JP5472522B1 - ゴルフクラブヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】打点と最大たわみ点とを近接させることで打球の飛距離を向上させる。
【解決手段】ゴルフクラブヘッド10の基準状態で、水平面Pから垂直に(式1)により定められるZmm上方に離れたフェース面12Aの箇所を基準点Prとする。基準点Prを通るフェース面12Aの法線がフェース裏面12Bと交差する交点を通りフェース面12Aと平行な仮想面を第1の仮想面PXとする。フェース部12とソール部14とが交差する箇所を通る第1の仮想面PXの部分を第1の仮想面部分PX1とする。フェース裏面12Bに、フェース裏面12Bのソール部14寄りの箇所から第1の仮想面部分PX1にわたりフェース部側薄肉部32が設けられている。ソール裏面14Bに、ソール裏面14Bのフェース部12寄りの箇所から第1の仮想面部分PX1にわたりソール部側薄肉部34が設けられている。
【選択図】図5

Description

本発明はゴルフクラブヘッドに関する。
ゴルフクラブヘッドでボールを打球した際のボールの初速を向上させ、飛距離を改善するためには、フェース部のたわみ量を確保することが有効である。
特許文献1、2には、フェース部の周囲にフェース部を囲むような溝部を形成することにより薄肉部を形成し、この薄肉部によりフェース部のたわみ量を確保することが開示されている。
特許第4958625号 特許第2792642号
しかしながら、飛距離を向上させるためには、たわみ量を確保するだけでは充分ではなく、最大たわみ点を打点に近接させることがより効果的である。
なお、最大たわみ点とは、フェース面Fの1次振動における最大たわみ点をいう。
図25(A)は、一般的なゴルファーがロフト角26°のアイアンクラブを用いてボールを打撃した場合の平均打点位置Pa、フェース面上重心点FG、最大たわみ点Qを示したフェース面Fの模式図、(B)は(A)のB矢視図である。フェース面上重心点とはゴルフクラブヘッドの重心点を通るフェース面の法線がフェース面を交差する点をいう。
なお、平均打点位置Paとは、一般ゴルファー100名がボールを地面(フェアウェイ)に置いた状態から試打したときの打点位置の平均値である。ボールとゴルフクラブヘッドの接触点ではなく、最もフェース面Fに応力が発生した時点での打点位置である。一般的には、略円形のボールの打球跡がフェース面Fに付いたときの中心点と考えて良い。
図から明らかなように、平均打点位置Pa(地面からの垂直高さh1)がフェース面のうち最も下部に位置しており、その上方にフェース面上重心点FG(地面からの垂直高さh2)が位置し、さらのその上方に最大たわみ点Q(地面からの垂直高さh3)が位置している。すなわち、h1<h2<h3である。
したがって、飛距離の向上を図るためには、最大たわみ点Qを打点に近づける、言い換えると、最大たわみ点Qをより下方に配置することが重要である。
しかしながら、上記従来技術では、単にフェース部全体のたわみ量を確保することに留まるものであり、打点と最大たわみ点との位置関係については考慮されておらず、打球の飛距離を向上させる上で改善の余地がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、打点と最大たわみ点とを近接させることにより、打球の飛距離を向上する上で有利なゴルフクラブヘッドを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の下部から後方に延在するソール部とを備えるゴルフクラブヘッドであって、前記ゴルフクラブヘッドを、水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態で、前記水平面から垂直に下記の(式1)で示されるZmm上方に離れたフェース面の箇所を基準点とし、前記基準点を通る前記フェース面の法線が前記フェース部のうち前記フェース面と反対側に位置するフェース裏面と交差する交点を通り前記フェース面と平行な仮想面を第1の仮想面とし、前記フェース部と前記ソール部とが交差する箇所を通る前記第1の仮想面の部分を第1の仮想面部分としたとき、前記フェース裏面に、前記フェース裏面の前記ソール部寄りの箇所から前記第1の仮想面部分にわたり第1の溝部が形成されることによりフェース部側薄肉部が設けられ、前記ソール部のソール面と反対側に位置するソール裏面に、前記ソール裏面の前記フェース部寄りの箇所から前記第1の仮想面部分にわたり第2の溝部が形成されることによりソール部側薄肉部が設けられ、前記基準点における前記フェース部の肉厚をAとしたとき、前記フェース部側薄肉部の最小肉厚Bは前記フェース部の肉厚Aの65〜85%であり、前記ソール部側薄肉部の最小肉厚Cは前記フェース部の肉厚Aの40〜60%であることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
Z=−0.0897X+18.288……(式1)
ただし、Xはゴルフクラブヘッドのロフト角
なお、Zmmで規定されるフェース面の基準点は、平均打点位置と略同じ位置である。
本発明によれば、ゴルフクラブヘッドのフェース部の下方寄りの箇所にフェース部側薄肉部およびソール部側薄肉部を設けることにより、フェース部でボールを打撃した際にたわむたわみエリアがフェース部の下部において拡大される。
したがって、フェース面の最大たわみ点がより下方の箇所に配置されることによって最大たわみ点を打点に近づけることができるので、打球の飛距離を向上する上で有利となる。
実施の形態に係るゴルフクラブヘッドをフェース面の前方から見た正面図である。 図1のA矢視図である。 図2のB矢視図である。 図3のCC線断面図である。 ゴルフクラブヘッドにおいてフェース部とソール部とが交差する部分の拡大断面図である。 (A)、(B)はフェース部側薄肉部の一端の規定方法を説明する図である。 (A)、(B)はソール部側薄肉部の一端の規定方法を説明する図である。 (A)〜(D)はフェース部の肉厚Aの規定方法を説明する図である。 (A)は5番アイアンクラブ用のゴルフクラブヘッドにおけるフェース部とソール部とが交差する部分の拡大断面図、(B)は7番アイアンクラブ用のゴルフクラブヘッドにおけるフェース部とソール部とが交差する部分の拡大断面図、(C)はピッチングウェッジクラブ用のゴルフクラブヘッドにおけるフェース部とソール部とが交差する部分の拡大断面図である。 フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第1の説明図である。 フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第2の説明図である。 フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第3の説明図である。 フェース面の中心点Pcの規定方法を示す第4の説明図である。 ゴルフクラブヘッドの重心点G0とフェース面上重心点FGとの関係を示すゴルフクラブヘッドの断面図である。 フェース面の輪郭線Iの定義を説明するゴルフクラブヘッドの正面図である。 フェース面の輪郭線Iの定義を説明するゴルフクラブヘッドの断面図である。 フェース面の中心点Pcの定義を説明するゴルフクラブヘッドの正面図である。 実験例1〜10の評価結果を示す図である。 実験例11〜25の評価結果を示す図である。 実験例26における番手毎の評価結果を示す図である。 実験例27における番手毎の評価結果を示す図である。 実験例28における番手毎の評価結果を示す図である。 実験例29における番手毎の評価結果を示す図である。 実験例30における番手毎の評価結果を示す図である。 (A)は一般的なゴルファーがアイアンクラブを用いてボールを打撃した場合の平均打点位置Pa、フェース面上重心点FG、最大たわみ点Qを示したフェース面Fの模式図、(B)は(A)のB矢視図である。 (A)〜(C)はゴルフクラブヘッドのフェース面上における打点位置を説明する模式図である。 式1を求めるために行った実験結果の説明図である。
(実施の形態)
次に本発明の実施の形態について説明する。
なお、本実施の形態では、ゴルフクラブヘッドがアイアンクラブ用のものである場合について説明するが、本発明は、ユーテリティクラブやウッドクラブなどのゴルフクラブヘッドに広く適用可能である。
図1はゴルフクラブヘッドをフェース面の前方から見た正面図、図2は図1のA矢視図、図3は図2のB矢視図、図4は図3のCC線断面図である。
図1〜図4に示すように、ゴルフクラブヘッド10は、フェース部12と、ソール部14と、ブレード部16と、キャビティ部18と、ホーゼル20とを備えている。
図1に示すように、フェース部12は、上下の高さを有して左右に延在しており、フェース部12の前面がボールを打球するフェース面12Aとなっている。
フェース面12Aには上下に間隔をおいて左右方向に延在する複数のスコアライン22が設けられている。
図2〜図4に示すように、フェース部12の後面(フェース面12Aと反対側の面)には、フェース裏面12Bと、このフェース裏面12Bの周囲に沿って膨出する周縁部24とが設けられている。
ソール部14は、フェース部12の下部から後方に延在している。
本実施の形態では、ソール部14は、フェース部12の下部および周縁部24の下部によって形成され、ソール部14の下面がソール面14A、ソール部14の上面がソール裏面14Bとなっている。
図3に示すように、ブレード部16は、フェース裏面12Bの上部に沿ってトウヒール方向に延在する周縁部24の部分で形成されている。
キャビティ部18は、フェース裏面12Bと周縁部24とで形成され、後方に開放状に形成されている。
ホーゼル20は、周縁部24のうちヒール26側の箇所から起立され、ホーゼル20に不図示のシャフトの一端が挿入して取着されることでのシャフトがゴルフクラブヘッド10に連結される。
また、図1に示すように、フェース面12Aを正面から見てゴルフクラブヘッド10のヒール26と反対側がトウ28である。
なお、ゴルフクラブヘッド10のうちフェース部12を除く部分は、チタン合金、ステンレス鋼、炭素鋼等の金属材料によって一体形成されている。
フェース部12は、チタン合金、ステンレス鋼、炭素鋼、マレージング鋼等の金属材料によって形成されている。
図5はゴルフクラブヘッド10においてフェース部12とソール部14とが交差する部分の拡大断面図である。
ゴルフクラブヘッド10を、水平面Pに対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態で、水平面Pから垂直に下記の(式1)で示されるZmm上方に離れたフェース面12Aの箇所を基準点Prとする。
Z=−0.0897X+18.288……(式1)
ただし、Xはゴルフクラブヘッドのロフト角である。
(式1)により求められたZmmで規定される基準点Prは、平均打点位置Pa(図25参照)に相当するものである。
平均打点位置Paと、(式1)については以下に詳述する。
打点位置、平均打点位置について説明する。
図26(A)〜(C)は、地面4に載置されたボール2をティーアップ無しでゴルフクラブヘッド10で打球したときのボール2の挙動を時系列順に示している。符号4は地面(水平面)を示す。
打球時におけるボール2とゴルクラブヘッド10との接触時間は、4/10000〜5/10000(秒)である。この時間の間にゴルクラブヘッド10のフェース部12とボール2とが接触し(図26(A)、次いでゴルフクラブヘッド10による打撃によりボール2の変形が最大となり(図26(B))、次いでボール2が元の形状に復元し(図26(C))、ボール2がフェース部12から離れて飛翔する。
詳細に説明すると、図26(A)に示すようにゴルフクラブヘッド10とボール2とが接触すると、(図26(B))に示すようにボール2は転がりや滑りを伴い、フェース面12A上を上方に移動しつつボール2の変形が最大となる。
ボール2の変形が最大となることで、ゴルフクラブヘッド10とボール2との双方に対して最も大きな力が作用するため、フェース面12A上にボール2の打痕が付く。この打痕の位置が、本発明における打点位置Piであり、この打点位置Piの平均が平均打点位置Paである。なお、打点位置Pi、平均打点位置Paは地面4(水平面)からの垂直高さで示される。
次に(式1)について説明する。
まず、一般ゴルファーによる打点位置を実測する試験を行った。
すなわち、一般ゴルファー100名が実際のゴルフ場のフェアウェイにティーアップ無しでボールを置いてロフト角およびクラブ長さの異なるアイアンクラブでボールを試打し、打点位置Piの実測データを得ると共に、打点位置Piの実測データから平均打点位置Paを算出した。
試験結果は、以下の通りである。
ロフト角α=15° 平均打点位置Pa=17.0mm
ロフト角α=22° 平均打点位置Pa=16.2mm
ロフト角α=27° 平均打点位置Pa=15.9mm
ロフト角α=35° 平均打点位置Pa=15.2mm
図27において符号◆が上記の実測結果を示している。
上記の実測結果により、ロフト角αと平均打点位置Paとの相関関係に基づいて相関式(回帰式)、すなわち(式1)を求めた。相関式は、実測データを従来公知の最小二乗法などを用いて回帰分析することによって求めた。
図27において太実線が(式1)を示す。
基準点Prを通るフェース面12Aの法線がフェース裏面12Bと交差する交点を通りフェース面12Aと平行な仮想面を第1の仮想面PXとする。
そして、フェース部12とソール部14とが交差する箇所を通る第1の仮想面PXの部分を第1の仮想面部分PX1とする。
フェース裏面12Bに、フェース裏面12Bのソール部14寄りの箇所から第1の仮想面部分PX1にわたり第1の溝部30Aが形成されることによりフェース部側薄肉部32が設けられている。
フェース部側薄肉部32は、フェース部12の高さ方向に沿った幅W1と、フェース部12の左右方向に沿った長さとを有している。
フェース部側薄肉部32の幅W1方向における一方の境界である始点部3202(ソール部14寄りの箇所)は以下の(1)、(2)に示すように規定され、幅W1方向における他方の境界である終点部3204は第1の仮想面部分PX1によって規定される。
(1)図6(A)に示すように、フェース裏面12Bにおいてフェース部側薄肉部32とフェース部側薄肉部32でない部分との間に明瞭な段差が形成されている場合には、段差の箇所をフェース部側薄肉部32の始点部3202として規定する。
(2)図6(B)に示すように、フェース裏面12Bにおいてフェース部側薄肉部32とフェース部側薄肉部32でない部分との間に明瞭な段差が形成されておらず、肉厚が徐変している場合は、肉厚が後述するフェース部12の肉厚Aの90%となる点をフェース部側薄肉部32の始点部3202として規定する。
ソール裏面14Bに、ソール裏面14Bのフェース部12寄りの箇所から第1の仮想面部分PX1にわたり第2の溝部30Bが形成されることによりソール部側薄肉部34が設けられている。
ソール部側薄肉部34は、前後方向における幅W2と、フェース部12の左右方向に沿った長さとを有している。
ソール部側薄肉部34の幅W2方向における一方の境界である始点部3402(ソール裏面14Bのフェース部12寄りの箇所)は以下の(3)、(4)に示すように規定され、幅W2方向における他方の境界である終点部3404は第1の仮想面部分PX1によって規定される。
(3)図7(A)に示すように、ソール裏面14Bにおいてソール部側薄肉部34とソール部側薄肉部34でない部分との間に明瞭な段差が形成されている場合には、段差の箇所をソール部側薄肉部34の始点部3402として規定する。但し、始点部3402における肉厚は、フェース面12Aの肉厚Aの65%以上であることが必要である。
(4)図7(B)に示すように、ソール裏面14Bにおいてソール部側薄肉部34とソール部側薄肉部34でない部分との間に明瞭な段差が形成されておらず、肉厚が徐変している場合は、フェース面12Aの肉厚Aの65%となる点をソール部側薄肉部34の始点部3402として規定する。
また、第1の溝部30Aの底面で第1の仮想面部分PX1寄りの箇所は、フェース部側薄肉部32の肉厚を第1の仮想面部分PX1に近づくにつれて次第に大きくする第1の曲面Sc1で形成されている。
第2の溝部30Bの底面で第1の仮想面部分PX1寄りの箇所は、ソール部側薄肉部34の肉厚を第1の仮想面部分PX1に近づくにつれて次第に大きくする第2の曲面Sc2で形成されている。
第1の仮想面部分PX1において第1の曲面Sc1と第2の曲面Sc2は連続している。
このように第1の仮想面部分PX1において第1の曲面Sc1と第2の曲面Sc2が連続していることにより、打球時の応力がフェース部側薄肉部32とソール部側薄肉部34との境の箇所に集中することを抑制でき、ゴルフクラブヘッド10の耐久性を確保する上で有利となっている。
図5に示すように、フェース面12Aの基準点Prにおけるフェース部12の肉厚をAとする。
なお、フェース面12Aの基準点Prと反対側のフェース裏面12Bの箇所に凸部や凹部が形成されている場合は、以下の(5)、(6)の何れかにより規定する。
(5)図8(A)、(B)に示すように、凸部1202や凹部1204における肉厚A′をフェース部12の肉厚Aとして規定する。
(6)図8(C)、(D)に示すように、凸部1202や凹部1204の近傍の厚さa1、a2と凸部1202や凹部1204における肉厚A′との平均値(a1+a2+A′)/3をフェース部12の肉厚Aとして規定する。
なお、フェース面12Aに形成されたスコアライン22によって形成される凹部についても上記(5)または(6)における凹部1204と同様に扱う。
図5に示すように、フェース部側薄肉部32の最小肉厚Bはフェース部12の肉厚Aの65〜85%であり、ソール部側薄肉部34の最小肉厚Cはフェース部12の肉厚Aの40〜60%である。
このようにフェース部側薄肉部32の最小肉厚Bおよびソール部側薄肉部34の最小肉厚Cを形成することにより、フェース部12でボールを打撃した際に、たわむたわみエリアがフェース部12の下部において拡大され、フェース部12の最大たわみ点Q(図25参照)をフェース部12のより下方の箇所に配置する上で有利となる。
なお、フェース部12(フェース面12A)の最大たわみ点Qの計測方法として従来公知のさまざまな計測方法が使用可能である。
例えば、特開2004−138584号公報(ゴルフクラブヘッドの打撃面の振動分布測定方法およびゴルフクラブヘッドの評価方法)に記載されている方法を用いることができる。
すなわち、この方法では、ゴルフクラブヘッド10のフェース面12Aをその垂直方向に加振させて打撃面を振動させ、フェース面12Aと対向する位置に配したレーザ振動計によりフェース面12Aにおける振動分布(振幅分布)を測定する。
そして、その振動分布(振幅分布)の測定結果に基づいて、各点のたわみ量を算出し、最大たわみ点Qを算出すればよい。
例えば、フェース面12Aの中心点Pc(図13、図17参照)を中心にした四角形の測定エリアを設定すると共に、この測定エリアに複数の測定点を設定し、各測定点について振幅分布を測定する。
その後、スプライン補間を行い、最大たわみ点Qを算出すればよい。
より具体的には、前記の測定エリアとして、例えば、フェース面12Aの中心点Pcを中心にトウ方向およびヒール方向にそれぞれ25mmずつ、フェース面12Aの中心点Pcを中心にクラウン方向およびソール方向にそれぞれ15mmずつの四角のエリアを設定する。
すなわち、本例では、測定エリアは、トウ−ヒール方向に50mm、クラウン−ソール方向に30mmの四角形状となる。
また、前記の測定点としては、例えば、トウ−ヒール方向およびクラウン−ソール方向において約0.8mmピッチで各測定点を設定する。
本明細書における最大たわみ点Qとは、本測定において、最も大きくたわむ点である。
フェース部側薄肉部32の最小肉厚Bがフェース部12の肉厚Aの65〜85%を下回ると、打球時の応力がフェース部側薄肉部32に集中するため、ゴルフクラブヘッド10の耐久性を確保する上で不利となる。
フェース部側薄肉部32の最小肉厚Bがフェース部12の肉厚Aの65〜85%を上回ると、フェース部側薄肉部32のたわみ量が低下するため、フェース部12の最大たわみ点Qをフェース部12のより下方の箇所に配置する上で不利となる。
ソール部側薄肉部34の最小肉厚Cがフェース部12の肉厚Aの40〜60%を下回ると、打球時の応力がソール部側薄肉部34に集中するため、ゴルフクラブヘッド10の耐久性を確保する上で不利となる。
ソール部側薄肉部34の最小肉厚Cがフェース部12の肉厚Aの40〜60%を上回ると、ソール部側薄肉部34のたわみ量が低下するため、フェース部12の最大たわみ点Qをフェース部12のより下方の箇所に配置する上で不利となる。
本実施の形態では、フェース部側薄肉部32は、幅W1の50〜80%において最小肉厚Bの100%〜110%の肉厚を有する部分を有している。
また、ソール部側薄肉部34は、幅W2の50〜80%において最小肉厚Cの100%〜115%の肉厚を有する部分を有している。
このようにフェース部側薄肉部32の最小肉厚Bおよびソール部側薄肉部34の最小肉厚Cを形成することにより、ゴルフクラブヘッド10の耐久性を確保しつつ、フェース部12の下部におけるたわみエリアが拡大され、フェース部12の最大たわみ点Qをフェース部12の下方に配置する上で有利となる。
フェース部側薄肉部32において最小肉厚Bの100%〜110%の肉厚を有する部分が幅W1の50〜80%を下回ると、フェース部側薄肉部32に占める肉厚が薄い部分の割合が低すぎるため、フェース部側薄肉部32のたわみ量が低下するため、フェース部12の最大たわみ点Qをフェース部12のより下方の箇所に配置する効果が減少する。
フェース部側薄肉部32において最小肉厚Bの100%〜110%の肉厚を有する部分が幅W1の50〜80%を上回ると、フェース部側薄肉部32に占める肉厚が薄い部分の割合が高すぎるため、フェース部側薄肉部32の全体の強度が低下し、フェース部側薄肉部32の薄い部分に応力が集中しやすく、耐久性を確保する効果が減少する。
ソール部側薄肉部34において最小肉厚Cの100%〜115%の肉厚を有する部分が幅W2の50〜80%を下回ると、ソール部側薄肉部34に占める肉厚が薄い部分の割合が低すぎるため、フェース部12の最大たわみ点Qをフェース部12のより下方の箇所に配置する効果が減少する。
ソール部側薄肉部34において最小肉厚Cの100%〜115%の肉厚を有する部分が幅W2の50〜80%を上回ると、ソール部側薄肉部34に占める肉厚が薄い部分の割合が高すぎるため、フェース部側薄肉部32の全体の強度が低下し、薄い部分に応力が集中しやすく、耐久性を確保する効果が減少する。
図5に示すように、フェース面12Aと平行しフェース面12Aの後方に7mm離間した仮想面を第2の仮想面PYとし、第2の仮想面PYがソール部側薄肉部34と交差する第2の仮想面PYの部分を第2の仮想面部分PY1とする。
本実施の形態では、ソール部側薄肉部34の最小肉厚Cの箇所は、第2の仮想面部分PY1から第1の仮想面部分PX1までの範囲内に位置しているほうが好ましい。
7mm以内に位置させる理由は、平均打点位置Paで打球したときにソール部14の中で最も応力が発生する場所は、7mm以内であり、最も変形しやすくたわみやすい場所であるためである。
このようにソール部側薄肉部34の最小肉厚Cを形成することにより、フェース部12の下部におけるたわみエリアが効果的に拡大され、フェース部12の最大たわみ点Qをフェース部12のより下方の箇所に配置する上で有利となる。
ソール部側薄肉部34の最小肉厚Cの箇所が第2の仮想面PYが第2の仮想面部分PY1から第1の仮想面部分PX1までの範囲外に位置していると、ソール部側薄肉部34のたわみ量が減少するため、フェース部12の下部におけるたわみエリアを拡大する効果が減少し、フェース部12の最大たわみ点Qをフェース部12のより下方の箇所に配置する効果が減少する。
図1に示すように、ゴルフクラブヘッド10の基準状態で、水平面Pからフェース面12Aの輪郭の最も高い位置までの距離をフェース面最大高さHfとする。
本実施の形態では、フェース部側薄肉部32は、ソール面14Aの最下点(水平面Pからの距離が最小)を下限とし、フェース面最大高さHfの40%以下の範囲に位置している。
このようにフェース部側薄肉部32を形成することにより、フェース部12の下部におけるたわみエリアが拡大され、フェース部12の最大たわみ点Qをフェース部12のより下方の箇所に配置する上で有利となる。
フェース部側薄肉部32の全域が水平面Pからフェース面最大高さHfの40%を上回って位置していると、フェース部12の上部におけるたわみエリアも拡大するため、フェース部12の下部におけるたわみエリアを拡大する効果が減少し、フェース部12の最大たわみ点Qをフェース部12のより下方の箇所に配置する効果が減少する。
図1に示すように、フェース面12Aに形成されたスコアライン22のうち最も長いスコアライン22の中心点(中点)Csを通りスコアライン22と直交する直線に沿ったフェース面12Aの寸法をスコアライン22の中心点Csにおけるフェース面高さDとする。
ゴルクラブヘッド10が中空ヘッドの場合で、スコアライン22が形成されていない場合は、スコアライン22の中心点Csに代えてフェース面12Aの中心点Pc(図13、図17参照)を用いてもよい。なお、フェース面12Aの中心点Pcの規定方法については後述する。
本実施の形態では、フェース部側薄肉部32の幅W1は、スコアライン22の中心点Csにおけるフェース面高さDの7〜15%である。
このようにフェース部側薄肉部32の幅W1を形成すると、ゴルフクラブヘッド10の耐久性を確保しつつ、フェース部12の下部におけるたわみエリアが拡大され、フェース部12の最大たわみ点Qをフェース部12のより下方の箇所に配置する上で有利となる。
フェース部側薄肉部32の幅W1がフェース面高さDの7〜15%を下回ると、フェース部12の下部におけるたわみエリアを拡大する効果が減少し、フェース部12の最大たわみ点Qをフェース部12のより下方の箇所に配置する効果が減少する。
フェース部側薄肉部32の幅W1がフェース面高さDの7〜15%を上回ると、フェース部側薄肉部32の面積が広くなるため、ゴルフクラブヘッド10の耐久性を確保する効果が減少する。
本実施の形態では、図1に示すように、フェース部側薄肉部32の反対側に位置するフェース面12Aの箇所にはスコアライン22が形成されていない。
このようにすると、フェース部側薄肉部32の肉厚が大きく変化しないため、フェース部側薄肉部32に応力が集中しにくく、耐久性を確保する上で有利となる。
フェース部側薄肉部32の反対側に位置するフェース面12Aの箇所にはスコアライン22が形成されていると、耐久性を確保する効果が減少する。
本実施の形態では、図9(A)〜(C)に示すように、ゴルフクラブヘッド10のロフト角度が大きくなるほど、フェース部側薄肉部32の幅W1が大きく、かつ、ソール部側薄肉部34の幅W2が小さくなるように形成されている。
より詳細に説明すると、図9(A)は5番アイアンクラブ用のゴルフクラブヘッド10、(B)は7番アイアンクラブ用のゴルフクラブヘッド10、(C)はピッチングウェッジ用のゴルフクラブヘッド10である。
図中、αA、αB、αCは、それぞれロフト角を示し、αA<αB<αCという大小関係となっている。
このようにフェース部側薄肉部32の幅W1およびソール部側薄肉部34の幅W2を形成すると、以下の効果(A)、(B)が奏される。
(A)ロフト角が小さい(番手が小さい)ゴルフクラブヘッド10ほど重心高さを低く、かつ、重心深さを深くすることができる。そのため、打球を高く打ち出すと共にバックスピン量を抑制することができ、飛距離を確保する上で有利となる。
(B)ロフト角が大きい(番手が大きい)ゴルフクラブヘッド10ほど重心高さを高く、かつ、重心深さを浅くすることができる。そのため、打球を低く打ち出すと共にバックスピン量を促進することができ、グリーン上でボールを止めやすくする上で有利となる。
したがって、ゴルフクラブヘッド10のロフト角(番手)の大きさに応じて要求される効果を確保する上で有利となる。
ここでフェース面12Aの中心点の規定方法について説明する。
フェース面12Aの中心点Pcは、フェース面12Aの幾何学的中心であり、中心点Pcの規定方法としては以下に例示する第1の規定方法、第2の規定方法を含め従来公知のさまざまな方法が採用可能である。
なお、以下の説明においては、ゴルフクラブヘッド10がウッドである場合について説明するが、ゴルフクラブヘッド10がアイアンであっても同様の方法が適用可能である。
[A]フェース面12Aの中心点Pcの第1の規定方法:
フェース面12Aと他のゴルフクラブヘッド10の部分との境目が明確である場合、言い換えると、フェース面12Aの周縁が稜線によって特定される場合における中心点Pcの規定方法である。この場合はフェース面12Aが明瞭に定義されることになる。
図10〜図13はフェース面12Aの中心点Pcの規定方法を示す説明図である。
(1)まず、図10に示すように、ライ角およびフェース角が規定値となるように基準面P(水平面P)上にゴルフクラブヘッド10を載置する。このときのゴルフクラブヘッド10の状態を基準状態とする。なお、ライ角およびフェース角の設定値は、例えば製品カタログに記載された値である。
(2)次にクラウン部17及びソール部14を結ぶ方向における仮中心点c0を求める。
すなわち、図10に示すように、トウ28およびヒール26を結ぶ基準面Pと平行な線(以下水平線という)の概略中心点Pcと交差する垂線f0を引く。
この垂線f0とフェース面12Aの上縁とが交差するa0点と、垂線f0とフェース面12Aの下縁とが交差するb0点の中点を仮中心点c0とする。
(3)次に図11に示すように仮中心点c0を通る水平線g0を引く。
(4)次に図12に示すように水平線g0とフェース面12Aのトウ28側の縁とが交差するd0点と、水平線g0とフェース面12Aのヒール26側の縁とが交差するe0点の中点を仮中心点c1とする。
(5)次に図13に示すように仮中心点c1を通る垂線f1を引き、この垂線f1とフェース面12Aの上縁とが交差するa1点と、垂線f1とフェース面12Aの下縁とが交差するb1点の中点を仮中心点c2とする。
ここで、仮中心点c1とc2とが合致したならばその点をフェース面12Aの中心点Pcとして規定する。
仮中心点c1とc2が合致しなければ、(2)乃至(5)の手順を繰り返す。
なお、フェース面12Aは曲面を呈しているため、水平線g0の中点、垂線f0、f1の中点を求める場合の水平線g0の長さ、垂線f0、f1の長さはフェース面12Aの曲面に沿った長さを用いるものとする。
そして、フェースセンターラインCLは、中心点Pcを通りかつトウ28−ヒール26方向と直交する方向に延在する直線で定義される。
[B]フェース面12Aの中心点Pcの第2の規定方法:
次に、フェース面12Aの周縁と他のゴルフクラブヘッド10の部分との間が曲面で接続されておりフェース面12Aが明瞭に定義できない場合の中心点Pcの定義を説明する。
図14に示すように、ゴルフクラブヘッド10は中空であり、符号G0はゴルフクラブヘッド10の重心点を示し、符号Lpは重心点G0とフェース面上重心点FGとを結ぶ直線であり、言い換えると、直線Lpは重心点G0を通るフェース面12Aの垂線である。
すなわち、ゴルフクラブヘッド10の重心点G0をフェース面12Aに投影した点がフェース面上重心点FGである。
ここで、図15に示すように、重心点G0とフェース面上重心点FGとを結ぶ直線Lpを含む多数の平面H1、H2、H3、…、Hnを考える。
ゴルフクラブヘッド10を各平面H1、H2、H3、…、Hnに沿って破断したときの断面において、図16に示されるように、ゴルフクラブヘッド10の外面の曲率半径r0を測定する。
曲率半径r0の測定に際して、フェース面12A上のフェースライン、パンチマーク等が無いものとして扱う。
曲率半径r0は、フェース面12Aの中心点Pcから外方向(図16における上方向、下方向)に向かって連続的に測定される。
そして、測定において曲率半径r0が最初に所定の値以下となる部分をフェース面12Aの周縁を表わす輪郭線Iとして定義する。
所定の値は例えば200mmである。
多数の平面H1、H2、H3、…、Hnに基づいて決定された輪郭線Iによって囲まれた領域が、図15、図16に示すように、フェース面12Aとして定義される。
次に、図17に示すように、ライ角およびフェース角が規定値となるように水平な地面上(基準面P)にゴルフクラブヘッド10を載置する。
直線LTは、フェース面12Aのトウ側点PTを通過して鉛直方向に延在する。
直線LHは、フェース面12Aのヒール側点PHを通過して鉛直方向に延在する。
直線LCは、直線LTおよび直線LHと平行である。直線LCと直線LTとの距離は、直線LCと直線LHとの距離と等しい。
符号Puは、フェース面12Aの上側点を示し、符号Pdはフェース面12Aの下側点である。上側点Puおよび下側点Pdは、いずれも直線LCと輪郭線Iとの交点である。
中心点Pcは、上側点Puと下側点Pdとを結ぶ線分の中点で定義される。
本実施の形態によれば、ゴルフクラブヘッド10の基準状態で、水平面Pから垂直に下記の(式1)で示されるZmm上方に離れたフェース面12Aの箇所を基準点Prとし、基準点Prを通るフェース面12Aの法線がフェース裏面12Bと交差する交点を通りフェース面12Aと平行な仮想面を第1の仮想面PXとし、フェース部12とソール部14とが交差する箇所を通る第1の仮想面PXの部分を第1の仮想面部分PX1とする。
フェース裏面12Bに、フェース裏面12Bのソール部14寄りの箇所から第1の仮想面部分PX1にわたりフェース部側薄肉部32が設けられ、ソール部14のソール裏面14Bに、ソール裏面14Bのフェース部12寄りの箇所から第1の仮想面部分PX1にわたりソール部側薄肉部34が設けられる。
基準点Prにおけるフェース部12の肉厚をAとしたとき、フェース部側薄肉部32の最小肉厚Bをフェース部12の肉厚Aの65〜85%とし、ソール部側薄肉部34の最小肉厚Cをフェース部12の肉厚Aの40〜60%とした。
Z=−0.0897X+18.288……(式1)
ただし、Xはゴルフクラブヘッドのロフト角であり、基準点Prは平均打点位置Paと略同じ位置である。
したがって、ゴルフクラブヘッド10のフェース部12の下方寄りの箇所に、上記のように構成されたフェース部側薄肉部32およびソール部側薄肉部34を設けることにより、フェース部12でボールを打撃した際にたわむたわみエリアがフェース部12の下部において拡大される。
そのため、フェース面12Aの最大たわみ点Qがより下方に配置されることによって、最大たわみ点Qを打点に近づけることができるため、打球の飛距離を向上する上で有利となる。
以下、本発明の第1の実験結果、第2の実験結果について説明する。
第1の実験結果では、請求項1〜6の各規定に対応する実験結果を示し、第2の実験結果では、請求項7の規定に対応する実験結果を示す。
(第1の実験結果)
図18、図19は、本発明に係るゴルフクラブヘッド10の第1の実験結果を示す図である。
試料となるゴルフクラブヘッド10を各実験例毎に作成し、ゴルクラブヘッド10を用いたゴルフクラブを作成し、以下の試験を行った。
なお、試料となるゴルフクラブヘッド10は、ロフト角を26°とし、Zを16mmとした。また、ゴルフクラブのクラブ長さを38インチとした。
1)飛距離
一般的なゴルファーがボールを打撃したときの平均打点位置Paを打点として設定した。
専用のスイングロボットを用いてゴルフクラブをスイングし、計測器によってゴルフボールの飛距離を計測した。ヘッドスピードは34m/sとした。
平均打点位置Paを打点として10回測定しそれら10回の測定値を平均した。
飛距離のデータは、実験例25のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
なお、本実験結果において、ゴルフクラブヘッド10の基準状態において水平面Pから平均打点位置Paまでの高さ、すなわちZは16mmとした。
2)最大たわみ点Q
平均打点位置Paから最大たわみ点Qまでの距離を評価した。
最大たわみ点Qのデータは、実験例25のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど平均打点位置Paから最大たわみ点Qまでの距離が近く評価が良いことを示す。
3)耐久性
固定したゴルフクラブヘッド10のフェース面12Aにエアキャノンにてゴルフボールを繰り返して当て、フェース部12の変形や破損が生じるまでに要した打撃回数を計測し、打撃回数を指数化した。ボールスピードは40m/sとした。
この場合、実験例25のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
4)合計点
飛距離、最大たわみ点、耐久性の3種類の指数を合計したものを合計点とした。
この場合、実験例35のゴルフクラブヘッド10の合計点が300となる。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
次に、各実験例1〜25の構成について説明する。
なお、実験例1、2、5〜24は本発明の範囲内であり、実験例3、4は本発明の範囲外である。
また、実験例25は、比較例であり、本発明の範囲外である。
実験例1、2、5、6、9、10、16、18、21、23は、請求項1〜6の全ての規定を全て満たすものである。
なお、実験例5は、フェース部側薄肉部32の最小肉厚Bの肉厚Aに対する割合が67.0%であり、請求項1の規定のうち65〜85%の範囲のほぼ下限値となっている。
また、実験例5は、ソール部側薄肉部34の最小肉厚Cの肉厚Aに対する割合が42.0%であり、請求項1の規定のうち40〜60%の範囲のほぼ下限値となっている。
実験例6は、フェース部側薄肉部32の最小肉厚Bの肉厚Aに対する割合が83.0%であり、請求項1の規定のうち65〜85%の範囲のほぼ上限値となっている。
また、実験例6は、ソール部側薄肉部34の最小肉厚Cの肉厚Aに対する割合が58.0%であり、請求項1の規定のうち40〜60%の範囲のほぼ上限値となっている。
実験例9は、フェース部側薄肉部32が幅W1の52%において前記最小肉厚Bの100%〜110%の肉厚を有する部分を有し、請求項2の規定のうち幅W1の50〜80%の範囲のほぼ下限値となっている。
また、実験例9は、ソール部側薄肉部34が幅W2の52%において最小肉厚Cの100%〜115%の肉厚を有する部分を有し、請求項2の規定のうち幅W2の50〜80%の範囲のほぼ下限値となっている。
実験例10は、フェース部側薄肉部32が幅W1の78%において前記最小肉厚Bの100%〜110%の肉厚を有する部分を有し、請求項2の規定のうち幅W1の50〜80%の範囲のほぼ上限値となっている。
また、実験例10は、ソール部側薄肉部34が幅W2の78%において最小肉厚Cの100%〜115%の肉厚を有する部分を有し、請求項2の規定のうち幅W2の50〜80%の範囲のほぼ上限値となっている。
実験例16は、ソール部側薄肉部34の最小肉厚Cの箇所がフェース面12Aの後方に6.8mm離間した箇所に位置しており、請求項3のうち、ソール部側薄肉部34の最小肉厚Cの箇所がフェース面12Aと平行しフェース面12Aの後方に7mm離間した第2の仮想面部分PY1から第1の仮想面部分PX1までの範囲内に位置するという規定のほぼ上限値となっている。
実験例18は、フェース部側薄肉部32の全域が水平面Pからフェース面最大高さHfの38%以下の範囲に位置しており、請求項4の規定のうち、フェース面最大高さHfの40%以下の範囲のほぼ上限値となっている。
実験例21は、フェース部側薄肉部32の幅W1がスコアライン22の中心点Csにおけるフェース面高さDの8.0%であり、請求項5の規定のうち、フェース面高さDの7〜15%の範囲のほぼ下限値となっている。
実験例23は、フェース部側薄肉部32の幅W1がスコアライン22の中心点Csにおけるフェース面高さDの14.0%であり、請求項5の規定のうち、フェース面高さDの7〜15%の範囲のほぼ上限値となっている。
実験例7、8は、請求項1〜5に規定する数値および請求項6に規定する条件のうち、請求項1、3〜5に規定する数値および請求項6に規定する条件が範囲内であり、請求項2に規定する数値が範囲外である。
実験例7は、フェース部側薄肉部32が幅W1の48.0%において前記最小肉厚Bの100%〜110%の肉厚を有する部分を有し、請求項2の規定のうち幅W1の50〜80%の範囲の下限値を下回っている。
また、実験例7は、ソール部側薄肉部34が幅W2の48.0%において最小肉厚Cの100%〜115%の肉厚を有する部分を有し、請求項2の規定のうち幅W2の50〜80%の範囲の下限値を下回っている。
実験例8は、フェース部側薄肉部32が幅W1の85.0%において前記最小肉厚Bの100%〜110%の肉厚を有する部分を有し、請求項2の規定のうち幅W1の50〜80%の範囲の上限値を上回っている。
また、実験例8は、ソール部側薄肉部34が幅W2の85.0%において最小肉厚Cの100%〜115%の肉厚を有する部分を有し、請求項2の規定のうち幅W2の50〜80%の範囲の上限値を上回っている。
実験例15は、請求項1〜5に規定する数値および請求項6に規定する条件のうち、請求項1、2、4、5に規定する数値および請求項6に規定する条件が範囲内であり、請求項3に規定する数値が範囲外である。
実験例15は、ソール部側薄肉部34の最小肉厚Cの箇所がフェース面12Aの後方に7.6mm離間した箇所に位置しており、請求項3のうち、ソール部側薄肉部34の最小肉厚Cの箇所がフェース面12Aと平行しフェース面12Aの後方に7mm離間した第2の仮想面部分PY1から第1の仮想面部分PX1までの範囲内に位置するという規定の上限値を上回っている。
実験例17は、請求項1〜5に規定する数値および請求項6に規定する条件のうち、請求項1〜3、5に規定する数値および請求項6に規定する条件が範囲内であり、請求項4に規定する数値が範囲外である。
実験例17は、フェース部側薄肉部32の全域が水平面Pからフェース面最大高さHfの44%以下の範囲に位置しており、請求項4の規定のうち、フェース面最大高さHfの40%以下の範囲の上限値を上回っている。
実験例19、20は、請求項1〜5に規定する数値および請求項6に規定する条件のうち、請求項1〜4に規定する数値および請求項6に規定する条件が範囲内であり、請求項5に規定する数値が範囲外である。
実験例19は、フェース部側薄肉部32の幅W1がスコアライン22の中心点Csにおけるフェース面高さDの6.0%であり、請求項5の規定のうち、フェース面高さDの7〜15%の範囲の下限値を下回っている。
実験例20は、フェース部側薄肉部32の幅W1がスコアライン22の中心点Csにおけるフェース面高さDの16.0%であり、請求項5の規定のうち、フェース面高さDの7〜15%の範囲の上限値を上回っている。
実験例24は、請求項1〜5に規定する数値および請求項6に規定する条件のうち、請求項1〜5に規定する数値が範囲内であり、請求項6の規定する条件を満たしていない。
実験例24は、フェース部側薄肉部32の反対側に位置するフェース面12Aの箇所にスコアライン22が形成されており、請求項6の規定を満たしていない。
実験例3、4は、請求項1に規定する数値が範囲外であり、本発明の範囲外である。
実験例3は、フェース部側薄肉部32の最小肉厚Bがフェース部12の肉厚Aの63.0%であり、請求項1の規定のうち、最小肉厚Bがフェース部12の肉厚Aの65〜85%の範囲のうち下限値を下回っている。
また、実験例3は、ソール部側薄肉部34の最小肉厚Cがフェース部12の肉厚Aの38.0%であり、請求項1の規定のうち、最小肉厚Cがフェース部12の肉厚Aの40〜60%の範囲のうち下限値を下回っている。
実験例4は、フェース部側薄肉部32の最小肉厚Bがフェース部12の肉厚Aの88.0%であり、請求項1の規定のうち、最小肉厚Bがフェース部12の肉厚Aの65〜85%の範囲のうち上限値を上回っている。
また、実験例3は、ソール部側薄肉部34の最小肉厚Cがフェース部12の肉厚Aの65.0%であり、請求項1の規定のうち、最小肉厚Cがフェース部12の肉厚Aの40〜60%の範囲のうち上限値を上回っている。
実験例25は、(比較例)は、従来技術(特許文献1:特許第4958625号)に相当するものであって、フェース部12の周囲にフェース部12を囲むような溝部を形成することにより薄肉部を形成したものである。
図18、図19に示すように、本発明の範囲内の実験例1、2、5〜23は、指数の合計点が315〜470点であるのに対し、本発明の範囲外の実験例3、4は、指数の合計点が310点であり、本発明の規定を満たすことが、飛距離、最大たわみ点Qの位置、耐久性を確保する上で有利となっていることがわかる。
以下、各評価項目について検討する。
1)飛距離
本発明の範囲内であり、請求項1〜6の規定の全てを満たす実験例1、2、5、6、9、10、16、18、21、23は、飛距離が124〜163点であり、飛距離が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1の規定は満たすが、請求項2〜6の何れかの規定を満たさない実験例7、8、15、17、19、20、24は、飛距離が100〜155点であり、飛距離が次いで優れている。
本発明の範囲外であり請求項1の規定を満たさない実験例3、4は、飛距離が114〜115点であり、本発明の範囲内のものに対して本発明の範囲外のものは飛距離についての効果が低い。
2)最大たわみ点Q
本発明の範囲内であり、請求項1〜6の規定の全てを満たす実験例1、2、5、6、9、10、16、18、21、23は、最大たわみ点Qが110〜157点であり、最大たわみ点Qが最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1の規定は満たすが、請求項2〜6の何れかの規定を満たさない実験例7、8、15、17、19、20、24は、最大たわみ点Qが90〜152点であり、最大たわみ点Qが次いで優れている。
本発明の範囲外であり請求項1の規定を満たさない実験例3、4は、最大たわみ点Qが50〜155点であり、本発明の範囲内のものに対して本発明の範囲外のものは最大たわみ点Qについての効果が低い。
すなわち、本発明の範囲外の実験例3は、フェース部12の下部がたわみすぎ(剛性低すぎ)で飛距離が低下している。
また、本発明の範囲外の実験例4は、フェース部12の下部がたわまない(剛性高すぎ)で飛距離が低下している。
また、何れも本発明の範囲内の実験例15と実験例16を比較すると以下の通りである。
すなわち、実験例16は、フェース面12A上を延在する仮想面からソール部側薄肉部34の最小肉厚Cの箇所までの距離が6.8mmであり、実験例15は上記距離が7.6mmである。
したがって、実験例17に比較して上記距離が短い実験例16は、実験例15よりも最大たわみ点Qを低い位置にすることができ、実験例16の飛距離(139点)は、実験例15の飛距離(100点)よりも大きなものとなっている。
また、実験例17は、フェース部側薄肉部32の全域が水平面Pからフェース面最大高さHfの44%以下の範囲に位置しており、フェース面最大高さHfの40%以下の範囲の上限値を上回っていることから、最大たわみ点Qを下げる効果が減少しており、飛距離を向上する効果も減少している。
また、実験例19は、フェース部側薄肉部32の幅W1が短すぎて最大たわみ点Qを下げる効果が減少しており、飛距離を向上する効果も減少している。
また、実験例20は、逆にフェース部側薄肉部32の幅W1が長すぎて、耐久性を向上する効果が減少している。
3)耐久性
本発明の範囲内であり、請求項1〜6の規定の全てを満たす実験例1、2、5、6、9、10、16、18、21、23は、耐久性が110〜158点であり、耐久性が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1の規定は満たすが、請求項2〜6の何れかの規定を満たさない実験例7、8、15、17、19、20、24は、耐久性が40〜140点であり、耐久性が次いで優れている。
特に、実験例8は、フェース部側薄肉部32が幅W1の85.0%において前記最小肉厚Bの100%〜110%の肉厚を有する部分を有し、かつ、ソール部側薄肉部34が幅W2の85.0%において最小肉厚Cの100%〜115%の肉厚を有する部分を有している。
そのため、フェース部側薄肉部32とソール部側薄肉部34との境界部の曲面の曲率半径R(言い換えるとフェース部12とソール部14とが交差する部分の曲率半径R)が小さくなりすぎるため、肉厚が薄くなりすぎて耐久性を向上する効果が減少している。
本発明の範囲外であり請求項1の規定を満たさない実験例3、4は、耐久性が40〜146点であり、本発明の範囲内のものに対して本発明の範囲外のものは耐久性についての効果が低い。
特に、実験例3は、フェース部側薄肉部32の最小肉厚Bがフェース部12の肉厚Aの63.0%であり、かつ、ソール部側薄肉部34の最小肉厚Cがフェース部12の肉厚Aの38.0%である、何れも規定の範囲を下回っているため、フェース部14の下部がたわみすぎる(剛性が低すぎる)ため、耐久性が低いものとなっている。
4)合計点
本発明の範囲内であり、請求項1〜6の規定の全てを満たす実験例1、2、5、6、9、10、16、18、21、23は、合計点が380〜470点であり、合計点が最も優れている。
本発明の範囲内であり、請求項1の規定は満たすが、請求項2〜6の何れかの規定を満たさない実験例7、8、15、17、19、20、24は、合計点が315〜432点であり、合計点が次いで優れている。
本発明の範囲外であり請求項1の規定を満たさない実験例3、4は、合計点が310点であり、発明の範囲内のものに対して本発明の範囲外のものは合計点の評価も低いものとなっている。
(第2の実験結果)
図20〜図24は、本発明に係るゴルフクラブヘッド10の第2の実験結果を示す図である。
第2の実験では、実験例26〜30のそれぞれに対応して1組のアイアンクラブセットを作成した。アインクラブセットは、5番〜9番アイアンおよびピッチングウェッジの6本のクラブで構成されている。
6本のクラブのロフト角、打点を規定するZmm、クラブ長さは以下のとおりである。
(1)5番アイアン:
ロフト角22°、Z=16.3mm、クラブ長さ39インチ
(2)6番アイアン:
ロフト角24°、Z=16.1mm、クラブ長さ38.5インチ
(3)7番アイアン
ロフト角27°、Z=15.9mm、クラブ長さ38インチ
(4)8番アイアン:
ロフト角31°、Z=15.5mm、クラブ長さ37.5インチ
(5)9番アイアン:
ロフト角35°、Z=15.1mm、クラブ長さ37インチ
(6)ピッチングウェッジ:
ロフト角40°、Z=14.7mm、クラブ長さ36インチ
ただし、Zは、前述した(式1)にロフト角を代入して導出した値である。
各アイアンクラブセットについて以下の試験を行った。
1)飛距離
第1の実験結果の飛距離と同様の試験、評価を行った。
ただし、クラブの番手毎のヘッドスピードは以下の通りとした。
5番=ヘッドスピード35m/s
6番=ヘッドスピード34.5m/s
7番=ヘッドスピード34m/s
8番=ヘッドスピード33.5m/s
9番=ヘッドスピード33m/s
ピッチングウェッジ=ヘッドスピード32m/s
実験例26のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
2)グリーンオン率
打撃したボールがグリーン上で止まりやすいか否かを評価した。言い換えると、バックスピンが掛かりやすい(高スピン)か否かを評価した。
実験例26のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほどグリーンオン率が高く評価が良いことを示す。
3)耐久性
第1の実験結果の耐久性と同様の試験、評価を行った。
ただし、番手毎のボールスピードは以下の通りとした。
5番=ボールスピード42m/s
6番=ボールスピード41.5m/s
7番=ボールスピード41m/s
8番=ボールスピード40m/s
9番=ボールスピード39m/s
ピッチングウェッジ=ボールスピード38m/s
実験例26のゴルフクラブヘッド10の測定結果を100とした指数で示した。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
4)合計点
飛距離、グリーンオン率、耐久性の3種類の指数を合計したものを合計点とした。
この場合、実験例26のゴルフクラブヘッド10の合計点が300となる。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
5)全合計点
6本のアイアンクラブセットの合計点の総和を全合計点とした。
この場合、実験例26のアイアンクラブセットの全合計点が1800となる。指数が大きいほど評価が良いことを示す。
次に、各実験例26〜30の構成について説明する。
なお、実験例26〜30は、全て本発明の請求項1〜6の規定を満たすものであり、具体的には実験例1と同様に構成されたものとなっている。
実験例26〜29は請求項7の規定を満たしておらず、実験例30のみが請求項7の規定を満たしている。
すなわち、実験例26は、ロフト角(番手)に拘わらず、フェース部側薄肉部32の幅W1とソール部側薄肉部34の幅W2とが同一の寸法9mmとなるように形成されている。
実験例27は、ロフト角(番手)が大きくなるほど、フェース部側薄肉部32の幅W1とソール部側薄肉部34の幅W2との双方が小さくなるように形成されている。
実験例28は、ロフト角(番手)が大きくなるほど、フェース部側薄肉部32の幅W1とソール部側薄肉部34の幅W2との双方が大きくなるように形成されている。
実験例29は、ロフト角(番手)が大きくなるほど、フェース部側薄肉部32の幅W1が小さくなり、かつ、ソール部側薄肉部34の幅W2が大きくなるように形成されている。
実験例30は、ロフト角度(番手)が大きくなるほど、フェース部側薄肉部32の幅W1が大きく、かつ、ソール部側薄肉部34の幅W2が小さくなるように形成されている。
図21に示すように、実験例27は、5番アイアンにおいて、飛距離が150点、耐久性が64点となっている。
すなわち、フェース部側薄肉部32の幅W1とソール部側薄肉部34の幅W2との双方が大きいため、フェース面12Aのたわみ量を大きく確保する上で有利となっている。
一方、フェース部側薄肉部32およびソール部側薄肉部34の面積が大きくなりすぎるため、ゴルフクラブヘッド10の耐久性を確保する効果が減少している。
図22に示すように、実験例28は、5番アイアンにおいて、飛距離が82点、耐久性が130点となっている。
すなわち、フェース部側薄肉部32の幅W1とソール部側薄肉部34の幅W2との双方が小さいため、フェース面12Aのたわみ量を大きく確保する効果が減少している。
一方、フェース部側薄肉部32およびソール部側薄肉部34の面積が小さいため耐久性を確保する上で有利となっている。
また、実験例28は、ピッチングウェッジにおいて、飛距離が125点、グリーンオン率が74点となっている。
すなわち、フェース部側薄肉部32の幅W1とソール部側薄肉部34の幅W2との双方が大きいため、フェース面12Aのたわみ量を大きく確保する上で有利となっている。
一方、フェース部側薄肉部32およびソール部側薄肉部34の面積が大きいためスピン量を確保する効果が減少している。
図23に示すように、実験例29は、ピッチングウェッジにおいて、飛距離が101点、グリーンオン率が75点となっている。
すなわち、フェース部側薄肉部32の幅W1が小さくソール部側薄肉部34の幅W2が大きいため、ゴルフクラブヘッド10の重心高さを高くできず、かつ、重心深さが深くなる。
そのため、打球を低く打ち出すと共にバックスピン量を促進する効果が減少し、ボールを止めやすくする効果も減少する。
図24に示すように、実験例30は、ロフト角度(番手)が大きくなるほど、フェース部側薄肉部32の幅W1が大きく、かつ、ソール部側薄肉部34の幅W2が小さくなるように形成されている。
したがって、5番アイアンや6番アイアンのようにロフト角が小さい(番手が小さい)ゴルフクラブヘッド10ほど重心高さを低く、かつ、重心深さを深くすることができる。そのため、打球を高く打ち出すと共にバックスピン量を抑制することができ、飛距離を確保する上で有利となる。
その結果、飛距離を見ると、5番アイアンでは140点、6番アイアンでは136点、7番アイアンでは132点となっており、飛距離を確保する上で有利となっている。
また、8番アイアン、9番アイアン、ピッチングウェッジのようにロフト角が大きい(番手が大きい)ゴルフクラブヘッド10ほど重心高さを高く、かつ、重心深さを浅くすることができる。
その結果、グリーンオン率を見ると、8番アイアンでは127点、9番アイアンでは136点、ピッチングウェッジでは145点となっており、ボールを止めやすくする上で有利となっている。
すなわち、請求項7の規定を満たす実験例30は飛距離が120〜140点、グリーンオン率が100〜145点、耐久性が145〜150点、合計点が385〜415点、全合計点が2400点である。
これに対して請求項7の規定を満たさない実験例26〜29は、飛距離が82〜150点、グリーンオン率が74〜102点、耐久性が64〜130点、合計点が270〜314点、全合計点が1710〜1800点である。
これら実験例26〜30の結果から明らかなように、請求項7の規定を満たす実験例30は、請求項7の規定を満たさない実験例26〜29に比較して、ロフト角(番手)の大きさに対応して飛距離、グリーンオン率のバランスが最も優れている。したがって、ゴルフクラブヘッド10のロフト角(番手)の大きさに応じて要求される効果を確保する上で有利となる。
また、実験例30は、耐久性についても最も優れている。
10ゴルフクラブヘッド
12フェース部
12Aフェース面
12Bフェース裏面
14ソール部
14Aソール面
14Bソール裏面
22スコアライン
30A第1の溝部
30B第2の溝部
32フェース部側薄肉部
34ソール部側薄肉部
Pr基準点
PX第1の仮想面
PX1第1の仮想面部分
PY第2の仮想面
PY1第2の仮想面部分

Claims (7)

  1. 上下の高さを有して左右に延在するフェース部と、前記フェース部の下部から後方に延在するソール部とを備えるゴルフクラブヘッドであって、
    前記ゴルフクラブヘッドを、水平面に対して予め定められたライ角およびロフト角通りに設置した基準状態で、前記水平面から垂直に下記の(式1)で示されるZmm上方に離れたフェース面の箇所を基準点とし、
    前記基準点を通る前記フェース面の法線が前記フェース部のうち前記フェース面と反対側に位置するフェース裏面と交差する交点を通り前記フェース面と平行な仮想面を第1の仮想面とし、前記フェース部と前記ソール部とが交差する箇所を通る前記第1の仮想面の部分を第1の仮想面部分としたとき、
    前記フェース裏面に、前記フェース裏面の前記ソール部寄りの箇所から前記第1の仮想面部分にわたり第1の溝部が形成されることによりフェース部側薄肉部が設けられ、
    前記ソール部のソール面と反対側に位置するソール裏面に、前記ソール裏面の前記フェース部寄りの箇所から前記第1の仮想面部分にわたり第2の溝部が形成されることによりソール部側薄肉部が設けられ、
    前記基準点における前記フェース部の肉厚をAとしたとき、
    前記フェース部側薄肉部の最小肉厚Bは前記フェース部の肉厚Aの65〜85%であり、
    前記ソール部側薄肉部の最小肉厚Cは前記フェース部の肉厚Aの40〜60%である、
    ことを特徴とするゴルフクラブヘッド。
    Z=−0.0897X+18.288……(式1)
    ただし、Xはゴルフクラブヘッドのロフト角
  2. 前記フェース部側薄肉部は、前記フェース部の高さ方向に沿った幅W1と、前記フェース部の左右方向に沿った長さとを有し、
    前記フェース部側薄肉部は、前記幅W1の50〜80%において前記最小肉厚Bの100%〜110%の肉厚を有する部分を有し、
    前記ソール部側薄肉部は、前後方向における幅W2と、前記フェース部の左右方向に沿った長さとを有し、
    前記ソール部側薄肉部は、前記幅W2の50〜80%において前記最小肉厚Cの100%〜115%の肉厚を有する部分を有する、
    ことを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記フェース面と平行し前記フェース面の後方に7mm離間した仮想面を第2の仮想面としたとき、
    前記ソール部側薄肉部の前記最小肉厚Cの箇所は、前記第2の仮想面が前記ソール部側薄肉部と交差する第2の仮想面部分から前記第1の仮想面部分までの範囲内に位置している、
    ことを特徴とする請求項1または2記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記基準状態で、前記水平面から前記フェース面の輪郭の最も高い位置までの距離をフェース面最大高さHfとしたとき、
    前記フェース部側薄肉部は、その全域が前記ソール面の最下点を下限とし、フェース面最大高さHfの40%以下の範囲に位置している、
    ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記フェース面に形成されたスコアラインのうち最も長いスコアラインの中心点を通り前記スコアラインと直交する直線に沿った前記フェース面の寸法をスコアライン中心点におけるフェース面高さDとしたとき、
    前記フェース部側薄肉部の幅W1は、前記スコアライン中心点におけるフェース面高さDの7〜15%である、
    ことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記フェース部側薄肉部の反対側に位置する前記フェース面の箇所にはスコアラインが形成されていない、
    ことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
  7. 前記フェース部側薄肉部は、前記フェース部の高さ方向に沿った幅W1と、前記フェース部の左右方向に沿った長さとを有し、
    前記ソール部側薄肉部は、前後方向における幅W2と、前記フェース部の左右方向に沿った長さとを有し、
    前記ゴルフクラブヘッドのロフト角度が大きくなるほど、前記フェース部側薄肉部の幅W1が大きく、かつ、前記ソール部側薄肉部の幅W2が小さくなるように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載のゴルフクラブヘッド。
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