JP5470583B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
遊技機から払出された遊技媒体は、現金などの有価価値を有する景品と交換することができるため、遊技機に不正を働いて、遊技機から遊技媒体を窃取する不正行為が後を絶たない。
近年、スロットマシンなどの遊技機に対して行われる不正行為が問題となっており、特に、メダルが払い出される移動経路などを介した不正行為が深刻化している。
次に、従来のスロットマシンの移動経路などについて、図面を参照して説明する。
図8は、従来のスロットマシンの前扉を開いた状態の概略外観斜視図を示している。
図8において、従来のスロットマシン101は、前面に開口した箱状の筐体11、及び、筐体11の前面開口を開閉自在に覆う前扉12を備えている。このスロットマシン101は、筐体11の内部に、制御部16、ドラムユニット17及びメダル払出装置102などが設けられ、また、前扉12の裏面に、メダルセレクタ15、メダル投入ガイド151及びメダル返却シュート103などが設けられている。
このメダル払出装置102は、スロットマシン遊技において入賞すると、入賞内容に応じた所定枚数のメダルを、排出口123から排出する。
たとえば、特許文献1には、メダル返却シュートが、メダルセレクタからメダル払出口までの間に、メダル経路のメダル移動方向を変化させるクランク部を少なくとも二以上備える構成としたスロットマシンの技術が開示されている。
すなわち、前扉12の正面下部中央に設けられたメダル払出口から不正具が挿入され、筐体11内の装置(電源装置18や主基板(図示せず)など)に不正にアクセスできないようにしたり、メダル払出口以外(たとえば、前扉12と筐体11との隙間など)から不正具が挿入され、メダル払出装置102の排出口123(ホッパー出口とも呼ばれる。)に不正なアクセスができないようにする不正行為防止手段を施す必要があった。
また、特許文献2に記載された技術は、矩形環状の凸状部の形成された排出ガイドを備えているものの、上記の課題を解決するは不可能な技術であった。
遊技機には、パチンコ機、スロットマシン、アレンジボール、雀球など様々な機類があるが、本実施形態では、メダルを遊技媒体とするスロットマシンに本発明を適用した場合について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかるスロットマシンの概略正面図を示している。
また、図2は、本発明の一実施形態にかかるスロットマシンの前扉を開いた状態の概略斜視図を示している。
図1、2において、本実施形態のスロットマシン1は、前扉12によって開閉される筐体11の内部に設置され、メダルを払い出すメダル払出装置2、及び、前扉12に設けられ、払い出されたメダルをメダル払出口13まで落下移動させる移動経路31を形成するメダル返却シュート3を有している。
また、スロットマシン1は、メダル払出装置2の排出口23及びメダル返却シュート3の入口33に、移動経路31と筐体11の内部とを遮るように所定のラビリンス手段(本実施形態では、排出口用凸状部24及び入口用凸状部34)を設けてある。
なお、本実施形態の他の構成は、上述したスロットマシン101とほぼ同様としてある。
また、スロットマシン1は、制御部16が筐体11の上部奥側に取り付けられている。この制御部16は、スロットマシン1を制御するための主基板(図示せず)などを有している。さらに、メダル払出装置2の左側には、電源装置18が設置されている。また、スロットマシン1は、メダル払出装置2を前後方向に移動可能に案内する一対のガイドレール25を備えている。
図3は、本発明の一実施形態にかかるスロットマシンの、メダル払出装置の概略拡大正面図を示している。
図3において、メダル払出装置2は、メダル払出装置本体20及びホッパー21などを有している。
ホッパー21は、上述したホッパー121とほぼ同様にメダルを貯留する容器であり、メダル払出装置本体20に着脱可能に取り付けられている。このホッパー21は、正面側下部に、メダルを排出するための細長い矩形状の排出口23が形成され、さらに、この排出口23の周縁部に、矩形環状の排出口用凸状部24が形成されている。
また、本実施形態では、排出口用凸状部24及び入口用凸状部34が、スロットマシン1の正面方向から見て、水平方向に対して所定の角度(α°)で傾いている。さらに、メダル払出装置2は、上述したように、一対のガイドレール25によって、移動可能に案内されており、左右方向にそれぞれ距離Hの遊びが発生している。傾けた効果や距離Hとの関係などについては、後述する。
図4は、本発明の一実施形態にかかるスロットマシンの、メダル返却シュートの概略拡大正面図を示している。
図4において、メダル返却シュート3は、移動経路31、過投入防止用移動経路32、入口33、入口用凸状部34、過投入防止用入口321及び出口35などの形成された樋状あるいは管状の部材である。
なお、図4に示すメダル返却シュート3は、前扉12に取り付けられた状態においては、スロットマシン1の背面方向から見たものである。
なお、排出口用凸状部24及び入口用凸状部34の数は、通常、各一つであるが、これに限定されるものではない。たとえば、図示してないが、少なくとも一方を二つ以上設けてもよい。すなわち、各凸状部を環状に幾重にも重ねたラビリンス手段とすることもできる。
また、排出口用凸状部24及び入口用凸状部34の突出量は、通常、数mmから十数mmである。
図5は、本発明の一実施形態にかかるスロットマシンの、前扉を閉じた状態における側面方向からの概略拡大断面図を示している。
図5において、スロットマシン1は、前扉12が閉められた状態であり、メダル返却シュート3の入口用凸状部34が、メダル払出装置2の排出口用凸状部24に入り込んでいる。
図6は、図5のA−A断面図を示している。
本実施形態では、図6に示すように、排出口用凸状部24及び入口用凸状部34は、スロットマシン1の正面方向から見て、水平方向に対して所定の角度(α°)で傾いている。
図示してないが、排出口用凸状部24及び入口用凸状部34を水平方向に形成した場合(すなわち、α°=0°とした場合)、ポイントP1、P3における排出口用凸状部24と入口用凸状部34との距離は、Δ1であり、また、ポイントP2、P4における排出口用凸状部24と入口用凸状部34との距離は、Δ2である。
また、前扉12を開閉するための、ポイントP1、P2、P3、P4における排出口用凸状部24と入口用凸状部34とのクリアランスは、水平方向のクリアランスがΔ2であり、また、垂直方向のクリアランスがΔ1である。
このようにすると、前扉12を開閉するための、ポイントP1、P3における排出口用凸状部24と入口用凸状部34とのクリアランスは、水平方向のクリアランスがΔ1/sinα°となり、また、垂直方向のクリアランスがΔ1/cosα°となる。
また、前扉12を開閉するための、ポイントP2、P4における排出口用凸状部24と入口用凸状部34とのクリアランスは、水平方向のクリアランスがΔ2/cosα°となり、また、垂直方向のクリアランスがΔ2/sinα°となる。
たとえば、α°=45°とした場合、前扉12を開閉するための、ポイントP1、P3における排出口用凸状部24と入口用凸状部34とのクリアランスは、水平方向のクリアランスが約1.41×Δ1(=Δ1/sin45°)となり、また、垂直方向のクリアランスが約1.41×Δ1(=Δ1/cos45°)となる。同様に、前扉12を開閉するための、ポイントP2、P4における排出口用凸状部24と入口用凸状部34とのクリアランスは、水平方向のクリアランスが約1.41×Δ2(=Δ2/cos45°)となり、また、垂直方向のクリアランスが約1.41×Δ2(=Δ2/sin45°)となる。このように、水平方向や垂直方向に対するクリアランス(前扉12を開閉する際の遊び幅とも呼べる。)を拡張することができる。
なお、前扉12などの構造によっては、通常、垂直方向のクリアランスより水平方向のクリアランスを大きくする必要がある。したがって、Δ1及びΔ2は、前扉12などの構造に応じて設定される。
また、前扉12の回動中心線(図示せず)は、図2に示すように、微小角度(通常、数°)だけ後方に傾いているが、ここでは、水平面に対して垂直であるとしても、特に支障はないものとする。
図7は、図6のB−B断面図を示している。
図7において、入口用凸状部34は、所定の距離(長手方向には、距離Δ1であり、短手方向には、距離Δ2である。)を有する状態で、排出口用凸状部24に嵌入されている。
なお、通常、入口用凸状部34の先端面は、ホッパー21の表面に当接しない構成としてあり、このようにすると、当接による破損などを防止することができる。
なお、“移動経路と筐体の内部とを遮るように”とは、移動経路31と筐体11の内部とを連通させる連通経路において、不正侵入方向を二回以上方向転換する状態となるようにといった意味である。
例えば、図示してないが、入口用凸状部34の外周面に、矩形環状の弾性体(通常、ゴムなどからなる弾性体)を取り付け、この弾性体の先端部が、ホッパー21の表面と当接する構成としてもよい。このようにすると、移動経路31と筐体11の内部とを連通させる連通経路を遮ることができ、また、無理やり不正具を挿入すると、弾性体に傷が付くので、不正行為が行われようとしたことを察知することができる。
なお、かかる場合、排出口用凸状部24の外側に第二の排出口用凸状部24を設け、これらの間に、入口用凸状部34が挿入される構成としてもよい。このようにすると、メダル払出口13から不正具を挿入し、筐体11内の装置(電源装置18、主基板など)に不正にアクセスするといった不正行為をも効果的に防止することができる。
2、102 メダル払出装置
3、103 メダル返却シュート
11 筐体
12 前扉
13 メダル払出口
14 メダル投入口
15 メダルセレクタ
16 制御部
17 ドラムユニット
18 電源装置
20、120 メダル払出装置本体
21、121 ホッパー
22 回転ディスク
23、123、231 排出口
24 排出口用凸状部
25 ガイドレール
31、131 移動経路
32 過投入防止用移動経路
33、133 入口
34、134 入口用凸状部
35 出口
124 滑り台部
125 斜面
126 側方ガイド
151 メダル投入ガイド
321 過投入防止用入口
Claims (5)
- 扉によって開閉される筐体の内部に設置され、遊技媒体を払い出す払出手段、及び、前記扉に設けられ、払い出された前記遊技媒体を機外と通じる払出口まで落下移動させる移動経路を形成する遊技媒体用シュートを有する遊技機において、
前記払出手段の排出口及び前記遊技媒体用シュートの入口に、前記移動経路と前記筐体の内部とを遮るように、前記払出手段の排出口の周縁に形成された環状の排出口用凸状部、及び、前記遊技媒体用シュートの入口の周縁に形成された環状の入口用凸状部を有し、前記扉が閉められると、前記入口用凸状部が前記排出口用凸状部に嵌入されることを特徴とする遊技機。 - 扉によって開閉される筐体の内部に設置され、遊技媒体を払い出す払出手段、及び、前記扉に設けられ、払い出された前記遊技媒体を機外と通じる払出口まで落下移動させる移動経路を形成する遊技媒体用シュートを有する遊技機において、
前記払出手段の排出口及び前記遊技媒体用シュートの入口に、前記移動経路と前記筐体の内部とを遮るように、前記払出手段の排出口の周縁に形成された環状の排出口用凸状部、及び、前記遊技媒体用シュートの入口の周縁に形成された環状の入口用凸状部を有し、前記扉が閉められると、前記排出口用凸状部が前記入口用凸状部に嵌入されることを特徴とする遊技機。 - 前記排出口用凸状部及び入口用凸状部が、矩形環状であり、かつ、水平方向に対して所定の角度で傾いていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
- 前記払出手段が、遊技媒体としてのメダルを払い出す、回転ディスクを有するメダル払出装置であり、前記回転ディスクが、水平方向に対して前記所定の角度に対応して傾いていることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
- 前記払出手段を移動可能に案内するガイドレールを備え、前記入口用凸状部と前記排出口用凸状部との間に、前記ガイドレールに対する前記払出手段の遊びを吸収可能なクリアランスを設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技機。
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