JP5472150B2 - 液面レベル検出器 - Google Patents

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Description

本発明は、液面の上昇下降に応じて上昇下降するフロートに磁石を設け、この磁石の磁界に反応するセンサの作動で液面レベルを検出する液面レベル検出器に関するものである。
従来技術として、ウォッシャタンク等の液体(ウォッシャ液等)の液面位置を検出する方法として、液体よりも比重が軽いフロートが上下することを利用した液面レベル検出器が一般的に知られている。
その作動原理としては、磁石を内蔵したフロートが液面の上昇下降により液面と平行に上昇下降することで、リードスイッチ(磁石の磁界を検出するセンサの一種)に加わる磁界が変化することを利用してリードスイッチをON/OFFさせているのが一般的である。
この様な液面レベル検出器として、特許文献1に記載の構成が知られている。特許文献1に記載の液面レベル検出器では、リードスイッチが内部に設けられた収納部を有する。収納部はタンク内に突出している。収納部に覆い被さるように、フロートが設けられている。このフロートには磁石が取付けられている。フロートは、断面が長円形ないし小判状の挿入孔が設けられた、全体として円柱状の部材からなる。
収納部は、タンクに取り付けられた本体部から突出している。この突出した収納部を持つ液面レベル検出器は、ウォッシャタンクに水平方向から挿入されて取り付けられる。フロートは液体より軽いので収納部に対して浮き上がるように変位する。しかし、この変位量はフロートの大きさで制限された量となる。
また、フロートの大きさは、タンク側面に開けられた取付け孔の大きさから制限を受ける。つまり、フロートの外径はタンクの取付け孔の外径より大きく出来ないため、フロートの上下動のストロークに制約が生じる。
この問題を解決するため、特許文献2では、フロートの液面の上昇下降に伴う変位方向(天地方向)に沿って延伸し、液面上昇に伴うフロートの最大変位時に、フロートに係合するガイドストッパを設けている。
特許第3237531号公報 特開2010−107370号公報
上述のように、フロートの上下動のストロークに制約が生じると、フロートが最も高い位置にあり、収納部から離れた場合に、リードスイッチはOFFしていなければならないが、リードスイッチには磁石からの磁界が作用しており、更に、何らかの外部磁界が加わると、磁石からの磁界とあわせて外部磁界がリードスイッチに作用し、リードスイッチがONしてしまうという不具合がある。
このような外部磁界は、車両のエンジンルーム内のオルタネータやスタータ等の各種電装品や車体フレームの残留磁気に基づくもの等がある。またウォッシャ液を貯留するウォッシャタンクに搭載されているウォッシャポンプも磁界を発生する。
これを回避するためには、磁石をリードスイッチから、一層離すことでリードスイッチに作用する磁界の強さを小さくすることが有効であるが、フロートの上方へのストロークに制約があるために、それ以上、磁石を離すことが出来ないという問題があった。
また、フロートに係合するガイドストッパを設けて、フロートの上昇下降のストロークを長くしている特許文献2の方法は有効であるが、複雑なガイドストッパが必要になる。よって、更に別の解決構造が望まれる。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、フロートが液面の上昇下降によりセンサから充分に離れることが出来、センサに作用する磁石からの磁界の影響を一層少なくすることができる液面レベル検出器を提供することにある。
従来技術として列挙された特許文献の記載内容は、この明細書に記載された技術的要素の説明として、参照によって導入ないし援用することができる。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、液体を貯留するタンクに保持される本体部から延伸する収納部、挿入孔を有し、液体の液面の上昇下降に伴って相対的に上下動可能に挿入孔に収納部が挿入されるフロート、フロートの上部に設けられる磁石、収納部内に設けられ、磁石が形成する磁界を感知することにより液面を検出するセンサを備え、フロートは、挿入孔の下方に設けられるストッパ部、および収納部の延伸方向において、ストッパ部と並ぶように挿入孔の下方に設けられ、フロートが、ストッパ部と収納部との当接箇所を支点として、当該延伸方向に対して上下に傾いたときに、収納部が通過する下部スリットを有することを特徴としている。
この発明によれば、液面の上昇下降に応じて、挿入孔の長さだけ、フロートが液面の上昇下降につれて平行移動し、フロートが液面の上昇により、ストッパ部を支点としてフロートが傾き、かつ下部スリット内に収納部が貫通するから、センサと磁石との間の距離を拡大させて、センサに作用する磁石からの磁界の影響を一層少なくすることができる。これにより、外部磁界によるセンサの誤動作を低減することが可能となる。
請求項2に記載の発明では、収納部の突出側先端に、係止壁部が設けられ、係止壁部は、フロートが当接箇所を支点として、当該延伸方向に対して上下に傾いたときに、収納部の延伸方向に対するフロートの傾斜を規制することを特徴としている。
この発明によれば、液面上昇時において、フロートがストッパ部を支点として傾いたときに、係止壁部により、収納部の突出方向に対するフロートの傾斜を規制することができる。
請求項3に記載の発明では、下部スリット内に挿入され、フロートを案内する下部案内部を備えることを特徴としている。
この発明によれば、下部案内部が、フロートの下部スリット内に挿入されているため、フロートが液面の上昇下降によって動くときの動きを下部案内部によって案内することができる。
請求項4に記載の発明では、フロートは、挿入孔の上方に上部スリットを有し、上部スリット内に挿入され、フロートを案内する上部案内部を備えることを特徴としている。
この発明によれば、上部スリット内に挿入されて、フロートの動きを規制する上部案内部が形成されているから、液面の上昇下降につれて動くフロートを案内することができる。
本発明の一実施形態における、液面レベルが最高レベルのときの、液面レベル検出器のタンク取付け状態を示す断面図である。 上記実施形態における、液面レベルが中レベルのときの、液面レベル検出器の断面図である。 上記実施形態における、液面レベルが設定されたレベルよりも低い低レベルのときの、液面レベル検出器の断面図である。 上記実施形態における、液面レベル検出器のフロートの斜視図である。
(一実施形態)
以下、本発明の一実施形態について図1ないし図4を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態を示し、液面レベル検出器の液面レベルが最高レベルのときのタンク取付け状態を示す断面図である。
図2は、上記実施形態の液面レベル検出器の液面レベルが中レベルのときの断面図である。図3は、液面レベルが設定されたレベルよりも低い低レベルのときの液面レベル検出器の断面図である。図4は、上記実施形態の液面レベル検出器のフロートの斜視図である。
図1において、液面レベル検出器20は、矢印Y1にて示す液面上昇側に注水用の蓋があるウォッシャタンクからなるタンク2の壁面の底の方に取りつけられている。液面レベル検出器20は、タンク2の壁面に直角方向に、タンク2の外部から内部のウォッシャ液(タンク2内に溜められた液体)内に突出するように取り付けられている。
ウォッシャ液の残量が少なくなると、液面レベル検出器20内のリードスイッチ(磁石の磁界を検出するセンサ)4の接点がオンして、車両の計器板内のインジケータ(警報手段)に警報を出させるものである。
液面レベル検出器20は、ポリプロピレン(PP)等からなるハウジング1を有する。このハウジング1は、タンク2に設けた取付け孔2a内にゴム製のグロメット3を介して固定されている。
ハウジング1の収納部1bの内部には、磁力により電気接点がON、OFFするリードスイッチ4が配置されている。リードスイッチ4の両端には、該リードスイッチ4に一体となったリード4aが延伸している。リード4aは、リード線5を介して、金属板よりなる端子部6aに半田付けで接続されている。
端子部6aは、コネクタ6内に内蔵されており、タンク2の外部に一部が延伸している。ハウジング1は、タンク2の内外の境目に取り付けられたハウジング基部となる本体部1aを有し、この本体部1aの外側がグロメット3を介して、タンク2の取付け孔2aの内周面に隣接している。
また、本体部1aの内周側にはコネクタ6がOリング7を介して圧入されている。樹脂製の本体部1a内には、端子部6aがインサートモールドされている。ハウジング1には、本体部1aから連続して、タンク2内部に延伸する棒状の収納部1bが樹脂成型されている。
この収納部1bの中空部1b1内に、リードスイッチ4とリード線5が収納されている。そして、収納部1bの軸方向とリードスイッチ4の軸方向とが一致している。そして、円筒状のハウジング1の本体部1a内に、コネクタ6が圧入され、熱かしめで固定されている。Oリング7は、コネクタ6とハウジング1との間のシールを行っている。
フロート8は、発泡剤を混ぜて発泡成形されたポリプロピレン(PP)製のものからなる。フロート8は、全体として水に浮く軽さの中空体からなる。また、フロート8は、内部に断面が長円形の挿入孔8a(図4)を有する。挿入孔8aの長い内径DL方向が、液面上昇下降方向(天地方向)となる。挿入孔8a内に収納部1bが貫通して、フロート8がハウジング1の収納部1bに取り付けられている。
フロート8の挿入孔8aとフロート8の外側上部との間に、磁石9が保持されている。また、フロート8の挿入孔8aとフロート8の外側下部との間に、フロート8が収納部1bから抜けるのを防止するために、ストッパ部8sがフロート8と一体に形成されている。
磁石9は、熱かしめでフロート8と一体に結合されている。収納部1bが挿入孔8aに挿入された後、ストッパ部8sに収納部1bが係止されて、フロート8が液面上昇方向Y1に抜けないようになっている。
挿入孔8aの断面形状は、長い内径DL(図4の長軸)方向と短い内径DS(短軸)方向を持つ形状で、短い内径DSが7mm程度であり、収納部1bの外径より大きくされている。ウォッシャタンク2内の液面の高さ(液面レベル)に応じて、フロート8の挿入孔8aの長い内径DLだけ、フロート8が図2の状態から図3の状態に上下に平行移動することが可能となっている。また、挿入孔8aはフロート8の一端から他端までに亘って該フロート8を貫通するように形成されている。
図4に示すように、フロート8のストッパ部8s側に、本体部1a側の端部8e1から始まり、ストッパ部8sにかけて切り込まれた下部スリット8bが形成されている。この下部スリット8bは、挿入孔8aと連通している。
下部スリット8bの液面上昇側には、挿入孔8aを挟んで、上部スリット8cが形成されている。上部スリット8cも本体部1a側の端部8e2から始まる切り込みとして形成されている。下部スリット8bは、上部スリット8cよりも長さが長くされている。なお、これらのスリット8b、8cは、フロートを成形するときに成形型を用いて成型されている。
図1において、丸棒状の収納部の先端部(直径6mm)には、係止壁部1cが固着されている。収納部1bの先端部に設けたピン状の突起に、係止壁部1cを挿入して、ピン状の突起を熱カシメしてカシメ部1dが形成されている。
係止壁部1cの本体部1a側には傾斜面1c1が形成されている。上述の下部スリット8bの長さは、係止壁部1cの傾斜面1c1の形状に合わせて設定されている。
液面レベルが高くなり、フロート8が図1のように傾くと、フロート8の先端側端面が係止壁部1cの傾斜面1c1に当接して傾く。この傾いたときに、板状の上部案内部10が、下部スリット8bの中に残っている。
上部案内部10は、ハウジング1と一体の樹脂成形品である。フロート8がストッパ部8sを支点として図1のように傾いて、フロート8が上昇して、液面の下降と共に、また下降してくるとき、フロート8の図1の紙面垂直方向のふらつきを、上部案内部10が規制する。
収納部1bを挟んで上部案内部10と対峙するように、板状の下部案内部11がハウジング1と一体に樹脂成形されている。下部案内部11は、下部スリット8bの内部に入っている。従って、フロート8の動きを、下部案内部11が規制している。
ウォッシャタンク2内の液面の上昇につれて、図3から図2、図2から図1のようにフロート8の位置が変化する。ウォッシャタンク2内に正規の量のウォッシャ液が貯留されている場合は、液面レベルがフロート8のはるか上面にあるため、フロート8が傾斜する図1の状態となる。
ウォッシャタンク2内の液面レベルが低くなり、フロート8が規定値より図3のように下がり、磁石9がリードスイッチ4に近接すると、リードスイッチ4がONする。一方、フロート8が規定値より図2のように上がると、リードスイッチ4と磁石9とが離れることで、リードスイッチ4がOFFするように設計されている。
図2の状態以上の液面レベルになった場合、図1に示すように、フロート8の下端部のストッパ部8sを支点として、フロート8が傾き、それに伴い、磁石9の位置もさらに上昇する。この傾きによる磁石9のさらなる上昇によって、リードスイッチ4と磁石9の距離を広げることが出来る。この距離の拡大の結果、磁石9からの磁界がリードスイッチ4に作用する影響を少なくできるため、外部磁界によるリードスイッチ4の誤動作を防止することが可能となる。
このように、上記一実施形態によれば、フロート8が単に上下に平行移動するときよりも、磁石9とリードスイッチ4との間の距離が離間するように、タンク2内の液面レベルの上昇によって、フロート8が傾くようにしたので、磁石9の磁界の影響で、本来リードスイッチ4がONすべきでないときにONしないようにすることができるから、外部磁界等による誤動作を防止することができる。
(その他の実施形態)
本発明は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張することができる。例えば、上述の一実施形態では、センサとしてリードスイッチ4を使用したが、これは磁界に反応してONするものであれば、その他の磁気に反応するスイッチ手段やホールIC等の種々の磁気センサを用いてもよい。
また、一実施形態では、フロート8のストッパ部8sを断面四角形としたが、断面円形のストッパ部でフロートが傾いたときの支点を形成し、フロートの傾きを円滑にしてもよい。なお、断面円形のストッパ部は、フロートを形成する発泡性の樹脂とは別の材料で形成して強度を高めても良い。
次に、収納部の先端の係止壁部1cは上記実施形態のように、熱カシメで取り付けても良いが、収納部の樹脂と一体成形されていても良い。この場合、収納部上にフロートを取り付けるときは、フロート8を捩じって収納部1b上に取り付け、再び捩じって収納部1bからフロート8が抜け落ちないようにしてもよい。
また、上下の案内部10、11は、有ったほうが好ましいが、必須のものではない。更に、ストッパ部8sは、金属のカラーを巻き付けて補強したり、心金を入れたりして補強してもよい。
次に、フロート8を円筒としたが、四角柱でもよい。また挿入孔8bの断面形状は長円形にしたが、楕円形や長方形であってもよい。また、係止壁部1cは、フロート8が収納部1bから抜けなければ、あるいは抜けないように鎖やその他の係止構造で保持できれば、無くてもよい。
また、ストッパ部8sを支点としてフロート8を傾かせ、ストッパ部8s(支点)は収納部の突出側に設けたが、ストッパ部8sを本体部1a側に設けてもよい。この場合は、図1の右側にストッパ部8sが存在し、その左側に下部スリット8bが位置することになり、フロート8の傾きは、図1の右上がりが左上がりに変更される。
1 ハウジング
1a 本体部
1b 収納部
1c 係止壁部
1c1 傾斜面
2 タンク
4 リードスイッチ(センサ)
8 フロート
8a 挿入孔
8b フロートの下部スリット
8c 上部スリット
8s ストッパ部
9 磁石
10 上部案内部
11 下部案内部
20 液面レベル検出器
D1b 収納部の外径
Y1 液面上昇側

Claims (4)

  1. 液体を貯留するタンクに保持される本体部から延伸する収納部、
    挿入孔を有し、前記液体の液面の上昇下降に伴って相対的に上下動可能に前記挿入孔に前記収納部が挿入されるフロート、
    前記フロートの上部に設けられる磁石、
    前記収納部内に設けられ、前記磁石が形成する磁界を感知することにより前記液面を検出するセンサを備え、
    前記フロートは、前記挿入孔の下方に設けられるストッパ部、および
    前記収納部の延伸方向において、前記ストッパ部と並ぶように前記挿入孔の下方に設けられ、前記フロートが、前記ストッパ部と前記収納部との当接箇所を支点として、当該延伸方向に対して上下に傾いたときに、前記収納部が通過する下部スリットを有することを特徴とする液面レベル検出器。
  2. 前記収納部の突出側先端に、係止壁部が設けられ、前記係止壁部は、前記フロートが前記当接箇所を支点として、当該延伸方向に対して上下に傾いたときに、前記収納部の延伸方向に対する前記フロートの傾斜を規制することを特徴とする請求項1に記載の液面レベル検出器。
  3. 前記下部スリット内に挿入され、前記フロートを案内する下部案内部を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の液面レベル検出器。
  4. 前記フロートは、前記挿入孔の上方に上部スリットを有し、
    前記上部スリット内に挿入され、前記フロートを案内する上部案内部を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の液面レベル検出器。
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