JP5475490B2 - 電動工具、及びプログラム - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の電動工具における記憶装置には、当該電動工具の温度、当該電動工具の使用時間、当該電動工具の使用回数等の当該電動工具の状態に関する情報(以下、工具情報とする)が記憶される。
さらに、読取装置にて取得した工具情報の内容を点検者等が認識するためには、電動工具とは別体に設けられたコンピュータを用いて解析しなければならない。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、電動工具に記憶されている情報を電動工具の点検者に容易に認識させることが可能な技術を提供することを目的とする。
情報生成手段は、電動工具の状態を監視し、監視結果に基づいて電動工具の状態に関する情報である工具情報を生成し、記憶手段は、該情報生成手段によって生成された工具情報を記憶する。操作検出手段は、工具情報を読み出すために電動工具に対して加えられる予め規定された特定操作を検出し、情報読出手段は、操作検出手段によって特定操作が検出されると、記憶手段に記憶されている工具情報を記憶手段から読み出す。そして、報知手段は、情報読出手段によって読み出された工具情報の内容を報知する。
なお、特定操作は、電動工具のどの部位に加えられてもよい。例えば、電動工具は、少なくとも1つのスイッチを備え、特定操作は、少なくとも1つのスイッチに加えられてもよい。
少なくとも1つのスイッチには、特定操作だけが加えられてもよいし、特定操作に加え、特定操作以外の、電動工具を動作させるための操作と、特定操作以外の、電動工具を設定するための操作とのうちの少なくとも一方も加えられてもよい。
また、「電動工具を設定するための操作」とは、モータの回転方向を設定するための操作、照明の点灯及び消灯を設定するための操作、モータの回転速度の上限(最高回転速度)を設定するための操作、バッテリの残容量の表示のオン・オフを設定するための操作、規定のトルクまでネジを締結するようにモータの動作の態様を設定するための操作のうちの少なくとも1つを含んでいる。なお、規定のトルクまでネジを締結するようにモータを動作させる態様は、規定のトルクを検出後も、ネジを締結する方向にモータを所定量回転させるようにモータを駆動する態様であってもよいし、1度でも規定のトルクを検出するとモータの回転を停止させるようにモータを駆動する態様であってもよい。
このように特定操作が設定されていれば、特定操作の内容を認識している人物のみが、予め規定された操作パターンで少なくとも1つのスイッチを操作することにより、工具情報を読み出して認識することができる。つまり、特定操作として規定された操作パターンの内容を認知していない電動工具の一般的な使用者が、工具情報を読み出して、その読み出した工具情報の内容を認識することを防止できる。
このように構成された電動工具によれば、電動工具の点検者等に、電動工具に生じた特定状態の内容を容易に認識させることができる。ただし、ここでの点検者とは、主として、当該電動工具の販売店の店員や、サービスセンターの従業員である。
この場合、電動工具の点検者等は、表示手段の表示を通じて、工具情報の内容を容易に認識することができる。
この場合、表示手段は、工具情報を表示するための表示手段として機能しつつ、工具情報以外の他の情報を表示するための表示手段としても機能する。つまり、工具情報を表示するための表示手段と、他の情報を表示するための表示手段とを個別に電動工具に設ける必要がなく、電動工具の構成を簡素化することができる。
本発明の電動工具は、報知手段が報知する工具情報が、既に報知された工具情報であるのか、新たに報知される工具情報であるのかが判別可能に構成されているとよい。
このように構成された電動工具によれば、読み出された工具情報が再度読み出されることがないため、一度報知された工具情報が再度報知されてしまうことを防止できる。
例えば、再読出防止手段は、情報読出手段によって読み出された工具情報を、記憶手段から消去することで、情報読出手段によって読み出された工具情報が、情報読出手段によって再度読み出されることを防止するように構成されているとよい。
電動工具が、電力源から電力を供給されて、工具部を駆動するモータと、電力源からモータへの電力供給を含む電動工具における動作を制御する制御部とを備えている場合、情報生成手段は、駆動源と制御部とのうちの少なくとも一方の状態を監視し、監視結果に基づいて工具情報を生成してもよい。
ここで、上述のコンピュータは、周知のコンピュータであってもよいし、電動工具に好適に構成されたコンピュータであってもよい。
〈電動工具の機械的構成〉
図1に示すように、本実施形態の電動工具1は、所謂インパクトドライバとして構成されており、本体ハウジング5と、ハンドル部4と、バッテリパック6とを備えている。
さらに、ハンドル部4の下端には、高速モード表示部64と、中速モード表示部66と、低速モード表示部68と、残容量表示部70,72,74とが設けられている。
中速モード表示部66は、トリガSW10を最大限引いたときにおける、モータの回転子の最高回転速度が高速モード及び中速モードに設定されているときに点灯される。
残容量表示部72は、バッテリパック6の残容量が予め設定された中レベルに達しているときに点灯される。
また、バッテリパック6は、ハンドル部4の下端に着脱自在に装着される。このバッテリパック6は、当該バッテリパック6の内部に充電可能な二次電池を備えている。
〈電動工具の電気的構成〉
図2に示すように、本実施形態におけるモータ20は、周知の三相ブラシレスモータであり、当該モータ20における相U,V,Wにそれぞれ対応する各コイルに電流が順次供給されることで、当該モータ20における、図示しない回転子が回転する。そして、モータ20には、当該モータ20の回転子の回転位置(回転角度)を検出するための位置検出部40が設けられている。なお、本実施形態における位置検出部40は、例えば、モータ20の図示しない固定子に所定角度毎に設置された複数のホールIC等で構成される。各ホールICは、周知のホール素子を含み、各ホールICからの出力信号における電圧の論理レベルは、モータ20の回転子が規定角度回転する毎に、ローレベルからハイレベルもしくはハイレベルからローレベルへと二値的に変化する。以下、位置検出部40が出力する信号を回転信号またはホール信号とも称す。
ブリッジ回路12は、モータ20の回転子を、正転方向、及び逆転方向のいずれの方向にも駆動できるように構成されている。ここでいう正転方向とは、一般的なネジを締結する方向に工具ビットを回転させる方向である。一方、逆転方向とは、正転方向とは、逆向きの回転方向であり、一般的なネジの締結が解除される回転方向である。
照明LED162は、上述の照明部62の光源として機能するLEDであり、マイコン14からの指令に応じて点灯または消灯する。
中速モードLED166は、上述の中速モード表示部66の光源として機能するLEDであり、マイコン14からの指令に応じて点灯または消灯する。
残容量LED170は、上述の残容量表示部70の光源として機能するLEDであり、マイコン14からの指令に応じて点灯または消灯する。
残容量LED174は、上述の残容量表示部74の光源として機能するLEDであり、マイコン14からの指令に応じて点灯または消灯する。
メモリ16では、不揮発性メモリが特定状態情報を記憶するための記憶領域に割り当てられており、本実施形態では、不揮発性メモリに割り当てられた先頭のアドレスから最終のアドレスに向かって、特定状態情報が順次、時系列的に格納される。ただし、特定状態情報の格納先は、先頭アドレスから最終アドレスへと順番に割り当てられるのではなく、その以外の順序で割り当てられてもよい。
〈駆動処理の詳細〉
次に、マイコン14が実行する駆動処理について説明する。
図3に示すように、まずS110では、確認フラグが設定されているか否か(例えば、メモリ16に確保された確認フラグのための記憶領域におけるビットが1であるか否か)を判定する。なお、この確認フラグは、電動工具1に対して、予め規定された特定操作が加えられたか否かを表すものであり、本実施形態では、確認フラグが設定されていれば、電動工具1に特定操作が加えられたことを表している。
S160のLED表示処理では、S130にてメモリ16に記憶された各種スイッチのうち、照明SW54に対応付けられたビットと、速度モード切替SW56に対応付けられたビットと、残容量表示SW60に対応付けられたビットと、S140にてメモリ16に記憶されたバッテリ電圧の値とに基づいて、対応するLEDの点灯または消灯を行う。より具体的には、例えば、照明SW54に対応付けられたビット応じて、照明LED162を点灯または消灯し、速度モード切替SW56に対応付けられたビットに応じて、高速モードLED164と、中速モードLED166と、低速モードLED168とのうちのいずれかを点灯したり、残容量表示SW60に対応付けられたビットに応じて、バッテリ電圧の値に基づいて、残容量LED170,172,174をそれぞれ点灯または消灯する。なお、高速モードLD164、中速モードLED166、及び低速モードLED168の点灯及び消灯は、前回実行されたS160にて参照された、速度モード切替SW56に対応付けられたビットの状態と、今回実行されたS160にて参照された、速度モード切替SW56に対応付けられたビットの状態との変化に応じて実行する。このLED表示処理が終了すると、S170へ移行する。
〈駆動判定処理の詳細〉
図4に示すように、駆動判定処理では、まず、S210にて、報知フラグが設定されているか否か(例えば、メモリ16に確保された報知フラグのための記憶領域におけるビットが1であるか否か)を判定する。なお、報知フラグは、電動工具1の使用中に電動工具1に生じ得る特定状態を検出(即ち、特定状態情報を生成)したか否かを表すフラグである。本実施形態では、報知フラグが設定されていれば、特定状態が検出されたことを表す。また、本実施形態では、メモリ16におけるRAMが、報知フラグの記憶領域に割り当てられているので、電動工具1の電源がオフされる毎に報知フラグが解除される(例えば、報知フラグのための記憶領域におけるビットが0に設定される)。
〈特定操作判定処理の詳細〉
図5に示すように、本特定操作判定処理では、まず、S510にて、トリガSW10がオフされてから経過した経過時間が所定時間(例えば5秒)以内であるか否かを判定する。経過時間が所定時間を越えていると判定すると(S510:NO)、特定操作が電動工具1に加えられていないと判定し、本特定操作判定処理を終了する。
〈エラー確認処理の詳細〉
ここで、上述したS120で実行されるエラー確認処理の詳細について説明する。
〈エラー内容表示処理の詳細〉
ここで、上述のS760で実行されるエラー内容表示処理の詳細について説明する。
図7に示すように、まず、S810では、メモリ16から読み出した特定状態情報のコードが断線の発生(断線エラー)を表すか否かを判定する。ここで、読み出した特定状態情報のコードが断線エラーを表しているのであれば(S810:YES)、S820に処理を移行し、S820では、照明LED162を点灯し、本エラー内容表示処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態の電動工具1では、当該電動工具1に生じた特定状態が検出されると、その特定状態の内容に対応する特定状態情報が生成される。さらに、その生成された特定状態情報がマイコン14のメモリ16に記憶される。そして、電動工具1に対して、特定操作が加えられると、メモリ16における所定の記憶領域に記憶されている特定状態情報が読み出され、その読み出された特定状態情報に対応付けられたLEDが点灯されて、特定状態の内容が報知される。
[実施形態の効果]
以上より、本実施形態の電動工具1では、当該電動工具1に備えられた構成要素のみを用いて、マイコン14のメモリ16に記憶されている特定状態情報を読み出し、その読み出した特定状態情報に対応する特定状態の内容を報知している。
このため、特定操作内容を認識している点検者のみが、特定状態情報を読み出し、その読み出した特定状態情報に対応する特定状態の内容を認識することができる。つまり、特定操作として規定された操作を認知していない一般の使用者が、電動工具1を使って作業を行っているときに、特定状態情報が読み出されて、その読み出された特定状態情報の内容が誤って報知されてしまうことを防止できる。
ところで、電動工具1では、報知された特定状態情報を、メモリ16から消去している。これにより、一度報知された特定状態情報が、再度報知されることを防止できる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
さらに、上記実施形態におけるエラー内容表示処理では、特定状態情報に対応する特定状態の内容を報知する際に、特定状態情報と対応付けられた各LEDを規定時間だけ点灯させた。LEDを点灯させる代わりに、モータ20を規定時間だけ駆動させてもよいし、電動工具1にブザーを設け、ブザーを規定時間だけ鳴動させてもよい。あるいは、電動工具1にディスプレイ装置を設け、このディスプレイ装置に特定状態の内容を表示してもよい。
さらには、上記実施形態の電動工具1では、ブリッジ回路12を構成するスイッチング素子Q1〜Q6を、周知のFETにて構成していたが、スイッチング素子Q1〜Q6は、その他の形態のスイッチング素子(例えば、バイポーラトランジスタなど)であってもよい。
また、上記実施形態では、バッテリパック6の残容量を表示するのに3つの表示部(残容量表示部70,72,74)が設けられていたが、このような表示部の数はいくつであってもよい。
[実施形態と特許請求の範囲との対応関係]
最後に、上記実施形態の記載と、特許請求の範囲の記載との関係を説明する。
Claims (11)
- 電動工具であって、
前記電動工具の状態を監視し、監視結果に基づいて前記電動工具の状態に関する情報である工具情報を生成する情報生成手段と、
該情報生成手段によって生成された前記工具情報を記憶する記憶手段と、
前記工具情報を読み出すために前記電動工具に対して加えられる予め規定された特定操作を検出する操作検出手段と、
前記操作検出手段によって前記特定操作が検出されると、前記記憶手段に記憶されている前記工具情報を前記記憶手段から読み出す情報読出手段と、
前記情報読出手段によって読み出された前記工具情報の内容を報知する報知手段と
を備え、
少なくとも1つのスイッチを備え、
前記特定操作は、前記少なくとも1つのスイッチに加えられ、
さらに、前記少なくとも1つのスイッチには、前記特定操作に加え、前記特定操作以外の、当該電動工具を動作させるための操作と、前記特定操作以外の、当該電動工具を設定するための操作とのうちの少なくとも一方も加えられる
ことを特徴とする電動工具。 - 前記少なくとも1つのスイッチは、前記特定操作が加えられるスイッチとして機能することに加え、前記特定操作以外の別の操作が加えられるスイッチとしても機能する
ことを特徴とする請求項1に記載の電動工具。 - 前記特定操作は、
予め規定された操作パターンで前記少なくとも1つのスイッチに加えられる操作である
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電動工具。 - 前記情報生成手段は、
予め規定された特定状態の発生を監視し、発生した該特定状態の内容を前記工具情報として生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の電動工具。 - 情報を表示するための表示手段を備え、
前記報知手段は、
前記表示手段に前記工具情報の内容を表示させることで、前記工具情報の内容を報知する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の電動工具。 - 前記表示手段には、前記工具情報に加え、該工具情報以外の他の情報も表示される
ことを特徴とする請求項5に記載の電動工具。 - 前記表示手段は、少なくとも1つの発光装置を備え、
前記報知手段は、
前記少なくとも1つの発光装置を、前記工具情報の内容と予め対応付けられたパターンにて駆動させることを少なくとも行うことで、前記工具情報の内容を報知する
ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の電動工具。 - 前記情報読出手段によって読み出された前記工具情報が、前記情報読出手段によって再度読み出されることを防止する再読出防止手段を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電動工具。 - 前記再読出防止手段は、
前記情報読出手段によって読み出された前記工具情報を、前記記憶手段から消去することで、前記情報読出手段によって読み出された前記工具情報が、前記情報読出手段によって再度読み出されることを防止する
ことを特徴とする請求項8に記載の電動工具。 - 電力源から電力を供給されて、工具部を駆動するモータと、
前記電力源から前記モータへの電力供給を含む前記電動工具における動作を制御する制御部とを備え、
前記情報生成手段は、前記モータと前記制御部とのうちの少なくとも一方の状態を監視し、監視結果に基づいて前記工具情報を生成する
ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の電動工具。 - 情報を記憶する記憶手段と、該記憶手段から読み出した前記情報の内容を報知する報知手段とを備え、さらに、少なくとも1つのスイッチを備える電動工具であり、前記少なくとも1つのスイッチには、予め規定された特定操作に加え、前記特定操作以外の、当該電動工具を動作させるための操作と、前記特定操作以外の、当該電動工具を設定するための操作とのうちの少なくとも一方も加えられる電動工具に設けられたコンピュータを、
前記電動工具の状態を監視し、監視結果に基づいて前記電動工具の状態に関する情報である工具情報を生成する情報生成手段と、
前記電動工具の前記少なくとも1つのスイッチに対して加えられる前記特定操作を検出する操作検出手段と、
前記特定操作が前記電動工具の前記少なくとも1つのスイッチに対して加えられたことが前記操作検出手段によって検出されると、前記記憶手段に記憶されている前記工具情報を前記記憶手段から読み出す情報読出手段と、
前記情報読出手段によって読み出された前記工具情報の内容を報知する報知手段と
して機能させるためのプログラム。
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