JP5475985B2 - 珪酸塩の析出防止方法 - Google Patents
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本発明に係る水性組成物には(a)成分として珪酸塩を含有する。珪酸塩としてはアルカリ金属珪酸塩が好適であり、下記一般式(1)で示される化合物が防錆性の点から好適である。
xM2O・ySiO2 (1)
〔式中、Mは周期律表のIa族元素、y/xは0.5〜3.5である。また、該化合物は結晶構造をとらないものが好適である。〕
(b)成分の界面活性剤とは、炭素数9〜18の炭化水素基を1つ以上有し、水中においてcmc(臨界ミセル濃度)を有する化合物が好ましく、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤を挙げることができる。
cmc(臨界ミセル濃度)を有する陰イオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、石鹸、アルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、スルホコハク酸ジエステル塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩を挙げることができ、非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルグリコシド、アミンオキサイドを挙げることができ、陽イオン界面活性剤としてはモノ又はジアルキルアミン及びそのポリオキシエチレン付加物、モノ又はジ長鎖アルキル第4級アンモニウム塩を挙げることができ、両性界面活性剤としてはカルボベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタインを挙げることができる。
(a)以外のアルカリ剤(c)としては、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、1−アミノ−2メチルプロパノールが挙げられ、モノエタノールアミン、水酸化ナトリウムが好ましい。
本発明に係る(d)成分はグリセリンであり、油脂などを加水分解して得られるグリセリンを用いることもでき、精製されたグリセリンや局法グリセリンを使用することもできる。
本発明に係る水性組成物は、(a)成分を0.05質量%以上、好ましくは0.1質量%以上含有する。また、固化/析出防止の点から、水性組成物中の(a)成分の含有量は、3質量%以下が好ましく、更に1質量%以下がより好ましい。
R1−O[(C2H4O)m/(C3H6O)n]−R2 (2)
〔R1、R2は水素原子、1〜8のアルキル基又はフェニル基であり、R1、R2の両者が水素原子であるものを除く。m、nは0〜3の数であり、m+nは1〜3の数である。(C2H4O)と(C3H6O)の順序は問わない。〕
R3−X (3)
〔R3は1〜8のアルキル基であり、Xはグリセリンの1つの水酸基から水素原子を除いた残基、又は平均付加モル数2〜10のポリグリセリンの1つの水酸基から水素原子を除いた残基である。〕
(1)フィチン酸などのリン酸系化合物またはこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩。
(2)エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸及びその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸などのホスホン酸またはこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩。
(3)2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸などのホスホノカルボン酸またはこれのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩。
(4)アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシンなどのアミノ酸またはこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩。
(5)ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエンコル酸、アルキルグリシン−N,N−ジ酢酸、アスパラギン酸−N,N−ジ酢酸、セリン−N,N−ジ酢酸、グルタミン酸二酢酸、エチレンジアミンコハク酸などのアミノポリ酢酸またはこれらの塩、好ましくはアルカリ金属塩、もしくはアルカノールアミン塩。
(6)ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、クエン酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、オキシジコハク酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキメチル酒石酸などの有機酸またはこれらのアルカリ金属塩、もしくはアルカノールアミン塩。
(7)アミノポリ(メチレンホスホン酸)もしくはそのアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩、またはポリエチレンポリアミンポリ(メチレンホスホン酸)もしくはアルカリ金属塩もしくはアルカノールアミン塩を挙げることができる。
表1に示す各成分を用い、実施例、比較例の水性組成物を得た。各水性組成物を用い、下記の方法により、トリガーのつまり、洗浄力、防錆性能の各試験を行った。結果を表1に示す。
トリガー式スプレーヤー容器としてガラスマジックリン(花王株式会社製、吐出口の口径0.5mm)をイオン交換水にて十分洗浄し、乾燥させたものに、各水性組成物はを充填した。10回スプレーした後、40℃で2週間放置し、再びスプレーしたときのトリガーのつまりを下記の基準で評価した。
3:つまりがなく、意図する方向にスプレーできる。
2:吐出口近辺に析出物があるので、意図する方向にスプレーできない。
1:つまりが発生し、トリガーを引いてもスプレーできない。
天ぷら油200gを鉄板に均一に塗布し、180℃の温度で1時間焼き付け、殆ど乾いた膜を形成してモデル汚染板とした。このモデル汚染板に対してトリガー式スプレーヤー容器(上記と同じもの)に充填された各水性組成物をスプレーし、1分間放置した。その後、浮き上がった汚れを脱脂綿で軽く除去し、その洗浄の程度を下記の基準により評価した。なお、この操作を10回行い平均値で評価した。
5:完全な汚れ落ち
4:80%程度の汚れ落ち
3:60%程度の汚れ落ち
2:50%程度の汚れ落ち
1:30%程度の汚れ落ち
0:まったく汚れが落ちない。
ガラス瓶に満たされた各水性組成物の液にアルミニウム板(1mm×20mm×50mm)を浸漬し、40℃で2週間保存した。アルミニウム板の表面の状態を観察し、下記基準を設け、評価した。
○:錆びが発生しない。
×:錆びが発生する。
・アルキルグリコシド:マイドール12、花王株式会社製
・アルキルアミンオキサイド:アルキル(炭素数12)ジメチルアミンオキサイド
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸Na:ポリオキシエチレン(エチレンオキシド平均付加モル数4)アルキル(炭素数12)エーテル硫酸ナトリウム
・EDTA.4Na:エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム
Claims (10)
- 珪酸塩(a)を0.05質量%以上、界面活性剤(b)を1質量%未満、及び(a)以外のアルカリ剤(c)を0.6〜10質量%含有する水性組成物を、口径が0.1〜1mmの吐出口を有する手動式トリガースプレーヤーを具備した容器に充填して噴射する際に、前記水性組成物に、グリセリン(d)を、(a)/(d)の質量比が1/1〜1/30の質量比となるように配合して噴射することにより、前記吐出口における前記水性組成物からの珪酸塩(a)の析出を防止する、珪酸塩の析出防止方法。
- 前記水性組成物中の界面活性剤(b)の含有量が0.5質量%以下である、請求項1記載の析出防止方法。
- 前記水性組成物の20℃におけるpHが10以上、14以下である、請求項1又は2記載の析出防止方法。
- 前記水性組成物が、界面活性剤(b)としてアルキル基の炭素数が8〜14、グルコースの平均縮合度が1〜2のアルキルグリコシドを0.5質量%以下含有する、請求項1〜3の何れか1項記載の析出防止方法。
- 前記水性組成物のB型粘度計により測定した30℃における粘度が、50mPa・s以下である、請求項1〜4の何れか1項記載の析出防止方法。
- 珪酸塩(a)を0.05質量%以上、界面活性剤(b)を1質量%未満、(a)以外のアルカリ剤(c)を0.6〜10質量%、及びグリセリン(d)を含有し、(a)/(d)の質量比が1/1〜1/30である水性組成物を、口径が0.1〜1mmの吐出口を有する手動式トリガースプレーヤーを具備した容器に充填してなる、スプレー式洗浄剤。
- 前記水性組成物中の界面活性剤(b)の含有量が0.5質量%以下である、請求項6記載のスプレー式洗浄剤。
- 前記水性組成物の20℃におけるpHが10以上、14以下である、請求項6又は7記載のスプレー式洗浄剤。
- 前記水性組成物が、界面活性剤(b)としてアルキル基の炭素数が8〜14、グルコースの平均縮合度が1〜2のアルキルグリコシドを0.5質量%以下含有する、請求項6〜8の何れか1項記載のスプレー式洗浄剤。
- 前記水性組成物のB型粘度計により測定した30℃における粘度が、50mPa・s以下である、請求項6〜9の何れか1項記載のスプレー式洗浄剤。
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