JP5464388B2 - インクタンク用シール部材および該シール部材を含むインクタンク - Google Patents
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このシール部材には、より高い調芯性(インク供給針とシール部材との間にずれが生じてもシール状態を維持していること)が求められている。
重合体100重量部と、ポリオレフィン樹脂3〜40重量部と、軟化剤40〜250重量部とを含有する材料からなることにより、耐インク性、密着性および成形性に優れている。
本実施形態に係るインクタンク用弾性部材は、結晶性ポリオレフィンブロックおよび非晶性ポリオレフィンブロックを有するブロック共重合体100重量部と、ポリオレフィン樹脂3〜40重量部と、軟化剤40〜250重量部とを含有する材料(以下、「弾性部材用材料」ともいう。)からなる。
1.1.1.ブロック共重合体
ブロック共重合体(エラストマー)を構成する結晶性ポリオレフィンブロックおよび非晶性ポリオレフィンブロックはそれぞれ、1種または2種以上のオレフィンブロックを有する。
ポリオレフィン樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン(特には結晶性ポリブテン)などを挙げることができる。中でも、アイソタクティックポリプロピレンまたはその共重合体が好ましい。
軟化剤としては、例えば、鉱物油系のパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、または合成系のポリイソブチレン系オイルであって、その数平均分子量が450〜5000であるものが好ましい。なお、軟化剤は1種を単独で用いてもよく、互いの相溶性が良好であれば2種以上を混合して用いてもよい。
本実施形態に係るインクタンク用弾性部材は、石油系炭化水素化合物を実質的に含まない材料からなる。ここで、「石油系炭化水素化合物を実質的に含まない」とは、弾性部材用材料における石油系炭化水素化合物の配合割合が0.1質量%未満であることをいい、石油系炭化水素化合物としては、例えば、合成テルペン樹脂、芳香族系炭化水素樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂等が挙げられる。
配合割合が0.1質量%未満であることをいい、アニオン性界面活性剤としては、例えば、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ラウリン酸カリウム、ミリスチン酸カリウム、ステアリン酸カリウムなどの高級脂肪酸およびその塩が挙げられる。本実施形態に係るインクタンク用弾性部材がアニオン性界面活性剤を実質的に含まない材料からなることにより、前記弾性部材の成形時に生じる被膜の発生を防止することができる。
1.2.1.具体例1
本実施形態に係るインクタンク用弾性部材は、例えば、記録ヘッドにインクを供給するインク供給口とインク収容室とを結ぶインク流路の途中に配置された負圧発生機構に含まれる膜弁であることができる(具体例1)。ここで、負圧発生機構が差圧弁であることが好ましい。このような膜弁としては例えば、後述する図8〜図10に示す膜弁212が挙げられる。
また、本実施形態に係るインクタンク用弾性部材は、例えば、記録ヘッドにインクを供給するインク供給口に設けられるシール部材であることができる(具体例2)。このようなシール部材としては例えば、後述する図8〜図10に示すシール部材252が挙げられ
る。
本実施形態に係るインクタンク用弾性部材は、射出成形や押出成形などの従来公知の成形方法によって製造することができる。例えば、上記弾性部材用材料を金型内に溶融射出成形することにより、本実施形態に係るインクタンク用弾性部材を製造することができる。
本実施形態に係るインクタンク用弾性部材を構成する弾性部材用材料は、他のインクジェット記録装置用の弾性部材にも使用することができる。
本実施形態に係るインクタンク用弾性部材の作用効果を説明する前に、比較対照として、公知のインクジェット記録装置用弾性部材について説明する。
特開2000−978号公報および国際公開番号WO2003/027183号には、SEPS(スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンのトリブロック共重合体)やSEBS(スチレン−エチレン/ブテン−スチレンのトリブロック共重合体)などのスチレン系エラストマーからなるインクジェット記録装置用弾性部材が開示されている。
これに対して、本実施形態に係るインクタンク用弾性部材によれば、アニオン性界面活性剤を実質的に含まない弾性部材用材料からなるため、該界面活性剤の皮膜の発生を防止することができる。よって、金型の洗浄等の手間を省くことができる。
本発明の一実施形態に係るインクを収容するインク収容部を備えたインクタンクであり、インクジェット記録装置に対して着脱可能なインクカートリッジは、上記実施形態に係るインクカートリッジ(インクタンク)用弾性部材を含む。以下、本実施形態に係るインクカートリッジの構成について以下に説明する。
図1(a)、図1(b)、および図2(a)〜(d)はそれぞれ、本発明の一実施形態に係るインクカートリッジ161の外観を示す。インクカートリッジ161は、一方の面が開口した扁平な矩形状の有底箱型の容器本体162と、この開口を封止する蓋体163とを主体として構成されている。挿入方向の先端側(本実施形態では底面)の長手方向の一方に偏するようにインク供給口164が容器本体162と一体に形成され、上部の側方にはそれぞれ係止部材165、166が容器本体162と一体に形成されている。
一方、インクカートリッジ161が装着されるインクジェット記録装置のキャリッジ260は、図3に示したように、底面に記録ヘッド261が設けられており、記録ヘッド261に連通するインク供給針262が設けられている。インク供給針262が設けられている領域から離れた領域には押圧部材(本実施形態では板バネ263)が設けられている。インク供給針262との間には、位置決め用の凸片264がカートリッジ161の挿抜方向に延出形成されている。また、インク供給針262の側の側壁265には、電極266が配置され、電極266の上部には、係止部材165の突起165bと係合する凹部267が形成されている。
2.3.1.インク収容室の構成
図5(a)および図5(b)は、本実施形態に係るインクカートリッジ161を構成する容器本体162の一例を表裏の構造で示す。容器本体162の内側には、略水平方向、より詳細にはインク供給口164の側が若干下方となるように延びる壁170により、容器本体162が上下に分割されている。容器本体162の下部領域には第1インク収容室171が設けられ、容器本体162の上部は、壁170を底面とするように容器本体162の壁172と一定の間隙を持たせて大気連通路173を形成するように、枠部174により区画されている。枠部174は、底部に連通口175aが形成された垂直な壁175により分割され、一方の領域を第2インク収容室176として、また他方の領域を第3インク収容室177として形成されている。
、184、186、187により区画されている。さらに、壁182に連続して差圧弁収容室193(図9参照)の裏面に連通する流路が壁184により区画されている。
図8に示したように、容器本体162の開口側の枠部174、壁170、175、18
2、184、186、187、190、および199には、フィルム254を熱溶着等により接着して上部に位置するインク収容室(176、177、183)を形成するとともに、下部のインク収容室(171)とは分離された状態で、蓋体163が気密的に嵌着されている。また、バルブ収容室168には、弁体225と板バネ222を収容した状態で、フィルム256が貼着されている。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、本実施例において、%および部は、重量基準である。
表1に示す成分を用いて、溶融射出成形により実施例1〜5および比較例1〜7のシール部材212(図8および図9参照)を製造した。ブロック共重合体として、実施例1〜5および比較例1〜4で用いたCEBCは、JSR(株)製、商品名「DR6200」であり、比較例5および7で使用したSEPS(対照)は、クラレ(株)製、商品名「SEPS4055」であり、比較例6で使用したSIBS(スチレン−イソブテン/ブテン−スチレン)(対照)は、カネカ(株)製、商品名「073T」であった。
次に、実施例および比較例で製造されたシール部材212について評価を行った。その結果を以下に示す。
実施例1〜5および比較例1〜7で製造されたシール部材をインクカートリッジ161のインク供給口164(図8および図9参照)に取り付けた後、インクカートリッジ161をキャリッジ260に取り付けた状態で(図3参照)60℃で5日間保持した後、該シール部材とインク供給針262とをずらしていき、シール供給口164にインク供給針262を挿入し、インク供給針262にチューブを挿入して真下に垂し、そのチューブに水を注入して約−10kg/Paの圧力をかけた状態のインク供給針262のズレ量を測定した。ズレ量が大きいほど、シール部材とインク供給針262との調芯性が良好であるといえる。
1.16mm,最大1.5mmであったのに対して、比較例1〜7で得られたシール部材(5サンプル平均)では、ズレ量が平均1.12mm,最大1.27mmであった。
実施例1〜5および比較例1〜7で製造されたシール部材をインクカートリッジ161のインク供給口164(図8および図9参照)に取り付けた後、インクカートリッジ161をキャリッジ260に取り付けた状態で(図3参照)60℃で5日間保持した後、該シール部材からインク供給針262を外す際の荷重(脱技力)を測定した。なお、シール供給口164にはバネ251が取り付けられていない状態で行った。荷重が大きいほど、シール部材がインク供給針251から外れにくく、密着性が良好であるといえる。
表2に示す成分を用いて、溶融射出成形により実施例6〜11および比較例8〜14の膜弁212(図8〜図10参照)を製造した。ブロック共重合体として、実施例6〜11および比較例8〜12で用いたCEBCは、JSR(株)製、商品名「DR6200」であり、比較例12および13で使用したSEPS(対照)は、クラレ(株)製、商品名「SEPS4055」であり、比較例14で使用したSIBS(スチレン−イソブテン/ブテン−スチレン)(対照)は、カネカ(株)製、商品名「073T」であった。
実施例6〜11の膜弁によれば、膜弁とその周囲の部材との間の密着性を高めることができ、かつ、摺動負荷を減らすことができた。これに対して、比較例8〜14の膜弁によれば、膜弁とその周囲の部材との間の密着性が低く、かつ、摺動負荷が大きかった。
a,230b…爪、250…弁体、251…バネ、252…シール部材、253…保護用フィルム、254…フィルム、255…フィルム、256…フィルム、258…通気性フィルム、260…キャリッジ、261…ヘッド、262…インク供給針、263…板バネ、264…凸片、265…側壁、266…電極、267…凹部,270,271,272…識別片
Claims (3)
- インクタンクに設けられた開口に装着されるシール部材であって、
結晶性ポリエチレンブロックおよび非晶性ポリエチレン/ブテンブロックを有するブロック共重合体100重量部と、ポリオレフィン樹脂10〜30重量部と、軟化剤100〜200重量部とを含有する材料からなり、
前記ブロック共重合体中の前記結晶性ポリエチレンブロックの割合は、前記ブロック共重合体の総量の15〜40質量%であり、
前記ポリオレフィン樹脂は、アイソタクティックポリプロピレンまたはその共重合体であり、
硬度が30〜45である、インクタンク用シール部材。 - 請求項1において、
前記ブロック共重合体の数平均分子量は250,000〜350,000である、インクタンク用シール部材。 - 請求項1または2に記載のシール部材を含む、インクタンク。
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