JP5481281B2 - 電流駆動回路およびそれを用いた発光装置 - Google Patents

電流駆動回路およびそれを用いた発光装置 Download PDF

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Description

本発明は、電流駆動回路に関する。
液晶パネルのバックライトや携帯電話端末の着信表示のための光源として、発光ダイオード(LED)が利用される。LEDを所望の輝度で発光させるためには、電流駆動回路によって、LEDに対し輝度に応じた駆動電流を供給する必要がある。
近年では、LEDに供給すべき駆動電流ILEDの精度として、3%あるいはそれよりよい精度が求められる。一般的に半導体集積回路を用いて電流駆動回路を製造すると、プロセスばらつきや温度変動によって、実際に生成される駆動電流ILEDの値は、設計値に比べて3%より悪い精度、たとえば10%程度のばらつきを有する。したがって3%よりよい精度で駆動電流ILEDを生成するためには、出荷前のリペア工程によって、駆動電流ILEDを微調節する必要がある。
図1は、本発明者らが検討した、比較技術に係るLED用の電流駆動回路を示す回路図である。電流駆動回路200は、基準電流生成回路202と、電流/電圧変換回路204と、電圧/電流変換回路206と、を備え、負荷であるLED4に対して駆動電流ILEDを供給する。
基準電流生成回路202は、基準電圧Vrefに応じた基準電流Irefを生成する。基準電流Irefと基準電圧Vrefとの間には、
Iref=Vref/R11 …(1)
なる関係が成立する。電流設定抵抗R11は、IC(Integrated Circuit)チップの外部に外付けされる。
電流/電圧変換回路204は、基準電流Irefをミラー比K倍でコピーし、それに比例した中間電圧Vmに変換する。具体的には、コピーされた基準電流(Iref×K)が変換抵抗R12に流れることにより、変換抵抗R12の両端には、中間電圧Vmが発生する。
Vm=Iref×K×R12 …(2)
電圧/電流変換回路206は、中間電圧Vmを、駆動電流ILEDに変換する。電圧/電流変換回路206の構成は、基準電流生成回路202と同様であり、駆動電流ILEDは、
LED=Vm/R13 …(3)
で与えられる。
式(1)〜(3)を考慮すると、以下の駆動電流ILEDを得る。
LED=Vref/R11×K×R12/R13 …(4)
抵抗R12とR13をペアリングして形成すると、それらの抵抗値の比(R12/R13)は、プロセスばらつきによらず、ほぼ一定に保たれる。しかしながらミラー比Kおよび基準電圧Vrefの値は、半導体ばらつきによって変動し、駆動電流ILEDの精度を悪化させる。あるいは演算増幅器のオフセット電圧によっても、駆動電流ILEDはばらつくことになる。
そこで、電流/電圧変換回路204には、リペア回路208が設けられる。リペア回路208は、コピーされた電流(K×Iref)に対して補正電流Ic1を足し、あるいは補正電流Ic2を引くことにより、変換抵抗R12に流れる電流Iref’を、以下のように微調節する。補正電流Ic1、Ic2は、スイッチSWのオン、オフに応じて調節される。
Iref’=K×Iref+Ic1−Ic2 …(5)
補正電流Ic1、Ic2は、カレントミラー回路を用いて生成されることから、基準電流Irefに比例した電流とみなすことができる。
Ic1=K1×Iref
Ic2=K2×Iref
なお、ミラー比K1、K2はそれぞれ、リペア(トリミング)に応じてオン状態とされるスイッチSWの個数に応じて設定される。
そうすると以下の式(6)、(7)が成り立つから、リペア回路208は、実質的にミラー比Kを補正していると理解できる。
Iref’=(K+K1−K2)×Iref …(6)
LED’=Vref/R11×(K+K1−K2)×R12/R13 …(7)
式(6)および(7)は、リペア回路208を構成するMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)のペア性が高いときには正しい。しかしながら現実的には、複数のMOSFETのペア性がばらつくため、リペア回路208のミラー比K1、K2が設計値からはずれ、駆動電流ILEDとして所望の電流が得られない場合がある。
このような問題は、LED以外を負荷とする電流駆動回路においても発生しうる。
本発明はかかる状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、高精度な駆動電流を生成可能な電流駆動回路の提供にある。
本発明のある態様は、基準電圧に応じた駆動電流を発生する電流駆動回路に関する。電流駆動回路は、基準電流生成回路、電流/電圧変換回路、電圧/電流変換回路を備える。基準電流生成回路は、基準電圧に応じた基準電流を生成する。電流/電圧変換回路は、基準電流をそれに比例した中間電圧に変換する。電圧/電流変換回路は、中間電圧をそれに比例した駆動電流に変換する。電圧/電流変換回路は、第1トランジスタと、第1トランジスタの一端と接地端子の間に設けられた第1抵抗と、第1抵抗と並列な経路に、直列に設けられた第2、第3抵抗と、第1演算増幅器と、第1カレントミラー回路と、第2カレントミラー回路と、を備える。第1演算増幅器の第1入力端子には中間電圧が印加され、その第2入力端子には第2、第3抵抗の接続点の電圧が印加され、その出力端子は第1トランジスタの制御端子と接続される。第1カレントミラー回路は、第1トランジスタに流れる電流を折り返す。第2カレントミラー回路は、第1カレントミラー回路の出力電流を折り返し、駆動電流を生成する。第2、第3抵抗の分圧比が調節可能に構成される。
この態様によると、第2、第3抵抗の分圧比を調節することにより、駆動電流を高精度に補正することができる。
第2カレントミラー回路は、第1カレントミラー回路の出力電流が入力される入力端子と、駆動電流を出力するための出力端子と、その一端が接地された第2トランジスタと、その一端が接地され、その制御端子が第2トランジスタの制御端子と共通に接続された第3トランジスタと、第2トランジスタの他端と入力端子の間に設けられた第4トランジスタと、第2トランジスタと第4トランジスタの接続点の電位が第1電圧と一致するように、第4トランジスタの制御端子の電圧を調節する第2演算増幅器と、第3トランジスタの他端と出力端子の間に設けられた第5トランジスタと、第3トランジスタと第5トランジスタの接続点の電位が第1電圧と一致するように、第5トランジスタの制御端子の電圧を調節する第3演算増幅器と、を含んでもよい。
この態様によれば、第2カレントミラー回路のミラー比の精度を高めることができ、それによって駆動電流の精度を高めることができる。
本発明の別の態様もまた、基準電圧に応じた駆動電流を発生する電流駆動回路に関する。この電流駆動回路は、基準電圧に応じた基準電流を生成する基準電流生成回路と、基準電流をそれに比例した中間電圧に変換する電流/電圧変換回路と、中間電圧をそれに比例した駆動電流に変換する電圧/電流変換回路と、を備える。電圧/電流変換回路は、第1トランジスタと、第1トランジスタの一端と接地端子の間に直列に設けられた第2、第3抵抗と、その第1入力端子に中間電圧が印加され、その第2入力端子に第2、第3抵抗の接続点の電圧が印加され、その出力端子が第1トランジスタの制御端子と接続された第1演算増幅器と、を含む。第2、第3抵抗の分圧比は調節可能に構成される。
この態様によると、第2、第3抵抗の分圧比を調節することにより、駆動電流を高精度に補正することができる。
本発明のさらに別の態様は、発光素子にパルス変調された駆動電流を供給する電流駆動回路に関する。この電流駆動回路は、発光素子が接続される出力端子と、出力端子と接地端子の間に順に直列に接続された、出力トランジスタ、発光素子の輝度の目標値に応じたデューティ比でスイッチングされる変調用スイッチ、および電流源と、その第1入力端子に制御電圧が印加され、その第2入力端子が出力トランジスタと変調用スイッチの接続点と接続され、その出力端子が出力トランジスタの制御端子と接続された第4演算増幅器と、出力トランジスタと変調用スイッチの接続点と接地端子の間に設けられたサブ電流源と、を備える。
この態様によると、パルス変調による調光に際して、第4演算増幅器のオン、オフを切りかえる必要が無いため、制御信号のデューティ比に対する発光素子の実効的な輝度のリニアリティを高めることができる。
電流源は、一定の電流を発生する定電流源を含んでもよい。
電流源は、抵抗を含んでもよい。
本発明の別の態様も、基準電圧に応じた駆動電流を発生する電流駆動回路に関する。この電流駆動回路は、基準電圧に応じた基準電流を生成する基準電流生成回路と、基準電流をそれに比例した中間電圧に変換する電流/電圧変換回路と、中間電圧をそれに比例した駆動電流に変換する電圧/電流変換回路と、を備える。電圧/電流変換回路は、第1トランジスタと、第1トランジスタの一端と接地端子の間に順に直列に設けられた第2、第3抵抗と、第1トランジスタの一端と接地端子の間に順に直列に設けられた第4、第5抵抗と、その第1入力端子に中間電圧が印加され、その第2入力端子に第2、第3抵抗の接続点の電圧が印加され、その出力端子が第1トランジスタの制御端子と接続された第1演算増幅器と、駆動電流の経路上に順に直列に設けられた出力トランジスタおよび第6抵抗と、その第1入力端子が第4、第5抵抗の接続点と接続され、その第2入力端子に出力トランジスタと第6抵抗の接続点に生ずる第2中間電圧が入力され、その出力端子が出力トランジスタの制御端子と接続された第5演算増幅器と、を備える。
基準電流生成回路は、電流設定抵抗を接続するための電流設定端子を有し、当該電流設定端子に接続される電流設定抵抗の抵抗値に応じた基準電流を生成可能に構成されてもよい。電流駆動回路は、基準電流に対する駆動電流の傾きと、基準電流に対する駆動電流のオフセットと、を独立に調節可能に構成されてもよい。
第5演算増幅器は、そのオフセット電圧が調節可能に構成されてもよい。第5演算増幅器のオフセット電圧の調節により、電流設定抵抗の抵抗値に対する駆動電流のオフセットが調節可能であってもよい。
第2、第3抵抗の分圧比は調節可能に構成されてもよい。当該分圧比を調節することにより、基準電流に対する駆動電流の傾きが調節可能であってもよい。
第4、第5抵抗の分圧比が調節可能に構成されてもよい。当該分圧比を調節することにより、基準電流に対する駆動電流の傾きが調節可能であってもよい。
電流/電圧変換回路は、基準電流をあるミラー比でコピーするカレントミラー回路と、カレントミラー回路によりコピーされた電流を電圧に変換する変換抵抗と、を含んでもよい。カレントミラー回路は、そのミラー比が調節可能に構成されてもよい。当該ミラー比を調節することにより、基準電流に対する駆動電流の傾きが調節可能であってもよい。
基準電流生成回路は、基準電圧が調節可能に構成され、当該基準電圧を調節することにより、基準電流に対する駆動電流の傾きが調節可能であってもよい。
本発明のさらに別の態様は、発光装置である。この装置は、発光素子と、発光素子に駆動電流を供給する上述のいずれかの態様の電流駆動回路と、を備える。
なお、以上の構成要素を任意に組み合わせたもの、あるいは本発明の表現を、方法、装置などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、高精度な駆動電流を得ることができる。
比較技術に係るLED用の電流駆動回路を示す回路図である。 第1の実施の形態に係る電流駆動回路を備える発光装置の構成を示す回路図である。 変形例に係る第2カレントミラー回路の構成を示す回路図である。 第2の実施の形態に係る電流駆動回路を備える発光装置の構成を示す回路図である。 図2の電流駆動回路の変形例を示す回路図である。 第3の実施の形態に係る電流駆動回路を備える発光装置の構成を示す回路図である。 オフセット電圧が調節可能な演算増幅器の構成例を示す回路図である。 図8(a)〜(c)は、電流駆動回路のトリミング工程を示す図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
(第1の実施の形態)
図2は、第1の実施の形態に係る電流駆動回路100を備える発光装置2の構成を示す回路図である。電流駆動回路100は、基準電流生成回路12、電流/電圧変換回路14、電圧/電流変換回路16を備える。電流駆動回路100は、基準電圧Vrefに応じた駆動電流ILEDを発生し、駆動対象の負荷であるLED4に供給する。
基準電流生成回路12は、基準電圧Vref(たとえば1.5V)に応じた基準電流Irefを生成する。基準電流生成回路12は、電流設定抵抗R11、トランジスタM11、演算増幅器OA11を備える。トランジスタM11および電流設定抵抗R11は、基準電流Irefの経路上に直列に設けられる。演算増幅器OA11の非反転入力端子には、基準電圧Vrefが入力され、その反転入力端子には、トランジスタM11と電流設定抵抗R11の接続点の電位が入力される。その結果、トランジスタM11と電流設定抵抗R11の接続点の電位は、基準電圧Vrefと等しくなる。このとき、電流設定抵抗R11を含む経路には、
Iref=Vref/R11 …(8)
なる基準電流Irefが流れる。電流設定抵抗R11は、ICチップに外付け可能となっている。ユーザは、所望の基準電流Irefに応じた抵抗値の電流設定抵抗R11を接続する。
電流/電圧変換回路14は、基準電流Irefを、それに比例した中間電圧Vmに変換する。電流/電圧変換回路14は、カレントミラー回路CM11および変換抵抗R12を含む。カレントミラー回路CM11は、基準電流Irefを、ミラー比Kaで折り返す。変換抵抗R12は、カレントミラー回路CM11の出力電流(Iref×Ka)の経路上に設けられる。
変換抵抗R12の両端間に生ずる中間電圧Vmは、式(9)で与えられる。
Vm=(Iref×Ka)×R12 …(9)
たとえばKa=0.2である。カレントミラー回路CM11は、カスコード型で構成してもよい。
電圧/電流変換回路16は、中間電圧Vmを受け、それに比例した駆動電流ILEDに変換する。
電圧/電流変換回路16は、第1トランジスタM1、第1抵抗R1、第2抵抗R2、第3抵抗R3、第1演算増幅器OA1、第1カレントミラー回路CM1、第2カレントミラー回路CM2を備える。
第1トランジスタM1は、NチャンネルMOSFETである。第1抵抗R1は、第1トランジスタM1の一端(ソース)と接地端子の間に設けられる。第2抵抗R2および第3抵抗R3は直列に接続されており、第1抵抗R1と並列な経路に設けられる。第1抵抗R1は、電流/電圧変換回路14の変換抵抗R12とペアリングして構成される。ペアリングにより、変換抵抗R12と第1抵抗R1の抵抗比α(=R12/R1)を一定に保つことができる。
第1演算増幅器OA1の第1入力端子(非反転入力端子)には、中間電圧Vmが印加される。その第2入力端子(反転入力端子)には、第2抵抗R2と第3抵抗R3の接続点N1の電圧VN1が印加される。第1演算増幅器OA1の出力端子は、第1トランジスタM1の制御端子(ゲート)と接続される。第2抵抗R2と第3抵抗R3の少なくとも一方、好ましくは両方は可変抵抗であり、それらの抵抗値は調節可能である。言い換えれば、第2抵抗R2と第3抵抗R3の分圧比β(=R3/(R2+R3))は、リペア処理によって切りかえ可能に構成されている。たとえば第2抵抗R2、第3抵抗R3はそれぞれ、直列および/または並列に接続された複数の抵抗素子を含み、各抵抗素子を接続する経路の遮断、導通がリペア工程において切りかえ可能となっている。また第2抵抗R2および第3抵抗R3を構成する抵抗素子はペアリングして構成されており、分圧比βは高い精度で調節可能となっている。
また、第2抵抗R2および第3抵抗R3それぞれの抵抗値は、第1抵抗R1の抵抗値よりも十分に、たとえば1桁以上大きいことが望ましい。
R2、R3≫R1 …(10)
具体例として、R1=1.5kΩ、R2=1MΩ、R3=2MΩである。
フィードバックによって、第2抵抗R2と第3抵抗R3の接続点N1の電位VN1は、中間電圧Vmと等しくなるように調節される。このとき、第1トランジスタM1と第1抵抗R1の接続点N2の電位VN2は、式(11)で与えられる。
N2=Vm×(R2+R3)/R2=Vm×(1/β) …(11)
そうすると、第1抵抗R1には、式(12)で与えられる電流IR1が流れる。
R1=VN2/R1=Vm×(1/β)/R1 …(12)
ここで不等式(10)が成り立っているため、第2抵抗R2および第3抵抗R3に流れる電流IR2は、第1抵抗R1に流れる電流IR1に比べて十分に小さく、無視することができる。そうすると、トランジスタM1に流れる電流は、第1抵抗R1に流れる電流IR1とほとんど等しくなる。
M1≒IR1=Vm×(1/β)/R1 …(13)
第1カレントミラー回路CM1は、第1トランジスタM1に流れる電流IM1をミラー比Kbにてコピーし、折り返す。
M1’=IM1×Kb
第2カレントミラー回路CM2は、第1カレントミラー回路CM1の出力電流IM1’をミラー比Kcにてコピーし、折り返すことにより、駆動電流ILEDを生成する。
LED=IM1×Kb×Kc …(14)
たとえばKb=1、Kc=150のとき、第1カレントミラー回路CM1および第2カレントミラー回路CM2は、増幅率150倍の電流増幅器として機能する。
LED端子と第2カレントミラー回路CM2の出力側トランジスタの間には、PWM調光用のスイッチングトランジスタM13が設けられる。スイッチングトランジスタM13のゲートには、PWM信号が入力されており、スイッチングトランジスタM13は、PWM信号に応じてオン、オフが高速に切りかえられる。その結果、LED4には、駆動電流ILEDがPWM信号のデューティ比に応じて間欠的に流れる。
以上が電流駆動回路100の構成である。続いてその動作を説明する。
式(8)、(9)、(13)および(14)から、電流駆動回路100により生成される駆動電流ILEDは、式(15)で与えられることがわかる。
LED=Vref/R11×R12×(1/β)/R1×Ka×Kb×Kc …(15)
R12/R1=α、Ka×Kb×Kc=γと書くと、
LED=Vref/R11×(1/β)×α×γ …(16)
となる。
いま、既知の電流設定抵抗R11を接続して回路を動作させた結果、駆動電流ILEDとして、設計値よりも10%高い値が得られたとする。この場合、リペア工程において、駆動電流ILEDが(1/1.1)倍となるように、分圧比βの値、すなわち第2抵抗R2および第3抵抗R3の少なくとも一方の抵抗値を調節すればよい。反対に駆動電流ILEDとして設計値よりも5%低い値が得られたとすると、駆動電流ILEDが、(1/0.95)倍となるように、分圧比βの値を調節すればよい。
図2の電流駆動回路100では、駆動電流ILEDを調節するために、抵抗R2、R3の分圧比βを調節する。一般的に、抵抗のペア性は、トランジスタのペア性よりも優れている。したがって、図2の回路における分圧比βは、図1におけるミラー比K1、K2よりも精度が高い。つまり図2の電流駆動回路100によれば、図1の電流駆動回路よりも高い精度で駆動電流ILEDを調節することができる。
また、図2の電流駆動回路100は、図1の電流駆動回路200と比較して以下の利点を有する。
いま、150mAの駆動電流ILEDを生成する場合を考える。図1の電流駆動回路200では、電力損失を低減するために、抵抗R13の抵抗値を数Ω程度に抑える必要がある。たとえばR13=1Ωとすると、150mAの駆動電流ILEDを得るために必要な中間電圧Vmは、
Vm=R13×ILED=0.15V
となる。このように中間電圧Vmが低い場合、電圧/電流変換回路206の演算増幅器OA13にオフセット電圧Vofsが駆動電流ILEDに与える影響は非常に大きくなる。たとえばオフセット電圧Vofsが5mVとすると、駆動電流ILEDは3%も影響を受ける。オフセット電圧Vofsが駆動電流ILEDに及ぼす影響は、駆動電流ILEDが小さくなるほど(中間電圧Vmが低くなるほど)顕著となる。
図1の回路では、あるひとつの温度において、オフセット電圧Vofsの影響をキャンセルするようにリペアすることは可能であるが、オフセット電圧Vofsは温度依存性を有するため、温度が変化すると駆動電流ILEDの精度は悪化する。
続いて図2の電流駆動回路100について検討する。ILED=150mA、Kc=150、Kb=1のとき、第1トランジスタM1に流れる電流IM1は1mAである。第1抵抗R1の抵抗値が1.5kΩのとき、接続点N2の電位VN2は、1.5Vとなる。第2抵抗R2と第3抵抗R3の分圧比βを2/3とすると、接続点N1の電位VN1は、1Vとなる。つまり、中間電圧Vmは1Vとなる。
このとき、第1演算増幅器OA1オフセット電圧Vofsが5mVとであるとすると、駆動電流ILEDはわずかに0.5%の影響を受けるにすぎない。
このように図2の電流駆動回路100によれば、図1の電流駆動回路200に比べて、演算増幅器のオフセット電圧の影響を低減することができ、温度特性を改善することができる。
続いて、第2カレントミラー回路CM2の変形例を説明する。図2の第2カレントミラー回路CM2のミラー比Kcは、2つのトランジスタM2、M3のドレインソース間電圧Vds1、Vds2によって影響を受ける。以下の変形例は、この問題を解消するのに役立つ。
図3は、変形例に係る第2カレントミラー回路の構成を示す回路図である。第2カレントミラー回路CM2aは、入力端子P1、出力端子P2、第2トランジスタM2〜第5トランジスタM5、第2演算増幅器OA2、第3演算増幅器OA3を備える。
入力端子P1には、第1カレントミラー回路CM1の出力電流IM1’が入力される。第2カレントミラー回路CM2aは、出力端子P2から、駆動電流ILED=Kc×IM1’を出力する。
第2トランジスタM2はNチャンネルMOSFETであり、その一端(ソース)が接地される。第3トランジスタM3は、第2トランジスタM2と同型のNチャンネルMOSFETであり、その一端(ソース)が接地され、その制御端子(ゲート)が第2トランジスタM2の制御端子(ゲート)と共通に接続される。第4トランジスタM4は、NチャンネルMOSFETであり、第2トランジスタM2の他端(ドレイン)と入力端子P1の間に設けられる。第2演算増幅器OA2は、第2トランジスタM2と第4トランジスタM4の接続点N3の電位VN3が、所定の第1電圧Vと一致するように、第4トランジスタM4の制御端子(ゲート)の電圧を調節する。第5トランジスタM5はNチャンネルMOSFETであり、第3トランジスタM3の他端(ドレイン)と出力端子P2の間に設けられる。第3演算増幅器OA3は、第3トランジスタM3と第5トランジスタM5の接続点N4の電位VN4が第1電圧V1と一致するように、第5トランジスタM5の制御端子(ゲート)の電圧を調節する。
図3の第2カレントミラー回路CM2aによれば、第2トランジスタM2と第3トランジスタM3のドレインソース間電圧は、いずれも第1電圧Vと一致するように調節されるため、ミラー比Kcを一定に保つことができる。
(第2の実施の形態)
図4は、第2の実施の形態に係る電流駆動回路100aを備える発光装置2aの構成を示す回路図である。第2の実施の形態では、PWM調光を好適に行う技術を説明する。
たとえば図1の電流駆動回路200において、駆動電流ILEDをスイッチングしてPWM調光するためには、トランジスタM13のゲート電圧を制御信号PWMに応じてスイッチング制御すればよい。ゲート電圧をスイッチングするためのひとつの手段として、演算増幅器OA13そのものをオン、オフさせる方法がある。
ここで、LED4の実効的な輝度は、理想的には制御信号PWMのデューティ比に比例することが望ましい。しかしながら、演算増幅器OA13をオフからオンに切りかえる際には、ある程度の遅延が生ずる。この遅延によって、実効的なLEDの輝度と、制御信号PWMのデューティ比との間の比例関係が失われるという問題が生ずる。
以下、この問題を解決するための電流駆動回路100aについて説明する。電流駆動回路100aは、駆動対象のLED4にパルス変調された駆動電流ILEDを供給する。電流駆動回路100aは、出力端子(LED端子)、第4演算増幅器OA4、出力トランジスタM6、メイン電流源20、PWMスイッチSW1、サブ電流源22を備える。
LED端子には、LED4が接続される。出力トランジスタM6、PWMスイッチSW1、メイン電流源20は、LED端子と接地端子の間に順に直列に接続されている。第4演算増幅器OA4の第1入力端子(非反転入力端子)には、制御電圧Vが入力されている。第4演算増幅器OA4の第2入力端子(反転入力端子)は、出力トランジスタM6とPWMスイッチSW1の接続点N5と接続される。また第4演算増幅器OA4の出力端子は、出力トランジスタM6の制御端子(ゲート)と接続される。第4演算増幅器OA4によって、出力トランジスタM6のPWMスイッチSW1の接続点N5の電位VN5が制御電圧Vと一致するように、出力トランジスタM6のオンの程度が調節される。
PWMスイッチSW1には、パルス変調された制御信号PWMが入力される。制御信号PWMのデューティ比は、駆動対象のLED4の目標輝度に応じて変調されている。メイン電流源20は、駆動電流ILEDを発生する。メイン電流源20は、抵抗もしくは定電流源である。
サブ電流源22は、出力トランジスタM6とPWMスイッチSW1の接続点N5と接地端子の間に設けられる。サブ電流源22は、所定のオフ電流IOFFを生成する。このオフ電流IOFFは、それがLED4に流れることによるLED4の発光をユーザが知覚できない程度に、十分に低く設定される。
以上が電流駆動回路100aの構成である。続いてその動作を説明する。PWMスイッチSW1がオンのとき、LED4にはメイン電流源20が生成する駆動電流ILEDが流れ、駆動電流ILEDに応じた輝度で発光する。PWMスイッチSW1がオフのとき、LED4には、サブ電流源22が生成するオフ電流IOFFが流れるため、LED4は実質的に発光しない。PWMスイッチSW1のオン、オフを繰り返すことにより、LED4が明滅を繰り返し、実効的な輝度が調節される。
図4の電流駆動回路100aでは、LED4の消灯時においても、出力トランジスタM6にオフ電流IOFFを流し続けるため、第4演算増幅器OA4をオフする必要がない。したがって消灯から点灯に切りかえるのに要する時間を、演算増幅器のオン、オフを切りかえる従来の方式に比べて短くすることができる。その結果、制御信号PWMのデューティ比に比例した輝度を得ることができる。
図4の電流駆動回路100aは、図1〜図3の電流駆動回路と組み合わせることができる。すなわち、図1の電流駆動回路200と組み合わせる場合、図1の演算増幅器OA13、トランジスタM16、抵抗R13をそれぞれ、図4の第4演算増幅器OA4、出力トランジスタM6、メイン電流源20と対応付けることができる。
図2の電流駆動回路100と組み合わせる場合、図2の第1演算増幅器OA1、第1トランジスタM1、第1抵抗R1をそれぞれ、図4の第4演算増幅器OA4、出力トランジスタM6、メイン電流源20と対応付けることができる。
図3の電流駆動回路100aと組み合わせる場合、図3の第3演算増幅器OA3、第5トランジスタM5、第3トランジスタM3をそれぞれ、図4の第4演算増幅器OA4、出力トランジスタM6、メイン電流源20と対応付けることができる。
図5は、図2の電流駆動回路の変形例を示す回路図である。図5の電流駆動回路100bは、電圧/電流変換回路16bの構成が図2の電圧/電流変換回路16と異なっている。
すなわち、図5の電圧/電流変換回路16bは、図2の電圧/電流変換回路16から、第1カレントミラー回路CM1、第2カレントミラー回路CM2および第1抵抗R1を省略した構成となっている。
図5の電流駆動回路100bによれば、図2の電流駆動回路100と同様に、第2抵抗R2および第3抵抗R3の分圧比に応じて駆動電流ILEDを調節することができるため、図1の電流駆動回路200よりも高い精度を得ることができる。
加えて図2の電流駆動回路100では、2つのカレントミラー回路によって電流を折り返すため、電力の損失が存在する。これに対して図5の電流駆動回路100bでは、この損失を低減することができる。
(第3の実施の形態)
図6は、第3の実施の形態に係る電流駆動回路を備える発光装置の構成を示す回路図である。電流駆動回路100cは、基準電流生成回路12、電流/電圧変換回路14、電圧/電流変換回路16cを備える。電圧/電流変換回路16cの構成は、図2の電流駆動回路100と異なっている。
電圧/電流変換回路16cは、電圧/電圧変換部30および電圧/電流変換部32を備える。
電圧/電圧変換部30は、電流/電圧変換回路14からの中間電圧Vmを受け、それに比例した低い第2中間電圧Vm2に変換する。たとえば、Vm2=Vm×1/10であってもよい。具体的には、中間電圧Vm=1.5Vのとき、第2中間電圧Vm2は0.15Vである。
電圧/電圧変換部30は、第1トランジスタM1、第2抵抗R2、第3抵抗R3、第4抵抗R4、第5抵抗R5、第1演算増幅器OA1を備える。
第1トランジスタM1は、NチャンネルMOSFETである。第4抵抗R4および第5抵抗R5は、第1トランジスタM1の一端(ソース)と接地端子の間に順に直列に設けられる。第2抵抗R2および第3抵抗R3は直列に接続されており、第4抵抗R4および第5抵抗R5と並列な経路に設けられる。
第1演算増幅器OA1の第1入力端子(非反転入力端子)には、中間電圧Vmが印加される。その第2入力端子(反転入力端子)には、第2抵抗R2と第3抵抗R3の接続点N1の電圧VN1が印加される。第1演算増幅器OA1の出力端子は、第1トランジスタM1の制御端子(ゲート)と接続される。第2抵抗R2と第3抵抗R3の少なくとも一方、好ましくは両方は可変抵抗であり、それらの抵抗値は調節可能である。言い換えれば、第2抵抗R2と第3抵抗R3の分圧比β(=R3/(R2+R3))は、リペア処理によって切りかえ可能に構成されている。たとえば第2抵抗R2、第3抵抗R3はそれぞれ、直列および/または並列に接続された複数の抵抗素子を含み、各抵抗素子を接続する経路の遮断、導通がリペア工程において切りかえ可能となっている。また第2抵抗R2および第3抵抗R3を構成する抵抗素子はペアリングして構成されており、分圧比βは高い精度で調節可能となっている。
フィードバックによって、第2抵抗R2と第3抵抗R3の接続点N1の電位VN1は、中間電圧Vmと等しくなるように調節される。このとき、第1トランジスタM1と第1抵抗R1の接続点N2の電位VN2は、式(11)で与えられる。
N2=Vm×(R2+R3)/R2=Vm×(1/β) …(11)
第4抵抗R4および第5抵抗R5の接続点N6の電位VN6は第2中間電圧Vm2であり、
Vm2=VN6=VN2×R5/(R4+R5)=VN2×δ …(17)
となる。δは、第4抵抗R4と第5抵抗R5の分圧比R5/(R4+R5)である。第4抵抗R4および第5抵抗R5はペアリングして形成されるため、分圧比δは一定とみなすことができる。
式(11)および式(17)から、
Vm2=Vm×δ/β …(17’)
を得る。
電圧/電流変換部32は、第2中間電圧Vm2をそれに比例した駆動電流ILEDに変換する。電圧/電流変換部32は、第5演算増幅器OA5、出力トランジスタM7、第6抵抗R6を備える。
第6抵抗R6は、電流/電圧変換回路14の変換抵抗R12とペアリングして構成される。ペアリングにより、変換抵抗R12と、第6抵抗R6の比を一定に保つことができる。
電圧/電流変換部32は、式(18)で与えられる駆動電流ILEDを生成する。
LED=Vm2/R6 …(18)
第5演算増幅器OA5は、そのオフセット電圧VOFSが調節可能に構成される。図7は、オフセット電圧VOFSが調節可能な演算増幅器の構成例を示す回路図である。
第5演算増幅器OA5は、入力段40、出力段42を備える。入力段40は、非反転入力端子(+)と反転入力端子(−)の電圧V+、V−を差動増幅する。出力段42は、入力段40の出力信号を増幅し、その出力端子OUTから出力する。
入力段40は、差動増幅器44、電流源46、48、入力トランジスタM8、M9を備える。入力トランジスタM8、M9それぞれのゲートは、第5演算増幅器OA5の非反転入力端子(+)、反転入力端子(−)に接続され、それぞれのドレインは固定電圧端子(接地端子)に接続される。電流源46、48はそれぞれ、入力トランジスタM8、M9のソースと接続され、ソースフォロア回路を形成する。
入力トランジスタM8、M9によって、非反転入力端子(+)、反転入力端子(−)の電圧レベルがMOSFETのしきい値電圧Vth、シフトされ、差動増幅器44に入力される。電流源46、48は、可変電流源であり、それぞれが生成する電流Is1、Is2の量が独立に調節可能に構成される。
この第5演算増幅器OA5において、電流Is1、Is2を変化させると、入力トランジスタM8、M9のゲートソース間電圧Vth1、Vth2が変化し、第5演算増幅器OA5の入力オフセット電圧VOFSを調節することができる。
なお、電流源46、48を可変電流源とする代わりに、あるいはそれに加えて、入力トランジスタM8、M9のトランジスタサイズをトリミング可能に構成してもよい。入力トランジスタM8、M9のサイズを変化させることにより、ある量の電流Is1、Is2に対するゲートソース間電圧Vth1、Vth2を変化させることができる。
なお、第5演算増幅器OA5の構成は図7のそれに限定されず、その他の公知の、あるいは将来利用可能な回路を用いることができる。
以上が電流駆動回路100cの構成である。続いて電流駆動回路100cによる駆動電流ILEDの調節方法を説明する。
電流駆動回路100cは、出荷前の検査工程において、以下のトリミング処理を受ける。図8(a)〜(c)は、電流駆動回路100cのトリミング工程を示す図である。縦軸は駆動電流ILEDを、横軸は基準電流Irefを示す。
(第1工程)
検査工程では、LED端子に、LED4に代えて、電流計(不図示)が接続される。
この状態で、電流設定端子ISETに対し、第1の抵抗値を有する電流設定抵抗R11を接続し、そのときの駆動電流ILEDを測定する。また、電流設定抵抗R11に流れる基準電流Irefを算出する。基準電圧Vrefおよび電流設定抵抗R11の抵抗値が既知であれば、基準電流Irefは式(19)によって計算できる。
Iref=Vref/R11 …(19)
たとえば、Vref=1.53V、R11=50kΩのとき、駆動電流ILED=31.54mAが測定され、Iref=30.6μAが計算により求められたとする。
続いて、電流設定抵抗R11を第2の抵抗値を有するものに置き換え、駆動電流ILEDを測定するとともに、基準電流Irefを計算する。たとえばR11=75kΩのとき、ILED=22.15mAが測定され、Iref=20.4μAが計算される。
もし電流駆動回路100cが理想的に製造されていれば、図8(a)〜(c)に破線で示すように、基準電流Irefと駆動電流ILEDの関係は、原点を通る直線I(ILED=a’×Iref)となるはずである。しかしながら現実の電流駆動回路100cでは、プロセスばらつきなどによって、理想からはずれた直線IIとなる。
LED=a×Iref+b
(第2工程:パラメータ算出工程)
続く第2工程で、2点A、Bの座標から、パラメータa、bが計算される。
22.15=a×20.4+b
31.54=a×30.6+b
この連立方程式を解けば、a=0.920588、b=3.37を得る。パラメータa、bは、コンピュータプログラムおよびコンピュータによって自動的に計算可能である。
(第3工程:オフセットリペア工程)
続く第3工程では、パラメータa、bを有する直線IIが理想直線Iに近づくように、電流駆動回路100cが調節される。第3工程では、パラメータbがゼロとなるように、電流駆動回路100cがリペアされる。オフセットbの調節は、第5演算増幅器OA5のオフセット電圧VOFSのリペアにより行うことができる。図8(b)に示すように、第3工程の結果、初期の直線IIが直線IIIに傾きを保ったままシフトされ、オフセットbがゼロとなる。直線IIIは、
LED=a×Iref …(20)
を満たす。
(第4工程:利得リペア工程)
続く第4工程では、傾きaがその設計値a’と一致するように、電流駆動回路100cが調節される。傾きaは、実動作時の駆動電流ILED(たとえば100mA)を仮定して調節される。
たとえば、理想状態の電流駆動回路100cにおいて、実動作時の駆動電流ILED(=100mA)を得るために必要な電流設定抵抗R11の値が15kΩであるとする。
式(19)、(20)にもとづき、15kΩのときの駆動電流ILEDを計算すると、
Iref=102μA
LED=93.9mA
を得る。利得リペア工程では、93.9mAの駆動電流ILEDが理想値100mAとなるように、傾きaをリペアする。図8(c)は傾きのリペアの様子を示す。傾きaのリペアは、第2抵抗R2および第3抵抗R3の抵抗値をリペアし、分圧比β(=R3/(R2+R3)を調節することで実現できる。
なお、傾きaのリペア手段は、第2抵抗R2および第3抵抗R3の抵抗値のリペアには限定されず、以下の変形例が例示される。
変形例1. 第4抵抗R4、第5抵抗R5の少なくとも一方を可変抵抗で構成し、それらの分圧比δを調節可能としてもよい。
変形例2. カレントミラー回路CM11を、そのミラー比を調節可能に構成してもよい。
変形例3. 基準電圧Vrefを調節可能としてもよい。
また、第3工程と第4工程の順序は入れ替えることができる。
以上が電流駆動回路100cのリペア工程に関する説明である。
電流駆動回路100cによれば、オフセットと傾きの両方をリペア可能に構成することにより、基準電流Iref(つまり電流設定抵抗R11)と駆動電流ILEDの関係を、設計により意図した関係に近づけることができる。
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセス、それらの組み合わせには、さまざまな変形例が存在しうる。以下、こうした変形例について説明する。
実施の形態では、発光素子であるLEDを駆動する場合を説明したが、実施の形態に係る電流駆動回路は、その他のデバイスを駆動する用途にも利用することができる。
上述のいずれの実施の形態においても、MOSFETはバイポーラトランジスタと置換可能である。
実施の形態にもとづき、具体的な語句を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
100…電流駆動回路、2…発光装置、4…LED、12…基準電流生成回路、14…電流/電圧変換回路、CM11…カレントミラー回路、16…電圧/電流変換回路、CM1…第1カレントミラー回路、CM2…第2カレントミラー回路、M1…第1トランジスタ、M2…第2トランジスタ、M3…第3トランジスタ、M4…第4トランジスタ、M5…第5トランジスタ、M6…出力トランジスタ、R1…第1抵抗、R2…第2抵抗、R3…第3抵抗、OA1…第1演算増幅器、OA2…第2演算増幅器、OA3…第3演算増幅器、OA4…第4演算増幅器、OA5…第5演算増幅器、20…メイン電流源、SW1…PWMスイッチ、22…サブ電流源、R11…電流設定抵抗。

Claims (8)

  1. 基準電圧に応じた駆動電流を発生する電流駆動回路であって、
    前記基準電圧に応じた基準電流を生成する基準電流生成回路と、
    前記基準電流をそれに比例した中間電圧に変換する電流/電圧変換回路と、
    前記中間電圧をそれに比例した駆動電流に変換する電圧/電流変換回路と、
    を備え、
    前記電圧/電流変換回路は、
    第1トランジスタと、
    前記第1トランジスタの一端と接地端子の間に順に直列に設けられた第2、第3抵抗と、
    前記第1トランジスタの一端と前記接地端子の間に順に直列に設けられた第4、第5抵抗と、
    その第1入力端子に前記中間電圧が印加され、その第2入力端子に前記第2、第3抵抗の接続点の電圧が印加され、その出力端子が前記第1トランジスタの制御端子と接続された第1演算増幅器と、
    前記駆動電流の経路上に順に直列に設けられた出力トランジスタおよび第6抵抗と、
    その第1入力端子が前記第4、第5抵抗の接続点と接続され、その第2入力端子に前記出力トランジスタと前記第6抵抗の接続点に生ずる第2中間電圧が入力され、その出力端子が前記出力トランジスタの制御端子と接続された第5演算増幅器と、
    を備えることを特徴とする電流駆動回路。
  2. 前記基準電流生成回路は、電流設定抵抗を接続するための電流設定端子を有し、当該電流設定端子に接続される前記電流設定抵抗の抵抗値に応じた基準電流を生成可能に構成されることを特徴とする請求項に記載の電流駆動回路。
  3. 前記第5演算増幅器は、そのオフセット電圧が調節可能に構成され、当該オフセット電圧の調節により、前記電流設定抵抗の抵抗値に対する前記駆動電流のオフセットが調節可能であることを特徴とする請求項に記載の電流駆動回路。
  4. 前記第2、第3抵抗の分圧比が調節可能に構成され、当該分圧比を調節することにより、前記基準電流に対する前記駆動電流の傾きが調節可能であることを特徴とする請求項2または3に記載の電流駆動回路。
  5. 前記第4、第5抵抗の分圧比が調節可能に構成され、当該分圧比を調節することにより、前記基準電流に対する前記駆動電流の傾きが調節可能であることを特徴とする請求項2または3に記載の電流駆動回路。
  6. 前記電流/電圧変換回路は、
    前記基準電流をあるミラー比でコピーするカレントミラー回路と、
    前記カレントミラー回路によりコピーされた電流を電圧に変換する変換抵抗と、
    を含み、
    前記カレントミラー回路は、そのミラー比が調節可能に構成され、当該ミラー比を調節することにより、前記基準電流に対する前記駆動電流の傾きが調節可能であることを特徴とする請求項2または3に記載の電流駆動回路。
  7. 前記基準電流生成回路は、前記基準電圧が調節可能に構成され、当該基準電圧を調節することにより、前記基準電流に対する前記駆動電流の傾きが調節可能であることを特徴とする請求項2または3に記載の電流駆動回路。
  8. 発光素子と、
    前記発光素子に駆動電流を供給する請求項1からのいずれかに記載の電流駆動回路と、
    を備えることを特徴とする発光装置。
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