JP5471803B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力源から電力が供給され、上下に直列接続される複数のスイッチング素子と、これらのスイッチング素子を駆動する駆動回路とを備える電力変換装置に関する。
平滑を行うためのコンデンサ(以下では単に「平滑コンデンサ」と呼ぶ。)に蓄積された電荷を放電(放出)させる手段として、従来ではスイッチング素子に流れる電流が過電流となる前に1以上のスイッチング素子をオフにしたり、スイッチング素子のオン電圧を過電流とならない電圧に低減したりする技術の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。
特開2009−232620号公報
しかし、特許文献1の技術では、単に高い電圧を供給する電源(VH)から低い電圧を供給する電源(VL)に切り換え、上下に直列接続された全てのスイッチング素子について同時にオン/オフの制御を行うに過ぎない。上下に直列接続されたスイッチング素子が同時にオンになったときには、何らかの要因(例えば部品故障や断線等)によってスイッチング素子が過熱したり、過電流が流れたりする場合もあり得る。この場合には、スイッチング素子等を含めて電力変換装置が損傷する可能性がある。
また、上下に直列接続されたスイッチング素子について同時にオン/オフの制御を行う場合、次の問題点がある。第1点は、電流をコントロールする為にゲート電圧を調整しても、スイッチング素子のばらつき(個体差)でスイッチング素子に引加される電圧値がばらつき、放電電流もばらつき、短絡、過電流の制限値を設定することが出来ない。第2点は、上下に直列接続された個々のスイッチング素子で発熱が分散されてしまう為、上下のスイッチング素子ともに過熱保護の手段を設置しなければならず、また過熱の制限値も設定することが出来ない。
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、平滑コンデンサに蓄積された電荷を放電させる場合、スイッチング素子等の損傷を防止するとともに、過電流や過熱の要因となるスイッチング素子を特定することで過電流や過熱をより確実に防止する電力変換装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1,2に記載の発明は、電力源から電力が供給され、上下に直列接続されて前記電力を変換する複数のスイッチング素子と、前記電力を受けて作動して前記複数のスイッチング素子を駆動する通常時駆動回路と、を備える電力変換装置において、前記電力源とは別個に設けられ、通常時および放電時のうちで少なくとも前記放電時には電力を供給するバックアップ電源と、前記放電時に前記バックアップ電源から供給される電力を受けて作動し、上下に直列接続されたスイッチング素子のうちで一方のスイッチング素子を前記通常時駆動回路が出力する駆動信号よりもオン期間(すなわちスイッチング素子がオン駆動される期間)を短くしてオン/オフ駆動し、他方のスイッチング素子を常時オンして、平滑コンデンサに蓄積された電荷を放電する放電時駆動回路と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、複数のスイッチング素子を駆動する回路として、通常時駆動回路のほかに放電時駆動回路を備える。バックアップ電源から供給される電力を受けて作動する放電時駆動回路は、上下に直列接続されたスイッチング素子のうちで一方のスイッチング素子を通常時駆動回路が出力する駆動信号よりもオン期間を短くしてオン/オフ駆動し、他方のスイッチング素子を常時オンするように駆動する制御を行う。
スイッチング素子は「オン/オフを繰り返すと熱(温度上昇)しやすい」という特性があるので、オン/オフ駆動を行う一方のスイッチング素子で熱が発生する。そこで、他方のスイッチング素子を常時オンするように駆動することにより、熱の発生を一方のスイッチング素子に集中させ、許容温度値を超えて過熱しないように制御できる。なお放電を早期に終わらせるためには、スイッチング素子を完全飽和させる制御電圧(以下では単に「飽和電圧」と呼ぶ。)で常時オンするのが望ましい。
またスイッチング素子は「制御電圧に応じて電流が変化する」という特性があるので、オン/オフ駆動によるオン期間には電流が流れる。ところが、何らかの要因によってオン期間に流れる電流が許容電流値を超えて過電流になる可能性がある。そこで、通常時駆動回路が出力する駆動信号よりもオン期間を短く制御し、スイッチング素子に過電流が流れる確率を低く抑えることができる。オン期間を短くするにつれて過電流が流れる確率も低くなるので、スイッチング素子をオンに駆動できる最短のオン期間(スイッチング素子の種類や個体にもよるが例えば5〜20[μs]等;以下では単に「極小期間」と呼ぶ。)で駆動するのが望ましい。極小期間でのオン駆動は、放電開始時や、当該放電開始時から所定期間で行うのが望ましい。
したがって、平滑コンデンサを放電させる場合、熱の発生を少なく抑えるとともに電流を少なく抑えられるので、スイッチング素子等の損傷を防止することができる。電力源が停止した場合でも実現されるので、フェールセーフ機能を向上できる。過電流や過熱の要因となるスイッチング素子を一方のスイッチング素子に特定するので、過電流や過熱をより確実に防止することができる。
なお、「電力源」は例えば電力を供給可能な直流電源(バッテリー等),システム電源,コンバータ回路などが該当する。「通常時」は出力機器に出力する通常の電力変換を行う時期や期間を意味し、「放電時」は電力変換を行わずに平滑コンデンサに蓄積された電荷の放電を行う時期や期間を意味する。よって、通常時と放電時とが同時期になることはない。「スイッチング素子」にはスイッチング機能を奏する任意の半導体素子を用いることができ、例えばFET(具体的にはMOSFET,JFET,MESFET等)、IGBT、GTO、パワートランジスタ等が該当する。「平滑コンデンサ」には平滑機能を実現するために電荷の蓄積と放電(放出)が可能な任意の回路素子を用いることができ、キャパシタ等の蓄放電手段を含む。「通常時駆動回路」はスイッチング素子ごとに対応して備える必要があるが、「放電時駆動回路」は電力変換装置内に一以上を備えればよい。
請求項に記載の発明は、さらに前記放電時駆動回路は、前記スイッチング素子に流れる電流を検出するにあたってピーク電流値を一時的に保持するピークホールド部と、前記ピークホールド部によって保持される前記ピーク電流値に基づいて、前記複数のスイッチング素子を個別に駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成部と、を含むことを特徴とする。通常時駆動回路が出力する駆動信号よりもオン期間を短くしてオン/オフ駆動を行うと、スイッチング素子に流れる電流(特に最大値を示すピーク電流値)を正確に検出できない場合がある。この構成によれば、ピークホールド部がスイッチング素子に流れる電流のピーク電流値を一時的に保持するので、オン期間がどんなに短くてもピーク電流値を正確に検出することができる。こうして保持されたピーク電流値に基づいて、駆動信号生成部が駆動信号を生成するので、過電流をより確実に防止することができる。
請求項に記載の発明は、さらに前記放電時駆動回路は、前記スイッチング素子に流れる電流を検出するにあたってピーク電流値を一時的に保持するピークホールド部と、搬送波を生成する搬送波生成部と、前記ピークホールド部によって保持される前記ピーク電流値と、前記搬送波生成部によって生成される前記搬送波とに基づいて、前記搬送波の周波数に応じたパルス幅のパルス信号を生成するパルス信号生成部と、前記パルス信号生成部によって生成されるパルス信号に基づいて、前記複数のスイッチング素子を個別に駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成部と、を含むことを特徴とする。この構成によれば、ピークホールド部によって保持されるピーク電流値は一定値で維持されるので、パルス信号生成部は搬送波と基本波とが交差するタイミングでオン/オフが切り換わるパルス信号を生成する。搬送波を一定の周波数で生成することによって、生成されるパルス信号の時間精度が向上する。このパルス信号に基づいて生成する駆動信号によって一方のスイッチング素子をオン/オフ駆動するので、過電流や過熱をより確実に防止することができる。
請求項に記載の発明は、前記搬送波生成部は、前記通常時駆動回路が出力する駆動信号の周波数よりも高い周波数で前記搬送波を生成することを特徴とする。この構成によれば、周波数が高くなるにつれてパルス信号の時間精度も向上してゆくので、通常時駆動回路が出力する駆動信号の周波数よりも高い周波数で搬送波を生成することで、過電流や過熱をさらに確実に防止することができる。
請求項に記載の発明は、前記放電時駆動回路は、前記一方のスイッチング素子に対して行うオン/オフ駆動のオン期間を、時間の経過とともに長くするソフトスタート部を含むことを特徴とする。この構成によれば、ソフトスタート部はオン/オフ駆動のオン期間を時間の経過とともに長くするので、放電電流が流れやすくなる。したがって、過電流や過熱を防止しながら、放電期間を短くすることができる。
電力変換装置の構成例を模式的に示す図である。 スイッチング素子の構成例を示す回路図である。 放電時駆動回路の構成例を模式的に示す図である。 放電時の第1作動例について経時的変化を示すタイムチャートである。 インバータ回路への適用例を示す図である。 コンバータ回路への適用例を示す図である。 放電時の第2作動例について経時的変化を示すタイムチャートである。
以下では、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的な接続を意味する。また、連続符号は記号「〜」を用いて簡略化する。例えば「スイッチング素子Q1〜Q6」は「スイッチング素子Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6」を意味する。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。電力変換装置で変換した電力を出力する「出力機器」は任意に適用可能であるが、その一例として車両用の発電電動機(エンジン始動および発電の双方が行える機器)を適用した場合を説明する。
〔実施の形態1〕
実施の形態1は、本発明を実現する電力変換装置の構成例について、図1〜図4を参照しながら説明する。図1には電力変換装置の第1構成例を模式的に示す。図2にはスイッチング素子の具体的な構成例を回路図で示す。図3には放電時駆動回路の構成例を模式的に示す。図4には放電時の第1作動例について経時的変化をタイムチャートで示す。
まず、電力変換装置の構成例について、図1を参照しながら説明する。図1に示す電力変換装置は、電力源Esから供給される電力を変換して出力する機能を担う。この電力変換装置は、通常時駆動回路Mu,Md、放電時駆動回路Mb、スイッチング素子Qu,Qd、ダイオードDu,Ddなどを有する。これらの要素のうち、通常時駆動回路Muはスイッチング素子Quに対応して備え、通常時駆動回路Mdはスイッチング素子Qdに対応して備える。これに対して放電時駆動回路Mbは、上下に直列接続されるスイッチング素子Qu,Qdを1組として、1組ごとに対応して備える。他の要素については、電力変換装置内に一以上を備えていればよい。
電力源Esとバックアップ電源Ebとは、別個の電力供給源である。電力源Esは、例えば直流電源(バッテリー等),システム電源,コンバータ回路などが該当する。バックアップ電源Ebは、電力源Esと並行して常時に電力を供給する構成と、何らかの遮断要因(例えば電力供給用ケーブルの断線等)によって電力源Esから電力が供給できなくなる事態が発生したときに非常用の電力を供給する構成とのうちで、一方または双方の構成が該当する。後者の構成は、例えば図示する平滑コンデンサCavに蓄積された電荷(すなわち電力)を供給源として、所要の電圧や電流に変換して供給する。
平滑コンデンサCavは、電力源Esから供給される電力(特に電圧)を平滑する機能を担う。電荷の蓄積と放電(放出)が可能な素子であればよく、他には例えばキャパシタ等を適用してもよい。この平滑コンデンサCavの接続位置は任意であり、電力変換装置内のみならず、電力源Es内や、電力源Esと電力変換装置との間等でもよい、
通常時駆動回路Mu,Mdは、それぞれ通常時(出力機器に出力するために電力変換を行う時期)に駆動され、コントローラCUから端子Pu,Pdに入力される指令信号に基づいて駆動信号をスイッチング素子Qu,Qdの制御端子(例えばゲート端子やベース端子等)に出力し、当該スイッチング素子Qu,Qdのオン/オフを個別に制御する。この通常時駆動回路Mu,Mdは、図示しない通常時駆動用電源から供給される電力(電圧Vs)を受けて作動する。この通常駆動用電源は安定化回路等を含み、例えば電力源Es等から供給される電力を受けて、通常時駆動回路Mu,Mdが作動可能な電力(電圧や電流)に変換して安定的に供給する。駆動信号にはスイッチング素子を駆動可能な任意の信号を適用することができ、例えばパルス幅変調信号(PWM)やパルス周波数変調信号(PFM)などが該当する。
放電時駆動回路Mbは、放電時(通常時以外の時期であって平滑コンデンサCavに蓄積された電荷の放電を行う時期)に駆動され、駆動信号をスイッチング素子Qu,Qdの各制御端子(ゲート端子)に出力し、当該スイッチング素子Qu,Qdのオン/オフを個別に制御する。この放電時駆動回路Mbは、バックアップ電源Ebから供給される電力(電圧Vb)を受けて作動し、搬送波生成部Mb1,パルス信号生成部Mb2,駆動信号生成部Mb3,ソフトスタート部Mb4,ピークホールド部Mb5などを備える。各要素の具体的な機能作用については後述する(図3を参照)。
放電時駆動回路Mbが出力する駆動信号は、コントローラCUから端子Pbに入力される指令信号に基づいて行う構成と、放電時駆動回路Mbが自らの判断に基づいて行う構成(以下では「能動構成」と呼ぶ。)のうちで一方または双方で実現する。能動構成は、例えば二点鎖線で図示するように、通常時駆動回路Mu,Mdに供給される電力(電圧Vs)を監視し、当該電力(電圧Vs)が通常値から変化して所定閾値(例えば3[V]等)に達すると、自発的に駆動信号をスイッチング素子Qu,Qdに出力する。
スイッチング素子Qu,Qdは上下に直列接続され、オン/オフのスイッチングによって電力を変換する機能を担う。スイッチング素子Qu,Qdには、例えばIGBTやパワートランジスタ等のようにスイッチング機能を有する半導体素子を用いる。本発明を実現するうえで、スイッチング素子Qu,Qdを含む具体的な回路例については後述する(図2を参照)。ダイオードDu,Ddは、スイッチング素子Qu,Qdの入力端子(例えばソース端子やコレクタ端子等)と出力端子(例えばドレイン端子やエミッタ端子等)との間に並列接続され、いずれも還流(フリーホイール)ダイオードとして機能する。
コントローラCUは、上述した電力変換装置や、他の装置や回路等について全体の作動を司る機能を担う。この機能を実現する限りにおいてコントローラCUの構成は任意であり、例えば車両に搭載する電子制御ユニット(ECU)が該当する。図1の例では、通常時駆動回路Muや放電時駆動回路Mbに対して個別に指令信号を伝達し、スイッチング素子Qu,Qdのオン/オフを駆動させる。
上述したスイッチング素子Qu,Qdを含む具体的な回路例について、図2を参照しながら説明する。図2には、スイッチング素子Qnを中心とする回路例を示す。スイッチング素子Qnはスイッチング素子Quやスイッチング素子Qdを個々に代表する。同様にして、ダイオードDnはダイオードDuやダイオードDdを個々に代表する。なお、後述する図5や図6に示すスイッチング素子およびダイオードについても同様である。
図1に示すスイッチング素子Qu,Qdに対するダイオードDu,Ddと同様にして、スイッチング素子Qnの入力端子(例えばソース端子やコレクタ端子等)と出力端子(例えばドレイン端子やエミッタ端子等)との間にはダイオードDnが並列接続される。感温ダイオードDtnは、スイッチング素子Qnの内部に備えるか、あるいはスイッチング素子Qnの表面(一以上の面)に接触させて用いられる。スイッチング素子Qnに備えるセンス端子Psnと出力端子との間には、抵抗器Rnを接続する。
感温ダイオードDtnは、温度に応じて端子間電圧(電圧Vtn)が変化する一以上のダイオードを直列接続して構成される。この感温ダイオードDtnは、アノード側を電力供給源(例えばバックアップ電源Eb等)に接続し、カソード側をスイッチング素子Qnの出力端子に接続する。感温ダイオードDtnには電力供給源から定電流が供給され、感温ダイオードDtnの両端にかかる電圧Vtnは温度Tnに相関する。
スイッチング素子Qnの制御端子(例えばゲート端子等やベース端子)と出力端子との間には、スイッチング素子Qnを駆動させるために制御電圧Vgnを印加する。制御電圧Vgnの大きさに応じて、スイッチング素子Qnの入力端子から出力端子を経て流れる電流Iの大きさが変化し、さらにセンス端子Psnから流れるセンス電流Isnの大きさも変化する。センス電流Isnが流れる抵抗器Rnの両端には、当該センス電流Isnと相関するセンス電圧Vsnが生じる。このセンス電圧Vsnは、スイッチング素子Qnを流れる電流のピーク電流値を表す指標としてピークホールド部Mb5に入力される。
次に、放電時駆動回路Mbの具体的な構成例について、図3を参照しながら説明する。図3に示す構成例は、「一方のスイッチング素子」に上アームのスイッチング素子Quを適用し、「他方のスイッチング素子」に下アームのスイッチング素子Qdを適用した例である(図4についても同様)。なお、図3には説明に必要な要素のみを図示する。
搬送波生成部Mb1は、搬送波となる搬送波信号Sb1を生成し、パルス信号生成部Mb2に出力する。搬送波には任意の波形が適用可能であり、例えば三角波,正弦波(余弦波),ノコギリ波などが該当する。単波に限らず、二以上の波形を合成した合成波を用いてもよい。電流Iや温度T等の切換条件に応じて、波形を切り換える構成としてもよい。平滑コンデンサCavや外部環境等に応じて適切な波形を選択するのが望ましい。搬送波の周波数は任意に設定可能であるが、通常時駆動回路Mu,Mdが出力する駆動信号の周波数よりも高い周波数で搬送波信号Sb1を生成するのが望ましい。
パルス信号生成部Mb2は、二つの信号に基づいてパルス信号Sb5を生成し、駆動信号生成部Mb3に出力する。パルス信号Sb5はパルス幅変調信号(PWM)であるが、パルス周波数変調信号(PFM)を生成してもよい。二つの信号のうちで、一方の信号は搬送波信号Sb1である。他方の信号はソフトスタート部Mb4やピークホールド部Mb5から出力される信号に基づく基本波信号Sb4であり、詳細は後述する。
駆動信号生成部Mb3は、パルス信号Sb5に基づいて、複数のスイッチング素子Qu,Qdを個別に駆動する駆動信号S1,S2を生成して伝達する。この駆動信号生成部Mb3には、パルス信号Sb5を分周する分周機能や、スイッチング素子の制御電圧となるパルス信号Sb5のピーク電圧値を変化させる電圧変化機能などを備えてもよい。
ソフトスタート部Mb4は、オン期間(図3の例ではスイッチング素子Quがオン駆動される期間)を時間の経過とともに長くするための期間変更信号Sb2を出力する。期間変更信号Sb2の波形は、オン期間が次第に長くなるようにする波形であれば、任意に設定可能である。例えば初期電圧を「Vo」とし、時間を「t」とする減衰曲線式〔Vo・e−t〕に従う波形などが該当する。
ピークホールド部Mb5は、上下に直列接続されたスイッチング素子Qu,Qdに流れる電流Iのピーク電流値を一時的に保持し、ピーク電流値に対応するピーク電流値信号Sb3を出力する。ピーク電流値の保持は、無期限としてもよく、保持期間を設定してもよい。後者の保持期間を設定する場合は、例えば1〜100[ms]等が該当する。保持期間は、電流Iや温度T等の条件に従って放電時に伸縮させる構成としてもよい。
基本波信号Sb4について説明する。この基本波信号Sb4は、ソフトスタート部Mb4が出力する期間変更信号Sb2のみとしてもよく、ピークホールド部Mb5が出力するピーク電流値信号Sb3のみとしてもよく、期間変更信号Sb2とピーク電流値信号Sb3とを合成した信号としてもよい。ソフトスタート部Mb4とピークホールド部Mb5が信号を出力するタイミング(期間)をずらすと、単独信号になる(図4を参照)。
図3の構成例では、ダイオードDb1とダイオードDb2とを用いて、信号の逆流防止を兼ねた論理和回路を構成する。すなわち、ダイオードDb1のアノード端子をソフトスタート部Mb4の出力端子に接続し、ダイオードDb2のアノード端子をピークホールド部Mb5の出力端子に接続し、ダイオードDb1,Db2の各カソード端子を接続する接続点をパルス信号生成部Mb2の入力端子に接続する。この構成による基本波信号Sb4は、期間変更信号Sb2とピーク電流値信号Sb3とを合成した合成信号になる。
なお、搬送波生成部Mb1,パルス信号生成部Mb2,駆動信号生成部Mb3,ソフトスタート部Mb4,ピークホールド部Mb5は、いずれも各自の機能を満たす限りにおいて任意に構成できる。すなわち、CPUを中心にプログラム実行で作動する構成としてもよく、回路素子からなるハードウェアによって作動する構成としてもよい。
上述のように構成された電力変換装置の作動例について、図4を参照しながら説明する。横軸には時間を示し、経過とともに右方向に進む。縦軸には、上から順番に、電力源Esの供給電圧、通常時駆動回路Mu(Md)からスイッチング素子Qu(Qd)に伝達する駆動信号、バックアップ電源Ebの供給電圧、ソフトスタート部Mb4が出力する期間変更信号Sb2、ピークホールド部Mb5が出力するピーク電流値信号Sb3、放電時駆動回路Mbから上アームのスイッチング素子Quに伝達する駆動信号S1,S2についての各変化を示す。なお図示しないが、図3に示す搬送波生成部Mb1は所定周波数(例えば50〜200[KHz])の三角波を搬送波信号Sb1として出力する。
時刻t1までは電力源Esから電力(電圧Vs)が供給され、通常時駆動回路Mu(Md)はコントローラCUからの指令信号に基づいてスイッチング素子Qu(Qd)に駆動信号を伝達している。この駆動信号は、最大電圧を電圧Vcとし、指令された周波数Fcとするパルス信号である。電圧Vcは、閾値電圧Vtから飽和電圧Vmまでの間(すなわちVt≦Vc≦Vm)である。閾値電圧Vtは例えば7[V]であり、飽和電圧Vmは例えば15[V]である。これに対して、バックアップ電源Ebからは電力(電圧Vb)が供給されていない。そのため、放電時駆動回路Mbは作動せず、スイッチング素子Qu,Qdには駆動信号を伝達しない。
時刻t1になると、何らかの遮断要因(例えば電力供給用ケーブルの断線等)によって電力源Esから電力が供給されなくなったので、バックアップ電源Ebが電力(電圧Vb)を供給し始める。この電力の供給を受ける放電時駆動回路Mbは、スイッチング素子Qu,Qdに対して個別に駆動信号を伝達する。上アームのスイッチング素子Quに伝達する駆動信号S1は、最大電圧を閾値電圧Vtとし、オン/オフ駆動を行うためのパルス信号である。下アームのスイッチング素子Qdに伝達する駆動信号S2は、スイッチング素子Qdを常時オンさせるため、一定値の飽和電圧Vmである。
図4に示す制御例では、放電時駆動回路Mbが上アームのスイッチング素子Quに伝達する駆動信号S1は、次のように変化する。第1期間(時刻t1から時刻t2まで)、第2期間(時刻t2から時刻t3まで)、第3期間(時刻t3から時刻t4まで)に分けられ、期間ごとに以下に説明する。なお時刻t4には、基底電位Nを基準とする平滑コンデンサCav両端の電位差(VH)が低下する等の要因によって、バックアップ電源Ebから電力の供給が停止している。
第1期間は、ソフトスタート部Mb4が期間変更信号Sb2を出力するので、時刻t1の直後は極小期間(例えば5〜20[μs]等)でオンし、時間の経過とともにオン期間が次第に長くなるパルス信号となる。第2期間と第3期間は、ピークホールド部Mb5がピーク電流値信号Sb3を出力する。第2期間では電流値Ip1に対応する電圧値Vp1になり、第3期間では電流値Ip2(ただしIp2<Ip1)に対応する電圧値Vp2(ただしVp2<Vp1)になっている。そのため、第2期間は周波数Fb1のパルス信号とし、第3期間は周波数Fb1よりも高い周波数Fb2(すなわちFb2>Fb1)のパルス信号にしている。なお、各期間にかかる周波数の大小関係は一例であり、スイッチング素子Qu,Qdを流れる電流Iの大きさに応じて変わる。ただし、通常時駆動回路Mu,Mdが出力する駆動信号の周波数Fcよりも高い(すなわちFb2>Fb1>Fc)。
上述した実施の形態1によれば、以下に示す各効果を得ることができる。まず請求項1,2に対応し、少なくとも放電時には電力を供給するバックアップ電源Ebと、上下に直列接続されたスイッチング素子Qu,Qdのうちで一方のスイッチング素子Quを通常時駆動回路Mu,Mdが出力する駆動信号よりもオン期間を短くしてオン/オフ駆動し、他方のスイッチング素子Qdを常時オンするように駆動して、平滑コンデンサCavに蓄積された電荷を放電する放電時駆動回路Mbとを備える構成とした(図1,図4を参照)。この構成によれば、他方のスイッチング素子Qdを常時オンするように駆動することにより、熱の発生を一方のスイッチング素子Quに集中させるので、許容温度値を超えて過熱しないように制御できる。また、通常時駆動回路Mu,Mdが出力する駆動信号よりもオン期間を短く制御するので、スイッチング素子Qu,Qdに過電流が流れる確率を低く抑えることができる。すなわち、過電流や過熱の要因となるスイッチング素子を一方のスイッチング素子Quに特定するので、過電流や過熱をより確実に防止することができる。したがって、平滑コンデンサCavに蓄積された電荷を放電させる場合、熱の発生を少なく抑えるとともに電流を少なく抑えられるので、スイッチング素子Qu,Qd等の損傷を防止することができる。電力源Esが停止した場合でも実現されるので、フェールセーフ機能を向上できる。
請求項に対応し、さらに放電時駆動回路Mbはピークホールド部Mb5と駆動信号生成部Mb3とを含む構成とした(図3を参照)。この構成によれば、ピークホールド部Mb5がスイッチング素子Qu,Qdに流れる電流のピーク電流値を一時的に保持するので、オン期間がどんなに短くてもピーク電流値を正確に検出することができる。こうして保持されたピーク電流値に基づいて、駆動信号生成部Mb3が駆動信号を生成するので、過電流をより確実に防止することができる。
請求項に対応し、さらに放電時駆動回路Mbはピークホールド部Mb5,搬送波生成部Mb1,パルス信号生成部Mb2および駆動信号生成部Mb3を含む構成とした(図3を参照)。この構成によれば、ピークホールド部Mb5によって保持されるピーク電流値は一定値で維持されるので、パルス信号生成部Mb2は搬送波と基本波とが交差するタイミングでオン/オフが切り換わるパルス信号Sb5を生成する。このパルス信号Sb5に基づいて図4に示す駆動信号S1がスイッチング素子Quに伝達されてオン/オフ駆動される。搬送波を一定の周波数で生成することによって、生成されるパルス信号Sb5の時間精度が向上する。このパルス信号Sb5に基づいて生成する駆動信号S1によって一方のスイッチング素子Quをオン/オフ駆動するので、過電流や過熱をより確実に防止できる。
請求項に対応し、搬送波生成部Mb1は、通常時駆動回路Mu,Mdが出力する駆動信号の周波数よりも高い周波数で搬送波を生成する構成とした(図3,図4を参照)。この構成によれば、周波数が高くなるにつれてパルス信号の時間精度も向上してゆくので、通常時駆動回路Mu,Mdが出力する駆動信号の周波数よりも高い周波数で搬送波を生成することで、過電流や過熱をさらに確実に防止することができる。
請求項に対応し、放電時駆動回路Mbは、一方のスイッチング素子Quに対して行うオン/オフ駆動のオン期間を、時間の経過とともに長くするソフトスタート部Mb4を含む構成とした(図4の駆動信号S1;特に時刻t1から時刻t2までの期間を参照)。この構成によれば、ソフトスタート部Mb4はオン/オフ駆動のオン期間を時間の経過とともに長くするので、電流が流れやすくなる。したがって、過電流や過熱を防止しながら、放電期間を短くすることができる。
〔実施の形態2〕
実施の形態2は、実施の形態1で示した構成例をインバータ回路に適用した例であり、図5を参照しながら説明する。説明を簡単にするために、実施の形態2では実施の形態1と異なる点について説明する。よって、実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すインバータ回路20は、一以上の電力変換部21,22,…を有し、給電機能および送電機能のうち一方または双方の機能を実現可能に構成される。給電機能は、直流電源E1からコンバータ回路10を介して供給される直流電力(電圧VH;例えば650[V]等)を三相交流電力に変換し、対応する発電電動機31,32,…に供給する機能である。送電機能は、対応する発電電動機31,32,…が発電した三相交流電力を整流し、コンバータ回路10を介して直流電源E1に還流する機能である。直流電源E1の出力端子側には平滑用のコンデンサC1が接続される。コンバータ回路10とインバータ回路20との間や、コンバータ回路10内、あるいはインバータ回路20内のいずれかには平滑用のコンデンサC2が接続される。インバータ回路20の電力変換部21,22,…は同一構成であるので、以下では電力変換部21を代表して説明する。
電力変換部21は、通常時駆動回路M1a〜M6a、放電時駆動回路M1b〜M3b、スイッチング素子Q1〜Q6、ダイオードD1〜D6、抵抗器R1〜R6などを有する。通常時駆動回路M1a〜M3a、スイッチング素子Q1〜Q3、ダイオードD1〜D3、抵抗器R1〜R3などは上アームに配置される。通常時駆動回路M4a〜M6a、スイッチング素子Q4〜Q6、ダイオードD4〜D6、抵抗器R4〜R6などは下アームに配置される。
通常時駆動回路M1a〜M3aは、それぞれスイッチング素子Q1〜Q3の出力端子を基準電位として通常時駆動用電源から供給される電力(電圧Va)を受けて作動する。通常時駆動回路M4a〜M6aは、それぞれスイッチング素子Q4〜Q6の出力端子を基準電位として通常時駆動用電源から供給される電力(電圧Vc)を受けて作動する。これらの通常時駆動回路M1a〜M6aは、それぞれECU40から個別に端子P1a〜P6aに入力される指令信号に従って、対応するスイッチング素子Q1〜Q6の制御端子に駆動信号を出力する。
放電時駆動回路M1b〜M3bは、バックアップ電源Ebから供給される電力(電圧Vb)を受けて作動する。これらの放電時駆動回路M1b〜M3bは、それぞれECU40から個別に端子P1b〜P3bに入力される指令信号に従って、対応するスイッチング素子Q1〜Q6の制御端子に駆動信号を出力する。なお、放電時駆動回路M1b〜M3bは、電力変換部21内に一以上を備えればよい。図5の構成例ではV相内に実線で示す放電時駆動回路M2bを備えるが、U相のみ(放電時駆動回路M1b)、W相のみ(放電時駆動回路M3b)、いずれか選択する二相(例えばU相とV相)、三相全部のいずれに放電時駆動回路を備えてもよい。
通常時駆動用電源は一つ備える形態でもよく、通常時駆動回路M1a〜M6aごとに対応して複数備える形態でもよい。バックアップ電源Ebについても同様であり、図5に示すように一つ備える形態でもよく、放電時駆動回路M1b〜M3bごとに対応して複数備える形態でもよい。なお、上述した電圧Va,Vb,Vcは、同じ電圧となる場合に限らず、基準電位の相違によって異なる電圧となる場合もある。
スイッチング素子Q1〜Q6は、それぞれ図2に示すスイッチング素子Qnに相当し、例えばセンス端子Ps1〜Ps6を備えたIGBTを用いる。スイッチング素子Q1〜Q6の入力端子と出力端子との間に並列接続されるダイオードD1〜D6は、それぞれ還流(フリーホイール)ダイオードとして機能する。スイッチング素子Q2,Q4,Q6の各出力端子は、基底電位Nに接続する。センス端子Ps4〜Ps6と基底電位Nとの間は、それぞれ抵抗器R4〜R6を接続する。抵抗器R1〜R3はそれぞれ対応するスイッチング素子Q1〜Q3の各出力端子と接続する。基底電位Nは電力変換部21内で共通する電位(同電位グランド)であり、接地された場合には0[V]になる。
電力変換部21内の回路素子は、一点鎖線で囲って示すように三相(本形態ではU相,V相,W相)に分けられ、ECU40によって相ごとに作動が制御される。U相は、通常時駆動回路M1a,M4a、放電時駆動回路M1b、スイッチング素子Q1,Q4、ダイオードD1,D4、抵抗器R1,R4などで構成される。V相は、通常時駆動回路M2a,M5a、放電時駆動回路M2b、スイッチング素子Q2,Q5、ダイオードD2,D5、抵抗器R2,R5などで構成される。W相は、通常時駆動回路M3a,M6a、放電時駆動回路M3b、スイッチング素子Q3,Q6、ダイオードD3,D6、抵抗器R3,R6などで構成される。U相のスイッチング素子Q1,Q4は、上下に直列接続されてハーフブリッジを構成する。V相のスイッチング素子Q2,Q5と、W相のスイッチング素子Q3,Q6とについても同様に、上下に直列接続されてハーフブリッジを構成する。ハーフブリッジの各接続点と発電電動機31の三相端子とは、線路Ku,Kv,Kwによって相ごとに接続される。線路KuにはU相電流Iuが流れ、線路KvにはV相電流Ivが流れ、線路KwにはW相電流Iwが流れる。
ECU40は、コンバータ回路10やインバータ回路20等について全体の作動を司る。このECU40は、例えばCPU(マイコンを含む)によってソフトウェア制御を行う構成としてもよく、IC(LSIやゲートアレイ等を含む)やトランジスタ等の電子部品を用いてハードウェア制御を行う構成としてもよい。
実施の形態1との関連は次のようになる。電力変換部21は「電力変換装置」に相当する。直流電源E1,コンデンサC1およびコンバータ回路10は「電力源Es」に相当する。コンデンサC2は「平滑コンデンサCav」に相当する。上アームのスイッチング素子Q1,Q3,Q5はそれぞれ「スイッチング素子Qu」に相当し、下アームのスイッチング素子Q2,Q4,Q6はそれぞれ「スイッチング素子Qd」に相当する。ダイオードD1,D3,D5はそれぞれ「ダイオードDu」に相当し、ダイオードD2,D4,D6はそれぞれ「ダイオードDd」に相当する。通常時駆動回路M1a,M3a,M5aはそれぞれ「通常時駆動回路Mu」に相当し、通常時駆動回路M2a,M4a,M6aはそれぞれ「通常時駆動回路Md」に相当する。放電時駆動回路M1b〜M3bはそれぞれ「放電時駆動回路Mb」に相当する。ECU40は「コントローラCU」に相当する。
電力変換部21は、次のように作動する。通常時は、ECU40から端子P1a〜P6aに個別に入力される指令信号に基づいて通常時駆動回路M1a〜M6aから駆動信号がスイッチング素子Q1〜Q6の制御端子に伝達され、コンバータ回路10から供給される電力を変換し、発電電動機31に出力する。放電時は、ECU40から端子P2b,P5bに個別に入力される指令信号に基づいて、あるいは放電時駆動回路M2bが自発的に、駆動信号をスイッチング素子Q2,Q5の制御端子に個別に伝達する。すなわち図3に示すように、スイッチング素子Q2には上アームの信号を伝達し、スイッチング素子Q5には下アームの信号を伝達することで、コンデンサC2に蓄積された電荷を放電する。
上述した実施の形態2に示すインバータ回路20(電力変換部21,22,…)は、実施の形態1に示す放電時駆動回路Mbを放電時駆動回路M2bとして適用するので、当該実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
〔実施の形態3〕
実施の形態3は、実施の形態1で示した構成例をコンバータ回路に適用した例であり、図6を参照しながら説明する。なお、図示および説明を簡単にするために実施の形態3では実施の形態1と異なる点について説明する。よって実施の形態1で用いた要素と同一の要素には同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示すコンバータ回路10は、電力源Esから供給される電力(電圧VL)を昇圧して出力する昇圧機能を担う。このコンバータ回路10は、通常時駆動回路M11,M12、放電時駆動回路Mb、スイッチング素子Q11,Q12、ダイオードD11,D12、インダクタL10、抵抗器R11,R12などを有する。
通常時駆動回路M11は、スイッチング素子Q11の出力端子を基準電位として通常時駆動用電源から供給される電力(電圧Va)を受けて作動する。通常時駆動回路M12は、スイッチング素子Q12の出力端子を基準電位として通常時駆動用電源から供給される電力(電圧Vc)を受けて作動する。これらの通常時駆動回路M11,M12は、それぞれECU40から個別に端子P11,P12に入力される指令信号に従って、対応するスイッチング素子Q11,Q12の制御端子に駆動信号を出力する。
放電時駆動回路Mbは、バックアップ電源Ebから供給される電力(電圧Vb)を受けて作動する。この放電時駆動回路Mbは、ECU40から個別に端子Pbに入力される指令信号に従って、対応するスイッチング素子Q11,Q12の制御端子に駆動信号を出力する。なお電圧Va,Vb,Vcは、実施の形態2と同様に同じ電圧となる場合に限らず、基準電位の相違によって異なる電圧となる場合もある。
スイッチング素子Q11,Q12は、上下に直列接続されてハーフブリッジを構成している。このスイッチング素子Q11,Q12には、例えばセンス電流を出力するセンス端子Ps11,Ps12を備えたIGBTを用いる。センス端子Ps12と基底電位Nとの間には、抵抗器R12を接続する。抵抗器R11は、センス端子Ps11と、スイッチング素子Q12の入力端子との中間接続点との間に接続される。この中間接続点は、さらにインダクタL10を介して電力源Esのプラス電極に接続する。このインダクタL10には、例えばチョークコイルを用いる。スイッチング素子Q11,Q12の入力端子と出力端子との間に並列接続されるダイオードD11,D12は、それぞれ還流(フリーホイール)ダイオードとして機能する。スイッチング素子Q12の出力端子は、電力源Esのマイナス電極(すなわち基底電位N)に接続する。
実施の形態1との関連は次のようになる。コンバータ回路10は「電力変換装置」に相当する。スイッチング素子Q11は「スイッチング素子Qu」に相当し、スイッチング素子Q12は「スイッチング素子Qd」に相当する。ダイオードD11は「ダイオードDu」に相当し、ダイオードD12は「ダイオードDd」に相当する。通常時駆動回路M11は「通常時駆動回路Mu」に相当し、通常時駆動回路M12は「通常時駆動回路Md」に相当する。ECU40は「コントローラCU」に相当する。
図6のように構成されたコンバータ回路10では、次のように作動する。通常時は、ECU40から端子P11,P12に個別に入力される指令信号に基づいて通常時駆動回路M11,M12から駆動信号がスイッチング素子Q11,Q12の制御端子に伝達され、電力源Esから供給される電力を変換(昇圧)して出力する。放電時は、ECU40から端子Pbに入力される指令信号に基づいて、あるいは放電時駆動回路Mbが自発的に、駆動信号をスイッチング素子Q11,Q12の制御端子に個別に伝達する。すなわち図4に示すように、スイッチング素子Q11には上アームの駆動信号S1を伝達し、スイッチング素子Q12には下アームの駆動信号S2を伝達することで、平滑コンデンサCavに蓄積された電荷を放電する。
上述した実施の形態3に示すコンバータ回路10は、実施の形態1に示す放電時駆動回路Mbを適用するので、当該実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について実施の形態1〜3に従って説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
上述した実施の形態1〜3では、上アームのスイッチング素子Quをオン/オフ駆動し、下アームのスイッチング素子Qdを常時オンするように制御する構成とした(図4を参照)。この形態に代えて、下アームのスイッチング素子Qdをオン/オフ駆動し、上アームのスイッチング素子Quを常時オンするように制御する構成としてもよい。上下のスイッチング素子の入れ換えるに過ぎないので、実施の形態1〜3と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態1〜3では、一方(上アーム)のスイッチング素子Quをオン/オフ駆動し、他方(下アーム)のスイッチング素子Qdを常時オンするように制御する構成とした(図4を参照)。この形態に代えて、切換条件を満たすとき、オン/オフ駆動を行うスイッチング素子と、常時オンする駆動を行うスイッチング素子とを切り換える制御を行う構成としてもよい。切換条件は任意に設定してよい。例えば図7に示す制御例では、ピークホールド部Mb5が出力するピーク電流値信号Sb3にかかる電圧値が変化することが切換条件である。すなわち、電圧値Vp1から電圧値Vp2に低下する時刻t3になると、オン/オフ駆動を行うスイッチング素子を下アームに切り換え、常時オンするスイッチング素子を上アームに切り換えている。オン/オフ駆動を行うスイッチング素子で温度が上昇しやすいことから、切り換えを行うことによって温度上昇を低減することが可能になる。したがって、実施の形態1〜3と同様の作用効果を得ることができる。
上述した実施の形態1〜3では、電流Iを監視して駆動信号S1,S2を変化させるように制御する構成とした(図4を参照)。この形態に代えて、電流Iとともに温度Tnを監視して駆動信号S1,S2を変化させるように制御する構成としてもよい。この場合、スイッチング素子Qu,Qdを流れる電流Iが許容電流値を超えないように、かつ、スイッチング素子Quの温度Tnが許容温度値を超えないように制御できればよい。この構成でも実施の形態1〜3の場合と同様に、放電時駆動回路Mbによってスイッチング素子Quが許容温度値を超えないように保護され、スイッチング素子Qu,Qdに流れる電流が許容電流値を超えないように保護される。したがって、スイッチング素子Qu等の損傷をより確実に防止できる。
上述した実施の形態1〜3では、電力変換装置(インバータ回路20やコンバータ回路10を含む)内にバックアップ電源Ebを備える構成とした(図1,図5,図6を参照)。この形態に代えて、バックアップ電源Ebを電力変換装置の外部に備え、バックアップ電源Ebから供給される電力を接続端子等を通じて放電時駆動回路Mb(放電時駆動回路M1b〜M3bを含む)に供給する構成としてもよい。放電時に確実に電圧Vbを供給を受けることにより、平滑コンデンサCav(コンデンサC2を含む)に蓄積された電荷を放電するとともに、実施の形態1〜3と同様の作用効果を得ることができる。
Es 電力源
Eb バックアップ電源
Cav 平滑コンデンサ(キャパシタ)
Mu,Md 通常時駆動回路
Mb 放電時駆動回路
Mb1 搬送波生成部
Mb2 パルス信号生成部
Mb3 駆動信号生成部
Mb4 ソフトスタート部
Mb5 ピークホールド部
Qu,Qd スイッチング素子
CN コントローラ
10 コンバータ回路(電力変換装置)
20 インバータ回路(電力変換装置)
21,22,… 電力変換部
31,32,… 発電電動機
40 ECU(コントローラ)
C1,C2 コンデンサ(キャパシタ)
M1a〜M6a,M11,M12 通常時駆動回路
M1b〜M3b 放電時駆動回路
Q1〜Q6,Q11,Q12 スイッチング素子

Claims (4)

  1. 電力源から電力が供給され、上下に直列接続されて前記電力を変換する複数のスイッチング素子と、前記電力を受けて作動して前記複数のスイッチング素子を駆動する通常時駆動回路と、を備える電力変換装置において、
    前記電力源とは別個に設けられ、通常時および放電時のうちで少なくとも前記放電時には電力を供給するバックアップ電源と、
    前記放電時に前記バックアップ電源から供給される電力を受けて作動し、上下に直列接続されたスイッチング素子のうちで一方のスイッチング素子を前記通常時駆動回路が出力する駆動信号よりもオン期間を短くしてオン/オフ駆動し、他方のスイッチング素子を常時オンして、平滑コンデンサに蓄積された電荷を放電する放電時駆動回路とを有し
    前記放電時駆動回路は、
    前記スイッチング素子に流れる電流を検出するにあたってピーク電流値を一時的に保持するピークホールド部と、
    前記ピークホールド部によって保持される前記ピーク電流値に基づいて、前記複数のスイッチング素子を個別に駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    を含むことを特徴とする電力変換装置。
  2. 電力源から電力が供給され、上下に直列接続されて前記電力を変換する複数のスイッチング素子と、前記電力を受けて作動して前記複数のスイッチング素子を駆動する通常時駆動回路と、を備える電力変換装置において、
    前記電力源とは別個に設けられ、通常時および放電時のうちで少なくとも前記放電時には電力を供給するバックアップ電源と、
    前記放電時に前記バックアップ電源から供給される電力を受けて作動し、上下に直列接続されたスイッチング素子のうちで一方のスイッチング素子を前記通常時駆動回路が出力する駆動信号よりもオン期間を短くしてオン/オフ駆動し、他方のスイッチング素子を常時オンして、平滑コンデンサに蓄積された電荷を放電する放電時駆動回路とを有し
    前記放電時駆動回路は、
    前記スイッチング素子に流れる電流を検出するにあたってピーク電流値を一時的に保持するピークホールド部と、
    搬送波を生成する搬送波生成部と、
    前記ピークホールド部によって保持される前記ピーク電流値と、前記搬送波生成部によって生成される前記搬送波とに基づいて、前記搬送波の周波数に応じたパルス幅のパルス信号を生成するパルス信号生成部と、
    前記パルス信号生成部によって生成されるパルス信号に基づいて、前記複数のスイッチング素子を個別に駆動する駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
    を含むことを特徴とする電力変換装置。
  3. 前記搬送波生成部は、前記通常時駆動回路が出力する駆動信号の周波数よりも高い周波数で前記搬送波を生成することを特徴とする請求項に記載の電力変換装置。
  4. 前記放電時駆動回路は、前記一方のスイッチング素子に対して行うオン/オフ駆動のオン期間を、時間の経過とともに長くするソフトスタート部を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の電力変換装置。
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