JP5471891B2 - 電力変換装置 - Google Patents
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Description
すなわち、半導体モジュール92は、半導体素子921を放熱板922と共に樹脂モールドするとともに、その内部に冷媒流路94となる空間を形成している。
また、電力変換装置9は、上記冷媒流路94へ冷却媒体Wを導入するための冷媒導入管951と、上記冷媒流路94から冷却媒体Wを排出するための冷媒排出管952とを、複数の半導体モジュール92の積層方向の一端に取り付けてなる。
そして、冷媒導入管951及び冷媒排出管952において、冷却媒体Wを導入、排出して、冷媒流路94に冷却媒体Wを流通させることにより、半導体素子921の冷却を行うことができる。
すなわち、冷媒導入管951及び冷媒排出管952は、複数の半導体モジュール92の積層方向の一端に配設されているため、冷媒導入管951及び冷媒排出管952に近い側(前段側)の半導体モジュール92に比べ、遠い側(後段側)の半導体モジュール92の冷媒流路における冷却媒体Wの流量が少なくなりやすい。つまり、冷媒導入管951及び冷媒排出管952から遠ざかるにつれ流路抵抗が大きくなり、後段側の半導体モジュール92の冷媒流路における冷却媒体Wの流量が少なくなりやすい。
それゆえ、最後段の半導体モジュール92へ必要最小限の冷却媒体Wを流通させようとすると、電力変換装置9全体としての冷却媒体Wの流量を多くせざるを得ない。その結果、効率的な半導体素子921の冷却を行うことが困難となる。
かかる場合、発熱量の大きい半導体素子921を備えた半導体モジュール92における冷却媒体Wの流量を、他の半導体モジュール92よりも意図的に多くすることが望まれる。しかし、上記電力変換装置9のように、同形状の半導体モジュール92を積層、連結しただけでは、冷却媒体Wの流量を半導体モジュール92ごとに意図的に異ならせることは困難である。
上記半導体モジュールは、上記半導体素子と、該半導体素子と熱的に接続された放熱板と、該放熱板の放熱面を露出させた状態で上記半導体素子及び上記放熱板を封止する封止部と、上記放熱面の法線方向に直交する方向における上記封止部の周囲に形成されると共に上記放熱面よりも上記法線方向に突出した壁部と、該壁部と上記封止部との間に形成された貫通冷媒流路とを有し、
複数の上記半導体モジュールは、上記放熱面の法線方向に積層されており、
積層方向の両端に配される上記半導体モジュールには、上記壁部における積層方向の外側の開口部を覆う蓋部が配設されており、
隣り合う上記半導体モジュールの間及び上記蓋部と上記半導体モジュールとの間であって上記壁部の内側には、上記貫通冷媒流路に連通すると共に上記放熱面に沿った沿面冷媒流路が形成されており、
上記一対の蓋部のうちの一方である前方蓋部には、上記冷却媒体を上記貫通冷媒流路及び上記沿面冷媒流路に導入、排出する、冷媒導入管及び冷媒排出管が配設されており、上記複数の半導体モジュールのうち、上記前方蓋部から遠い位置に配された上記半導体モジュールほど、上記貫通冷媒流路の流路断面積が大きく、
積層方向に連結された複数の上記貫通冷媒流路は、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管が設けられた上記前方蓋部から、その反対側の上記蓋部である後方蓋部へ向かって流路断面積が大きくなるよう形成されていることを特徴とする電力変換装置にある(請求項1)。
その結果、電力変換装置全体として、効率的な半導体素子の冷却を行うことが可能となる。
その結果、電力変換装置全体として、効率的な半導体素子の冷却を行うことが可能となる。
また、上記半導体モジュールにおける上記放熱板は、上記半導体素子を両側から狭持する状態で配設されていることが好ましいが、上記半導体素子の一方の面側のみに配設されていてもよい。
この場合には、それぞれの電力変換回路を構成する上記複数の半導体モジュールごとの発熱量に応じて冷却媒体の流量を調整することができ、それぞれの電力変換回路を構成する上記複数の半導体モジュールの発熱量に適した効率的な半導体素子の冷却を行うことが可能となる。
この場合には、上記貫通冷媒流路を流れる冷却媒体による上記封止部材を介した半導体素子の冷却をより効率的に行うことができる。
この場合には、上記挿入部材によって、上記貫通冷媒流路の流路断面積を容易に調整することができる。その結果、例えば、同形状の半導体モジュールを複数用意しておき、その中の一部の半導体モジュールに上記挿入部材を挿入して上記貫通冷媒流路の流路断面積を異ならせることができる。これにより、電力変換装置の生産効率の向上及びコスト低減を図ることができる。
本発明の実施例にかかる電力変換装置につき、図1〜図4を用いて説明する。
本例の電力変換装置1は、図1、図2に示すごとく、半導体素子21を内蔵した半導体モジュール2を複数個積層して構成される。
隣り合う半導体モジュール2の間及び蓋部3と半導体モジュール2との間であって壁部24の内側には、貫通冷媒流路41に連通すると共に放熱面221に沿った沿面冷媒流路42が形成されている。
複数の半導体モジュール2のうちの少なくとも一つは、他の半導体モジュール2に対して、貫通冷媒流路41の流路断面積が異なる。
半導体モジュール2は、図2、図3に示すごとく、2個の半導体素子21を備えている。具体的には、半導体モジュール2に内蔵された半導体素子21の一方は、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)等からなるスイッチング素子であり、他方は、スイッチング素子に逆並列接続されたFWD(フリーホイールダイオード)等のダイオードである(図4参照)。
また、放熱面221の法線方向に直交する方向の全周にわたって封止部23を囲むように、樹脂製の壁部24が形成されている。
また、壁部24は、一対の放熱面221よりも、放熱面221の法線方向に突出している。
すなわち、前方蓋部30に近い側に配された半導体モジュール2の流路断面積を、図3(A)に示すごとく、貫通冷媒流路41を形成する壁部24の横方向外側に配される部分の厚みを大きくして、流路断面積を狭く形成する。また、前方蓋部30から遠い半導体モジュール2の流路断面積を、図3(B)に示すごとく、貫通冷媒流路41を形成する壁部24の横方向外側に配される部分の厚みを小さくして、流路断面積を広く形成する。
また、本例においては、貫通冷媒流路41は、半導体素子21との並列方向及び流路方向の双方に直交する方向(高さ方向)の半導体素子21に対する位置(高さ方向両端の位置)が一定となるように構成してある。
なお、図1、図2においては、半導体モジュール2を3個積層した図を示しているが、実際の電力変換装置1は、より多数の半導体モジュール2を積層してなり、その積層数は特に限定されるものではない。
なお、蓋部3、冷媒導入管51及び冷媒排出管52は、金属製、或いはセラミック製等、他の材質とすることもできる。
なお、冷却媒体Wとしては、例えば、水やアンモニア等の自然冷媒、エチレングリコール系の不凍液を混入した水、フロリナート等のフッ化炭素系冷媒、HCFC123、HFC134a等のフロン系冷媒、メタノール、アルコール等のアルコール系冷媒、アセトン等のケトン系冷媒等を用いることができる。
電力変換装置1において、複数の半導体モジュール2のうちの少なくとも一つは、他の半導体モジュール2に対して、貫通冷媒流路41の流路断面積が異なる。つまり、すべての半導体モジュール2における貫通冷媒流路41の流路断面積が同等となっているわけではない。これにより、各半導体モジュール2における貫通冷媒流路41の流路抵抗を適宜調整することが可能となる。それゆえ、各半導体モジュール2における貫通冷媒流路41及び沿面冷媒流路42に供給される冷却媒体Wの流量を調整することが可能となる。その結果、効率的な半導体素子21の冷却を行うことが可能となる。
そのため、配置の関係上、冷却媒体Wの流量が少なくなりやすい半導体モジュール2における貫通冷媒流路41の流路断面積を大きくすることにより、複数の半導体モジュール2上記冷却媒体Wの流量のばらつきを抑制することができる。
その結果、電力変換装置1全体として、効率的な半導体素子21の冷却を行うことが可能となる。
その結果、電力変換装置1全体として、効率的な半導体素子21の冷却を行うことが可能となる。
本例は、図5〜図7に示すごとく、複数の半導体モジュール2における貫通冷媒流路41の流路断面積の異ならせ方を種々変更した例である。
例えば、図5に示すごとく、貫通冷媒流路41の封止部23の横方向の幅を半導体モジュール2ごとに変更することにより、貫通冷媒流路41の横方向の幅を異ならせ、流路断面積を異ならせることができる。また、同図の破線は、図2のC−C線矢視の断面図に相当する断面の貫通冷媒流路41の輪郭を示す。なお、図6〜図9における破線も同様である。
その他は、実施例1と同様であり、本例の場合にも、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図8、図9に示すごとく、複数の半導体モジュール2の貫通冷媒流路41の流路断面積の異ならせ方を上記実施例1及び実施例2とは別の構成をなした例である。
以下に、図8、図9に示す半導体モジュール2の貫通冷媒流路41の流路断面積の構成について、説明する。
さらに、図9に示すごとく、貫通冷媒流路41の天井面414の高さ方向の位置を変更することにより、流路断面積を狭く形成することができる。
その他は、実施例1と同様であり、本例の場合にも、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図10に示すごとく、貫通冷媒流路41の形状を楕円形又は円形に形成し、その形状を半導体モジュール2ごとに異ならせることにより、貫通冷媒流路41の流路断面積の異ならせた例である。
以下に、図10に示す半導体モジュール2の貫通冷媒流路41の流路断面積の構成について、説明する。
その他は、実施例1と同様であり、同様の作用効果を有する。
本例は、図11、図12に示すごとく、内蔵する半導体素子21の発熱量が異なる複数の半導体モジュール2を備えた電力変換装置1の例である。
そして、発熱量が大きい半導体素子21を内蔵した半導体モジュール2は、他の半導体モジュール2よりも、貫通冷媒流路41の流路断面積を大きく形成してなる。
その他は、実施例1と同様である。
上記2つのインバータ12A及び12Bは、互いに異なる回転電機102A、102Bに接続している。
ここで、一般に回生用の回転電機102A用のインバータ12Aよりも、駆動用の回転電機102B用のインバータ12Bを構成するスイッチング素子(半導体素子21)の方が発熱量は大きいものとされる。
しかも、本例では、インバータ12Bを構成する半導体モジュール2を前方蓋部30に近い側に配置してある。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
本例は、図13、図14に示すごとく、複数の半導体モジュール2のうち一部における貫通冷媒流路41が、封止部23及び壁部24とは別体の挿入部材6によって、一部の流路内壁面411を構成されている例である。
挿入部材6は、所定の厚みを有する板状体からなる。また、挿入部材6は貫通冷媒流路41と略同等の高さを有すると共に、各半導体モジュール2の貫通冷媒流路41の積層方向の寸法の約3倍の長さを有する。ここで、挿入部材6は、例えば、樹脂によって構成することができる。
一方、インバータ12Bを構成する半導体モジュール2には挿入部材6は配置していない。
その他は、実施例1と同様である。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
2 半導体モジュール
21 半導体素子
22 放熱板
23 封止部
24 壁部
3 蓋部
41 貫通冷媒流路
42 沿面冷媒流路
Claims (3)
- 半導体素子を内蔵した半導体モジュールを複数個積層して構成してなる電力変換装置であって、
上記半導体モジュールは、上記半導体素子と、該半導体素子と熱的に接続された放熱板と、該放熱板の放熱面を露出させた状態で上記半導体素子及び上記放熱板を封止する封止部と、上記放熱面の法線方向に直交する方向における上記封止部の周囲に形成されると共に上記放熱面よりも上記法線方向に突出した壁部と、該壁部と上記封止部との間に形成された貫通冷媒流路とを有し、
複数の上記半導体モジュールは、上記放熱面の法線方向に積層されており、
積層方向の両端に配される上記半導体モジュールには、上記壁部における積層方向の外側の開口部を覆う蓋部が配設されており、
隣り合う上記半導体モジュールの間及び上記蓋部と上記半導体モジュールとの間であって上記壁部の内側には、上記貫通冷媒流路に連通すると共に上記放熱面に沿った沿面冷媒流路が形成されており、
上記一対の蓋部のうちの一方である前方蓋部には、上記冷却媒体を上記貫通冷媒流路及び上記沿面冷媒流路に導入、排出する、冷媒導入管及び冷媒排出管が配設されており、上記複数の半導体モジュールのうち、上記前方蓋部から遠い位置に配された上記半導体モジュールほど、上記貫通冷媒流路の流路断面積が大きく、
積層方向に連結された複数の上記貫通冷媒流路は、上記冷媒導入管及び上記冷媒排出管が設けられた上記前方蓋部から、その反対側の上記蓋部である後方蓋部へ向かって流路断面積が大きくなるよう形成されていることを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1に記載の電力変換装置において、上記複数の半導体モジュールにおける上記貫通冷媒流路は、上記半導体素子との並列方向及び流路方向の双方に直交する方向の上記半導体素子に対する位置が一定であることを特徴とする電力変換装置。
- 請求項1又は2に記載の電力変換装置において、上記複数の半導体モジュールのうちの一部における上記貫通冷媒流路は、上記封止部及び上記壁部とは別体の挿入部材によって、少なくとも一部の流路内壁面を構成していることを特徴とする電力変換装置。
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