JP2009147276A - 有機発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐久特性と発光効率とをバランスよく向上させた有機発光素子を提供する。
【解決手段】陽極1と陰極(第二の透明電極)6と、陽極1と陰極6との間に挟持され少なくとも正孔輸送層2と、ホストと発光ドーパントとからなる発光層3と、電子輸送層4とがこの順に含まれる積層体と、から構成され、下記式(a)、(b)及び(c)の関係を満たすことを特徴とする、有機発光素子10。
(a)LUMOh<LUMOd<HOMOh<HOMOd
(b)HOMOHT+0.28eV<HOMOh<HOMOHT+0.43eV
(c)HOMOET<HOMOh+0.30eV
【選択図】図1

Description

本発明は有機発光素子に関する。
有機発光素子は、陽極と陰極と、この陽極と陰極との間に挟持される有機化合物からなる薄膜と、から構成される電子素子である。
図5は、従来から知られている有機発光素子のバンドダイアグラムの一例を示す図である。図5において、101は発光層の構成材料であるホストのエネルギーレベルを表し、102は発光ドーパントのエネルギーレベルを表し、103は発光領域を表している。
図5で示されるバンドダイアグラムを有する有機発光素子は、赤色有機発光素子で利用されることがある。ここで赤色有機発光素子は、一般に発光ドーパントのバンドギャップがホストのバンドギャップよりも狭いため、正孔と電子とが共に発光ドーパントでトラップされやすくなるので、素子の駆動電圧が上昇しやすい。これを解消するため、図5に示されるように、発光ドーパントのHOMO準位をホストのHOMO準位よりも深くして、正孔がホストを経由して発光ドーパントへ伝わりやすくするバンド構造が利用される。このようなバンド構造を有する有機発光素子では、電子は電子輸送層を経由して、発光層の電子輸送層との界面近傍の存在する発光ドーパントから順次トラップされる。また、正孔は発光層中のホストを経由して、電子がトラップされた発光ドーパントに到達する。このため、発光領域103は発光層中の電子輸送層との界面近傍となる。以下、このような発光層を電子トラップ型の発光層と定義する。
ここで電子トラップ型の発光層は、下記式(i)の関係を満たすものである。
(i)LUMOh<LUMOd<HOMOh<HOMOd
(式(i)において、LUMOhは、ホストのLUMO準位を表し、LUMOdは、発光ドーパントのLUMO準位を表し、HOMOhは、ホストのHOMO準位を表し、HOMOdは、発光ドーパントのHOMO準位を示す。)
ところで電子トラップ型の発光層を持つ有機発光素子では、正孔漏れによる発光効率の低下を防ぐため、電子輸送層のHOMO準位をホストのHOMO準位よりも深くする方法が採用されている。具体的には、図5のバンド障壁(HOMOET−HOMOh)104について下記式(ii)の関係を満たすものである(特許文献1参照)。
(ii)HOMOET≧HOMOh+0.3eV
(式(ii)において、HOMOETは、電子輸送層のHOMO準位を表し、HOMOhは、ホストのHOMO準位を表す。)
また、特許文献1では、ホスト材料に正孔移動度の高い芳香族アミンを用いることで電圧をさらに下げることができることも開示されている。
一方、青色有機発光素子は、一般的に、上述した電子トラップ型の発光層を有するものではない。図6は、従来から知られている有機発光素子のバンドダイアグラムの他の例を示す図である。図6において、111は、ホスト材料のエネルギーレベルを表し、112は、発光ドーパント材料のエネルギーレベルを表し、113は発光領域を表している。図6で示されるように、青色有機発光素子は、一般的に正孔トラップ型の有機発光素子である。
図6のようなバンド構造を有する有機発光素子では、正孔は正孔輸送層から直接発光ドーパントにトラップされる。一方、電子はホストを経由して、正孔がトラップされている発光ドーパントに到達する。従って、一般的な青色有機発光素子では、正孔は発光ドーパントにトラップされ蓄積される。しかし、このように発光ドーパントに正孔が蓄積されると、発光ドーパント材料の酸化劣化を招きやすく、有機発光素子の耐久特性が悪くなりやすい。
そこで発光ドーパントの酸化劣化を防ぐ方法として、図5に示される、従来から赤色有機発光素子において用いられていた電子トラップ型の発光層を青色有機発光素子に適用することが考えられる。電子トラップ型の発光層を青色有機発光素子に適用することにより、発光ドーパントの酸化劣化が抑えられるため、比較的耐久特性がよくなる。
特開2005−100977号公報
しかしながら、以上のように従来から電子トラップ型の発光層を持つ有機発光素子において、正孔漏れを防ぐ方法は知られていたものの、耐久特性と発光効率とを共に高めるために適した正孔輸送材料及び電子輸送材料の構成については知られていなかった。
一般的に、電子トラップ型の発光層を持つ有機発光素子では、正孔がホストを経由して、電子輸送層との界面付近に移動するので、発光層中の電子輸送層近傍という局所的な場所に正孔が蓄積される。このように正孔が局所的に蓄積されると、ホストの酸化劣化を招きやすく、素子自体の耐久劣化が大きくなる。即ち、通電発光時間が増えるにつれて素子の電流効率の劣化が大きくなる、という問題がある。これに対して、図5において、バンド障壁104を小さくすると、ホストの酸化劣化に伴う素子の耐久劣化は起こりにくいが、正孔漏れが起こりやすくなり発光効率が低下するという問題があった。
以上の課題を解決するために、本発明の目的は、耐久特性と発光効率とをバランスよく向上させた有機発光素子を提供することである。特に、青色有機発光素子において、素子の耐久特性の向上と素子の発光効率の向上とを両立させることを課題とするものである。尚、ここでいう耐久特性とは、通電発光による電流効率の低下に基づく耐久劣化特性である。
本発明の有機発光素子は、陽極と陰極と、該陽極と該陰極との間に挟持され少なくとも正孔輸送層と、ホストと発光ドーパントとからなる発光層と、電子輸送層とがこの順に含まれる積層体と、から構成され、下記式(a)、(b)及び(c)の関係を満たすことを特徴とする。
(a)LUMOh<LUMOd<HOMOh<HOMOd
(b)HOMOHT+0.28eV<HOMOh<HOMOHT+0.43eV
(c)HOMOET<HOMOh+0.30eV
(式(a)において、LUMOhは、ホストのLUMO準位を表し、LUMOdは、発光ドーパントのLUMO準位を表し、HOMOhは、ホストのHOMO準位を表し、HOMOdは、発光ドーパントのHOMO準位を表す。式(b)において、HOMOHTは、正孔輸送層のHOMO準位を表す。式(c)において、HOMOETは、電子輸送層のHOMO準位を表す。)
本発明によれば、電子トラップ型の発光層を有する有機発光素子、特に、青色の発光層を有する有機発光素子において、耐久特性と発光効率との向上を両立させた有機発光素子を提供することができる。
本発明の有機発光素子は、陽極と陰極と、該陽極と該陰極との間に挟持され少なくとも正孔輸送層と、ホストと発光ドーパントとからなる発光層と、電子輸送層とがこの順に含まれる積層体と、から構成される。好ましくは、電子輸送層と陰極との間に、さらに電子注入層を設ける。
以下、図面を参照しながら、本発明の有機発光素子について説明する。
図1は、本発明の有機発光素子における実施形態の一例を示す断面図である。図1の有機発光素子10は、基板(図示せず)上に、反射メタル1a、第一の透明電極1b、正孔輸送層2、発光層3、電子輸送層4、電子注入層5及び第二の透明電極6がこの順に設けられている。尚、図1の有機発光素子10において、反射メタル1a及び第一の透明電極1bは陽極1として機能し、第二の透明電極6は陰極として機能する。
ただし、本発明の有機発光素子の実施形態は、図1の有機発光素子10に限定されるものではない。例えば、介在層として、第一の透明電極1bと正孔輸送層2との間に正孔注入層を設けてもよく、電子輸送層4が複数の層からなる積層体になっていてもよく、電子注入層5と第二の透明電極6との間に半透明反射メタルを設けてもよい。また、正孔輸送層2や電子輸送層4が複数の層で構成されていてもよい。
また図1の有機発光素子10は、反射電極が陽極であってトップエミッション型である有機発光素子であるが、本発明はこれに限定されない。例えば、素子の光取り出し方向がボトムエミッション型であってもよいし、反射電極が陰極であってもよい。
上記のように、本発明の有機発光素子は、正孔輸送層と、発光層と、電子輸送層とがこの順に含まれる積層体を有している。ここで各層間においては、下記式(a)、(b)及び(c)の関係を満たすことを特徴とする。
(a)LUMOh<LUMOd<HOMOh<HOMOd
(b)HOMOHT+0.28eV<HOMOh<HOMOHT+0.43eV
(c)HOMOET<HOMOh+0.30eV
式(a)において、LUMOhは、ホストのLUMO準位を表し、LUMOdは、発光ドーパントのLUMO準位を表し、HOMOhは、ホストのHOMO準位を表し、HOMOdは、発光ドーパントのHOMO準位を表す。
式(b)において、HOMOHTは、正孔輸送層のHOMO準位を表す。
式(c)において、HOMOETは、電子輸送層のHOMO準位を表す。
ここで、上記式(a)、(b)及び(c)の意義について、図面を参照しながら以下に説明する。
図2は、図1の有機発光素子におけるバンドダイアグラムを示す図である。図2において、31は、ホストのエネルギーレベルを表し、32は、発光ドーパントのエネルギーレベルを表し、33は、発光領域を表し、34は、ホストから電子輸送層への正孔注入障壁を表し、35は、正孔輸送層からホストへの正孔注入障壁を表す。尚、図2においては、正孔輸送層2、発光層3及び電子輸送層4のエネルギーレベルを示しているが、他の層のエネルギーレベルは省略している。
図2で示されるように、発光層3は、ホストと発光ドーパントとからなり、いわゆる電子トラップ型の発光層である。本発明の有機発光素子において、電子トラップ型の発光層(発光層3)は、式(a)の関係を満たすものである。ここで、式(a)は、ホストと発光ドーパントとの間のエネルギーレベルの関係を示すものである。
ここで、LUMOh<LUMOdより、陰極から注入された電子はよりエネルギーレベルの低い発光ドーパント側、特に、電子輸送層4との界面近傍に存在する発光ドーパントへ順次トラップされる。より電子トラップ性が強くなる理由で、好ましくは、下記式(a’)の関係が成り立つ。
(a’)0.3eV+LUMOh<LUMOd
また、HOMOh<HOMOdより、正孔はよりエネルギーレベルの低いホストを経由して、電子がトラップされた発光ドーパントに到達する。従って、発光領域33は、発光層3中の電子輸送層4との界面近傍に存在する。
尚、式(a)において、LUMOd<HOMOhであることに関しては、必ずしも電子トラップ型の発光層の特徴を表すものではないが、ホストと発光ドーパントとから構成される発光層においては一般的に成り立つ関係である。
また、本発明の有機発光素子は、発光層3と正孔輸送層2との間において、式(b)の関係を満たすものである。ここで、式(b)は、ホストと正孔輸送層との間のエネルギーレベルの関係を示すものである。
ところで式(b)は、正孔輸送層2からホストへの正孔注入障壁(HOMOh−HOMOHT)35が0.28eVより大きく0.43eVより小さいことを示している。ここで正孔注入障壁35が0.28eV以下の場合は、発光層3への正孔の注入量が増加するため、電子輸送層4への正孔漏れが増加するため発光効率が下がる。一方、正孔注入障壁35が0.43eV以上の場合は、発光層3への正孔の注入量が減少するため、極端に発光効率が低下する。
従って、正孔輸送層2の構成材料である正孔輸送材料として、基本的には式(b)の関係を満たす化合物が使用される。ただし、正孔輸送層2が複数の層で構成されている積層体である場合は、発光層3と直接接する層は式(b)の関係を満たす正孔輸送材料で構成されていなければならないが、他の層においては式(b)の関係を満たさない正孔輸送材料で構成されていてもよい。正孔輸送層2が複数の層で構成されている積層体である場合、式(b)の関係を満たす正孔輸送材料で構成される層は発光層3への正孔の注入を調整する役割を果たし、式(b)の関係を満たさない材料で構成される層は陽極からの正孔注入を高める役割を果たす。尚、式(b)の関係を満たす正孔輸送材料及び式(b)の関係を満たさない正孔輸送材料の具体例は後述する。
さらに、本発明の有機発光素子は、発光層3と電子輸送層4との間において、式(c)の関係を満たすものである。ここで、式(c)は、ホストと電子輸送層との間のエネルギーレベルの関係を示すものである。
ところで式(c)は、ホストから電子輸送層への正孔注入障壁(HOMOET−HOMOh)34が0.30eVより小さいことを示している。ここで正孔注入障壁34が0.30eV以上の場合は、電子輸送層4が正孔漏れを防ぐ役割を果たすため、発光効率は高くなる。しかし、発光層3中の電子輸送層4との界面近傍に正孔が局所的に蓄積されるため、ホストの酸化劣化が起こりやすくなり、素子の耐久特性が低下する。
このため本発明の有機発光素子では、正孔注入障壁34を小さくし、正孔の局所的な蓄積を防ぐ構成とすることで耐久特性を高めている。一方、電子輸送層4への正孔漏れに関しては、式(b)の関係を満たす限り、正孔注入の量を調整できるので発光効率の問題も解消されている。
従って、電子輸送層4の構成材料である電子輸送材料は、基本的には式(c)の関係を満たすものが使用される。ただし、電子輸送層4が複数の層で構成されている積層体である場合は、発光層3と直接接する層は式(c)の関係を満たす電子輸送材料で構成されていなければならないが、他の層においては式(c)の関係を満たさない電子輸送材料で構成されていてもよい。尚、式(c)の関係を満たす電子輸送材料及び式(c)の関係を満たさない電子輸送材料の具体例は後述する。
また本発明の有機発光素子は、主に青色発光を示す有機発光素子に関するものである。具体的には発光ドーパント材料としてPL(Photo Luminescence)スペクトルピーク波長が460nm以上490nm以下の範囲にある材料に関して効果が高い。
一方、赤色や緑色発光を示す有機発光素子は、青色有機発光素子と比べて発光ドーパントのバンドギャップが狭いため、正孔輸送層や電子輸送層の構成材料の選択範囲が広い。また赤色や緑色発光を示す有機発光素子は、青色有機発光素子に比べて耐久特性があまり問題とならないため、本発明の効果は青色発光素子に比べて小さい。
次に、本発明の有機発光素子を構成する各層の構成部材について説明する。
反射メタル1aの構成部材として、一般的な金属が挙げられる。具体的には、Cr,Al,Ag等の金属単体、この金属単体を複数組み合わせた合金等が挙げられるが、好ましくは、反射率の高い金属である。
本発明の有機発光素子においては、反射メタル1a上に、第一の透明電極1bとして電荷を注入するための透明電極を積層してもよい。この場合、反射メタル1aと第一の透明電極1bとからなる積層体は陽極1を形成する。
第一の透明電極1bの構成部材として、透過率が50%以上の透明導電材料、具体的には、ITO、IZO等の透明導電材料が使用されるが、透過率が高いほど好ましい。また第一の透明電極1bは反射メタル1a上に形成されるため、反射メタル1aを酸化しない材料が選ばれる。
正孔輸送層2の構成部材である正孔輸送材料は、少なくとも発光層3中のホストに対して式(b)の関係を満たす正孔輸送材料が使用される。
式(b)を満たす正孔輸送材料として、好ましくは、下記一般式[1]で表される4−アミノフルオレン化合物である。
Figure 2009147276
式[1]において、Ar1は、置換あるいは無置換の2−フルオレニル基又は置換あるいは無置換の4−フルオレニル基を表す。好ましくは、置換あるいは無置換の4−フルオレニル基である。
上記2−フルオレニル基及び4−フルオレニル基が有してもよい置換基として、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基等のアルキル基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ビフェニル基、ターシャリーブチルフェニル基、9,9−ジメチルフルオレニル基等のアリール基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基等の複素環基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジアニソリルアミノ基等の置換アミノ基、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基等のアルコキシル基、フェノキシル基等のアリールオキシル基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、シアノ基等が挙げられる。
式[1]において、Ar2は、置換あるいは無置換のアリール基又は置換あるいは無置換の複素環基を表す。好ましくは、置換あるいは無置換のフルオレニル基である。
Ar2で表されるアリール基として、フェニル基、ナフチル基、ペンタレニル基、インデニル基、アズレニル基、アントリル基、ピレニル基、インダセニル基、アセナフテニル基、フェナントリル基、フェナレニル基、フルオランテニル基、アセフェナントリル基、アセアントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ペリレニル基、ペンタセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基等が挙げられる。好ましくは、フルオレニル基である。
Ar2で表される複素環基として、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ターチエニル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナントロリル基等が挙げられる。
上記アリール基及び複素環基が有してもよい置換基として、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基等のアルキル基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ビフェニル基、9,9−ジメチルフルオレニル基等のアリール基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基等の複素環基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジアニソリルアミノ基等の置換アミノ基、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基等のアルコキシル基、フェノキシル基等のアリールオキシル基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、シアノ基等が挙げられる。
式[1]において、R1〜R9は、それぞれ水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、アルコキシ基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。
1〜R9で表されるアルキル基として、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基、セカンダリーブチル基、オクチル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基等が挙げられる。
1〜R9で表されるアラルキル基として、ベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
1〜R9で表されるアリール基として、フェニル基、ナフチル基、ペンタレニル基、インデニル基、アズレニル基、アントリル基、ピレニル基、インダセニル基、アセナフテニル基、フェナントリル基、フェナレニル基、フルオランテニル基、アセフェナントリル基、アセアントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、ペリレニル基、ペンタセニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フルオレニル基等が挙げられる。
1〜R9で表される複素環基として、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ターチエニル基、カルバゾリル基、アクリジニル基、フェナントロリル基等が挙げられる。
1〜R9で表されるアルコキシ基として、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
1〜R9で表されるハロゲン原子として、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
上記アルキル基、アラルキル基、アリール基及び複素環基が有してもよい置換基として、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、ターシャリーブチル基等のアルキル基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ビフェニル基等のアリール基、チエニル基、ピロリル基、ピリジル基等の複素環基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジアニソリルアミノ基等の置換アミノ基、メトキシル基、エトキシル基、プロポキシル基等のアルコキシル基、フェノキシル基等のアリールオキシル基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、シアノ基等が挙げられる。
1〜R9は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
またR1〜R9のうち隣り合う置換基は、互いに結合し、ベンゼン環、ナフタレン環、シクロヘキサン環等の環を形成してもよい。
式[1]で表される4−アミノフルオレン化合物の具体例を以下に示す。しかし、本発明はこれらに限られるものではない。
Figure 2009147276
Figure 2009147276
Figure 2009147276
Figure 2009147276
式[1]で表される4−アミノフルオレン化合物のように、フルオレニル基を有するモノアミン型の正孔輸送材料は、一般的に、発光層3内のホストに対して式(b)の関係を満たす場合が多い。
一方、従来の有機発光素子に用いられることの多いジアミン型の正孔輸送材料は移動度が高いが、HOMO準位が深くなりやすいため、式(b)の関係を満たすことが困難であり、本発明の有機発光素子においては好ましくない。
他方、上述したように、正孔輸送層2が複数の層で構成されている場合は、式(b)の関係を満たさない材料であっても使用できる場合がある。このような材料として具体的には、TPD(N,N’−テトラフェニルベンジジン)、αNPD(N,N’−α−ジナフチルベンジジン)のように一般的に知られたジアミン型の正孔輸送材料等が挙げられる。
発光層3に含まれるホストとして、正孔輸送能力のある材料が使用される。ただし正孔輸送材料として使用される芳香族アミンではなく、好ましくは、フルオレニル基やピレニル基を有する炭化水素化合物を使用する。フルオレニル基やピレニル基を有する炭化水素化合物を使用する方が、発光色が変化しないためである。
発光層3に含まれる発光ドーパントは、ホストとの関係で式(a)の関係を満たし、かつ青色の発光ドーパントであれば特に限定されない。(a)の関係を満たしやすいという理由で、好ましくは、フルオランテニル基を有する炭化水素化合物を使用する。
電子輸送層4の構成材料である電子輸送材料は、少なくとも発光層3中のホストに対して式(c)の関係を満たす電子輸送材料が使用される。式(c)の関係を満たす電子輸送材料として、従来から知られている材料を挙げることができるが、具体的には、後述する実施例1で使用されるフェナントロリン化合物等が挙げられる。
一方、上述したように、電子輸送層4が複数の層で構成されている場合は、式(c)の関係を満たさない材料であっても使用できる場合がある。このような材料として、具体的には、バソフェナントロリン(Bphen)、バソキュプロイン(BCP)等が挙げられる。
電子注入層5の構成材料は特に限定されるものではないが、好ましくは、Cs元素を含有する化合物である。具体的には、炭酸セシウム等が挙げられる。
本発明の有機発光素子は、電子注入が十分な状況のもとで、適量の正孔が注入されることで発光効率と耐久特性を両立している。ここでCs元素を含有する化合物を電子注入層5の構成材料として使用すると、陰極からの電子の注入量が多くなり、発光層3においてトラップされる電子の量が十分となる。このため、トラップされた電子へ適量の正孔が移動し再結合するという発光メカニズムが円滑に行われるので好ましい。
第二の透明電極6の構成部材として、ITO、IZO等の透明導電材料が使用される。
本発明の有機発光素子は、真空蒸着法、塗布法、転写法等の公知の方法によって製造することができる。
以下、本発明の実施例について説明する。尚、実施例に用いた材料や素子構成は、本発明において特に好ましい例であるが、これに限定されるものではない。
<エネルギーレベル(HOMO,LUMO)の評価>
後述する実施例、比較例において使用される材料のうち主要なものについては、そのエネルギーレベル(HOMO,LUMO)を評価した。
具体的には、HOMOは、エネルギーレベルの絶対値で定義し、大気中光電子分光法(AC−2)を用いて測定したHOMO(最高被占軌道)の値をいうものである。また、LUMOは、HOMOと同様にエネルギーレベルの絶対値で定義し、上記の方法で測定したHOMOの値から吸収スペクトルの吸収端から求めたエネルギーギャップを引いて算出した値をいうものである。
<実施例1>
素子構成が図1に示されるものであり、トップエミッション型構造である有機発光素子を作製した。
ガラス基板上にスパッタ法によりAgを成膜し反射メタル1aを形成した。このとき反射メタル1aの膜厚を200nmとした。次に、反射メタル1a上にスパッタ法によりインジウム亜鉛酸化物(IZO)を成膜し第一の透明電極(陽極)1bを形成した。このとき第一の反射電極1bの膜厚を20nmとした。次に、第一の反射電極1bまで積層されているガラス基板(以下、陽極付基板)を、オゾン水にて洗浄し、続いて純水にて洗浄を行った。
次に、真空蒸着装置(アルバック社製)に上記の陽極付基板と素子の構成材料とを取り付け、1×10-6Torrまで排気した後、上記の陽極付基板にUV/オゾン洗浄を施した。
次に、陽極付基板を100℃に加熱し、第一の透明電極(陽極)1b上に、真空蒸着により、下記式[2]に示される正孔輸送材料(HOMO=5.31eV、LUMO=2.06eV)を成膜し、正孔輸送層2を形成した。このとき正孔輸送層2の膜厚を20nmとした。
Figure 2009147276
次に、陽極付基板を80℃に冷却した後、発光ドーパントである下記式[3]に示される青色発光ドーパント材料とホストである下記式[4]で示される化合物とを共蒸着し発光層3を形成した。尚、式[3]の発光ドーパントのHOMO及びLUMOは、それぞれ5.85eV、3.06eVであり、式[4]の化合物のHOMO及びLUMOは、それぞれ5.70eV、2.71eVである。また共蒸着を行うにあたり式[3]の発光ドーパントの含有量を層全体の5体積%になるようにした。これによって形成された発光層3の膜厚は35nmであった。
Figure 2009147276
次に、発光層3上に、真空蒸着により、下記式[5]で示されるフェナントロリン化合物(HOMO=5.73、LUMO=2.65)を成膜し、電子輸送層4を形成した。このとき電子輸送層4の膜厚を5nmとした。
Figure 2009147276
次に、電子輸送層4上に、式[5]のフェナントロリン化合物と炭酸セシウムとを共蒸着して電子注入層5を形成した。このときセシウムの濃度を電子注入層5の構成材料の全体に対して23重量%となるように蒸着レートを調整し、膜厚を40nmとした。
次に、電子注入層5まで成膜したガラス基板を、別のスパッタ装置(アルバック社製)へ移動させた後、電子注入層5上にインジウム錫酸化物(ITO)をスパッタ法にて成膜し第二の透明電極(陰極)6を形成した。このとき第二の透明電極6の膜厚を30nmとした。
次に、第二の透明電極6まで成膜したガラス基板をグローブボックスに移した後、グローブボックス内を窒素雰囲気下にして、乾燥剤を入れたガラスキャップにより封止を行った。以上のようにして有機発光素子を得た。尚、図3は、本実施例で作製した有機発光素子を構成する主要な層のバンドダイアグラムを示す図である。
得られた有機発光素子について発光特性を調べた。その結果、発光効率と色度座標(x,y)はそれぞれ、2.92cd/A、(0.144,0.110)であり、黒点、リークの発生がなく発光効率のよい素子であった。また、100mA/cm2で定電流耐久試験を行ったところ、100時間までの劣化率は17%であり、良好な耐久特性を示した。
一方、本実施例において、発光層3に相当する薄膜のPLスペクトルについて以下の方法で調べた。具体的には、真空蒸着により、発光層3を形成する材料からなる単層膜を石英ガラス上に形成し、紫外光を照射することによってPLスペクトルを調べた。本実施例において、発光層3に相当する薄膜のPLスペクトルのピ−ク波長は474.5nmであった。
<実施例2>
実施例1において、式[2]の正孔輸送材料の代わりに下記式[6]に示される正孔輸送材料(HOMO=5.31eV、LUMO=2.31eV)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。
Figure 2009147276
得られた有機発光素子について、実施例1と同様に発光特性を調べたところ、発光効率と色度座標(x,y)はそれぞれ、2.99cd/A、(0.144,0.109)であり、黒点、リークの発生がなく発光効率のよい素子であった。また、100mA/cm2で定電流耐久試験を行ったところ、100時間までの劣化率は23%であり、良好な耐久特性を示した。
<実施例3>
実施例1において、以下に示す方法により二つの層からなる正孔輸送層2を形成した。即ち、真空蒸着により、透明電極1上に下記式[7]に示される正孔輸送材料(HOMO=5.26eV、LUMO=2.29eV)を成膜し、第一の正孔輸送層を形成した。このとき第一の正孔輸送層の膜厚を10nmとした。次に、真空蒸着により、第一の正孔輸送層上に式[2]の正孔輸送材料を成膜し、第二の正孔輸送層を形成した。このとき第二の正孔輸送層の膜厚を10nmとした。
Figure 2009147276
これらを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。
得られた有機発光素子について、実施例1と同様に発光特性を調べたところ、発光効率と色度座標(x,y)はそれぞれ、3.17cd/A、(0.146,0.111)であり、黒点、リークの発生がなく効率のよい素子であった。また、100mA/cm2で定電流耐久試験を行ったところ、100時間までの劣化率は19%であり、良好な耐久特性を示した。
<実施例4>
実施例1において、式[2]の正孔輸送材料の代わりに下記式[8]で示される正孔輸送材料(HOMO=5.47eV、LUMO=2.22eV)を使用した。また式[4]のホストの代わりに下記式[9]で示されるホスト(HOMO=5.81eV、LUMO=2.63eV)を使用した。これらを除いては、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。
Figure 2009147276
得られた有機発光素子について、実施例1と同様に発光特性を調べたところ、発光効率と色度座標(x,y)はそれぞれ、2.95cd/A、(0.146,0.122)であり、黒点、リークの発生がなく発光効率のよい素子であった。また、100mA/cm2で定電流耐久試験を行ったところ、100時間までの劣化率は22%であり、良好な耐久特性を示した。
<比較例1>
実施例1において、式[2]の正孔輸送材料の代わりに下記式[10]で示される正孔輸送材料(HOMO=5.48eV、LUMO=2.21eV)を使用した以外は、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。
Figure 2009147276
得られた有機発光素子について、実施例1と同様に発光特性を調べたところ、発光効率と色度座標(x,y)はそれぞれ、1.57cd/A、(0.146,0.121)であり、黒点、リークの発生がなかったが、発光効率の低い素子であった。発光効率が低い理由として、式[10]の正孔輸送材料のHOMOが5.47eVと深いため、正孔が過剰に発光層3へ注入されることにより、電子輸送層4への正孔漏れが多くなったからであると考えられる。一方、100mA/cm2で定電流耐久試験を行ったところ、100時間までの劣化率は17%であり、良好な耐久特性を示した。
<比較例2>
比較例1において、式[5]のフェナントロリン化合物の代わりに、電子輸送材料として一般にHOMOが深いことが知られているバソフェナントロリン(Bphen)を使用し、膜厚20nmの電子輸送層4を形成した。これ以外は、比較例1と同様の方法で有機発光素子を作製した。尚、BphenのHOMOは6.0eVより大きく、AC−2では測定不可であるが、UPS測定により6.39eVであることが示されている。一方、BphenのLUMOは3.09eVである。これ以外は比較例1と同様に有機発光素子を作製した。
得られた有機発光素子について、実施例1と同様に発光特性を調べたところ、発光効率と色度座標(x,y)はそれぞれ、3.20cd/A、(0.145,0.119)であり、黒点、リークの発生がなく発光効率のよい素子であった。しかし、100mA/cm2で定電流耐久試験を行ったところ、100時間までの劣化率は34%であり、低い耐久特性を示した。
発光効率が比較的良かったのは、電子輸送材料であるバソフェナントロリンのHOMOが深いため、正孔が過剰に注入された場合でも、正孔漏れが防がれたからであると考えられる。一方、耐久特性が低くなったのは、発光層3と電子輸送層4との界面に局所的に正孔が蓄積することによって、ホストの酸化劣化が大きくなったためであると考えられる。
<比較例3>
実施例1において、式[2]の正孔輸送材料の代わりに、式[8]の正孔輸送材料を使用した以外は、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。
得られた有機発光素子について、実施例1と同様に発光特性を調べたところ、発光効率と色度座標(x,y)はそれぞれ、2.00cd/A、(0.146,0.121)であり、黒点、リークの発生がなかったが、発光効率の低い素子であった。発光効率が低い理由として、式[8]で示される正孔輸送材料のHOMOが5.47eVと深いため、正孔が過剰に発光層3へ注入されることにより、電子輸送層4への正孔漏れが多くなったからであると考えられる。一方、100mA/cm2で定電流耐久試験を行ったところ、100時間までの劣化率は18%であり、良好な耐久特性を示した。
<比較例4>
実施例1において、式[2]の正孔輸送材料の代わりに、式[7]の正孔輸送材料を使用した以外は、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。
得られた有機発光素子について、実施例1と同様に発光特性を調べたところ、発光効率と色度座標(x,y)はそれぞれ、2.48cd/A、(0.146,0.119)であり、黒点、リークの発生がなかったが、発光効率の比較的低い素子であった。発光効率が低い理由として、式[7]の正孔輸送材料のHOMOが5.26eVと浅いため、正孔が発光層3へ注入されにくくなることにより、発光効率が低下するからであると考えられる。また、100mA/cm2で定電流耐久試験を行ったところ、100時間までの劣化率は30%であり、比較的悪い耐久特性を示した。
<比較例5>
実施例1において、式[4]のホストの代わりに、式[9]のホストを使用した以外は、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。
得られた有機発光素子について、実施例1と同様に発光特性を調べたところ、発光効率と色度座標(x,y)はそれぞれ、1.75cd/A、(0.146,0.108)であり、黒点、リークの発生がなかったが、発光効率の比較的低い素子であった。発光効率が低い理由として、式[9]のホストのHOMOが5.81eVと深いため、発光層3へ正孔が注入されにくく、発光効率が低下するからであると考えられる。また、100mA/cm2で定電流耐久試験を行ったところ、100時間までの劣化率は22%であり、比較的悪い耐久特性を示した。
<比較例6>
実施例1において、式[5]のフェナントロリン化合物の代わりに、バソフェナントロリン(Bphen)を使用し、膜厚20nmの電子輸送層4を形成した以外は、実施例1と同様の方法により有機発光素子を作製した。
得られた有機発光素子について、実施例1と同様に発光特性を調べたところ、発光効率と色度座標(x,y)はそれぞれ、3.04cd/A、(0.143,0.117)であり、黒点、リークの発生がない、発光効率のよい素子であった。しかし、100mA/cm2で定電流耐久試験を行ったところ、100時間までの劣化率は31%であり、低い耐久特性を示した。発光効率が比較的良かったは、電子輸送材料であるバソフェナントロリンのHOMOが深いため、正孔漏れが防げたからであると考えられる。一方、耐久特性が低くなったのは、発光層3と電子輸送層4との界面に局所的に正孔が蓄積し、発光層3に含まれるホストの酸化劣化が大きくなったからであると考えられる。
<評価>
下記の表1に各実施例及び各比較例における有機発光素子の正孔輸送材料とホストとのHOMOエネルギー差(正孔輸送層からホストへの正孔注入障壁)、及びホストと電子輸送材料とのHOMOエネルギー差(ホストから電子輸送層への正孔注入障壁)を示す。また、各実施例及び各比較例における素子の発光特性(発光効率及び耐久劣化率)についても下記の表1に示す。
Figure 2009147276
また、図4に、各実施例及び各比較例におけるホストの正孔注入障壁と発光効率の関係を示す。
表1及び図4より、正孔輸送層からホストへの正孔注入障壁が0.28より大きく0.43eVより小さい範囲であれば発光効率が高いことが示された。一方、ホストから電子輸送層への正孔注入障壁が0.3eV未満であれば耐久特性が高くなることが示された。
本発明の有機発光素子における実施形態の一例を示す断面図である。 図1の有機発光素子におけるバンドダイアグラムを示す図である。 実施例1で作製した有機発光素子を構成する主要な層のバンドダイアグラムを示す図である。 各実施例及び各比較例におけるホストの正孔注入障壁と発光効率の関係を示す図である。 従来から知られている有機発光素子のバンドダイアグラムの一例を示す図である。 従来から知られている有機発光素子のバンドダイアグラムの他の例を示す図である。
符号の説明
1 陽極
1a 反射メタル
1b 第一の透明電極
2 正孔輸送層
3 発光層
4 電子輸送層
5 電子注入層
6 第二の透明電極(陰極)
31,101,111 ホストのエネルギーレベル
32,102,112 発光ドーパントのエネルギーレベル
33,103,113 発光領域
34,104 ホストから電子輸送層への正孔注入障壁
35 正孔輸送層からホストへの正孔注入障壁

Claims (6)

  1. 陽極と陰極と、
    該陽極と該陰極との間に挟持され少なくとも正孔輸送層と、ホストと発光ドーパントとからなる発光層と、電子輸送層とがこの順に含まれる積層体と、から構成され、
    下記式(a)、(b)及び(c)の関係を満たすことを特徴とする、有機発光素子。
    (a)LUMOh<LUMOd<HOMOh<HOMOd
    (b)HOMOHT+0.28eV<HOMOh<HOMOHT+0.43eV
    (c)HOMOET<HOMOh+0.30eV
    (式(a)において、LUMOhは、ホストのLUMO準位を表し、LUMOdは、発光ドーパントのLUMO準位を表し、HOMOhは、ホストのHOMO準位を表し、HOMOdは、発光ドーパントのHOMO準位を表す。式(b)において、HOMOHTは、正孔輸送層のHOMO準位を表す。式(c)において、HOMOETは、電子輸送層のHOMO準位を表す。)
  2. 前記発光層のPLスペクトルのピーク波長が460nm以上490nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載の有機発光素子。
  3. 前記正孔輸送層に下記一般式[1]で表される4−アミノフルオレン化合物が含まれることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機発光素子。
    Figure 2009147276
    (式[1]において、Ar1は、置換あるいは無置換の2−フルオレニル基又は置換あるいは無置換の4−フルオレニル基を表す。Ar2は、置換あるいは無置換のアリール基又は置換あるいは無置換の複素環基を表す。R1〜R9は、それぞれ水素原子、置換あるいは無置換のアルキル基、置換あるいは無置換のアラルキル基、置換あるいは無置換のアリール基、置換あるいは無置換の複素環基、アルコキシ基、シアノ基又はハロゲン原子を表し、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。またR1〜R9のうち隣り合う置換基が結合し環を形成してもよい。)
  4. 前記Ar1が置換あるいは無置換の4−フルオレニル基であり、前記Ar2が置換あるいは無置換のフルオレニル基であることを特徴とする、請求項3に記載の有機発光素子。
  5. 前記正孔輸送層が、少なくとも前記4−アミノフルオレン化合物で構成される層と、前記4−アミノフルオレン化合物以外の材料で構成される層とからなる積層体であることを特徴とする、請求項3又は4に記載の有機発光素子。
  6. 前記電子輸送層と前記陰極との間にさらに電子注入層を設け、該電子注入層がCs元素を含む化合物を含むことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の有機発光素子。
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