まず、本発明に係る構造の一実施形態である可動役物装置100を備える遊技機1の全体的な構成について、図面を用いて説明する。
なお、以下の説明では、遊技機1を遊技者から見て、手前側を遊技機1の前側とし、奥側を遊技機1の後側として、前後方向を規定する。また、遊技機1を遊技者から見て、左手側を遊技機1の左側とし、右手側を遊技機1の右側として、左右方向を規定する。
遊技機1は、図1及び図2が示すように、主として、外枠2と、中枠3と、窓枠4と、により構成される枠体に、各種の遊技部品が取り付けられて形成される。
外枠2は、遊技機1の外郭を成し、前後面が開口された略四角筒状に形成される枠体である。外枠2は、パチンコホール等の遊技場に設けられた台島に設置される。外枠2には、中枠3が設けられる。
中枠3は、前後面が開口された略四角筒状に形成される枠体である。中枠3は、外枠2の前側の開口部にヒンジ等の軸支部材を介して回動可能に支持される。中枠3には、遊技盤5と、窓枠4と、下皿ユニット6と、が設けられる。
遊技盤5は、略平板状に形成される部材である。遊技盤5は、中枠3の下側を除く略全面に渡って配置される。遊技盤5は、中枠3に着脱自在に取り付けられる。遊技盤5の前側面には、遊技球が転動する領域である遊技領域19が形成される(図3参照)。
窓枠4は、略平板状に形成される枠体である。窓枠4は、遊技盤5の前方に配置される。窓枠4は、中枠3の前側の開口部にヒンジ等の軸支部材を介して回動可能に支持される。窓枠4の略中央には、略円形状の窓枠開口部7が開口される。窓枠開口部7は、透明板27により被覆される。これによって、遊技者は、前方から透明板27を介して窓枠4の後方に配置された遊技盤5(より詳細には、遊技領域19)を視認することができる。窓枠開口部7の下方には、発射前の遊技球が貯溜される上皿8が配設される。窓枠開口部7の左右上方には、スピーカ9がそれぞれ配設される。
下皿ユニット6は、中枠3の下側であって窓枠4の下方に取り付けられる。下皿ユニット6の略中央には、上皿8から溢れた遊技球が貯溜される下皿25が配設される。下皿ユニット6の右側部であって下皿25の右方には、上皿8に貯溜された遊技球を遊技盤5の遊技領域19へ向けて発射可能に構成される発射ハンドル26が配設される。
次に、遊技盤5の構成について、図3を用いてさらに詳細に説明する。
遊技盤5には、ガイドレール10と、図柄表示装置11と、図柄表示開口部12と、一般入賞口13と、大入賞装置14と、可変入賞装置15と、アウト口16と、可動役物装置100と、が設けられる。
ガイドレール10は、略円弧状に形成された帯状の部材である。ガイドレール10は、遊技盤5の前側面に、当該前側面に対して立ち上がり状に取り付けられる。ガイドレール10は、遊技盤5の前側面に正面視で略円形状を形成するように配置される。そして、遊技盤5において、ガイドレール10により略円形状に形成された内側の領域が、遊技球が転動する領域である遊技領域19として構成される。
図柄表示装置11は、液晶画面20を設けて、当該液晶画面20に図柄や数字等を変動表示可能に構成される装置である。図柄表示装置11は、液晶画面20を前方へ向けた状態で、遊技盤5の後側面に取り付けられる。
図柄表示開口部12は、遊技者が前方から図柄表示装置11の液晶画面20を視認するための開口部である。図柄表示開口部12は、正面視で遊技領域19の概ね中央で、遊技盤5を前後方向に貫通して形成される。図柄表示開口部12には、図柄表示装置11の液晶画面20が配置される。これによって、遊技者は、前方から図柄表示開口部12を通じて遊技盤5の後側面に取り付けられた図柄表示装置11の液晶画面20を視認することができる。
一般入賞口13は、上面が開口されたポケット状に形成され、遊技球が入球(入賞)可能に形成される部材である。一般入賞口13は、遊技領域19の下部であって適宜な位置に複数個が配置される。一般入賞口13は、遊技球が入球すると図示せぬ賞球払出装置によって所定数の遊技球(賞球)が払い出されるように構成される。
大入賞装置14は、所定の大当たり抽選により大当たりが選択されると、大入賞口21を開放して遊技球が入球(入賞)可能に構成される装置である。大入賞装置14は、遊技領域19の中央下部に配置される。大入賞装置14は、開放した大入賞口21に遊技球が入球すると図示せぬ賞球払出装置によって所定数の遊技球(賞球)が払い出されるように構成される。
可変入賞装置15は、所定の作動条件に応じて左右一対の可動片22が開閉作動し、始動入賞口23に遊技球が入球(入賞)可能な開放状態と入球(入賞)不能な閉塞状態とに切り替え可能に構成される装置である。可変入賞装置15は、遊技領域19において図柄表示開口部12の下方であって大入賞装置14の上方に配置される。可変入賞装置15は、前記開放状態において始動入賞口23に遊技球が入球(入賞)すると図示せぬ賞球払出装置によって所定数の遊技球(賞球)が払い出されるように構成される。
アウト口16は、遊技領域19を転動する遊技球が、一般入賞口13や大入賞口21や始動入賞口23等の各入賞口に入球(入賞)しなかった場合に、最終的に流入する開口部である。アウト口16は、遊技領域19の最下部に、遊技盤5を前後方向に貫通して形成される。なお、アウト口16に流入した遊技球は、遊技機1が設置されたパチンコホール等の遊技場側に回収される。
次に、可動役物装置100の構成について詳細に説明する。
図3に示すように、可動役物装置100は、遊技領域19の上部であって液晶画面20の上方に配置される。可動役物装置100は、可動体60をケース体30に対して往復回動(揺動)可能に支持することによって遊技者に視覚的な印象(インパクト)を与え、その遊技者の興趣を高める装置である。より詳細には、可動役物装置100は、可動体60を、可動役物装置100のケース体30に近接させた位置であって液晶画面20の上方となる(図中の実線で示す)位置(以下では、「待機位置」と称する。)と、可動役物装置100のケース体30から下方に離間させた位置であって液晶画面20の前方となる(図中の二点鎖線で示す)位置(以下では、「作動位置」と称する。)と、の間を、遊技機1の遊技演出に応じて往復回動(揺動)可能に支持している。図4に示すように、可動役物装置100は、主として、ケース体30と、駆動機構80と、第一リンク機構110、可動体60と、第二リンク機構120と、により構成される。
先ず、可動役物装置100のケース体30の構成について説明する。
図4に示すケース体30は、可動役物装置100を構成する各部材が取り付けられる構造物である。ケース体30は、正面視で左右方向に延設された細長い概ね矩形の筐体として形成される。ケース体30は、ケース体30の前部を成すケース体前部31と、ケース体30の後部を成すケース体後部32と、により構成される。
なお、ケース体30は、遊技盤5を構成する一部材であり、本発明に係る遊技盤とは、本実施形態において、ケース体30を備えた遊技盤5を総称するものである。
次に、可動役物装置100の駆動機構80の構成について説明する。
なお、以下では、特に説明がなければ、可動体60が作動位置に支持された状態の駆動機構80を想定して、その配置構成を説明する。
図4、図6及び図7に示す駆動機構80は、可動体60を回動させるための駆動力を第一リンク機構110に伝達するための機構である。駆動機構80は、正面視でケース体30の概ね右部に配置される。駆動機構80は、主として、モータ81と、第一駆動歯車82と、第二駆動歯車83と、第一駆動アーム84と、駆動伝達板85と、により構成される。
モータ81は、可動体60を回動させるための駆動源である。モータ81は、ケース体30の右端部であって当該ケース体30の後方に配置される。モータ81は、その本体がケース体30の後側面に後方から固定され、出力軸81aが軸心方向を前後方向としてケース体30内(前方)に突出される。
第一駆動歯車82は、モータ81からの駆動力が伝達される平歯車である。第一駆動歯車82は、ケース体30内にてモータ81の前方に配置される。第一駆動歯車82の中心部には、モータ81の出力軸81aの前端が相対回転不能に固定される。
第二駆動歯車83は、第一駆動歯車82に伝達された駆動力が、次に伝達される平歯車である。第二駆動歯車83は、ケース体30内にて第一駆動歯車82の左上方に配置される。第二駆動歯車83は、その中心部に挿通された第二駆動歯車回転軸83aを介して回転自在に軸支される。なお、第二駆動歯車回転軸83aは、ケース体30内にて軸心方向を前後方向として支持される。第二駆動歯車83の外周の略半分には、歯車が形成される。第二駆動歯車83の歯車は、第一駆動歯車82の歯車に歯合されている。
また、第二駆動歯車83の前面側には、第二駆動歯車83の軸心から所定距離だけ離れた位置に、円筒状に形成された第二駆動歯車ボス部86が、軸心方向を前後方向として前方へ向けて突出される。なお、第二駆動歯車ボス部86は、可動体60が待機位置においては、第二駆動歯車83の軸心から左方に配置され、可動体60が作動位置においては、前記左方の配置から正面視右回り(時計回り)に回動され、第二駆動歯車83の軸心から右上方に配置される。
第一駆動アーム84は、第二駆動歯車83に伝達された駆動力が、次に伝達される細長い板状の部材である。第一駆動アーム84は、ケース体30内にて第二駆動歯車83の概ね上部前方に配置される。また、第一駆動アーム84は、長手方向を概ね左右方向とし、右端部が下方へ向けて湾曲し、左端部が上方へ向けて湾曲して形成される。第一駆動アーム84の右端部には、前後方向に貫通した右側貫通孔84aが穿孔される。また、第一駆動アーム84の左端部には、前後方向に貫通した左側貫通孔84bが穿孔される。そして、第一駆動アーム84の右端部は、右側貫通孔84aに後方から第二駆動歯車83の第二駆動歯車ボス部86が挿通され、当該第二駆動歯車ボス部86の前端部が座金とともにネジ止めされることによって回動自在に軸支される。
駆動伝達板85は、第一駆動アーム84に伝達された駆動力が、次に伝達されるとともに、その駆動力を第二アーム50に伝達する概ね楕円形の板状の部材である。駆動伝達板85は、ケース体30内にて第一駆動アーム84の後方であって概ね左上方に配置される。また、駆動伝達板85は、長手方向を概ね左上右下の斜め方向として配置される。
駆動伝達板85の下端部には、円筒状に形成された伝達板ボス部87が、軸心方向を前後方向として前方へ向けて突出される。そして、伝達板ボス部87は、第一駆動アーム84の左側貫通孔84bに後方から挿通され、当該伝達板ボス部87の前端部が座金とともにネジ止めされることによって、第一駆動アーム84の左端部が回動自在に軸支される。
駆動伝達板85の上端部には、前後方向に貫通した伝達板貫通孔88が穿孔される。そして、駆動伝達板85の上端部は、伝達板貫通孔88に挿通された(後述する第二アーム50の上端部を軸支している)第三回動軸51aを介して、ケース体30内に回動自在に軸支される。
次に、可動役物装置100の第一リンク機構110の構成について説明する。
なお、以下では、特に説明がなければ、可動体60を作動位置に支持した状態の第一リンク機構110を想定して、その配置構成を説明する。
第一リンク機構110は、可動体60をケース体30(遊技盤5)に対して回動(揺動)可能に支持するための四節平行リンク機構である。第一リンク機構110は、互いに対向して配置された一対のリンク部材として、第一アーム40と、第二アーム50と、を備える。
図4から図8までに示す第一アーム40は、第二アーム50とともに可動体60を支持するための湾曲した細長い概ね棒状の部材である。第一アーム40の上端部には、前後方向に貫通した第一アーム上側貫通孔41が穿孔される。また、第一アーム40の下端部には、前後方向に貫通した第一アーム下側貫通孔42が穿孔される。
第一アーム40の上端部は、第一アーム上側貫通孔41に挿通された第一回動軸41aを介して、ケース体30の左右略中央であって当該ケース体30の後側面に回動自在に軸支される。なお、第一回動軸41aは、ケース体30の後側面と、第一アーム40の上端部の後方に配置された基板取付板33と、の間で軸心方向を前後方向として支持される。
また、第一アーム40の下端部は、第一アーム下側貫通孔42に挿通された第二回動軸42aを介して、可動体60(より詳細には、可動体上部61の上部突出部64)の後側面に回動自在に軸支される。なお、第二回動軸42aは、可動体上部61の上部突出部64の後側面と、第一アーム40の下端部の後方に配置された回動軸支板74と、の間で軸心方向を前後方向として支持される。
また、第一アーム40の下端部には、概ね左下方へ向けて突出する第一アーム突出部43が形成される。第一アーム突出部43は、第一アーム40を可動体60(より詳細には、可動体左足部62)に連動連結させるためのものであり、後述する第二リンク機構120を構成するリンク部材のうちの一つである。第一アーム突出部43の先端部(下端部)には、円筒状に形成された第一アームボス部46が、軸心方向を前後方向として後方へ向けて突出される。
また、第一アーム突出部43は、第一アーム40との成す角度を保持して突出している。より詳細には、図8に示すように、第一アーム40における第一回動軸41aと第二回動軸42aとを結ぶ直線K1と、第一アーム突出部43における第二回動軸42aと第一アームボス部46とを結ぶ直線K2とにより形成される角度が、所定の角度αを保持するように設定される。本実施形態では、所定の角度αとして140度が設定される。なお、前記所定の角度αは、例えば180度、即ち第一アーム40における第一回動軸41aと第二回動軸42aとを結ぶ直線K1と、第一アーム突出部43における第二回動軸42aと第一アームボス部46とを結ぶ直線K2とが、それぞれの延長線上に重複するように配置されるような角度に設定することもできる。
図4から図8までに示す第二アーム50は、第一アーム40とともに可動体60を支持するための湾曲した細長い概ね棒状の部材である。第二アーム50は、第一アーム40から所定の間隔をあけて当該第一アーム40の右方に配置される。第二アーム50の上端部には、前後方向に貫通した第二アーム上側貫通孔51が穿孔される。また、第二アーム50の下端部には、前後方向に貫通した第二アーム下側貫通孔52が穿孔される。
第二アーム50の上端部は、第二アーム上側貫通孔51に挿通された第三回動軸51aを介して、ケース体30の左右略中央から若干右方であって当該ケース体30の後側面に回動自在に軸支される。なお、第三回動軸51aは、第一アーム40の第一回動軸41aと略同一の高さに配置されるとともに、ケース体30の後側面を貫通して、ケース体30の前側面と基板取付板33との間で、軸心方向を前後方向として支持される。
なお、第二アーム50の上端部は、駆動伝達板85の上端部に、相対回転不能に嵌合される。つまり、同一の回動軸(第三回動軸51a)により回転自在に軸支された第二アーム50と駆動伝達板85とは、第三回動軸51aの軸心を中心として一体的に回動するように形成される。
また、第二アーム50の下端部は、第二アーム下側貫通孔52に挿通された第四回動軸52aを介して、可動体60(より詳細には、可動体上部61の上部突出部64)の後側面に回動自在に軸支される。なお、第四回動軸52aは、第一アーム40の第二回動軸42aと略同一の高さに配置されるとともに、上部突出部64の後側面と回動軸支板74との間で軸心方向を前後方向として支持される。
なお、第二アーム50の第三回動軸51aと第四回動軸52aとの軸心の間の長さは、第一アーム40の第一回動軸41aと第二回動軸42aとの軸心の間の長さと同一となるように形成される。
以上のように、リンク部材として、第一アーム40及び第二アーム50を備えて、第二アーム50を原動節、ケース体30を固定節、可動体上部61を中間節、第一アーム40を従動節とする四節平行リンク機構を構成する。なお、このように2本のアーム(第一アーム40及び第二アーム50)により可動体60を支持しているので、当該可動体60を安定して支持することができる。
なお、第一リンク機構110は、本発明に係る第二の四節リンク機構の一実施形態である。
そして、第一回動軸41a、第二回動軸42a、第三回動軸51a、及び第四回動軸52aは、それぞれ上記のリンク部材を連結する回転対偶であり、正面視で平行四辺形(図8にて示す符号Xを参照)の頂点に相当する位置にそれぞれ配置される。
次に、可動役物装置100の可動体60の構成について説明する。
なお、以下では、特に説明がなければ、作動位置に支持された状態の可動体60を想定して、その配置構成を説明する。
図4から図7まで、及び図9に示す可動体60は、遊技機1の遊技演出に応じて待機位置と作動位置との間を往復回動(揺動)し、遊技者に視覚的な印象を与え、その遊技者の興趣を高める部材である。可動体60は、待機位置と作動位置との間を往復回動(揺動)するとともに変形するように構成され、作動位置においては正面視で漢字の「大」を模した形状に変形される。可動体60は、ケース体30の下方に配置される。可動体60は、主として、可動体上部61と、可動体左足部62と、可動体右足部63と、により構成される。
可動体上部61は、正面視で左右方向に細長い概ね矩形の箱状の部材である。可動体上部61は、正面視で漢字の「大」のうち一画目の軌跡を模した形状として形成される。可動体上部61の左右略中央には、上方へ向けて突出した上部突出部64が形成される。可動体上部61の前側面には、透光性部材65が適宜配設される。可動体上部61内には、LED(不図示)が配設され、透光性部材65を介して前方を照射することができる。
なお、可動体上部61は、本発明に係る主可動体の一実施形態である。
可動体左足部62は、下方へ延出されるに従い左方へ湾曲して、さらには正面視で短手方向幅が広くなるように形成される細長い箱状の部材である。可動体左足部62は、正面視で漢字の「大」のうち二画目の軌跡を模した形状として形成される。可動体左足部62の前側面には、透光性部材65が適宜配設される。可動体左足部62内には、LED(不図示)が配設され、透光性部材65を介して前方を照射することができる。
なお、可動体左足部62は、本発明に係る従可動体の一実施形態である。
可動体左足部62の上端部には、上方へ向けて突出した左足軸支部66が形成される。左足軸支部66は、可動体左足部62を可動体上部61に軸支するためのものである。左足軸支部66の上端部には、前後方向に貫通した左足貫通孔67が穿孔される。可動体左足部62の上端部は、左足貫通孔67に挿通された左足回動軸67aを介して、可動体上部61の後側面に回動自在に軸支される。なお、左足回動軸67aは、第二回動軸42aの下方で、可動体上部61の後側面と回動軸支板74との間で軸心方向を前後方向として支持される。
また、左足軸支部66の左端部には、左足軸支部66との成す角度を保持して概ね左方へ向けて突出した左足突出部68が形成される。左足突出部68は、可動体左足部62を第一アーム40に連動連結させるためのものである。左足突出部68の先端部には、円筒状に形成された左足ボス部72が、軸心方向を前後方向として後方へ向けて突出される。
また、左足軸支部66の上端部には、平歯車の一部を切り取った形状である左足歯車部69が形成される。左足歯車部69は、可動体左足部62を可動体右足部63に連動連結させるためのものである。左足歯車部69は、右上方へ向けた円弧状に歯車が形成され、その軸心が左足貫通孔67の軸心と重複するように形成される。
なお、可動体左足部62は、可動体60が作動位置から待機位置へ回動する場合には、正面視右回り(時計回り)に回動して、当該可動体左足部62の先端部(作動位置における下端部)を概ね左方へ向けた状態で配置される。
可動体右足部63は、下方へ延出されるに従い右方へ湾曲して、さらには正面視で短手方向幅が広くなるように形成される細長い箱状の部材である。可動体右足部63は、正面視で漢字の「大」のうち三画目の軌跡を模した形状として形成される。可動体右足部63の前側面には、透光性部材65が適宜配設される。可動体右足部63内には、LED(不図示)が配設され、透光性部材65を介して前方を照射することができる。
可動体右足部63の上端部には、上方へ向けて突出した右足軸支部73が形成される。右足軸支部73は、可動体右足部63を可動体上部61に軸支するためのものである。右足軸支部73の上端部には、前後方向に貫通した右足貫通孔70が穿孔される。可動体右足部63の上端部は、右足軸支部73の右足貫通孔70に挿通された右足回動軸70aを介して、可動体上部61の後側面に回動自在に軸支される。なお、右足回動軸70aは、第四回動軸52aの下方で、可動体上部61の後側面と回動軸支板74との間で軸心方向を前後方向として支持される。
また、右足軸支部73の上端部には、平歯車の一部を切り取った形状である右足歯車部71が形成される。右足歯車部71は、可動体右足部63を可動体左足部62に連動連結させるためのものである。右足歯車部71は、左上方へ向けた円弧状に歯車が形成され、その軸心が右足貫通孔70の軸心と重複するように形成される。
なお、右足歯車部71の歯車は、左足歯車部69の歯車と同一形状であって、同一の歯数を有している。そして、右足歯車部71の歯車は、左足歯車部69の歯車に歯合されている。
なお、可動体右足部63は、可動体60が作動位置から待機位置へ回動する場合には、正面視左回り(反時計回り)に回動して、当該可動体右足部63の先端部(作動位置における下端部)を概ね右方へ向けた状態で配置される。
上述の如く構成された可動体上部61、可動体左足部62、及び可動体右足部63によって、可動体60は、作動位置において、正面視で漢字の「大」を模した形状となる。より詳細には、可動体左足部62及び可動体右足部63が、左右に隣接して可動体上部61の左右略中央に配置される。そして、可動体左足部62の左足軸支部66及び可動体右足部63の右足軸支部73は、正面視で可動体上部61の背後(後方)に配置される。従って、前方から可動体60を視認した場合、可動体左足部62の左足軸支部66及び可動体右足部63の右足軸支部73は視認されず、正面視で可動体上部61、可動体左足部62、及び可動体右足部63の露出している部分の組み合わせによって可動体60の外縁形状(外観)が、漢字の「大」を模した形状となる。
一方、可動体60は、待機位置において、正面視で左右に細長い概ね矩形の形状となる(正面視で漢字の「大」を模した形状とならない。)。より詳細には、可動体左足部62の先端部及び可動体右足部63の先端部が、それぞれ左右方へ向けて配置される。そして、可動体左足部62の先端部及び可動体右足部63の先端部が、それぞれ可動体上部61の左右端部から正面視で外方へ向けて突出するように配置される。従って、前方から可動体60を視認した場合、正面視で可動体上部61、可動体左足部62、及び可動体右足部63の露出している部分の組み合わせによって可動体60の外縁形状(外観)が、左右に細長い概ね矩形の形状となる。
次に、可動役物装置100の第二リンク機構120の構成について説明する。
なお、以下では、特に説明がなければ、可動体60が作動位置に支持された状態の第二リンク機構120を想定して、その配置構成を説明する。
図4、図6及び図7、及び図10に示す第二リンク機構120は、第一リンク機構110から伝達された駆動力によって可動体左足部62を可動体上部61に対して回動可能に支持するための四節リンク機構である。換言すれば、第二リンク機構120は、可動体60の待機位置から作動位置(または、作動位置から待機位置)への回動(揺動)とともに当該可動体60を変形させるための機構である。第二リンク機構120は、可動体60の可動体上部61の後方であって、左右略中央に配置される。第二リンク機構120は、リンク部材として、上述の如く構成された第一アーム40の第一アーム突出部43と、第二駆動アーム91と、上述の如く構成された可動体左足部62の左足軸支部66(より詳細には、左足突出部68)と、を備える。
第二駆動アーム91は、第一リンク機構110に伝達された駆動力を、第一アーム40の第一アーム突出部43を介して、可動体左足部62の左足軸支部66に伝達するための細長い板状の部材である。第二駆動アーム91は、可動体上部61の左右略中央から左方であって、第一アーム40の第一アーム突出部43及び可動体左足部62の左足突出部68の後方にて、長手方向を概ね上下方向として配置される。第二駆動アーム91の上端部には、前後方向に貫通した第二駆動アーム上側貫通孔91aが穿孔される。また、第二駆動アーム91の下端部には、前後方向に貫通した第二駆動アーム下側貫通孔91bが穿孔される。
第二駆動アーム91の上端部は、第二駆動アーム上側貫通孔91aに前方から第一アーム40の第一アームボス部46が挿通され、当該第一アームボス部46の後端部が座金とともにネジ止めされることによって回動自在に軸支される。また、第二駆動アーム91の下端部は、第二駆動アーム下側貫通孔91bに前方から可動体左足部62の左足ボス部72が挿通され、当該左足ボス部72の後端部が座金とともにネジ止めされることによって回動自在に軸支される。
なお、第二駆動アーム91は、本発明に係る連結部材の一実施形態である。
以上のように、リンク部材として、第一アーム40の第一アーム突出部43と、第二駆動アーム91と、可動体左足部62の左足軸支部66の左足突出部68と、を備えて、第一アーム突出部43を原動節、可動体上部61を固定節、第二駆動アーム91を中間節、左足突出部68を従動節とする四節リンク機構を構成する。
なお、第二リンク機構120は、本発明に係る第一の四節リンク機構の一実施形態である。
そして、第二回動軸42a、第一アームボス部46、左足ボス部72、及び左足回動軸67aは、それぞれ上記のリンク部材を連結する回転対偶であり、正面視で四角形(図10にて示す符号Yを参照)の頂点に相当する位置にそれぞれ配置される。
次に、上述の如く構成された駆動機構80の動作態様について、図11及び図12を用いて説明する。
先ず、待機位置に支持された状態の可動体60を作動位置へ回動させるための駆動力を第一リンク機構110に伝達する場合の駆動機構80の動作態様について説明する。
なお、かかる場合、駆動機構80の動作態様は、図11及び図12の(a)、(b)、(c)と順番に変化していくこととなる(図中の白抜き矢印参照)。
モータ81の出力軸81aから出力された駆動力は、次に第一駆動歯車82に伝達される。第一駆動歯車82は、正面視左回り(反時計回り)に回転する。第一駆動歯車82に伝達された駆動力は、第二駆動歯車83に伝達される。第二駆動歯車83は、第一駆動歯車82の回転に応じて、正面視右回り(時計回り)に回転する。また、第二駆動歯車83の回転とともに、第二駆動歯車ボス部86が、第二駆動歯車83の軸心を中心として正面視右回り(時計回り)に回動する。
第二駆動歯車83に伝達された駆動力は、次に第一駆動アーム84に伝達される。第一駆動アーム84は、第二駆動歯車83の第二駆動歯車ボス部86の回動に応じて、第一駆動アーム84の右端部が当該第二駆動歯車ボス部86の回動軌跡に沿って移動し、長手方向を概ね左右方向として回動しながら全体として右方へ移動する。
第一駆動アーム84に伝達された駆動力は、次に駆動伝達板85に伝達される。駆動伝達板85は、第一駆動アーム84の移動に応じて、上端部の伝達板貫通孔88に挿通された第三回動軸51aの軸心を中心として正面視左回り(反時計回り)に回動する。そして、駆動伝達板85に伝達された駆動力は、次に第一リンク機構110(より詳細には、第二アーム50)に伝達される。
次に、作動位置に支持された状態の可動体60を待機位置へ回動させるための駆動力を第一リンク機構110に伝達する場合の駆動機構80の動作態様について説明する。
なお、かかる場合、駆動機構80の動作態様は、図11及び図12の(c)、(b)、(a)と順番に変化していくこととなる(図中の黒塗り矢印参照)。
モータ81の出力軸81aから出力された駆動力は、次に第一駆動歯車82に伝達される。第一駆動歯車82は、正面視右回り(時計回り)に回転する。第一駆動歯車82に伝達された駆動力は、第二駆動歯車83に伝達される。第二駆動歯車83は、第一駆動歯車82の回転に応じて、正面視左回り(反時計回り)に回転する。また、第二駆動歯車83の回転とともに、第二駆動歯車ボス部86が、第二駆動歯車83の軸心を中心として正面視左回り(反時計回り)に回動する。
第二駆動歯車83に伝達された駆動力は、次に第一駆動アーム84に伝達される。第一駆動アーム84は、第二駆動歯車83の第二駆動歯車ボス部86の回動に応じて、第一駆動アーム84の右端部が当該第二駆動歯車ボス部86の回動軌跡に沿って移動し、全体として長手方向を概ね左右方向として回動しながら左方へ移動する。
第一駆動アーム84に伝達された駆動力は、次に駆動伝達板85に伝達される。駆動伝達板85は、第一駆動アーム84の移動に応じて、上端部の伝達板貫通孔88に挿通された第三回動軸51aの軸心を中心として正面視右回り(時計回り)に回動する。そして、駆動伝達板85に伝達された駆動力は、次に第一リンク機構110(より詳細には、第二アーム50)に伝達される。
次に、駆動機構80により駆動力が伝達された場合の第一リンク機構110の動作態様について、図13及び図14を用いて説明する。
なお、図13及び図14は背面図であるため、各部材の回転方向については、背面視を基準として説明する。
先ず、待機位置に支持された状態の可動体60を作動位置へ回動させるための駆動力が駆動機構80から伝達された場合の、第一リンク機構110の動作態様について説明する。
なお、かかる場合、第一リンク機構110の動作態様は、図13の(a)、(b)、及び図14の(a)、(b)、(c)と順番に変化していくこととなる(図中の黒塗り矢印参照)。
第二アーム50は、駆動機構80から伝達された駆動力(より詳細には、駆動伝達板85の回動)に応じて、第二アーム上側貫通孔51に挿通された第三回動軸51aの軸心を中心として背面視右回り(時計回り)に回動する。そして、第二アーム50に伝達された駆動力は、可動体60(より詳細には、可動体上部61)に伝達される。
第二アーム50から駆動力が伝達された可動体上部61は、第二アーム50の回動に応じて、第二アーム上側貫通孔51に挿通された第三回動軸51aの軸心を中心として背面視右回り(時計回り)に回動する。そして、可動体上部61に伝達された駆動力は、次に第一アーム40に伝達される。即ち、可動体上部61の回動に応じて、第一アーム40が、第一回動軸41aの軸心を中心として背面視右回り(時計回り)に回動して、畳まれた状態の第一アーム40及び第二アーム50が展開することとなる。
なお、上述の如く第一リンク機構110は四節平行リンク機構であるとともに、第一アーム40及び第二アーム50が互いに対向する一対のリンク部材として形成されているので、畳まれた状態の第一アーム40及び第二アーム50が展開する際には、当該第一アーム40及び第二アーム50に支持された可動体上部61が、左右方向の姿勢を維持したまま回動されることとなる。
次に、作動位置に支持された状態の可動体60を待機位置へ回動させるための駆動力が駆動機構80から伝達された場合の、第一リンク機構110の動作態様について説明する。
なお、かかる場合、第一リンク機構110の動作態様は、図13の(b)、(a)、及び図14の(c)、(b)、(a)と順番に変化していくこととなる(図中の白抜き矢印参照)。
第二アーム50は、駆動機構80から伝達された駆動力(より詳細には、駆動伝達板85の回動)に応じて、第二アーム上側貫通孔51に挿通された第三回動軸51aの軸心を中心として背面視左回り(反時計回り)に回動する。そして、第二アーム50に伝達された駆動力は、可動体60(より詳細には、可動体上部61)に伝達される。
第二アーム50から駆動力が伝達された可動体上部61は、第二アーム50の回動に応じて、第二アーム上側貫通孔51に挿通された第三回動軸51aの軸心を中心として背面視左回り(反時計回り)に回動する。そして、可動体上部61に伝達された駆動力は、次に第一アーム40に伝達される。即ち、可動体上部61の回動に応じて、第一アーム40が、第一回動軸41aの軸心を中心として背面視左回り(反時計回り)に回動して、展開された状態の第一アーム40及び第二アーム50が畳まれた状態に移行する。
なお、上述の如く第一リンク機構110は四節平行リンク機構であるとともに、第一アーム40及び第二アーム50が互いに対向する一対のリンク部材として形成されているので、展開された状態の第一アーム40及び第二アーム50が畳まれた状態に移行する際には、当該第一アーム40及び第二アーム50に支持された可動体上部61が、左右方向の姿勢を維持したまま回動されることとなる。
このように、駆動機構80からの駆動力によって第一アーム40(第一リンク機構110)が回動(揺動)すると、第一リンク機構110によって、第一アーム40(第一リンク機構110)の回動(揺動)とともに可動体60の可動体上部61がケース体30(遊技盤5)に対して相対的に回動するように構成される。
次に、第一リンク機構110により駆動力が伝達された場合の第二リンク機構120の動作態様について、図13及び14を用いて説明する。
なお、図13及び図14は背面図であるため、各部材の回転方向については、背面視を基準として説明する。
先ず、待機位置に支持された状態の可動体60を作動位置へ回動させるための駆動力が第一リンク機構110から伝達された場合の、第二リンク機構120の動作態様について説明する。
なお、かかる場合、第二リンク機構120の動作態様は、図14の(a)、(b)、(c)と順番に変化していくこととなる(図中の黒塗り矢印参照)。
第一リンク機構110のうち第一アーム40に伝達された駆動力は、第二リンク機構120としての第一アーム40の第一アーム突出部43を介して、第二駆動アーム91に伝達される。即ち、第一アーム40が第一回動軸41aの軸心を中心として背面視右回り(時計回り)に回動すると、この回動に応じて、第一アーム40の第一アーム突出部43が第二回動軸42aの軸心を中心として背面視右回り(時計回り)に回動する。ここで、第二回動軸42aは、可動体60の可動体上部61に支持されている。従って、第一アーム40の第一アーム突出部43は、可動体上部61に対して背面視右回り(時計回り)に回動することとなる。
第一アーム突出部43に伝達された駆動力は、次に第二駆動アーム91に伝達される。即ち、第二駆動アーム91は、第一アーム突出部43の第一アームボス部46の回動に応じて、第二駆動アーム91の上端部が当該第一アームボス部46の回動軌跡に沿って移動し、長手方向を概ね上下方向として回動しながら、可動体上部61に対して全体として下方へ移動する。
第二駆動アーム91に伝達された駆動力は、次に左足軸支部66の左足突出部68に伝達される。即ち、第二駆動アーム91が可動体上部61に対して全体として下方へ移動すると、第二駆動アーム91の移動に応じて、左足突出部68が左足回動軸67aの軸心を中心として背面視右回り(時計回り)に回動する。そして、左足突出部68の回動とともに、左足軸支部66が左足回動軸67aの軸心を中心として背面視右回り(時計回り)に回動する。そして、左足軸支部66に駆動力が伝達されると、当該左足軸支部66とともに、可動体左足部62が左足回動軸67aの軸心を中心として背面視右回り(時計回り)に回動する。
なお、左足軸支部66に伝達された駆動力は、次に右足軸支部73に伝達される。即ち、左足軸支部66の回動とともに、左足軸支部66の左足歯車部69が左足回動軸67aの軸心を中心として背面視右回り(時計回り)に回動する。そして、左足歯車部69の回動に応じて、右足軸支部73の右足歯車部71が右足回動軸70aの軸心を中心として背面視左回り(反時計回り)に回動する。そして、右足歯車部71の回動とともに、右足軸支部73が右足回動軸70aの軸心を中心として背面視左回り(反時計回り)に回動する。
このように、第二リンク機構120は、可動体60が待機位置に支持された状態から作動位置へと回動されている間に、可動体左足部62及び可動体右足部63を相互に近接する方向へ回動させ(可動体上部61に対して相対的に回動させ)、可動体60を正面視で左右に細長い概ね矩形の形状から漢字の「大」を模した形状となるように変形させる。
次に、作動位置に支持された状態の可動体60を待機位置へ回動させるための駆動力が第一リンク機構110から伝達された場合の、第二リンク機構120の動作態様について説明する。
なお、かかる場合、第二リンク機構120の動作態様は、図14の(c)、(b)、(a)と順番に変化していくこととなる(図中の白抜き矢印参照)。
第一リンク機構110のうち第一アーム40に伝達された駆動力は、第二リンク機構120としての第一アーム40の第一アーム突出部43を介して、第二駆動アーム91に伝達される。即ち、第一アーム40が第一回動軸41aの軸心を中心として背面視左回り(反時計回り)に回動すると、この回動に応じて、第一アーム40の第一アーム突出部43が第二回動軸42aの軸心を中心として背面視左回り(反時計回り)に回動する。ここで、第二回動軸42aは、可動体60の可動体上部61に支持されている。従って、第一アーム40の第一アーム突出部43は、可動体上部61に対して背面視左回り(反時計回り)に回動することとなる。
第一アーム突出部43に伝達された駆動力は、次に第二駆動アーム91に伝達される。即ち、第二駆動アーム91は、第一アーム突出部43の第一アームボス部46の回動に応じて、第二駆動アーム91の上端部が当該第一アームボス部46の回動軌跡に沿って移動し、長手方向を概ね上下方向として回動しながら、可動体上部61に対して全体として上方へ移動する。
第二駆動アーム91に伝達された駆動力は、次に左足軸支部66の左足突出部68に伝達される。即ち、第二駆動アーム91が可動体上部61に対して全体として上方へ移動すると、第二駆動アーム91の移動に応じて、左足突出部68が左足回動軸67aの軸心を中心として背面視左回り(反時計回り)に回動する。そして、左足突出部68の回動とともに、左足軸支部66が左足回動軸67aの軸心を中心として背面視左回り(反時計回り)に回動する。そして、左足軸支部66に駆動力が伝達されると、当該左足軸支部66とともに、可動体左足部62が左足回動軸67aの軸心を中心として背面視左回り(反時計回り)に回動する。
なお、左足軸支部66に伝達された駆動力は、次に右足軸支部73に伝達される。即ち、左足軸支部66の回動とともに、左足軸支部66の左足歯車部69が左足回動軸67aの軸心を中心として背面視左回り(反時計回り)に回動する。そして、左足歯車部69の回動に応じて、右足軸支部73の右足歯車部71が右足回動軸70aの軸心を中心として背面視右回り(時計回り)に回動する。そして、右足歯車部71の回動とともに、右足軸支部73が右足回動軸70aの軸心を中心として背面視右回り(時計回り)に回動する。
このように、第二リンク機構120は、可動体60が作動位置に支持された状態から待機位置へと回動されている間に、可動体左足部62及び可動体右足部63を相互に離間する方向へ回動させ(可動体上部61に対して相対的に回動させ)、可動体60を正面視で漢字の「大」を模した形状から左右に細長い概ね矩形の形状となるように変形させる。
また、上述の如く、駆動機構80からの駆動力によって第一アーム40(第一リンク機構110)が回動(揺動)すると、第二リンク機構120によって、第一アーム40(第一リンク機構110)の回動(揺動)とともに可動体左足部62及び可動体右足部63が可動体上部61に対して相対的に回動するように構成される。換言すれば、可動体左足部62及び可動体右足部63は、第一アーム40(第一リンク機構110)の回動(揺動)を駆動源として、可動体上部61に対して相対的に回動するように構成される。
このように、本発明の一実施形態に係る可動役物装置100においては、主可動体である可動体上部61に第二リンク機構120を設けて、この第二リンク機構120によって従可動体である可動体左足部62を可動体上部61に対して相対的に回動させるので、可動体上部61に対する第一アーム40(第一リンク機構110)の回動(揺動)に連動して、可動体左足部62を円滑に回動させることができる。
また、可動役物装置100においては、従可動体である可動体左足部62が可動体上部61に対して相対的に回動可能に構成されるとともに、主可動体である可動体上部61がケース体30(遊技盤5)に対して相対的に回動(揺動)可能に構成される。即ち、可動体上部61と可動体左足部62とは、ケース体30(遊技盤5)を基準とした方向と可動体上部61を基準とした方向とのそれぞれ異なる方向で動作させることができる。つまり、可動役物装置100においては、従来の技術と比して可動体60全体として複雑な動作をさせることができ、ひいては遊技演出の趣興性を高めることができる。
また、可動役物装置100においては、主可動体となる可動体上部61に対して2つの従可動体(可動体左足部62及び可動体右足部63)が備えられ、それぞれが可動体上部61に対して相対的に回動可能に構成される。即ち、可動体上部61に対して可動体左足部62のみが備えられた場合(1つの従可動体が備えられた場合)と比して、可動体60全体としてより複雑な動作をさせることができ、ひいては遊技演出の趣興性をより高めることができる。
また、可動役物装置100においては、第一アーム40のうち、第一アーム突出部43以外の部位(第一回動軸41aから第二回動軸42aまでの部位)が、第一リンク機構110を構成するリンク部材のうちの一つであり、第一アーム突出部43が、第二リンク機構120を構成するリンク部材のうちの一つである。即ち、第一アーム40は、単一の部材によって、二つのリンク機構(第一リンク機構110及び第二リンク機構120)のリンク部材を兼用する部材として形成されている。ここで、可動体60は、液晶画面20の前方を回動する部材であるため、大きさに制限が設けられる(比較的小さく形成される)ところ、可動体60に設けられる部材点数を少なくして、省スペース化を図ることができるとともに、組み付けの容易化を図ることができる。
また、上述の如く構成された第一アーム40における第一回動軸41aと第二回動軸42aとを結ぶ直線K1と、第一アーム突出部43における第二回動軸42aと第一アームボス部46とを結ぶ直線K2とにより形成される所定の角度αを変更するだけで、第一リンク機構110と第二リンク機構120との相互の連動関係(第一リンク機構110の回動動作に対応する第二リンク機構120の回動動作)を容易に変更することができる。
なお、図15に示すように、本実施形態においては、第一アーム突出部43は、2つのアーム(第一アーム40及び第二アーム50)のうち、第二アーム50ではなく、第一アーム40に設けられている。これは、第一アーム40及び第二アーム50のケース体30に対しての回動中心となる、第一アーム40の第一回動軸41aと第二アーム50の第三回動軸51aとの軸心を結んだ中点(図中における符号Pの位置)から、第一アーム40の第二回動軸42aまでの距離(図中における符号L1)と、第二アーム50の第四回動軸52aまでの距離(図中における符号L2)とのうち、長い距離(符号L1)となる側のアーム(第一アーム40)に突出部が設けられたものである。
このような構成によって、第一アーム40及び第二アーム50の外方に生じる空間を利用して、第二駆動アーム91を配置することができるので、省スペース化を図ることができる。
以上のように、本発明の一実施形態に係る可動役物装置100は、
一方の端部が遊技盤5に回動自在に軸支される第一アーム40と、
前記第一アーム40の他方の端部に回動自在に軸支される可動体上部61(主可動体)と、
前記可動体上部61(主可動体)に回動自在に軸支される可動体左足部62(従可動体)と、
前記第一アーム40を揺動するモータ81(駆動源)と、
を具備する遊技機1の可動役物装置であって、
前記第一アーム40の他方の端部に、前記第一アーム40との成す角度を保持して突出する第一アーム突出部43(アーム突出部)と、
前記可動体左足部62(従可動体)に設けられ、前記可動体左足部62(従可動体)との成す角度を保持して突出する左足突出部68(従可動体突出部)と、
一方の端部が前記第一アーム突出部43(アーム突出部)に回動自在に軸支されるとともに、他方の端部が前記左足突出部68(従可動体突出部)に回動自在に軸支される第二駆動アーム91(連結部材)と、
を具備して、
前記第一アーム突出部43(アーム突出部)を原動節、前記可動体上部61(主可動体)を固定節、前記第二駆動アーム91(連結部材)を中間節、前記左足突出部68(従可動体突出部)を従動節とする第二リンク機構120(第一の四節リンク機構)を構成し、
前記第一アーム40の揺動に伴って前記可動体左足部62(従可動体)を前記可動体上部61(主可動体)に対して相対的に回動させるものである。
また、本発明の一実施形態に係る可動役物装置100は、
一方の端部が前記遊技盤に回動自在に軸支されるとともに、他方の端部が前記主可動体に回動自在に軸支される第一アーム40及び第二アーム50を具備し、前記モータ81(駆動源)によって前記第二アーム50を駆動して前記第二アーム50を原動節、前記遊技盤5を固定節、前記可動体上部61(主可動体)を中間節、前記第一アーム40を従動節とする第一リンク機構110(第二の四節リンク機構)を構成し、前記第一アーム突出部43(アーム突出部)を前記第一アーム40の他方の端部に設けるものである。
このような構成によって、可動役物装置100は、第一アーム40に支持される可動体上部61の動作と、前記可動体上部61に支持される可動体左足部62の動作とを相対的に異なる方向で動作させることによって、可動体上部61及び可動体左足部62の動作を複雑として、ひいては遊技演出の趣興性を向上させることができる。
また、可動役物装置100は、2本のアーム(第一アーム40及び第二アーム50)で、可動体60を支持しているので、当該可動体60を安定して支持することができる。
さらに、第一リンク機構110において、第二アーム50を原動節とするとともに、第一アーム40を従動節とし、第一リンク機構110と第二リンク機構120を連係するためのアーム突出部を第一アーム40に設けたため、一方のアームに負荷が集中するのを防止することができる。すなわち、第二アーム50を第一リンク機構110の原動節に設定してモータ81からの駆動力を主として第二アーム50で受ける一方で、第一リンク機構110の従動節の第一アーム40(サポートとして機能する側のアーム)に第二リンク機構120の原動節を接続し、可動体左足部62からの負荷を主として第一アーム40で受けるように構成したため、モータ81及び可動体左足部62からの負荷を二本のアーム40・50によって分散することができ、過負荷によるアームの損傷を防止することが可能になる。