JP2019146763A - 遊技機 - Google Patents

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小倉 敏男
Toshio Ogura
敏男 小倉
中山 大輔
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大輔 中山
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Abstract

【課題】不適切な駆動制御が行われてしまうことを防ぐこと。【解決手段】遊技機において動作可能に設けられた可動体を動作させるための駆動手段と、駆動手段の駆動制御を、クロック信号と複数の異なる制御信号との入力にもとづいて実行可能な駆動制御手段と、可動体の動作を伴う可動体演出の制御を行う演出制御手段と、演出制御手段から出力されるシリアル信号によるシリアル制御データを複数の異なる制御信号に変換して駆動制御手段に出力可能であるとともに、演出制御手段から出力されるシリアル信号によるシリアルクロックデータをクロック信号に変換して駆動制御手段に出力可能な信号変換手段と、を備える。【選択図】図6

Description

本発明は、遊技が可能な遊技機に関する。
従来、遊技機が備えるリールを回転動作させるための駆動モータの駆動制御を、リールによる可変表示演出を制御する演出制御装置(サブ基板)からの制御指示にもとづいて行う駆動制御回路となるドライバICにおいて、ドライバICに対応して個別に設けられた動作クロック発生回路にて生成された動作クロックをドライバICに入力し、該入力された動作クロックにもとづいてドライバICが駆動モータの駆動制御を行うものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−100771号公報
しかしながら、特許文献1にあっては、動作クロック発生回路が生成した動作クロックにもとづいてドライバIC(駆動制御回路)が動作するため、該動作クロックを演出制御装置(サブ基板)が直接管理できないとともに、演出制御装置(サブ基板)が制御処理に使用しているクロックとドライバIC(駆動制御回路)の動作クロックとの周期が異なることによって、不適切な駆動制御が実行されて駆動モータが誤動作してしまう場合があるという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、不適切な駆動制御が行われてしまうことを防ぐことのできる遊技機を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の手段1に記載の遊技機は、
遊技が可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、
動作可能に設けられた可動体(例えば、リール301L、301C、301R)と、
前記可動体を動作させるための駆動力を発生する駆動手段(例えば、リールステッピングモータ307L、307C、307R)と、
前記駆動手段の駆動制御を、クロック信号(例えば、制御用クロック信号)と複数の異なる制御信号(例えば、出力制御信号、電気角初期化信号、正転・逆転信号、励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2、A相出力設定信号、B相出力設定信号)との入力にもとづいて実行可能な駆動制御手段(例えば、モータ駆動回路85、86、87)と、
前記可動体の動作を伴う可動体演出(例えば、変動表示演出)の制御を行う演出制御手段(例えば、演出制御基板80)と、
前記演出制御手段から送信されるシリアル信号によるシリアル制御データ(例えば、モータ駆動回路1用制御データ、モータ駆動回路2用制御データ、モータ駆動回路3用制御データ)を複数の異なる制御信号に変換して前記駆動制御手段に出力可能であるとともに、前記演出制御手段から送信されるシリアル信号によるシリアルクロックデータ(例えば、モータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用クロック信号データを制御用クロック信号)をクロック信号に変換して前記駆動制御手段に出力可能な信号変換手段(例えば、シリアル信号回路89)と、
を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、駆動制御手段に入力されるクロック信号を、演出制御手段がシリアルクロックデータによって直接管理することができ、個別のクロック信号発生回路からのシリアル信号に同期していない不適切なクロック信号が駆動制御手段に入力されることにより不適切な駆動制御が行われてしまうことを防ぐことができる。
本発明の手段2の遊技機は、手段1に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段(例えば、演出制御基板80)は、前記シリアルクロックデータに対応したクロックデータを記憶可能であって、該記憶しているクロックデータを読み出して前記シリアルクロックデータを送信可能である(例えば、最短周期の制御用クロック信号(A)に対応する「00110011…」のデータ列や、最短周期の倍周期の制御用クロック信号(B)に対応する「00110011…」のデータ列や、最短周期の3倍周期の制御用クロック信号(C)に対応する「000111000111…」のデータ列がROMに記憶されており、該データ列をROMから読み出してモータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用クロック信号データとして送信する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、シリアルクロックデータの送信毎にクロックデータを生成する必要がないので、シリアルクロックデータの送信に伴う処理負荷を低減できる。
本発明の手段3の遊技機は、手段1または手段2に記載の遊技機であって、
前記演出制御手段は、該演出制御手段が有する動作クロック発生回路にて生成される動作クロックにもとづいて前記シリアルクロックデータを生成して送信可能である(例えば、変形例にて示すクロック信号データ変換処理において、演出制御用CPUが、該演出制御用CPUに入力されるクロック信号にもとづいて、該クロック信号を演算によって、シリアル信号回路89から出力させる周期に対応するクロック信号データのデータ列に変換して送信する部分)
ことを特徴としている。
この特徴によれば、動作クロックにもとづいてシリアルクロックデータが生成されるので、演出制御手段とシリアルクロックにもとづくクロック信号との同期を保つことが容易となる。
本発明の手段4の遊技機は、手段〜手段3のいずれかに記載の遊技機であって、
前記信号変換手段(例えば、シリアル信号回路89)から出力されるクロック信号(例えば、最短周期の制御用クロック信号(A))を、分周によって周期の異なる分周クロック信号に変換して前記駆動制御手段に出力可能な分周手段(例えば、図7に示すように
、分周によって基準波、2分周波、3分周波、…n分周波に変換してモータ駆動回路85、86、87に出力可能なパルスカウンタ90)を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、演出制御手段の処理負荷の増大を抑えつつ、周期の異なる分周クロック信号を駆動制御手段に出力することができる。
尚、本発明は、本発明の請求項に記載された発明特定事項のみを有するものであって良いし、本発明の請求項に記載された発明特定事項とともに該発明特定事項以外の構成を有するものであってもよい。
実施例1における遊技機を示す斜視図である。 主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。 電源基板と演出制御基板、リール駆動制御基板及び演出表示装置における回路構成の一例を示すブロック図である。 モータ駆動回路における回路構成の一例を示すブロック図である。 シリアル信号回路における接続状態と信号の入出力状態を示す説明図である。 シリアル信号回路における信号変換状況を示す説明図である。 パルスカウンタによる分周信号を使用する変形例を示す図である。 励磁モードの設定例を示す説明図である。 各励磁モードにおいて電気角信号がLowの場合の電流値及び電気角を示す説明図である。 励磁モード変更処理の一例を示すフローチャートである。 演出用変動表示ユニットを示す斜視図である。 演出用変動表示ユニットの内部構造を示す分解斜視図である。 リールを斜め前から見た状態を示す斜視図である。 リールを示す分解斜視図である。 リール保持枠とリールステッピングモータの取付構造を示す図である。 各相における電流値の割合と回転角度を示す模式図である。 各相における電流値の割合を示す原理図である。 2相励磁設定における駆動を示す説明図である。 1−2相励磁(Aタイプ)設定における駆動を示す説明図である。 W1−2相励磁設定における駆動を示す説明図である。 2W1−2相励磁設定における駆動を示す説明図である。 各リールステッピングモータにおける駆動停止タイミング及び電流値を示すタイミングチャートである。 演出制御メイン処理の一例を示すフローチャートである。 第2初期化処理の一例を示すフローチャートである。 第2初期化処理の一例を示すフローチャートである。 非検出時動作制御と検出時動作制御と実動作確認用動作制御の動作例を示す説明図である。 非検出時動作制御と検出時動作制御と実動作確認用動作制御の動作速度例を示す説明図である。 演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。 演出図柄変動中処理の一例を示すフローチャートである。 リール変動処理の一例を示すフローチャートである。 リール変動処理の一例を示すフローチャートである。 リール変動処理の一例を示すフローチャートである。 励磁パターンの一例を示す図である。 リールの変動制御の一例を示すタイミングチャートである。 変形例1における非検出時動作制御と検出時動作制御と実動作確認用動作制御の動作例を示す説明図である。 リールモータとしてDCブラシレスモータを使用した変形例を示す図である。
本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例にもとづいて以下に説明する。
まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠100と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ左側辺を中心に開閉可能に設けられている。
下扉枠103の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4(下皿)や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠102の背面には、遊技盤6が前面枠101に対して着脱可能に取り付けられている。
遊技盤6は、遊技領域7が前面に形成された所定板厚を有するベニヤ板からなり、該遊技盤6の背面側には、演出表示装置9及び演出制御基板80等が一体的に組み付けられている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄(飾り図柄)を変動表示する複数の変動表示部を含む演出表示装置9を構成する演出用変動表示ユニット300(図11参照)が設けられている。演出用変動表示ユニット300は、略水平に設けられた回動軸(図示略)を中心として回動可能に設けられ、該回動軸(図示略)の軸心方向(水平方向)に並設された複数のリール301L、301C、301R(左リール、中リール、右リールとも言う)からなる(図12参照)。各リールの外周(周面)には、各々が識別可能な複数種類の演出図柄(図1参照)が配列されており、図1に示すように、これらリールに配列された図柄のうち連続する3つの図柄がガラス扉枠102に設けられた透視窓102aを通して視認できるように配置されている。「左」、「中」、「右」のリール301L、301C、301Rは、互いに所定の隙間を隔てて並設され、ガラス扉枠102に形成された透視窓(図示略)を通して図柄を視認可能な変動表示部(図柄表示エリア)を有する。
このように演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示期間中にリール301L、301C、301Rを回転させることにより、演出図柄の変動表示による変動表示演出を行う。演出図柄の変動表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。本実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
本実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13aに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。尚、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13aを有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13aに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14a(例えば、近接スイッチ)及び第1入賞確認スイッチ14b(例えば、フォトセンサ)によって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13aを有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)13bに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ15a及び入賞確認スイッチ15bによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13aよりも、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口13bに入賞しない。尚、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
また、第1始動口スイッチ14aと第1入賞確認スイッチ14bの検出結果及び第2始動口スイッチ15aと第2入賞確認スイッチ15bの検出結果にもとづいて異常入賞の発生の有無が判定され、異常入賞の発生を検出したことにもとづいてセキュリティ信号が外部出力される。
以下、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口13bに極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13aは演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13aとの間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13aの周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13aの周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13aに導きづらくして、第2始動入賞口13bの入賞率の方を第1始動入賞口13aの入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13aに入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口13bに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。尚、この例では、第1始動入賞口13aへの入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口13bへの入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、演出表示装置9の下方位置には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。尚、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
尚、本実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口13bに対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bのいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことにもとづき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのLEDからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。本実施例では、上下のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行われ、例えば、変動表示の終了時に下側のLEDが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のLEDが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のLEDが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口13bに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
尚、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を変動表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a〜29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30によって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。尚、第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bや大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
遊技領域7の左側には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aを有する装飾部材25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25aは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
図1および図2では、図示を省略しているが、左枠LED28bの近傍に、賞球払出中に点灯する賞球LEDが設けられ、天枠LED28aの近傍に、補給球が切れたときに点灯する球切れLEDが設けられている。尚、賞球LEDおよび球切れLEDは、賞球の払出中である場合や球切れが検出された場合に、演出制御基板に搭載された演出制御用マイクロコンピュータによって点灯制御される。さらに、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者の操作により、図示しない打球発射装置から発射された遊技球は、発射球案内通路(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13aへの入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口13bに入り第2始動口スイッチ15aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口13bへの入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示は、変動時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄及び小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
リール301L、301C、301Rでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、これらリール301L、301C、301Rを回転させることにより演出図柄の変動表示(可変表示)が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてからリール301L、301C、301Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された演出図柄が大当り組み合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、リール301L、301C、301Rにおける一部(例えばリール301Lとリール301Rなど)では予め定められた大当り組み合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りのリール(例えばリール301Cなど)においては未だ演出図柄が変動している表示状態、あるいは、リール301L、301C、301Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
尚、本実施例のリール301L、301C、301Rは、演出図柄の変動表示において共に回転するとともに、演出図柄の変動表示が終了する際には、リール301L→リール301R→リール301Cの順に回転が停止する場合と、リール301Lとリール301Rの回転が同時に停止し、最後にリール301Cの回転が停止する場合がある。尚、演出図柄の変動表示においては、リール301Lとリール301Cとが同時に停止することは無い。
パチンコ遊技機1には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板31)、演出表示装置9等の演出装置を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80、音声制御基板70、LEDドライバ基板35、および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が搭載されている。
さらに、パチンコ遊技機1背面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板82(図3参照)等が設けられている。電源基板82には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ156のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
尚、本実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。尚、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。尚、本実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板91が設置されている。ターミナル基板91には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、大当り3信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。尚、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくてもよく、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしてもよい。
貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導レールを通り、カーブ樋を経て払出ケースで覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ43が設けられている。球切れスイッチ43が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ43が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対して遊技球の補給が行なわれる。
入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸し要求にもとづく遊技球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、遊技球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球が払出されると、感知レバー(図示略)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ(図示略)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチがオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。
図2に示すように、主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)156が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含み、該I/Oポート部57を介して払出制御基板37や演出制御基板80に対して各種コマンドを送信可能となっている。本実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。尚、払出制御基板37や演出制御基板80にも遊技制御用マイクロコンピュータ156から各種コマンドを受け付けるためのI/Oポート部が内蔵されているが、これらI/Oポート部は、払出制御基板37や演出制御基板80に外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ156には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路60が内蔵されている。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ156においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ156(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、乱数回路60が内蔵されている。乱数回路60は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路60が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路60が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路60が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ15aへの始動入賞が生じたときに乱数回路60から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板82において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。尚、本実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板82からのリセット信号が入力される。電源基板82には、遊技制御用マイクロコンピュータ156等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。尚、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。尚、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、電源基板82からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板82には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。尚、電源監視回路を電源基板82に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第1入賞確認スイッチ14b、第2始動口スイッチ15a、第2入賞確認スイッチ15b、カウントスイッチ23、第3入賞確認スイッチ23aおよび各入賞口スイッチ30、30bからの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21と、基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ156をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板91を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
本実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
尚、本実施例では、中継基板77を設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、後述する中継基板77の機能を演出制御基板80や主基板31に設けるようにして、中継基板77を有しない構成としてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPUおよびRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ(図示略)を搭載している。尚、RAMは外付けであってもよい。また、演出制御基板80には電源基板82が接続されており(図3参照)、該電源基板82から供給される電力によって演出制御基板80に搭載されているRAMやROM、演出制御用CPU(図示略)等が動作可能となっている。演出制御基板80において、演出制御用CPU(図示略)は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU(図示略)は、所定の出力指示情報(シリアル信号)をリール駆動制御基板81に対して出力することによって、リール301L、301C、301Rの回転・停止やリールライト310a、310b、310cの点灯・消灯の制御を、リール駆動制御基板81に実行させることができるようになっている。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ156側)に入り込まない。
さらに、演出制御用CPU(図示略)は、演出制御基板80に搭載されている図示しないシリアル信号回路から、モータ駆動回路85、86、87に入力される駆動用高周波信号(クロック信号)や各種制御信号(図4、図5参照)や、リールライト駆動回路88に入力される信号であって、第1リールライト310a、第2リールライト310b及び第3リールライト310cの点灯・消灯を制御するためのリールライト制御信号に対応する出力指示情報(シリアル信号)をシリアル信号回路89に対して出力することにより、シリアル信号回路89からモータ駆動回路85、86、87に対して第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを駆動させるための各種信号や、第1リールライト310a、第2リールライト310b、第3リールライト310cを点灯・消灯させるためのリールライト制御信号がリールライト駆動回路88に出力される。
尚、演出制御用CPUが有する出力ポートからは、音声制御基板70に対して音番号データを出力する。音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
LEDドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ(図示略)を介してLEDドライバに入力される。LEDドライバは、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28cなどの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25aに駆動信号を供給する。尚、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がLEDドライバ基板35に搭載される。
ここで、リール駆動制御基板81及び演出表示装置9について、図3及び図4にもとづいて説明する。
演出表示装置9には、リール301Lを回転させるための第1リールステッピングモータ307L、リール301Cを回転させるための第2リールステッピングモータ307C、リール301Rを回転させるための第3リールステッピングモータ307Rが設けられている。また、演出表示装置9には、リール301Lを該リール301Lの内側から照らすための第1リールライト310a、リール301Cを該リール301Cの内側から照らすための第2リールライト310b、リール301Rを該リール301Rの内側から照らすための第3リールライト310cと、リール301Lの原点位置(初期位置)を検出するための第1リール原点検出センサ309a、309b、リール301Cの原点位置(初期位置)を検出するための第2リール原点検出センサ309c、309d、リール301Rの原点位置(初期位置)を検出するための第3リール原点検出センサ309e、309fがそれぞれ設けられている。
尚、本実施例における第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは、それぞれが内部に回転子と該回転子を包囲する固定子A(以下、A相)と固定子B(以下、B相)を備え、回転子の回転方向の全周に亘って複数の磁極が配置されていることによって基本ステップ角度が1.8°に設定されている2相ステッピングモータである。尚、本実施例では、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rとして、基本ステップ角度が1.8°である2相ステッピングモータを使用する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rとして使用するステッピングモータは、5相ステッピングモータ等の2相以外のステッピングモータでもよいし、または、基本ステップ角度が1.8°以外のステッピングモータであってもよい。
リール駆動制御基板81には、モータ駆動用電源回路83(モータ駆動用電源回路1)、モータ駆動用電源回路84(モータ駆動用電源回路2)、モータ駆動回路85(モータ駆動回路1)、モータ駆動回路86(モータ駆動回路2)、モータ駆動回路87(モータ駆動回路3)、リールライト駆動回路88、シリアル信号回路89等が搭載されている。
このうちモータ駆動用電源回路83は、演出制御基板80、モータ駆動回路85及びモータ駆動回路86と接続されており、モータ駆動用電源回路84は、演出制御基板80及びモータ駆動回路87と接続されている。尚、モータ駆動用電源回路83及びモータ駆動用電源回路84は、図3に示すように、電源基板82から演出制御基板80を介して供給された電力にもとづいてモータ駆動回路85、86、87に供給するための電力を生成する(例えば、電源基板82からDC30Vの電力が供給される場合は、DC20Vの電力を生成する)ための電源回路であり、モータ駆動用電源回路83は、モータ駆動回路85とモータ駆動回路86とに接続されており、モータ駆動用電源回路84は、モータ駆動回路87に接続されている。そして、モータ駆動回路85は、モータ駆動用電源回路83にて生成された電圧の電力にて第1リールステッピングモータ307Lを駆動可能となっており、モータ駆動回路86は、モータ駆動用電源回路83にて生成された電圧の電力にて第2リールステッピングモータ307Cを駆動可能となっており、モータ駆動回路87は、モータ駆動用電源回路84にて生成された電圧の電力にて第3リールステッピングモータ307Rを駆動可能となっている。
つまり、前述したように、リール301L、301C、301Rは、演出図柄の変動表示が終了する際に、リール301L→リール301R→リール301Cの順に回転が停止する場合だけではなく、リール301Lとリール301Rの回転が同時に停止し、最後にリール301Cの回転が停止する場合があるので、本実施例では、同時に停止する可能性があるリール301Lの第1リールステッピングモータ307Lを駆動するモータ駆動回路85と、リール301Rの第3リールステッピングモータ307Rを駆動するモータ駆動回路87とを異なる電源回路に接続し、同時に停止する可能性が少ないリール301Lの第1リールステッピングモータ307Lを駆動するモータ駆動回路85と、リール301Cの第2リールステッピングモータ307Cを駆動するモータ駆動回路86とを同一のモータ駆動用電源回路83に接続している。
よって、リール301Lとリール301Rの回転が同時に停止する場合にあっては、第1リールステッピングモータ307Lと第3リールステッピングモータ307Rに供給される電力(電流)が大きく変化して、電源回路に大きな負担や過電流が流れる可能性があるが、本実施例では、リール301Lを回転させるための第1リールステッピングモータ307L及びモータ駆動回路85と、リール301Rを回転させるための第3リールステッピングモータ307R及びモータ駆動回路87に電力を供給する電源回路(モータ駆動用電源回路83とモータ駆動用電源回路84)を、上記したように、異なる電源回路としているので、モータ駆動回路85とモータ駆動回路87とが、同一の電源回路、例えば、モータ駆動用電源回路83に接続されている場合に比較して、リール301Lとリール301Rの回転が同時に停止した場合であっても1つの電源回路あたりの使用電力の変化量を小さく抑えることができるので、保護回路等を設ける必要がなく、保護回路等を設けるためのコスト増を抑えることができるようになっている。
尚、本実施例では、同時に停止する可能性があるリール301Lの第1リールステッピングモータ307Lを駆動するモータ駆動回路85と、リール301Rの第3リールステッピングモータ307Rを駆動するモータ駆動回路87とを異なる電源回路に接続するだけではなく、同時に停止する可能性が少ないリール301Lの第1リールステッピングモータ307Lを駆動するモータ駆動回路85と、リール301Cの第2リールステッピングモータ307Cを駆動するモータ駆動回路86とを同一のモータ駆動用電源回路83に接続することによって、各モータ駆動回路85、86、87の各々にモータ駆動用電源回路を個別に設けた場合に比較して、モータ駆動用電源回路の数を少なくすることにより、コストを削減できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、各モータ駆動回路85、86、87をそれぞれ個別の電源回路に接続するようにしてもよい。
リールライト駆動回路88は、第1リールライト310a、第2リールライト310b及び第3リールライト310cに接続されている。また、リール駆動制御基板81に搭載されているモータ駆動回路85、86、87、リールライト駆動回路88と、演出表示装置9に搭載されている第1リールライト310a、第2リールライト310b、第3リールライト310c、第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d及び第3リール原点検出センサ309e、309fは、シリアル信号回路89を介して演出制御基板80とシリアル通信により通信可能に接続されている。よって、第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d及び第3リール原点検出センサ309e、309fから出力された信号は、シリアル信号回路89に入力され、該シリアル信号回路89から演出制御基板80に対しては、第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d及び第3リール原点検出センサ309e、309fの信号出力状態を通知するシリアルデータが送信されることにより、演出制御基板80が第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d及び第3リール原点検出センサ309e、309fの検出状況、つまり、リール301L、リール301C、リール301Rが初期位置に位置しているか否かを把握することができるようになっている。
このように本実施例では、リール駆動制御基板81と演出制御基板80とがシリアル通信にて接続されていることで、リール駆動制御基板81と演出制御基板80とを、各信号を個別に送受するパラレル通信により接続する場合に比較して、演出制御基板80に接続する配線数を少なくできることで、電源線からのノイズ防止対策を容易にできることから好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、リール駆動制御基板81と演出制御基板80とを、シリアル通信以外の形態で接続するようにしてもよい。
尚、本実施例では、シリアル信号回路89を介して各モータ駆動回路85、86、87、リールライト駆動回路88、第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fと演出制御基板80との間で通信可能とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、該シリアル信号回路89は、各モータ駆動回路85、86、87と演出制御基板80との間で通信可能とするための第1シリアル信号回路、リールライト駆動回路88と演出制御基板80との間で通信可能とするための第2シリアル信号回路、第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fと演出制御基板80との間で通信可能とするための第3シリアル信号回路に分かれていてもよい。更にこれら第1シリアル信号回路、第2シリアル信号回路及び第3シリアル信号回路は、演出制御基板80との間での通信間隔が異なるもの(例えば、第1シリアル信号回路は各モータ駆動回路85、86、87と演出制御基板80との間で、例えば0.5ms或いは1msの比較的短い間隔で通信可能であり、第2シリアル信号回路はリールライト駆動回路88と演出制御基板80との間で、例えば10msの比較的長い間隔で通信可能であり、第3シリアル信号回路は第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fと演出制御基板80との間で、例えば、5msの中間的な間隔で通信可能)であってもよく、このようにすることで、高速回転することにより、きめ細かな制御が必要となるモータ駆動回路85、86、87による第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rの制御頻度と、きめ細かな制御が不要なリールライト駆動回路88による第1リールライト310a、第2リールライト310b、第3リールライト310cの制御とで、制御の頻度を異なるものとすることができるので、演出制御基板80側において、制御処理の処理負荷が無用に大きくなってしまうことを防ぐことができる。
また、は第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fを、シリアル信号回路89を介さずに演出制御基板80に接続することで、これら第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fの検出状態・非検出状態を直接演出制御基板80に通知可能なようにしてもよい。
また、本実施例では、シリアル信号回路89を介して各モータ駆動回路85、86、87、リールライト駆動回路88、第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fと演出制御基板80との間で通信可能とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各モータ駆動回路85、86、87、リールライト駆動回路88、第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fと演出制御基板80との間ではシリアル信号にて通信可能としてもよい。このようにすることで、演出制御基板80とリール駆動制御基板81との間で送受信する信号をシリアル信号からパラレル信号またはパラレル信号からシリアル信号に変換するためのコンバータを設けなくともよくなるので、パチンコ遊技機1を安価に製造することができる。
次に、モータ駆動回路85、86、87について説明する。図4に示すように、モータ駆動回路85、86、87は、主に、コントローラ401、励磁モード設定回路402、電気角監視回路403、チョッピング信号生成回路404、ステップ信号生成回路405、過熱検出回路406、過電流検出回路407、内部駆動電力生成回路409、電源投入時リセット回路408、駆動用パルス生成回路410、駆動電流設定回路411、パルス出力制御回路412、出力パルス生成回路415、416、駆動電流比較回路413、414等が含まれている。
このうちコントローラ401は、各モータ駆動回路85、86、87の制御を行う回路であって、主に、演出制御基板80からの受信によってシリアル信号回路89から出力される各種信号(正転・逆転信号、電気角初期化信号、出力制御信号)並びに制御用クロック信号にもとづいて、主にステップ信号生成回路405の制御を行う。
励磁モード設定回路402は、演出制御基板80から受信した励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2にもとづいて励磁モードを後述するスタンバイモード、2相励磁、1−2相励磁(Aタイプ)、W1−2相励磁、1−2相励磁(Bタイプ)、2W1−2相励磁、4W1−2相励磁、8W1−2相励磁のいずれかに設定するための回路である。励磁モード設定回路402は、励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2にもとづいて設定した励磁モードをコントローラ401と電気角監視回路403、ステップ信号生成回路405に通知する機能も有している。
電気角監視回路403は、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの電気角を監視するための回路である。この電気角監視回路403は、A相とB相とに異なる強さの電流値が印加されているときには電気角信号をHighで継続して出力し、A相とB相に同一の強さの電流値が印加されているときには電気角信号Lowで継続して出力する。尚、図9に示すように、本実施例において電気角信号がLowで出力されている場合とは、各リールステッピングモータ307L、307C、307RにおけるA相とB相とに、モータ駆動回路85、86、87に供給されている電流の100%の電流値または71%の電流値が印加されている場合であるとともに、電気角が45°となるときである。
つまり、本実施例の電気角監視回路403は、A相とB相とに印加されている電流値の大きさが同一であり且つこれらA相とB相に印加されている電流値が正の値である期間において電気角信号をLowで継続して出力することで、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの回転子が電気的に安定した位置に配置されていることを示すとともに、A相とB相に印加されている電流値の大きさが異なっている場合や、A相とB相に印加されている電流値の大きさが同一ではあるが、A相とB相に印加されている電流値の少なくとも一方が負の値である期間において電気角信号をHighで継続して出力することで、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの回転子が電気的に安定した位置に配置されていないことを示す回路である。そして、電気角信号がLowで出力されている場合は、励磁モードにかかわらず、電気角は必ず45°となる。
尚、本実施例の電気角監視回路403は、各リールステッピングモータ307L、307C、307RにおけるA相とB相に印加されている電流値にもとづいて電気角信号の出力状態を変化させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電気角監視回路403は、各リールステッピングモータ307L、307C、307RにおけるA相とB相とに生じている磁力の大きさや、制御用クロック信号等にもとづいて電気角信号の出力状態を変化させてもよい。尚、本実施例では、モータ駆動回路85、86、87内に電気角監視回路403を設けることによって電気角信号を出力可能な形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、モータ駆動回路85、86、87は、電気角信号を出力しないものであってもよい。
チョッピング信号生成回路404は、後述する駆動用パルス生成回路410にて生成された三角波の駆動用パルス信号を矩形波に調整することでチョッピング信号を生成する回路である。尚、チョッピング信号とは、該矩形波の16カウント分を1周期とする信号である。ステップ信号生成回路405は、チョッピング信号生成回路404において生成されたチョッピング信号と、シリアル信号回路89からの制御用クロック信号にもとづいてコントローラ401から出力される信号によりステップ信号を生成する回路である。
過熱検出回路406は、パルス出力制御回路412の発熱を監視し、該パルス出力制御回路412の温度が規定温度に達した場合にコントローラ401に対して過熱検出信号を出力することによって該パルス出力制御回路412の温度が規定温度に達したことを通知するための回路である。過電流検出回路407は、パルス出力制御回路412に印加されている電流が規定電流に達した場合にコントローラ401に対して過電流検出信号を出力することによって該パルス出力制御回路412に印加されている電流が規定電流に達したことを通知するための回路である。コントローラ401は、過熱検出信号や過電流検出信号を受信した場合、励磁モードをスタンバイモードに設定することによって各ステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動を停止するとともに、パルス出力制御回路412の温度が規定温度に達したことやパルス出力制御回路412に印加されている電流が規定電流に達したことを示す異常検知信号を演出制御基板80やパチンコ遊技機1の外部に対して出力する。
内部駆動電力生成回路409は、モータ駆動電力からモータ駆動回路85、86、87内にて使用される内部駆動電力を生成するための回路であり、生成された内部駆動電力は、コントローラ401等に供給されており、コントローラ401は、該内部駆動電力によって動作する。尚、モータ駆動電力は、駆動用パルス生成回路410等の複数の回路に供給されており、これら駆動用パルス生成回路410等の複数の回路は、該モータ駆動電力によって動作する。電源投入時リセット回路408は、モータ駆動回路85、86、87に電源(モータ駆動電力)が投入されたことにもとづいて、これらモータ駆動回路85、86、87が正常に立ち上がるようにモータ駆動回路85、86、87の状態をリセットするための回路である。
駆動用パルス生成回路410は、外部から入力される駆動用高周波信号にもとづいて三角波である駆動用パルス信号を生成する回路である。尚、生成された駆動用パルス信号は、前述したように、チョッピング信号生成回路404において矩形波に調整されてチョッピング信号として用いられる。駆動電流設定回路411は、演出制御基板80からシリアル信号回路89を介して入力されるA相出力設定信号とB相出力設定信号とにもとづいて各ステッピングモータ307L、307C、307Rを駆動するための設定電流値(上限電流値)を設定するための回路である。尚、駆動電流設定回路411は、A相出力設定信号とB相出力設定信号とにもとづいて設定された設定電流値にもとづく電流値を駆動電流比較回路413、414に通知する機能を有している。
パルス出力制御回路412は、出力パルス生成回路415、416から各リールステッピングモータ307L、307C、307Rに対して電流の印加タイミングを制御するための回路である。出力パルス生成回路415、416は、パルス出力制御回路412の制御にもとづいてA相やB相へ印加するための電流の蓄電及び放電(出力)を行うための回路である。本実施例では、出力パルス生成回路415は、各リールステッピングモータ307L、307C、307RにおけるA相に対して電流を印加するための回路であり、出力パルス生成回路416は、各リールステッピングモータ307L、307C、307RにおけるB相に対して電流値を印加するための回路である。また、出力パルス生成回路415は、蓄電されている電流値を駆動電流比較回路413に通知する機能を有しており、出力パルス生成回路416は、蓄電されている電流値を駆動電流比較回路414に通知する機能を有している。
駆動電流比較回路413は、出力パルス生成回路415に蓄電されている電流値と駆動電流設定回路411から通知された電流値とを比較するための回路であり、パルス出力制御回路412と相互通信可能に接続されている。駆動電流比較回路414は、出力パルス生成回路416に蓄電されている電流値と駆動電流設定回路411から通知された電流値とを比較するための回路であり、パルス出力制御回路412と相互通信可能に接続されている。
本実施例の出力パルス生成回路415、416は、パルス出力制御回路412の制御にもとづいて、クロック信号の入力が1回実行される毎に各リールステッピングモータ307L、307C、307RのA相・B相に電流を印加するための蓄電と放電(出力)を繰り返す回路である。このクロック信号の入力において、パルス出力制御回路412は、出力パルス生成回路415、416において蓄電を行うよう制御する。このときパルス出力制御回路412は、駆動電流比較回路413、414と通信することによって出力パルス生成回路415、416に蓄電されている電流値がそれぞれ駆動電流設定回路411から通知された電流値に達しているか否かを監視しており、出力パルス生成回路415、416に蓄電されている電流値が駆動電流設定回路411から通知された電流値に達したことにもとづいて、各リールステッピングモータ307L、307C、307RのA相及びB相にパルス信号の出力(放電、電流値の印加)を行うように出力パルス生成回路415、416を制御する。
ここで、本実施例に用いたシリアル信号回路89における信号変換について、図5、図6を用いて説明する。本実施例のシリアル信号回路89は、前述したように、リール駆動制御基板81に、モータ駆動回路85、86、87やリールライト駆動回路88とともに実装されている。
シリアル信号回路89は、前述したように、演出制御基板80に実装されている演出制御基板側のシリアル信号回路とシリアル信号線にて接続されて、演出制御基板80との間において双方向のシリアルデータ通信を行う。
尚、本実施例のシリアル信号回路89は、シリアル通信用のクロック信号をデータ信号とともに送信する同期方式のシリアル通信を行う形態としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、所定長のデータの前後にスタートビットとストップビットとを付加することによる調歩同期方式のシリアル通信を行うものであってもよく、これらシリアル通信の方式は、シリアル通信が可能なものであればいずれの方式であってもよい。
シリアル信号回路89は、図5に示すように、モータ駆動回路85、86、87のぞれぞれと、前出したように、モータ駆動回路85、86、87に入力される各制御信号である、出力制御信号、電気角初期化信号、正転・逆転信号、励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2、A相出力設定信号、B相出力設定信号、制御用クロック信号の各信号を出力するための9本の信号配線にて接続されており、演出制御基板80から受信した制御指示のシリアルデータ信号を、上記した各制御信号に変換して出力する。
具体的には、図6に示すように、演出制御基板80からは、データの種別を特定可能な所定のヘッダが先頭に付加されて、モータ駆動回路1用制御データ、モータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用制御データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用制御データ、モータ駆動回路3用クロック信号データ、リールライト駆動回路用データ、が1単位の制御指示として繰り返し送信される。尚、1単位の制御指示が送信されてから次ぎに1単位の制御指示が送信されるまでの間において、第1リール原点検出センサ309a、309bや、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fの検出結果を示す検出シリアルデータが、シリアル信号回路89から演出制御基板80へ送信される。
モータ駆動回路1用制御データ、モータ駆動回路2用制御データ、モータ駆動回路3用制御データには、出力制御信号、電気角初期化信号、正転・逆転信号、励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2、A相出力設定信号、B相出力設定信号として、どのような信号を出力するかの指示データが含まれており、これらの指示データによって指示された形態の信号が、出力制御信号、電気角初期化信号、正転・逆転信号、励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2、A相出力設定信号、B相出力設定信号として、モータ駆動回路85、86、87に出力される。よって、同じ種類の制御信号、例えば、同じ出力制御信号であっても、モータ駆動回路1用制御データ、モータ駆動回路2用制御データ、モータ駆動回路3用制御データを異ならせることにより、モータ駆動回路85、86、87に対して、異なる形態の信号を個別に出力することが可能である。
また、モータ駆動回路1用クロック信号データは、モータ駆動回路85に対して制御用クロック信号を出力するためのシリアルデータであり、モータ駆動回路2用クロック信号データは、モータ駆動回路86に対して制御用クロック信号を出力するためのシリアルデータであり、モータ駆動回路3用クロック信号データは、モータ駆動回路87に対して制御用クロック信号を出力するためのシリアルデータである。
これらクロック信号データとしては、図6に示すように、出力される制御用クロック信号の形態に対応した複数種類のデータが設定されている。具体的には、例えば、クロック信号データが「010101…」のデータであれば、シリアル信号回路89は、最も周期の短い最短周期の制御用クロック信号(A)を出力し、クロック信号データが「00110011…」のデータであれば、シリアル信号回路89は、最短周期の倍周期の制御用クロック信号(B)を出力し、クロック信号データが「000111000111…」のデータであれば、シリアル信号回路89は、最短周期の3倍周期の制御用クロック信号(C)を出力するように、クロック信号データに対応した異なる周期の制御用クロック信号をモータ駆動回路85、86、87に対して出力する。
尚、これらクロック信号データとして、シリアル信号回路89からの制御用クロック信号の出力を停止するクロック信号データを設定しておき、該出力を停止するクロック信号データを送信することで、シリアル信号回路89からモータ駆動回路85、86、87に対する制御用クロック信号の出力を停止させるようにして、これらクロック信号によるノイズを低減できるようにしてもよい。
このように、各モータ駆動回路85、86、87に対して入力される制御用クロック信号の周期を変更することで、モータ駆動回路85、86、87によって駆動される第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rの駆動速度等を、電気角等に関係なく適宜に変更することができる。
また、各モータ駆動回路85、86、87に入力される制御用クロック信号は、演出制御基板80から送信されるクロック信号データが変換されて出力されるため、各モータ駆動回路85、86、87に入力される制御用クロック信号を、演出制御基板80がクロック信号データによって直接管理することができるようになるとともに、例えば、リール駆動制御基板81に、個別のクロック信号発生回路を設けて、該クロック信号発生回路にて生成した制御用クロック信号を各モータ駆動回路85、86、87に入力する場合に比較して、これら個別のクロック信号発生回路から入力されるクロック信号の周期とシリアルデータ通信の周期との違いによって、不適切な駆動制御が行われてしまうことも防ぐことができる。
尚、本実施例では、演出制御基板80側において、各周期に対応するクロック信号データのデータ列が、予め演出制御基板80に実装されたROMの所定領域に記憶されており、演出制御基板80に実装された演出制御用CPUは、クロック信号データを送信する際に、シリアル信号回路89から出力させる周期に対応するクロック信号データのデータ列を、ROMから読み出して使用することで、クロック信号データの送信に際して、逐次、出力させる周期に対応するクロック信号データのデータ列を生成する処理を実行することなくクロック信号データを送信できるようになっており、これらクロック信号データの送信に関する処理負荷を低減できるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御用CPUが、該演出制御用CPUに入力されるクロック信号にもとづいて、該クロック信号を演算によって、シリアル信号回路89から出力させる周期に対応するクロック信号データのデータ列に変換するクロック信号データ変換処理を実行することにより、クロック信号データのデータ列を、逐次、変換によって生成するようにしてもよい。つまり、演出制御手段である演出制御基板80(演出制御用CPU)は、演出制御基板80(演出制御用CPU)が有する動作クロック発生回路にて生成される動作クロックにもとづいて、シリアルクロックデータであるモータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用クロック信号データを生成して送信可能としてもよい。このようにクロック信号データ変換処理にてクロック信号データを、演出制御用CPUに入力されるクロック信号から生成(変換)するようにすることで、クロック信号データの送信に関する処理負荷は増えるものの、演出制御用CPUにおける動作周期との同期も得られるようになるので、より一層、周期の違いによって、不適切な駆動制御が行われてしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例では、図6に示すように、周期の異なる制御用クロック信号に対応した複数種類のクロック信号データを演出制御基板80が送信する形態を例示しているが、該形態は、例えば、周期の数が少ない場合にはよいが、これら周期の数が多くなった場合には、演出制御基板80の処理負荷等が増大してしまうとともに、クロック信号データのデータ容量も大きくなってシリアル通信のデータ量が増大してしまうことから、例えば、周期の数が多数であるn(n分周)である場合には、図7に示すように、シリアル信号回路89と各モータ駆動回路85、86、87との間に、分周手段となるパルスカウンタ90を設けるとともに、演出制御基板80からは、基準となる制御用クロック信号、例えば、上述した最短周期の制御用クロック信号(A)に対応したクロック信号データと、パルスカウンタ90に出力される分周を制御するための分周制御信号に対応した分周制御データとを送信することで、該クロック信号データと分周制御データとを受信したシリアル信号回路89が、パルスカウンタ90に対して、基準制御用クロック信号となる最短周期の制御用クロック信号(A)と分周制御信号を出力することにより、パルスカウンタ90が、基準制御用クロック信号を、分周制御信号にて特定される周期に分周した分周波(分周パルス)を、モータ駆動回路85、86、87に出力するようにすることで、周期の数の増大による演出制御基板80の処理負荷の増大を抑えるとともに、シリアル通信のデータ量の増大も抑えることができるようにしてもよい。
以上のように本実施例のシリアル信号回路89やモータ駆動回路85、86、87が構成されている。次に、これらモータ駆動回路85、86、87を用いて各リールステッピングモータ307L、307C、307Rを駆動する場合の動作について説明する。
先ず、モータ駆動回路85、86、87にモータ駆動電力が供給されると、内部駆動電力生成回路409は、電源投入時リセット回路408を用いてモータ駆動回路85、86、87が正常に立ち上がるようにモータ駆動回路85、86、87の状態をリセットする。そして、駆動用パルス生成回路410等の回路へのモータ駆動電力の供給を開始するとともに、コントローラ401への内部駆動電力の供給を開始する。
次に、コントローラ401は、内部駆動電力の供給を受けることで立ち上がると、励磁モード設定回路402から設定されている励磁モードの通知を受信して記憶する。尚、電気角監視回路403やステップ信号生成回路405も励磁モード設定回路402から設定されている励磁モードの通知を受信して記憶する。また、チョッピング信号生成回路404は、駆動用パルス生成回路410が駆動用高周波信号から生成した三角波の駆動用パルス信号を矩形波に調整することでチョッピング信号に調整し、ステップ信号生成回路405に出力する。
そして、コントローラ401は、演出制御基板80から制御用クロック信号、正転・逆転信号等の信号が入力されると、ステップ信号生成回路405に対してリールステッピングモータ307L、307C、307Rを正転・逆転信号が示す方向を通知する。このとき、駆動電流設定回路411には、演出制御基板80からA相出力設定信号とB相出力設定信号が入力されており、駆動電流設定回路411は、A相出力設定信号にもとづいて出力パルス生成回路415にて蓄電する電流値を駆動電流比較回路413に通知するとともに、B相出力設定信号とにもとづいて出力パルス生成回路416にて蓄電する電流値を駆動電流比較回路414に通知する。
次いで、ステップ信号生成回路405は、コントローラ401から入力された正転・逆転信号とチョッピング信号生成回路404から入力されたチョッピング信号にもとづいて、パルス出力制御回路412に対して出力パルス生成回路415の蓄電・放電を指示するためのステップ信号と、出力パルス生成回路416の蓄電・放電を指示するためのステップ信号とを出力する。また、ステップ信号生成回路405は、これらステップ信号を出力するごとに電気角監視回路403に対して励磁モードに応じたステップ角度を特定可能な信号を通知する。
パルス出力制御回路412は、ステップ信号生成回路405からのステップ信号の入力にもとづいて出力パルス生成回路415における蓄電を開始する。該蓄電中において、出力パルス生成回路415は該出力パルス生成回路415にて蓄電されている電流値を駆動電流比較回路413に対して通知するようになっている。また、駆動電流比較回路413は、該出力パルス生成回路415にて蓄電されている電流値が駆動電流設定回路411から通知された電流値に達したことにもとづいて、パルス出力制御回路412に対して出力パルス生成回路415に駆動電流設定回路411から通知された電流値の電流の蓄電が完了したことを通知する。
そして、パルス出力制御回路412は、出力パルス生成回路415に駆動電流設定回路411から通知された電流値の電流の蓄電が完了したことにもとづいて、出力パルス生成回路415から各リールステッピングモータ307L、307C、307RのA相への放電(パルス信号の出力)を行うように出力パルス生成回路415を制御する。
同様に、パルス出力制御回路412は、ステップ信号生成回路405からのステップ信号の入力にもとづいて出力パルス生成回路416における蓄電を開始する。該蓄電中において、出力パルス生成回路416は該出力パルス生成回路416にて蓄電されている電流値を駆動電流比較回路414に対して通知するようになっている。また、駆動電流比較回路414は、該出力パルス生成回路415にて蓄電されている電流値が駆動電流設定回路411から通知された電流値に達したことにもとづいて、パルス出力制御回路412に対して出力パルス生成回路416に駆動電流設定回路411から通知された電流値の電流の蓄電が完了したことを通知する。
そして、パルス出力制御回路412は、出力パルス生成回路415、416に駆動電流設定回路411から通知された電流値の電流の蓄電が完了したことにもとづいて、出力パルス生成回路415、416から各リールステッピングモータ307L、307C、307RのB相への放電(パルス信号の出力)を行うように、出力パルス生成回路415、416を制御する。尚、後述するように、出力パルス生成回路415、416から出力されるパルス信号の電流値は、励磁モードに応じて異なっているが、設定電流値を超えることはない。
以上のように出力パルス生成回路415、416にて蓄電された電流の放電が行われることによって、各リールステッピングモータ307L、307C、307RのA相には、駆動電流設定回路411に入力されたA相出力設定信号にもとづく電流値が印加され、各リールステッピングモータ307L、307C、307RのB相には、駆動電流設定回路411に入力されたB相出力設定信号にもとづく電流値が印加されるようになっている。また、演出制御基板80(演出制御用CPU)から駆動電流設定回路411に入力されるA相出力設定信号とB相出力設定信号によって各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動中であっても各出力パルス生成回路415、416から出力されるパルス信号の電流値を変更することによって、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rのトルク及び発熱量を変更することが可能となっている。尚、本実施例における各リールステッピングモータ307L、307C、307Rにおいては、A相とB相に印加される電流値が増加することによってトルクと発熱量が増大する一方で、A相とB相に印加される電流値が低下することによってトルクと発熱量が減少するようになっている。
次に、励磁モード設定回路402が演出制御基板80から入力された励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2の組み合わせに応じて設定可能な励磁モードについて説明する。励磁モード設定回路402において励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2が全てLowである場合は、励磁モードがスタンバイモードに設定される。スタンバイモードとは、駆動用パルスの生成や出力パルス生成回路415、416からのパルス信号の生成を停止するモードである。また、励磁モード設定回路において励磁設定信号0と励磁設定信号1がLowであり励磁設定信号2がHighである場合は、励磁モードが2相励磁設定に設定され、励磁設定信号0と励磁設定信号2がLowであり励磁設定信号1がHighである場合は、励磁モードが1−2相励磁(Aタイプ)設定に設定され、励磁設定信号0がHIghであり励磁設定信号1と励磁設定信号2がHighである場合は励磁モードがW1−2相励磁設定に設定され、励磁設定信号0がHighであり励磁設定信号1と励磁設定信号2がLowである場合は励磁モードが1−2相励磁(Bタイプ)設定に設定され、励磁設定信号0と励磁設定信号2がHighであり励磁設定信号1がLowである場合は励磁モードが2W1−2相励磁設定に設定され、励磁設定信号0と励磁設定信号1がHighであり励磁設定信号2がLowである場合は励磁モードが4W1−2相励磁設定に設定され、励磁設定信号0〜2が全てHighである場合は励磁モードが8W1−2相励磁設定に設定される。
尚、図18及び図19に示すように、2相励磁設定と1−2層励磁(Aタイプ)設定は、これら励磁設定にもとづく0%、+100%、−100%の電流値をA相とB相とに印加することで第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを駆動させるフルステップ駆動を実行する設定である。つまり、これらフルステップ駆動は、図16〜図19に示すように、A相とB相のうち、A相のみまたはB相のみに常に同一電流値が印加される場合と、A相とB相とに同一電流値が印加される場合のみが設けられているため、ステップ角度が大きく設定されている。また、これらフルステップ駆動は、A相のみまたはB相のみに同一電流値が印加される場合と、A相とB相とに同一電流値が印加される場合が設けられているため、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは定電流にて駆動する。
一方、図20及び図21に示すように、1−2相励磁(Bタイプ)設定、W1−2相励磁設定、2W1−2相励磁設定、4W1−2相励磁設定、8W1−2相励磁設定は、各励磁設定にもとづく0%、+100%、−100%の電流値に加えて、+71%、+38%、−38%、−71%等のより細分化された電流値をA相とB相とに印加することで第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rをフルステップ駆動よりも細かく駆動させる(基本ステップ角を小さくする)マイクロテップ駆動を実行する設定である。つまり、これらマイクロテップ駆動は、図16、図17、図20及び図21に示すように、A相・B相に印加される電流値がフルステップ駆動よりも細かく設定されていることによって、フルステップ駆動よりもステップ角度が小さく設定されている(1−2相励磁(Bタイプ)設定、W1−2相励磁設定、2W1−2相励磁設定、4W1−2相励磁設定、8W1−2相励磁設定の順に基本ステップ角度が小さくなっていく)。
これらマイクロステップ駆動を実行する設定においては、フルステップ駆動を実行する設定とは異なり各相に100%未満の電流値が印加される場合があるので、設定されている設定電流値がフルステップ駆動を実行する設定を同一である場合は、1相に印加される電流値がフルステップ駆動を実行する場合よりも小さくなってしまう。そこで、本実施例のマイクロステップ駆動を実行する設定においては、フルステップ駆動を実行する設定よりも設定電流値を大きくすることによって、1相に印加される電流値がフルステップ駆動を実行する設定が同等となるように設定されている。つまり、マイクロステップ駆動を実行する設定においては、1−2相励磁(Bタイプ)設定、W1−2相励磁設定、2W1−2相励磁設定、4W1−2相励磁設定、8W1−2相励磁設定の順に各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの回転が滑らかとなっていく一方で、消費電力が増加し、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの回転速度が低下していく。また、これらマイクロステップ駆動は、A相とB相とに異なる電流値が印加されることがあるため、フルステップ駆動とは異なり、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは定電流にて駆動しない。更に、図17に示すように、マイクロステップ駆動では、A相に38%、B相に100%の電流値が印加される等、フルステップ駆動よりも多くの場合でA相とB相とに印加される合計電流値が大きくなる、つまり、マイクロステップ駆動は、フルステップ駆動よりも消費電力が大きくなっている。
尚、本実施例において演出制御基板80(演出制御基板80に搭載されている演出制御用CPU)が励磁モードを変更する場合は、図10の励磁モード変更処理に示すように、先ず、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの動作状態(例えば、駆動中であるか停止中であるか、いずれの励磁モードに設定されているか等)を確認する(S601)。そして、演出制御基板80は、各モータ駆動回路85、86、87に対して電気角初期化信号の出力状態を特定し(S602)、各モータ駆動回路85、86、87から出力される電気角信号がLowとなっているか否かを判定する(S603)。電気角信号がLowとなっていない場合(S603;N)は、S602とS603の処理を繰り返し実行し、電気角信号がLowとなっている場合(S603;Y)は、変更後の励磁モード(図8参照)に応じて各励磁設定信号(励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2)の出力を変更することによって、励磁モード設定回路402において励磁モードを変更させる(S604)。
尚、本実施例の励磁モード変更処理では、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの回転が停止していること(停止状態であること)を確認した後(S601)、電気角初期化信号の出力と電気角信号がLowとなっているかを繰り返し判定し(S602とS603)、電気角信号がLowとなったことにもとづいて励磁モードの変更を行う(S604)形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの回転が停止していること(停止状態であること)を確認した時点で既に電気角信号がLowとなっている場合は、電気角初期化信号を出力することなく励磁モードの変更を行うようにしてもよいし、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rが回転しているときに、電気角信号がLowとなっていることを確認して、電気角信号がLowとなったことにもとづいて励磁モードの変更を行うことで、回転中においても励磁モードの変更を行うようにしてもよい。
以上のように構成されたモータ駆動回路85、86、87(リール駆動制御基板81)に接続された第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは、図22に示すように、演出図柄の変動表示として回転するリール301L、301C、301Lを回転させるために駆動する。尚、これら第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは、駆動している間は電流値I1が印加されることによって各リール301L、301C、301Rを回転速度V1にて回転させる。尚、本実施例における電流値I1は、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rの全ての回転速度においてこれら第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rに振動が発生し易い振動領域外の電流値である。
つまり、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは、電流値I1の印加にて駆動している場合は、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rの回転速度にかかわらず振動が発生し難くなっている。このように、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを全ての回転速度で振動領域とならない電流値I1にて駆動させることによって、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rの駆動を制御するためのプログラムの設計を容易とすることができる。
尚、本実施例では、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを電流値I1の印加によって駆動する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは、駆動する速度に応じて異なる電流値が印加されてもよい。このように、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rに異なる複数の電流値を印加可能とする場合は、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rの振動領域に対応する電流値とは異なる電流値を印加することによって、リール301L、301C、301Rが遊技者から振動しているように視認されてしまうことを防止することが望ましい。
そして、これら第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは、電流値I1よりも低い電流値I2(I1>I2>0)が各リールステッピングモータ307L、307C、307RのA相とB相とに印加されることによって、駆動が停止(各リール301L、301C、301Rの回転速度0)した後も各リールステッピングモータ307L、307C、307RのA相とB相とに発生した磁力(A相とB相とに同一の大きさの電流値が印加されたことにより生じた大きさが同一の磁力)によって各リール301L、301C、301Rを保持する。
尚、詳細は後述するが、図22に示すように、本実施例における各リールステッピングモータ307L、307C、307Rは、共に駆動開始から期間Tが経過したタイミングで駆動を停止する場合がある。このとき、第1リールステッピングモータ307Lは、駆動停止から期間T1(例えば、100ms)が経過したことにもとづいて印加されている電流値がI1からI2に変化し、第2リールステッピングモータ307Cは、駆動停止から期間T2(例えば、200ms)が経過したことにもとづいて印加されている電流値がI1からI2に変化し、第3リールステッピングモータ307Rは、駆動停止から期間T3(例えば、150ms)が経過したことにもとづいて印加されている電流値がI1からI2に変化する。つまり、これら第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rは、演出図柄の変動表示において駆動停止タイミングが同一である場合、電流値が変化するタイミングが異なっている。
特に、本実施例では、前述したように、マイクロステップ駆動を実行する設定においては、フルステップ駆動を実行する設定よりも大きな設定電流値が設定されるため、印加されている電流値を変化させずに各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動を停止させると、これらリールステッピングモータ307L、307C、307Rからの発熱が大きくなってしまい、モータ駆動回路85、86、87の誤動作(例えば、モータ駆動回路85、86、87が誤ってリセットされてしまう等)が発生する虞がある。そこで、本実施例では、図22に示すように、マイクロステップ駆動を実行する設定においては、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動を停止させる際には、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rに印加されている電流値を変化(I1からI2に低下)させることによって、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの発熱を抑えるようになっている。
このように、本実施例では、演出図柄の変動表示中において各リールステッピングモータ307L、307C、307Rに印加されている電流値の変化タイミングをずらすことによって、モータ駆動用電源回路83、84にて供給電力量が変化することにより発生する負荷を低減している一方で、演出図柄の変動表示として各リール301L、301C、301Rの回転を開始させる場合は、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rに印加する電流値がI2からI1に変化して駆動させるタイミングが同一となっている。しかしながら本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、1の演出図柄の変動表示が終了して新たな演出図柄の変動表示が開始される場合、つまり、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動が停止している状態で再び各リールステッピングモータ307L、307C、307Rを駆動させる場合は、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rに電流値I1を印加するタイミング、つまり、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rを駆動させるタイミングを異ならせることによって、モータ駆動用電源回路83、84にて供給電力量が変化することにより発生する負荷を低減してもよい。
次に、本実施例の演出用変動表示ユニット300について、図面にもとづいて説明する。図11は、演出用変動表示ユニットを示す斜視図である。図12は、図11の演出用変動表示ユニットの内部構造を示す分解斜視図である。図13は、リールを斜め前から見た状態を示す斜視図である。図14は、リールを示す分解斜視図である。図15は、リール保持枠とリールステッピングモータの取付構造を示す図である。尚、以下の説明においては、パチンコ遊技機1の正面に対峙した状態での上下左右方向を基準として説明する。
図11及び図12に示すように、演出用変動表示ユニット300(演出表示装置9)は、前面が開口するケース体302と、ケース体302の前面開口を閉塞する透明板303と、ケース体302内部に左右方向に並設されるリール301L、301C、301Rと、から主に構成される。尚、透明板303の背面には、リール301L、301C、301Rの変動表示部を視認可能とする透視窓304a(図11の網点領域参照)を形成する印刷シート枠304が配設されている。透明板303は、リール301L、301C、301Rの周面に沿うように側面視円弧状に形成されている。
図11〜図13に示すように、各リール301L、301C、301Rは、互いに左右方向に並設された状態で一体化され、該一体化された状態でケース体302に組み付けられる。尚、各リール301L、301C、301Rはそれぞれ同様に構成されているため、以下においては、リール301Lを一例として説明し、他のリール301C、301Rについての詳細な説明は省略することとする。
図14及び図15に示すように、リール301Lは、前後方向に向けて立設される支持板306L、306Cに対し回動可能に支持されている。具体的には、リール301Lは、隣接するリール301Cの支持板306C(図11中2点鎖線参照)に組み付けられる。尚、右側のリール301Rだけは、その右側に立設される支持板306S(図13参照)により支持される。
リール301Lは、第1リールステッピングモータ307Lと、外周面に複数種類の図柄が配列されたリールシート308と、リールモータ307の回動軸(図示略)に固着され、リールシート308を円形に保持するリール保持枠309と、を備えている。また、図14及び図15には特に図示しないが、リール保持枠309の内側には、リール301L(リールシート308)に対して光を照射可能なように第1リールライト310aが配置されている。
第1リールステッピングモータ307Lは、内部に前述した回転子と固定子を備えるモータ本体321と、該モータ本体321から延設された回動軸323に取り付けられた回動板322と、を備えている。第1リールステッピングモータ307Lは、回動軸323が左右方向を向く状態でモータ本体321が支持板306Cの左側面に固定されており、回動板322は、モータ本体321の左側方に配置されている。そして、回動板322は、リール保持枠309の内側において該リール保持枠309に接続されている。つまり、リール301Lは、第1リールステッピングモータ307Lのモータ本体321にて生じた駆動力が回動軸323と回動板322及びリール保持枠309に伝達されることによって回動するようになっている。
回動板322の周端縁部には、スリット322a、322bが該回動板322の回転方向に沿って離間して形成されている。また、モータ本体321の左端部には、第1リール原点検出センサ309a、309bが配置されており、スリット322a、322bを同時に検出可能に配置されている。尚、本実施例では、第1リール原点検出センサ309aがスリット322aを検出するとともに、第1リール原点検出センサ309bがスリット322bを検出する位置をリール301Lの原点位置(初期位置)とする。
尚、本実施例では、図15に示すように、リール301L内にスリットと該スリットを検出するための第1リール原点検出センサとを2つずつ設けることによって、リール301Lの原点位置(初期位置)をリール301L内の2点で検出可能とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、リール301L内にスリットと第1リール原点検出センサとをそれぞれ1つずつ設けることによって、リール301Lの原点位置(初期位置)をリール301L内の1点のみで検出可能としてもよい。また、リール301L内にスリットと第1リール原点検出センサとをそれぞれ3つ以上ずつ設けることによって、リール301Lの原点位置(初期位置)をリール301L内の3点以上で検出可能としてもよい。
次に、演出制御基板80の動作を説明する。図23は、演出制御基板80に搭載されている図示しない演出制御用CPUが実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPUは、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための第1初期化処理(S50)と、各リール301L、301C、301Rの原点位置への復帰と動作確認を行うための第2初期化処理を行う(S51)。その後、演出制御用CPUは、タイマ割込フラグの監視(S52)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPUは、タイマ割込処理によりタイマ割込フラグをセットする。メイン処理で、タイマ割込フラグがセット(オン)されていたら、演出制御用CPUは、そのフラグをクリアし(S53)、以下の処理を実行する。
演出制御用CPUは、まず、コマンド解析処理を行う(S54)。コマンド解析処理では、受信コマンドバッファに格納されている主基板31から送信されてきたコマンド(図示略)が、どのコマンドであるのか解析する。尚、主基板31から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。そして、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う。
次いで、演出制御用CPUは、スイッチ検出処理を行う(S55)。スイッチ検出処理では、第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309fの検出状況、モータ駆動回路85〜87からの異常検知信号、電気角信号、A相電流検出信号、B相電流検出信号の出力状況を特定する。特に、リール原点検出センサの検出状況及び電気角信号の出力状況は、スイッチ検出処理で2回連続同じ出力状態(ON(Low)またはOFF(High))が特定されることで確定し、確定した出力状態にもとづいて出力状態が変化したこと(ON(Low)からOFF(High)、OFF(High)からON(Low))が特定されるようになっており、ノイズなどによって出力状態に変化があっても誤って出力状態の変化が特定されることがないようになっている。
次いで、演出制御用CPUは、演出制御プロセス処理を行う(S56)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPUは、演出用乱数更新処理を行う(S57)。演出用乱数更新処理では、演出制御用CPUが行う各種抽選に用いられる乱数カウンタを更新する。
図24及び図25は、本実施例の第2初期化処理(S51)を示すフローチャートである。第2初期化処理において演出制御用CPUは、先ず、設定データにもとづいて最初に動作させる可動役物(リール301L、301C、301R)を特定してS103に進む(S101)。設定データには、リール301L、301C、301Rの順序データが含まれており、本実施例では、該順序としてリール301L→リール301C→リール301Rの順が予め設定されている。よって、最初にS101が実行されるときには、リール301Lが対象のリールとして特定されることになる。
S103において演出制御用CPUは、動作対象リールに対応する原点検出センサの検出状態を特定し、2つの原点検出センサが検出状態であるか否か、つまり、動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置しているか否かを判定する(S104)。つまり、S103及びS104においては、動作対象リールが第1リール301Lである場合は、第1リール原点検出センサ309a、309bがいずれもスリット322a、322bを検出しているか否かを判定し、動作対象リールが第2リール301Cである場合は、第2リール原点検出センサ309c、309dがいずれもスリット322a、322bを検出しているか否かを判定し、動作対象リールが第3リール301Rである場合は、第3リール原点検出センサ309e、309fがいずれもスリット322a、322bを検出しているか否かを判定する。
原点位置(初期位置)に位置していない場合(S104;N)には、S105に進んで、非検出時動作制御の実行回数を計数するための非検出時動作回数カウンタに0をセットする(S105)。そして、演出制御用CPUは、動作対象リールに対応するリールステッピングモータ(例えば、動作対象リールがリール301Lであれば、第1リールステッピングモータ307L)を駆動させるために、対応するモータ駆動回路に対して正転・逆転信号や出力制御信号、A相出力設定信号、B相出力設定信号等の出力状態を変化させることによって、動作対象リールを動作させる制御速度を、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図26、図27参照)に設定する(S106)。
そして、演出制御用CPUは、前述した出力制御信号等をモータ駆動回路に対して出力したことによって、動作対象リールの原点位置に向けての動作(回転)を開始させるとともに(S107)、非検出時動作期間タイマのタイマカウントを開始する(S108)。尚、非検出時動作期間タイマのタイマカウントは、例えば、第1初期化処理にて初期化されたCTCから一定期間毎に出力される信号の数をカウントすること等により行うようにすればよい。
そして、2つの原点検出センサが検出状態となるか否かとともに、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となったか否かを監視する監視状態に移行する(S109、S110)。
動作対象リールのリールステッピングモータを原点位置方向に駆動させることで動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置して2つの原点検出センサが検出状態となった場合(S109;Y)には、演出制御用CPUは、出力制御信号等のモータ駆動回路に出力している信号の出力状況を変化させることによって動作対象リールに対応するリールステッピングモータの駆動を停止してS130に進む。尚、このとき、図26に示すように、動作対象リールに対応するリールステッピングモータを駆動するモータ駆動回路(電気角監視回路403)は、動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置したことにもとづいて電気角信号の出力をLowにて開始する。一方、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となった場合、つまり、上限時間が経過しても動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置しなかった場合(S110;Y)には、S112に進んで、非検出時動作回数カウンタに1を加算して(S112)、該加算後の非検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S113)。
S113において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合(S113:Y)には、演出制御用CPUは、出力制御信号等のモータ駆動回路に出力している信号の出力状況を変化させることによって動作対象リールに対応するリールステッピングモータの駆動を停止し、当該動作対象リールの原点復帰エラーを記憶し(S114)、S130に進む。つまり、非検出時動作制御において動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、当該動作対象リールについて後述する実動作確認用動作制御を実行しないようにする(当該動作対象リールをデッドエンド状態する)ために原点復帰エラーを記憶し、S130に進む。
尚、本実施例では、S113において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象リールをデッドエンド状態する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、S113において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、エラー処理を開始し、該エラー処理を実行することにより、第2初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS52に進むことなく中断され、演出制御基板80(演出制御用CPU)が起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象リールをデッドエンド状態とした場合、演出制御基板80(演出制御用CPUなど)は起動するが、例えば、演出制御用CPUは、遊技制御用マイクロコンピュータ156から特別図柄の変動表示が開始されたことを示す信号を受信してもリール301L、301C、301Rを動作(回転)させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
一方、非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達していない場合には、出力制御信号等のモータ駆動回路に出力している信号の出力状況を変化させることによって動作対象リールに対応するリールステッピングモータの駆動を停止してS106に戻り、再度、S106〜S108の処理を行うことにより、動作対象リールを、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度にて原点位置に向けて回転させる動作(非検出時動作制御)を開始して、前述したS109、S110の監視状態に移行する。
よって、S110にてエラー判定時間が経過したと判定されたとしても、動作エラー判定回数に達するまで繰返し動作対象リールを原点位置(初期位置)に向けて回転させる動作(非検出時動作制御)を実行している間に動作対象リールが原点位置(初期位置)にて検出した場合には、S114に進むことなく、S130に進むことになる。
一方、上記したS104において「Y」と判定されてS120に進んだ場合には、検出時動作回数カウンタに0をセットした後、検出時動作プロセスデータをセットし(S121a)、検出時動作プロセスタイマのタイマカウントを開始する(S121b)。尚、検出時動作プロセスタイマのタイマカウントとしては、前述した非検出時動作期間タイマのタイマカウントと同様に、第1初期化処理にて初期化されたCTCから一定期間毎に出力される信号の数をカウントすること等により行うようにすればよい。また、本実施例の検出時動作プロセスデータには、動作対象リールを動作させるための制御速度として、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図26、図27参照)と同じ動作速度で動作対象リールを動作させるための最低制御速度が記述(設定)されている。
次いで、演出制御用CPUは、動作対象リールに対応するリールステッピングモータ(例えば、動作対象リールがリール301Lであれば、第1リールステッピングモータ307L)を駆動させるために、対応するモータ駆動回路に対して正転・逆転信号や出力制御信号、A相出力設定信号、B相出力設定信号等の出力状態を変化させることによって、動作対象リールを動作させる制御速度を、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図26、図27参照)に設定し、動作対象リールを動作(回転)させる(S122)。
次いで、演出制御用CPUは、プロセスデータが完了したか否かを判定し(S123)、プロセスデータが完了していない場合には、S122に戻り、動作対象リールを検出時動作プロセスデータに設定されている最低制御速度にもとづいて動作させる。
このように、検出時動作制御においては、検出時動作プロセスデータが完了するまで、検出時動作プロセスデータに設定されている最低制御速度にもとづく最低速度、つまり、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度にて、動作対象リールを原点位置(初期位置)から一旦動作(回転)させ、該原点位置(初期位置)から離れた位置から原点位置(初期位置)に戻すという動作を行う(図26参照)。尚、原点位置から離れた位置とは、原点位置の近傍位置、つまり、各原点検出センサにより各リールステッピングモータの被検出部(スリット322a、322b)を検出不能な位置である。
S123の判定において、セットされている検出時動作プロセスデータが完了したと判定した場合には、出力制御信号等のモータ駆動回路に出力している信号の出力状況を変化させることによって動作対象リールに対応するリールステッピングモータの駆動を停止してS124に進んで、2つの原点検出センサが検出状態になっているか否か、つまり、動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置しているか否かを判定(確認)する。
2つの原点検出センサが検出状態になっている場合、つまり、動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置している場合にはS130に進む。尚、このとき、図26に示すように、動作対象リールに対応するリールステッピングモータを駆動するモータ駆動回路(電気角監視回路403)は、動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置したことにもとづいて電気角信号の出力をLowにて開始する。
一方、原点検出センサが検出状態になっていない場合、つまり、動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置していない場合には、検出時動作回数カウンタに1を加算して(S126)、該加算後の検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S127)。検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、S128に進んで当該動作対象リールの原点復帰エラーを記憶し(S128)、S130に進む。つまり、検出時動作制御において動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、当該動作対象リールについて後述する実動作確認用動作制御を実行しないようにする(当該動作対象役物をデッドエンド状態する)ために原点復帰エラーを記憶し、S130に進む。
尚、本実施例では、S127において検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象役物をデッドエンド状態する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、S113において検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、エラー処理を開始し、該エラー処理を実行することにより、第2初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS52に進むことなく中断され、演出制御基板80が起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、動作対象リールをデッドエンド状態とした場合、演出制御基板80(演出制御用CPUなど)は起動するが、例えば、演出制御用CPUは、遊技制御用マイクロコンピュータ156から特別図柄の変動表示が開始されたことを示す信号を受信してもリール301L、301C、301Rを動作(回転)させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
S102で「N」と判定された場合、S109で「Y」と判定された場合、もしくはS124で「Y」と判定された場合に実行するS130においては、リール301C、301Rのうちで未だ動作対象としていない残りのリールが存在するか否かを判定し、残りの動作対象リールが存在しない場合には、図25に示す実動作確認用動作制御を行う処理(S200以降の処理)に移行する。一方、残りの動作対象リールが存在する場合には、S131に進んで、次に動作させるリールを特定した後、S102に戻って、該特定したリール(動作対象リール)について、S102以降の上記した処理を同様に実行する。
次に図25に示す処理について説明すると、図25に示すS200において演出制御用CPUは、先ず、前述のS101と同様に、設定データにもとづいて最初に動作確認するリール(確認対象リール)を特定する(S200)。次いで、当該確認対象リールの原点復帰エラーの記憶が有るか否かを判定する(S201)。
確認対象リールの原点復帰エラーの記憶が有る場合は、S202a〜S213までの処理を実行することなくS220に進む。このようにすることで、本実施例では、これら非検出時動作制御や検出時動作制御において原点復帰エラーと判定された各リール301L、301C、301Rについては実動作確認用動作制御を行わないようになっている。
一方、確認対象リールの原点復帰エラーの記憶が無い場合は、S202aに進んで、確認対象リールに対応する実動作確認用プロセスデータをセットする。つまり、確認対象リールがリール301Lであれば、リール301Lの実動作確認用プロセスデータをセットし、確認対象リールがリール301Cであれば、リール301Cの実動作確認用プロセスデータをセットし、確認対象リールがリール301Rであれば、リール301Rの実動作確認用プロセスデータをセットする。尚、これら各実動作確認用プロセスデータには、演出図柄の変動表示として各リール301L、301C、301Rが実際に行う動作と同一の動作を行うように制御速度等が記述(設定)されている。
次いで、実動作確認用プロセスタイマのタイマカウントを開始する(S202b)。尚、実動作確認用プロセスタイマのタイマカウントとしては、前述した非検出時動作期間タイマのタイマカウントと同様に、第1初期化処理にて初期化されたCTCから一定期間毎に出力される信号の数をカウントすること等により行うようにすればよい。
そして、演出制御用CPUは、シリアル信号回路89を介して、確認対象リールに対応するモータ駆動回路に対して正転・逆転信号や出力制御信号、A相出力設定信号、B相出力設定信号等の出力状態を変化させることによって、セットされた実動作確認用プロセスデータにおいて実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度にて確認対象リールを動作させるとともに(S203)、プロセスデータが完了したか否かを判定し(S204)、プロセスデータが完了していない場合には、S203に戻り、確認対象リールを、その時点の実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度にもとづいて動作させる。
このように、実動作確認用プロセスデータが完了するまで、実動作確認用プロセスデータに実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度にて確認対象リールを動作させることにより、確認対象リールの制御速度を、時系列的に順次変更して、演出図柄の変動表示中においてリール301L、301C、301Rを実際に動作させる際に設定する制御速度と同一の加速または減速を行うことができる。
そして、S204の判定において、セットされている実動作確認用プロセスデータが完了したと判定した場合には、演出制御用CPUは、シリアル信号回路89を介して、出力制御信号等のモータ駆動回路に出力している信号の出力状況を変化させることによって確認対象リールに対応するリールステッピングモータの駆動を停止し、2つの原点検出センサが検出状態になっているか否か、つまり、確認対象リールが原点位置(初期位置)に位置しているか否かを判定(確認)する(S205)。
2つの原点検出センサが検出状態になっている場合、つまり、確認対象リールが原点位置(初期位置)に位置している場合にはS220に進む。尚、このとき、図26に示すように、動作対象リールに対応するリールステッピングモータを駆動するモータ駆動回路(電気角監視回路403)は、動作対象リールが原点位置(初期位置)に位置したことにもとづいて電気角信号の出力をLowにて開始する。一方、2つの原点検出センサが検出状態になっていない場合、つまり、確認対象リールが原点位置(初期位置)に位置していない場合には、前述した非検出時動作制御を(図26参照)を行って確認対象リール物を原点位置(初期位置)に位置させるためにS206〜S213の処理を行う。
具体的には、非検出時動作制御の実行回数を計数するための非検出時動作回数カウンタに0をセットした後(S206)、確認対象リールに対応するリールステッピングモータ(例えば、確認対象リールがリール301Lであれば、第1リールステッピングモータ307L)を駆動させるために、対応するモータ駆動回路85に対して正転・逆転信号や出力制御信号、A相出力設定信号、B相出力設定信号等の信号を、シリアル信号回路89を介して出力することによって、確認対象リールを動作させる制御速度を、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図26、図27参照)に設定し、確認対象リールを原点位置に向けて動作(回転)させる(S208)。更に非検出時動作期間タイマのカウントを開始する(S209)
そして、2つの原点検出センサが検出状態となるかとともに、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となったか否かを監視する監視状態に移行する(S210、S211)。
2つの原点検出センサが検出状態になっている場合、つまり、確認対象リールが原点位置(初期位置)に位置している場合にはS220に進む。一方、原点検出センサが検出状態になっていない場合、つまり、確認対象リールが原点位置(初期位置)に位置していない場合には、前述した非検出時動作制御を(図26参照)を行って確認対象リールを原点位置(初期位置)に位置させるためにS206〜S213の処理を行う。
具体的には、非検出時動作制御の実行回数を計数するための非検出時動作回数カウンタに0をセットした後(S206)、確認対象リールに対応するリールステッピングモータ(例えば、動作対象リールがリール301Lであれば、第1リールステッピングモータ307L)を駆動させるために、対応するモータ駆動回路85に対して、シリアル信号回路89を介して、正転・逆転信号や出力制御信号、A相出力設定信号、B相出力設定信号等の出力状態を変化させることによって、動作対象リールを動作させる制御速度を、後述する実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度(図26、図27参照)に設定する(S207)。
そして、演出制御用CPUは、シリアル信号回路89を介して、前述した出力制御信号等をモータ駆動回路に対して出力したことによって、確認対象リールの原点位置に向けての動作(回転)を開始させるとともに(S208)、非検出時動作期間タイマのタイマカウントを開始する(S209)。尚、非検出時動作期間タイマのタイマカウントは、例えば、第1初期化処理にて初期化されたCTCから一定期間毎に出力される信号の数をカウントすること等により行うようにすればよい。
そして、2つの原点検出センサが検出状態となるかとともに、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となったか否かを監視する監視状態に移行する(S210、S211)。
確認対象リールを原点位置(初期位置)に向けて駆動させることで確認対象リールが原点位置(初期位置)に位置して2つの原点検出センサが検出状態となった場合には、S210にて「Y」と判定されてS220に進む。一方、非検出時動作期間タイマが上限時間に対応する値となった場合、つまり、上限時間が経過しても確認対象リールが原点位置(初期位置)に位置しなかった場合には、S212に進んで、非検出時動作回数カウンタに1を加算して(S212)、該加算後の非検出時動作回数カウンタの値が、動作エラー判定回数(例えば3)に達したか否かを判定する(S213)。
非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、S220に進む。尚、本実施例では、S213において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合には、当該動作対象役物をデッドエンド状態する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、S213において非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達している場合に、当該動作対象役物の原点復帰エラーを記憶し、当該動作対象役物について以後は実動作を実行しないようにするようにしてもよい。あるいは、エラー処理を開始し、該エラー処理を実行することにより、第2初期化処理が中断されることで、演出制御メイン処理がS52に進むことなく中断され、演出制御基板80が起動しない状態(デットエンド状態)にするようにしてもよい。
また、確認対象リールをデッドエンド状態とした場合、演出制御基板80(演出制御用CPUなど)は起動するが、例えば、演出制御用CPUは、遊技制御用マイクロコンピュータ156から特別図柄の変動表示が開始されたことを示す信号を受信してもリール301L、301C、301Rを動作(回転)させないようにするといった処理を実行することが好ましい。
一方、非検出時動作回数カウンタの値が動作エラー判定回数に達していない場合には、S207に戻り、再度、S207、S208、S209の処理を行うことにより、確認対象リールを、実動作確認用動作制御(ロング初期化動作制御)における最低速度にて原点位置(初期位置)に移動させる動作(原点復帰時動作)を開始して、前述したS210、S211の監視状態に移行する。
よって、S211にてエラー判定時間が経過したと判定されたとしても、動作エラー判定回数に達するまで繰返し対象役物を原点位置(初期位置)に移動させる動作(非検出時動作制御)を実行している間に対象役物が原点位置(初期位置)にて検出された場合には、S220に進むことになる。
S201で「Y」と判定された場合、S204aで「N」と判定された場合、S205で「Y」と判定された場合、もしくはS210で「Y」と判定された場合に実行するS220においては、リール301L、301C、301Rのうちで未だ動作確認の確認対象としていない残りのリール301L、301C、301Rが存在するか否かを判定し、残りのリール301L、301C、301Rが存在しない場合には、S114やS128で記憶したエラーの記録をクリア(S222)して、当該処理を終了する一方、残りのリール301L、301C、301Rが存在する場合には、S221に進んで、次に動作確認するリール301L、301C、301Rを特定した後、S201に戻って、該特定したリール301L、301C、301Rについて、S201以降の上記した処理を同様に実行する。
以上のように、本実施例のパチンコ遊技機1では、該パチンコ遊技機1に電源が投入された際に第2初期化処理を実行することにより、各リール301L、301C、301Rを電気角信号がLowにて出力される原点位置(初期位置)まで移動させる。そして、各リール301L、301C、301Rが原点位置(初期位置)まで移動した後は、各リール301L、301C、301Rを該原点位置(初期位置)と所定位置との間で往復移動(回動)させることで、各リール301L、301C、301Rを原点位置(初期位置)にて停止させ、電気角信号がLowにて出力されるようにしている。つまり、本実施例における各リール301L、301C、301Rは、パチンコ遊技機1に電源が投入されることによって第2初期化処理が実行されると、各リール301L、301RC、301Rに対応するリールステッピングモータのA相とB相とに同一の強さの電流値が印加され、電気角が45°となる。
ここで、これら図24、図25に示す第2初期化処理が実行されることによるリール301L、301C、301Rの動作態様及び制御内容について、図26、図27を用いて説明する。図26は、演出制御用CPUが行う非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御の動作態様を示す概略説明図である。図27は、(A)は実動作確認用動作制御における制御速度を示す説明図、(B)は検出時動作制御における制御速度を示す説明図、(C)は非検出時動作制御における制御速度を示す説明図である。
図26に示すように、リール301L、301C、301Rは、それぞれ原点位置(初期位置)とこれら原点位置(初期位置)から所定量回動した所定位置との間で往復可能に設けられており、原点位置から所定位置への往動作や所定位置から原点位置への復動作は、演出図柄の変動表示として実際に行う実動作とされている。
演出制御用CPUは、第2初期化処理を実行したときに2つの原点検出センサが検出状態でない場合、つまり、リール301L、301C、301Rが何らかの理由(例えば、搬送や遊技島への設置時に原点位置から動いてしまっている場合、前回の動作時に原点復帰できなかった場合(例えば、演出の実行時において、モータの脱調、故障、引っ掛かりなどによりリール301L、301C、301Rの原点復帰が確認できなかったり動作できなくなるといった役物エラー(動作異常)が発生した場合など)、遊技機の振動により原点位置から動いてしまった場合など)により原点位置以外の位置にある場合、原点復帰させるための非検出時動作制御を実行する。この非検出時動作制御を実行する場合、各リール301L、301C、301Rは原点位置から離れた位置にあるため、動作としては各リール301L、301C、301Rを原点位置方向に移動させる動作のみとされている。
また、演出制御用CPUは、第2初期化処理を実行したときに2つの原点検出センサが検出状態である場合、検出時動作制御を実行する。
例えば、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの回動板322に形成されたスリット322a、322bが2つの原点検出センサ(第1リール原点検出センサ309a、309b、第2リール原点検出センサ309c、309d、第3リール原点検出センサ309e、309f)により確実に検出されるように、スリット322a、322bが2つの原点検出センサにより検出されたときから各リール301L、301C、301Rの原点位置方向への動作が規制されるまでの間に所定の動作可能範囲(例えば、遊び)が設定されている場合などにおいては、原点復帰して2つの原点検出センサにより検出された位置(原点位置)からずれた位置に停止することがある。よって、スリット322a、322bが2つの原点検出センサにより検出されていても、各リール301L、301C、301Rをより正確な原点位置に復帰させるための検出時動作制御を行う。
この検出時動作制御は、2つの原点検出センサによるスリット322a、322bの検出状態を一旦解除するために各リール301L、301C、301Rを原点位置から所定位置に向けて回転させた後に原点位置に復帰させる必要があるが、所定位置まで移動させる必要はないので、各リール301L、301C、301Rを原点位置から該原点位置の近傍である検出時動作位置まで移動させた後、原点位置に復帰させる。つまり、実動作よりも短い距離で往復動作させる。
また、演出制御用CPUは、第2初期化処理において非検出時動作制御または検出時動作制御を実行した後、実動作確認用動作制御を実行する。実動作確認用動作制御は、各リール301L、301C、301Rが演出図柄の変動表示として実際に行う実動作と同一の動作とされている。
次に、演出制御用CPUが非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認用動作制御を実行する際に設定する制御速度について比較する。尚、図27(A)、図27(B)、図27(C)にて示す速度は、演出制御用CPUが各リール301L、301C、301Rを動作させるために設定する制御速度であって、各リール301L、301C、301Rの実際の動作速度とは異なる。つまり、例えば、所定のリールを動作させる場合において、原点位置と所定位置との間における一の移動区間と他の移動区間に同一の制御速度を設定した場合でも、一の移動区間と他の移動区間とで態様が異なる場合や、同一の移動区間でも各リール301L、301C、301Rが正転する場合と逆転する場合においては、各リール301L、301C、301Rを実際に動作させた場合の動作速度は制御速度とは異なることがある。また、各リール301L、301C、301Rに対し同一の制御速度を設定しても、各リール301L、301C、301Rの大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、各各リール301L、301C、301Rの実際の動作速度は必ずしも同一にはならない。複数のリール301L、301C、301Rを同一性能のリールステッピングモータにて動作させる場合において、各リール301L、301C、301Rに対し同一の制御速度を設定しても、各リール301L、301C、301Rの大きさ、重量、動作態様、動作距離、駆動機構等の違いがある場合、各リール301L、301C、301Rの実際の動作速度は必ずしも同一にはならない。
図27(A)に示すように、演出制御用CPUは、実動作確認用動作制御を実行する場合、セットした実動作確認用プロセスデータにおいて実動作確認用プロセスタイマのタイマカウント値に対応して設定されている制御速度にもとづいて確認対象リールを動作させる。具体的には、原点位置から加速した後に減速して所定位置に停止させるとともに、所定位置から加速した後に減速して原点位置に停止させる制御を行う。すなわち、各リール301L、301C、301Rが正常に動作可能であることを確認するための実動作確認用動作制御では、原点位置と所定位置との間において、各リール301L、301C、301Rの制御速度を低速→高速→低速の順に変化させる。つまり、演出制御用CPUは、各リール301L、301C、301Rを演出図柄の変動表示として回転させる場合、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で各リール301L、301C、301Rが動作するように制御するため、実動作確認用動作制御を実行する場合においても、第1速度である最低速度(低速)と該最低速度よりも速い第2速度としての最高速度(高速)との範囲内の速度で各リール301L、301C、301Rが動作するように制御する。
すなわち、上記第1速度としての最低速度や第2速度としての最高速度は、各リール301L、301C、301Rの実際の動作速度であって、該動作速度としての最低速度や最高速度となるように制御速度が設定されることになる。尚、以下においては、最低制御速度にもとづいて各リール301L、301C、301Rを動作させた場合は最低速度にて動作し、最高制御速度にもとづいて各リール301L、301C、301Rを動作させた場合は最高速度にて動作するものとして説明する。
ここで、各リール301L、301C、301Rの加速時及び減速時における動作速度が、実動作確認用動作制御における最低速度となるように制御速度が設定されている。また、所定位置に移動した後に原点位置に復帰させる際においては、所定位置に停止させるときよりも長い時間にわたり実動作確認用動作制御における最低速度となるように制御することで、各リール301L、301C、301Rを確実に減速させてから2つの原点検出センサによりスリット322a、322bが検出されるようにしている。
図27(B)に示すように、演出制御用CPUは、検出時動作制御を実行する場合、原点位置から所定位置まで移動させる期間及び所定位置から原点位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて各リール301L、301C、301Rが動作するように制御する。つまり、演出制御用CPUは、第1動作制御としての検出時動作制御における最高速度が、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度(本実施例では、実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度)となるように、常に実動作確認用動作制御において設定されている制御速度のうち最も低い最低制御速度にもとづいて各リール301L、301C、301Rを動作させる制御を行う。
また、検出時動作制御の場合、実動作確認用動作制御に比べて各リール301L、301C、301Rの動作距離が短いため、実動作確認用動作制御において加速したときの制御速度、つまり高速で動作させると、2つの原点検出センサにてスリット322a、322bを確実に検出できない虞があるため、実動作確認用動作制御における最低速度にて動作するように制御する。
また、図27(C)に示すように、演出制御用CPUは、非検出時動作制御を実行する場合、原点位置と所定位置との間の任意の位置から原点位置まで移動させる期間において、常に実動作確認用動作制御における最低速度(第1速度)にて動作するように制御する。つまり、演出制御用CPUは、第1動作制御としての非検出時動作制御における最高速度(最大動作速度)が、第2動作制御としての実動作確認用動作制御における最低速度以下の速度(本実施例では、実動作確認用動作制御における最低速度と同じ速度)となるように、常に実動作確認用動作制御において設定されている制御速度のうち最も低い最低制御速度にもとづいて各リール301L、301C、301Rを動作させる制御を行う。
この場合、各リール301L、301C、301Rは原点位置からどの程度離れた位置にあるかが不明であるため、各リール301L、301C、301Rが原点位置の近傍に位置していた場合、実動作確認用動作制御において加速したときの制御速度、つまり高速で動作させると、各リール301L、301C、301Rが原点位置に復帰したときに2つの原点検出センサにてスリット322a、322bを確実に検出できない虞があるため、実動作確認用動作制御における最低速度にて動作するように制御する。
このように本実施例では、演出制御用CPUは、第1動作制御としての非検出時動作制御や検出時動作制御を実行する場合、実動作確認用動作制御において設定されている最低制御速度にもとづいて常に単一(一定)の動作速度で各リール301L、301C、301Rが動作するように制御を行う。
尚、本実施例では、電源投入時において非検出時動作制御または検出時動作制御、実動作確認用動作制御を実行するようにしており、これら非検出時動作制御または検出時動作制御、実動作確認用動作制御が実行されているとき、つまり、非検出時動作や検出時動作や実動作確認用動作の実行中に始動入賞が発生した場合には、該始動入賞の発生にもとづいて可変表示の開始を指示するコマンドが主基板31から演出制御基板80に送信されてくるが、これら非検出時動作や検出時動作や実動作確認用動作の実行中で、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rが動作しているときに、可変表示の動作を開始しようとすると、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rが脱調して、意図しない図柄の組合せにてリール301L、301C、301Rが停止してしまい、ハズレ図柄の停止表示が大当り図柄の停止表示になってしまう可能性があるので、このように第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rが既に動作しているときに、該動作とは異なる動作を指示するコマンドが主基板31から送信されてきた場合には、該コマンドを無視して既に動作している動作を継続するか、或いは、該コマンドに対応する動作制御を留保し、既に実行中の動作を変更可能なタイミング、例えば、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rが停止した状態となった場合に、保留していた動作制御を開始するようにしてもよい。つまり、駆動手段である第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rが、動作していること等によって、励磁モードやステップレート等を変更できない状態にあるときに、これらの変更を伴う動作変更を指示するコマンドを主基板31から受信した場合には、演出制御基板80は、これらコマンドを無視または留保して既に動作している動作を継続する。但し、これらコマンドを無視したりコマンドに対応する動作制御を留保する場合にあって、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307R以外に、特別図柄の可変表示が実行されていることを示す特殊図柄(例えば、所謂第4図柄等)の表示装置を備えている場合には、これら特殊図柄の可変表示については、無視或いは留保することなく、コマンドの受信に応じて特殊図柄の可変表示を実行すればよい。
図28は、演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S56)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPUは、先ず、第1保留記憶表示部9a及び第2保留記憶表示部9bにおける保留記憶表示を、演出制御バッファ設定部の記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する(S72)。
その後、演出制御用CPUは、演出制御プロセスフラグの値に応じてS73〜S79のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73):主基板31から変動パターンを特定可能なコマンド(変動パターン指定コマンド)を受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理で変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S74)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S74):演出図柄の変動(各リール301L、301C、301Rの回転)が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S75)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S75):各リール301L、301C、301Rの回転を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S76):全リール301L、301C、301Rの停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動(各リール301L、301C、301Rの回転)を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S77)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S77):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り遊技中処理(S78)に対応した値に更新する。
大当り遊技中処理(S78):大当り遊技中の制御を行う。例えば、特別可変入賞球装置20が開放中であることを特定可能な大入賞口開放中指定コマンドや特別可変入賞球装置20が閉鎖されたことを特定可能な大入賞口開放後指定コマンドを受信したら、演出表示装置9におけるラウンド数の表示制御等を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S79)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S79):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(S73)に対応した値に更新する。
図29は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S75)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPUは、プロセスタイマ及び変動時間タイマの値を−1する(S301、S302)。
そして、演出制御用CPUは、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する(S303)。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切り替えを行い(S304)、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせて(S305)、プロセスタイマに対応するプロセスデータの内容(LED制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御データ等)に従って演出装置(演出用部品)の制御を実行し(S307)、さらにプロセスタイマに対応するプロセスデータの内容(リール制御実行データ)に従ってリール301Lの変動制御を行うリール変動処理1、リール301Cの変動制御を行うリール変動処理2、リール301Rの変動制御を行うリール変動処理3を実行する(S308〜S310)。一方、プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、S307に進み、演出装置の制御を実行し(S307)、リール変動処理1〜3を実行する(S308〜S310)。
尚、本実施例におけるS308〜S310の処理においては、リール制御実行データにもとづいて後述する励磁パターンを設定することでモータ駆動回路85〜87に対する制御用クロック信号の出力間隔の変更や正転・逆転信号の出力状態を変更することによって、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの回転速度や回転方向を変更する制御を実行可能である。尚、前述した実動作確認用プロセスデータによる実動作確認用動作制御や、検出時動作制御についても、プロセスデータによるリール変動処理と同じく、リール制御実行データにもとづいて速度の制御が実行される。
S308〜S310のリール変動処理1〜3の後、変動時間タイマがタイマアウトしているか否か確認する(S311)。変動時間タイマがタイマアウトしていれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新して演出図柄変動中処理を終了する(S313)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても、演出図柄の変動表示が終了することを特定可能なコマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことを示す確定コマンド受信フラグがセットされていたら(S312;Y)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S76)に応じた値に更新して演出図柄変動中処理を終了する(S313)。変動時間タイマがタイマアウトしていなくても図柄確定指定コマンドを受信したら変動を停止させる制御に移行するので、例えば、基板間でのノイズ等に起因して長い変動時間を示す変動パターン指定コマンドを受信したような場合でも、正規の変動時間経過時(特別図柄の変動終了時)に、演出図柄の変動を終了させることができる。
尚、演出図柄の変動制御(各リール301L、301C、301Rの回転)に用いられているプロセステーブルには、リール301L、301C、301Rの回転中のプロセスデータが設定されている。つまり、プロセステーブルにおけるプロセスデータ1〜nのプロセスタイマ設定値の和は演リール301L、301C、301Rの回転時間(変動時間)に相当する。よって、S304の処理において最後のプロセスデータnのプロセスタイマがタイマアウトしたときには、切り替えるべきプロセスデータ(リール制御実行データやLED制御実行データ等)はなく、プロセステーブルにもとづく演出図柄の演出制御(各リール301L、301C、301Rの変動制御)は終了する。
図30〜図32は、図柄変動中処理におけるリール変動処理1(S308)を示すフローチャートである。尚、リール変動処理2(S309)、リール変動処理3(S310)では、対象とするリールが異なるのみで他は同一の処理が行われるようになっている。また、以下では、リール301L、301C、301Rを単にリールと呼ぶことがあり、リールステッピングモータ307L、307C、307Rを単にリールステッピングモータと呼ぶことがあり、リール原点検出センサ309a〜fを単にリール原点検出センサと呼ぶことがあり、モータ駆動回路85〜87を単にモータ駆動回路と呼ぶことがある。
リール変動処理1において、演出制御用CPUは、対応するリールが停止中か否かを判定する(S401)。対応するリールが停止中か否かは、対応するリールのリール変動制御の状態を示す状態フラグとして「停止」が設定されているか否かにより判定する。尚、状態フラグは、後述する各状態(「原点確認1」、「原点確認2」、「原点確認3」…「停止」)に対応する各値とされることで、いずれの状態であるのかを特定することができる状態特定データである。
S401において対応するリールの停止中と判定された場合には、プロセスデータ(リール制御実行データ)を参照し、対応するリールの回転開始時期であるか判定し(S402)、対応するリールの回転開始時期でなければ図柄変動中処理に復帰する。
S401において対応するリールの停止中でないと判定された場合には、対応するリールステッピングモータのステップレートを計測するステップレートカウンタの値を1減算し(S411)、ステップレートカウンタの値が0か否か、すなわちステップレートに対応する期間が経過したか否かを判定し(S412)、ステップレートカウンタの値が0でなければ図柄変動中処理に復帰する。
S412においてステップレートカウンタが0であれば、シリアル信号回路89を介して制御用クロック信号を対応するモータ駆動回路に対して出力する(S413)。これに伴いモータ駆動回路においてステップが進行することとなる。
次いで、励磁パターンが切り替わるまでの期間を計測する励磁パターン切替カウンタの値を1減算し(S414)、励磁パターン切替カウンタの値が0か否か、すなわち励磁パターンを切り替えるタイミングか否かを判定し(S415)、励磁パターン切替カウンタの値が0でなければS434に進む。
S402において対応するリールの回転開始時期であると判定された場合、S415において励磁パターン切替カウンタの値が0であると判定された場合には、プロセスデータ(リール制御実行データ)を参照し、当該タイミングにおいて適用する励磁パターンを設定し(S416)、設定した励磁パターンの総ステップ数を励磁パターン切替カウンタに設定し(S417)、励磁パターンが変更されてからのステップ数を計数するステップカウンタを初期化して0を設定する(S418)。
励磁パターンとは、リールの変動状況に応じたリールステッピングモータの励磁内容が設定されたデータであり、図33に示すように、ステップ数毎に適用される励磁モードとステップレートが設定されている。
また、励磁パターンは、定速回転させるための励磁パターン、加速させるための励磁パターン、減速させるための励磁パターンを含む。定速回転させるための励磁パターンは、励磁モードの異なる励磁パターンを含み、異なる励磁モードの励磁パターンを用いることにより異なる回転速度に制御できるようになっている。さらに励磁モードが同じ励磁パターンであっても、ステップレートが異なる励磁パターンを含み、異なるステップレートの励磁パターンを用いることにより励磁モードが同じでも異なる回転速度に制御できるようになっている。加速させるための励磁パターンは、停止状態から定速回転の励磁パターンへ移行させるための励磁パターンまたは回転速度の遅い励磁パターンから回転速度の速い励磁パターンへ移行させるための励磁パターンであり、減速させるための励磁パターンは、回転速度の速い励磁パターンから回転速度の遅い励磁パターンへ移行させるための励磁パターンである。これらの加速または減速に用いる励磁パターンは、ステップレートを徐々に変更することにより、回転を開始する場合や回転速度を変更することに伴って励磁パターンが変更される場合に、変更前の励磁パターンから変更後の励磁パターンにスムーズに移行させるための励磁パターンである。また、加速または減速に用いる励磁パターンは、変化前後の速度の違い、励磁モードの違いに応じて複数の励磁パターンを含む。
尚、本実施例において一の励磁パターンに適用される励磁モードは常に同一であり、励磁パターンが変更されるタイミングでのみ励磁モードが変更されることとなるが、一の励磁パターンに適用される励磁モードとして複数の励磁モードを切り替えることによりリールの加速または減速を行うものであってもよい。
次いで、励磁パターンの変更により加速または減速から定速に変化したか否かを判定し(S419)、加速または減速から定速に変化した場合には、状態フラグを「待機」に変更し(S420)、待機ステップ数を設定し(S421)、S431に進む。
待機ステップ数は、加速または減速後にリールの回転が安定するまでの待機期間を計測するための値であり、変化前後の励磁モード、速度変化の大きさ、加速であるか減速であるか、に応じてリールの回転が安定するまでに要する期間が異なるため、S421では、複数の期間から速度変化の状況に応じた最適な期間となる値が待機ステップ数として設定されるようになっている。
S419において加速または減速から定速に変化していない場合には、励磁パターンの変更により停止または定速から加速または減速に変化したか否かを判定し(S422)、停止または定速から加速または減速に変化していない場合には、S431に進み、停止または定速から加速または減速に変化した場合には、状態フラグを「加速」または「減速」に変更し(S423)、S431に進む。
S431では、変更後の励磁パターンに応じた励磁モードを設定し、励磁パターンの変更により励磁モードが変更されたか否かを判定し(S432)、励磁モードが変更されていない場合にはS434に進み、励磁モードが変更されている場合には、励磁モード変更処理(図10参照)を実行し(S433)、対応するリールステッピングモータの励磁モード設定を変更して、S434に進む。
S434では、対応するリールのステップカウンタの値を1加算し、ステップレートカウンタに現在の励磁パターンにおけるステップカウンタ値に応じたステップレートを設定し(S435)、S441に進む。
S441では、状態フラグを参照して対応するリールが加速または減速中かを判定し、加速中または減速中であれば演出図柄変動中処理に復帰し、加速中または減速中でなければ、加速または減速から定速に変更された後の待機中か否かを判定する(S442)。
S442において待機中であれば、待機ステップ数を1減算し(S443)、待機ステップ数が0か否か、すなわちリールの回転が安定するまでの待機期間が経過したか否かを判定し(S444)、待機ステップ数が0でなければ演出図柄変動中処理に復帰し、待機ステップ数が0であれば、状態フラグを「原点確認1」に変更し(S445)、演出図柄変動中処理に復帰する。
S442において待機中でなければ、状態フラグを参照して対応するリールの状態が原点確認開始待ちを示す「原点確認1」か否かを判定し(S446)、「原点確認1」であれば、対応するリール原点検出センサにより対応するリールの原点位置が検出されたか否か判定し(S447)、対応するリールの原点位置が検出された場合には、さらに対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowであるか否か、すなわち対応するリールステッピングモータのA相とB相とに同一の相電流が印加されているか否かを判定し(S448)、対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowであれば、原点位置の通過と判断し、対応するリールの原点位置からのステップ数を計数するステップ数カウンタを初期化して0を設定し(S449)、状態フラグを、原点確認中を示す「原点確認2」に変更し(S451)、演出図柄変動中処理に復帰する。
S447において対応するリールの原点位置が検出されていない場合、S448において対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowでない場合には、演出図柄変動中処理に復帰する。
S446において「原点確認1」でなければ、「原点確認2」か否かを判定し(S452)、「原点確認2」であれば、対応するリールのステップ数カウンタを1加算し(S453)、対応するリール原点検出センサにより対応するリールの原点位置が検出されたか否か判定し(S454)、対応するリールの原点位置が検出された場合には、さらに対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowであるか否かを判定する(S455)。
S455において対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowであれば、原点位置の通過と判断し、ステップ数カウンタの値、すなわちS447、S448において検出された原点位置からのステップ数がリール1周分のステップ数と一致するか否かを判定し(S456)、ステップ数カウンタの値がリール1周分のステップ数と一致する場合には状態フラグを、原点確認中を示す「原点確認3」に変更し(S458)、演出図柄変動中処理に復帰する。
S455において対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowでない場合、S456においてステップ数カウンタの値がリール1周分のステップ数と一致しない場合、すなわち原点位置がずれている場合にはS445に進み、状態フラグを「原点確認1」に変更することで、最初から原点確認をやり直す。
S454において対応するリールの原点位置が検出されていない場合には、演出図柄変動中処理に復帰する。
S452において「原点確認2」でなければ、「原点確認3」か否かを判定し(S459)、「原点確認3」であれば、対応するリールのステップ数カウンタを1加算し(S460)、対応するリール原点検出センサにより対応するリールの原点位置が検出されたか否か判定し(S461)、対応するリールの原点位置が検出された場合には、さらに対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowであるか否かを判定する(S467)。
S467において対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowであれば、原点位置の通過と判断し、ステップ数カウンタの値、すなわちS447、S448において検出された原点位置からのステップ数がリール2周分のステップ数と一致するか否かを判定し(S468)、ステップ数カウンタの値がリール2周分のステップ数と一致する場合には原点位置の検出が正常と判断し、状態フラグを「定速」に変更し(S470)、演出図柄変動中処理に復帰する。
S467において対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowでない場合、S468においてステップ数カウンタの値がリール2周分のステップ数と一致しない場合、すなわち原点位置がずれている場合にはS445に進み、状態フラグを「原点確認1」に変更することで、最初から原点確認をやり直す。
S461において対応するリールの原点位置が検出されていない場合には、演出図柄変動中処理に復帰する。
S459において「原点確認3」でない場合、すなわち対応するリールが定速回転している場合には、対応するリールのステップ数カウンタを1加算し(S479)、対応するリール原点検出センサにより対応するリールの原点位置が検出されたか否か判定し(S480)、対応するリールの原点位置が検出されていない場合には、演出図柄変動中処理に復帰する。
S480において対応するリールの原点位置が検出された場合には、さらに対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowであるか否かを判定する(S481)。
S481において対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowでない場合、すなわち原点位置がずれている場合にはS445に進み、状態フラグに「原点確認1」を設定することで、最初から原点確認をやり直す。
S481において対応するリールステッピングモータの電気角信号がLowであれば、原点位置の通過と判断し、対応するリールのステップ数カウンタを初期化して0を設定し(S482)、対応するリールステッピングモータにおける電気角度が45°(図16(C)参照)となる位置、すなわち、対応するリールステッピングモータにおけるA相とB相とに同一の相電流が印加されている位置(図9参照)に向けてリールを回転中であることを示す電気角度修正中フラグがセットされているか否かを判定する(S483)。電気角度修正中フラグがセットされていない場合は、更に、対応するリールの停止タイミングが経過したか否かを判定する(S484)。
S484において対応するリールの停止タイミングが経過している場合は、セットされているプロセスデータを参照し、対応するリールのステップ数カウンタが停止位置のステップ数となったか否かを判定する(S485)。S484において対応するリールの停止タイミングが経過していない場合、S485において対応するリールのステップ数カウンタが停止位置のステップ数となっていない場合には、演出図柄変動中処理に復帰する。
S485において対応するリールのステップ数カウンタが停止位置のステップ数となった場合には、モータ駆動回路から出力されている電気角信号の出力状態がLowであるか否か、つまり、対応するリールステッピングモータのA相とB相とに同一の相電流が印加されているか否かを判定する(S487)。S487において電気角信号の出力状態がHighである場合は、演出制御用CPUは、対応するモータ駆動回路に対して電気角初期化信号を出力することによって、モータ駆動回路にリールステッピングモータを初期電気角となる状態まで駆動させる制御を開始させる(S488)。そして、対応するリールステッピングモータの電気角度修正中フラグをセットし(S489)、演出図柄変動中処理に復帰する。
S487において電気角信号の出力状態がLowである場合は、対応するリールステッピングモータのA相とB相とに同一の相電流が印加されるとして、対応するモータ駆動回路に対してリールステッピングモータの停止を指示する出力制御信号を、シリアル信号回路89を介して出力し(S496)、リールステッピングモータを停止させるとともに、印加される相電流に応じたA相出力設定信号やB相出力設定信号を出力することによって対応するリールステッピングモータに供給する電流値を停止時用の電流値に変更することで(S497)、リール停止制御を実行し、状態フラグをリールの停止状態を示す「停止」に変更し(S499)、演出図柄変動中処理に復帰する。
S483において電気角度修正中フラグがセットされている場合は、モータ駆動回路から出力されている電気角信号の出力状態がLowであるか否かを判定する(S494)。S494において電気角信号の出力状態がHighである場合は、演出図柄変動中処理に復帰する。S494において電気角信号の出力状態がLowである場合は、リールステッピングモータのA相とB相とに同一の相電流が印加されるとして、対応するリールステッピングモータの電気角度修正中フラグをクリアし(S495)、前述したリール停止制御(S496、S497)を実行し、状態フラグをリールの停止状態を示す「停止」に変更し(S499)、演出図柄変動中処理に復帰する。
このようにリール変動中処理では、現在の励磁パターンに対して励磁モードの異なる励磁パターン、ステップレートの異なる励磁パターン、励磁モード及びステップレート双方の異なる励磁パターンに変更することによりリールの回転速度を変更することができる。リールの回転速度を変更する場合、例えば、図34に示すように、速度1の定速パターンから速度1よりも回転速度の速い速度2の定速パターンに変更させる場合には、速度1の定速パターンと速度2の定速パターンとの間に回転速度を加速させる加速パターンにもとづいてリールステッピングモータの制御を行うようになっている。一方、速度2の定速パターンから速度2よりも回転速度の遅い速度2の定速パターンに変更させる場合には、速度2の定速パターンと速度2の定速パターンとの間に回転速度を減速させる減速パターンにもとづいてリールステッピングモータの制御を行うようになっている。
また、リール変動処理では、リール原点検出センサの検出状況とモータ駆動回路からの電気角信号の出力状況にもとづいてリールの原点位置を検出するとともに、原点位置から計数したステップ数によりリールの位置を特定し、特定した位置にもとづいてリールを変動させる位置特定制御を行うことが可能である。上記のリール変動処理では、位置特定制御として指定した位置にリールを停止させる停止制御を例示しているが、位置特定制御としては、例えば、リールが指定した位置となったときに回転速度を変更する制御、他のリールとの位置関係を特定の位置関係とする制御(同じ図柄同士が一直線上に揃える制御など)を行ってもよい。
また、上記のようにリールの回転速度を加速させたり減速させたりする場合には、ステップレートの変化や励磁モードの変化にリールが追従できず、演出制御用CPUが特定しているリールの位置と実際のリールの位置とが一致しなくなることがあるが、図34に示すように、励磁パターンとして加速パターンや減速パターンが設定されている期間、すなわちリールの回転速度を変更している期間においては位置特定制御を行わないようになっている。
また、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、すなわちリールの回転速度を変更している期間が終了した後も、リールの回転速度が安定せず、演出制御用CPUが特定しているリールの位置と実際のリールの位置とが一致しなくなる可能性があることから、図34に示すように、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、待機期間及び原点確認期間が経過するまでの期間においても位置特定制御を行わないようになっている。
待機期間とは、リールの加速または減速後、リールの回転速度が安定するまで待機する期間であり、変化前後の励磁モード、速度変化の大きさ、加速であるか減速であるか、に応じてリールの回転が安定するまでに要する期間が異なるため、上記のリール変動処理では、予め設定されている複数の期間(例えば、40、80、160、240ステップ)から速度変化の状況に応じた最適な期間が、選択されるようになっている。具体的には、変化前の励磁モードが8W1−2相(マイクロステップ)から4W1−2相(マイクロステップ)に変化する場合よりも8W1−2相(マイクロステップ)から2W1−2(マイクロステップ)相に変化する場合や、4W1−2相(マイクロステップ)からW1−2相(マイクロステップ)に変化する場合よりも1−2相(フルステップ)に変化する場合、つまり、変化前後の励磁モードにおけるステップ数の変化が大きい方が、長い期間が選択される。また、励磁モードの変化を伴わない速度変化であっても、速度変化の大きさが大きい、つまり、ステップレートの変化の度合いが大きい方が、長い期間が選択される。また、加速である場合よりも減速(停止)の方が、相対的により多くの力が必要となることから長い期間が選択される。よって、例えば、変化前後の励磁モードにおけるステップ数の変化が大きく、ステップレートの変化の度合いも大きく、且つ減速である速度変化の場合には、相対的に最も長い期間が選択され、逆に、変化前後の励磁モードにおけるステップ数の変化が小さく(または変化なし)、ステップレートの変化の度合いも小さく、且つ増速である速度変化の場合には、相対的に最も短い期間が選択される。
尚、励磁モードの変化については、1の励磁モードから他の全ての励磁モードに移行させるのではなく、予め各励磁モード毎に、当該励磁モードから安定的に移行可能な励磁モードを設定しておき、設定されていない移行不能な励磁モードへの移行を制限(禁止)するようにすることで、これら待機期間が不適切に長くなってしまうことを防ぐことができるようにすればよい。
原点確認期間とは、原点位置が正常に検出されているか確認する期間であり、上記のリール変動処理では、待機期間の経過後に原点位置が検出されてから2回原点位置を検出するまでのステップ数が正常と判定され、正常に原点位置が検出されていると判断されるまで原点確認期間に制御されるようになっている。
本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、演出制御用CPUがリールの回転速度を変更させる場合に、リールステッピングモータの励磁パターンとして加速パターンまたは減速パターンを用いて回転速度を変更するとともに、加速パターンや減速パターンが設定されている期間、すなわちリールの回転速度を変更している期間においては、原点位置から計数したステップ数によりリールの位置を特定し、特定した位置にもとづいてリールを変動させる位置特定制御を行わないようになっている。
このため、リールの回転速度を加速させたり減速させたりする場合に、ステップレートの変化や励磁モードの変化にリールが追従できず、演出制御用CPUが特定しているリールの位置と実際のリールの位置とが一致しなくなることがあるが、リールの回転速度を変更している期間においては位置特定制御を行わないため、リールの誤動作による興趣の低下を防ぐことができる。
つまり、本実施例では、遊技が可能な遊技機であるパチンコ遊技機1であって、動作可能に設けられた可動体であるリール301L、301C、301Rと、可動体であるリール301L、301C、301Rを動作させるための駆動力を発生するステッピングモータであるリールステッピングモータ307L、307C、307Rと、リールステッピングモータ307L、307C、307Rを駆動させることによりリール301L、301C、301Rを動作させる制御を行うことが可能な制御手段である演出制御用CPUと、リール301L、301C、301Rが所定位置である原点位置に位置しているか否かを特定可能な検出情報である原点位置の検出信号を演出制御用CPUに出力可能な検出手段であるリール原点検出センサ309a〜fと、を備え、演出制御用CPUは、リール301L、301C、301Rを異なる速度である速度1、速度2にて動作させる制御を行うことが可能であり、リール301L、301C、301Rの動作速度を変化させていない期間である定速パターンで制御されている期間において検出情報である原点位置の検出信号にもとづく前記可動体の制御である位置特定制御を行うことを特徴としている。これにより、可動体であるリール301L、301C、301Rの動作速度を変化させている期間においては検出情報にもとづくリール301L、301C、301Rの制御を行わないため、リール301L、301C、301Rの誤動作による興趣の低下を防ぐことができる。
また、本実施例では、遊技が可能な遊技機であるパチンコ遊技機1であって、動作可能に設けられた可動体であるリール301L、301C、301Rと、リール301L、301C、301Rを動作させるための駆動力を発生するステッピングモータであるリールステッピングモータ307L、307C、307Rと、リールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動制御を少なくともマイクロステップ励磁方式にて実行可能な駆動制御手段であるモータ駆動回路85〜87と、モータ駆動回路85〜87によるリールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動制御を制御することによりリール301L、301C、301Rの動作を制御可能な制御手段である演出制御用CPUと、を備え、モータ駆動回路85〜87は、リールステッピングモータ307L、307C、307Rが有する複数の励磁相のうち、隣接する励磁相であるA相、B相に同一の相電流が印加されていることを特定可能な特定情報である電気角信号のLowを演出制御用CPUに出力可能であり、演出制御用CPUは、リール301L、301C、301Rを異なる速度である速度1、速度2にて動作させることが可能であり、リール301L、301C、301Rの動作速度を変化させていいない期間である定速パターンで制御されている期間において電気角信号のLowにもとづくリール301L、301C、301Rの位置特定制御を行う。これによれば、可動体であるリール301L、301C、301Rの動作速度を変化させている期間においては、電気角信号のLowにもとづくリール301L、301C、301Rの制御を行わないため、リール301L、301C、301Rの誤動作による興趣の低下を防ぐことができる。
また、本実施例では、制御手段である演出制御用CPUは、ステッピングモータであるリールステッピングモータ307L、307C、307Rのステップレートを変化させることで可動体であるリール301L、301C、301Rの動作速度を変化させる。これにより、ステッピングモータのステップレートの変化にリール301L、301C、301Rの動作が追従できない状況が生じてもリール301L、301C、301Rの誤動作を防止できる。
また、本実施例では、制御手段である演出制御用CPUは、ステッピングモータであるリールステッピングモータ307L、307C、307Rの励磁モードを変化させることで可動体であるリール301L、301C、301Rの動作速度を変化させる。これにより、ステッピングモータの励磁モードの変化にリール301L、301C、301Rの動作が追従できない状況が生じても可動体の誤動作を防止できる。
尚、本実施例では、原点位置が検出されてからのステップ数を計数し、その計数値に応じてリールの位置を特定し、特定したリールの位置にもとづいて位置特定制御を行う構成であるが、原点位置が検出されてから電気角信号がLowとなった回数を計数し、その計数値に応じてリールの位置を特定し、特定したリールの位置にもとづいて位置特定制御を行う構成でもよい。
また、本実施例では、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、リールの回転速度が安定するまでに要する待機期間が経過するまで位置特定制御を行わないようになっており、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、すなわちリールの回転速度を変更している期間が終了した後も、リールの回転速度が安定せず、演出制御用CPUが特定しているリールの位置と実際のリールの位置とが一致しない場合であっても、その期間においては位置特定制御を行わないため、より確実にリールの誤動作を防止することができる。
つまり、本実施例では、制御手段である演出制御用CPUは、可動体であるリール301L、301C、301Rの動作速度を変化させている期間が終了して動作速度が定速となった後も所定期間である待機期間が経過するまでは検出情報である原点位置の検出信号にもとづくリール301L、301C、301Rの位置特定制御を行わない。これによって、より確実に誤動作を防止できる。
尚、本実施例では、変化前後の励磁モード、速度変化の大きさ、加速であるか減速であるか、に応じてリールの回転が安定するまでに要する期間が異なるため、複数の期間から速度変化の状況に応じた最適な期間が待機期間として選択されるようになっており、リールの回転速度が安定した後、位置特定制御を行うことが可能となるまでの期間を極力短くできることから好ましいが、速度変化の状況に応じてリールの回転が安定するまでに要する期間のうち最も長い期間を待機期間として常時適用するようにしても良く、このような構成とすることで、待機期間を設定するためのデータ容量を削減することができる。
また、本実施例では、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点位置が正常に検出されているか確認する原点確認期間が経過するまで位置特定制御を行わないようになっており、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、すなわちリールの回転速度を変更している期間が終了した後も、リールの回転速度が安定せず、演出制御用CPUが特定しているリールの位置と実際のリールの位置とが一致しない場合であっても、原点位置が正常に検出されていると判断されるまでは特定位置制御を行わないため、より確実にリールの誤動作を防止することができる。
また、本実施例では、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点位置が検出されてから2回原点位置を検出するまでのステップ数が正常と判定されること、すなわち複数回にわたり正常に原点位置が検出されたときに、正常に原点位置が検出されていると判断するようになっており、原点位置が正常に検出されていないにも関わらず特定位置制御が行われることがなく、より確実にリールの誤動作を防止することができる。
つまり、本実施例では、制御手段である演出制御用CPUは、可動体であるリール301L、301C、301Rの動作速度を変化させている期間が終了して動作速度が定速となった後、検出情報である原点位置の検出信号を複数回確認したときに、これら原点位置の検出信号にもとづくリール301L、301C、301Rの位置を正しい位置として特定する。これによって、より確実に誤動作を防止できる。
尚、本実施例では、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点位置が検出されてから2回原点位置を検出するまでのステップ数が正常と判定されることで、原点位置が正常に検出されていると判断し、特定位置制御を行うことが可能となる構成であるが、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点位置が検出されることのみでステップ数カウンタの値を初期化し、ステップ数カウンタの計数を開始するとともに、当該原点位置が検出されたときから特定位置制御を行うことが可能となる構成でも良く、このような構成とすることで特定位置制御を可能とするための制御を簡素化できる。また、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点位置が2回以上の規定回数検出されることでステップ数カウンタの値を初期化し、ステップ数カウンタの計数を開始するとともに、原点位置が規定回数検出されたときから特定位置制御を行うことが可能となる構成でも良く、このような構成とすることで、原点位置が正常に検出されていないにも関わらず特定位置制御が行われることがなく、より確実にリールの誤動作を防止しつつ、特定位置制御を可能とするための制御を簡素化できる。
また、前述のように原点位置が検出されてから電気角信号がLowとなった回数を計数し、その計数値に応じてリールの位置を特定する構成であれば、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点位置が検出されることのみで電気角信号がLowとなった回数の計数値を初期化し、電気角信号がLowとなった回数の計数を開始するとともに、当該原点位置が検出されたときから特定位置制御を行うことが可能となる構成でもよいし、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点位置が2回以上の規定回数検出されることで電気角信号がLowとなった回数の計数値を初期化し、電気角信号がLowとなった回数の計数を開始するとともに、原点位置が規定回数検出されたときから特定位置制御を行うことが可能となる構成でもよい。
また、本実施例では、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点位置が正常に検出されているか確認する待機期間及び原点位置が正常に検出されているか確認する原点確認期間の双方が経過するまで位置特定制御を行わない構成であるが、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、待機期間のみが経過するまで位置特定制御を行わない構成でもよいし、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点確認期間のみが経過するまで位置特定制御を行わない構成でもよい。励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、待機期間のみが経過するまで位置特定制御を行わない構成では、励磁パターンに応じた待機期間を計時するのみで済むため、特定位置制御を可能とするための制御を簡素化できる。一方、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、原点確認期間のみが経過するまで位置特定制御を行わない構成では、原点位置が正常と判断されてから特定位置制御を行うことが可能となるため、原点位置が正常に検出されていないにも関わらず特定位置制御が行われてしまうことを確実に防止することができる。尚、これら待機期間及び原点確認期間の双方を設けない形態としてよい。
また、本実施例では、演出制御用CPUが、シリアル信号回路89介してモータ駆動回路に対して制御用クロック信号、出力制御信号、励磁設定信号等を出力することによりリールステッピングモータを間接的に制御する構成であるが、演出制御用CPUが直接リールステッピングモータを制御する構成でもよい。
本実施例では、マイクロステップ駆動にてリールステッピングモータを駆動しており、ステップによってはリールステッピングモータのA相とB相とに異なる相電流が印加される場合もあり、このような状況は、リールステッピングモータのA相とB相とに異なる相電流が印加されている状況よりも不安定であり、リールステッピングモータのA相とB相とに異なる相電流が印加されるステップを起点として位置特定制御を行うと動作が不安定となってしまう。このため、演出制御用CPUは、位置特定制御を行うにあたり、原点位置から計数したステップ数により特定されるリールの位置だけでなく、モータ駆動回路からリールステッピングモータのA相とB相とに同一の相電流が印加されている旨を示す電気角信号のLowが検出されていることにもとづいて位置特定制御を行うようになっている。前述のようにリールの回転速度を加速させたり減速させたりする場合には、ステップレートの変化や励磁モードの変化にリールが追従できない可能性があり、電気角信号のLowが検出され、リールステッピングモータのA相とB相とに同一の相電流が印加されていることが特定されても、実際はA相とB相とに異なる相電流が印加されている状態である可能性があるが、本実施例では、リールの回転速度を変更している期間においてはA相とB相とに同一の相電流が印加されている旨を示す電気角信号のLowが検出されていることにもとづく位置特定制御を行わないため、リールの誤動作による興趣の低下を防ぐことができる。
尚、本実施例では、リールの回転速度を変更している期間においてはA相とB相とに同一の相電流が印加されている旨を示す電気角信号のLowが検出されていることにもとづく位置特定制御を行わない構成であるが、リールの回転速度を変更している期間においてA相とB相とに同一の相電流が印加されている旨を示す電気角信号のLowが検出されていることにもとづく他の制御、例えば、励磁パターンや励磁モードを変更する制御を行わない構成としても良く、このような構成とした場合でも、電気角信号のLowが検出され、リールステッピングモータのA相とB相とに同一の相電流が印加されていることが特定されているにも関わらず、実際はA相とB相とに異なる相電流が印加されている状態で励磁モードを変更する制御が行われてしまうことがなく、このような構成においてもリールの誤動作による興趣の低下を防ぐことができる。
また、本実施例では、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、リールの回転速度が安定するまでに要する待機期間が経過するまでA相とB相とに同一の相電流が印加されている旨を示す電気角信号のLowが検出されていることにもとづく位置特定制御を行わないようになっており、励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、すなわちリールの回転速度を変更している期間が終了した後も、リールの回転速度が安定せず、電気角信号のLowが検出され、リールステッピングモータのA相とB相とに同一の相電流が印加されていることが特定されているにも関わらず、実際はA相とB相とに異なる相電流が印加されている状態であっても、その期間においては位置特定制御を行わないため、より確実にリールの誤動作を防止することができる。励磁パターンが加速パターンや減速パターンから定速パターンに変更された後、リールの回転速度が安定するまでに要する待機期間が経過するまでA相とB相とに同一の相電流が印加されている旨を示す電気角信号のLowが検出されていることにもとづく他の制御を行わない構成とした場合でも同様の効果を得られる。
また、本実施例では、演出制御用CPUが行うスイッチ検出処理において、モータ駆動回路から出力される電気角信号の出力状況は、2回連続同じ出力状態(LowまたはHigh)が特定されることで確定し、確定した出力状態にもとづいて出力状態が変化したこと(LowからHigh、HighからLow)が特定されるようになっており、ノイズなどによって出力状態に変化があっても誤って出力状態の変化が特定されることがないようになっており、誤って電気角信号のLowが検出されてしまうことがないため、誤った電気角信号の検出によって位置特定制御や、電気角信号のLowが検出されていることにもとづく他の制御が行われてしまうことがなく、確実にリールの誤動作を防止できる。
本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、演出図柄の変動中において、第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとが同時に停止する場合には、第1リールステッピングモータ307Lに印加されている電流値が変化するタイミングと第2リールステッピングモータ307Cに印加されている電流値が変化するタイミングとが異なっていることによって、第1リールステッピングモータ307Lに印加される電流値が変化するタイミングと第2リールステッピングモータ307Cに印加される電流値が変化するタイミングとが同一タイミングである場合と比較して、第1リールステッピングモータ307Lや第23リールステッピングモータ307Cに供給される電力量が変化することによるモータ駆動用電源回路83にかかる負荷を低減することができるので、リール駆動制御基板81に保護回路を設けるためのコスト等を削減できる。
特に、第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとが同時に駆動している際に、第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとが同時に停止する場合は、モータ駆動用電源回路83に突入電流や回生電流が発生することで、モータ駆動回路85、86内の内部駆動電力生成回路409にて過電流保護機能がはたらき、モータ駆動回路85、86への電力供給が遮断される。その結果、電力供給が途絶えたモータ駆動回路85、86にリセットがかかり、第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとが初期電気角(45°)となる位置まで移動する誤動作が発生するが、本発明によって第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとに印加されている電流値が同時に停止することが回避されるので、第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとが初期電気角(45°)となる位置まで移動する誤動作の発生も回避されるようになっている。
また、演出図柄の変動中において、第1リールステッピングモータ307Lと第3リールステッピングモータ307Rは、同時に停止する可能性があるが、第1リールステッピングモータ307Lはモータ駆動用電源回路83から電力供給を受けている一方で、第3リールステッピングモータ307Rはモータ駆動用電源回路84から電力供給を受けている、つまり、同時に駆動が停止することによって使用電力が変化し易い第1リールステッピングモータ307Lと第3リールステッピングモータ307Rは、個別のモータ駆動用電源回路から電力が供給されるため、使用電力の変化が同時に発生して変化が大きくなることによるモータ駆動用電源回路83、84の負荷を低減できるので、保護回路等を設けるためのコスト等を削減できる。
尚、本実施例では、モータ駆動用電源回路83、84の負荷を低減するために、1のモータ駆動用電源回路83に接続されている第1リールステッピングモータ307Lに印加されている電流値が変化するタイミングと第2リールステッピングモータ307Cに印加されている電流値が変化するタイミングとを異ならせることと、同時に駆動停止する可能性のある第1リールステッピングモータ307Lと第3リールステッピングモータ307Rとを異なるモータ駆動用電源回路に接続することの2つの対策を実行することによって、パチンコ遊技機1の制御面とリール駆動制御基板81の構造面の双方からモータ駆動用電源回路83、84の負荷を低減する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、モータ駆動用電源回路83、84の負荷を低減するためには、これら2つの対策のうち一方のみを実行するようにしてもよい。尚、第1リールステッピングモータ307Lに印加されている電流値が変化するタイミングと第2リールステッピングモータ307Cに印加されている電流値が変化するタイミングとを異ならせるのみの場合は、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rを同一のモータ駆動用電源回路83からの電力の供給によって駆動させるようにしてもよい。
また、本実施例では、本発明における可動体をリール301L、301C、301Rの3個とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明における可動体数は、2個以下または4個以上であってもよい。
また、第1リールステッピングモータ307Lは、リール301Lを回転させるために駆動するモータであり、第2リールステッピングモータ307Cは、リール301Cを回転させるために駆動するモータであるので、第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとで異なるリール301L、301Cを回転させることができるとともに、異なるリール301L、301Cを回転させる場合であっても保護回路等を設けるためのコスト等を削減することができる。
尚、本実施例では、モータ駆動用電源回路83から電力の供給を受けている第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとで異なるリール301L、301Cを回転させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとによって1のリールを回転させるようにしてもよいし、第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとでリールとは異なる可動体を個別に動作させるようにしてもよい。また、これら第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとによってリールとは異なる1の可動体を動作させるようにしてもよい。尚、このように第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cとによって1の可動体を動作させる場合は、例えば、第1リールステッピングモータ307Lの駆動によって該可動体を遊技者から視認困難な退避位置と該退避位置よりも視認容易な演出位置との間で移動可能とするとともに、第2リールステッピングモータ307Cの駆動によって該可動体を演出位置において回転や伸縮、分離等、第1リールステッピングモータ307Lの駆動とは異なる動作をさせるようにしてもよい。
更に、本発明の可動体は、本実施例に示したリール301L、301C、301Rのように遊技領域7の中央付近に設けられるものの他、前面枠101やガラス扉枠102に設けられるものであってもよい。
また、モータ駆動用電源回路83、84は、演出制御基板80を介して電源基板82から電力の供給を受けているとともに、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを駆動するための電力を生成し、該生成した電力を第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを駆動するためのモータ駆動回路85、86、87に供給しているので、パチンコ遊技機1における電力供給の配線を簡略化することができる。また、モータ駆動用電源回路83、84が演出制御基板80とモータ駆動回路85、86、87の間に設けられているため、電源基板82から供給される電力の送電によるロスを抑えることができる。
尚、本実施例では、モータ駆動用電源回路83、84において、電源基板82から供給されている電力から第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを駆動するための電力を生成する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電源基板82から供給される電力を、モータ駆動用電源回路83、84を介さずに、モータ駆動回路85、86、87に直接供給することによって第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを駆動させてもよい。
尚、本実施例の電源基板82は、パチンコ遊技機1の背面側に設けられた電源基板であり、パチンコ遊技機1の機種にかかわらず使用される共通の電源基板である。このため、電源基板82は、外枠100及び前面枠101の仕様が変化しない限り機種にかかわらず共通して使用されるので、本実施例に示すように、パチンコ遊技機1の機種に応じて設けられる可動体(本実施例のリール301L、301C、301R)を動作させるために電力を供給する電源基板(電源回路)を該電源基板82とは個別に設けることにより電源基板82の機種毎の仕様変更が発生してしまうことを防ぎ、パチンコ遊技機1の機械原価を抑えることができる。
また、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rに印加される電流値を第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rの回転速度に応じて異ならせることによって、これら第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを各回転速度にて安定して作動させることができる。
また、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動が停止している状態においてこれら各リールステッピングモータ307L、307C、307Rを駆動させる場合は、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rに印加されている電流値を変化させるタイミングを異ならせることによって、モータ駆動用電源回路83、84にて供給電力量が変化することにより発生する負荷をより一層低減でき、保護回路等を設けるためのコスト等を削減できる。
尚、本実施例では、演出図柄の変動表示を開始する際と演出図柄の変動表示を終了する際に各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動開始に伴う電流値の変化タイミングと駆動停止に伴う電流値の変化タイミングを異ならせる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出図柄の変動表示として各リール301L、301C、301Rの回転速度を変化させる演出を実行可能とする場合は、該演出図柄の変動表示中においても各リールステッピングモータ307L、307C、307Rに印加される電流値が変化するタイミングを異ならせてもよい。
また、本発明における可動体は、外周面に複数種類の演出図柄が表示されており、外外周面に沿って回転可能なリール301L、301C、301Rであるので、モータ駆動用電源回路83、84にかかる負荷が低減されることによって、リール301L、301C、301Rを安定して動作させることが可能となるので、リール301L、301C、301Rの動作が不安定となることによって不適切な演出図柄表示、特に、変動表示結果がはずれであるにもかかわらず大当りを示す組み合わせで演出図柄が導出表示されてしまうことや、リール301L、301C、301Rの回転がなんらかの示唆であると遊技者に思い込ませてしまうこと等が行われてしまうことを防ぐことができる。
また、演出図柄の変動中においては、図29〜図32に示すように、各リール301L、301C、301Rの停止タイミングが経過した場合は、各リール301L、301C、301Rに対応した電気角信号の出力がLowとなったこと、つまり、第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307RにおけるA相とB相とに同一の強さの電流値が印加されたことにもとづいて第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rの駆動を停止し、各リール301L、301C、301Rの回転を停止するので、次に各リール301L、301C、301Rの回転が開始される際に、変動表示結果がはずれであるにもかかわらず大当りを示す組み合わせで演出図柄が導出表示されてしまうことや、リール301L、301C、301Rの回転がなんらかの示唆であると遊技者に思い込ませてしまうこと等の不適切な動作が発生してしまうことを防ぐことができる。
また、本実施例では、パチンコ遊技機1に電源が投入された際に第2初期化処理が実行されることによって第2初期化処理が実行されると、各リール301L、301RC、301Rに対応するリールステッピングモータのA相とB相とに同一の強さの電流値が印加され、電気角が45°となる、つまり、各モータ駆動回路85、86、87の電気角監視回路403から電気角信号がLowで出力されるので、各リール301L、301RC、301Rが回転していない停止状態で電断や初期化(リセット)が発生しても、各リール301L、301RC、301Rが原点位置(初期位置)に向けて回転するといった不自然な動作が発生してしまうことを防ぐことができる。
尚、本実施例では、パチンコ遊技機1に電源が投入された際に第2初期化処理を実行することによって、各リール301L、301RC、301Rを電気角信号がLowで出力される原点位置(初期位置)まで回転させて停止させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、パチンコ遊技機1に電源が投入された際には、第2初期化処理を実行せずともよい。
また、図29〜図32に示すように、演出図柄の変動中において演出制御用CPUは、各リール301L、301C、301Rの回転を停止させる際に、電気角信号がLowであり且つ各リール301L、301C、301Rに対応するリール検出センサが検出状態であれば各リール301L、301C、301Rの回転を停止させる一方で、電気角信号がHighである場合や、各リール301L、301C、301Rに対応する少なくとも1のリール検出センサが検出状態でない場合には、各リールを電気角信号がLowであり且つ各リール301L、301C、301Rに対応するリール検出センサが検出状態とない位置まで回転させてから停止させるので、各リール301L、301C、301Rの不適切な回転が継続してしまうことを防ぐことができる。
尚、本実施例では、演出図柄の変動中において、本発明における可動体としてのリール301L、301C、301Rに対応する電気角度とリール検出センサの検出状態に応じてリール301L、301C、301Rの停止位置を修正する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明における可動体をリール301L、301C、301R以外の演出図柄の変動中以外のタイミングにおいても動作可能な可動体とする場合は、該可動体に対応する電気角度とリール検出センサの検出状態に応じて該可動体の停止位置を修正するタイミングは、演出図柄の変動中以外のタイミング(例えば、パチンコ遊技機1に電源が投入されたときや、大当り遊技中)であってもよい。
また、本実施例におけるモータ駆動回路85、86、87には、電源基板82から供給されるモータ駆動電力からモータ駆動回路85、86、87を動作させるための電力(内部駆動電力)を生成するための内部駆動電力生成回路409が設けられているので、モータ駆動回路85、86、87にモータ駆動電力が供給されている場合には、該モータ駆動電力から内部駆動電力生成回路409が生成した内部駆動電力によってモータ駆動回路85、86、87も動作するので、モータ駆動電力が供給されているにも拘わらずに不安定な動作電力がモータ駆動回路85、86、87に供給されてしまうことを防ぐことができる。
尚、本実施例のモータ駆動回路85、86、87は、これらモータ駆動回路85、86、87に内蔵されている内部駆動電力生成回路409が電源基板82から供給されるモータ駆動電力からモータ駆動回路85、86、87を動作させるための内部駆動電力を生成する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電源基板82とは個別に内部駆動電力を供給可能な電源基板を設け、該電源基板からモータ駆動回路85、86、87に内部駆動電力を供給するようにしてもよい。尚、このように、モータ駆動回路85、86、87が電源基板82とは異なる電源基板から内部駆動電力の供給を受ける場合は、該電源基板によってリール駆動制御基板81に搭載されている他の回路にも駆動電力を供給することによって、リール駆動制御基板81に搭載されている回路の動作を安定させることができる。
また、本実施例のモータ駆動回路85、86、87は、駆動電流設定回路411に入力されたA相出力設定信号とB相出力設定信号とにもとづいて、出力パルス生成回路415から各リールステッピングモータ307L、307C、307RのA相に出力されるパルス信号の電流値と、出力パルス生成回路416から各リールステッピングモータ307L、307C、307RのB相に出力されるパルス信号の電流値とを変更することができるので、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの作動状態に応じた適切なパルス信号を出力することができ、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの出力を安定させることができる。
また、演出図柄の変動表示において、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rには、駆動停止時に継続して相電流が印加されることによって各リール301L、301C、301Rの停止位置を固定し、振動等によって各リール301L、301C、301Rが変動表示結果が「はずれ」であるにもかかわらず「大当り」の組み合わせで演出図柄を導出表示する等の動作の不具合を防止している。
特に図22に示すように、駆動停止中の各リールステッピングモータ307L、307C、307Rには、駆動停止時の電流値I1よりも低い電流値I2が印加されているため、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動停止時においてこれら各リールステッピングモータ307L、307C、307Rにおける発熱を抑えることができる。
尚、本実施例では、駆動停止時の各リールステッピングモータ307L、307C、307Rに駆動時の電流値I1よりも低い電流値I2を印加することによって、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rにおける発熱を抑える形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動停止時の各リールステッピングモータ307L、307C、307Rには、電流を印加しないようにして各リールステッピングモータ307L、307C、307Rや各モータ駆動回路85、86、87における発熱を抑えてもよい。また、リールステッピングモータ307L、307C、307Rに電流が印加された際の発熱が十分に小さい場合や、発熱しても正常に動作可能なリールステッピングモータにおいては、駆動停止時に駆動時の電流値I1よりも大きな電流値I3を印加することによって、各リール301L、301C、301Rを停止位置に対して強力に保持してもよい。
尚、本実施例では、各リール301L、301C、301Rを回転させるための各リールステッピングモータ307L、307C、307Rについて、駆動停止中は動停止時の電流値I1よりも低い電流値I2を印加することによりリールステッピングモータ307L、307C、307Rの発熱を抑える形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各リール301L、301C、301R以外の可動体をパチンコ遊技機1に設ける場合は、該可動体を動作させるためのモータについても、駆動停止時よりも低い電流値を印加することによって該モータの発熱を抑えるようにしてもよい。
また、図10に示すように、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rが停止している状態において演出制御基板80(演出制御用CPU)が各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの励磁モードを変更する際には、電気角初期化信号を出力することによって各リールステッピングモータ307L、307C、307RのA相に印加されている電流値とB相に印加されている電流値が釣り合う状態となるまで駆動させ、A相に印加されている電流値とB相に印加されている電流値が釣り合っていることを電気角信号の出力状態がLowとなったことにもとづいて励磁モードを変更するので、A相とB相に印加されている電流値が釣り合っていない(A相とB相とに発生している磁力が釣り合っていない)状態にて励磁モードが変更されることによる不具合の発生を防ぐことができる。更に本実施例では、図29のS307及びS308の処理において励磁モード変更処理を実行するとともに各相に印加される電流値の切替も行われる。このため、S307及びS308においては、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rが停止しているときと同じく、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rが駆動している状態においても、電気角信号の出力状態がLowとなったことにもとづいて各リールステッピングモータ307L、307C、307Rの励磁モードを変更することで、各リールステッピングモータ307L、307C、307Rにオーバーシュートやアンダーシュートが発生する等の不具合の発生を防ぐことができる。
特に本実施例のモータ駆動回路85、86、87は、従来のモータ駆動回路(例えば、東芝製のマイクロステップモータドライバTB62209)と比較して、電気角信号の出力状態がLowとなる位置が2相励磁位置と重複するため、励磁モードの切り替え(図10参照)を容易に実行することが可能となっている。
また、本実施例では、演出図柄の変動表示中において各リール301L、301C、301Rの回転を停止させる際には、対応する電気角信号の出力状態がLowとなっているとき、つまり、対応するリールステッピングモータのA相とB相とに印加されている電流値が釣り合っている場合のみとすることで、次回の演出図柄の変動開始時には、各リール301L、301C、301Rに対応する電気角信号の出力状態がLowである状態にて各リール301L、301C、301Rの回転を開始するように演出図柄の変動表示実行用のプログラムを作成すればよいので、該プログラムを簡略化できる。
また、本実施例では、遊技が可能な遊技機であるパチンコ遊技機1であって、動作可能に設けられた可動体であるリール301L、301C、301Rと、リール301L、301C、301Rを動作させるための駆動力を発生する駆動手段であるリールステッピングモータ307L、307C、307Rと、駆動手段であるリールステッピングモータ307L、307C、307Rの駆動制御を、クロック信号である制御用クロック信号と複数の異なる制御信号である出力制御信号、電気角初期化信号、正転・逆転信号、励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2、A相出力設定信号、B相出力設定信号との入力にもとづいて実行可能な駆動制御手段であるモータ駆動回路85、86、87と、リール301L、301C、301Rの動作を伴う可動体演出である演出図柄の変動表示による演出(変動表示演出)の制御を行う演出制御手段である演出制御基板80(演出制御用CPU)と、演出制御基板80(演出制御用CPU)から送信されるシリアル信号によるシリアル制御データであるモータ駆動回路1用制御データ、モータ駆動回路2用制御データ、モータ駆動回路3用制御データを複数の異なる制御信号である出力制御信号、電気角初期化信号、正転・逆転信号、励磁設定信号0、励磁設定信号1、励磁設定信号2、A相出力設定信号、B相出力設定信号に変換してモータ駆動回路85、86、87に出力可能であるとともに、演出制御基板80(演出制御用CPU)から送信されるシリアル信号によるシリアルクロックデータであるモータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用クロック信号データを制御用クロック信号に変換してモータ駆動回路85、86、87に出力可能な信号変換手段となるシリアル信号回路89とを備える。これにより、駆動制御手段となるモータ駆動回路85、86、87に入力される制御用クロック信号を、演出制御手段である演出制御基板80(演出制御用CPU)が、シリアルクロックデータであるモータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用クロック信号データをシリアル信号回路89に送信することによって直接管理することができるばかりか、個別のクロック信号発生回路から、シリアルデータの信号と同期していない不適切なクロック信号が駆動制御手段に入力されることにより不適切な駆動制御が行われてしまうことを防ぐことができる。
尚、本発明の演出制御手段は、可動体の動作を伴う可動体演出の制御を行う手段であるので、演出制御基板80に実装されている演出制御用CPUの単体が演出制御手段を構成していると見ることもできるし、演出制御基板80全体が演出制御手段を構成していると見ることもできる。更には、可動体を動作させる駆動手段の動作を制御している駆動制御手段に対して制御信号を出力するシリアル信号回路89やパルスカウンタ90やシリアル信号回路89’を含めて演出制御手段を構成していると見ることもできる。この場合には、シリアル信号回路89やパルスカウンタ90やシリアル信号回路89’は、演出制御手段と信号変換手段の双方を構成することになる。
また、本実施例では、演出制御基板80は、最も周期の短い最短周期の制御用クロック信号(A)に対応する「00110011…」のデータ列や、最短周期の倍周期の制御用クロック信号(B)に対応する「00110011…」のデータ列や、最短周期の3倍周期の制御用クロック信号(C)に対応する「000111000111…」のデータ列等が記憶されたROMを有し、演出制御基板80は、ROMに記憶しているデータ列を読み出してモータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用クロック信号データを送信可能である。これにより、モータ駆動回路1用クロック信号データ、モータ駆動回路2用クロック信号データ、モータ駆動回路3用クロック信号データの送信毎に、送信するデータ列を生成する必要がないので、シリアルクロックデータの送信に伴う演出制御基板80側の処理負荷を低減できる。
また、図7に示す変形例では、信号変換手段であるシリアル信号回路89から出力される基準となる制御用クロック信号である最短周期の制御用クロック信号(A)を、分周によって周期の異なる分周クロック信号である基準波、2分周波、3分周波、…n分周波に変換してモータ駆動回路85、86、87に出力可能な分周手段となるパルスカウンタ90を備える。これによれば、演出制御基板80(演出制御用CPU)の処理負荷の増大を抑えつつ、周期の異なる分周クロック信号をモータ駆動回路85、86、87に出力することができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、前記実施例では、可動体であるリール301L、301C、301Rを動作させるための駆動手段として、ステッピングモータを使用した形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら駆動手段をその他の駆動方式のモータ、例えば、図36に示すように、ブラシレスモータ(第1リールブラシレスモータBLM1、第2リールブラシレスモータBLM2、第3リールブラシレスモータBLM3)を用いてもよい。尚、このように、ブラシレスモータを使用する場合には、ブラシレスモータの駆動制御を行うモータ駆動回路は、ブラシレスモータの内部に設けられているものが一般的であるので、シリアル信号回路89’は、第1リールブラシレスモータBLM1、第2リールブラシレスモータBLM2、第3リールブラシレスモータBLM3と直接接続され、これら第1リールブラシレスモータBLM1、第2リールブラシレスモータBLM2、第3リールブラシレスモータBLM3に対して、図36に示すように、前述したステッピングモータにおける制御用クロック信号に相当するSTEP信号(速度用パルス信号)と、CW/CCW信号(正転/逆転)と、STEP信号並びにCW/CCW信号の入力可否を指定するSTART信号と、モータの動作可否を指定するREST信号との4つの信号、つまり、1のクロック信号と3つの制御信号とを、演出制御基板80(演出制御用CPU)から受信したシリアルデータを変換して出力する。よって、本発明における駆動制御手段となるモータ駆動回路は、駆動手段であるモータの内部に設けられていてもよいし、モータの外部に設けられていてもよいし、モータの内部とモータの外部の双方に分散して設けられているものであってもよい。
尚、図36においては、パルスカウンタを設けていない形態を例示しているが、図7を用いて前述したように、パルスカウンタ90をシリアル信号回路89’と第1リールブラシレスモータBLM1、第2リールブラシレスモータBLM2、第3リールブラシレスモータBLM3との間に設けて、分周したSTEP信号(速度用パルス信号)を第1リールブラシレスモータBLM1、第2リールブラシレスモータBLM2、第3リールブラシレスモータBLM3に入力するようにしてもよい。
また、前記実施例では、可動体を、変動表示演出を実行するリール301L、301C、301Rとした形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら可動体は、変動表示が実行されている期間中の特定のタイミング、例えば、大当りの図柄が揃う確率が高いスーパーリーチの変動パターンにおいて、スーパーリーチの演出に発展するタイミング等において動作するものであってもよいし、変動表示に関係しない可動体、例えば、大当り遊技中において動作するキャラクタのギミック(役物可動体)であってもよい。尚、可動体が、速い動作速度が必要とされるものや、大きな動作トルクが必要とされるもの、連続動作が必要とされるものである場合には、ブラシレスモータを用いることが好ましい。
また、前記実施例では、実動作確認動作制御として、リール301L、301C、301Rを原点位置と所定位置との間で往復させる(リール301L、301C、301Rを原点位置から所定位置まで正転させた後、該所定位置から原点位置に逆転させる)形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、変形例1として図32に示すように、実動作確認動作制御としては、リール301L、301C、301Rを原点位置から一回転させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、本発明における複数の可動体をリール301L、301C、301Rとする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の可動体は、これらリール301L、301C、301Rとは異なる動作を実行可能なものであってもよい。特に、変形例2として、本発明における複数の可動体を、共に動作することによって互いに干渉するものとしてもよい。このように、共に動作することによって互いに干渉するものを本発明における複数の可動体とする場合は、実動作においてこれら複数の可動体が同時に動作することは考え難い。しかしながら、複数の可動体を共に動作した場合、これら複数の可動体が同時に動作した場合に電力が過剰に消費された結果、モータ駆動回路85、86、87等に負荷がかかることによってモータ駆動用電源回路83、84がリセットされてしまう等といった不具合の発生が考えられるので、本発明における複数の可動体を、共に動作することによって互いに干渉するものとすることによって過剰な電力消費によりモータ駆動用電源回路83、84に不具合が生じてしまうことを防止することができる。更に、このように、本発明における複数の可動体を、共に動作することによって互いに干渉するものとすることによって電力の供給が安定するので、これら複数の可動体の動作が不安定となり互いの干渉が発生してしまうことも防ぐことができる。
また、前記実施例では、演出図柄の変動表示中において各リール301L、301C、301Rの回転を停止させる際には、対応する電気角信号の出力状態がLowとなっているとき、つまり、対応するリールステッピングモータのA相とB相とに印加されている電流値が釣り合っている場合のみとする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出図柄の変動中に各リール301L、301C、301Rのうち少なくとも1のリールの回転を一旦停止(仮停止)させた後に再回転させる演出(例えば、擬似連演出)を実行可能とする場合には、電気角信号の出力状態がLowとなっていない(Highである)ときに各リール301L、301C、301Rを仮停止させてもよい。このように、1の変動表示中に各リール301L、301C、301Rの仮停止と再回転を実行する場合は、演出図柄の変動表示が終了する際にのみ各リール301L、301C、301Rに対応する電気角信号の出力状態がLowとなっているか否かを判定し、該判定結果にもとづいて各リール301L、301C、301Rの回転を停止させればよいので、各リール301L、301C、301Rが仮停止した位置が電気角信号の出力状態がLowとなっていない位置であったとしても電気角信号の出力状態を判定せずにプロセスデータに従って予め決められた通り各リール301L、301C、301Rの回転を制御すればよいので、演出図柄の変動表示実行用のプログラムの作成が容易となる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な演出表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該演出表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。尚、このようなスロットマシンにおいて本発明を適用する場合は、可動体を該スロットマシンのリールとすればよい。更に、このようにスロットマシンにおいて本発明を適用する場合は、可動体としてのリールをステッピングモータの2相励磁モードのみで回転させることによって、疑似遊技等のリールによる演出を実行する際に、リールを演出用リールのように制御することが可能となる。
また、前記実施例では、各リール301L、301C、301Rの初期位置を、電気角信号がLowで出力される位置、すなわち、対応するリールステッピングモータのA相とB相とに印加されている電流値が釣り合っている位置(電気角度が45°となる位置)とする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各リール301L、301C、301Rの初期位置は、例えば、対応するリールステッピングモータのA相とB相とのうち、一方の相のみに電流値が印加されている位置(図16(A)参照)であってもよい。
また、前記実施例では、各リール301L、301C、301Rを対象として非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認動作制御を実行する形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらリール301L、301C、301R以外にもパチンコ遊技機1に可動体が設けられている場合は、該可動体を対象として非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認動作制御を実行してもよいし、各リール301L、301C、301Rとこれらリール301L、301C、301R以外の可動体とで非検出時動作制御、検出時動作制御及び実動作確認動作制御を順番に実行するようにしてもよい。
また、前記実施例では、第1リールステッピングモータ307Lと第2リールステッピングモータ307Cを駆動させるための電力を供給するためのモータ駆動用電源回路83と、第3リールステッピングモータ307Rを駆動させるための電力を供給するためのモータ駆動用電源回路84と、の2つのモータ駆動用電源回路をリール駆動制御基板81に設ける形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、リール駆動制御基板81にモータ駆動用電源回路を1つのみ設け、該モータ駆動用電源回路から第1リールステッピングモータ307L、第2リールステッピングモータ307C、第3リールステッピングモータ307Rを駆動するための電力を供給するようにしてもよい。
また、前記実施例では、演出制御基板80(演出制御用CPU)から各モータ駆動回路85、86、87に対してA相出力設定信号、B相出力設定信号、電気角初期化信号等に対応するコマンドを送信することによって各リールステッピングモータ307L、307C、307Rを駆動させる形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御基板80(演出制御用CPU)から各モータ駆動回路85、86、87に対してA相出力設定信号、B相出力設定信号、電気角初期化信号等に対応する信号を送信することによって各リールステッピングモータ307L、307C、307Rを駆動してもよい。
1 パチンコ遊技機
80 演出制御基板
83、84 モータ駆動用電源回路
85、86、87 モータ駆動回路
89、89’ シリアル信号回路
301L リール
301C リール
301R リール
307L 第1リールステッピングモータ
307C 第2リールステッピングモータ
307R 第3リールステッピングモータ
BLM1 第1リールブラシレスモータ
BLM2 第2リールブラシレスモータ
BLM3 第3リールブラシレスモータ

Claims (1)

  1. 遊技が可能な遊技機であって、
    動作可能に設けられた可動体と、
    前記可動体を動作させるための駆動力を発生する駆動手段と、
    前記駆動手段の駆動制御を、クロック信号と複数の異なる制御信号との入力にもとづいて実行可能な駆動制御手段と、
    前記可動体の動作を伴う可動体演出の制御を行う演出制御手段と、
    前記演出制御手段から出力されるシリアル信号によるシリアル制御データを複数の異なる制御信号に変換して前記駆動制御手段に出力可能であるとともに、前記演出制御手段から出力されるシリアル信号によるシリアルクロックデータをクロック信号に変換して前記駆動制御手段に出力可能な信号変換手段と、
    を備える
    ことを特徴とする遊技機。
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