JP5470993B2 - パターン形成用材料、これを用いたフィルム状エレメント及びパターン形成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、パターン形成用材料、これを用いたフィルム状エレメント及びパターン形成方法に関する。
液晶ディスプレイにおいて、ブラックマトリックスは、画素間の隙間から光がもれるのを防止し、表示コントラストを高めるために、カラーフィルタの画素間に用いられる。このブラックマトリックスには、クロムや酸化クロムなどの金属薄膜によるものと、黒色樹脂によるものがあるが、近年樹脂によるブラックマトリックスの開発が盛んである。ブラックマトリックスを形成するに当たっては、おおよそ特許文献1〜8に記載のような手法が公知である。
特許文献1には、液状黒色インキをスピンコートして半硬化し、その上から感光性レジストを塗布、乾燥、露光と現像によってパターニングした後に黒色膜をエッチングし、レジストを剥離して熱硬化する手法が記載されている。
特許文献2には、感光性レジストを露光と現像によってパターニングした後、液状黒色インキをスピンコートし、レジストを剥離してブラックマトリックスを形成する手法が記載されている。
しかし、特許文献1ないし特許文献2に記載されているように感光性を有しない液状黒色インキを使う場合には、黒色インキとは別に感光性材料を使用する必要がある。これらの手法では、液状インキをスピンコートなどの手法で塗布した場合に、使用量が多いためにコストがかかり、また、液状インキを塗布・乾燥する工程と、感光性樹脂を塗布する2つの工程を経なければならないため煩雑であるという問題があった。
また、特許文献3には、感光性を有する黒色インキを用い、露光と現像によってパターニングする手法が記載されている。
特許文献4あるいは特許文献5には、支持層あるいはクッション層と呼ばれる樹脂フィルム上に、遮光層となる黒色の感光性樹脂層をあらかじめ設けておき、この黒色感光性樹脂層を基板に転写した後に、露光と現像によってパターニングする手法が記載されている。
しかし、特許文献3、特許文献4、特許文献5に記載されている手法では、遮光性を有する材料になおかつ感光性を付与させなければならない。遮光性を有するためには光学密度を大きくしなければならないため、紫外線や可視光線が透過しにくくなり、硬化が十分でなく、良好な解像度、密着性を得ることが困難であった。
また、特許文献6には、光の透過率を波長領域で規定することによって、遮光性と硬化性が良好な組成物を得る手法が記載されている。しかし、この手法においても遮光性を有する材料になおかつ感光性を付与させているため、紫外線波長領域の透過率が1%では硬化が十分ではなく、良好な解像度、密着性を得ることが困難であった。
また、特許文献7には、化学増幅型レジストを用いることによって、光学密度が高く良好な組成物を得る手法が記載されている。しかし、この手法においても遮光性を有する材料になおかつ感光性を付与させているため、良好な解像度、密着性を得ることが困難であった。
特許文献8には、光学密度を波長領域で規定した、パターニング機能を持つ感光性樹脂層と遮光層の2層を有する材料を用いることによって、遮光性と解像度が良好なブラックマトリックスを形成する手法が記載されている。しかし、アルカリ水溶液を用いて未露光部の感光性樹脂層とその下の遮光層を現像除去後、現像で用いたアルカリ水溶液よりも更に強いアルカリ性の水溶液により硬化レジストパターンを剥離するため、その下の遮光層も同時に除去されやすいという問題があった。
特開2002−267832号公報 特開平11−306978号公報 特開平08−278629号公報 特開2001−350255号公報 特開平06−59119号公報 特開平06−51499号公報 特開平09−061615号公報 特開2005−031575号公報
本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、ことを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、(A)ノボラック型フェノール樹脂と、1,2−キノンジアジド化合物と、を含有する感光性樹脂組成物層、及び(B)膜厚1μmあたりの光学密度が4.0以上である遮光層を含むパターン形成用材料を提供する。
上記(A)及び(B)の2つの層を必須とすることにより、工程を簡略化し、高遮光性かつ高解像度であるブラックマトリックスを得ることができる。
また、本発明のパターン形成用材料において、前記(B)の遮光層が、アルカリ可溶性であることが好ましい。
本発明は、また、前記パターン形成用材料において、支持フィルム上に、(A)ノボラック型フェノール樹脂と、1,2−キノンジアジド化合物を含有する感光性樹脂組成物層が形成され、該(A)の感光性樹脂組成物層上に、支持フィルムとは反対面に(B)の遮光層が形成されたフィルム状エレメントを提供する。
本発明は、また、前記フィルム状エレメントにおいて、(B)遮光層上に(A)ノボラック型フェノール樹脂と、1,2−キノンジアジド化合物を含有する感光性樹脂組成物層(A)とは反対面に保護フィルムを有するフィルム状エレメントを提供する。
かかるフィルム状エレメントは、上記本発明の感光性樹脂組成物層と遮光層を備えていることにより、微細パターン形成における寸法精度に優れ、十分に高い遮光性を得ることができる。
また、本発明は、上記のフィルム状エレメントにおいて、(B)遮光層側を基材に貼りつける工程、(A)の感光性樹脂組成物層上から所定部を露光する工程、現像によって露光部の(A)の感光性樹脂組成物層及び(B)の遮光層を除去する工程、並びに未露光部の(A)の感光性樹脂組成物層を除去する工程と、を含むパターン形成方法を提供する。
本発明によれば、微細パターン形成における寸法精度に優れ、遮光性が十分に高いパターン形成用材料、並びにそれを用いたフィルム状エレメント及びパターン形成方法を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明で用いる(A)感光性樹脂組成物層は、ノボラック型フェノール樹脂と、1,2−キノンジアジド化合物とを必須として含有するものである。
上記ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール性水酸基を有していれば特に限定されないが、例えば、フェノール化合物と、アルデヒド及び/又はケトンとを原料とする縮重合反応で得られる。
フェノール化合物としては、例えば、フェノール、クレゾール、キシレノール;エチルフェノール、ブチルフェノール、トリメチルフェノール等のアルキルフェノール;メトキシフェノール、2−メトキシ−4−メチルフェノール等のアルコキシフェノール;ビニルフェノール、アリルフェノール等のアルケニルフェノール;フェニルフェノール等のアリールフェノール;ベンジルフェノール等のアラルキルフェノール;メトキシカルボニルフェノール等のアルコキシカルボニルフェノール;ベンゾイルオキシフェノール等のアリールカルボニルフェノール;クロロフェノール等のハロゲン化フェノール;カテコール、レゾルシノール等のポリヒドロキシベンゼン;ビスフェノールA、ビスフェノールF等のビスフェノール;α−あるいはβ−ナフトール等のナフトール化合物;ビスヒドロキシメチル−p−クレゾール等のメチロール化物;p−ヒドロキシフェニル−2−エタノール、p−ヒドロキシフェニル−3−プロパノール、p−ヒドロキシフェニル−4−ブタノール等のヒドロキシアルキルフェノール;ヒドロキシエチルクレゾール等のヒドロキシアルキルクレゾール;ビスフェノールのモノエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールのモノプロピレンオキサイド付加物等のアルコール性水酸基含有フェノール化合物;p−ヒドロキシフェニル酢酸、p−ヒドロキシフェニルプロピオン酸、p−ヒドロキシフェニルブタン酸、p−ヒドロキシ桂皮酸、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシフェニル安息香酸、ヒドロキシフェノキシ安息香酸、ジフェノール酸等のカルボキシル基含有フェノール化合物;等が挙げられる。さらに、これらのフェノール化合物は、m−キシレンのようなフェノール以外の化合物が縮重合されていてもよい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アルデヒド及び/又はケトンとしては、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、ヒドロキシフェニルアセトアルデヒド、メトキシフェニルアセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、クロロアセトアルデヒド、クロロフェニルアセトアルデヒド、アセトン、グリセルアルデヒド、グリオキシル酸、グリオキシル酸メチル、グリオキシル酸フェニル、グリオキシル酸ヒドロキシフェニル、ホルミル酢酸、ホルミル酢酸メチル、2−ホルミルプロピオン酸、2−ホルミルプロピオン酸メチル、ピルビン酸、レプリン酸、4−アセチルブチル酸、アセトンジカルボン酸、3,3’−4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸等が挙げられる。なお、ホルムアルデヒドはその前駆体であるp−ホルムアルデヒド、トリオキサン等の形態で用いてもよい。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、縮重合反応は、公知の反応条件で行えばよいが、酸性触媒を含有させることが好ましい。この場合、縮重合反応を迅速に進行できる。かかる酸性触媒としては、塩酸、硫酸、蟻酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸等が挙げられる。
原料のアルデヒド及び/又はケトンの含有量は、上記フェノール化合物の1モルに対し、0.7〜1モルであることが好ましい。この場合、上記縮重合反応を迅速に進行できる。
また、ノボラック型フェノール樹脂は必要に応じて乾性油と反応させてもよい。ノボラック型フェノール樹脂と反応させる乾性油としては、桐油、亜麻仁油、大豆油、胡桃油、サフラワー油等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ノボラック型フェノール樹脂と乾性油との反応は、50〜130℃で行われ、ノボラック型フェノール樹脂に対し、乾性油を1〜50質量%反応させることができる。このとき必要に応じて、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等を触媒として添加してもよい。
また、ノボラック型フェノール樹脂は必要に応じて多塩基酸無水物と反応させてもよい。ノボラック型フェノール樹脂と反応させる多塩基酸無水物としては、例えば、無水フタル酸、無水コハク酸、オクテニル無水コハク酸、ペンタドデセニル無水コハク酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、無水トリメリット酸等の二塩基酸無水物、 ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族、芳香族四塩基酸二無水物等が挙げられる。
これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ノボラック型フェノール樹脂と多塩基酸無水物との反応は、50〜130℃で行われ、ノボラック型フェノール樹脂のフェノール性水酸基1モルに対し、多塩基酸無水物を0.1〜0.8モル反応させることができる。このとき必要に応じて、トリエチルアミン等の三級アミン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリフェニルフォスフィン等のリン化合物、等を触媒として添加してもよい。
ノボラック型フェノール樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算重量平均分子量は特に制限されないが、300〜100000が好ましく、1000〜50000がより好ましく、3000〜20000がさらに好ましい。この場合、塗膜性に優れるという利点がある。
また、ノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量が小さい場合は、鎖延長剤を用いてフェノール樹脂の多量体化を行い、上記重量平均分子量の範囲となるように分子量を増大させてもよい。このとき、鎖延長剤としては、ジエポキシ化合物、ジオキサゾリン化合物、あるいはジイソシアネート化合物等が使用できる。
ノボラック型フェノール樹脂の分散度は、1〜10であることが好ましい。この場合、塗膜性に優れるという利点がある。分散度は、重量平均分子量を数平均分子量で割った値をいう。
ノボラック型フェノール樹脂は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合のノボラック型フェノール樹脂の組み合わせとしては、例えば、異なる原料からなる2種以上のノボラック型フェノール樹脂、異なる重量平均分子量の2種以上のノボラック型フェノール樹脂、異なる分散度の2種以上のノボラック型フェノール樹脂等が挙げられる。
上記ノボラック型フェノール樹脂の感光性樹脂組成物中の配合割合は、ノボラック型フェノール樹脂及び1,2−キノンジアジド化合物の総量を100質量部として50〜95質量部であることが好ましく、55〜90質量部であることがより好ましく、60〜85質量部であることが特に好ましい。配合割合が上記範囲にある場合と比較して、感光性樹脂組成物をレジスト膜として用いた場合に配合割合が50質量部未満であると、レジスト膜が脆くなりやすく、剥がれてしまう傾向にあり、95質量部を超えるとレジスト膜の光感度が不十分となる傾向にある。
上記1,2−キノンジアジド化合物としては、水酸基及び/又はアミノ基を有する有機化合物と、スルホ基及び/又はスルホニルクロリド基を有する1,2−キノンジアジド化合物とを反応させて得られる化合物であることが好ましい。
この場合、水酸基又はアミノ基を有する有機化合物(以下単に「有機化合物」という。)の水酸基又はアミノ基と、1,2−キノンジアジド化合物のスルホ基又はスルホニルクロリド基とが結合するが、この結合は、得られる1,2−キノンジアジド化合物の分子内に少なくとも一つ以上あればよい。
上記スルホ基及び/又はスルホニルクロリド基を有する1,2−キノンジアジド化合物としては、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸、オルトアントラキノンジアジドスルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリド、オルトアントラキノンジアジドスルホニルクロリド等が挙げられる。これらの中でも、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド若しくは1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドであることが好ましい。これらのスルホ基及び/又はスルホニルクロリド基を有する1,2−キノンジアジド化合物は、溶剤によく溶解することから、有機化合物との反応効率を高めることができる。
上記有機化合物としては、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,6−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシ−2’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,6−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,5−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、2,3’,4,4’,5’,6−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、2,3,3’,4,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等のポリヒドロキシベンゾフェノン類;ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−(2’,4’−ジヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、4,4’−{1−[4−〔2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール,3,3’−ジメチル−{1−[4−〔2−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル〕フェニル]エチリデン}ビスフェノール等のビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン類;トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン等のトリス(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体;ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(5−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン等のビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体;フェノール、p−メトキシフェノール、ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ナフトール、ピロカテコール、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエーテル、ピロガロール−1,3−ジメチルエーテル、没食子酸、アニリン、p−アミノジフェニルアミン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、ノボラック、ピロガロール−アセトン樹脂、p−ヒドロキシスチレンのホモポリマー又はこれと共重合し得るモノマーとの共重合体等が挙げられる。これらの中でも、ポリヒドロキシベンゾフェノン類、ビス[(ポリ)ヒドロキシフェニル]アルカン類、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン類、ビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)(ヒドロキシフェニル)メタン類であることが好ましい。
上記有機化合物の中でも、下記一般式(1)〜(3)で表される化合物であることがより好ましい。この場合、光照射前と光照射後との現像液に対する溶解度差が大きくなるため、画像コントラストにより優れるという利点がある。
Figure 0005470993
[一般式(1)〜(3)中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12は、それぞれ独立に水素原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜5のアルキル基、又は置換若しくは無置換の炭素数1〜5のアルコキシ基を示し、Xは単結合、酸素原子、又はフェニレン基を示す。]
有機化合物が上記一般式(1)〜(3)で表わされる化合物である場合において、スルホ基及び/又はスルホニルクロリド基を有する1,2−キノンジアジド化合物が、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド若しくは1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドであることが好ましい。これらのスルホ基及び/又はスルホニルクロリド基を有する1,2−キノンジアジド化合物は、上記一般式(1)〜(3)で表される化合物との相溶性が良好であることから、ノボラック型フェノール樹脂と1,2−キノンジアジド化合物とを混合した場合に生じる凝集物の発生量を低減させることができる。これらを含有する感光性樹脂組成物をポジ型フォトレジストの感光性成分として用いると、感度、画像コントラスト、耐熱性により優れるものとなる。
上記一般式(1)〜(3)で表される化合物の中でも、下記式(4)〜(6)で表される化合物であることがより好ましい。この場合、光感度により優れるという利点がある。
Figure 0005470993
上記式(4)〜(6)で表される化合物を用いた1,2−キノンジアジド化合物の合成方法としては、例えば、上記式(4)〜(6)で表される化合物と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−スルホニルクロリドとを、ジオキサン、THFのような溶媒中に添加し、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリ等のアルカリ触媒存在下で反応させる方法が挙げられる。このとき、上記式(4)〜(6)で表される化合物の水酸基と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−スルホニルクロリドのスルホニル基とが縮合した1,2−キノンジアジド化合物が合成される。なお、得られる1,2−キノンジアジド化合物の分子内において、上記式(4)〜(6)で表される化合物の水酸基と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−スルホニルクロリドのスルホニル基との結合は少なくとも一つあればよい。
なお、上記1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−スルホニルクロリドとしては、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロリド、又は1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリドが好適である。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記1,2−キノンジアジド化合物の感光性樹脂組成物中の配合割合は、ノボラック型フェノール樹脂及び1,2−キノンジアジド化合物の総量を100質量部として5〜50質量部であることが好ましく、10〜45質量部であることがより好ましく、15〜40質量部であることが特に好ましい。配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、配合割合が5質量部未満であると光感度が不十分となる傾向にあり、50質量部を超えると、感光性樹脂組成物をレジスト膜として用いた場合にレジスト膜が脆くなりやすく、剥がれてしまう傾向にある。
上記感光性樹脂組成物には、必要に応じて、塗布性、消泡性、レベリング性等を向上させる目的で界面活性剤を含有させてもよい。かかる界面活性剤としては、特に限定されないが、フッ素系界面活性剤であることが好ましい。このようなフッ素系界面活性剤は、例えばBM−1000、BM−1100(BMケミー社製);メガファックF142D、メガファックF172、メガファックF173、メガファックF183、メガファックR−08、メガファックR−30、メガファックR−90PM−20、メガファックBL−20(大日本インキ化学工業(株)製);フロラードFC−135、フロラードFC−170C、フロラードFC−430、フロラードFC−431、フロラードFC−4430(住友スリーエム(株)製);サーフロンS−112、サーフロンS−113、サーフロンS−131、サーフロンS−141、サーフロンS−145(旭硝子(株)製);SH−28PA、SH−190、SH−193、SZ−6032、SF−8428(東レシリコーン(株)製)等の市販品を用いることができる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
界面活性剤の配合割合は、ノボラック型フェノール樹脂及び1,2−キノンジアジド化合物の総量100質量部に対して5質量部以下であることが好ましい。配合割合が5質量部を超えると、配合割合が上記範囲にある場合と比較して、画像コントラストが低下する傾向にある。
上記感光性樹脂組成物には、基材等との接着性を向上させるために接着助剤を含有させてもよい。かかる接着助剤としては、官能性シランカップリング剤が有効である。官能性シランカップリング剤とは、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基等の反応性置換基を有するシランカップリング剤を意味し、具体例にはトリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルイソシアネート、1,3,5−N−トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアネート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
接着助剤の配合割合は、ノボラック型フェノール樹脂及び1,2−キノンジアジド化合物の総量100質量部に対して20質量部以下が好ましい。配合割合が20質量部を超えると、配合割合が上記範囲にある場合と比較して、現像残渣が発生する傾向にある。
上記感光性樹脂組成物には、アルカリ現像液に対する溶解性の微調整を行うために、酸や高沸点溶媒を含有させてもよい。酸としては、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、n−吉草酸、イソ吉草酸、安息香酸、桂皮酸等のモノカルボン酸、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、サリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシ桂皮酸、3−ヒドロキシ桂皮酸、4−ヒドロキシ桂皮酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、シリンギン酸等のヒドロキシモノカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、1,2,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸等の多価カルボン酸、無水イタコン酸、無水コハク酸、無水シトラコン酸、無水ドデセニルコハク酸、無水トリカルバニル酸、無水マレイン酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸、無水ハイミック酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス無水トリメリテート、グリセリントリス無水トリメリテート等の酸無水物が挙げられる。また、高沸点溶媒としては、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸や高沸点溶媒の配合割合は、用途、塗布方法に応じて調整でき、かつ感光性樹脂組成物に均一に混合させることができれば特に限定されるものではないが、感光性樹脂組成物全量に対して60質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。この場合、感光性樹脂組成物の特性を損なわないという利点がある。
さらに、上記感光性樹脂組成物には、必要に応じて、増感剤、吸光剤(染料)、架橋剤、可塑剤、顔料、充填材、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤等の添加剤を含有させてもよい。これらの添加剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの添加剤の配合割合は、感光性樹脂組成物の特性を損なわない範囲であれば特に限定されるものではないが、感光性樹脂組成物全量に対して50質量%以下であることが好ましい。
上記感光性樹脂組成物の調製は、通常の方法で混合、攪拌すればよく、充填材、顔料を添加する場合にはディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミル等の分散機を用い分散、混合させればよい。また、必要に応じて、さらにメッシュ、メンブレンフィルター等を用いてろ過してもよい。
本発明で用いられる(B)遮光層は、膜厚1μmあたりの光学密度(optical density、OD値)が波長420〜650nmの可視光域において4.0以上である。この場合、高い遮光性が得られるという利点がある。OD値は、入射光強度をI、透過光強度をIとした場合に、OD値=log10(I/I)の関係で表される。
本発明で用いる(B)遮光層は、上記の光学密度を達成するために、一般的に黒色を示す黒色顔料や黒色染料など、強い光吸収のある物質を含むことが好ましい。あるいは、異なる色を示す着色顔料を何種類か組み合わせて混ぜることで、(B)遮光層全体として上記の光学密度を達成してもよい。
上記の一般的に黒色を示す黒色顔料及び黒色染料としては公知の種々の物質を挙げることができるが、例えば、アセチレンブラックやチャンネルブラック、ファーネスブラックなどのカーボンブラック類、チタンブラック、チタン酸窒化物、黒色低次酸化チタン、グラファイト粉末、鉄黒、酸化銅、ピグメントブラック、あるいはこれらを一種以上含む混合物などが挙げられる。これらの黒色顔料及び黒色染料には、遮光層での分散性を高めるため、あるいは電気抵抗値を高めるための表面処理がなされていてもよい。
本発明の(B)遮光層は、液晶ディスプレイ製造プロセスによっては耐熱性を要求されるため、200℃で3時間焼成しても光学密度や膜強度等に問題の生じない耐熱性のある材料であることが好ましい。(B)遮光層に樹脂を用いる場合に、樹脂として例えば、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アクリルエポキシ樹脂、シロキサンポリマ系樹脂、ケイ素酸含有ポリイミド樹脂、ポリイミドシロキサン樹脂、ポリマレイミド樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などが挙げられるが、その使用量は全体の10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。樹脂の使用量が全体の10質量%より小さいと、基材に対する密着性が低下する傾向がある。(B)遮光層として無機物質を主成分に用いる場合には、ガラスペーストが好ましい。
本発明で用いる(B)遮光層は、感光性を有していてもよい。(B)遮光層が感光性を有するためには、公知の種々の材料を用いることができるが、例えば、本発明で用いる(A)感光性樹脂組成物層に用いるノボラック型フェノール樹脂及び1,2−キノンジアジド化合物を用いることもできる。
本発明で用いる(B)遮光層は有機溶剤、有機溶剤を含む水溶液、アルカリ水溶液、酸性水溶液、水に溶解され得るが、アルカリ可溶性又は水溶性を有することが好ましい。
上記のポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アクリルエポキシ樹脂、シロキサンポリマ系樹脂、ケイ素酸含有ポリイミド樹脂、ポリイミドシロキサン樹脂、ポリマレイミド樹脂、ノボラック型フェノール樹脂、などの樹脂を、ヒドロキシル基、アミノ基、シラノール基、ポリアルキレンオキシド基などの親水性基や、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などアルカリ可溶性を有する基により変性して(B)遮光層に用いることができる。
本発明で用いる(B)遮光層の膜厚としては、使用可能な範囲であれば特に限定されないが、好ましくは0.5μm〜2.0μm、より好ましくは0.7μm〜1.5μmである。
次に、本発明のフィルム状エレメントについて説明する。
本発明のフィルム状エレメントは、(A)感光性樹脂組成物層と(B)遮光層の2つの層を必須とし、2つ以上の層からなる構造体である。(B)遮光層とは反対側に、支持フィルムを有しているのが好ましく、(A)感光性樹脂組成物層とは反対側に、保護フィルムを有しているのが好ましい(保護フィルム/遮光層/感光性樹脂組成物層/支持フィルム)。(A)感光性樹脂組成物層と(B)遮光層以外にも、保護フィルムと(B)遮光層との間、及び/又は、支持フィルムと(A)感光性樹脂組成物層との間に、クッション層、接着層、光吸収層、ガスバリア層、剥離層等の中間層又は保護層を更に備えていてもよく、あるいは(A)感光性樹脂組成物層と(B)遮光層との間に中間層があってもよい。
本発明のフィルム状エレメントは、感光性樹脂層用組成物と遮光層用組成物を支持フィルム上にこの順で塗工して作製することもできる。ここで用いられる支持フィルムとしては、活性光を透過する透明なものが好ましい。活性光を透過する支持フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、塩化ビニリデン共重合体フィルム、ポリメタクリル酸メチル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアクリロニトリルフィルム、スチレン共重合体フィルム、ポリアミドフィルム、セルロース誘導体フィルム、トリアセチルセルロースフィルム等が挙げられる。これらのフィルムとしては、必要に応じ延伸されたものも使用可能である。
また、上記支持フィルムのヘーズは5.0以下であるものが好ましい。ここでいうヘーズ(Haze)とは濁度を表す値であり、ランプにより照射され試料中を透過した全透過率Tと、試料中で拡散され散乱した光の透過率Dにより、ヘーズ値H=D/T×100として求められる。これらは、JIS−K−7105により規定されており、市販の濁度計によって容易に測定可能である。厚みは薄い方が画像形成性、経済性の面で有利であるが、強度を維持する必要から、10〜150μmのものが一般的である。また、支持フィルムと(A)感光性樹脂組成物層との密着力は、(A)感光性樹脂組成物層と(B)遮光層との密着力よりも小さいことが好ましい。
本発明のフィルム状エレメントにおいて、支持フィルムとは反対側の(B)遮光層表面に、必要に応じて保護フィルムを積層することもできる。支持フィルムと(A)感光性樹脂組成物層との密着力よりも、保護フィルムと(B)遮光層との密着力が十分小さく、容易に剥離できることが好ましい。また、保護フィルムは低フィッシュアイのフィルムであることが好ましい。このような保護フィルムとしては、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等が挙げられる。
本発明のフィルム状エレメントは、おおよそ次のような手法で作製することができる。感光性樹脂組成物として、ノボラック型フェノール樹脂と1,2−キノンジアジド化合物と溶剤とを混合して、感光性樹脂溶液を作製する。また、遮光層に用いる樹脂組成物として、黒色顔料と耐熱性のある樹脂と溶剤とを混合して、これを黒色樹脂溶液とする。かかる溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、オクタン、デカン、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン、N,N−ジメチルホルムアミド、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の有機溶剤、又はこれらの混合溶剤が挙げられる。支持フィルムとなる厚み20μmの透明ポリエステルフィルムの上に上記感光性樹脂溶液を塗布して乾燥し、感光性樹脂層を形成する。感光性樹脂層の上に、上記黒色樹脂溶液を塗布して乾燥し、遮光層を形成する。また、このとき2層同時に塗布できるコーターなどがあれば、2層同時に塗布乾燥してもよい。その後で保護フィルムとなるポリエチレンフィルムを貼り合わせて積層する。
塗布の方法としては、例えば、ロールコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータ、バーコータ等の方法が挙げられる。また、溶剤の除去は例えば加熱により行うことができ、その場合の加熱温度は約70〜150℃であると好ましく、加熱時間は約5〜30分間であると好ましい。
このようにして形成された感光性樹脂層中の残存有機溶剤量は、後の工程での有機溶剤の拡散を防止する観点から、2質量%以下であることが好ましい。
また、感光性樹脂層の厚みは、用途により異なるが、溶剤を除去した後の厚みが0.5〜100μm程度であることが好ましい。
上記のフィルム状エレメントの作製方法において、ポリエチレンフィルムの上に遮光層を形成し、その上に感光性樹脂層を形成して、しかる後に支持フィルムとしてのポリエステルフィルムを貼り合わせて積層するという順番であってもよい。
また、ポリエチレンフィルムの上に遮光層を形成し、別途ポリエステルフィルムの上に感光性樹脂層を形成し、この2つのフィルムを貼り合わせて積層してもよい。
フィルム状エレメントは、例えば、そのままの平板状の形態で、又は円筒状等の巻芯に巻きとり、ロール状の形態で貯蔵することができる。巻芯としては、従来用いられているものであれば特に限定されず、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体)等のプラスチック等が挙げられる。貯蔵時には、支持フィルムが最も外側になるように巻き取られることが好ましい。また、ロール状に巻き取られたフィルム状エレメント(フィルム状エレメントロール)の端面には、端面保護の観点から端面セパレータを設置することが好ましく、加えて耐エッジフュージョンの観点から防湿端面セパレータを設置することが好ましい。また、フィルム状エレメントを梱包する際には、透湿性の小さいブラックシートに包んで包装することが好ましい。
次に、パターン形成方法について説明する。
本発明のパターン形成方法は、上記のフィルム状エレメントを用いておおよそ次のような手法で形成する。まず、保護フィルムを剥離した後、基材上に上記フィルム状エレメントを積層し、活性光線を画像状に照射して露光部を現像により除去する。活性光線が照射されていない部分は、1,2−キノンジアジド化合物がフェノール樹脂と相互作用を起こして溶解禁止剤として働いているのでアルカリに溶けないが、活性光線が照射された部分では、1,2−キノンジアジド化合物が光分解して、溶解禁止効果を失い、従って、露光部分がアルカリ可溶となる。
基材上への積層方法としては、フィルム状エレメントが保護フィルムを備える場合には保護フィルムを除去した後、70〜130℃程度に加熱しながら基材に0.1〜1MPa程度(1〜10kgf/cm程度)の圧力で圧着する方法等が挙げられる。かかる積層工程は減圧下で行ってもよい。積層される基材の表面は特に制限されない。
このようにして基材上に積層された遮光層、感光性樹脂組成物層に対して、ネガ又はポジマスクパターンを通して活性光線を画像状に照射して露光部を形成させる。この際、感光性樹脂組成物層上に存在する支持フィルムが活性光線に対して透明である場合には、支持フィルムを通して活性光線を照射することができ、支持フィルムが活性光線に対して遮光性を示す場合には、支持フィルムを除去した後に感光性樹脂組成物層に活性光線を照射する。
活性光線の光源としては、従来公知の光源、例えば、カーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、高圧水銀灯、キセノンランプ等の紫外線、可視光などを有効に放射するものが用いられる。また、レーザー直接描画露光法等も用いることができる。
露光部の形成後、露光部の感光性樹脂組成物層を現像により除去することで、レジストパターンが形成され、続いてその下の遮光層を除去する。このとき感光性樹脂組成物層とその下の遮光層を同時に現像除去することが好ましい。かかる露光部の除去方法としては、感光性樹脂組成物層上に支持フィルムが存在する場合にはオートピーラー等で支持フィルムを除去し、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤等の現像液によるウェット現像、あるいはドライ現像等で露光部を除去して現像する方法等が挙げられる。ウェット現像に用いるアルカリとしては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア等の弱アルカリ無機化合物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン等の弱アルカリ有機化合物;テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド;等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて水溶液として用いることができる。アルカリ性水溶液のpHは、9〜13の範囲とすると好ましく、その温度は、感光性樹脂組成物層の現像性に合わせて調整される。また、アルカリ性水溶液中には、界面活性剤、消泡剤、有機溶剤等を混入させてもよい。上記現像の方式としては、例えば、ディップ方式、スプレー方式、ブラッシング、スラッピング等が挙げられる。
また必要に応じて、現像しきれずに残っている露光部の遮光層を取り除くために、別の現像液において更に現像を行ってもよい。別の現像液とは、感光性樹脂組成物層を現像する際に用いる現像液とはアルカリ性の異なるアルカリ水溶液であったり、酸性現像液であったり、有機溶剤を含有する現像液であったりしてもよく、遮光層の組成に合わせて現像液を適宜選ぶことができる。また、現像しきれずに残っている露光部の遮光層はサンドブラストなどの方法により物理的に除去することもできる。感光性樹脂組成物層と遮光層を同時に現像除去する以外に、遮光層を別途除去する場合は、上記のような別の現像液を用いて除去する方法や、サンドブラストのような物理的除去方法を用いることができる。遮光層を現像除去する現像液に合わせて遮光層の組成物を選択したり、物理的除去を目的として、遮光層にガラスペーストのような無機物質を主成分としたりすることなどは、適宜選択できる。
その後、感光性樹脂組成物層の未露光部は、有機溶剤、アルカリ性水溶液、水系剥離液、市販されているリムーバー類等により剥離してもよいし、除去せずに残してもよい。感光性樹脂組成物層の未露光部を除去せずに残す場合は、インクジェット方式を用いたカラーフィルタの製造方法における画素間の隔壁などとして使用することができる。上記剥離に用いる有機溶剤としては、例えば、アセトンのようなケトン系有機溶剤、2−メチル−2−プロパノールのようなアルコール系有機溶剤、ジクロロメタンのようなハロゲン系有機溶剤等の単一又はこれらを組み合わせた溶剤を挙げることができる。上記アルカリ性水溶液についても特に制限はないが、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、アンモニア等の弱アルカリ無機化合物;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエチレンイミン等の弱アルカリ有機化合物;テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド;等が挙げられ、これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて水溶液として用いることができる。また、処理時間、処理温度、処理に使用する装置等についても特に制限はなく、適宜決定できる。好ましい処理時間としては、10〜600秒、より好ましくは20〜540秒であり、最も好ましくは、30〜480秒である。また、好ましい処理温度としては0〜50℃、より好ましくは10〜40℃、最も好ましくは、20〜30℃である。そして、必要に応じて、攪拌装置、恒温装置等を使用できる。この処理に関して、ディップ式やスピン式等を適宜選択して使用できる。その後、ポストベークによって、遮光層を硬化させる。場合によっては、ポストベークをした後に感光性樹脂組成物層の未露光部を剥離する工程であっても構わない。
このようにして高遮光性の微細パターンが得られるが、上記の感光性樹脂組成物層と遮光層とを備えている本発明のフィルム状エレメントを用いることによって、寸法精度に優れ、遮光性が十分に高い微細パターンを得ることが可能となる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
[ノボラック型フェノール樹脂Aの合成]
o−クレゾール、m−クレゾール及びp−クレゾールを質量比10:50:40の割合で混合し、この混合液216質量部にホルマリン54質量部を加え、触媒のシュウ酸2.2質量部をさらに加えて常法により縮合反応を行い、重量平均分子量10,000のノボラック型フェノール樹脂Aを得た。
[ノボラック型フェノール樹脂Bの合成]
m−クレゾールとp−クレゾールとを質量比60:40の割合で混合し、この混合液216質量部にホルマリン54質量部を加え、触媒のシュウ酸2.2質量部をさらに加えて常法により縮合反応を行い、重量平均分子量10,000のノボラック型フェノール樹脂を得た。次に、このノボラック型フェノール樹脂100質量部と、乾性油である桐油10質量部と、酸性触媒であるp−トルエンスルホン酸0.01質量部とを混合し、90℃で反応させて、ノボラック型フェノール樹脂Bを得た。
[ノボラック型フェノール樹脂Cの合成]
m−クレゾール、p−クレゾール及びビスフェノールFを質量比30:30:40の割合で混合し、この混合液216質量部にホルマリン54質量部を加え、触媒のシュウ酸2.2質量部をさらに加えて常法により縮合反応を行い、重量平均分子量20,000のノボラック型フェノール樹脂Cを得た。
[ノボラック型フェノール樹脂Dの合成]
m−クレゾールとp−クレゾールとを質量比30:70の割合で混合し、この混合液216質量部にホルマリン54質量部を加え、触媒のシュウ酸2.2質量部をさらに加えて常法により縮合反応を行い、重量平均分子量10,000のノボラック型フェノール樹脂を得た。次に、このノボラック型フェノール樹脂85質量部と、無水コハク酸12質量部と、触媒のトリエチルアミン0.9質量部とを混合し、100℃で反応させて、ノボラック型フェノール樹脂Dを得た。
[アクリル樹脂Eの合成]
メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルアクリレート及びスチレンを質量比18:45:27:10の割合で混合し、この混合液200質量部を溶媒のメチルエチルケトン280質量部に加え、アゾビスイソブチロニトリル1.2質量部をさらに加えて常法により共重合反応を行い、アクリル樹脂Eを得た。アクリル樹脂Eの不揮発分は41.8質量%であり、重量平均分子量は84,000であった。
(実施例1)
ノボラック型フェノール樹脂A 80質量部(不揮発分)と、前記式(5)で表される化合物1モルに対して1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホニルクロリド3モルを反応させた1,2−キノンジアジド化合物20質量部とを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200質量部に溶解して感光性樹脂組成物の溶液を調整した。また、ノボラック型フェノール樹脂D 40重量部(不揮発分)と、カーボンブラック60質量部とを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート300質量部に混合して黒色樹脂溶液を調整した。上記感光性樹脂組成物の溶液及び黒色樹脂溶液を用い、以下の手順に従ってフィルム状エレメントを作製した。
幅380mm、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(以下、「PETフィルム」という)上に、感光性樹脂組成物の溶液を塗布し、100℃に設定した熱風対流式乾燥機内に保持して感光性樹脂組成物層を形成させた。その際、加熱後の感光性樹脂組成物層の膜厚が2μmとなるようにした。次に、形成された感光性樹脂組成物層上に、黒色樹脂溶液を塗布し、100℃に設定した熱風対流式乾燥機内に保持して遮光層を形成させた。その際、加熱後の遮光層の膜厚が1μmとなるようにした。そして、形成された遮光層上に、厚さ35μmのポリエチレンフィルムを載せてロールで加圧し、遮光層が保護フィルムで被覆されたフィルム状エレメントを得た。
こうして得られたフィルム状エレメントは、保護フィルムを除去して120℃で加熱しながら、ガラス板上に積層し、特性評価用サンプルを得るために使用した。
特性評価用サンプルからPETフィルムを除去し、テストパターンマスクを配置し、高圧水銀灯ランプを有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名:HMW−590)を用いて露光量100mJ/cmで露光した。露光後、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(30℃)を60秒間スプレーし、露光部分の感光性樹脂組成物層と遮光層とを溶解除去して現像した。その後、未露光部分の感光性樹脂組成物層をアセトン(23℃)中に30秒間浸漬することにより剥離し、遮光層のパターンを観察した。
その結果、ライン細りすることなく、3μmの微細なパターンが形成されていることが確認された。
上記遮光層において、遮光層の光学密度を測定するために、別途厚さ50μmのPETフィルム上に、黒色樹脂溶液を塗布し、100℃に設定した熱風対流式乾燥機内に保持して遮光層を形成させた。その際、加熱後の遮光層の膜厚が1μmとなるようにした。このときの遮光層の光学密度を、分光光度計を用いて測定すると4.2であり、高い遮光性を示した。
(実施例2)
実施例1で使用したノボラック型フェノール樹脂Aをノボラック型フェノール樹脂Bに代え、実施例1と同じ操作で現像を行い、未露光部分の感光性樹脂組成物層を剥離後に、遮光層のパターンを観察した。
その結果、ライン細りすることなく、3μmの微細なパターンが形成されていることが確認された。
(実施例3)
実施例1で使用したノボラック型フェノール樹脂Aをノボラック型フェノール樹脂Bに代え、またカーボンブラックをチタンブラックに代え、実施例1と同じ操作で現像を行い、未露光部分の感光性樹脂組成物層を剥離後に、遮光層のパターンを観察した。
その結果、ライン細りすることなく、3μmの微細なパターンが形成されていることが確認された。
上記遮光層において、遮光層の光学密度を測定するために、別途厚さ50μmのPETフィルム上に、黒色樹脂溶液を塗布し、100℃に設定した熱風対流式乾燥機内に保持して遮光層を形成させた。その際、加熱後の遮光層の膜厚が1μmとなるようにした。このときの遮光層の光学密度を、分光光度計を用いて測定すると5.0であり、高い遮光性を示した。
(実施例4)
実施例1で使用したノボラック型フェノール樹脂Aをノボラック型フェノール樹脂Cに代え、またカーボンブラックをチタンブラックに代え、実施例1と同じ操作で現像を行い、未露光部分の感光性樹脂組成物層を剥離後に、遮光層のパターンを観察した。
その結果、ライン細りすることなく、3μmの微細なパターンが形成されていることが確認された。
(比較例1)
実施例1で使用した感光性樹脂組成物の溶液に代え、アクリル樹脂E 60質量部(不揮発分)、2,2−ビス(4−(メタクリロキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン40質量部、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルイミダゾール二量体3質量部及び4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.1質量部を、メチルエチルケトン120質量部に溶解して調整した感光性樹脂組成物の溶液を用いた。上記感光性樹脂組成物の溶液及び実施例1と同じ黒色樹脂溶液を用い、実施例1と同じ手順に従ってフィルム状エレメントを作製した。
こうして得られたフィルム状エレメントは、保護フィルムを除去して120℃で加熱しながら、ガラス板上に積層し、特性評価用サンプルを得るために使用した。
特性評価用サンプルにテストパターンマスクを配置し、高圧水銀灯ランプを有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名:HMW−590)を用いて露光量100mJ/cmで露光した。露光後、PETフィルムを除去し、1質量%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を60秒間スプレーし、未露光部分の感光性樹脂組成物層と遮光層とを溶解除去して現像した。その後、露光部分の感光性樹脂組成物層を3質量%水酸化ナトリウム水溶液(50℃)中に30秒間浸漬することにより剥離し、遮光層のパターンを観察した。
その結果、露光部分の感光性樹脂組成物層の耐アルカリ性が低く、遮光層との密着性が不十分なため、現像後に感光性樹脂組成物層と遮光層間で剥がれが観察され、その後の剥離の過程において遮光層のパターンが溶解し、微細パターンの形成が困難なことが確認された。すなわち、3μmの微細なパターンの形成は確認されなかった。
以上の結果より、本発明によれば、微細パターン形成における寸法精度に優れ、遮光性が十分に高いパターンを形成できることが確認された。

Claims (6)

  1. (A)ノボラック型フェノール樹脂と、1,2−キノンジアジド化合物と、を含有する感光性樹脂組成物層、及び(B)膜厚1μmあたりの光学密度が4.0以上である遮光層を含み、
    前記(B)の遮光層がノボラック型フェノール樹脂を含み、かつ感光性を有しない、パターン形成用材料。
  2. ブラックマトリックス用である、請求項1に記載のパターン形成用材料。
  3. 前記(B)の遮光層が、アルカリ可溶性であることを特徴とする請求項1又は2に記載のパターン形成用材料。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のパターン形成用材料において、支持フィルム上に、(A)ノボラック型フェノール樹脂と、1,2−キノンジアジド化合物を含有する感光性樹脂組成物層が形成され、該(A)の感光性樹脂組成物層上に、支持フィルムとは反対面に(B)の遮光層が形成されたフィルム状エレメント。
  5. 請求項に記載のフィルム状エレメントにおいて、(B)遮光層上に(A)ノボラック型フェノール樹脂と、1,2−キノンジアジド化合物を含有する感光性樹脂組成物層とは反対面に保護フィルムを有するフィルム状エレメント。
  6. 請求項又はに記載のフィルム状エレメントにおいて、(B)遮光層側を基材に貼りつける工程、(A)の感光性樹脂組成物層上から所定部を露光する工程、現像によって露光部の(A)の感光性樹脂組成物層及び(B)の遮光層を除去する工程、並びに未露光部の(A)の感光性樹脂組成物層を除去する工程と、を含むパターン形成方法。
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