JP5464037B2 - オーステナイト系ステンレス鋼、ステンレス鋼製品およびそれらの製造方法 - Google Patents

オーステナイト系ステンレス鋼、ステンレス鋼製品およびそれらの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、オーステナイト系ステンレス鋼、ステンレス鋼製品およびそれらの製造方法に関し、具体的には、高温環境での使用に際して優れた耐熱性、具体的には耐酸化性および高温強度を有し、容易に製造、加工することができるオーステナイト系ステンレス鋼、ステンレス鋼製品およびそれらの製造方法に関する。
近年、地球環境の問題より各種排出ガス中のNOx、SOx、CO等の有害ガスの濃度低減が強く望まれている。また、効率的なエネルギーの利用が強調され、自動車では燃費の改善が推進されている。
これらの環境問題への取り組みは、発電、化学、鉄鋼、自動車および家電機器等を含めた多くの産業分野において、同様に行われている。このため、発電、鉄鋼、化学の分野では、より高温での操業が指向され、自動車のエンジンではより高温かつ高圧での燃焼が指向されている。
従来より、高温用途にはオーステナイト系ステンレス鋼が多用されてきた。例えば、SUS304に代表される18Cr−8Ni系ステンレス鋼、SUS310Sを代表とする25Cr−20Ni系ステンレス鋼、Alloy800として知られる20Cr−32N系の高Cr−高Ni鋼が広く知られている。
また、高Si化によって高温での耐酸化性を向上させたステンレス鋼として、AISI302B、JISXM15J1、AISI314鋼等も知られている。これら以外にも、特許文献1〜19には、高温用途の材料が開示されている。
しかし、18Cr−8Ni系ステンレス鋼は、素材や製品の加工性や経済性に優れた材料であるものの、高温強度および耐酸化性がともに不十分である。また、高Cr−高Ni鋼および高Si鋼は、耐酸化性に優れるものの、高温強度が不十分である。さらに、高Ni鋼は、希少な金属に分類されるNiを多量に含有することから、コストが嵩む。
このため、自動車を中心として、高価なNiを殆ど含有しないことから安価なフェライト系ステンレス鋼を耐熱用途へ適用することも多数検討されている。フェライト系ステンレス鋼は、熱膨張係数がオーステナイト系ステンレス鋼に比べて小さいために、加熱および冷却の繰り返しに対して酸化物の剥離が起こり難く、素材の酸化が遅れるために耐酸化性に優れる。このようなフェライト系ステンレス鋼は、例えば特許文献20〜27により開示されている。
しかし、フェライト系ステンレス鋼は、軟化温度がオーステナイト系ステンレス鋼の軟化温度に比べて一般に低いため、高温強度が劣る。
そこで、特許文献28、29をはじめ特許文献30〜32には、有効な強化元素であるC、Nの含有量を高めることにより優れた高温強度および耐酸化性を有する材料が開示されている。
特に、特許文献28には、C:0.05〜0.15%(本明細書では特に断りがない限り化学組成に関する「%」は「質量%」を意味する。)、Si:1.0%未満、Mn:2.0%以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Cr:20〜30%、Ni:10〜15%、N:0.10〜0.30%、B:0.0010〜0.01%、La+Ce:0.01〜0.10%、Al:0.01〜0.20%、残部実質的にFeおよび不可避的不純物より成り、Niバランス値{=%Ni+0.5×%Mn+30×(%C+%N)−1.1×(%Cr+1.5×%Si)+8.2}が−1.0%〜+3.0%の範囲にある鋼組成を有する、溶接性に優れた高温用オーステナイト系ステンレス鋼が開示されている。
また、特許文献29には、C:0.100%以下、Si:1.50〜4.00%、Mn:2.00%以下、Cu:0.05〜2.00%、P:0.0040%以下、S:0.0100%以下、Cr:15.0〜30.0%、Ni:8.0〜15.0%、N:0.15〜0.30%、B:0.001〜0.010%、CaおよびY、La、Ce等希土類の元素の1種もしくは2種以上を合計で0.01〜0.10%、Al:0.01〜0.10%、残部実質的にFeより成り、Niバランス値{=%Ni+0.5×(%Mn+%Cu)+30×(%Cr+%N)−1.1×(%Cr+1.5×%Si)+8.2}が−1.00%〜+2.00%の範囲にある、溶接性に優れた高温用オーステナイト系ステンレス鋼に係る発明が開示されている
特許文献28、29により開示されたオーステナイト系ステンレス鋼は、REM(Rare Earth Metal)、具体的にはLaおよびCeの添加によってCrを含む酸化物の成長および剥離を抑制し、これにより、耐酸化性を大幅に向上させるものである。
しかし、C、Nの多量の含有は、多量かつ粗大な化合物を析出させ、熱間加工性を著しく劣化させる。C、Nを過剰に含有すると、鋼板、鋼管、棒鋼等の製造も困難にある。また、REM添加鋼は、耐酸化性の改善のために添加される活性なREMが、多量に含有されるC、Nと反応し、溶製時に粗大な化合物を形成し、耐酸化性の改善に充分な効果を示さないばかりか、成形性も劣化する。
他方、特許文献33〜38には、溶製時の成分調整によるのではなく、熱処理でのC、Nの吸収を活用することが開示されている。これらは、全てNの吸収を活用するものである。特許文献34〜36には、Nの固溶によって耐食性、時期割れおよび加工性を改善することが開示され、特許文献37には、Nの固溶と析出の活用により強度と延性の関係を改善することが開示され、さらに、特許文献38には、析出物の活用により表面での電気抵抗を改善することが開示されている。しかし、特許文献33〜38には、熱処理でのC、Nの吸収と高温特性との関係は、何も開示されていない。
特許文献39には、フェライト系ステンレス鋼に関して、窒素化合物の分散により高温強度を従来のオーステナイト系ステンレス鋼と同等程度に改善させることが開示されている。しかし、フェライト系ステンレス鋼は、窒素固溶量が小さいために窒素の固溶強化を有効に活用するものではなく、今後要求される、さらなる高温高圧での燃焼に応えることはできない。
特公昭56−17424号公報 特公昭57−54543号公報 特公昭58−2268号公報 特公平7−65146号公報 特許第964343号明細書 特許第995704号明細書 特許第1015087号明細書 特許第1112852号明細書 特許第1163812号明細書 特許第1167015号明細書 特許第1173831号明細書 特許第1209802号明細書 特許第1534248号明細書 特許第1612110号明細書 特開昭52−4418号公報 特開昭60−92454号公報 特開昭63−69950号公報 特開昭63−69951号公報 特開昭63−157840号公報 特開平6−088168号公報 特開平7−011394号公報 特開平8−260110号公報 特開平11−256287号公報 特開2004−218013号公報 特開2006−037176号公報 特開2006−117985号公報 特開2008−144199号公報 特許第2970432号明細書 特許第3381457号明細書 特開平8−319541号公報 特開2004−250783号公報 特開2009−084606号公報 特公昭58−54186号公報 特許第4239718号明細書 特許第4360136号明細書 特許第4378773号明細書 特開2007−70696号公報 特開2010−49980号公報 特公昭58−54186号公報
本発明の目的は、従来の技術が有する前述の課題を解決し、さらに過酷になる高温での使用環境に耐えることができる優れた耐熱性、具体的には耐酸化性と高温強度を有した上で、製造および加工が容易であり、広範な産業分野で使用できる優れた経済性をも兼ね備えるオーステナイト系ステンレス鋼、およびこのオーステナイト系ステンレス鋼からなる鋼製品と、これらを工業的に安定的に製造する製造方法とを提供することである。
本発明は、C:0.05〜0.20%、Si:1.0%未満、Mn:2.0%以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Cr:20.0〜30.0%、Ni:10.0〜15.0%、N:0.10〜0.42%、B:0.0010〜0.01%、La+Ce:0.01〜0.10%、sol.Al:0.01〜0.20%、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有し、厚さ方向の表層におけるC濃度が厚さ方向の中心におけるC濃度よりも0.03%以上高いこと、および/または、厚さ方向の表層におけるN濃度が厚さ方向の中心におけるN濃度よりも0.03%以上高いことを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼である。
この本発明に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、さらに、LaまたはCeを含む化合物のうち最大径が20μm以上である化合物の内在量が質量5g当たり30個以下であることが好ましい。
別の観点からは、本発明は、上述した本発明に係るオーステナイト系ステンレス鋼からなることを特徴とするステンレス鋼製品である。このステンレス鋼製品として、ボイラーの加熱器管、再加熱器管、化学工業用の反応炉管、自動車のエキゾーストマニホールド、フロントセンターパイプ、フレキシブルチューブ、ガスケット、調理機器等のヒーター、さらには交換器等が例示される。
別の観点からは、本発明は、材に、熱間加工および冷間加工を行った後に熱処理を1回以上繰り返して行うことによりオーステナイト系ステンレス鋼を製造する方法であって、少なくとも最終工程の熱処理を、Cおよび/またはNを含み、露点が−30℃未満である雰囲気で、900℃超で行うことを特徴とする上述した本発明に係るオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法である。
この本発明に係る製造方法では、最終工程の熱処理を行う前に、表面酸化被膜除去処理を行うことが好ましい。
さらに別の観点からは、本発明は、上述した本発明に係る製造方法により製造されたオーステナイト系ステンレス鋼に、加工および/または熱処理を行うことを特徴とするステンレス鋼製品の製造方法である。
本発明によれば、過酷になる高温での使用環境に耐える優れた耐熱性、具体的には耐酸化性と高温強度を有した上で、素材の製造および製品への成形、溶接による加工が容易であり、広範な分野での使用に耐える優れた経済性を兼ね備えるオーステナイト系ステンレス鋼を、工業的に安定して供給することができるようになる。
以下、本発明を実施するための形態を説明する。
はじめに、本発明に係るオーステナイト系ステンレス鋼の化学組成の限定理由を説明する。なお、本発明に係るオーステナイト系ステンレス鋼の組成は、上述した特許文献28により開示された高温用オーステナイト系ステンレス鋼の化学組成に基本的に準じており、略述するとC、Nの上限値のみが上昇したものである。
[C:0.05〜0.20%]
Cは、オーステナイト組織を安定化させるとともに、有効な強化元素である。C含有量が0.05%未満ではこの効果を充分に得られない。他方、C含有量が0.20%を超えると、後述する最終工程の熱処理および使用環境への加熱後の冷却時に、材料の表面における粒界に粗大な塊状炭化物が析出し、耐熱性および加工性がともに劣化する可能性が高くなり、この場合、ステンレス鋼の最大特徴である耐食性の劣化も避けられない。このため、C含有量は0.05%以上0.20%以下とする。C含有量は、0.18%以下であることが好ましい。なお、本発明では、C含有量は、溶解時に調整されるだけではなく、上記最終工程での熱処理によっても調整されるが、この最終工程での熱処理の前におけるC含有量は、前述のように低い方が望ましく、素材の熱間加工性等を勘案して、溶解時には0.15%以下に調整しておくことが好ましい。
[Si:1.0%未満]
Siは、溶解時の脱酸元素であるが、Si含有量の増加によって後述する最終工程での熱処理におけるC、Nの吸収が抑制されると考えられ、オーステナイト組織の安定度を低下させる。そこで、Si含有量は1.0%未満とする。好ましくは、0.4%未満である。
[Mn:2.0%以下]
Mnは、Siと同様に脱酸元素であるが、オーステナイト組織を安定化させる。ただし、過度に含有すると、耐酸化性を劣化させる。このため、Mn含有量は2.0%以下とする。Mn含有量は、好ましくは1.0%以下であり、さらに好ましくは、0.5%以下である。
[P:0.04%以下]
P含有量は、高温強度を確保するために少ない方が望ましく、製造性と経済性を勘案して、0.04%以下とする。
[S:0.01%以下]
S含有量は、高温強度を確保するために少ない方が望ましく、製造性と経済性を勘案して、0.01%以下とする。
[Cr:20.0〜30.0%]
Crは、耐酸化性および高温強度を向上させる有効な元素である。Cr含有量が20.0%未満ではこの効果を充分に得られない。他方、Cr含有量が30.0%を超えると、オーステナイト組織が不安定となり、粗大な炭窒化物の析出によって耐熱性および加工性がともに劣化する。そこで、Cr含有量は20.0%以上30.0%以下とする。Cr含有量は、好ましくは21%以上25%以下である。
[Ni:10.0〜15.0%]
Niは、オーステナイト組織の安定化および耐熱性の向上に重要な元素である。Ni含有量が10.0%未満ではこの効果が小さい。他方、Niは、高価な元素であるとともに、含有量が15%を超えると溶接性が著しく阻害される。そこで、Ni含有量は10.0%以上15.0%以下とする。Ni含有量は、好ましくは10%以上13%以下である。
[N:0.10〜0.42%]
Nは、オーステナイト組織を安定化させるとともに、有効な強化元素である。N含有量が0.10%未満ではこの効果を充分に得られない。しかし、N含有量が0.42%を超えると、後述する最終工程での熱処理および使用環境への加熱後冷却時に、材料に粗大な化合物が析出し、耐熱性および加工性がともに劣化する可能性が高くなる。このため、N含有量は0.10%以上0.42%以下とする。N含有量は、好ましくは0.38%以下である。なお、N含有量は、溶解時に調整されるだけではなく、上記最終工程での熱処理による添加をも想定するが、この最終工程での熱処理の前におけるN含有量は、前述のように低い方が望ましく、素材の熱間加工性等を勘案して、溶解時には0.30%以下に調整しておくことが好ましい。
[B:0.0010〜0.01%]
Bは、熱間加工性を向上し、高温強度にも有効な元素である。B含有量は、この効果を得るために0.0010%以上とする。しかし、B含有量が0.01%を超えると、逆に熱間加工性が劣化する。そこで、B含有量は、0.0010%以上0.01%以下とする。
[La+Ce:0.01〜0.10%]
La、Ceは、いずれも、耐酸化性の向上に極めて有効な元素である。LaおよびCeの合計含有量が0.01%未満であると、この効果を充分に得られない。しかし、LaおよびCeの合計含有量が0.10%を超えると、LaおよびCeの化合物を増大させ、熱間加工性および溶接性が劣化する。そこで、LaおよびCeの合計含有量は、0.01%以上0.10%以下とする。なお、La+Ceは、ミッシュメタルとして添加されるのであって、両者の割合は特に制限されない。
[sol.Al:0.01〜0.20%]
Alは、LaおよびCeの添加効果を発揮させるための脱酸成分であるので、sol.Al含有量は0.01%以上とする。しかし、sol.Al含有量が0.20%を超えると、熱間加工性が悪化すする。そこで、sol.Al含有量は0.01%以上0.20%以下とする。sol.Al含有量は、好ましくは0.10%以下である。
上記成分以外に、スクラップを原料とする場合に不可避的に含有されるCuやMoを、それぞれ0.4%以下含有してもよい。本発明では、CuやMoはオーステナイト組織を調整する元素としても作用する。
上記以外の残部はFeおよび不純物である。
本発明に係るオーステナイト系ステンレス鋼の化学組成以外の特徴を説明する。
[厚さ方向の表層におけるC濃度が厚さ方向の中心におけるC濃度よりも0.03%以上高いこと、および/または、厚さ方向の表層におけるN濃度が厚さ方向の中心におけるN濃度よりも0.03%以上高いこと]
本発明者らは、上述した特許文献28、29により開示されたREM添加、具体的には、LaおよびCeを添加した耐熱オーステナイト系ステンレス鋼のさらなる高性能化を図るため、有効な強化元素であるC、Nの添加法として、従来の溶製時の添加ではなく、オーステナイト系ステンレス鋼への熱処理による吸収に着目した。
前述のように、耐熱オーステナイト系ステンレス鋼は、C、Nを吸収させることによって室温での強度が向上し、それに対応する高温での強度も向上する。
その上で、LaおよびCeを添加した耐熱オーステナイト系ステンレス鋼にC、Nを吸収させると、予想を大きく超える以下に列記する効果、具体的には、
(a)高温強度とともに加工性が向上すること、および
(b)同時に優れた耐酸化性を得られ、加熱および冷却を繰り返した場合においてもこの優れた耐酸化性が維持されること
が得られる。
この予想外の効果は、
(i)最も著しく影響を受ける熱間加工時のC含有量やN含有量を低く抑えられるため、最終的なC含有量、N含有量は、溶解時の添加よりも、後述する最終工程での熱処理による吸収に影響され、高温強度が上昇すること、
(ii)溶製時に形成されるREMとC、Nとによる粗大な化合物の形成が抑制され、微細分散することによって、さらなる強化と加工性の改善とが図られること、および
(iii)外気に直接触れる表面およびその近傍に固溶するC量およびN量が上昇し、溶製後のREMの歩留りが向上し、素材中に固溶するため、より優れた耐酸化性を示すこと
により奏されると考えられる。
すなわち、C、Nによる固溶強化とREMとの化合物による析出強化を有効に活用することができ、これにより、高温強度と加工性を両立することができるとともに、REMの固溶による耐酸化性の改善が最も効果的に達成されると考えられる。したがって、外気と直接触れる表面のみ、固溶するC、N量を上昇させることで優れた加工性と耐酸化性が両立する可能性が残るものの、この意味で熱処理での吸収は、粗大な化合物を形成してしまう溶解時添加を充分な固溶化処理により完全に均質化した後に析出強化させることと、最終的には同じであると考えられる。
そして、上記の予想を超える望ましい効果は、
後述する最終工程の熱処理によりC、Nを吸収させた場合の特徴である、C、Nの量の材料の表面と内部中心での差と、REMを含む化合物の大きさおよび数密度とを限定することによって、安定して発現されると考えられる。
このように、本発明において「厚さ方向の表層におけるC濃度が厚さ方向の中心におけるC濃度よりも0.03%以上高いこと、および/または、厚さ方向の表層におけるN濃度が厚さ方向の中心におけるN濃度よりも0.03%以上高いこと」と限定する理由は、表面からの吸収により材料を強化し、LaおよびCeを含む化合物のうち特に悪い影響を及ぼす表面での粗大な化合物の生成を抑制できるためである。好ましくは、表面と内部中心での差は0.05%以上である。
ここで、「厚さ方向の表層におけるC濃度」、「厚さ方向の表層におけるN濃度」とは、厚さ方向の表層におけるグロー放電発光分光分析装置(GDS)によるC、N濃度の測定値であって、具体的には、板表面での測定により得られる。
また、「厚さ方向の中心におけるC濃度」、「厚さ方向の中心におけるN濃度」とは、厚さ方向の中心におけるグロー放電発光分光分析装置(GDS)によるC、N濃度の測定値であって、具体的には、スパッタリングより板厚中心まで材料を除去した後の測定により得られる。なお、測定は直径数mmの範囲にて各2回ずつ実施し、その平均値を算出する。スパッタリングによる板厚減少量は先行試験での調査結果を用いる。
[LaまたはCeを含む化合物のうち最大径が20μm以上である化合物の内在量:質量5g当たり30個以下]
LaまたはCeを含む化合物のうち最大径が20μm以上である化合物の内在量を、質量5gあたりで30個以下と限定するのは、C、Nの熱処理での吸収により比較的低い含有量での溶製が可能であり、粗大なLa、Ceとの化合物の溶製時の生成を抑制できるようになり、その結果、特に悪い影響を及ぼす表面への粗大な化合物の分布が抑制され、加工性、耐酸化性が著しく向上するためである。好ましくは10個以下であり、さらに好ましくは6個以下である。
本発明に係るオーステナイト系ステンレス鋼は、以上のように構成されるので、さらに過酷になる高温での使用環境にも耐え、素材の製造および加工が容易であり、広範な産業分野で使用できる経済性を兼ね備えるものである。
この本発明に係るオーステナイト系ステンレス鋼に適当な加工および/または熱処理を行うことによって、例えば、ボイラーの加熱器管、再加熱器管、化学工業用の反応炉管、自動車のエキゾーストマニホールド、フロントセンターパイプ、フレキシブルチューブ、ガスケット、調理機器等のヒーター、さらには交換器等のステンレス鋼製品が得られる。
次に、本発明に係るオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法を説明する。
本発明によれば、上述した化学組成を有する素材に、適当な熱間加工および冷間加工を行った後に熱処理を1回以上繰り返して行うことによりオーステナイト系ステンレス鋼が製造される。
この際に、少なくとも最終工程の熱処理を、Cおよび/またはNを含み、露点が−30℃未満である雰囲気で、900℃超で行う。なお、熱間加工後であればこのような内容の熱処理を1回だけではなく、複数回実施するようにしてもよい。
最終工程の熱処理の雰囲気をC、Nを含むとしたのは、両元素が有効な強化元素でかつ、オーステナイト組織を安定化する元素だからである。したがって、例えば、Cの供給源としてメタンやエタンを使用することができ、Nの供給源として窒素ガス自体はもちろん、アンモニア等を使用することができる。
前述したように、酸化被膜がC、N両元素の吸収を著しく抑制するため、最終工程の熱処理は、還元性の非酸化雰囲気とすることが好ましい。
また、最終工程の熱処理の雰囲気の露点を−30℃未満とするのは、酸化被膜の形成を防止し、さらには酸化被膜の還元を促進させるためである。好ましくは、より低温であるが、工業的な面や経済的な面を勘案して−40℃以下とすることが好ましい。
さらに、熱処理温度を900℃超とするのは、900℃以下の温度ではC、Nの吸収が殆ど発生しないためである。熱処理温度の上限は特に限定を要さないが、1200℃以下とすることが好ましく、1100℃以下とすることがさらに好ましい。
さらに、本発明によれば、必要に応じて、最終工程の熱処理を行う前に表面酸化被膜除去処理を行うことが好ましい。
すなわち、最終工程の熱処理の前に、例えば酸洗やショットブラスといった周知慣用の表面酸化被膜除去処理を行うことにより、最終工程の熱処理でのC、Nの吸収が速やかとなり、促進されると考えられるからである。したがって、少なくとも最終の熱処理の前、必要に応じて全ての熱処理の前に表面酸化被膜除去処理を行うことが好ましい。
表1に本発明素材(素材No.1〜6)、比較素材(素材No.7〜16)の成分を示す。
Figure 0005464037
素材No.1〜16は、成分調整した小型鋳塊を用いて、一般的工程により製造し、最終工程での炭素、窒素の吸収を目的とする熱処理の条件のみを調整した。供試材は各工程より採取し、諸特性を調査した。
具体的には、最初に、小型鋳塊を厚さ40mmに切削加工し、1200℃にて厚さ約4mmに熱間圧延し、熱間圧延板の両幅端部を目視にて観察し、耳割れの有無を確認した。
次いで、1150℃×15分保持で大気焼鈍、次工程の冷間圧延のため切削加工による脱スケール、寸法調整を行った後に、冷間圧延、1150℃での大気焼鈍、酸洗による脱スケールからなる工程を繰り返した。
その後、最終工程として厚さ0.6mmへ冷間圧延し、C、Nの吸収を目的とする熱処理を施し、C、N量分布、化合物最大径、耐酸化性、高温強度、成形性を調査した。なお、一部の材料は、最終工程での吸収熱処理の直前に酸化皮膜の除去を目的とした酸洗、およびショットブラストを施した。諸特性の調査方法は以下の通りである。
[熱間加工性]
熱間圧延板の両幅端部を目視にて観察し、耳割れの有無により判定した。
[C,N量分布]
最終熱処理後の薄板について、一般的な化学分析を実施し、板厚全体での平均値により吸収後の窒素量および炭素量を測定した。また、グロー放電発光分光分析装置(GDS)により板厚方向での分布を測定した。具体的には、板表面および、板厚中心までスパッタリング後に各2回ずつ測定を行い、表面と材料中心での平均値の差を算出した。
[化合物数]
最終熱処理後の薄板より5gの試料を採取し、10%臭素メタノール溶液にて母材部を腐食除去した。その後、所定寸法の孔のフィルタを通して残留物のみを抽出し、該残留物を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)によって分析を行い、La、Ceを含む化合物の中で最大径が20μm以上の総数を測定した。
[耐酸化性]
最終熱処理後の薄板について、大気中にて(a)1000℃で200時間の連続加熱後に放冷、(b)1000℃で25分間の加熱後に5分間の放冷の繰り返しを400サイクル(200時間相当)まで実施し、重量の変化を測定した。
[高温強度]
最終熱処理後の薄板より削加工によりJIS−B13号の引張試験片を採取し、1000℃での引張強さを測定した。
[成形性]
最終熱処理前の薄板について、直径50mmのダイス穴内に位置する部分を油圧により張り出し、割れ発生の直後に油圧を0とし、その段階での深さを測定した。同深さが22mm以上の場合を○、22mm未満を×とした。
[総合評価]
(a)熱間圧延:割れ無、(b)耐酸化性での重量変化:−50〜50g、(c)高温強度:60MPa以上、(d)成形性:OK(○)の4つの特性を総合的に評価し、全てを達成した場合を◎とし、一つ未達の場合を○とし、二つ未達の場合を△とし、それ以外を×として総合評価した。
試験条件および試験結果を表2にまとめて示す。
Figure 0005464037
表2に示すように、本発明材は、熱処理でのC、Nの吸収が達成され、少なくともその一方の表面での値が内部中心に比べて0.03%以上高い。また、20μmを越える化合物の数は少ない。これらの結果より、本発明材は、優れた熱間加工性を維持した上で、1000℃での連続および繰り返しでの耐酸化性が重量の変化で50g/m以下(−50〜50g/m)であって、かつ60MPaを越える高温強度と優れた室温での成形性を兼ね備えることがわかる。
さらに、熱処理の直前に酸洗、ショットブラストを実施した試料No.1D、1Eは、実施していない試料1Cよりも、表面での吸収量が明らかに増加し、耐酸化性および高温強度ともに優れた値を示す。
これに対し、比較材は同じ発明素材を用いた場合(試料No.4C〜6C、6D〜6G、7A、7B)も、C、Nが過度に吸収された4C、5Cでは、多数の粗大な化合物が確認された。この結果、特性は著しく劣るものとなった。
逆に、試料6Cでは雰囲気中にC、Nが含まれず、試料6D、6Eでは雰囲気の露点が−30℃以下、試料6F、6Gでは加熱温度が900℃以下のためにC、N吸収が起こらず、表面でのC、Nの値が共に内部中心とほぼ同等(0.03%未満)であり、耐酸化性に劣り、高温の強度は40MPa前後と低い値のままであった。
試料7Aは、雰囲気中にC、Nが含まれないために吸収がなされず、少なくともその一方の表面と内部中心の差を示さないとともに、溶解時に生成した粗大化合物が数多く存在し、耐熱性、成形性ともに劣る。
なお、同結果より、C、Nは熱処理での吸収による固溶量が溶解での添加(特許文献28、29により開示された発明)に比べ上昇し、より高性能を示すことが確認される。試料7BはNが本発明の上限値を超え、特性に劣る。
溶製時の添加でC、Nの一方または両方が本発明の上限値を越える試料7A、7B、8A、8B、9A、9Bは、吸収の有無によらず、粗大な化合物が多数確認され、耐熱性、加工性ともに低い値であった。さらに、他の成分についても試料11A〜16Aの結果より、本発明の範囲を超えた場合に、優れた特性を得られないことがわかる。
さらに、表2の総合評価の欄に示すように、本発明材は総合評価で全て◎となり、さらに過酷になる高温での使用環境にも耐え、素材の製造および加工が容易であることがわかる。これに対し、比較材の総合評価は、特許文献28、29により開示された発明に対応する熱処理でのC、Nの吸収がなされていない、あるいは不十分な試料6C〜Gが△であり、それ以外が×となった。

Claims (6)

  1. 質量%で、C:0.05〜0.20%、Si:1.0%未満、Mn:2.0%以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、Cr:20.0〜30.0%、Ni:10.0〜15.0%、N:0.10〜0.42%、B:0.0010〜0.01%、La+Ce:0.01〜0.10%、sol.Al:0.01〜0.20%、残部Feおよび不純物からなる化学組成を有し、厚さ方向の表層におけるC濃度が厚さ方向の中心におけるC濃度よりも0.03%以上高いこと、および/または、厚さ方向の表層におけるN濃度が厚さ方向の中心におけるN濃度よりも0.03%以上高いことを特徴とするオーステナイト系ステンレス鋼。
  2. さらに、LaまたはCeを含む化合物のうち最大径が20μm以上である化合物の内在量が質量5g当たり30個以下である請求項1に記載されたオーステナイト系ステンレス鋼。
  3. 請求項1または請求項2に記載されたオーステナイト系ステンレス鋼からなることを特徴とするステンレス鋼製品。
  4. 材に、熱間加工および冷間加工を行った後に熱処理を1回以上繰り返して行うことによりオーステナイト系ステンレス鋼を製造する方法であって、少なくとも最終工程の熱処理を、Cおよび/またはNを含み、露点が−30℃未満である雰囲気で、900℃超で行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。
  5. 前記最終工程の熱処理を行う前に、表面酸化被膜除去処理を行う請求項4に記載されたオーステナイト系ステンレス鋼の製造方法。
  6. 請求項4または請求項5に記載された製造方法により製造されたオーステナイト系ステンレス鋼に、加工および/または熱処理を行うことを特徴とするステンレス鋼製品の製造方法。
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