JP5469627B2 - 金属光沢フィルム、積層シートおよび容器 - Google Patents
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Description
さらに容器自体も、再利用する際に同様な問題がある。
従って、リサイクルするためには、金属光沢層に用いられる金属の量を抑制する必要がある。
また、本発明は、上記した金属光沢フィルムにおいて、前記の金属インキ層及び黒色インキ層が前記透明な合成樹脂フィルムの面上に規則的に散在するように形成されてなることを特徴とする金属光沢フィルムにある。
また、本発明は、上記した積層シートにおいて、前記の金属インキ層及び黒色インキ層が前記透明な合成樹脂フィルムの面上に規則的に散在するように形成されてなることを特徴とする積層シートにある。
また、この積層シートを成形して得た容器は、金属粉を含有する金属インキを印刷して形成した金属インキ層を、透明な合成樹脂フィルムの前面に設けることなく、30〜80%の面積に減らして設けることとし、金属インキ層を設けなかった部分には黒色インキ層を設けることで、金属インキ層を減らしたにもかかわらず、良好な金属光沢外観を発揮すると同時に、金属探知機に反応することも無く、さらに熱成形して容器を製造した際のトリミングロスなどをリサイクルして使用することができる、という優れた効果を奏する。
前記ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン樹脂単独のもの、あるいは、スチレンモノマーに共重合可能なモノマー(例えば、ブタジエン、無水マレイン酸、メタクリル酸等)とスチレンモノマーとの共重合体樹脂単独のもの、または、ポリスチレン樹脂と該共重合体樹脂との混合物等が挙げられ、前記ポリスチレン系樹脂は、ハイインパクトポリスチレン樹脂であってもよい。
また、前記合成樹脂フィルム2は、ヘーズ値が好ましくは30%以下、より好ましくは25%以下である。本実施形態の金属光沢フィルム1は、合成樹脂フィルム2のヘーズ値が30%以下であることにより、金属光沢外観の発揮がより高いものとなるという利点がある。尚、該ヘーズ値は、日本工業規格JIS K 7136:2000「プラスチック透明材料のヘーズの求め方」に準拠して求められるものを意味する。
また、該金属インキは、金属粉以外に、通常のインキで用いられる種々の油性溶媒や水性溶媒を含有してよい。
該金属インキを印刷する方法としては、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷等の種々の印刷方法を採用することができる。前記金属インキ層3は、前記合成樹脂フィルム2の片面の30〜80%の面積を占めるように印刷されて形成される。
前記金属粉としては、例えば、アルミニウム粉、銀粉、金粉、銅粉、青銅粉、その他の金属や合金の粉末、金属蒸着細片等の、金属光沢成分として従来公知の、種々の形態を有する金属粉が挙げられる。また、例えば、黄色や赤色等の着色剤と混合されて色調が調整された金属粉も挙げられる。さらに、無機粒子の表面に金属の膜が形成されたものであってもよい。
なお、この黒色インキ層3の前記合成樹脂フィルム2に対する面積の割合は、20〜80%程度が好ましい。
上記した金属インキ層3及び黒色インキ層4は、前記合成樹脂フィルム2の片面にストライプ状や放射状、幾何学模様などさまざまなパターンに規則的に散在するよう設けることができる。
前記黒色インキ層4の厚みは、好ましくは1〜5μmである。
前記黒色インキは、黒色顔料を、好ましくは3〜50重量%含有してなる。なお、前記黒色顔料がカーボンブラックである場合には、前記黒色インキは、黒色顔料を、好ましくは3〜10重量%含有してなる。
また、該黒色インキは、黒色粉以外に、通常のインキで用いられる種々の油性溶媒や水性溶媒を含有しいてもよい。
具体的には、本実施形態の積層シート5は、合成樹脂シート6の少なくとも片面に、前記金属光沢フィルム1が、金属インキ層3及び黒色インキ層4側から積層されて形成されてなる。
該ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン樹脂単独のもの、あるいは、スチレンモノマーに共重合可能なブタジエン、無水マレイン酸、メタクリル酸等のモノマーと、スチレンモノマーとの共重合体樹脂単独のもの、または、ポリスチレン樹脂と該共重合体樹脂との混合物等が挙げられる。また、該ポリスチレン系樹脂は、ハイインパクトポリスチレン樹脂であってもよい。また、該ポリスチレン系樹脂は、本実施形態の容器を作製する際に生じるトリミングロスをリサイクル材料として含有してもよい。
前記発泡剤としては、揮発性発泡剤(例えば、ブタン、ペンタン等)、無機発泡剤(例えば、二酸化炭素、窒素、空気等)、熱分解性発泡剤(例えば、アゾジカルボンアミド)等が挙げられる。
前記合成樹脂シート6は、発泡シートであっても、非発泡シートであってもよい。
前記合成樹脂シート6としては、表面が平滑であり凹凸が少ないシートが、より高く金属光沢外観が発揮できるという点から好ましい。
また、前記合成樹脂シート6は、厚み(積層体の場合は積層体合計の厚み)が0.2〜3.0mmであることが好ましい。
前記合成樹脂シート6としては、無着色のものでもよいが、複雑な色調を表現するために、黒色インキ層4側の部分が任意の色に着色されているものでもよい。
該ラミネート方法としては、熱ラミネート法であってもよく、該熱ラミネート法は、あらかじめ作製した熱可塑性樹脂シートの少なくとも片面に、金属光沢フィルム1を重ねた状態で、一対の熱ロール間を通すことで熱溶着させて積層する方法である。
また、前記熱ラミネート法を採用して、合成樹脂シート6の少なくとも片面に、金属光沢フィルム1を積層する際に、合成樹脂シート6と、金属インキ層3及び黒色インキ層4とが、互いに相溶性が良好でない材料からなる場合には、両者の熱接着性を高めるべく、合成樹脂シート6もしくは金属インキ層3及び黒色インキ層4のうち少なくとも一方の表面に、両材料に対して相溶性又は接着性に優れたシール剤からなるシール層を形成することが好ましい。
また、フィルム浮き等が発生するのを防止しながら、全体としての層の数や、製造に要する工程数等をできるだけ少なくすることによって、金属光沢フィルム1や熱成形用シートの生産性を向上して、製造コストを低減すること等を考慮すると、金属インキ層3、黒色インキ層4に、フィルム層2及びシート層1と互いに相溶性、または接着性に優れた材質を含ませて積層シート5を製造し、下記の方法によって熱成形し、その後、容器の形状に合わせて打抜き加工して製造することが好ましい。
尚、打抜き加工の際に生じるトリミングロスは、前記合成樹脂シート6の材料として用いてもよく、特に、フィルム層2及びシート層1を例えばポリスチレン系樹脂などを使用して同じ素材とすることにより、いっそう上記したリサイクルを容易にできる。
熱成形方法としては、従来公知の種々の熱成形方法が、いずれも採用可能である。前記熱成形方法としては、真空成形法、圧空成形法、真空圧空成形法、熱盤圧空成形法等が挙げられる。本実施形態の容器の具体例としては、包装用容器が挙げられる。また、収容する食品に対応した種々の立体形状を有するトレー等の簡易食品容器等が挙げられる。より具体的には、例えば碗状、皿状、又はカップ状の容器等が挙げられる。
(実施例1−1)(金属インキ層、面積の割合:65%)
透明な合成樹脂フィルムとして、厚み25μm、ヘーズ値24%のポリスチレンフィルム〔旭化成(株)社製のOPSフィルム〕を使用し、該合成樹脂フィルムの片面の全面に、グラビア印刷法によって、金属インキとしての、銀粉が含有されてなる高輝度銀インキ〔アクリル樹脂系、DIC(株)製のSTC高輝度シルバー〕を印刷して、金属インキ層(厚み:3μm)を合成樹脂フィルムの65%を占める面積に図4に示すように形成した。
次に、該金属インキ層を形成後に、グラビア印刷法によって、黒色インキ〔アクリル樹脂系、DIC(株)製STC805墨〕を、図4のように金属インキ層が形成されない部分及び一部金属インキ層が形成された部分に重ねて合成樹脂フィルムの45%を占める面積に印刷して黒色インキ層(厚み:3μm)を形成して、金属光沢フィルムを得た。なお、金属インキ層と黒色インキ層との一部重複は合成樹脂フィルムの10%を占める面積であった。
得られた金属光沢フィルムを、透明な合成樹脂フィルム側から観察したところ、図4に示すとおり、金属インキ層を65%にまで減らしたにもかかわらず、金属インキ層とこれを設けなかった部分に黒色インキ層を併用して設けることで、良好な金属光沢外観を発揮することが確認された。
透明な合成樹脂フィルムとして、厚み25μm、ヘーズ値24%のポリスチレンフィルム〔旭化成(株)社製のOPSフィルム〕を使用し、該合成樹脂フィルムの片面の全面に、グラビア印刷法によって、金属インキとしての、銀粉が含有されてなる高輝度銀インキ〔アクリル樹脂系、DIC(株)製のSTC高輝度シルバー〕を印刷して、金属インキ層(厚み:3μm)を合成樹脂フィルムの55%を占める面積に図5に示すようにストライプ状に形成した。
次に、該金属インキ層を形成後に、グラビア印刷法によって、黒色インキ〔アクリル樹脂系、DIC(株)社製のSTC−TL 805墨〕〕を、図5のように金属インキ層が形成されない部分及び一部金属インキ層が形成された部分に重ねて合成樹脂フィルムの50%を占める面積に印刷して黒色インキ層(厚み:3μm)を形成して、金属光沢フィルムを得た。なお、金属インキ層と黒色インキ層との一部重複は合成樹脂フィルムの5%を占める面積であった。
得られた金属光沢フィルムを、透明な合成樹脂フィルム側から観察したところ、図5に示すとおり、金属インキ層を55%にまで減らしたにもかかわらず、金属インキ層とこれを設けなかった部分に黒色インキ層を併用して設けることで、良好な金属光沢外観を発揮するとことが確認された。
透明な合成樹脂フィルムとして、厚み25μm、ヘーズ値24%のポリスチレンフィルム〔旭化成(株)社製のOPSフィルム〕を使用し、該合成樹脂フィルムの片面の全面に、グラビア印刷法によって、金属インキとしての、銀粉が含有されてなる高輝度銀インキ〔アクリル樹脂系、DIC(株)製のSTC高輝度シルバー〕を印刷して、金属インキ層(厚み:3μm)を合成樹脂フィルムの10%を占める面積に図6に示すようにストライプ状に形成した。
次に、該金属インキ層を形成後に、グラビア印刷法によって、黒色インキ〔アクリル樹脂系、大日本インキ化学工業(株)社製のSTC−TL 805墨〕を、図6のように金属インキ層が形成されない部分である、合成樹脂フィルムの90%を占める面積に印刷して黒色インキ層(厚み:3μm)を形成して、印刷フィルムを得た。
得られた印刷フィルムを、透明な合成樹脂フィルム側から観察したところ、図6に示すとおり、全体として黒を基調とする外観を呈し、金属光沢外観を呈さないことが確認された。
(実施例2−1)
実施例1−1の金属光沢フィルムと、合成樹脂シートとしての厚み0.6mmのポリスチレン系樹脂シートとを、熱ラミネート法によって積層して、実施例2−1の積層シートを製造した。具体的には、Tダイ法によって樹脂温度220℃の条件下でポリスチレン系樹脂をシート状に押出成形して合成樹脂シートを得た。このシートの片面に、印刷した層側の面が重ね合わせられる面となるように金属光沢フィルムを重ね合わせて加熱ロール間で圧接することで熱溶着させて、実施例2−1の積層シートを製造した。
実施例2−1の積層シートを、透明な合成樹脂フィルム側から観察したところ、良好な金属光沢外観を発揮するとことが確認された。
実施例1−1の金属光沢フィルムと、合成樹脂シートとしての厚み1.2mmの発泡ポリスチレン系樹脂シート(発泡倍率約10倍)とを、熱ラミネート法によって積層して、実施例2−2の積層シートを製造した。具体的には、ポリスチレン系樹脂シートの片面に、印刷層側の面が重ね合わせられる面となるように金属光沢フィルムを重ね合わせ、加熱ロールで圧接することで熱溶着させて、実施例2−2の積層シートを製造した。
実施例2−2の積層シートを、透明な合成樹脂フィルム側から観察したところ、良好な金属光沢外観を発揮することが確認された。
印刷フィルムとして比較例1で得た印刷フィルムを用いたこと以外は、実施例2−1と同様にして、積層シートを製造した。
得られた積層シートは、透明な合成樹脂フィルム側から観察したところ、全体として黒を基調とする外観を呈し、金属光沢外観を呈さないことが確認された。
(実施例3−1)
実施例2−1の積層シートを真空圧空成形して、簡易食品容器としての実施例3−1の容器を製造した。
実施例3−1の容器を、透明な合成樹脂フィルム側から観察したところ、良好な金属光沢外観を発揮するとことが確認された。また、得られた容器は、金属探知機に反応することなく使用することができた。
実施例2−2の積層シートを用いたこと以外は、実施例3−1の容器と同様にして、実施例3−2の容器を製造した。
実施例3−2の容器を、透明な合成樹脂フィルム側から観察したところ、良好な金属光沢外観を発揮するとことが確認された。また、得られた容器は、金属探知機に反応することなく使用することができた。
比較例2−1の積層シートを用いたこと以外は、実施例3−1の容器と同様にして、比較例3−1の容器を製造した。
得られた容器は、透明な合成樹脂フィルム側から観察したところ、全体として黒を基調とする外観を呈し、金属光沢外観を呈さないことが確認された。
(実施例4−1)
実施例3−1の容器を製造した際に生じたトリミングロスを粉砕してリサイクル原料を得た。そして、該リサイクル原料30重量%と、バージン原料(ポリスチレン系樹脂)70重量%とを配合してリサイクル原料含有ポリスチレン系樹脂を得た。次に、Tダイ法によって樹脂温度220℃の条件下で前記リサイクル原料含有ポリスチレン系樹脂をシート状に押出成形して得た合成樹脂シートの片面に、印刷層側の面が重ね合わせられる面となるように実施例1−1の金属光沢フィルムを重ね合わせ加熱ロールで圧接することで熱溶着させて、積層シートを製造した。尚、このポリスチレン系樹脂シートの厚みは0.6mmとした。
そして、該積層シートを用いたこと以外は、実施例3−1の容器と同様にして、実施例4−1の容器を製造した。
実施例4−1の容器を、透明な合成樹脂フィルム側から観察したところ、透明な合成樹脂フィルム側から観察したところ、良好な金属光沢外観を発揮するとことが確認された。
Claims (5)
- 透明な合成樹脂フィルムと、前記合成樹脂フィルムの片面に金属粉を含有する金属インキが印刷されて形成された金属インキ層とを形成した印刷フィルムであって、前記金属インキ層は、前記透明な合成樹脂フィルムの30〜80%の面積を占め、かつ少なくとも前記金属インキ層を設けない部分には黒色インキ層が形成されてなることを特徴とする金属光沢フィルム。
- 前記の金属インキ層及び黒色インキ層が前記透明な合成樹脂フィルムの面上に規則的に散在するように形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の金属光沢フィルム。
- 合成樹脂シートの少なくとも片面に、
透明な合成樹脂フィルムと、前記合成樹脂フィルムの片面に金属粉を含有する金属インキが印刷されて形成された金属インキ層とを形成した印刷フィルムであって、前記金属インキ層が、前記透明な合成樹脂フィルムの30〜80%の面積を占め、かつ少なくとも前記金属インキ層を設けない部分には黒色インキ層が形成された金属光沢フィルムが積層されたことを特徴とする積層シート。 - 前記の金属インキ層及び黒色インキ層が前記透明な合成樹脂フィルムの面上に規則的に散在するように形成されてなることを特徴とする請求項3に記載の積層シート。
- 請求項3もしくは請求項4に記載の積層シートを熱成形して得た容器。
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