設定頻度の高い項目等が抽出されているため、設定したい項目を容易に見つけ出すことができ、カメラ2に関する設定を容易に行うことができる。
この実施の形態に係るカメラ2によれば、ガイド撮影モードにおける所定機能に関する設定値は、通常撮影モードにおける所定機能に関する設定値と独立して設定される。また、上級者は、通常の撮影モードから撮影機能、再生機能及びカメラ2に関する機能等の所定機能に関する設定を行うことができ、設定された設定値は、ガイドモードにおいて設定された設定値とは独立してメモリ等に保存される。これに対し、初級者は、初級者用のガイドモードから案内に従って順序良く所定機能に関する設定を行うことができる。したがって、上級者にとっての操作性の良さを損なうことなく、初級者も容易かつ円滑に所定機能に関する設定を行うことができる。即ち、上級者にとっても初級者にとっても操作性良く、共有することになっても弊害なく使用可能なカメラを提供することができる。
なお、この実施の形態においては、撮影待機状態の画面60を背面液晶パネル12に表示しているが(図19参照)、画面60をファインダ内に表示してもよい。