JP5475003B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子、およびその製造方法、ならびに有機エレクトロルミネッセンス表示装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、およびその製造方法、ならびに有機エレクトロルミネッセンス表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、高輝度、高効率および長寿命を実現する有機エレクトロルミネッセンス素子、およびその製造方法、ならびに有機エレクトロルミネッセンス表示装置に関する。
近年、従来主流であったブラウン管を使用した表示装置から、薄型のフラットパネルディスプレイ(FPD)の表示装置のニーズが高まりつつある。FPDには各種のものがあり、例えば、非自発光型の液晶ディスプレイ(LCD)、自発光型のプラズマディスプレイパネル(PDP)、無機エレクトロルミネッセンス(無機EL)ディスプレイ、または有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)ディスプレイ等が知られている。
中でも、有機ELディスプレイは、表示に使用する素子(有機EL素子)が薄型かつ軽量であり、なおかつ低電圧駆動、高輝度および自発光等の特性を有していることから、その研究開発が盛んに行われている。
有機EL素子は、基板上に一対の電極(陽極および陰極)を有しており、当該一対の電極の間に発光層を少なくとも備えた有機層を有している。当該発光層は、ホスト材料に有機発光材料をドープして形成されている。一般的には、発光層と陽極との間に、ホスト材料にアクセプターをドープした正孔注入層等を設け、発光層と陰極との間に、ホスト材料にドナーをドープした電子注入層等を設けている。
有機EL素子では、陽極および陰極に電圧を印加することによって、当該陽極から有機層に正孔が注入され、当該陰極から有機層に電子が注入される。両電極から注入された正孔および電子は、発光層において再結合することによって励起子を生成する。有機EL素子は、当該励起子が失活する際に放出する光を利用して発光している。
発光層には、燐光発光材料、または蛍光発光材料等の有機発光材料を用いるのが一般的である。燐光発光材料を利用した有機EL素子は、発光効率が高く、発光寿命が長いという利点があるため、特に最近では発光層に燐光発光材料を用いた有機EL素子が普及しつつある。また、有機EL素子の低消費電力化を目指して、内部量子収率が最大100%の燐光発光材料を導入した有機EL素子の開発が進んでいる。
赤色発光する有機EL素子と、緑色発光する有機EL素子とには、内部量子収率が最大100%の燐光発光材料が導入されている。しかしながら、青色発光する有機EL素子については、内部量子収率が最大100%の燐光発光材料を導入するには至っておらず、内部量子収率が最大25%の蛍光発光材料が用いられている。
有機EL素子において、青色発光するには、赤色発光および緑色発光と比較して高エネルギーを必要とする。さらに、当該エネルギーを励起三重項準位(T)から得ようとすると、T、電子、および正孔のすべてを発光層中の燐光発光材料に閉じ込める必要がある。そのため、発光層を構成する材料だけでなく、発光層の周辺の材料も含めて、最高被占準位(HOMO準位)と最低空準位(LUMO準位)とのギャップを非常に大きくする必要がある。しかしながら、発光層のHOMO準位とLUMO準位とのギャップを大きくするため、発光層を構成するホスト材料として、分子間で共役し、相互作用を示し、キャリアの移動度が高い材料を用いるのが困難である。それ故、青色燐光発光材料を用いた場合、駆動には高電圧を必要とするが、その割に発光効率は低いという問題がある。
青色燐光発光材料を用いた従来の有機EL素子31の具体的な例を図8に示す。図8は、青色燐光発光材料を用いた従来の有機EL素子31を構成する各層のエネルギーダイアグラムを示す図である。本図では、ホスト材料として、正孔注入層33ではNPB(HOMO準位=5.5eV,LUMO準位=2.4eV)を用い、正孔輸送層34ではmCP(HOMO準位=5.9eV,LUMO準位=2.4eV)を用い、電子輸送層36では3TPYMB(HOMO準位=6.8eV,LUMO準位=3.3eV)を用いている。発光層35においては、燐光発光材料としてFir6(HOMO準位=6.1eV,LUMO準位=3.1eV)を用いている。当該Fir6に正孔および電子を閉じ込めるために、発光層35ではホスト材料として、HOMO準位とLUMO準位とのギャップが大きいUGH2(HOMO準位=7.2eV,LUMO準位=2.8eV)を用いている。しかしながら、UGH2がワイドギャップであるため、正孔輸送層34から発光層35に効率良く正孔を伝搬することができない。同様に、電子輸送層36から発光層35に効率良く電子を伝搬することができない。そのため、このように青色燐光発光材料を用いた有機EL素子31では、上述したように、駆動には高電圧を必要とするが、その割に発光効率は低いという問題がある。
そこで、青色燐光発光材料を用いた有機EL素子の発光効率を向上させるために工夫がなされている。例えば、非特許文献1には、発光層を二層設けた有機EL素子が開示されている。具体的には、一対の電極の間に正孔注入層、第一発光層、第二発光層、および電子注入層を順に形成した有機層を備えた有機EL素子が開示されている。本文献では、ホスト材料として正孔注入層ではDTASi(HOMO準位=5.6eV,LUMO準位=2.2eV)を用い、電子注入層ではBphen(HOMO準位=6.4eV,LUMO準位=3.0eV)を用いている。また、第一発光層では4CzPBP(HOMO準位=6.0eV,LUMO準位=2.5eV)をホスト材料として用い、第二発光層ではPPT(HOMO準位=6.6eV,LUMO準位=2.9eV)をホスト材料として用いている。第一発光層および第二発光層には、青色燐光発光材料としてFIrpic(HOMO準位=5.8eV,LUMO準位=2.9eV)がドープされている。
この構成によれば、第一発光層および第二発光層におけるHOMO準位とLUMO準位とのギャップが小さい有機EL素子が得られる。したがって、発光層において正孔および電子の移動度が向上するホスト材料を用いても良い。これは、有機蒸着膜では、正孔および電子の輸送はホッピング伝導によって行われているためである(非特許文献2)。電子が分子間をホッピングして伝導するためには、中性状態とラジカルアニオン状態との電子状態間における波動関数の重なりが大きいことが必要である。一方、正孔においては、分子間をホッピングして伝導するためには中性状態とラジカルカチオン状態との電子状態間における波動関数の重なりが大きい必要がある。つまり、中性状態およびラジカルアニオン状態、または中性状態およびラジカルカチオン状態のスタッキング(π−π相互作用)が強いほど、正孔および電子の移動度が高い。また、スタッキングが強いと、HOMO準位およびLUMO準位のギャップが小さくなる。したがって、本構成を用いれば、1000cd/mにおける有機EL素子の駆動電圧が4.6Vと低く、発光効率が22cd/Aと高い有機EL素子が得られる。
Applied Physics Letters 94,083506,2009 時任静士、安達千波矢、村田英幸共著「有機ELディスプレイ」株式会社オーム社、2004年8月 渡辺正、中林誠一郎著「電子移動の化学―電気化学入門」日本化学会編、朝倉書店、2005年9月
上記した非特許文献1に開示されている有機EL素子では、電子注入層から第二発光層へ電子が伝搬されると、発光ドーパント(FIrpic)に電子が伝搬される。しかしながら、本文献に開示されている有機EL素子では、発光ドーパントから第一発光層に電子が伝搬されやすい構成になっている。したがって、この構成によれば、第一発光層および第二発光層の界面において正孔および電子が再結合せず、再結合をする確率が低下してしまう。すなわち、内部量子収率が低下してしまう。
また、上記非特許文献1に開示されている有機EL素子では、第一発光層および第二発光層の燐光発光材料として、スカイブルーに発光するFIrpicを用いている。当該FIrpicのHOMO準位とLUMO準位とのギャップは小さいため、低駆動電圧であり、高発光効率の有機EL素子が得られる。したがって、深い青色に発光する燐光発光材料を用いる場合には、このような燐光発光材料のHOMO準位とLUMO準位とのギャップは大きいため、HOMO準位とLUMO準位とのギャップが大きいホスト材料が必要となる。したがって、駆動には高電圧を必要とするが、その割には発光効率が低くなってしまうという問題は依然残されたままである。
そこで、本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、低電圧で駆動することができ、なおかつ発光効率が高い有機EL素子、およびその製造方法を提供することにある。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、上記課題を解決するために、陽極および陰極と、上記陽極および上記陰極の間に形成され、発光層を少なくとも有している有機層とを基板上に備えた有機エレクトロルミネッセンス素子において、上記発光層は、上記陽極側に位置し、第一ホスト材料からなる第一発光層と、上記陰極側に位置し、第二ホスト材料からなる第二発光層と、上記第一発光層と上記第二発光層との間に位置し、第三ホスト材料からなる第三発光層とを備え、上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記第三ホスト材料は、それぞれ互いに異なっており、なおかつ上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記第三ホスト材料には、同一の有機発光材料がドープされており、上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、上記第三ホスト材料、および上記有機発光材料のそれぞれの最高被占準位(HOMO)および最低空準位(LUMO)は、下記の関係式(1)および(2)を満たすことを特徴としている。
(1)|第一ホスト材料のHOMO|>|有機発光材料のHOMO|かつ|有機発光材料のHOMO|<|第三ホスト材料のHOMO|
(2)|第二ホスト材料のLUMO|<|有機発光材料のLUMO|かつ|有機発光材料のLUMO|>|第三ホスト材料のLUMO|
上記構成によれば、第一発光層を構成するホスト材料には、有機発光材料の最高被占準位よりも深い最高被占準位を有する材料を用いている。一方、第二発光層を構成するホスト材料には、有機発光材料の最低空準位よりも浅い最低空準位を有する材料を用いている。これによれば、有機発光材料の最高被占準位は、第一発光層のホスト材料の最高被占準位よりも浅いため、第一発光層に伝搬された正孔は、最終的に第三発光層において有機発光材料に完全に伝搬される。同様に、有機発光材料の最低空準位は、第二発光層のホスト材料の最低空準位よりも深いため、第二発光層に伝搬された電子は、最終的に第三発光層において有機発光材料に完全に伝搬される。これによって、第三発光層において、有機発光材料に伝搬された正孔と電子とが再結合することによって発光する。
なお、第三発光層を構成するホスト材料としては、最高被占準位と最低空準位とのギャップが大きい材料を使用する。これによれば、第一発光層から伝搬された正孔が、第二発光層に移動するのを抑制することができる。同様に、第二発光層から伝搬された電子が、第一発光層に移動するのを抑制することができる。さらに、最高被占準位と最低空準位とのギャップが大きいため、発光層における正孔および電子の移動度は低い。したがって、第三発光層に伝搬された正孔および電子を、第三発光層内に閉じ込めることができ、なおかつ正孔および電子の移動性が低下していることから、正孔および電子の再結合の確率を上げることができる。
以上より、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)では、正孔および電子を効率良く、なおかつ確実に第三発光層にまで伝搬することができる。さらに、正孔および電子が再結合する確率を上げることができるので、有機EL素子の駆動電圧を低下することができる。また、発光層において正孔および電子が再結合する確率が上がるので、内部量子収率は向上し、発光効率を向上させることができる。
また、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置においては、上記の課題を解決するために、上述した有機エレクトロルミネッセンス素子を薄膜トランジスタ基板上に形成した表示手段を備えていることを特徴としている。
上記構成によれば、低駆動電圧であり、発光効率が高い有機EL素子を備えているため、高輝度、高効率かつ長寿命の表示装置を提供できる。
また、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法は、上記課題を解決するために、陽極および陰極と、上記陽極および上記陰極の間に形成された発光層を少なくとも有している有機層とを基板上に備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、上記基板上に、上記陽極を形成する陽極形成工程と、上記陽極上に、当該陽極から正孔が注入される正孔注入層を形成する正孔注入層形成工程と、上記正孔注入層上に、上記陽極から上記有機層に注入される正孔を輸送する正孔輸送層を形成する正孔輸送層形成工程と、上記正孔輸送層上に、上記発光層として、第一ホスト材料からなる第一発光層を形成する第一発光層形成工程と、上記第一発光層上に、上記発光層として、第三ホスト材料からなる第三発光層を形成する第三発光層形成工程と、上記第三発光層上に、上記発光層として、第二ホスト材料からなる第二発光層を形成する第二発光層形成工程と、
上記第二発光層上に、上記陰極から上記有機層に注入される電子を輸送する電子輸送層を形成する電子輸送層形成工程と、上記電子輸送層上に、上記陰極から電子が注入される電子注入層を形成する電子注入層形成工程と、上記電子注入層上に、上記陰極を形成する陰極形成工程とを備え、上記第一発光層形成工程、上記第二発光層形成工程、および上記第三発光層形成工程において、上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記第三ホスト材料として、それぞれ互いに異なる材料を用い、なおかつ上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記第三ホスト材料に同一の有機発光材料をドープし、なおかつ下記の関係式(14)および(15)を満たす最高被占準位(HOMO)および最低空準位(LUMO)をそれぞれ有する上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、上記第三ホスト材料、および上記有機発光材料を用いて、上記第一発光層、上記第二発光層、および上記第三発光層を形成することを特徴としている。
(14)|第一ホスト材料のHOMO|>|有機発光材料のHOMO|かつ|有機発光材料のHOMO|<|第三ホスト材料のHOMO|
(15)|第二ホスト材料のLUMO|<|有機発光材料のLUMO|かつ|有機発光材料のLUMO|>|第三ホスト材料のLUMO|
上記方法によれば、低駆動電圧であり、発光効率が高い有機EL素子を提供することができる。
本発明の他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分分かるであろう。また、本発明の利点は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子では、正孔および電子を効率良く、なおかつ確実に発光層にまで伝搬することができる。さらに、正孔および電子が再結合する確率を上げることができるので、有機EL素子の駆動電圧を低下することができる。また、発光層において正孔および電子が再結合する確率が上がるので、内部量子収率は向上し、発光効率を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を構成する各層のエネルギーダイアグラムを示す図である。 本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の断面を示す図である。 本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子および従来の有機エレクトロルミネッセンス素子における、発光層の膜厚と電流効率との関係を示す図である。 本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた有機エレクトロルミネッセンス表示装置の概略を示す図である。 本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置を備えた携帯電話の概略を示す図である。 本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス表示装置を備えたテレビジョン受像機の概略を示す図である。 本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた照明装置の概略を示す図である。 青色燐光発光材料を用いた従来の有機EL素子を構成する各層のエネルギーダイアグラムを示す図である。
(有機EL素子1の概要)
本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は、一対の電極(陽極および陰極)と、一対の電極の間に位置し、発光層を含む有機層とが基板上に積層されて構成される。より具体的な構成については、図2を参照して以下に説明する。図2は、有機EL素子1の断面を示す図である。
図2に示すように、有機EL素子1は、絶縁性基板11上に、ゲート電極14、ドレイン電極15、ソース電極16、およびゲート絶縁膜17からなる薄膜トランジスタ(TFT)が所定の間隔で複数形成されている。また、絶縁性基板11からTFTにかけて、接続配線18が形成されている。
各TFT上には、平坦化膜81が配設されており、平坦化膜81にはコンタクトホール19が形成されている。TFTのドレイン電極15は、該コンタクトホール19を介して陽極2と電気的に接続されている。隣り合う陽極2の間には、エッジカバー20が設けられており、陽極2のTFTとは反対側の位置には、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、正孔ブロッキング層12、電子輸送層6、および電子注入層7からなる有機層、および陰極13が形成されている。陰極13の上は、無機封止膜25によって覆われており、該無機封止膜25によって陽極2、有機層、および陰極13は封止される。
一方、TFTが形成された絶縁性基板11に対向する絶縁性基板11には、光吸収層21、蛍光体層22、および散乱体層23が形成されている。そして、2つの絶縁性基板11の間には、樹脂封止膜24が形成されている。
なお、本実施形態に係る有機EL素子1の発光層5は、三層構造をしており、第一発光層、第二発光層、および第三発光層からなる。特に、発光層を構成するホスト材料の最高被占準位(HOMO準位)と最低空準位(LUMO準位)とのギャップが小さくなるように構成されている。また、発光層内には、正孔と電子とが再結合する領域として第三発光層を第一発光層と第二発光層との間に設けている。これにより、有機層での正孔および電子の移動度を高く保ちつつ、発光層での正孔と電子とが再結合する確率を高くすることができる。これについては、以下で詳しく説明する。
(有機層の構成)
有機EL素子1の有機層の構成について、図1を参照して説明する。図1は、有機EL素子1を構成する各層のエネルギーダイアグラムを示す図である。
上述したように、有機EL素子1の有機層は正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、および電子注入層7を順に形成したものである。発光層5は三層構造をしており、第一発光層5a、第二発光層5c、および第三発光層5bからなる。第一発光層5a、第二発光層5c、および第三発光層5bには、単一の燐光発光材料(有機発光材料)がドープされている。第一発光層5aは陽極2側に位置しており、陽極2から注入された正孔を正孔輸送層4から受け取り、第三発光層5bに伝搬する。一方、第二発光層5cは陰極(図示せず)側に位置しており、陰極から注入された電子を電子輸送層6から受け取り、第三発光層5bに伝搬する。第一発光層5aおよび第二発光層5cの間に位置する第三発光層5bでは、第一発光層5aから伝搬された正孔と第二発光層5cから伝搬された電子とが再結合をすることによって、発光する。
この際、本実施形態に係る有機EL素子1では、正孔が第一発光層5aから第三発光層5bに確実に伝搬され、電子が第二発光層5cから第三発光層5bに確実に伝搬されるようにしている。具体的には、図1に示すように、第一発光層5aを構成するホスト材料(第一ホスト材料)には、燐光発光材料のHOMO準位8よりも深いHOMO準位を有する材料(|HOMO(第一ホスト材料)|>|HOMO(燐光発光材料)|)を用いている。一方、第二発光層5cを構成するホスト材料(第二ホスト材料)には、燐光発光材料のLUMO準位9よりも浅いLUMO準位を有する材料(|LUMO(第二ホスト材料)|<|LUMO(燐光発光材料)|)を用いている。これによれば、燐光発光材料のHOMO準位8は、第一発光層5aのホスト材料のHOMO準位よりも浅いため、第一発光層5aに伝搬された正孔は、最終的に第三発光層5bにおいて燐光発光材料に完全に伝搬される。同様に、燐光発光材料のLUMO準位9は、第二発光層5cのホスト材料のLUMO準位よりも深いため、第二発光層5cに伝搬された電子は、最終的に第三発光層5bにおいて燐光発光材料に完全に伝搬される。これによって、第三発光層5bにおいて、燐光発光材料に伝搬された正孔と電子とが再結合することによって発光する。
なお、第三発光層5bを構成するホスト材料(第三ホスト材料)としては、HOMO準位とLUMO準位とのギャップが大きい材料を使用する。具体的には、燐光発光材料のHOMO準位8よりも深いHOMO準位(|HOMO(第三ホスト材料)|>|HOMO(燐光発光材料)|)を有し、燐光発光材料のLUMO準位9よりも浅いLUMO準位(|LUMO(第三ホスト材料)|<|LUMO(燐光発光材料)|)を有するホスト材料を用いる。これによれば、第一発光層5aから伝搬された正孔が、第二発光層5cに移動するのを抑制することができる。同様に、第二発光層5cから伝搬された電子が、第一発光層5aに移動するのを抑制することができる。さらに、HOMO準位とLUMO準位とのギャップが大きいため、発光層5bにおける正孔および電子の移動度は低い。したがって、第三発光層5bに伝搬された正孔および電子を、第三発光層5b内に閉じ込めることができ、なおかつ正孔および電子の移動性が低下していることから、正孔および電子の再結合の確率を上げることができる。
以上より、本実施形態に係る有機EL素子1では、三層構造の発光層5を有し、燐光発光材料のHOMO準位8とLUMO準位9とを考慮して当該発光層5に用いるホスト材料を決定している。これによって、陽極2から注入される正孔を確実に第三発光層5bにまで伝搬することができる。同様に、陰極から注入される電子を確実に第三発光層5bにまで伝搬することができる。また、第三発光層5bのHOMO準位とLUMO準位とのギャップが大きくなるように構成しているので、第三発光層5b内に正孔および電子を閉じ込めることができる。その結果、正孔および電子が再結合する確率を上げることができる。したがって、本実施形態に係る有機EL素子1では、正孔および電子を効率良く伝搬することができるので、有機EL素子1の駆動電圧を低下することができる。また、発光層5において正孔および電子が再結合する確率を上げることができるので、内部量子収率は向上し、発光効率を向上させることができる。
従来の青色燐光発光材料を用いた有機EL素子では、高駆動電圧を必要とする割には発光効率が低いという問題があった。しかしながら、本実施形態によれば、青色燐光発光材料を用いた場合でも、正孔および電子を第三発光層5bにまで効率良く伝搬することができる。すなわち、正孔および電子が再結合する確率を上げることができるので、有機EL素子1の内部量子収率は向上し、発光効率を向上させることができる。
(有機EL素子1の基板)
以下では、有機EL素子1を構成する各部材について説明する。上述したように、有機EL素子1は、基板(図示せず)上に形成された陽極2と陰極との間に、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、および電子注入層7からなる有機層を備えている。
まず、基板について説明する。有機EL素子1を構成する基板は、絶縁性を有している基板であれば良い。有機EL素子1の基板として用いることが可能な材料としては、特に限定されるものではなく、例えば公知の絶縁性の基板材料を用いることができる。
例えば、ガラス、または石英等からなる無機材料基板、あるいは、ポリエチレンテレフタレート、またはポリイミド樹脂等からなるプラスチック基板等を利用できる。他には、アルミニウム(Al)または鉄(Fe)等からなる金属基板に、酸化シリコンまたは有機絶縁材料等からなる絶縁物を表面にコーティングした基板等を利用できる。あるいは、Al等からなる金属基板の表面を陽極酸化等の方法によって絶縁化処理した基板等も利用できる。
なお、有機EL素子1の発光層5から発した光を、基板とは反対側から取り出す場合、すなわちトップエミッション型の場合には、基板には光透過性を有しない材料を用いるのが良い。例えば、シリコンウェハー等の半導体基板を用いても良い。逆に、有機EL素子1の発光層5から発した光を、基板側から取り出す場合、すなわちボトムエミッション型の場合には、基板には光透過性を有する材料を用いるのが良い。例えば、ガラス基板、またはプラスチック基板等を用いても良い。
(有機EL素子1の電極)
次に電極について説明する。有機EL素子1を構成する電極は、陽極2および陰極のように対として機能すれば良い。各電極は1つの電極材料からなる単層構造であっても良いし、複数の電極材料からなる積層構造であっても良い。有機EL素子1の電極として用いることが可能な電極材料としては、特に限定されるものではなく、例えば公知の電極材料を用いることができる。
陽極2としては、例えば、金(Au)、白金(Pt)、およびニッケル(Ni)等の金属、ならびに酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO)、酸化インジウム亜鉛(IZO)等の透明電極材料等が利用できる。
一方、陰極としては、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、セリウム(Ce)、バリウム(Ba)、アルミニウム(Al)等の金属、またはこれらの金属を含有するマグネシウム(Mg):銀(Ag)合金、Li:Al合金等の合金等が利用できる。
なお、有機EL素子1の発光層5から発した光を、陽極2および陰極のいずれか一方の電極側から取り出す必要がある。この場合には、一方の電極には光を透過する電極材料を用い、他方の電極には光を透過しない電極材料を用いることが好ましい。光を透過しない電極材料としては、タンタルまたは炭素等の黒色電極、Al、Ag、Au、Al:Li合金、Al:ネオジウム(Nd)合金、またはAl:シリコン(Si)合金等の反射性金属電極等が挙げられる。
(有機EL素子1の有機層)
続いて有機層について説明する。当該有機層は、正孔注入層3、正孔輸送層4、発光層5、電子輸送層6、および電子注入層7を有している。
まず発光層5について述べる。上述したように、当該発光層5は三層構造をしており、第一発光層5a、第二発光層5c、および第三発光層5bからなり、各層には単一の燐光発光材料がドープされている。発光層5に用いることが可能な燐光発光材料としては、特に限定されるものではなく、例えば公知の燐光発光材料を用いることができる。
例えば、青色燐光発光材料としては、イリジウム(III)ビス(4’,6’−ジフルオロフェニルピリジナト)テトラキス(1−ピラゾリル)ボレート(FIr6)(HOMO準位=6.1eV,LUMO準位=3.1eV,T=2.71eV)、イリジウム(III)ビス[4,6−(ジ−フルオロフェニル)−ピリジナト−N,C2’]ピコリネート(FIrpic)、イリジウム(III)トリス[N−(4’−シアノフェニル)−N’−メチルイミダゾル−2−イリデン−C2,C2’](Ir(cn−pmic))、トリス((3,5−ジフルオロ−4−シアノフェニル)ピリジン)イリジウム(FCNIr)、またはIr(cnbic)等のIr錯体、白金(Pt)、レテニウム(Re)、ルテニウム(Ru)、銅(Cu)、またはオスミウム(Os)等の重原子金属の錯体等が挙げられる。
上述したように、正孔が第一発光層5aから第三発光層5bに確実に伝搬されるように、第一発光層5aを構成するホスト材料には、燐光発光材料のHOMO準位8よりも安定なHOMO準位を有する材料を用いている。そのため、第一発光層5aを構成するホスト材料は、従来電子輸送性材料として用いているホスト材料のHOMO準位およびLUMO準位と類似したHOMO準位およびLUMO準位を有していることが好ましい。これによって、正孔を第一発光層5aから第三発光層5bに確実に伝搬することができる。また、励起エネルギーを燐光発光材料中に閉じ込めるために、発光層5に用いる燐光発光材料の励起三重項準位(T)よりも大きいTを有している材料を用いることが好ましい。ただし、ホスト材料が燐光発光材料のTよりも小さいTを有している場合でも、その差が0.1eV程度であれば、燐光発光材料からの励起エネルギーの移動は起こりにくい。したがって、燐光発光材料のTよりも0.1eV程度小さいTを有しているホスト材料であれば、適用可能である。
例えば、第一発光層5aを構成するホスト材料として、トリス(2,4,6−トリメチル−3−(ピリジン−3−イル)フェニル)ボラン(3TPYMB)(HOMO準位=6.8eV,LUMO準位=3.3eV,T=2.98eV)、または1,3,5−トリ(m−ピリジ−3−イル−フェニル)ベンゼン(TmTyPB)(HOMO準位=6.68eV,LUMO準位=2.73eV,T=2.78eV)等を用いることができるが、特にこれらに限定されるわけではない。
同様に、電子が第二発光層5cから第三発光層5bに確実に伝搬されるように、第二発光層5cを構成するホスト材料には、燐光発光材料のLUMO準位9よりも不安定なLUMO準位を有する材料を用いている。そのため、第二発光層5cを構成するホスト材料は、従来正孔輸送性材料として用いているホスト材料のHOMO準位およびLUMO準位と類似したHOMO準位およびLUMO準位を有していることが好ましい。これによって、電子を第二発光層5cから第三発光層5bに確実に伝搬することができる。また、励起エネルギーを燐光発光材料中に閉じ込めるために、発光層5に用いる燐光発光材料のTよりも大きいTを有している材料を用いることが好ましい。ただし、ホスト材料が燐光発光材料のTよりも小さいTを有している場合でも、その差が0.1eV程度であれば、燐光発光材料からの励起エネルギーの移動は起こりにくい。したがって、燐光発光材料のTよりも0.1eV程度小さいTを有しているホスト材料であれば、適用可能である。
例えば、第二発光層5cを構成するホスト材料として、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(mCP)(HOMO準位=5.9eV,LUMO準位=2.4eV,T=2.9eV)、またはアダマンタン カルバゾール(Ad−Cz)(HOMO準位=5.8eV,LUMO準位=2.6eV,T=2.88eV)等を用いることができるが、特にこれらに限定されるわけではない。
上述したように、第三発光層5bにおいて、正孔および電子を第三発光層5c内に閉じ込めるために、燐光発光材料のHOMO準位8よりも深いHOMO準位を有し、燐光発光材料のLUMO準位9よりも浅いLUMOjンイを有するホスト材料を使用している。例えば、スルホン化ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキシド)(SPPO1)(HOMO準位=6.5eV,LUMO準位=2.7eV,T=2.9eV)、またはHOMO準位とLUMO準位とのギャップが大きいSi系ホスト材料、またはP系ホスト材料等を用いることができる。Si系ホスト材料とは、例えば、ジフェニルジ(o−トリル)シラン(UGH1)(HOMO準位=7.2eV,LUMO準位=2.6eV,T=3.15eV)、p−ビス(トリフェニルシリーリ)ベンゼン(UGH2)、3,5−ジ(N−カルバゾリル)テトラフェニルシラン(SimCP)、3,5−ジ(9H−カルバゾル−9−イル)テトラフェニルシラン(SimCP2)、または9−(4−テルト−ブチルフェニル)−3,6−ビス(トリフェニルシリル)−9H−カルバゾール(CzSi)(HOMO準位=6.0eV,LUMO準位=2.5eV,T=3.02eV)等である。一方、P系ホスト材料とは、例えば、PO1、2,8−ビス(ジフェニルフォスフォリル)ジベンゾチオフェン(PPT)(HOMO準位=6.6eV,LUMO準位=2.9eV,T=3.0eV)、または4−(ジフェニルフォスフォリル)−N,N−ジフェニルアニリン(HM−A1)等である。それ以外にも、2,2−ビス[(4−ベンズイロキシ)フェニル]プロパン(MMA1)、2,2−ビス(4−カルバゾイルフェニル)−1,1−ビフェニル(4CzPBP)、4,4’−ジクロロベンゾフェノン(BCBP)、3,7−ビス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゾ[1,2−b4,5−b0]ジフラン(CZBDP)、または(4−ブロモフェニル)−5−メルカプト−1,2,3,4−テトラゾール(BPMT)等も適用可能である。また、励起エネルギーを燐光発光材料中に閉じ込めるために、発光層5に用いる燐光発光材料のTよりも大きいTを有しているホスト材料を用いることが好ましい。ただし、ホスト材料が燐光発光材料のTよりも小さいTを有している場合でも、その差が0.1eV程度であれば、燐光発光材料からの励起エネルギーの移動は起こりにくい。したがって、燐光発光材料のTよりも0.1eV程度小さいTを有しているホスト材料であれば、適用可能である。
以上では、第一発光層5a、第二発光層5c、および第三発光層5bに適用可能なホスト材料について述べたが、必ずしも上記ホスト材料に限定されるわけではない。例えば、有機EL素子1に用いる燐光発光材料を決定した上で上述した条件を満たすような適当なホスト材料を選択して各発光層に用いれば良い。すなわち、上述した条件を満たすようなホスト材料であれば、以上に列記したホスト材料に限定されない。したがって、有機EL素子1の各層に用いるホスト材料の組み合わせ、および有機EL素子1に用いる燐光発光材料等を考慮して、用いるホスト材料をそれぞれ決定すれば良い。また、使用するホスト材料は三種類に限定されるわけではなく、少なくとも三種類のホスト材料を用いれば良い。
次に正孔注入層3について説明する。正孔注入層3に用いることが可能な正孔注入性材料しては、特に限定されるものではなく、例えば公知の正孔注入性材料を用いることができる。例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)、ジ−[4−(N,N−ジトリル−アミノ)−フェニル]シクロヘキサン(TAPC)(HOMO準位=5.5eV,LUMO準位=1.8eV,T=2.87eV)、9,10−ジフェニルアントラセン−2−スルフォネート(DPAS)、N,N’−ジフェニル−N,N’−(4−(ジ(3−トリル)アミノ)フェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’−ジアミン(DNTPD)、イリジウム(III)トリス[N,N’−ジフェニルベンズイミダゾル−2−イリデン−C2,C2’](Ir(dpbic))、4,4’,4”−トリス−(N−カルバゾリル)−トリフェニルアミン(TCTA)、2,2−ビス(p−トリメリットオキシフェニル)プロパン酸無水物(BTPD)、ビス[4−(p,p−ジトリルアミノ)フェニル]ジフェニルシラン(DTASi)、または上記第二発光層5cに用いるホスト材料等が適用可能である。
続いて正孔輸送層4について説明する。正孔輸送層4に用いることが可能な正孔輸送性材料しては、特に限定されるものではなく、例えば公知の正孔輸送性材料を用いることができる。例えば、TAPC、DPAS、DNTPD、Ir(dpbic)3、TCTA、BTPD、DTASi、または上記第二発光層5cに用いるホスト材料等が適用可能である。
次に電子輸送層6について説明する。電子輸送層6に用いることが可能な電子輸送性材料としては、特に限定されるものではなく、例えば公知の電子輸送性材料を用いることができる。例えば、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(BCP)、1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾル−2−イル)ベンゼン(TPBI)、3−フェニル−4(1’−ナフチル)−5−フェニル−1,2,4−トリアゾール(TAZ)、4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(Bphen)、Ad−Cz、ジパルミトイルホスファチジルセリン(DPPS)、1,3,5−トリ(m−ピリド−3−イル−フェニル)ベンゼン(TmPyPB)、1,3,5−トリ(p−ピリド−3−イル−フェニル)ベンゼン(TpPyPB)、または上記第一発光層5aに用いるホスト材料等が適用可能である。
最後に、電子注入層7について説明する。電子注入層7に用いることが可能な電子注入性材料としては、特に限定されるものではなく、例えば公知の電子注入性材料を用いることができる。例えば、LiF、BCP、TPBI、TAZ、Bphen、Ad−Cz、DPPS、TmPyPB、TpPyPB、または上記第一発光層5aに用いるホスト材料等が適用可能である。
(有機EL素子1の製造工程)
有機EL素子1の製造工程について、簡単に説明する。上述したように、通常有機EL素子は、スイッチング素子としてトランジスタを有しているが、本実施形態ではその製造工程については言及しない。
以下では、複数のトランジスタが島状に形成された基板上に、陽極2、有機層、および陰極を形成する工程を説明する。まず、各トランジスタの上に陽極2をパターン形成する(陽極形成工程)。そして、形成した陽極2上に有機層の各層を形成していく。なお、陽極2周辺の絶縁性を確保するために、陽極2周辺に有機絶縁膜(図示せず)を設けても良い。有機絶縁膜として、ポリイミド系等の樹脂材料等を用いるのが好ましいが、特にこれらに限定されるものではなく、例えば公知の有機絶縁材料を用いることができる。
そして、正孔注入層3を形成する(正孔注入層形成工程)。陽極2上に正孔注入性材料を蒸着させる。この際、当該正孔注入層3の膜厚は、45nm程度であることが好ましい。このようにして、正孔注入層3を形成する。
続いて正孔輸送層4を形成する(正孔輸送層形成工程)。正孔注入層3上に正孔輸送性材料を蒸着させる。この際、当該正孔輸送層4の膜厚は、15nm程度であることが好ましい。このようにして、正孔輸送層4を形成する。
次に発光層5を形成する。具体的には、正孔輸送層4上に第一発光層5a用のホスト材料と、燐光発光材料とを共蒸着させる(第一発光層形成工程)。この際、ホスト材料中に燐光発光材料を7.5%程度ドープさせることが好ましい。このようにして、第一発光層5aを形成する。なお、層の厚さは10nm程度であることが好ましい。
そして、第一発光層5a上に第三発光層5b用のホスト材料と、燐光発光材料とを共蒸着させる(第三発光層形成工程)。この際、ホスト材料中に燐光発光材料を7.5%程度ドープさせることが好ましい。このようにして、第三発光層5bを形成する。なお、層の厚さは、好ましくは0.5〜4nm程度、より好ましくは2nm程度であることが好ましい。これについて、図3を参照して、詳しく説明する。図3は、有機EL素子1および従来の有機EL素子における、発光層の膜厚と電流効率との関係を示す図である。縦軸は、電流効率を示し、横軸は、発光層の膜圧を示している。なお、有機EL素子1においては、第三発光層5bの膜厚としている。
図3に示すように、有機EL素子1の第三発光層5bの膜厚が、20Å程度の時に電流効率が高いピークを示す。第三発光層5bの膜厚が20Åよりも小さくになるに従い電流効率は低下し、膜厚が20Åよりも大きくなるに従い電流効率は低下する。これは、第三発光層5bの膜厚が厚いと、第三発光層5bにおける正孔および電子の移動度が低くなり、正孔と電子とが再結合する確率が低下してしまうためである。したがって、第三発光層5bの膜厚はより薄い方が好ましいが、第三発光層5bの膜厚が薄いと、第一発光層5aから伝搬された正孔が第二発光層5cに移動してしまう。同様に、第二発光層5cから伝搬された電子が第一発光層5aに移動してしまう。その結果、図3に示すように、第三発光層5bにおける正孔と電子とが再結合する確率が低下してしまう。したがって、第三発光層5bの膜厚は、5〜42Å(0.5〜4.2nm)であることが好ましい。上記の場合、従来の有機EL素子(後述の比較例のケース)よりも電流効率が高くなる。また、さらには、第三発光層5bの膜厚は、10〜30Åであることが望ましい。その際、従来の有機EL素子よりも電流効率が1.5倍となる。それにより、高効率な有機EL素子1が得られる。
しかし、有機EL素子1の電流効率は、用いるホスト材料および燐光発光材料のHOMO準位とLUMO準位との差異、および正孔と電子との移動度の差異の影響を受ける。したがって、これらを考慮した上で最適な第三発光層5bの膜厚を決定すれば良く、第三発光層5bの膜厚は必ずしも上記範囲に限定されるものではない。
次に第三発光層5b上に第二発光層5c用のホスト材料と、燐光発光材料とを共蒸着させる(第二発光層形成工程)。この際、ホスト材料中に燐光発光材料を7.5%程度ドープさせることが好ましい。このようにして、第二発光層5cを形成する。なお、層の厚さは30nm程度であることが好ましい。以上より、第一発光層5a、第二発光層5c、および第三発光層5bを有する発光層5が形成される。
続いて電子輸送層6を形成する(電子輸送層形成工程)。発光層5上に電子輸送性材料を蒸着させる。この際、当該電子輸送層6の膜厚は、10nm程度であることが好ましい。このようにして、電子輸送層6を形成する。
次に電子注入層7を形成する(電子注入層形成工程)。電子輸送層6上に電子注入性材料を蒸着させる。このようにして、電子注入層7を形成する。
最後に、陰極を形成する(陰極形成工程)。電子注入層7上に陰極をパターン形成し、有機EL素子1は完成する。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、燐光発光材料として青色の燐光発光材料を用いる場合を説明したが、青色以外の燐光発光材料、または蛍光発光材料等、他の有機発光材料も適用可能である。本実施形態に係る有機EL素子1に、青色燐光発光材料以外の有機発光材料を用いた場合でも、さらなる駆動電圧の低下を実現することができる。
また、正孔注入層3および電子注入層7にそれぞれドーパントをドープしても良い。さらに、正孔および電子の輸送を促進する目的で正孔輸送層4および電子輸送層6にそれぞれドーパントをドープしても問題ない。例えば、第一発光層5aにp−ドーパント等のドーパントをドープして、第一発光層5aに正孔注入層3および正孔輸送層4を兼ねさせても良い。同様に、第二発光層5bにn−ドーパント等のドーパントをドープして、第二発光層5bに電子輸送層6および電子注入層7を兼ねさせても良い。これによれば、有機EL素子1の層構造を単純化することができるので、製造プロセスを簡易にすることができる。また、各注入層および各輸送層をそれぞれ省略することができるため、有機EL素子1の製造コストを低く抑えることができる。
さらに、本実施形態に係る有機EL素子1を備えた表示手段を有する有機EL表示装置を実現することも可能である。その具体例を、図4に示す。図4は、有機EL素子1を備えた有機EL表示装置50の概略を示す図である。
図4に示すように、有機EL素子1を備えた有機EL表示装置50は、基板52上に、画素部43、ゲート信号側駆動回路28、データ信号側駆動回路29、配線41、電流供給線42、封止基板44、FPC(Flexible Printed Circuits)26、および外部駆動回路27を有している。
外部駆動回路27は、画素部43の走査ライン(走査線)をゲート信号側駆動回路28により順次選択し、選択されている走査線に沿って配置されている各画素素子に対し、データ信号側駆動回路29におり画素データを書き込む。すなわち、ゲート信号側駆動回路28が走査線を順次駆動し、データ信号側駆動回路29がデータ線に画素データを出力することによって、駆動された走査線とデータが出力されたデータ線とが交差する位置に配置された画素素子が駆動される。
また、上述した有機EL表示装置を備えた電子機器を実現することも可能である。その具体例を、図5および図6に示す。図5は、有機EL表示装置を備えた携帯電話60の概略を示す図である。図6は、有機EL表示装置を備えたテレビジョン受像機70の概略を示す図である。
図5に示すように、携帯電話60の表示部49に、本実施形態に係る有機EL素子1を備えた有機EL表示装置を搭載することができる。なお、図に示す45は音声入力部であり、46は音声出力部であり、47は本体部分であり、48はアンテナであり、51は操作スイッチである。これらの部材は、従来の携帯電話と同様の機能を有しているため、ここではその説明は省略する。また、携帯電話60の具体的な構成についても、ここでは言及しない。
また、図6に示すように、テレビジョン受像機70の表示部61に、本実施形態に係る有機EL素子1を備えた有機EL表示装置を搭載することもできる。なお、図に示す62はスピーカである。テレビジョン受像機70は、表示部61に本実施形態に係る有機EL表示装置を備えている点以外は、従来のテレビジョン受像機70と同様の構成を有しているため、具体的な構成については、ここでは言及しない。
以上のように、本実施形態に係る有機EL素子1を備えることによって、発光効率が高い有機EL表示装置が実現でき、該有機EL表示装置は、表示部を備えた各種の電子機器に搭載することが可能である。
なお、以上では、本実施形態に係る有機EL素子1を備えた表示手段を有する有機EL表示装置について説明したが、有機EL素子1は、照明装置の光源として利用することも可能である。その具体例を、図7に示す。図7は、有機EL素子1を備えた照明装置80の概略を示す図である。
図7に示すように、有機EL素子1を備えた照明装置80は、光学フィルム71、基板11、陽極2、有機EL層10、陰極13、熱拡散シート64、封止基板65、封止樹脂63、放熱材66、駆動用回路67、配線68、および引掛シーリング69を有している。
以上のように、本実施形態に係る有機EL素子1を備えることによって、発光効率が高い照明装置を提供することができる。
〔実施形態の総括〕
以上のように、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子においては、さらに、上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記有機発光材料のそれぞれの最高被占準位(HOMO)および最低空準位(LUMO)は、下記の関係式(3)および(4)を満たすことを特徴としている。
(3)|第一ホスト材料のLUMO|>|有機発光材料のLUMO|
(4)|第二ホスト材料のHOMO|<|有機発光材料のHOMO|
また、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子においては、さらに、上記第一ホスト材料、第二ホスト材料、および第三ホスト材料は、上記有機発光材料の励起三重項準位よりも高い励起三重項準位を有していることを特徴としている。
上記構成によれば、励起エネルギーを発光層中の有機発光材料中に閉じ込めることができ、有機発光材料からの励起エネルギーの移動を防ぐことができる。
また、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子においては、さらに、上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記第三ホスト材料のそれぞれの正孔移動度および電子移動度は、下記の関係式(5)および(6)を満たすことを特徴としている。
(5)第一ホスト材料の正孔移動度>第三ホスト材料の正孔移動度
(6)第二ホスト材料の電子移動度>第三ホスト材料の電子移動度
また、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子においては、さらに、上記第一発光層、上記第二発光層、および上記第三発光層のそれぞれの膜厚は、下記の関係式(7)および(8)を満たすことを特徴としている。
(7)第一発光層の膜厚>第三発光層の膜厚かつ第三発光層の膜厚<第二発光層の膜厚
(8)5Å<第三発光層の膜厚<42Å
また、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子においては、さらに、上記第三発光層の膜厚は、下記の関係式(9)を満たすことを特徴としている。
(9)10Å<第三発光層の膜厚<30Å
また、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子においては、さらに、上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記有機発光材料のそれぞれの最高被占準位(HOMO)および最低空準位(LUMO)は、下記の関係式(10)および(11)の少なくともいずれか一方を満たすことを特徴としている。
(10)0eV<(|第一ホスト材料のLUMO|−|有機発光材料のLUMO|)≦0.5eV
(11)0eV<(|有機発光材料のHOMO|−|第二ホスト材料のHOMO|)≦0.5eV
また、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子においては、さらに、上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記有機発光材料のそれぞれの最高被占準位(HOMO)および最低空準位(LUMO)は、下記の関係式(12)および(13)の少なくともいずれか一方を満たすことを特徴としている。
(12)0.1eV≦(|第一ホスト材料のLUMO|−|有機発光材料のLUMO|)≦0.3eV
(13)0.1eV≦(|有機発光材料のHOMO|−|第二ホスト材料のHOMO|)≦0.3eV
また、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子においては、さらに、上記有機層は、上記陽極から上記有機層への正孔の注入を促進するドーパントがドープされた正孔注入層と、上記陰極から上記有機層への電子の注入を促進するドーパントがドープされた電子注入層とを有していることを特徴としている。
上記構成によれば、第一電極から注入されるキャリアの有機層への注入が促進され、第二電極から注入されるキャリアの有機層への注入が促進される。これより、発光層に正孔および電子を十分に伝搬することができる。
また、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子においては、さらに、上記正孔注入層と上記発光層との間には、上記ドーパントおよび上記有機発光材料がドープされていない領域があることを特徴としている。
また、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子においては、さらに、上記電子注入層と上記発光層との間には、上記ドーパントおよび上記有機発光材料がドープされていない領域があることを特徴としている。
上記構成によれば、発光層と第一キャリア注入層との間の有機発光材料およびドーパントがドープされていない領域は、キャリアのブロッキング層として働く。これより、発光層と第一キャリア注入層との界面においてエクサイプレックスによるエネルギー失活等を起こしてしまうのを防ぐことができる。すなわち、発光層から第一キャリア注入層へのエネルギーのロスを防ぐことができる。同様に、発光層と第二キャリア注入層との間の有機発光材料およびドーパントがドープされていない領域も、発光層から第二キャリア注入層へのエネルギーのロスを防ぐことができる。
また、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子においては、さらに、上記有機発光材料は、燐光発光材料であることを特徴としている。
上記構成によれば、発光効率が高く、発光寿命が長い有機EL素子を得ることができる。
また、本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法においては、上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記有機発光材料のそれぞれの最高被占準位(HOMO)および最低空準位(LUMO)は、下記の関係式(16)および(17)の少なくともいずれか一方を満たすことを特徴としている。
(16)|第一ホスト材料のLUMO|>|有機発光材料のLUMO|
(17)|第二ホスト材料のHOMO|<|有機発光材料のHOMO|
発明の詳細な説明の項においてなされた具体的な実施形態または実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、本発明の精神と次に記載する請求の範囲内で、いろいろと変更して実施することができるものである。
以下では、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ガラス基板上にプラズマ化学蒸着(プラズマCVD)法によってシリコン半導体膜を形成し、結晶化処理を施した後、多結晶半導体膜を形成した。続いて多結晶シリコン薄膜をエッチング処理し、複数の島状パターンを形成した。次に多結晶シリコン薄膜の各島の上に窒化ケイ素(SiN)をゲート絶縁膜として形成した。その後、チタン(Ti)−アルミニウム(Al)−チタン(Ti)の積層膜をゲート電極として順次形成し、エッチング処理によってパターニングを行った。当該ゲート電極の上に、Ti−Al−Tiを用いてソース電極およびドレイン電極を形成し、複数の薄膜トランジスタを作製した。
形成した薄膜トランジスタ上にスルーホールを有する層間絶縁膜を形成して平坦化した。そして、当該スルーホールを介して酸化インジウムスズ(ITO)電極を陽極として形成した。ポリイミド系樹脂の単層でITO電極の周辺を取り囲むようにしてパターニングした後、ITO電極を形成した基板を超音波洗浄し、200℃の減圧下で3時間ベークした。
続いて、陽極上に4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)を真空蒸着法によって蒸着速度1Å/secで蒸着した。このようにして、陽極上に膜厚45nmの正孔注入層を形成した。
その後、正孔注入層上にN,N−ジカルバゾイル−3,5−ベンゼン(mCP)を真空蒸着法によって蒸着速度1Å/secで蒸着した。このようにして、正孔注入層上に膜厚15nmの正孔輸送層を形成した。
そして、正孔輸送層上に2,8−ビス(ジフェニルフォスフォリル)ジベンゾチオフェン(PPT)と、イリジウム(III)ビス(4’,6’−ジフルオロフェニルピリジナト)テトラキス(1−ピラゾリル)ボレート(FIr6)とを真空蒸着法によって共蒸着した。この際、PPT中にFIr6が7.5%程度含まれるようにドープした。このようにして、正孔輸送層上に膜厚10nmの第一発光層を形成した。
その後、第一発光層上に、ジフェニルジ(o−トリル)シラン(UGH1)と、FIr6とを真空蒸着法によって共蒸着した。この際、UGH1中にFIr6が7.5%程度含まれるようにドープした。このようにして、第一発光層上に膜厚2nmの第三発光層を形成した。
そして、第三発光層上に9−(4−テルト−ブチルフェニル)―3,6−ビス(トリフェニルシリル)−9H−カルバゾール(CzSi)と、FIr6とを真空蒸着法によって共蒸着した。この際、CzSi中にFIr6が7.5%程度含まれるようにドープした。このようにして、第三発光層上に膜厚30nmの第二発光層を形成した。
次に、第二発光層上に1,3,5−トリス(N−フェニルベンズイミダゾル−2−イル)ベンゼン(TPBI)を真空蒸着法によって蒸着した。このようにして、第二発光層上に膜厚10nmの電子輸送層を形成した。
続いて、電子輸送層上にフッ化リチウム(LiF)を真空蒸着法によって蒸着速度1Å/secで蒸着し、膜厚0.5nmのLiF膜を形成した。その後、LiF膜上にアルミニウム(Al)を用いて膜厚100nmのAl膜を形成した。このようにして、LiFとAlとの積層膜を陰極として形成し、有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子の1000cd/mにおける電流効率および寿命T50を測定した。その結果、電流効率は20cd/Aとなり、寿命T50は3000hと良好な値を示した。
上記した実施例では、発光層が多層構造をしており、当該発光層のホスト材料には、燐光発光材料を考慮した材料を用いている。具体的には、本実施例では、FIr6の最高被占準位(HOMO準位)よりも深いHOMO準位を有するPPTを第一発光層のホスト材料として用いている。また、FIr6の最低空準位(LUMO準位)よりも浅いLUMO準位を有するCzSiを第二発光層のホスト材料として用いている。さらに、第三発光層のホスト材料として、FIr6のHOMO準位よりも深いHOMO準位を有し、FIr6のLUMO準位よりも浅いLUMO準位を有するUGH1を用いている。これより、陽極から注入される正孔を確実に第三発光層にまで伝搬することができる。同様に、陰極から注入される電子を確実に第三発光層にまで伝搬することができる。また、第三発光層のHOMO準位とLUMO準位とのギャップが大きくなるように構成しているので、第三発光層内に正孔および電子を閉じ込めることができる。その結果、正孔および電子が再結合する確率を上げることができる。したがって、本実施例に係る有機EL素子では、正孔および電子を効率良く伝搬することができるので、電流効率および寿命T50共に良好な値を示した。
(実施例2)
実施例1の第二発光層のホスト材料CzSi(HOMO準位=6.0eV,LUMO準位=2.5eV)の代わりに、アダマンタン カルバゾール(Ad−Cz)(HOMO準位=5.8eV,LUMO準位=2.6eV)を用い、発光材料は実施例1と同じように、FIr6(HOMO準位=6.1eV,LUMO準位=3.1eV)を用いた第二発光層を持つ有機EL素子を作製した。上記の第二発光層のホスト材料としてAd−Czを用いる点以外は、実施例1と同じ膜厚構成で作製した。
得られた有機EL素子の1000cd/mにおける電流効率および駆動電圧を測定した。その結果、電流効率は15cd/Aとなり、電圧は実施例1の約8割となり、良好な値を示した。したがって、第二発光層のホスト材料のHOMO準位と燐光発光材料とのHOMO準位との差が、実施例1のように0.1eVであっても、実施例2のように0.3eVであっても、良好な値を示すことが分かった。
これは、有機EL素子の正孔および電子の輸送は、ホッピング伝導によって行われていることに関係している。ホッピング伝導の際、正孔がトラップされている準位と、正孔がホッピングする準位との差をΔEとすると、正孔の移動度は、exp(−ΔE/RT)で下がっていく(R:気体定数,T:絶対温度[K])。以上の点から、第二発光層を構成するホスト材料のHOMO準位は、燐光発光材料のHOMO準位よりも浅いことが好ましい。
ここで、第二発光層を構成するホスト材料のHOMO準位と、燐光発光材料のHOMO準位との差を0.5eVより大きくすると、正孔が熱的に励起できる確率が低くなってしまう。したがって、第二発光層を構成するホスト材料のHOMO準位と、燐光発光材料のHOMO準位との差が0.5eV以内であることがより好ましいと言える。具体的な例で示すと、電子(正孔)移動速度は、下記式(1)のように、一般的なアレニウス式で表すことができる。kETは電子(正孔)移動速度定数であり、Aは頻度因子(温度に無関係な定数)である。
ET=Aexp(−ΔE/RT) …(1)
Aは、非特許文献3に記載されているように、分子間の反応の場合では、1011−1−1とされている。この際、ΔEの数値による速度定数の値を式(1)から算出した結果を下記に示す。
ΔE=0.1eVの場合、kET=2.0×10−1
ΔE=0.2eVの場合、kET=4.1×10−1
ΔE=0.3eVの場合、kET=8.4×10−1
ΔE=0.4eVの場合、kET=1.7×10−1
ΔE=0.5eVの場合、kET=3.5×10−1
ΔE=0.6eVの場合、kET=7.1s−1
以上から、ΔEが0.5eV以内では、サブms(0.5eV時,29ms)以内で電子移動が第一発光層を構成するホスト材料から燐光発光材料へと分子間で進行するが、0.6eVを超えると秒単位でしか電子移動が進行しないことが分かる。つまり、電子が0.5eV以内の差であれば、アップヒルのエネルギー差であろうとも、電子移動が起こり得ると言える。
また、電場によって安定化されるエネルギー[f(x)]は、下記式(2)のように表すことができる。具体的には、Vという電場をかけた際における距離xの位置で電子が安定化するエネルギーである。なお、qは素電荷(電子の電荷の絶対値)である。
f(x)=−qVx …(2)
つまり、式(2)から分かるように、電場をかけることで逆方向への電子(正孔)の移動は起こりにくくなり、あくまで電場の勾配に沿って電子(正孔)移動が起こりやすいと言える。すなわち、電場の影響で一度正孔が移されると、正孔は第一発光層から正孔輸送材料等の陽極側材料へ戻りにくく、第一発光層を構成するホスト材料から燐光発光材料へと移る方が優勢となる。
したがって、第二発光層を構成するホスト材料のHOMO準位と、燐光発光材料のHOMO準位との差を0.5eV以内にすると、正孔が熱的に励起する確率が高くなり、正孔および電子が再結合する確率を高めることができる。実施例2の結果に基づけば、第二発光層を構成するホスト材料のHOMO準位と、燐光発光材料のHOMO準位との差は、0.3eV以内であることがより好ましい。
また、第二発光層を構成するホスト材料のHOMO準位と、燐光発光材料のHOMO準位との差を0eVよりも大きくすることが好ましい。デバイスの低電圧化につながるため、0.1eV異常にすることがより好ましい。
さらに、第一発光層を構成するホスト材料のLUMO準位と、燐光発光材料のLUMO準位の間の差も上記と同じ理由により、0eVよりも大きく、0.5eV以内であることが好ましい。より好ましくは、0.1eV以上0.3eV以内である。
(比較例1)
実施例1の有機EL素子から第一発光層および第二発光層をなくし、ワイドギャップホストのUGH1を使用した単一発光層の有機EL素子を作製した。実施例1と同様に、正孔輸送層まで形成し、次に正孔輸送層上にUGH1とFIr6とを真空蒸着法によって共蒸着した。この際、UGH1中にFIr6が7.5%程度含まれるようにドープした。このようにし、膜厚30nmの発光層(単一層)を形成した。
そして、上記の発光層上に、電子輸送層、LiF、およびAlを実施例1と同様に形成し、有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子の1000cd/mにおける電流効率を測定したところ、電流効率は10cd/Aとなり、実施例1の半分となった。
(比較例2)
実施例1の第二発光層のホスト材料CzSiの代わりに、UGH1を用い、発光材料は実施例1と同じように、FIr6を用いた第二発光層を持つ有機EL素子を作製した。上記の第二発光層のホスト材料としてUGH1を用いる点以外は、実施例1と同じ膜厚構成作製した。
得られた有機EL素子の1000cd/mにおける電流効率および駆動電圧を測定した。その結果、電流効率は10cd/Aとなり、実施例1の半分となった。また、駆動電圧は実施例1の約2倍となった。
本発明は、有機EL素子を用いた各種デバイスに利用することが可能であり、例えばテレビ等の表示装置等に利用することができる。
1,31 有機EL素子
2,32 陽極
3,33 正孔注入層
4,34 正孔輸送層
5,35 発光層
5a 第一発光層
5b 第三発光層
5c 第二発光層
6,36 電子輸送層
7,37 電子注入層
8,38 燐光発光材料の最高被占準位
9,39 燐光発光材料の最低空準位

Claims (15)

  1. 陽極および陰極と、
    上記陽極および上記陰極の間に形成され、発光層を少なくとも有している有機層とを基板上に備えた有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    上記発光層は、
    上記陽極側に位置し、第一ホスト材料からなる第一発光層と、
    上記陰極側に位置し、第二ホスト材料からなる第二発光層と、
    上記第一発光層と上記第二発光層との間に位置し、第三ホスト材料からなる第三発光層とを備え、
    上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記第三ホスト材料は、それぞれ互いに異なっており、なおかつ上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記第三ホスト材料には、同一の有機発光材料がドープされており、
    上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、上記第三ホスト材料、および上記有機発光材料のそれぞれの最高被占準位(HOMO)および最低空準位(LUMO)は、下記の関係式(1)および(2)を満たすことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (1)|第一ホスト材料のHOMO|>|有機発光材料のHOMO|かつ|有機発光材料のHOMO|<|第三ホスト材料のHOMO|
    (2)|第二ホスト材料のLUMO|<|有機発光材料のLUMO|かつ|有機発光材料のLUMO|>|第三ホスト材料のLUMO|
  2. 上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記有機発光材料のそれぞれの最高被占準位(HOMO)および最低空準位(LUMO)は、下記の関係式(3)および(4)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (3)|第一ホスト材料のLUMO|>|有機発光材料のLUMO|
    (4)|第二ホスト材料のHOMO|<|有機発光材料のHOMO|
  3. 上記第一ホスト材料、第二ホスト材料、および第三ホスト材料は、上記有機発光材料の励起三重項準位よりも高い励起三重項準位を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記第三ホスト材料のそれぞれの正孔移動度および電子移動度は、下記の関係式(5)および(6)を満たすことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (5)第一ホスト材料の正孔移動度>第三ホスト材料の正孔移動度
    (6)第二ホスト材料の電子移動度>第三ホスト材料の電子移動度
  5. 上記第一発光層、上記第二発光層、および上記第三発光層のそれぞれの膜厚は、下記の関係式(7)および(8)を満たすことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (7)第一発光層の膜厚>第三発光層の膜厚かつ第三発光層の膜厚<第二発光層の膜厚
    (8)5Å<第三発光層の膜厚<42Å
  6. 上記第三発光層の膜厚は、下記の関係式(9)を満たすことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (9)10Å<第三発光層の膜厚<30Å
  7. 上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記有機発光材料のそれぞれの最高被占準位(HOMO)および最低空準位(LUMO)は、下記の関係式(10)および(11)の少なくともいずれか一方を満たすことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (10)0eV<(|第一ホスト材料のLUMO|−|有機発光材料のLUMO|)≦0.5eV
    (11)0eV<(|有機発光材料のHOMO|−|第二ホスト材料のHOMO|)≦0.5eV
  8. 上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記有機発光材料のそれぞれの最高被占準位(HOMO)および最低空準位(LUMO)は、下記の関係式(12)および(13)の少なくともいずれか一方を満たすことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (12)0.1eV≦(|第一ホスト材料のLUMO|−|有機発光材料のLUMO|)≦0.3eV
    (13)0.1eV≦(|有機発光材料のHOMO|−|第二ホスト材料のHOMO|)≦0.3eV
  9. 上記有機層は、
    上記陽極から上記有機層への正孔の注入を促進するドーパントがドープされた正孔注入層と、
    上記陰極から上記有機層への電子の注入を促進するドーパントがドープされた電子注入層とを有していることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 上記正孔注入層と上記発光層との間には、上記ドーパントおよび上記有機発光材料がドープされていない領域があることを特徴とする請求項9に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 上記電子注入層と上記発光層との間には、上記ドーパントおよび上記有機発光材料がドープされていない領域があることを特徴とする請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 上記有機発光材料は、燐光発光材料であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を薄膜トランジスタ基板上に形成した表示手段を備えることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス表示装置。
  14. 陽極および陰極と、
    上記陽極および上記陰極の間に形成された発光層を少なくとも有している有機層とを基板上に備えた有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
    上記基板上に、上記陽極を形成する陽極形成工程と、
    上記陽極上に、当該陽極から正孔が注入される正孔注入層を形成する正孔注入層形成工程と、
    上記正孔注入層上に、上記陽極から上記有機層に注入される正孔を輸送する正孔輸送層を形成する正孔輸送層形成工程と、
    上記正孔輸送層上に、上記発光層として、第一ホスト材料からなる第一発光層を形成する第一発光層形成工程と、
    上記第一発光層上に、上記発光層として、第三ホスト材料からなる第三発光層を形成する第三発光層形成工程と、
    上記第三発光層上に、上記発光層として、第二ホスト材料からなる第二発光層を形成する第二発光層形成工程と、
    上記第二発光層上に、上記陰極から上記有機層に注入される電子を輸送する電子輸送層を形成する電子輸送層形成工程と、
    上記電子輸送層上に、上記陰極から電子が注入される電子注入層を形成する電子注入層形成工程と、
    上記電子注入層上に、上記陰極を形成する陰極形成工程とを備え、
    上記第一発光層形成工程、上記第二発光層形成工程、および上記第三発光層形成工程において、上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記第三ホスト材料として、それぞれ互いに異なる材料を用い、なおかつ上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記第三ホスト材料に同一の有機発光材料をドープし、なおかつ下記の関係式(14)および(15)を満たす最高被占準位(HOMO)および最低空準位(LUMO)をそれぞれ有する上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、上記第三ホスト材料、および上記有機発光材料を用いて、上記第一発光層、上記第二発光層、および上記第三発光層を形成することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
    (14)|第一ホスト材料のHOMO|>|有機発光材料のHOMO|かつ|有機発光材料のHOMO|<|第三ホスト材料のHOMO|
    (15)|第二ホスト材料のLUMO|<|有機発光材料のLUMO|かつ|有機発光材料のLUMO|>|第三ホスト材料のLUMO|
  15. 上記第一ホスト材料、上記第二ホスト材料、および上記有機発光材料のそれぞれの最高被占準位(HOMO)および最低空準位(LUMO)は、下記の関係式(16)および(17)の少なくともいずれか一方を満たすことを特徴とする請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
    (16)|第一ホスト材料のLUMO|>|有機発光材料のLUMO|
    (17)|第二ホスト材料のHOMO|<|有機発光材料のHOMO|
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