まず、上記遊技機の一例として説明するパチンコ機PMの概要構成を、図1を参照して説明する。図1に示すように、パチンコ機PMは、外郭方形枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠101の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成されて開閉搭載用の前枠102が正面左側上下に配設されたヒンジ部材103a,103bにより横開き開閉および着脱が可能に取り付けられ、正面右側に設けられた施錠装置104を利用して通常は外枠101と係合された閉鎖状態に保持される。
前枠102の正面側には、前枠102の前面域に合わせた方形状をなし中央部に取り付けられたポリカーボネート板やガラス板等の透明板材を通して遊技盤120を透視可能なガラス扉105と、球皿に貯留された遊技球を整列させて1個ずつ打球発射装置109(不図示)に導く上球皿106とが、ともに左側縁に内蔵されたヒンジ機構により横開き開閉および着脱が可能に組付けられ、通常は施錠装置104および図示しないロック機構を利用して前枠102の前面を覆う閉止状態で保持される。上球皿106には賞球払出用の賞球払出口が設けられている。上球皿106の下部には、遊技の展開状況に応じた効果音を発生させる図示しないスピーカからの音声が外部に放出される放音部が設けられている。また、前枠102の下部には遊技球を貯留する下球皿107が設けられ、この下球皿107と並んで遊技球の発射操作を行う操作ハンドル108が取り付けられている。
遊技盤120は、板厚19mm程度の積層合板を所定形状に切断等して、その表面に所定意匠のセルを貼り付けた化粧板(ベニヤとも称される)121を基板として構成される。化粧板121の前面内側に遊技領域PAが区画される。遊技領域PAには、第1始動入賞
具124、大入賞具126や一般入賞具、および遊技の進行状況に応じて所定の図柄を遊技者が視認可能に表示させる図柄表示装置200などが取り付けられ、遊技領域PAの下端には第1始動入賞口124、第2始動入賞口125、一般入賞口、大入賞口126、普通図柄作動ゲート128が設けられている。これらの入賞口に入賞せずに落下した遊技球を遊技盤120の裏面側に排出させるアウト口127が設けられている。図柄表示装置200は、遊技盤120のほぼ中央に位置しており、3桁の絵柄の組合せからなる「特別図柄」を変動表示させるもので、この特別図柄のうち、3桁がいずれも同一種類の絵柄の組合せからなるものを「当たり図柄」と称する。
第1始動入賞口124または第2始動入賞口125への入賞があると、上球皿106の賞球払出口から所定数の賞球(例えば5球)が遊技者に払い出されるのに加え、図柄表示装置200が作動し、図柄の変動が開始される。この変動の結果、停止表示される図柄が当たり図柄の場合には、遊技者にとって有利な「大当たり遊技」が発生する。
この大当たり遊技においては、普段は閉鎖している大入賞口126が開放される。大入賞口126への入賞があると、賞球払出口から所定数(例えば15球)の賞球が遊技者に払い出される。この大入賞口126は、開放されてから所定時間(例えば30秒)経過するか、又は所定数(例えば10球)の入賞があるかのいずれかにより一旦閉鎖する。そして、この大入賞口126が開放されている間に、この大入賞口126の内部に設けられている図示しないVゾーンへの入賞があると、大入賞口126は一旦閉鎖した後、再度開放することとなっている。これにより、大入賞口126の開放は、最大16回連続することが可能となっている。また、大入賞口126が16回開放し終えるか、又は大入賞口126の開放中に上記Vゾーンへの入賞がなかった場合には、この大当たり遊技は終了する。
図示しないがパチンコ機PMの裏セット盤は図示には、賞球を払い出すための賞球経路が設けられる。すなわち、裏面側には、遊技球の貯留・供給を行うタンク部材、タンク部材から供給される遊技球を整列させて流下させる整列樋部材、整列樋部材から供給される遊技球を受けて所定数量の遊技球を待機保持させる賞球待機通路、賞球待機通路に待機された遊技球を所定の入賞条件等に基いて払い出す球払出装置、球払出装置から払い出された遊技球を上下の球皿106,107に導く賞球払出経路などの賞球経路が設けられている。また、基枠体の前面側には、窓口の下方に位置して遊技盤120の裏面側に排出されたアウト球およびセーフ球、球抜き機構によって賞球経路の途上から排出された抜き球等を集合させる図示しない集合経路が形成され、基枠体の裏面側には集合経路と繋がって集合された遊技球を遊技施設側の回収バケットに排出させる図示しない球排出経路が形成されている。
裏セット盤の裏面各部には、パチンコ機PMの作動を統括的に制御する遊技制御装置130が主基板に取り付けられている。図7を用いて遊技制御装置130を説明する。主基板の払出制御装置コマンド送受信手段139は、払出装置160を経由して、払出装置174、発射装置175、発射ハンドル176の制御と監視を行う。また、ランプ制御部155、音声制御部156により、保留ランプ170、演出ランプ171、スピーカ172を制御して、効果照明や効果音の作動制御を行う。さらに、これらの制御基板や各種電子機器等に電力を供給する電源基板129が設けられている。主基板の遊技制御装置130は、電源基板129の電断処理手段136、電断復帰処理手段137により電源断の場合の処理を行う。
主基板には、さらに遊技ホールに設置された遊技機管理装置(管理コンピュータ)に対して各種の遊技情報を出力する外部接続装置としての外部端子板(不図示)などの回路基板が着脱交換可能に取り付けられ、各回路基板や電子機器がワイヤーハーネスで接続されてパチンコ機PMが構成される。また、払出制御装置160の下方には、主基板を含むこ
れら回路基板に何らかの異常動作等が生じたときに、これを発光ダイオードによる画面にて報知するためのエラー表示装置(エラーLED)が設けられている。
次に、図3〜6を用いて、本実施例に係るステッピングモータを適用したリールユニット210の構造を説明する。図2はパチンコ機PMの遊技盤120を示す背面図であり、遊技盤120の略中央にリールユニット210が取り付けられている。図3はリールユニット210の斜視図(図中の右下は第3リールの背面斜視図)である。図4はリールユニット210をパチンコ機PMの正面側から見た正面図である。図5は、リールユニット210を構成する第1リールモジュール211の主要部を分解した斜視図であり、(a)は基準片部材211a、(b)はリール部材211b、(c)はモータユニット211cである。図6は第1〜第3リールモジュールのそれぞれのリール部材の図柄表示面部に描かれた図柄を示す正面図である。
図2に示すように、遊技盤120に、内カバーと称されるセーフ球を流下案内するカバー部材を介してリールユニット210が遊技盤120の背面側から取り付けられている。
図3〜5に示すように、リールユニット210は、第1リールモジュール211、第2リールモジュール212、第3リールモジュール213及びこの3つのリールモジュールを収容するリールモジュール収容部214を主体に構成されている。なお、第1リールモジュール211、第2リールモジュール212、第3リールモジュール213は、共通部材からなっており、本実施例では必要がない限りは第1リールモジュール211を例示してリールモジュール211として共通説明する。
図5に示すように、リールモジュール211は、基準片部材211a、リール部材211b、モータユニット211cから構成されている。基準片部材211aは、中央が略円形に形成されるとともに、中央から十字状に突出辺が形成されて構成される。ここで、突出辺の1辺が他の3辺より長く形成されるとともに、この辺には、後述する基準センサの光を遮光する遮光部226が形成されている。リール部材211bは、中心から放射状に伸びた4本のリム部と、リム部から水平状に形成された図柄表示面部222から構成される。なお、リール部材211bには、基準片部材211aを取り付ける基準片部材取り付け部223、224、225が形成されており、リール部材211bに基準片部材211aに形成されている取り付け部223、224、225と嵌合されている。モータユニット211cは、モータベース231、モータ230、バックライト部240から構成されている。バックライト部240は、リール部材211bの図柄表示面部222を内側から照射する構造となっている。モータ230の回転軸221はリール部材211bの中心部穴221、基準片部材211aの中心部穴221に嵌合され、モータ230が回転することで、リール部材211b、基準片部材211aも回転するようになっている。また、モータユニット211cのモータ230の外縁部にはスリット部を有するフォトインタラプタ227が、リール部材211bの回転に伴い前述の基準片部材211aの遮光部226がスリット部を通過する位置に取り付けられている。
ここで、リールユニットにおける図柄表示を図6を用いて説明する。ここで第1リールモジュールのリール部材を第1リール部材211b、第2リールモジュールのリール部材を第2リール部材212b、第3リールモジュールのリール部材を第3リール部材と称する。図6は第1リール部材211b、第2リール部材212b、第3リール部材213bのそれぞれの図柄表示面部に描かれる図柄の一例を示す正面図である。それぞれの図柄表示面部に描かれた図柄の上から3つの図柄は第1〜第3リール部材の3つの図柄表示面部の図柄を合わせて1つの図柄として表示している。上から4つ目より下の図柄はそれぞれのリール部材の図柄表示面部毎に異なる図柄を表示している。前述のようにリールユニット210にはバックライト部240があり、バックライト部240はLEDを光源として図柄表示面部222を内部から照射し、図柄表示面部222を外側から見ると、図柄がバ
ックライト部240により内部から明るく照射され、図1に図柄表示装置200として示したようにパチンコ機PMの正面から視認できるようになっている。
次に、リール部材の回転のイニシャライズ位置の検出を説明する。図6において第1リール部材211bの図柄表示面部に描かれた上から3個目の図柄の右側に飛び出した突起物が図5(a)に示した基準片部材211aに取り付けられた基準片部材の遮光部226であり、第2リール部材212bの図柄表示面部に描かれた上から2つ目の図柄の右側に飛び出した突起物は第2リール部材212bに取り付けられた基準片部材の遮光部となり、第3リール部材213bの図柄表示面部に描かれた一番上の図柄の右側に飛び出した突起物は第3リール部材213bの基準片部材の遮光部を模式したものである。
図5(c)に示すフォトインタラプタ227は受光部と、発光部と、スリット部とを備えている。図5(a)に示された遮光部226はリール部材211の回転に従って回転し、図5(c)のフォトインタラプタ227のスリット部を通過することで、フォトインタラプタ227の受光部と発光部の間を遮光・透光させる。このように、遮光部226がフォトインタラプタ227のスリット部を通過する際に、フォトインタラプタ227の発光部が発光した光が遮光部により遮光され、受光部で光が遮光されたことを検出する。このようにフォトインタラプタ227が遮光を検出した位置を、リール部材の回転のイニシャル位置とする。また、第1〜第3リール部材がそれぞれ何回転したかを検出することが可能となる。
このように構成されているリールユニットは、リール制御部からの励磁信号により第1〜第3リールモジュールのモータ230が回転駆動されることで、第1〜第3リール部材が回転する。ここで、モータ230はステッピングモータであり、以下に、主基板に取り付けられている遊技制御装置がステッピングモータを回転制御することでリール部材211の図柄表示面部に描かれた図柄を変動表示する。以下では、パチンコ機の制御機能について図7を用いて説明する。
図7はパチンコ機の制御機能を示したブロック図である。遊技制御装置130は、入賞判定手段131、特別図柄変動制御手段132、特別遊技実行手段133、確率変動遊技実行手段134、変動時間短縮遊技実行手段135、電源断処理手段136、電断復帰処理手段137、コマンド出力手段138、及び払出制御装置コマンド送受信手段139として機能する。
遊技制御装置130は、第1特別図柄始動口124、第2特別図柄始動口125、一般入賞口、大入賞口126、普通図柄作動ゲートとそれぞれ電気的に接続されて、各入賞口に入賞したことを検出する検出手段及び駆動手段により遊技全体を制御する。具体的には、遊技者により打球された遊技球の落下移動は第1特別図柄始動口124、第2特別図柄始動口125、一般入賞口、及び大入賞口126で入賞が検出される。第1特別図柄入賞口、第2特別図柄始動口は遊技盤の説明において、第1始動入賞口124、及び第2始動入賞口に相当する。それぞれの入賞口に設けたセンサが遊技球の入賞を検出する。また、普通図柄作動ゲート128に遊技球通過したことを検出すると、検出信号が遊技制御装置に入力されることで、遊技制御装置130内の入賞判定手段131、特別図柄変動制御手段132、特別遊技実行手段133、確率変動遊技実行手段134、及び変動時間短縮遊技実行手段135が、遊技者の遊技状態に従って、それぞれ所定の図柄変動制御の制御内容を決定する。
図柄変動制御の制御内容が決定されると、第1・第2特別図柄表示装置140、普通図柄表示装置141、及び遊技状態表示装置142を制御する。一方、第1、第2特別図柄の変動に応じた演出や遊技効果の演出として各種の表示装置を制御するためコマンドを、
コマンド出力手段138から、サブ制御基板150に実装されているコマンド受信部151に送信する。サブ制御基板のコマンド解析部152は受信したコマンドを解析しリール制御内容決定部153が大当たり中演出駆動をするのか、第1、第2特別図柄の変動に応じた通常変動演出駆動をするのか、などの演出内容を決定する。
このように、遊技機において図柄演出は遊技者の興味を高めるための重要な部分を占めることから、動作チェック駆動、エラー報知駆動、及びテストモード駆動、等の信頼性を高めるための機能がリール制御内容決定部153により制御される。さらに、停止図柄を決定する停止図柄決定部154がサブ制御装置に実装されている。
遊技制御装置130からのコマンドによりリール制御内容決定部153がリール制御内容を決定されると、サブ制御基板150に実装されているサブCPU14は、リールユニット165に実装されているステッピングモータを回転速度制御するための制御信号をリール制御部から出力するように制御する。リール部材の回転速度の変更制御は、遊技者の遊技機への興味が高める上で重要である。このため、リール部材の図柄表示面部に描かれている図柄を表示する際に、高速で回転して表示、低速で回転して表示するなどのように回転速度を変化させて表示することが好ましい。このためリール制御部は、高速、低速と2段階の回転速度制御でなく、細かな速度制御、あるいは回転中に回転速度を変更可能に制御できる構成となっている。
図8を用いてステッピングモータの動作を説明する。図8(a)はステッピングモータの動作図であり、図8(b)はステッピングモータのマイクロステップ動作を示す動作図である。ステッピングモータの駆動方法は色々な駆動方法があるが、2相励磁の場合を図8(a)に示す。図8(a)の右側に図示する1、2、3、4は回転子が回転する様子を示している。固定子はA相、B相、A-相、B-相の順で90°毎に駆動巻線が配置されている。図8(a)の左側は各相の1,2,3,4の4つのステップにおいて、それぞれの相の巻線の励磁信号を示している。各ステップにおいて各相に励磁電流である励磁信号が流れることにより、第1ステップではA相とB相の間にあった回転子が、ステップが1つずつ進むに従って、90°単位で回転する様子を示している。
ステッピングモータのマイクロステップ動作を図8(b)により説明する。ここでは、図8(a)に示したマイクロステップモータの2相励磁の場合と比較すると、図8(a)において1段階で変化した励磁信号が、図8(b)では、4段階のマイクロステップで励磁信号が増加し、4段階のマイクロステップで励磁信号が減少する様子を示している。このように、図8(b)の左側では、各相の巻線は図8(a)の2相励磁での各ステップの励磁信号値を1/4倍したマイクロステップで階段状に変化する。A相を見ると第1マイクロステップにおいて0の励磁信号であったA相は第5マイクロステップにおいて、励磁信号の振幅が4マイクロステップ分増加している。4マイクロステップ分励磁信号の振幅が増加した状態が図8(a)におけるA相の励磁信号の大きさと同じである。A相以外のB相、A-相、B-相の各相の励磁信号はやはり図示されたように階段状に変化する。図8(b)の右側にはB相の励磁信号が階段状に減少し、A相の励磁信号が階段状に増加する左側の図における第1マイクロステップから第4マイクロステップまでの状態を示す図であり、B相の励磁信号が階段状に減少し、A相の励磁信号が階段状に増加することで回転子が回転する様子を示している。図8(a)のステッピングモータでの動作においては、ステップが進む毎に回転しは90°回転したが、図8(b)のマイクロステプ動作では各マイクロステップ動作において、90°を1/4倍した角度に相当する22.5°回転し、4マイクロステップで90°回転する様子を図示している。また、各相の励磁信号は25%ずつ変化していることを図示している。
図8(b)のマイクロステップモータは1マイクロステップ毎に回転子が22.5°回
転する例を示しているが、図8(b)のように4マイクロステップが図8(a)の1ステップに対応する例のように、マイクロステップ数は4に限定されるものではない。マイクロステップ数は種々の値に設定することができる。さらに、ステッピングモータの駆動方法として2相励磁の場合で説明したが、ステッピングモータの駆動方法には種々の方法があり、3相励磁、1−2相励磁、あるいは他の駆動方法もあり、2相励磁に限定されるものではない。
また、ステッピングモータの1ステップは90°であり、m=4であるマイクロステップ動作では1マイクロステップで22.5°回転する場合を示した。これは図8においては、各相の巻線を90°間隔で配置したためであり、各相の巻線をもっと小さな角度で配置することも可能である。例えば、各相の巻線を45°間隔で配置し、全体で8個の巻線を配置してもよい。この場合には、既に説明した1ステップは45°となり、1マイクロステップ各は11.25°となる。このように巻線の配置はさまざまな形が可能であり、図8の配置に限定されるものではない。
また、マイクロステップの周期を決定するパルス周期は種々のパルス周期に設定することが可能であり、マイクロステップ周期を変化させることで回転子の回転速度を変更することができる。このような仕組みになっていることから、マイクロステップモータの回転子の回転速度を変化させる方法には複数の方法がある。1つの方法はマイクロステップ周期がある所定のマイクロステップ周期に固定されている場合に、マイクロステップ数設定を変化させれば回転子の回転速度が変化する。例えば、マイクロステップ数を2倍にすれば回転子の回転速度は1/2となる。別の方法はマイクロステップ周期を変化させれば回転子の回転速度が変化する。例えば、マイクロステップ周期を倍の速度にすると、回転子の回転速度は1/2となる。マイクロステップモータの回転速度を変化させるために、マイクロステップ周期とマイクロステップ数の2つを変化させても良い。これ以外の方法によって回転速度を変更することも可能であり、他の方法は後述する。
本発明を実施した遊技機用モータの制御装置として、第1実施形態のリール制御部を示す。図9は第1〜第3リール制御部のそれぞれに適用さる回路構成を示す。また、第1〜第3リール制御部のそれぞれには2相励磁の場合にはA相、B相、A-相、B-相のそれぞれの巻線に対応する回路が必要となるが、図9は1つの相に適用する回路構成を示す。ステッピングモータが2相励磁であるなら、A相、B相、A-相、B-相の4相分の回路が必要である。
この第1実施形態のリール制御部は、サブCPU14からの指令信号に基づいて、リール制御部に対してサブCPU14がステッピングモータがマイクロステップ制御を行うように励磁信号を出力するソフトウェア制御機能と、制御部内にてステッピングモータのマイクロステップ制御を行う励磁信号を出力するハードウエア制御機能とを備えており、サブCPU14のコントロール信号によってハードウェア制御機能とソフトウェア制御機能を切替可能に構成されている。以下において、図9〜13を参照しながら、ハードウェア制御によるリール制御部の動作を説明する。
図9は第1実施形態のリール制御部の回路図である。図10は図9に示すリール制御部160を構成するマイクロステップ周期信号回路R10の1つの実現例である周波数逓倍回路R11を示す回路図である。図11はマイクロステップ周期信号回路R10の別の実現例である周波数分周回路R12を示す回路図である。図12は図9に示すリール制御部を構成するマイクロステップ振幅信号回路R50の1つの実現例を示す回路図である。図13は図9に示すマイクロステップ振幅信号回路の別の実現例を示す回路図である。
図9に示す第1実施形態のリール制御部160は、基準クロック発生回路R20、数値
n記憶回路R05、マイクロステップ制御の基本クロックの出力周期を決定するマイクロステップ周期信号回路R10、マイクロステップ数回路R15、マイクロステップ設定回路R30、マイクロステップ振幅信号回路R50、励磁駆動部R70を有し、各回路部への信号入力部には、後述するソフトウェアによる制御信号入力部との切替手段スイッチS1〜S5が設けられている。
数値n記憶回路R05はROMなどの不揮発性メモリで構成され、基準周波数をn倍、または1/n倍するための複数の数値n(nは自然数)が回路内に記憶され、マイクロステップ周期信号回路R10に数値nを出力する。マイクロステップ周期信号回路R10は基準クロック源R20から基準クロックfrefが入力され、数値n記憶回路R05が出力する数値n信号に基づいて、基準クロック源R20の基準クロック周波数frefをn倍、または1/n倍したマイクロステップ周期信号をマイクロステップ設定回路R30に出力する。マイクロステップ数回路R15は複数の数値mをマイクロステップ設定回路R30に出力する。マイクロステップ設定回路R30は、マイクロステップ数回路からの数値mの入力に基づいて、マイクロステップ周期信号回路R10から入力されるマイクロステップ周期信号毎に、0からmまでの数値であるマイクロステップ設定信号を順次マイクロステップ振幅信号回路R50に出力する。マイクロステップ振幅信号回路R50は、マイクロステップ設定回路R30から0からmまでの順次入力されるマイクロステップ設定信号に基づいて、PWM信号形式、またはPAM信号形式のマイクロステップ振幅信号を励磁駆動部R70に出力する。励磁駆動部R70は、マイクロステップ振幅信号回路R50から入力されるマイクロステップ振幅信号に基づいて、リールモータR90の各巻線を駆動するための励磁信号を出力する。ここで、リールモータR90は、前述のリールユニットを構成するリールモジュールのモータ230に相当する。
さらに、リール制御部160はハードウェア制御と、ソフトウェア制御を切り替える切り替え手段であるスイッチS1〜S5が設けられている。スイッチS1は数値n記憶回路R05の出力端子とマイクロステップ周期信号回路R10の入力端子の間に、スイッチS2はマイクロステップ数回路R15の出力端子とマイクロステップ設定回路R30の入力端子の間に、スイッチS3はマイクロステップ周期信号回路R10の出力端子とマイクロステップ設定回路R30の入力端子の間に、スイッチS4はマイクロステップ設定回路R30の出力端子とマイクロステップ振幅信号回路R50の入力端子との間に、スイッチS5はマイクロステップ振幅信号回路R50の出力端子と励磁駆動部R70との間に、それぞれ設けられている。
このように構成されるリール制御部160の各機能の動作の詳細を以下で説明する。数値n記憶回路R05には複数の数値n(nは自然数)がROMに記憶されている。マイクロステップ周期信号回路R10には数値n記憶回路R05(nは自然数)であるROMに記憶されている数値nか、サブCPU14がROM15に実装されている制御機能に基づいて入出力回路40を経由して数値nを入力するかを切り替えるスイッチS1を経由して、数値n信号が入力される構成となっている。マイクロステップ周期信号回路R10には別に基準クロックfrefが基準クロック供給源R20から供給される。基準クロック供給源R20はリール制御部用に設ける基準クロック回路から供給してもよいし、サブCPUが動作するためのサブCPU14用基準クロックと共用してもよい。後述するように、ハードウェア制御とソフトウェア制御とで切り替えてステッピングモータの回転速度を速度変更制御することを考慮すると、リール制御部を構成する回路はクロックに同期して動作することから、リール制御部が動作する基準クロック供給源R20とサブCPU14用基準クロックを同一の基準クロック供給源とした方が好ましい。
マイクロステップ周期信号回路R10は、周波数逓倍回路R11であっても、周波数分周回路R12であってもよい。図10にマイクロステップ周期信号回路R10を周波数逓
倍回路R11で構成する場合を示す。基準クロック供給源R20からfrefのクロック周期により基準クロックが供給され、位相比較回路の一入力端子に入力される。位相比較回路の出力はLPF(low path filter)に入力され、高調波成分が除去されて電圧制御発振器であるVCO回路に入力され、VCO回路の出力が1/n分周回路に入力される。1/n分周回路は例えばカウンタ回路で構成できる。カウンタ回路の入力にクロックが入力され、カウンタ回路の出力は比較回路に入力される。比較回路の他の入力には数値nが入力されカウンタ回路の出力と数値nを比較し、数値nと一致した場合に比較回路から出てくる信号はカウンタ回路に入力されたクロック周期に対して1/nの周期に分周された周期のパルス信号となる。VCO回路の出力がこのカウンタ回路に入力されることで、VCO出力の発振周波数の1/n倍の周波数のパルス信号が1/n分周回路から出力されて、位相比較回路の他の入力端子に入力される。位相比較器は基準クロック供給源R20から入力される基準クロックと1/n分周回路の出力パルス信号の位相を比較することで、全体としてPLL回路(phase locked loop回路)を構成することで、基準クロック供給源R20の出力frefに対してn倍の周波数のクロックがVCO回路から出力される。
マイクロステップ周期信号回路R10を周波数分周回路R12で構成する場合を図11に示す。周波数分周回路R11は図10の周波数逓倍回路R11において構成要素として含んでいる1/n分周回路と同じ回路構成で実現できる。図11において、基準クロック供給源R20から基準クロックfrefが1/n分周回路を構成するカウンタ回路に入力される。比較回路にはカウンタ回路から出力されるカウント値と数値nとが比較されることから、カウンタ回路が数値nまでカウントアップされると、比較回路から出力信号が出力されることで、基準クロック供給源R20の基準クロック周波数frefに対して1/nの周波数のクロック信号が1/n分周回路から出力されることになる。
マイクロステップ周期信号回路R10の構成例として周波数逓倍回路R11を用いて実現する場合と、周波数分周回路R12を用いて実現する場合を示した。いずれの回路構成であっても数値nと比較することで、基準クロック供給源R20から出力される基準クロック周波数に対してn倍、または1/n倍の周波数のクロックパルスを出力することになる。数値nは図10においても図11においてもROMで実現される数値n記憶回路R05から入力するか、サブCPU14から数値nを入力するかを切り替え制御するスイッチS1で選択制御することが好ましい。また、数値nの値は1つの値ではなく、複数の数値の中から遊技機の遊技状態により遊技状態にとって最適な数値nが入力されるように制御することが望ましい。リール部材が回転制御されている途中で速度変化させる場合には、基準クロック供給源R20はサブCPU14を動作させるための基準クロックと共用することが好ましいが、このような場合には、サブCPU14の基準クロック周波数は数100MHzと既に高周波数のクロックであることから、周波数逓倍回路R11でなく、周波数分周回路R12を用いることが考えられる。
マイクロステップ周期信号回路R10から出力されるパルス信号はステッピングモータをマイクロステップ周期で制御するためのマイクロステップ周期信号となる。マイクロステップ周期信号はマイクロステップ設定信号を出力するマイクロステップ設定回路R30に入力される。ここで、マイクロステップ設定回路R30の入力にはスイッチS2を設け、マイクロステップ数回路R15から出力される数値mのマイクロステップ数信号が入力されるか、あるいはサブCPU14からマイクロステップ数信号が入力されるかを選択するようにスイッチS2を動作させてもよい。
あるいは、マイクロステップ設定回路R30の入力にはスイッチS3を設け、マイクロステップ周期信号回路R10から出力されるマイクロステップ周期信号が出力するマイクロステップ周期信号が入力されるか、あるいはサブCPU14からマイクロステップ周期信号が入力されるかを選択するようにスイッチS3を動作させてもよい。
マイクロステップ設定回路R30は、マイクロステップ数回路R15から出力される数値mのマイクロステップ数信号に基づいて、ステッピングモータのステップ数を1/m倍(mは自然数)したマイクロステップを決定する回路となる。図8(b)に一例として示したマイクロステップ動作では、ステッピングモータの1ステップを4分割したマイクロステップにより、所定のステッピングモータの励磁信号に対して1/4倍のマイクロステップで励磁信号を階段状に変化させることで、ステッピングモータの各相の回転子の回転角度を所定のステップでの回転角度90°に対して、1/4倍した回転角度22.5°で回転子を回転制御する動作を示した。図8(b)において一例として示した例はmを4とし、マイクロステップ設定回路R30は入力されたマイクロステップ周期信号毎に0からm=4までの数値を順次カウントアップして出力する。マイクロステップ設定回路R30はこの場合、0,1,2,3,4までの数値を順次出力することになる。ここで、ステッピングモータをどのようなマイクロステップで動作させるかは、自由に設定することが可能であり、m=4に限定されるわけではない。
なお、マイクロステップ数をm=4からm=16に増加した場合、ステッピングモータは1ステップを4倍の16マイクロステップ分割したマイクロステップで回転することになる。この場合は、1ステップでの回転角度は90°であることから、m=16の場合の回転角度は5.625°となる。マイクロステップが変化するマイクロステップ周期が同じ周期であるなら、ステッピングモータの回転速度はm=4のステッピングモータの回転速度に対して、4倍のマイクロステップ数で変化することから1/4倍の遅い回転速度となる。このように、マイクロステップ数mを変えることでステッピングモータの回転速度を変えることが可能となる。
マイクロステップ設定回路R30は、カウンタ回路で構成することができる。マイクロステップ設定回路R30の入力には、マイクロステップ数信号からの数値mのマイクロステップ数信号がスイッチS2により選択制御されて入力されるか、マイクロステップ周期信号回路R10からのマイクロステップ周期信号がスイッチS3により選択制御されて入力される。入力された数値mのマイクロステップ数信号により、カウンタ回路の最大カウント数が設定され、マイクロステップ周期信号が入力される毎にマイクロステップ設定回路R30を構成するカウンタ回路がカウントアップをして0からmまでの数値であるマイクロステップ設定信号を順次生成出力する。
マイクロステップ設定回路R30の出力はマイクロステップ振幅信号回路R50に入力される。ここで、マイクロステップ振幅信号回路R50の入力端子にはスイッチS4が設けられる。スイッチS4はマイクロステップ設定回路R30の出力端子に接続してマイクロステップ設定回路R30からの0からmまでの数値であるマイクロステップ設定信号が入力されるか、サブCPU14に接続してサブCPU14からの0からmまでの数値であるマイクロステップ設定信号が入力されるようにするかが選択されるようにスイッチS4が制御される。
マイクロステップ振幅信号回路R50は入力された0からmまでの数値であるマイクロステップ設定信号に従って、0からmまでの数値に比例するマイクロステップ振幅信号を生成する回路となる。マイクロステップ振幅信号はPWM信号(pulse width modulation信号)を出力することも、PAM信号(pulse amplitude modulation信号)を出力することも可能である。PWM信号はステッピングモータに駆動する際に駆動したい時間の全てで出力信号が出るのではなく、駆動したいマイクロステップの段階に比例するパルス幅の出力パルスを出すことから、電源の使用効率が劣るが、低電圧で回路を構成するのに適している。PAM信号はマイクロステップの段階に比例する励磁信号を流すことから電源の使用効率がよいが、PWM信号よりも高電圧で回路を構成する必要がある。高効率、消費
電力低減を実現できるためPAM信号を使用する例が増加しているが、遊技機のリールの回転制御に適用する場合は、PWM信号、PAM信号のいずれかに限定されるわけではない。
図12にPWM信号を生成するマイクロステップ振幅信号回路R50の回路を示す。スイッチS4により選択制御されて、マイクロステップ設定回路R30またはCPUからD/A変換回路R51に0からmまでの数値であるマイクロステップ設定信号が、マイクロステップ周期信号の周期毎に入力される。D/A変換回路R51により、入力された数値0〜mに比例するアナログ電圧が作成される。D/A変換回路R51により作成された0〜mの数値に比例するアナログ電圧値がコンパレータの+入力端子に入力される。コンパレータの−入力端子には、高周波で発振するのこぎり波が入力されている。このように構成されていることから、コンパレータの出力端子には、マイクロステップ設定回路R30から出力される値がmに近い大きな数値である場合には、D/A変換回路R51から高い電圧のアナログ電圧値が出力されて、のこごり波よりも高い電位になる時間が長いことから、コンパレータからは広い幅のパルス信号が出力される。マイクロステップ設定回路R30から出力される値が0に近い小さい数値である場合は、D/A変換回路R51から低い電圧のアナログ電圧値が出力されて、のこぎり波よりも高い電位となる時間が短いことから、コンパレータからは短い幅のパルス信号が出力される。このようにして、PWM信号が出力される。
図13にはPAW信号を生成するマイクロステップ振幅信号回路R50の回路を示す。スイッチS3により選択制御されて、マイクロステップ設定回路R30またはサブCPU14からD/A変換回路R51に0からmまでの数値であるマイクロステップ設定信号がマイクロステップ周期信号の周期毎に入力される。D/A変換回路R51により、入力された数値0〜mに比例するアナログ電圧が作成される。D/A変換回路R51により作成された0〜mの数値に比例するアナログ電圧値がコンパレータの+入力端子に入力される。コンパレータの−入力端子には、コンパレータの出力信号が負帰還されている。マイクロステップ設定回路R30から出力される値がmに近い大きな数値である場合には、D/A変換回路R51から高い電圧のアナログ電圧値が出力され、コンパレータに入力されることからコンパレータの出力にはD/A変換回路R51の出力電圧に比例する出力電流が出力される。マイクロステップ設定回路R30から出力される値が0に近い小さい数値である場合は、D/A変換回路R51から低い電圧のアナログ電圧値が出力されることからコンパレータの出力にはD/A変換回路R51の出力電圧に比例する出力電流が出力される。このようにして、マイクロステップ設定回路R30から出力される0〜mまでの数値に比例するPAM信号が出力される。
マイクロステップ振幅信号回路R50からの例えばPWM信号は励磁駆動部R70に入力される。ここで、励磁駆動部R70の入力端子にはスイッチS5が設けられ、マイクロステップ振幅信号回路R50に接続してマイクロステップ振幅信号を受信するか、サブCPU14に接続してマイクロステップ振幅信号を受信するかを、選択制御するようにスイッチS5を制御する。
以上、ハードウェア制御におけるリール制御部160の動作を図9〜図13参照しながら説明した。図9並びに前述のように、リール制御部160各回路入力段には切り替え手段であるスイッチS1〜S5が設けられており、このスイッチを制御することによりソフトウェア制御が実現される。より具体的には、サブCPU14に実装するソフトウェア機能がスイッチS1をサブCPU14の入出力回路に接続するよう切り替え制御した場合には、サブCPU14は数値n信号をマイクロステップ周期信号回路R10に出力する。サブCPU14が出力する数値nを変更することで、マイクロステップ周期信号回路が出力するマイクロステップ周期信号の周期を変更することが可能となる。このように、マイク
ロステップ周期信号の周期が変更可能に制御されることで、ステッピングモータの回転速度を変更制御することが可能となる。
サブCPU14に実装するソフトウェア機能がスイッチS2をサブCPU14の入出力回路に接続するよう切り替え制御した場合には、サブCPU14はマイクロステップ数mをマイクロステップ設定回路R30に出力する。サブCPU14が出力する数値mを変更することで、マイクロステップ設定回路R30が出力する0〜mのマイクロステップ設定信号の値の範囲が変更される。前述のハードウェア制御の動作において、ステッピング数mを変化させた場合の動作を説明したように、マイクロステップ数mが変更されることでステッピングモータの回転速度を変更制御することが可能となる。
サブCPU14に実装するソフトウェア機能がスイッチS3をサブCPU14の入出力回路に接続するよう切り替え制御した場合には、サブCPU14はマイクロステップ周期信号をマイクロステップ設定回路R30に出力する。サブCPU14がマイクロステップ設定信号を順次出力することで、マイクロステップ設定回路R30は入力されたマイクロステップ周期信号毎に0〜mの数値であるマイクロステップ設定信号を出力する。サブCPU14が出力するマイクロステップ周期信号の周期を変更することでステッピングモータの回転速度を変更制御することが可能となる。
サブCPU14に実装するソフトウェア機能がスイッチS4をサブCPU14の入出力回路に接続するよう切り替え制御した場合には、サブCPU14はマイクロステップ設定信号をマイクロステップ設定回路R30に出力する。サブCPU14が出力する0〜mの数値であるマイクロステップ設定信号を順次出力することで、マイクロステップ振幅回路は入力されたマイクロステップ設定信号に応じたPWM信号形式またはPAM信号形式のマイクロステップ振幅信号を出力することになる。サブCPU14は0〜mの数値であるマイクロステップ設定信号を出力する出力間隔を変更されることでステッピングモータの回転速度を変更制御することが可能となる。
サブCPU14に実装するソフトウェア機能がスイッチS5をサブCPU14の入出力回路に接続するよう切り替え制御した場合には、サブCPU14はマイクロステップ振幅信号を励磁駆動部R70に出力する。サブCPU14が出力するマイクロステップ振幅信号を順次出力することで、励磁駆動部R70は入力されたマイクロステップ振幅信号に応じたステッピングモータの各巻線を駆動するための励磁信号を出力することになる。例えばPWM信号形式である場合には、サブCPU14はマイクロステップ振幅信号の出力幅を変更されることでステッピングモータの回転速度を変更制御することが可能となる。
このように、第1実施形態のリール制御部160は、ハードウェア制御とソフトウェア制御のいずれの方法においても、ステッピングモータの回転速度を変更制御することが可能となる。これらの切り替え手段であるスイッチS1〜S5の各スイッチはいずれか1つが実装されていても、2つ以上のいずれかのスイッチが実装されていてもよい。また、スイッチS1〜S5の各スイッチの制御はいずれか1つだけを制御してもよいし、2つ以上のいずれかのスイッチ回路を制御してもよい。
このように、スイッチS1〜S5によるハードウェア制御とソフトウェア制御の切り替え制御は、いずれのスイッチを切り替え制御しても可能であるが、スイッチS5による切り替え制御は、ステッピングモータへの励磁信号を出力する励磁駆動部R70への入力信号であるマイクロステップ振幅信号をサブCPU14が直接出力することから、最も細かな変化幅で回転速度を変更制御可能となる。以下、スイッチS4、スイッチS3、スイッチS2、そしてスイッチS1の順で回転速度の速度変更の幅が粗くなる。スイッチS1による切り替え制御は、サブCPU14が出力する数値n信号の大きさを変更することで回
転速度を変更制御するものであり、サブCPU14が数値n信号の大きさを変更するための処理量は少ない。以下、スイッチS2、スイッチS3、スイッチS4、スイッチS5の順で、サブCPU14の処理負荷量が増加する。従って、スイッチS1〜S5のいずれの切り替え手段とするかという判断は、ステッピングモータの回転速度の変更制御をどの程度きめ細かく変更制御する必要があるかという点と、サブCPU14の処理負荷にどれだけ余裕があるかを考慮して決定することになる。
このように構成されている第1実施形態のリール制御部において、ハードウェアにより実現されているリール制御部の各機能をサブCPU14に実装するモニター機能がモニターできるように構成してもよい。ステッピングモータはリール部材を回転駆動することから、リール部材の回転に伴う摩擦力で生じるトルクによりリール制御部が出力する励磁信号通りにステッピングモータがマイクロステッピング動作しない脱調現象が生じることがある。また、スイッチS1〜S5の各スイッチの少なくともいずれか1つ以上を制御することで、ハードウェア回路で構成されているリール制御部のいずれかの機能を、サブCPU14からのソフトウェアによる制御信号に切り換えるように制御する場合に、ハードウェア回路で構成されているリール制御部が出力しているマイクロステップの制御の段階に相当する信号と大きくずれたマイクロステップの制御の段階に相当する信号をサブCPU14から出力すると、リール部材はハードウェアによる制御からソフトウェアによる制御に切り替えてリール部材の回転速度を変化させようとする場合に、滑らかにリール部材の回転速度が変更されずに、不自然に階段状に回転速度変化を生じることになる。
遊技機に使用されている図柄変動表示のためのリール部材の回転速度が不自然に階段状に回転速度が変化すれば、遊技者は遊技店が遊技店に一方的に有利になるようにリール部材の回転制御をしているのではないかと、疑念を持つ可能性があり、遊技者の興味を高めるようにリール部材の回転制御を何段階かで用意するという目的とは異なった結果を遊技者に与えてしまうことになる。従って、ハードウェアで構成されるリール制御部の各機能をサブCPU14に実装するモニター機能がモニターできるように構成することが望ましい。
このために、マイクロステップ周期信号回路R10の出力端子からのマイクロステップ周期信号をサブCPU14の入出力回路に入力するように接続する第1モニター機能を設けることで、マイクロステップ周期信号回路R10が生成するマイクロステップ周期信号をモニターできるようにする。
また、マイクロステップ振幅信号回路R50の出力端子からのマイクロステップ振幅信号をサブCPU14の入出力回路に入力するように接続する第2モニター機能を設けることで、マイクロステップ振幅信号回路R50が生成するマイクロステップ振幅信号をモニターできるようにする。
さらには、励磁駆動部R70の出力端子からのステッピングモータの各相の巻線の励磁信号をサブCPU14の入出力回路に入力するように接続する第3モニター機能を設けることで、励磁駆動部R70が生成する励磁信号をモニターできるようにする。
以上において説明したリール制御部の第1〜第3モニター機能は、全てをモニターすることも可能であるし、いずれか1つのみ、あるいは複数のモニターをしてもよい。
このようにリール制御部の各機能をサブCPU14に実装するモニター機能がモニターできるように構成することで、ステッピングモータが脱調していないかを監視することができる。また、スイッチS1〜S5の少なくともいずれか1つを選択制御することで、ハードウェア回路によるリール制御部の各機能をソフトウェアによる制御に切り替える場合
に、サブCPU14はハードウェア回路で構成されているリール制御部が出力しているマイクロステップの制御がどの段階で制御しているかをモニターできるため、ハードウェア回路で構成されているリール制御部が出力しているマイクロステップの制御の段階に相当する信号と大きくずれたマイクロステップの制御の段階に相当する信号をサブCPU14が出力することで、リール部材が不自然に階段状に回転速度変化を生じ、遊技者に不興感を与えることがなく、遊技者に対して熱い演出を提供できる。
ここまでの説明において、ハードウェア制御とソフトウェア制御を切り替え制御可能であることを説明した。ソフトウェア制御はサブCPU14に実装するソフトウェア機能が数値n信号、マイクロステップ周期信号、マイクロステップ数信号、マイクロステップ設定信号、及びマイクロステップ振幅信号のいずれかを出力するものであるため、いずれの信号を出力するにしても、サブCPU14の処理量が増加することから、ソフトウェア制御はステッピングモータが低速回転している場合に回転速度の変更制御に適している。高速回転制御する場合には、ハードウェア制御による回転速度の変更制御が適している。
なお、図9〜13を用いてリール制御部160のハードウェア制御とソフトウェア制御を説明した。ハードウェア制御からソフトウェア制御への切り替える場合に、第1〜第3モニター機能のいずれかにより、切り替え制御をする前のマイクロステップ周期信号、マイクロステップ振幅信号、及び励磁信号のいずれかをモニターし、ソフトウェア制御をする場合には、それらの制御信号と大きくずれない制御信号をサブCPU14から出力するようにすることが好ましいことを説明した。
さらに、スイッチS1〜S5のいずれかの切り替え手段において、ハードウェア制御からソフトウェア制御に切り換える切り替え制御信号を受信した場合には、図9〜図13には図示していないが、マイクロステップ設定信号回路の出力信号が0であることを検出する回路を設け、マイクロステップ出力信号がゼロであることと、スイッチS1〜スイッチS5の切り替え制御信号が入力されたことのAND条件で切り替え手段であるスイッチS1〜S5のいずれかが制御されるような構成とすることが考えられる。あるいは、サブCPU14がマイクロステップ設定信号の出力をモニターする機能を設け、マイクロステップ設定信号の出力が0である時に、切り替え制御するように制御することが考えられる。
具体的には、階段状に変化するマイクロステップ励磁信号が0である期間は、図8(b)にも図示されているm=4で全体として16マイクロステップで変化する場合において、9マイクロステップの間、励磁信号が0である状態が継続する。ソフトウェア制御においては、サブCPU14がマイクロステップ制御以外の他の処理をしているために、ハードウェア制御とソフトウェア制御とで、制御タイミングをうまく同期をとれないような場合であっても、マイクロステップ設定信号が0であることを検出した段階で、ハードウェア制御とソフトウェア制御を切り替え制御すれば、マイクロステップ設定信号が0であり励磁信号が0である期間は励磁信号が階段状に変化する期間より長いことから、マイクロステップ設定信号が0、従って励磁信号が0となる期間にハードウェア制御とソフトウェア制御を切り替え制御すれば、遊技者に違和感を与えずに切り替え可能になる。
前述のマイクロステップ設定信号が0であることを検出する方法以外に、第3モニター機能により励磁駆動部の励磁信号が0になったことを検出し、励磁信号が0を検出した時点でハードウェア制御とソフトウェア制御を切り替え制御してもよい。励磁信号が0である期間は励磁信号が階段状に変化する期間より長いことから、励磁信号が0となる期間にハードウェア制御とソフトウェア制御を切り替え制御すれば、遊技者に違和感を与えずに切り替え可能になる。
次に、本発明を実施した遊技機用モータの制御装置として、第2実施形態のリール制御
部を示す。ステッピングモータをマイクロステップ制御するための市販ICを用いて構成することも可能である。例えば、東芝製IC(TB62209FG)、あるいはサンケン電気製IC(SI−7321M)を用いてリール制御部を構成することも可能である。ここでは、東芝製IC(TB62209FG)を用いてリール制御部を構成する例を示す。
第2実施形態のリール制御部は、数値n記憶回路R05、基準クロック供給源R20、マイクロステップ周期信号回路R10、及びTB62209FGを用いて構成される。TB62209FG内では、第1実施形態のリール制御部を構成しているマイクロステップ数回路R15のように複数の数値mをマイクロステップ設定回路R30に出力するのではなく、固定の数値mで動作するマイクロステップ設定回路R30、マイクロステップ振幅信号回路R50、駆動励磁回路R70に相当する機能が内蔵されている。数値n記憶回路R05から複数の数値nである数値n信号を出力し、マイクロステップ周期信号回路R10は基準クロック供給源R20が出力する基準クロックfrefの周波数をn倍、または1/n倍に分周したマイクロステップ周期信号を出力する。TB62209FGではマイクロステップ数は固定の数値mは、例えばm=16に固定されている。マイクロステップ設定回路R30に相当するマイクロステップでコーダは0〜mの数値をTB62209FG内の階段電流値選択回路に出力し、電流帰還回路によりPWM信号形式のマイクロステップ振幅信号が出力制御回路で生成され、ステッピングモータを励磁駆動するための励磁信号は出力回路から出力される。
以下に、図14を参照してTB62209FGの詳細な構成を説明する。図14はTB62209FGの回路ブロック構成を示す。図15は端子の機能説明を示す。図14のTB62209FGの回路ブロック構成において、入力端子として、RESET端子、CW/CCW端子、ENABLE端子、STANDBY端子、D MODE1端子〜D MODE3端子、CLK端子、TORQUE1端子、TORQUE2端子、MDT1端子、MDT1端子等が設けられる一方、出力端子として、MO端子等が設けられている。入力端子及び出力端子について説明すると、図15に示すように、D MODE1端子〜D MODE3端子は、モータ駆動モードを設定するための入力端子であり、ステッピングモータの駆動方法を、2相励磁、1−2相励磁(A)、1−2相励磁(B)、W1―2相励磁、2W1−2相励磁等に設定することができるようになっている。CW/CCWは、モータの回転方向を設定するための入力端子であり、ステッピングモータの回転方向を設定することができるようになっている。STANDBY端子は、全機能のイニシャライズ及び省電力モードを設定するための入力端子であり、TB62209FGの通常動作又は動作停止を設定することができるようになっている。
TORQUE1端子及びTORQUE2端子は、モータトルクの切り替えを設定するための入力端子であり、モータのトルクを、100%、85%、70%、50%(%(割合)は、電流のピーク値の割合を示しており、%(割合)が大きいほど、トルクが大きくなる。)の4段階のうち、いずれかに切り替えることができるようになっている。TB62209FGは種々の用途でステッピングモータを用いることを前提としていることから、ステッピングモータで駆動される可動機構を動かすために必要なトルクの大きさはステッピングモータで駆動される可動機構により異なる。このため複数のトルクを設定できるようになっている。
MDT1端子及びMDT2端子は、MIXED DECAYを設定するための入力端子であり、定電流制御時の電流減衰速度のモード(「DECAYモード」という。)を、100%、75%、37.5%、12.5%(%(割合)が大きいほど、電流の減衰力が大きくなる。)の4段階のうち、いずれかに設定することができるようになっている。トルクの場合と同様に、TB62209FGは種々の用途でステッピングモータを用いることを前提としていることから、ステッピングモータに所定の励磁信号値で制御しようとする
際に、どの程度の時間遅れで所定の励磁信号値に達するかを設定するためにDECAYモードで設定することになる。
RESET端子は、電気角を強制的にイニシャライズする(0度とする)ための入力端子である。ENABLE端子は、ステッピングモータの動作時に強制的に出力を停止させるための入力端子である。CLK端子は、ステッピングモータのモータ回転数を決定するための入力端子であり、CLK信号が入力されると、電気角が進み、アップエッジ(Upエッジ)で信号が反映されるようになっている。
MO端子は、電気角が0度である旨を伝える出力端子であり、4W1−2、2W1−2、W1−2、1−2相励磁で電気角が0度(A相:100%、A相0%)でMO1信号を出力する一方、2相励磁では、電気角が0度(B相:100%、A相:100%)でMO1信号を出力するようになっている。このMO1信号を出力するタイミングで、その入力端子である、CW/CCW端子、ENABLE端子、STANDBY端子、D MODE1端子〜D MODE3端子、TORQUE1端子、TORQUE2端子等に印加されている電圧に基づいて、後述するマイクロステップデコーダのレジスタにその入力端子に入力されている制御信号を取り込み、この取り込んだ制御信号に基づいて、ステッピングモータの駆動モードを設定したり、トルクを切り替えたりするのが好ましい。
またTB62209FGはさらに、図14に示すように、マイクロステップデコーダ、電流設定回路、チョッピング基準作成回路、電流帰還回路、出力制御回路、出力回路を備えて構成されている。
マイクロステップデコーダは、ステッピングモータの駆動方法を設定するとともに、ステッピングモータの巻線に流す定電流値を0〜15の範囲でマイクロステップ設定するための回路である。第1実施形態においてマイクロステップ設定回路R30として示した機能と同等の機能になる。マイクロステップデコーダは、図示しないレジスタを備えており、このレジスタは、前述したように、MO1信号を出力するタイミングとなると、入力端子である、CW/CCW端子、ENABLE端子、STANDBY端子、D MODE1端子〜D MODE3端子、TORQUE1端子、TORQUE2端子等に印加されている電圧に基づいて、その入力端子に入力されている制御信号を取り込む。そしてマイクロステップデコーダは、レジスタに取り込んだ各種制御信号と、CLK端子から入力されたCLK1信号と、に基づいて、ステッピングモータの駆動方法を設定するとともに、ステッピングモータの巻線に流す定電流値を設定する。
またマイクロステップデコーダは、レジスタに取り込んだ、TORQUE1端子及びTORQUE2端子に入力された制御信号に基づいてトルクを4段階のうち、いずれかに切り替えるため、2ビットのTORQUEデータを電流設定回路に出力する。更にマイクロステップデコーダは、CLK端子から入力されたCLK1信号のアップエッジによってカウントアップする値0〜値15の範囲の値をレジスタに記憶しており、このレジスタに記憶された値を4ビットの階段電流データとして電流設定回路に出力する。更にまたマイクロステップデコーダは、レジスタに取り込んだ、MDT1端子及びMDT2端子に入力された制御信号に基づいてDECAYモードを4段階のうち、いずれかに設定するため、2ビットのDECAYデータを出力制御回路に出力する。
電流設定回路は、マイクロステップデコーダから出力される、TORQUEデータ及び階段電流データに基づいてステッピングモータの巻線に出力する出力電流値の基準電圧を設定する回路であり、図14に示すように、トルク制御回路、階段電流値選択回路を備えて構成されている。
トルク制御回路は、マイクロステップデコーダからのTORQUEデータに基づいて、ステッピングモータのトルクを4段階のうち、いずれかに切り替える回路である。このトルクの切り替えは、ステッピングモータの巻線に流す電流のピーク値を切り替えることによって可変させることができるようになっている。トルク制御回路は、外部から供給される基準電圧Vrefの電圧値をTORQUEデータに基づいて4段階のうち、いずれかに切り替え、この切り替えた基準電圧の電圧値を階段電流値選択回路に出力する。
階段電流値選択回路は、マイクロステップデコーダからの階段電流データの値0〜値15と対応する階段状の出力電流値(階段電流値)の基準電圧を電流帰還回路に出力する回路である。例えば、駆動モードがW1−2相励磁の場合には、階段電流データの値0、値4、値8、値12、値15と対応する基準電圧の最大値の0%、38%、71%、92%、100%に段階的に切り替えて電流帰還回路に出力したり、駆動モードが2W1−2相励磁の場合には、階段電流データの値0、値2、値4、値6、値8、値11、値13、値14、値15と対応する基準電圧を最大値の0%、20%、38%、56%、71%、88%、96%、98%、100%に段階的に切り替えて電流帰還回路に出力したり、駆動モードが4W1−2相励磁の場合には、階段電流データの値0、値1、値2、値3、値4、値5、値6、値7、値8、値9、値10、値11、値12、値13、値14、値15と対応する基準電圧を最大値の0%、10%、20%、29%、38%、47%、56%、63%、71%、77%、83%、88%、92%、96%、98%、100%に段階的に切り替えて電流帰還回路に出力したりする。この基準電圧の最大値は、トルク制御回路によって4段階に設定された値である。なお、ステッピングモータは、電気角が0度から90度に進むと、1ステップ回転するようになっているため、駆動モードがW1−2相励磁の場合では、例えば基準電圧を最大値の0%→38%→71%→92%→100%に4段階に切り替えて電気角が0度から90度に進むと、ステッピングモータが1ステップ回転するために必要なマイクロステップ数が値4となり、駆動モードが2W1−2相励磁の場合では、例えば基準電圧を最大値の0%→20%→38%→56%→71%→88%→96%→98%→100%に8段階に切り替えて電気角が0度から90度に進むと、ステッピングモータが1ステップ回転するために必要なマイクロステップ数が値8となり、駆動モードが4W1−2相励磁の場合では、例えば基準電圧を最大値の0%→10%→20%→29%→38%→47%→56%→63%→71%→77%→83%→88%→92%→96%→98%→100%に16段階に切り替えて電気角が0度から90度に進むと、ステッピングモータが1ステップ回転するために必要なマイクロステップ数が値16となる。
電流帰還回路は、階段電流値選択回路からの基準電圧の電圧値と対応する設定電流の電流値と、出力制御回路に出力する出力電流の電流値と、を比較してその差がなくなるように出力電流の電流値を変化させる回路である。
チョッピング基準作成回路は、出力制御回路で駆動電流のチョッピングを行うときのチョッピング周波数の基準になる内部基準(チョッピングクロック信号)を作成する回路である。チョッピング基準作成回路は、図示しないチョッピング基準波形発生回路が発生した所定周波数のノコギリ波を、図示しない波形整形回路でクロック信号に整形し、この整形したクロック信号をチョッピングクロック信号として出力制御回路に出力する。
出力制御回路は、チョッピング基準作成回路からのチョッピングクロック信号に基づいて、電流帰還回路からの階段状に変化する設定電流の電流値の信号をチョッピングすることによって定電流チョッパ駆動を行う回路である。出力制御回路は、図14に示すように、チョッピング時の電流の減衰比率を負荷の特性に合わせて4段階に切り替えるMIXED DECAY TIMMING回路を内蔵している。
このMIXED DECAY TIMMING回路は、図示しない、カウンタ及びセレクタを備えて構成されており、カウンタは、チョッピング基準作成回路からのチョッピングクロック信号をカウントし、所定のパルス数がカウントされると、セレクタがCHARGE MODEに切り替えて電流のチャージを開始して電流値を上昇させる。この電流値が設定電流の電流値までに上昇すると、CHARGE MODEから電流の減衰が遅いSLOW DECAY MODEに移行する。このSLOW DECAY MODEでは、電流値はゆっくりと下降する。セレクタは、所定の切り替えタイミングとなると、SLOW DECAY MODEから電流の減衰が速いFAST DECAY MODEに切り替える。このFAST DECAY MODEでは、電流値は、急激に下降する。そしてカウンタが、チョッピング基準作成回路からのチョッピングクロック信号をカウントし、所定のパルス数がカウントされると、セレクタがFAST DECAY MODEからCHARGE MODEに切り替えて電流のチャージを開始して電流値を上昇させる。
MIXED DECAY TIMMING回路は、CHARGE MODEからSLOW DECAY MODEへ移行し、このSLOW DECAY MODEからFAST DECAY MODEへ移行し、このFAST DECAY MODEからCHAR DECAY MODEへ移行することによって、電流帰還回路からの階段状に変化する設定電流の電流値の信号をチョッピングし、定電流チョッパ駆動を行う。なお、CHARGE MODEに移行してから次のCHARGE MODEに移行するまでの時間がチョッピング周期となる。このチョッピング周期では、FAST DECAY MODEと、SLOW DECAY MODEと、をミックスさせるDECAYモードを、「MIXED DECAY MODE」といい、FAST DECAY MODEと、SLOW DECAY MODEと、を切り替えるタイミングを、「MIXED DECAY TIMMING」という。
出力制御回路は、階段状に変化する設定電流の電流値の信号をチョッピングし、このチョッピングした信号を出力回路に出力する。この出力回路は、出力制御回路からの信号のレベルに基づいて、ステッピングモータの駆動コイルに流れる電流の方向を切り替えながら駆動電流を出力する回路である。
このように構成された東芝製TB62209FGは第1の実施形態のリール制御部160において、マイクロステップ設定回路R30、マイクロステップ振幅信号回路R50、及び励磁駆動回路R70に相当する機能を内蔵している。さらに、TB62209FGはマイクロステップ数回路R15を具備せず、一定のマイクロステップ数で動作する。このような東芝製TB62209FG用いた第2実施形態のリール制御部を以下に説明する。
第2実施形態のリール制御部は、数値n記憶回路R05、基準クロック源R20、マイクロステップ周期信号回路R10を設け、数値n記憶回路R05の出力信号か、サブCPU14からの出力信号かを切り替えるスイッチS1、マイクロステップ周期信号回路R10の出力信号か、サブCPU14からの出力信号かを切り替えるスイッチS3のいずれかの切り替え手段をさらに設ける。マイクロステップ周期信号回路R10かサブCPU14からのマイクロステップ周期信号はTB62209FGのCLK端子に入力する構成となる。
第1実施形態のリール制御部と同様に、数値n記憶回路R05は基準クロック供給源R20が供給する基準クロックfrefの周波数をn倍、あるいは1/n倍するための数値nを指定する記憶回路となる。スイッチS1は、マイクロステップ周期信号回路R10に数値n記憶回路R05であるROMに記憶されている数値nか、サブCPU14が入出力回路40を経由して数値nを入力するかを切り替える。基準クロックfrefを供給する基準クロック供給源R20はリール制御部用に設ける基準クロック回路から供給してもよいし、サブCPU14が動作するためのサブCPU14用基準クロックと共用してもよい
。ステッピングモータをマイクロステップの途中の段階で回転速度変更するためには、リール制御部が動作する基準クロック供給源R20とサブCPU14用基準クロックを同一の基準クロック供給源とした方がマイクロステップの途中の段階で回転速度変更の制御が容易になることから、好ましい。
第2実施形態でのマイクロステップ周期信号回路R10は、第1実施形態のマイクロステップ周期信号回路R10の実現例として示した図10に示す周波数逓倍回路R11であっても、図11に示す周波数分周回路R12で実現してもよい。図10は周波数逓倍回路R11であり、基準クロック供給源R20から供給する基準クロックfrefをn倍した周波数を作成する。図11は周波数分周回路であり、基準クロック供給源R20から供給する基準クロックfrefを1/n倍した周波数を作成する。
数値nは図10においても図11においてもROMで実現される数値n記憶回路R05から入力するか、サブCPU14から数値nを入力するかを切り替え制御するスイッチS1で選択制御することが好ましい。また、数値nの値は1つの値ではなく、複数の数値の中から遊技機の遊技状態により遊技状態にとって最適な数値nが入力されるように制御することが望ましい。リール部材が回転制御されている途中で速度変化させる場合には、基準クロック供給源R20はサブCPU14を動作させるための基準クロックと共用することが好ましいが、このような場合には、サブCPU14の基準クロック周波数は数100MHzと既に高周波数のクロックであることから、周波数逓倍回路R11でなく、周波数分周回路R12を用いることが考えられる。
ここで、第2実施形態のリール制御部160ではスイッチS2を設けない。TB62209FGでは、マイクロステップ数は2相励磁、1−2相励磁、W1−2相励磁、2W1−2相励磁、及び4W1-2相励磁などの励磁方式によりmの値が異なるが、4W1−2相励磁ではm=16に固定となっている。第1実施形態でのリール制御部160のようにマイクロステップ数を制御信号として指定しない。従って、マイクロステップ数回路R15からマイクロステップ数信号を出力するか、サブCPU14からマイクロステップ数mを出力するかを切り替えるスイッチS2は設けない。
第2実施形態のリール制御部160ではスイッチS3は以下のように設ける。マイクロステップ周期信号回路R10から出力されるパルス信号はステッピングモータをマイクロステップ周期で制御するためのマイクロステップ周期信号となる。マイクロステップ周期信号はTB62209FGのCLK端子に入力される。ここで、TB62209FGのCLK端子の入力側にスイッチS3を設け、マイクロステップ周期信号回路R10から出力されるマイクロステップ周期信号が入力されるか、あるいはサブCPU14からマイクロステップ周期信号が入力されるかを選択するようにスイッチS3を動作させてもよい。
TB62209FGのCLK端子のCLK端子に、スイッチS3を経由してマイクロステップ周期信号回路R10またはサブCPU14から、マイクロステップ周期信号が入力されると、図14に示したTB62209FG内のマイクロステップデコーダが、ステッピングモータの巻線に流す定電流値を0〜15の範囲でマイクロステップ設定する。マイクロステップデコーダは、第1実施形態のリール制御部におけるマイクロステップ設定回路R30と同じ動作をする。
第2実施形態のリール制御部では、スイッチS4は設けない。TB62209FGではマイクロステップ設定信号は0〜15の範囲の数値を階段電流値選択回路に出力するが、階段電流値選択回路の入力にTB62209FGの外部端子から、0〜mの数値であるマイクロステップ設定信号を入力する構成とはなっていないことから、第2実施形態のリール制御部では、スイッチS4を設けない。
第2実施形態のリール制御部160では、スイッチS5を設けない。第1実施形態のリール制御部では図12あるいは図13に示すようにマイクロステップ振幅信号回路R50はD/A変換回路R51とPWM回路R52あるいはPAMR55とで構成され、マイクロステップ振幅信号回路R50から出力されるPWM信号あるいはPAM信号の出力信号を励磁駆動部R70に入力するか、サブCPU14から入力されるPWM信号あるいはPAM信号を励磁駆動部R70に入力するかを選択制御するためnスイッチS5を設ける構成としている。TB62209FGでは階段電流選択回路がD/A変換回路R51と同等の機能を持ち、電流帰還回路とチョッピング基準作成回路と、出力制御回路によりPWM作成回路R53として示した回路と同等機能を実現し、第1実施形態のリール制御部において励磁回路R70として示した回路がTB62209FGにおいては出力回路として構成されている。TB62209FGの外部からマイクロステップ振幅信号を入力して出力回路を制御するような構成にはなっていない。
このため、第1実施形態のリール制御部において、マイクロステップ周期信号回路R50の出力端子と励磁駆動部R70を接続するかサブCPU14と接続するかを選択制御するためのスイッチS5は、第2実施形態のリール制御部においては設けない。
以上、第2実施形態でのハードウェア制御におけるリール制御部の動作を説明した。前述のように、第2実施形態でのリール制御部の各回路入力段には切り替え手段であるスイッチS1、S3が設けられており、このスイッチを制御することによりソフトウェア制御が実現される。より具体的には、サブCPU14に実装するソフトウェア機能がスイッチS1をサブCPU14の入出力回路に接続するよう切り替え制御した場合には、サブCPU14は数値n信号をマイクロステップ周期信号回路R10に出力する。サブCPU14が出力する数値n信号を変更することで、マイクロステップ周期信号回路R10が出力するマイクロステップ周期信号の周期を変更することが可能となる。このように、マイクロステップ周期信号の周期が変更可能に制御されることで、ステッピングモータの回転速度が変更制御することが可能となる。
サブCPU14に実装するソフトウェア機能がスイッチS3をサブCPU14の入出力回路に接続するよう切り替え制御した場合には、サブCPU14はマイクロステップ周期信号をTB62209FGのCLK端子に出力する。サブCPU14がマイクロステップ周期信号を順次出力することで、TB62209FG内のマイクロステップデコーダは入力されたマイクロステップ周期信号毎に0〜mの数値であるマイクロステップ設定信号を出力する。サブCPU14が出力するマイクロステップ周期信号の周期を変更することでステッピングモータの回転速度を変更制御することが可能となる。
第2実施形態のリール制御部において、ハードウェアにより実現されているリール制御部の各機能をサブCPU14に実装するモニター機能がモニターできるように構成してもよい。ステッピングモータはリール部材を回転駆動することから、リール部材の回転に伴う摩擦力で生じるトルクによりリール制御部が出力する励磁信号通りにステッピングモータがマイクロステッピング動作しない脱調現象が生じることがある。また、スイッチS1、またはS3のスイッチの少なくともいずれか1つ以上を制御することで、ハードウェア回路で構成されているリール制御部のいずれかの機能を、サブCPU14からのソフトウェアによる制御信号に切り換えるように制御する場合に、ハードウェア回路で構成されているリール制御部が出力しているマイクロステップの制御段階と大きくずれたマイクロステップの制御段階に相当する信号をサブCPU14から出力すると、滑らかにリール部材の回転速度が変更されずに、不自然に階段状に回転速度変化を生じることになる。
遊技機に使用されている図柄変動表示のためのリール部材の回転速度が不自然に階段状
に回転速度が変化すれば、遊技者は遊技店が遊技店に一方的に有利になるようにリール部材の回転制御をしているのではないかと、疑念を持つ可能性があり、遊技者の興味を高めるようにリール部材の回転制御を何段階かで用意するという目的とは異なった結果を遊技者に与えてしまうことになる。従って、ハードウェアで構成されるリール制御部の各機能をサブCPU14に実装するモニター機能がモニターできるように構成することが望ましい。
このために、マイクロステップ周期信号回路R10の出力端子からのマイクロステップ周期信号(TB62209FGのCLK信号)をサブCPU14の入出力回路に入力するように接続する第1モニター機能を設けることで、マイクロステップ周期信号回路R10が生成するマイクロステップ周期信号をモニターできるようにする。
第2実施形態のリール制御部は、第1実施形態のリール制御部がマイクロステップ振幅信号回路R50の出力端子に設けた第2モニター機能はTB62209FGに該当機能がないことから設けることはできない。
第2実施形態のリール制御部においては、TB62209FGの出力回路の出力端子からステッピングモータに接続されている巻線の駆動線をモニターする第3モニター機能を設けることで、ステッピングモータの励磁信号をモニターできるようにする。
以上において説明したリール制御部の第1、第3モニター機能は、全てをモニターすることも可能であるし、いずれか1つのみをモニターしてもよい。
このようにリール制御部の各機能をサブCPU14に実装するモニター機能がモニターできるように構成することで、ステッピングモータが脱調していないかを監視することができる。また、スイッチS1、S3の少なくともいずれか1つを選択制御することで、ハードウェアによりリール制御部の各機能をソフトウェアによる制御に切り換える場合に、サブCPU14はハードウェア回路で構成されているリール制御部が出力しているマイクロステップの制御がどの段階で制御しているかをモニターできるため、ハードウェア回路で構成されているリール制御部が出力しているマイクロステップの制御の段階に相当する信号と大きくずれたマイクロステップの制御の段階に相当する信号をサブCPU14が出力することで、リールが不自然に階段状に回転速度変化を生じ、遊技者に不興感を与えることがなく、遊技者に対して熱い演出を提供できる。
ここまでの説明において、第2実施形態のリール制御部において、ハードウェア制御とソフトウェア制御を切り替え制御可能であることを説明した。ソフトウェア制御はサブCPU14に実装するソフトウェア機能が数値n信号、マイクロステップ周期信号のいずれかを出力するものであるため、いずれの信号を出力するにしても、サブCPU14の処理量が増加することから、ソフトウェア制御はステッピングモータが低速回転している場合に回転速度の変更制御に適している。高速回転制御する場合には、ハードウェア制御による回転速度の変更制御が適している。
なお、ハードウェア制御からソフトウェア制御への切り替える場合に、第1、第3モニター機能のいずれかにより、切り替え制御をする前のマイクロステップ周期信号、励磁信号のいずれかをモニターし、ソフトウェア制御をする場合には、それらの制御信号と大きくずれない制御信号をサブCPU14から出力するようにすることが好ましいことを説明した。
さらに、スイッチS1、S3のいずれかの切り替え手段において、ハードウェア制御からソフトウェア制御に切り換える切り替え制御信号を受信した場合には、サブCPU14
がTB62209FGのMO端子をモニターする機能を設ける。MO端子はマイクロステップの電気角がゼロ、すなわち第1実施形態のリール制御部160におけるマイクロステップ設定信号の出力が0であることを示す信号と同等であり、MO端子が電気角ゼロを示す場合に、切り替え制御するように制御することが考えられる。MO端子に電気角が0である信号が出力される期間はマイクロステップの階段状に励磁している期間より長い。従って、このように制御することで、TB62209FG内のマイクロステップ設定信号がハードウェア制御とソフトウェア制御とで大きく異なる値となり、遊技者に違和感を与える可能性は大幅に低減可能となる。
前述のMO端子により電気角が0であることを検出する方法以外に、第3モニター機能により励磁駆動部の励磁信号が0であることを検出し、励磁信号が0であることを検出した時点でハードウェア制御とソフトウェア制御を切り替え制御してもよい。励磁信号が0である期間は励磁信号が階段状に変化する期間より長いことから、励磁信号が0となる期間にハードウェア制御とソフトウェア制御を切り替え制御すれば、遊技者に違和感を与えずに切り替え可能になる。
本発明を実施した遊技機用モータの制御装置として、第3実施形態のリール制御部を示す。第3実施形態のリール制御部では、図9に示した第1実施形態のリール制御部と同等の回路で構成される。即ち、数値n記憶回路R05、基準クロック供給源R20,マイクロステップ周期信号回路R10、マイクロステップ数回路R15、マイクロステップ設定回路R30、マイクロステップ振幅信号回路R50、及び励磁駆動部R70で構成される。また、ハードウェア制御とソフトウェア制御とを切り替える切り替え手段S1〜S5が設けられる。ここで、第3実施形態のリール制御部部160では、第1実施形態のリール制御部160とは異なり、マイクロステップ振幅信号回路R50、は図16に示すように、ROMである記憶回路R56を用いて構成する。
ここで、第3実施形態のリール制御部160で用いられるROMで構成するマイクロステップ振幅信号回路R50の動作を説明する。0〜mの数値が順次出力されるマイクロステップ設定回路R30の出力であるマイクロステップ設定信号は、記憶回路R56のアドレス情報として用いる。記憶回路R56では、それぞれのアドレスに対応するデータとして、ステッピングモータの巻線Aを駆動するためのパルス幅、巻線Bを駆動するためのパルス幅、巻線A-を駆動するためのパルス幅、巻線B-を駆動するためのパルス幅に相当する数値が記憶されている。このように構成することにより、マイクロステップ周期信号が入力される毎に、マイクロステップ設定回路R30からは0〜mの数値であるマイクロステップ設定信号が順次出力され、マイクロステップ設定回路R30から出力される0〜mの数値に従って、4つの巻線を駆動するためのパルス幅に相当する数値が記憶回路R56から出力されることで、PWM信号が出力されることになる。
ROMである記憶回路R56で構成されるマイクロステップ振幅信号回路R50の出力回路から先の構成は前述したように、第1実施形態のリール制御部と同様に、スイッチS5を設け、マイクロステップ振幅信号回路R50のPWM信号が励磁駆動部R70に入力されるように接続するか、サブCPU14からPWM信号が入力されるように接続するかを接続制御するようにスイッチS5は接続制御動作をする。励磁駆動部R70は入力されたPWM信号に従って、各巻線を励磁する。
以上、第3実施形態のリール制御部をハードウェア制御した場合の動作を説明した。前述のように、リール制御部160各回路入力段には切り替え手段であるスイッチS1〜S5が設けられており、これらのスイッチを制御することによりソフトウェアによるマイクロステップ制御が実現される。より具体的には、サブCPU14に実装するソフトウェア機能がスイッチS1をサブCPU14の入出力回路に接続するよう切り替え制御した場合
には、サブCPU14は数値n信号をマイクロステップ周期信号回路R10に出力する。サブCPU14が出力する数値nを変更することで、マイクロステップ周期信号回路R10が出力するマイクロステップ周期信号の周期を変更することが可能となる。このように、マイクロステップ周期信号の周期が変更可能に制御されることで、ステッピングモータの回転速度が変更制御することが可能となる。
サブCPU14に実装するソフトウェア機能がスイッチS2をサブCPU14の入出力回路に接続するよう切り替え制御した場合には、サブCPU14はマイクロステップ数mをマイクロステップ設定回路R30に出力する。サブCPU14が出力する数値mを変更することで、マイクロステップ設定回路R30が出力する0〜mのマイクロステップ設定信号の値の範囲が変更される。前述のハードウェア制御の動作において、ステッピング数mを変化させた場合の動作を説明したように、マイクロステップ数mが変更されることでステッピングモータの回転速度を変更制御することが可能となる。
サブCPU14に実装するソフトウェア機能がスイッチS3をサブCPU14の入出力回路に接続するよう切り替え制御した場合には、サブCPU14はマイクロステップ周期信号をマイクロステップ設定回路R30に出力する。サブCPU14がマイクロステップ設定信号を順次出力することで、マイクロステップ設定回路R30は入力されたマイクロステップ周期信号毎に0〜mの数値であるマイクロステップ設定信号を出力する。サブCPU14が出力するマイクロステップ周期信号の周期を変更することでステッピングモータの回転速度を変更制御することが可能となる。
サブCPU14に実装するソフトウェア機能がスイッチS4をサブCPU14の入出力回路に接続するよう切り替え制御した場合には、サブCPU14はマイクロステップ設定信号をマイクロステップ振幅信号回路R50に出力する。サブCPU14が出力する0〜mの数値であるマイクロステップ設定信号を順次出力することで、マイクロステップ振幅信号回路R50は入力されたマイクロステップ設定信号に応じたPWM信号形式のマイクロステップ振幅信号を出力することになる。サブCPU14は0〜mの数値であるマイクロステップ設定信号の出力時間間隔を変更することでステッピングモータの回転速度を変更制御することが可能となる。
サブCPU14に実装するソフトウェア機能がスイッチS5をサブCPU14の入出力回路に接続するよう切り替え制御した場合には、サブCPU14はマイクロステップ振幅信号を励磁駆動部R70に出力する。サブCPU14が出力するマイクロステップ振幅信号を順次出力することで、励磁駆動部R70は入力されたマイクロステップ振幅信号に応じたステッピングモータの各巻線を駆動するための励磁信号を出力することになる。サブCPU14はマイクロステップ振幅信号のパルス幅を変更することでステッピングモータの回転速度を変更制御することが可能となる。
第3実施形態のリール制御部は、以上説明したように、マイクロステップ振幅信号回路R50を記憶回路R56で構成する以外の構成は第1実施形態のリール制御部と同じであり、ハードウェア制御とソフトウェア制御を切り替え手段であるスイッチS1〜S5がリール制御部内の各回路に設けられている。これらのS1〜S5の各スイッチはいずれか1つが実装されていても、2つ以上のいずれかのスイッチが実装されていてもよい。また、スイッチS1〜S5はいずれか1つだけを制御してもよいし、2つ以上のいずれかのスイッチを制御してもよい。
このように構成されている第3実施形態のリール制御部において、ハードウェアにより実現されているリール制御部の各機能をサブCPU14に実装するモニター機能がモニターできるように構成してもよい。ステッピングモータはリール部材を回転駆動することか
ら、リール部材の回転に伴う摩擦力で生じるトルクによりリール制御部が出力する励磁信号通りにステッピングモータがマイクロステッピング動作しない脱調現象が生じることがある。また、スイッチS1〜S5の各スイッチの少なくともいずれか1つ以上を制御することで、ハードウェア回路で構成されているリール制御部のいずれかの機能を、サブCPU14からのソフトウェアによる制御信号に切り換えるように制御する場合に、ハードウェア回路で構成されているリール制御部が出力しているマイクロステップの制御段階と大きくずれたマイクロステップの制御段階に相当する信号をサブCPU14から出力すると、滑らかにリール部材の回転速度が変更されずに、不自然に階段状に回転速度変化を生じることになる。
遊技機に使用されている図柄変動表示のためのリール部材の回転速度が不自然に階段状に回転速度が変化すれば、遊技者は遊技店が遊技店に一方的に有利になるようにリール部材の回転制御をしているのではないかと、疑念を持つ可能性があり、遊技者の興味を高めるようにリール部材の回転制御を何段階かで用意するという目的とは異なった結果を遊技者に与えてしまうことになる。従って、ハードウェアで構成されるリール制御部の各機能をサブCPU14に実装するモニター機能がモニターできるように構成することが望ましい。
このために、マイクロステップ周期信号回路R10の出力端子からのマイクロステップ周期信号をサブCPU14の入出力回路に入力するように接続する第1モニター機能を設けることで、マイクロステップ周期信号回路R10が生成するマイクロステップ周期信号をモニターできるようにする。
また、マイクロステップ振幅信号回路R50の出力端子からの駆動パルス信号をサブCPU14の入出力回路に入力するように接続する第2モニター機能を設けることで、マイクロステップ振幅信号回路R50が生成するマイクロステップ周期信号をモニターできるようにする。
さらには、励磁駆動部R70の出力端子からのステッピングモータの各相の巻線の励磁信号をサブCPU14の入出力回路に入力するように接続する第3モニター機能を設けることで、励磁駆動部R70が生成する励磁信号をモニターできるようにする。
以上において説明したリール制御部の第1〜第3モニター機能は、全てをモニターすることも可能であるし、いずれか1つのみ、あるいは複数のモニターをしてもよい。
このようにリール制御部の各機能をサブCPU14に実装するモニター機能がモニターできるように構成することで、ステッピングモータが脱調していないかを監視することができる。また、スイッチS1〜S5の少なくともいずれか1つを選択制御することで、ハードウェアによりリール制御部の各機能をソフトウェアによる制御に切り換える場合に、サブCPU14はハードウェア回路で構成されているリール制御部が出力しているマイクロステップの制御がどの段階で制御しているかをモニターできるため、ハードウェア回路で構成されているリール制御部が出力しているマイクロステップの制御段階と大きくずれたマイクロステップの制御段階に相当する信号をサブCPU14が出力することで、リール部材が不自然に階段状に回転速度変化を生じ、遊技者に不興感を与えることがなく、遊技者に対して熱い演出を提供できる。
ここまでの説明において、ハードウェア制御とソフトウェア制御を切り替え制御可能であることを説明した。ソフトウェア制御はサブCPU14に実装するソフトウェア機能が数値n信号、マイクロステップ数信号、マイクロステップ周期信号、マイクロステップ設定信号、マイクロステップ周期信号のいずれかを出力するものであるため、いずれの信号
を出力するにしても、サブCPU14の処理量が増加することから、ソフトウェア制御はステッピングモータが低速回転している場合に回転速度の変更制御に適している。高速回転制御する場合には、ハードウェア制御による回転速度の変更制御が適している。
なお、ハードウェア制御からソフトウェア制御への切り替える場合に、第1〜第3モニター機能のいずれかにより、切り替え制御をする前のマイクロステップ周期信号、マイクロステップ振幅信号、励磁信号のいずれかをモニターし、ソフトウェア制御をする場合には、それらの制御信号と大きくずれない制御信号をサブCPU14から出力するようにすることが好ましいことを説明した。
さらに、スイッチS1〜S5のいずれかの切り替え手段において、ハードウェア制御からソフトウェア制御に切り換える切り替え制御信号を受信した場合には、図9〜図13には図示していないが、マイクロステップ設定信号回路の出力信号が0であることを検出する回路を設け、マイクロステップ出力信号がゼロであることと、スイッチS1〜スイッチS5の切り替え制御信号が入力されたことのAND条件で切り替え手段であるスイッチS1〜S5のいずれかが制御されるような構成とすることが考えられる。あるいは、サブCPU14がマイクロステップ設定信号の出力をモニターする機能を設け、マイクロステップ設定信号の出力が0である時に、切り替え制御するように制御することが考えられる。
具体的には、階段状に変化するマイクロステップ励磁信号が0である期間は図8(b)にも図示されているm=4で全体として16マイクロステップで変化する場合において、9マイクロステップの間、励磁信号が0である状態が継続する。ソフトウェア制御においては、サブCPU14がマイクロステップ制御以外の他の処理をしているために、ハードウェア制御とソフトウェア制御とで、制御タイミングをうまく同期をとれないような場合であっても、マイクロステップ設定信号が0であることを検出した段階で、ハードウェア制御とソフトウェア制御を切り替え制御すれば、マイクロステップ設定信号が0であり励磁信号が0である期間は励磁信号が階段状に変化する期間より長いことから、マイクロステップ設定信号が0、従って励磁信号が0となる期間にハードウェア制御とソフトウェア制御を切り替え制御すれば、遊技者に違和感を与えずに切り替え可能になる。
前述のマイクロステップ設定信号が0であることを検出する方法以外に、第3モニター機能により励磁駆動部の励磁信号が0になったことを検出し、励磁信号が0を検出した時点でハードウェア制御とソフトウェア制御を切り替え制御してもよい。励磁信号が0である期間は励磁信号が階段状に変化する期間より長いことから、励磁信号が0となる期間にハードウェア制御とソフトウェア制御を切り替え制御すれば、遊技者に違和感を与えずに切り替え可能になる。
以上において、第1〜第3実施形態でのリール制御部の構成を説明した。このように構成されているリール制御部を適用する遊技機においては、前述のように図柄表示装置は第1〜第3の3つのリールモジュールが設けられている。従って、リール制御部全体の構成は図17に示すように、第1〜第3リール制御部の3つのリール制御部で構成されている。第1〜第3リール制御部のそれぞれにはスイッチS1、スイッチS2、スイッチS3、スイッチS4、及びスイッチS5のいずれか少なくとも1つ以上が設けられ、それぞれのスイッチは、数値n記憶回路R05、マイクロステップ周期信号回路R10、マイクロステップ数回路R15、マイクロステップ設定回路R30、及びマイクロステップ振幅信号回路R50の出力端子と接続するかサブCPU14に接続するかを選択制御し、それぞれ数値n、マイクロステップ周期信号、マイクロステップ数信号、マイクロステップ設定信号、及びマイクロステップ振幅信号が、マイクロステップ周期信号回路R10、マイクロステップ設定回路R30、マイクロステップ振幅信号回路R50、及び励磁駆動部R70に入力されるようにする。また、マイクロステップ周期信号回路R10、マイクロステッ
プ振幅信号回路R50、及び励磁駆動部R70の出力端子には、それぞれ第1モニター機能、第2モニター機能、及び第3モニター機能の少なくとも1つが設けられ、サブCPU14が読み取り可能なように構成されている。サブCPU14は第1〜第3モニター機能のいずれか少なくとも1つを読み取る。
このように構成することにより、図柄変動制御において、高速動作領域ではハードウェアで構成されたリール制御部によりステッピングモータが使用されている第1リールモジュール〜第3リールモジュールのそれぞれのモータを駆動させて第1〜第3リール部材のそれぞれを高速回転動作させる。低速動作領域においてはサブCPU14から指定する信号に基づいて第1〜第3リール部材のそれぞれを低速回転動作させる。
第1〜第3リール部材をそれぞれ高速回転動作させる場合にサブCPU14から指定する信号に基づいて制御しようとすると、サブCPU14にかかる処理負荷が重くなり、サブCPU14がリール部材の回転制御以外の処理をできなくなる可能性があり、好ましくない。このことをもう少し説明すると、第1〜第3リール部材のそれぞれを高速回転動作させるためには、例えば数値nを指定する、あるいはマイクロステップ周期信号を指定する、またはマイクロステップ振幅信号を指定することで可能になる。サブCPU14からこれらの信号を指定するソフトウェアによる制御では、例えばマイクロステップ周期信号をサブCPU14が生成し、各マイクロステップ周期信号を生成しようとするとサブCPU14はこのマイクロステップ周期信号を生成するために、サブCPU14の処理時間の大半をマイクロステップ周期信号生成のために費やし、他の処理ができなくなる可能性がある。同様に、マイクロステップ数信号、あるいはマイクロステップ振幅信号をサブCPU14から指定しようとすると、サブCPU14の処理時間の大半をマイクロステップ振幅信号生成のための処理で費やし、他の処理ができなくなる可能性がある。
ここで、数値nをサブCPU14で生成して数値n信号をマイクロステップ周期信号回路R10に送出するためのサブCPU14で必要な処理量は、数値nの値を一度設定することで可能になることから、サブCPU14にかかる処理負荷は他の処理ができなくなるほど大きくはならないが、リール部材の回転速度制御を途中で変更しながら制御しようとすると、数値nの値をその都度変更しながらサブCPU14から出力してマイクロステップ周期信号回路R10に出力することになり、サブCPU14にかかる処理負荷が重くなる。このようにリール部材を高速回転させる場合にソフトウェアにより数値n信号、マイクロステップ数信号、マイクロステップ設定信号、マイクロステップ周期信号、及びマイクロステップ振幅信号のそれぞれ、あるいはいずれか少なくとも1つ以上を生成することは、サブCPU14にかかる処理負荷の点で好ましくない。
従って、リール部材を高速回転させる場合には、スイッチS1、スイッチS2、スイッチS3、スイッチS4、及びスイッチS5の少なくともいずれか1つが実装されるが、それらのスイッチはハードウェア回路を選択するように選択制御することで、ハードウェア回路で構成されたリール制御部により第1〜第3リールモジュールのモータを駆動するのが好ましい。
第1〜第3リール部材を低速動作領域で回転制御する場合には、サブサブCPU14が出力するステッピングモータを制御するための信号に基づいて制御することが好ましい。特に遊技機のリール部材の図柄表示面部に描かれた図柄を回転させながら表示することを考えると、低速動作の状態では図柄が回転する速度をすこしずつ変更するとか、回転速度の変更を一定の変更速度で変更するのではなく、回転速度の変更が速度により微妙に変化するように制御することで、遊技者の興味を一層高める演出をすることも可能となる。
このような回転速度を変更しながら行う制御をハードウェアによるリール制御部で行う
ことは難しい。マイクロステップ回転速度を変更するためには、数値n信号、マイクロステップ周期信号、マイクロステップ数信号、マイクロステップ設定信号、及びマイクロステップ振幅信号の少なくともいずれか1つを変更しながら制御することになるが、ハードウェアによるリール制御部により、これらの制御信号を変更しながら制御することは難しい。
従って、低速動作領域においては、サブCPU14から数値n、マイクロステップ周期信号、マイクロステップ数信号、マイクロステップ設定信号、及びマイクロステップ振幅信号の少なくともいずれか1つを変更する信号を出力しながら制御するソフトウェアによるマイクロステッピング動作制御が好ましい。
ここで、図18を用いてソフトウェア制御からハードウェア制御に切り替え制御する場合のステッピングモータの動作を説明する。図18では、上から順に基準クロック、マイクロステップ周期信号、A相励磁信号、A-相励磁信号、B相励磁信号、B-相励磁信号、及びスイッチS1の動作を示すタイムチャートである。
図18において、基準クロックは基準クロック供給源R20が供給する基準クロックfrefとなる。マイクロステップ周期信号回路R10は周波数逓倍回路R11で構成する場合と、周波数分周回路R12で構成する場合とがあるが、周波数逓倍回路R11で構成する場合には数値nを大きくなるように変更すれば、マイクロステップ周期信号は基準クロックfrefのn倍の周波数となることから、マイクロステップ周期信号の周期は短くなる。マイクロステップ周期信号の周期が短くなれば、ステッピングモータのマイクロステッピングは短い周期で変化するようになり、より高速で回転することになる。数値nをより小さな数値に変更する場合は、逆にマイクロステップ周期信号の周期は長くなり、マイクロステッピングは長い周期で変化するようになり、より低速で回転することになる。
マイクロステップ周期信号回路R10を周波数分周回路R12で構成する場合には、数値nを大きくなるように変更すれば、マイクロステップ周期信号は基準クロックfrefの1/n倍の周波数となることから、マイクロステップ周期信号の周期は長くなる。マイクロステップ周期信号の周期が長くなれば、ステッピングモータのマイクロステッピングは長い周期で変化するようになり、より低速で回転することになる。数値nをより大きな数値に変更する場合は、逆にマイクロステップ周期信号の周期は短くなり、マイクロステッピングは短い周期で変化するようになり、より高速で回転することになる。
図18のマイクロステップ周期信号は基準クロック供給源R20が供給する基準クロックの周期より長い周期であり、周波数分周回路R12により作成されたマイクロステップ周期信号を示す。リール制御部はステッピングモータであるモータを駆動するが、ステッピングモータは2相励磁の場合であれば、A相、B相、A-相、B-相の各巻線の励磁信号により駆動されることを、図8を用いて説明している。図9のリール制御部の回路図はそれぞれの相の巻線に対応する回路を図示していないが、リール制御部にはA相、B相、A-相、B-相の各巻線に対応する回路があり、図18に示すように各巻線に対応して、A相励磁信号、B相励磁信号、A-相励磁信号、B-相励磁信号が生成される。各マイクロステップ振幅信号により、励磁駆動部R70が駆動され、モータの各巻線に励磁電流である励磁信号が流れることでマイクロステップ動作をする。
図18は、マイクロステップ数m=4の場合を示す。A相マイクロステップ振幅信号はマイクロステップ周期信号毎に階段状に励磁信号が増加する様子を示している。A-相信号は図18で示す範囲では発生しない。B相励磁信号はA相励磁信号が最大の励磁信号の状態から階段状に減少をする段階で、階段状に増加する。B-相励磁信号はA相励磁信号が階段状に増加するのと逆に階段状に減少するように変化する。このように変化すること
で、モータはマイクロステップ動作をする。
図18に示すようにタイムチャートの左側は低速動作領域でありスイッチS1が駆動されている状態であるため、サブCPUが数値nを指定するソフトウェアで制御の領域であり、例えば周波数分周回路R12を用いる場合は、ソフトウェアにより指定された数値nに基づいてマイクロステップ周期信号を作成している。タイムチャートの途中の段階においてスイッチS1をリール制御部の数値n記憶回路R05に接続されるように制御することで、ハードウェアで制御する高速動作領域に移行していることを示している。
図18において、リール部材の回転速度をソフトウェア制御とハードウェア制御を切り替える方法を、数値nを変更してマイクロステップ周期信号を変更することで回転速度を変更制御する方法を説明した。
図18における、マイクロステップ周期信号を変更する方法は、サブCPU14からマイクロステップ周期信号を変更しながらリール部材の回転速度を変更することでも可能である。サブCPU14が生成するマイクロステップ周期信号を長い周期信号に変更すれば、マイクロステッッピングは長い周期で変化することになり、リール部材はより低速で回転することになる。逆に、サブCPU14が生成するマイクロステップ周期信号を短い周期信号に変更すれば、マイクロステッピングは短い周期で変化するようになり、リール部材はより高速で回転する。
図18における、各相の励磁信号の発生周期を変化させる方法は、サブCPU14からマイクロステップ数を変更しながら各相の励磁信号の発生周期を変更することでも可能である。サブCPU14が生成するマイクロステップ数を大きな数値に変更すれば、ステッピングモータをマイクロステッッピング動作させるための、マイクロステップ数は増加することになる。マイクロステップ数はステッピングモータのそれぞれのステップ内をマイクロステップ数に相当する数で分割して駆動することから、マイクロステップ周期が一定のままで、マイクロステップ数を増加させた場合には、ステッピングモータが1つのステップに相当する角度だけ変化するためのマイクロステップ数が増加することから、リール部材はより低速の回転速度で回転することになる。逆にサブCPU14が生成するマイクロステップ数を小さな数値に変更すれば、マイクロステップ数が減少することになり、リール部材はより高速の回転速度で回転することになる。
図18における、各相の励磁信号の発生周期を変化させる方法は、サブCPU14からマイクロステップ設定信号の発生周期を変更しながら各相の励磁信号の発生周期を変更することでも可能である。サブCPU14が生成する0〜mの数値であるマイクロステップ設定信号を長い周期で出力するように変更すれば、マイクロステッッピングは長い周期で変化することになり、リール部材はより低速で回転することになる。逆に、サブCPU14が生成する0〜mの数値であるマイクロステップ設定信号を短い周期で出力するように変更すれば、マイクロステッピングは短い周期で変化するようになり、リール部材はより高速で回転する。
図18における、各相の励磁信号の発生周期を変化させる方法は、サブCPU14からマイクロステップ振幅信号を変更しながら各相の励磁信号の発生周期を変更することでも可能である。サブCPU14からマイクロステップ振幅信号を変更しながらリール部材の回転速度を変更する動作を説明する。PWM信号を生成する場合を考えると、サブCPU14が生成するマイクロステップ振幅信号を長いパルス幅の振幅信号に変更すれば、マイクロステップが変化する時間が長くなることから、リール部材はより低速の回転速度で回転することになる。サブCPU14が生成するマイクロステップ振幅信号を短いパルス幅の振幅信号に変更すれば、マイクロステップが変化する時間が短くなることから、リール
部材はより高速の回転速度で回転することになる。
このように、図18の各相の励磁信号を変化させる方法は、サブCPU14から数値n信号、マイクロステップ周期信号、マイクロステップ数信号、マイクロステップ設定信号、及びマイクロステップ振幅信号の少なくともいずれか1つを変更する信号を出力することで可能であり、ステッピングモータの回転速度を変更することができる。高速動作領域においてサブCPU14が生成するこれらの制御信号を変更することでリール部材の回転速度を変更することはサブCPU14に大きな処理負荷がかかるが、低速動作領域においては、数値n信号、マイクロステップ周期信号、マイクロステップ数信号、マイクロステップ設定信号、及びマイクロステップ振幅信号の少なくともいずれか1つを変更する信号を出力することで、リール部材の回転速度の変化を微妙に変更しながら制御することが可能となり、遊技者が図柄変動表示を見ながら遊技機で遊技する場合において、遊技者に熱い演出を提供することが可能となる。
このように、低速動作領域においてはリール制御部にスイッチS1〜S5の少なくともいずれか1つが実装されているが、これらのスイッチS1〜S5の少なくともいずれかを選択制御することにより、サブCPU14が生成する制御信号により、言い換えればソフトウェアによるリール部材の回転速度制御により図柄を変動表示する。高速動作領域においては、リール制御部にスイッチS1〜S5の少なくともいずれか1つが実装されているが、実装されているスイッチS1〜S5の全てをハードウェア回路が動作するように選択制御することでハードウェア回路によるリール制御を行うことで、サブCPU14に制御信号を生成することによる処理負荷をかけることなく、リール部材の高速回転制御を実現できる。
なお、第1、第2モニター機能により、マイクロステップ周期信号、またはマイクロステップ振幅信号をモニターする構成としている。低速動作領域から高速動作領域に切り換える段階において、ソフトウェア制御によるリール部材の回転速度制御からハードウェア回路で構成されたリール制御部によるリール部材の回転速度制御に切り替えたり、低速動作領域において、ソフトウェア制御により、回転速度が変化する割合を変更するように制御する場合において、それまでの回転速度制御を行うためのマイクロステップ周期信号、マイクロステップ数信号、マイクロステップ設定信号、またはマイクロステップ振幅信号のそれぞれを飛び離れた数値で指定すると、遊技者が、リール部材が回転制御された図柄変動表示を視認する場合において、回転速度が不自然に変動することになり、遊技者は遊技店が遊技者にとって不利益になるような制御を行っているのではないかという疑念を抱く可能性があることから、前述の回転速度変更においては、第1、第2モニター機能により検出されたマイクロステップ周期信号、あるいはマイクロステップ振幅信号の値から少し変更する値で回転速度を変更するように制御することが望ましい。あるいは第3モニター機能により励磁信号が0である時間にソフトウェア制御とハードウェア制御を切り替えることが好ましい。
また、第1〜第3モニター機能はリール制御部あるいはサブCPU14が制御しようとしているマイクロステップ動作でステッピングモータが動作しているか否かという脱調を監視するためにも有効となる。
図18に図示したハードウェア制御からソフトウェア制御に切り替えるタイミングは、励磁信号が階段状に変化するマイクロステップの段階において、0の段階ではないタイミングで切り替えている。ソフトウェア制御とハードウェア制御の切り替えタイミングは、励磁信号がゼロの段階で切り替えるのが好ましい。このために、マイクロステップ設定信号回路の出力信号が0であることを検出する回路を設け、マイクロステップ設定信号の出力信号がゼロであることと、スイッチS1〜スイッチS5の切り替え制御信号が入力され
たことのAND条件で切り替え手段であるスイッチS1〜S5のいずれかが制御されるような構成とすることが考えられる。このために、サブCPU14がマイクロステップ設定信号の出力をモニターする機能を設け、マイクロステップ設定信号の出力が0である時に、切り替え制御するように制御することが考えられる。
あるいは第3モニター機能により励磁信号が0であることを検出して切り替え制御することが考えられる。階段状に変化するマイクロステップ励磁信号が0である期間は、図18では各相の励磁信号が段階状に変化する全ての期間を示していないが、各相の励磁信号が0である状態は、励磁信号が1〜mのマイクロステップに励磁されている状態の期間より長い。ソフトウェア制御においては、サブCPU14がマイクロステップ制御以外の他の処理をしているために、ハードウェア制御とソフトウェア制御とで、制御タイミングをうまく同期をとれないような場合であっても、励磁信号が0である期間は励磁信号が階段状に変化する期間より長いことから、励磁信号が0となる期間にハードウェア制御とソフトウェア制御を切り替え制御すれば、遊技者に違和感を与えずに切り替え可能になる。
第1〜第3モニター機能は、それぞれマイクロステップ周期信号回路、マイクロステップ振幅信号回路、及び励磁駆動部の出力信号をモニターするが、マイクロステップ周期信号回路の出力は短い周期で変化する。またマイクロステップ振幅信号回路の出力は短い周期で変化し、かつパルス幅も変化する。サブCPU14が、マイクロステップ周期信号が正常な信号であるか否か動作状態を監視するためには、それぞれマイクロステップ周期信号のパルス幅より短い時間で監視することでマイクロステップ周期信号が正常なパルス信号であるかどうかが監視可能となる。サブCPU14が、マイクロステップ振幅信号が正常な信号であるか否か動作状態を監視するためには、それぞれマイクロステップ振幅信号のパルス幅より短い時間で監視することでマイクロステップ振幅信号が正常なパルス信号であるかどうかが監視可能となる。
また、マイクロステップ周期信号、マイクロステップ振幅信号は、ステッピングモータを2相励磁する場合にはA相用巻線、B相用巻線、A-相用巻線、及びB-相用巻線用にそれぞれ必要であり、また第1リールモジュールのモータ駆動のための第1リール制御部、第2リールモジュールのモータ駆動のための第2リール制御部、及び第3リールモジュールのモータ駆動のための第3リール制御部のそれぞれで別々の回路が必要となる。従って、リールユニット全体でのマイクロステップ周期信号、マイクロステップ振幅信号の本数は1本ずつではなく、12本ずつとなる。これらの信号の正常性を短い周期でサブCPU14が監視する場合のサブCPU14の処理負荷は非常に大きな処理負荷となる。
このように、マイクロステップ周期信号、マイクロステップ振幅信号が正常に動作しているかを監視するためには、サブCPU14にかかる高負荷を低減するために、マイクロステップ周期信号、マイクロ振幅信号のそれぞれを論理演算した結果を、サブCPU14がモニターする構成が考えられる。マイクロステップ周期信号は周期的に発生するパルス信号であることからマイクロステップ周期信号をカウンタ回路の入力端子に入力し、カウンタ回路の出力端子をカウンタ回路がオーバフローする周期より短い周期で監視し、監視周期毎にカウンタ回路から出力されるカウンタ値が変化していることでマイクロステップ周期信号が正常に変化していると判断する構成が考えられる。このように構成することでサブCPU14にかかる処理負荷を低減することができる。
マイクロステップ振幅信号も、マイクロステップ周期信号と同様にカウンタ回路の入力端子に入力し、カウンタ回路の出力端子をカウンタ回路がオーバフローする周期より短い周期で監視し、監視周期毎にカウンタ回路から出力されるカウンタ値が変化していることでマイクロステップ振幅信号が正常に変化していると判断する構成が考えられる。このように構成することでサブCPU14にかかる処理負荷を低減することができる。
あるいは、マイクロステップ周期信号は、A相、A-相は逆位相であるが、A相とB相とは位相が90°ずれた位相であり、A-相とB-相とは位相が90°ずれた位相であることから、A相とB相の論理積、A-相とB-相の論理積をサブCPU14に入力するような構成とすることも考えられる。A相とB相の論理積、A-相とB-相の論理積を監視するようにすれば、各相毎のマイクロステップ周期信号を個別に監視するよりもサブCPU14の処理負荷は低減可能となる。さらには、第1リール制御部〜第3リール制御部の3本のマイクロステップ周期信号を論理積し、論理積した結果をサブCPU14が監視する構成も考えられる。こうすることでサブCPU14の処理負荷はさらに低減することが可能となる。サブCPU14にかかる処理負荷を低減するためにマイクロステップ周期信号、マイクロステップ振幅信号を論理演算し、論理演算した結果を監視する方法は、前述したようなカウンタ回路を用いる方法、論理積による方法に限定されない。カウンタ回路、論理積以外の論理演算をした結果であってもよい。
このように、第1実施形態のリール制御部、第2実施形態のリール制御部、及び第3実施形態のリール制御部により、低速動作領域ではソフトウェア制御によりリール部材の回転速度を変更し、高速動作領域においてはハードウェア回路によりリール部材の回転速度を変更する方法を説明したが、遊技機用モータの制御装置を構成する方法は例えばサンケン製のSI−7321Mを用いても実現できる。それ以外の市販のステッピングモータ用のマイクロコントロールICを用いる場合にも本発明の遊技機用モータの制御装置が適用される。
本発明の遊技機用モータの制御装置を構成する数値n記憶回路を示したが、ROMを用いて数値nを記憶する回路に限定されない。さまざまなタイプの記憶装置に数値nを記憶することが可能であり、本発明はそれらのさまざまなタイプの記憶装置に数値nを記憶すする場合を含む。
本発明の遊技機用モータの制御装置を構成するマイクロステップ周期信号回路を構成する要素として、周波数逓倍回路、周波数分周回路を示したが、図10、図11に示した周波数逓倍回路、周波数分周回路に限定されるものではない。周波数逓倍回路、周波数分周回路は図10、図11に示した回路以外でも構成可能であり、本発明の遊技機用モータの制御装置に用いる周波数逓倍回路、周波数分周回路は図10、あるいは図11に示した以外の周波数逓倍回路、周波数分周回路にも適用される。
本発明の遊技機用モータの制御装置を構成するマイクロステップ周期信号を生成する方法は、周波数逓倍回路、あるいは周波数分周回路を用いることに限定されない。周期的なパルス信号を生成する方法は、周波数逓倍回路、周波数分周回路を用いない方法でも実現可能であり、本願発明を構成するマイクロステップ周期信号回路は、周期的なパルス信号を生成する全ての回路を用いる場合にも適用される。
本発明の遊技機用モータの制御装置を構成するマイクロステップ数回路R15は、ROMのような記憶回路に複数の数値mを記憶する方法を説明したが、ROMのような記憶回路でなく、別の回路手段によっても構成可能であり、本願発明を構成するマイクロステップ数回路は、複数の数値mを設定できる全ての回路方式に適用される。
本発明の遊技機用モータの制御装置を構成するマイクロステップ設定回路R30は、カウンタ回路を用いる場合を説明したが、ステッピングモータを制御する各ステップをm個のマイクロステップで制御するために、0からmの数値を生成する方法はカウンタ回路に限定されない。ROMなどの記憶回路に記憶されている数値0〜mをマイクロステップ周期信号に従って順次読み出す構成の回路であってもよい。本願発明を構成するマイクロス
テップ設定回路R30は、数値0〜mを順次読み出すことのできる全ての回路方式に適用される。
本発明の遊技機用モータの制御装置を構成するマイクロステップ振幅信号は、D/A変換回路、PWM回路、PAM回路を用いる場合、あるいはマイクロステップ振幅信号に相当する数値をROMなどの記憶回路に記憶しておく方法を説明したが、マイクロステップ振幅信号を生成する方法はこれらの回路、方法に限定されない。D/A回路の構成は図12、図13に示す回路以外にさまざまな回路構成が可能であり、それらのD/A回路を用いる場合も本発明の適用対象となる。PWM信号、PAM信号を生成する回路は図12、図13に示す回路に限定されない。あるいは図16に示すROMを用いる回路構成に限定されない。さまざまな回路によりPWM信号、PAM信号が生成されるが本発明のマイクロステップ周期信号はそれらのさまざまな回路構成で実現されるマイクロステップ周期信号回路に適用される。
本発明の遊技機用モータの制御装置を構成するスイッチS1〜S5を実現する方法はさまざまな回路で実現可能である。例えばトランジスタ回路をスイッチ回路として用いることも可能であり、それ以外の物理的な接点を持つスイッチ回路で実現することも可能である。本発明を構成するスイッチ回路は、色々な方法で実現されるスイッチ回路に適用される。
なお、本発明に係る遊技機用モータの制御装置の適用対象として、パチンコ機PM等の遊技機に搭載されるステッピングモーターを利用したリールユニットを説明したが、リールユニットに限らず、役物用のステッピングモータに好適に適用でき、これにより役物の高速移動制御と低速移動制御の両方を幅広く実行することができる。また、パチンコ機PMに限定されない。すなわち、ステッピングモータを用いてリール部材を回転制御する遊技機としてスロットマシンやその演出駆動装置にも適用可能である。