JP5471338B2 - 炭素長繊維強化ポリアミド複合材料 - Google Patents

炭素長繊維強化ポリアミド複合材料 Download PDF

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Description

本発明は、炭素長繊維とポリアミド樹脂からなる複合材料に関する。詳しくは、炭素長繊維と、層状珪酸塩とナノコンポジット化されたポリアミド樹脂からなる複合材料に関する。更に詳しくは、座屈強度が著しく改善され高い曲げ強度や圧縮強度を有し、比強度が非常に高い構造材用複合材料に関する。
従来、電線被覆法を応用したガラス長繊維強化ポリアミド樹脂複合材料は知られていた(例えば、非特許文献1参照)。しかし、かかる従来技術は、ガラス繊維とポリアミド樹脂のコンパウンド材料を射出成形により成形品を得ていた。コンパウンド工程や射出成形工程でガラス繊維の折損が著しく、ガラス繊維の強度や弾性率への補強効果が低下し、構造材としての実用性能には不満足であった。
高強度・高剛性成形品を得るために、炭素繊維とポリアミド樹脂の複合材料も研究開発された。しかし、射出成形や押出成形工程で炭素繊維が折損し、その効果は要求に大幅に未達であった。また、強化繊維の折損を避けるために、成形時のせん断変形の小さい圧縮成形についても検討された。しかし、強化繊維が長くなると繊維のからみ合いが起こり、流動性が著しく低下して、大型成形品や細いリブやボス構造を有する成形品は、欠肉が起こり良好な成形品が得られなかった。
繊維の絡み合いが起こらないように、繊維のロービングを単繊維状に開繊した後、ポリアミド樹脂を含浸して、強化繊維とポリアミド樹脂からなる一軸のテープ状プリプレグを予備成形した後、加熱圧縮成形する方法も開示された(例えば、非特許文献2参照)。しかし、一般のポリアミド樹脂の場合、絶乾状態では、高い剛性や強度が得られるが、空気中の水分を吸湿しやすく、多湿状態では、剛性や強度が著しく低下して、目的とする構造材の要求には未達であった。
ポリアミド樹脂としては、吸湿率の低い、芳香族環を有するポリアミド樹脂の複合材料も、特開平05−005060(特許文献1)や特開2002−234999(特許文献2)の様に開示された。平衡吸水状態での強度や剛性低下は抑制されたが、まだ構造材としては不十分であった。
炭素長繊維強化ポリアミド樹脂は、曲げ変形を受けた場合、圧縮側で座屈しやすく、引張り強さに比較して、曲げ強さは著しく低く、炭素繊維含有率を高くしても向上せず、曲げモードの変形を受ける構造材としての要求にはかなり未達であった。
一方、非特許文献3に開示されているように、クレー系フィラーによるポリアミド6のナノコンポジット化により、弾性率や熱変形温度が改善されることが開示されている。比弾性率が改善されるが、絶対値としての強度や弾性率の改善効果は不十分であり、本発明の目的である構造材としての要求とは大きな乖離があった。
上記の特開2002−234999(特許文献2)加え、特開2004−39950(特許文献3)や特開2004−107626(特許文献4)に、炭素繊維と熱可塑性複合材料に、発明の目的を損なわない範囲で無機充填材を含有してもよいとして、無機充填材を列記した中に、層状珪酸が上げられている。しかし、層状珪酸塩が列記した他の充填材と比較して、曲げ特性や圧縮特性改善への特別な効果や特定のナノ分散の効果については全く想定されておらず、実施例にも示されていない。また、特表2008−527119(特許文献5)には、炭素系ナノ粒子を含有する成形材料に層状珪酸塩を組み込むことによって、複合材料の表面特性を親水性や疎水性にすることができると開示している。しかし、曲げ特性や圧縮特性改善への特別な効果やナノ分散の効果については、全く想定されていない。
構造材の場合、曲げ変形を受ける部品も多く、曲げや圧縮変形に強い構造材用ポリアミド複合材料について、市場の高い開発要求があった。
特開平05−005060号公報 特開2002−234999号公報 特開2004−39950号公報 特開2004−107626号公報 特表2008−527119号公報
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本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、本発明の目的は、曲げ強さや圧縮強さが飛躍的に優れた比強度の高い構造材用複合材組成物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、以下に示す手段により、上記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の構成からなる。
1.重量平均10mm以上の炭素長繊維(A)100質量部に対して、ポリアミド樹脂50〜250質量部、層状珪酸塩を0.1〜12質量部を含有することを特徴とする炭素長繊維強化ポリアミド複合材料。
2.ポリアミド樹脂が、単一モノマーから重合可能なポリアミド樹脂から選ばれた少なくとも1種以上で有ることを特徴とする1.の炭素長繊維強化ポリアミド複合材料。
3.ポリアミド樹脂が、メタキシリレンアジパミド、テレフタルアミド共重合体から選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする1.の炭素長繊維強化ポリアミド複合材料。
4.層状珪酸塩、モンモリロナイトであることを特徴とする1.2.3.のいずれかに記載の炭素長繊維強化ポリアミド複合材料。
5.ポリアミド樹脂中に、層状珪酸塩の積層方向の厚さの数平均が0.5〜10nmに分散していることを特徴とすると1.2.3.4.のいずれかに記載の炭素長繊維強化ポリアミド複合材料。
本発明により、曲げ強度や圧縮強度が飛躍的に高く、いろいろな変形モードを受ける構造材の要求を満たす複合材料を工業的に提供することができる。本発明により得られた複合材組成物を成形して得られる成形品は、自動車のフレーム部品や機械器具の構造部材やスポーツ器具などに使用される。本発明により、高い曲げ強度や圧縮強度を有する複合材組成物が提供される理由は、未だ明確でないが、母相を成すポリアミド樹脂が層状珪酸塩とナノコンポジット化されることにより、飛躍的に弾性率が高くなり、複合材が圧縮を受けた場合、強化材の炭素繊維の弾性率の差が小さくなることにより、炭素繊維が座屈しにくくなるため、炭素繊維の高い性能を有効に作用させて、圧縮強度や引張りと曲げの合成である曲げ強度が驚くほど改善されたものと考えられる。
以下、本発明を詳述する。
本発明には、重量平均繊維長が10mm以上、好ましくは30mm以上、更に好ましくは100mm以上の炭素長繊維や連続繊維が使用される。重量平均繊維長が10mm未満では、構造材としての強度が未達となり、好ましくない。機械物性上は連続繊維が好ましいが、成形時の金型内における流動性が必要なことからプリプレグとしてより短く切断されたものが使用される。炭素繊維としては、製造法に特に制限されないが、ポリアクリロニトル繊維やセルロース繊維などの繊維を空気中で200〜300℃にて処理した後、不活性ガス中で1000〜3000℃以上で焼成され炭化製造された引張り強度20t/cm以上、引張り弾性率200GPa以上の炭素繊維が好ましい。本発明に使用される単繊維径は、特に制限されないが、複合化の製造ライン工程から3〜25μmが好ましく、特に4〜15μmが好ましい。3μm未満では、含浸や脱泡が難しく、25μmを超えると、比表面積が小さくなり、複合化の効果が小さくなり好ましくない。本発明に使用される炭素繊維は、空気や硝酸による湿式酸化、乾式酸化、ヒートクリーニング、ウイスカライジングなどによる接着性改良のための処理されたものが好ましい。また本発明の複合材料製造に使用される炭素繊維は、作業工程の取り扱い性から、100℃以下で軟化する集束剤により集束されていることが好ましい。集束フィラメント数には特に制限ないが、1000〜30000フィラメント、好ましくは、3000〜25000フィラメントが好ましい。本発明に使用される炭素繊維の集束剤は特に限定されないが、炭素繊維と母相のポリアミド樹脂に高い接着力を有するウレタン系やエポキシ系集束剤が好ましい。
本発明には、炭素繊維(A)100質量部当り、ポリアミド(B)50〜250質量部、好ましくは60〜200質量部、さらに好ましくは70〜150質量部複合される。50質量部未満では、炭素繊維へのポリアミド樹脂の含浸が困難であり、また250質量部を超えると、炭素繊維による補強の効果が不十分となり、本発明の目的である構造部材としての要求を満たせず好ましくない。
本発明に使用されるポリアミド樹脂は、特に限定されないが、複合化して構造材として使用されるから、融点が100℃以上、曲げ弾性率が2GPa以上のポリアミド樹脂が好ましい。本発明の効果を発揮するには、単一モノマーから重合可能なポリアミド樹脂であるポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12や、これらを70モル%以上、好ましくは80モル%以上含むポリアミド共重合体が用いられる。特に、単一モノマーからなるポリアミド6やポリアミド11、ポリアミド12は、層状珪酸塩の層間に入れやすく、ナノコンポジットを形成しやすいので好ましい。70モル%未満のポリアミド共重合体は、結晶化速度が遅いことや、融点が低下し耐熱性が低いことや剛性が低いことから好ましくない。本発明に使用される共重合成分は特に限定されない。共重合されるジアミン成分としては、パラキシリレンジアミン、メタキシリレンジアミン、フェニレンジアミン、トルエンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンなどが例示される。また、共重合されるジカルボン酸成分としては、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−メチルテレフタル酸等が挙げられる。また6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、p−アミノメチル安息香酸などのアミノ酸や、ε―カプロラクタム、ω―ラウロラクタムなどのラクタムなどが挙げられる。
また、本発明の効果を発揮するポリアミド樹脂としては、前述の単一モノマーから重合可能なポリアミド樹脂以外に、ポリメタキシリレンアジパミドおよび/またはポリメタキシリレンアジパミド共重合体やテレフタルアミド共重合体など芳香族環を有するポリアミドが好ましい態様である。芳香族環を有するポリアミド樹脂が、期待する複合効果の顕著な理由は、未だ明確ではないが、溶融混練する際に、受けるせん断応力でポリアミド樹脂中の芳香族環が面は配向し、層状珪酸塩の薄層面と相互作用を示し、層状珪酸塩の薄層化を促進するためと考察される。本発明に使用される共重合成分は特に限定されない。共重合されるジアミン成分としては、パラキシリレンジアミン、フェニレンジアミン、トルエンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、2−メチルペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミンなどが例示される。また、共重合されるジカルボン酸成分としては、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−メチルテレフタル酸等が挙げられる。また6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、p−アミノメチル安息香酸などのアミノ酸や、ε―カプロラクタム、ω―ラウロラクタムなどのラクタムなどが挙げられる。
本発明に使用されるポリアミド樹脂の分子量は特に限定されないが、25℃において測定した98質量%硫酸の0.05g/l濃度における相対粘度が1.8〜2.8の範囲にある。やや低分子量のものが、炭素繊維への含浸性から好ましい。相対粘度が1.8未満では樹脂が脆く、本発明の効果を発揮しにくい。また2.8を超えると、溶融粘度が高くなり、炭素繊維への含浸性が低下するので好ましくない。より好ましい相対粘度は、1.9〜2.6である。)
また、本発明には、炭素繊維100質量部やポリアミド樹脂50〜250質量部当りに、層状珪酸塩が0.1から12質量部を、好ましくは、0.3〜6質量部、含有することが必要である。層状珪酸塩が0.1質量部未満では、母相の弾性率アップが小さく、曲げ強度や圧縮強度が改善されないので好ましくない。また、12質量部を超えると、母相の伸度が著しく低下し、母相の強伸度が低下し、複合材の曲げ強度や圧縮強度の改善効果を発揮することができないので好ましくない。層状珪酸塩が本発明に有効な理由は、アスペクト比が高いことと、表面積が広く、補強効果が高いこと、さらに層状構造が剥離することにより、飛躍的にこの効果が増大するためと推察される。
本発明でいう層状珪酸塩は、板状の結晶構造を有するもので、狭義には、その板状結晶間の結合力が弱く容易に剥離しやすいものである。本発明で使用される層状珪酸塩としては、天然のスメクタイトであるモンモリロナイトやハイデライト、ヘクトライト、サポナイトや、合成スメクタイトである水熱合成品のヘクトライト、サポナイトや、天然の雲母や合成雲母、フッ素雲母などが挙げられる。これらの層状珪酸塩は、ポリアミド樹脂と親和性をよくなるように有機処理されたものが好ましい。本発明におけるポリアミド樹脂中への分散性改善に対する有機処理の効果は、クロロホルムなどの極性溶媒や、ベンゼンなどの芳香族系の有機溶媒中の分散性や膨潤性がよくなることで示される。本発明の効果は、厚さに対する長さで表されるアスペクト比が高いと補強効果が大きくなり好ましいが、天然スメクタイトであるモンモリロナイトはアスペクト比が高いものが得られやすく好ましい。
本発明においては、層状珪酸塩はポリアミド樹脂中に、層状珪酸塩の積層方向の厚さの数平均が0.5〜10nmに、好ましくは、0.7〜8nmとなるように分散していることが好ましい態様である。層状珪酸塩の厚さは、0.5〜1.5nm程度であり、ポリアミド樹脂中で単層から数層の厚さに剥離または層間インターカレーションしていることが好ましい態様である。ポリアミド樹脂とは、層剥離や層間挿入法によりナノコンポジット化される。層間挿入法は、スメクタイトの有機化処理後強い混練により層剥離と分散を行う方法によるポリマー挿入法や、モノマー挿入後重合により、剥離と分散を行う方法により、層状珪酸塩は分散される。この他、ゾルーゲル法によるIn−Situフィラー形成法やIn−Situ重合法などがある。本発明には層間挿入法は特に限定されないが、ポリマー挿入法やモノマー挿入法が好ましい。特に、ポリアミド6、ポリアミド11.ポリアミド12は、単一モノマーで重合されるのでモノマー挿入法によりナノコンポジイト化ができるので好ましい。
層間挿入によりナノコンポジット化した珪酸塩はポリアミド樹脂との接触面積が大変大きく、少量の珪酸塩で高い補強効果を発揮できる。少量の珪酸塩で補強されることから比重の増加は小さいから、本発明の目的のひとつである比強度の増大効果が大変大きい。
なお、本願発明においては、曲げ強度は400MPa以上、比曲げ強度は270MPa以上、層間せん断強度は60MPa以上であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物には、上記の必須成分の他に物性改良・成形性改良、耐久性改良を目的として、滑剤、酸化防止剤、難燃剤、耐光剤、耐候剤などが配合できる。
本発明の複合材料の製造法は特に限定されない。例えば、ポリアミド樹脂の融点以上に温度調節されたスクリュータイプ押出機のホッパーにポリアミド樹脂および/またはポリアミド樹脂共重合体と予め有機化処理された層状珪酸塩などを所定割合に予備混合して供給する。溶融樹脂をギアポンプの回転数にて計量して、樹脂の融点以上に温度調節された含浸用押出機の上流に供給する。または、有機化モンモリロナイトをポリアミド樹脂のモノマー中にスラリー状として分散後、重合して得られたモノマー挿入法によるナノコンポジット樹脂を押し出し機のホッパーに投入して、溶融して含浸用押し出し機の上流に供給する。一方、ロービング状の炭素繊維を拡張開繊し、含浸用押出機の下流に供給する。下流先端に開口部を絞ったスリットダイを備えた含浸用押出機中で樹脂圧により、炭素繊維ロービングに樹脂を含浸・脱泡する。下流開口部から吐出されたテープ状の炭素繊維とポリアミド樹脂からなる複合材料を冷却してかせに巻き取る。さらに、このテープ状複合材料を10mm以上にカットすることや、テープ状複合材料をカットせずに織物状に織って成形用に提供される。また、樹脂の融点以上に温度調節されたスクリュータイプ押出機の上流ホッパーにポリアミド樹脂と層状珪酸塩などを所定割合に予備混合して供給する。下流の出口ダイにロービング状炭素繊維を供給して、繊維の送り速度と樹脂の吐出量を調節して、所定の繊維含有率からなるストランド状の炭素繊維の樹脂被覆材を得る。このストランドを冷却してかせに巻き取る。このストランドを10mm以上にカットするか、織物状に織って成形用に提供される方法などが上げられる。
本発明の複合材は、赤外線加熱や高周波加熱して、樹脂を加熱溶融して、圧縮成形機の好ましくは、ポリアミド樹脂の結晶化温度より高い150〜280℃金型に供給して、賦形冷却後脱型して構造材の部品が成形される。
本発明の複合材から得られた成形部品は、自動車のフレーム、バンパーフェースバーサポート材、シャシーシェル、座席フレーム、サスペンジョン支持部、サンルーフフレーム、バンパービーム、2輪車のフレーム、農機具のフレーム、OA機器のフレーム、機械部品など高い強度と剛性の必要な部品に利用される。
以下に実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜10)
ポリアミド樹脂、層状珪酸塩を表1に示した質量部に配合し、または表1に示したように、予めポリアミド樹脂重合用モノマーを層状珪酸塩にインターカレーションして得られたナノコンポジット化ポリアミド樹脂を、シリンダー温度が250℃に温度調節されたスクリュー式押し出し機のホッパーに投入した。また表1にし示した炭素繊維のロービングを100質量部になる速度で拡張開繊して押出機のダイヘッドに供給した。幅10mm・高さ0.2mmのダイから含浸被覆されたテープ状プリプレグを水槽に浸漬して固化した後、枷に巻き取った。
テープ状プリプレグを100mmにカットして15枚重ねて、IRヒータにより、240℃に予熱した後、温度200℃に温度調節された12X150X3mmの金型にセットして、5分間30MPa圧縮保持した。金型を圧縮成形機から取り出した。30分放冷後、金型を開き、曲げ試験用テストピース成形品を得た。なお、曲げ特性、層間せん断強度、比曲げ強度は以下の方法で測定評価した。
(1)曲げ特性
得られた成形品を、デシケータ中で23℃にて48時間保管後、ISO178に準拠した3点曲げ試験機(オリエンテック社製テンシロン4L型)を使用して、スパン長120mm、クロスヘッド速度1mm/minによる曲げ強度、曲げ弾性率を測定した。
(2)層間せん断強度
得られた成形品をカットした15×20×3mmの試験片を使用してISO14130に準じて、曲げ試験機(オリエンテック社製テンシロン4L型)を、スパン長10mm・クロスヘッド速度1mm/minとして層間せん断強度を測定した。
(3)比曲げ強度
本発明の目的のひとつである軽量性は、圧縮成形して得られた成形品を、アルキメデス原理の水中置換法により比重を測定し、曲げ強度の比強度により評価した。
(比較例1〜5)
ポリアミド樹脂やフィラーの種類や配合比を表2に示したように変更した以外は、実施例と全く同様にプリプレグを作製した後、テストピースを成形した。得られた試験片について,実施例と全く同様に曲げ強度と層間せん断強度を測定した。得られた試験データを表2に合わせて示した。
(実験に使用した原料と記号)
PA6-M4:PA6−モンモリロナイト系ナノコンポジット(東洋紡績製試作品 相対粘度2.6)、モンモリロナイト4%(クニミネ工業製)
PA6−M0.5:PA6−モンモリロナイト系ナノコンポジット(東洋紡績製試作品(相対粘度 2.5)、モンモリロナイト2%(クニミネ工業製))
T842:PA6(東洋紡績製、相対粘度2.2)
T600:PAMXD6(東洋紡績製、 相対粘度2.2)
T661:PA66 (東洋紡績製、相対粘度2.8)
KP−F:モンモリロナイト(クニミネ工業製、アスペクト比320)
SPN:合成スメクタイト(コープケミカル製、アスペクト比110)
MAE:有機処理雲母(コープケミカル社製、アスペクト比30)
炭素繊維:帝人社製東邦テナックス IMS40(単繊維径6.4μm、6000フィラメント)
(測定方法)
(1)炭素繊維の重量平均繊維長
複合材料または複合成形品の微小片を、2枚のスライドグラス板間で溶融し、厚さ0.05mm程度のフイルム状とする。マイクロスコープ(キーエンス社製)を使用して、透過光により倍率100倍にて限定視野内に各繊維の重心(長さの中心)が存在する繊維の長さを、100本〜200本を測定して、0.1mm間隔のヒストグラムを作成する。クラスの中央値(Xi)と頻度(fi)から次式により求めた。
X=ΣfiXi/ΣfiXi
(2)層状珪酸塩の積層方向の厚さの数平均
複合成形品または複合材料をエポキシ樹脂で包埋して得た成形品の断面について、ミクロトームを使用して薄片を切り出し、透過型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジー社)を使用し、真空下で約10万倍で視野を変えて10個観察して、厚さの数平均を測定した。
(3)相対粘度
JIS K6920−2に準じて、25℃の恒温水槽中で、ポリアミド樹脂の98%硫酸の0.1%溶液について、オストワルド粘度計を使用して、溶液の落下秒数と溶媒の落下秒数から求めた。
Figure 0005471338
Figure 0005471338
本発明により、曲げ強度や圧縮強度に優れたスタンピング成形品を得ることが可能となり、比重が比較的ちいさく、プリプレグ製造法や成形法も非常に容易であることからも、構造部材やハウジングの樹脂化が可能となり、軽量化や省エネルギーの面から産業界に大きく寄与することが期待される。

Claims (4)

  1. 重量平均繊維長30mm以上の炭素長繊維(A)100質量部に対して、ポリアミド樹脂50〜250質量部、層状珪酸塩を0.1〜12質量部を含有することを特徴とする炭素長繊維強化ポリアミド複合材料。
  2. ポリアミド樹脂が、単一モノマーから重合可能なポリアミド樹脂から選ばれた少なくとも1種以上で有ることを特徴とする請求項1記載の炭素長繊維強化ポリアミド複合材料。
  3. ポリアミド樹脂が、メタキシリレンアジパミド、テレフタルアミド共重合体から選ばれた少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1記載の炭素長繊維強化ポリアミド複合材料。
  4. 層状珪酸塩、モンモリロナイトであることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3のいずれかに記載の炭素長繊維強化ポリアミド複合材料。
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