JP5463858B2 - スターリングエンジン - Google Patents

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Description

本発明はスターリングエンジンに関する。
近年、乗用車やバス、トラック等の車両に搭載される内燃機関の排熱や工場排熱を回収するために、理論熱効率に優れたスターリングエンジンが注目されてきている。スターリングエンジンは高い熱効率が期待できる上に、作動流体を外から加熱する外燃機関であるために、ソーラー、地熱、排熱といった各種の低温度差代替エネルギーを活用でき、省エネルギーに役立つという利点がある。
かかるスターリングエンジンに関し、例えば特許文献1では、並べて配置された一対の気筒と、アーチ状に屈曲した形状を有し、当該一対の気筒同士を連通する熱交換器とを備えたスターリングエンジンが開示されている。
このほか本発明と関連性があると考えられる技術として、例えば特許文献2または3では、クランクシャフトのクランクピン位相を所定の位相に設定したエンジンが開示されている。
特開2005−248922号公報 特開平7−317555号公報 国際公開第2005/068872号パンフレット
特許文献1が開示するスターリングエンジンでは、排気ガスがアーチ状に屈曲した熱交換器の延伸方向に沿って流通する。このため、このスターリングエンジンでは、熱交換器に対する排気ガスの当たりが延伸方向に沿って不均一になり易くなっている。またこのスターリングエンジンでは、熱交換器の内部を流通する作動流体の流路長が、内周側と外周側とで異なってくる。このためこのスターリングエンジンでは、作動流体の全体的な流れが不均一になり易くなっている。そして、かかる事情は熱交換のばらつきによる熱効率の低下を招くことから、このスターリングエンジンでは、高い熱効率を実現することが構造的に制限され易くなっている点で問題があった。
一方、スターリングエンジンでは、ピストンとシリンダとの潤滑に気体潤滑を適用することで、両者の摩擦を低減し、排熱の回収効率を向上させることができる。この点、特許文献1が開示するスターリングエンジンでは、ピストンとシリンダとの潤滑に気体潤滑を適用しているところ、シリンダ・ピストン間のクリアランスは数十μm程度の微小クリアランスに設定されている。しかしながら、このスターリングエンジンでは構造上、熱交換器の熱膨張が、シリンダを変形させるように作用したり、一対のシリンダの間隔を押し広げるように作用したりし易くなっている。このためこのスターリングエンジンでは、熱交換器の熱歪の影響が当該微小クリアランスにまで及ぶ結果、スターリングエンジンを軽量コンパクトに構成しつつ、適正なクリアランス精度を維持することが必ずしも容易ではない点で問題があった。
そこで本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、構造的な観点から高い熱効率の実現を可能にすることができ、さらには熱交換器の熱歪が及ぼす悪影響を抑制することが可能なスターリングエンジンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、作動流体を往復流動させる少なくとも一対の気筒と、前記一対の気筒間を往復流動する作動流体を流通させるとともに、高温熱源を構成する流体である内燃機関の排気ガスとの間で熱交換を行う熱交換器であるヒータと、を備え、作動流体を流通させるにあたり、前記ヒータが直線状に延伸した中空部材であるヒータパイプ複数備え、複数の前記ヒータパイプの延伸方向と前記排気ガスの流通方向とが直交するように、前記ヒータを配置したスターリングエンジンである。
また本発明は前記一対の気筒を対向配置するとともに、複数の前記ヒータパイプを前記一対の気筒の延伸方向に沿って直線状に延伸させた構成であることが好ましい。
また本発明において、前記内燃機関は前記排気ガスが通過する排気管を備え、
前記ヒータは、前記排気管の内部に配置されている構成であることが好ましい。
また本発明は前記一対の気筒が、低温側気筒と、該低温側気筒よりも温度が高温になる高温側気筒であり、前記一対の気筒を複数備える場合に、前記ヒータを挟んで一方の側に前記低温側気筒それぞれを配置するとともに、他方の側に前記高温側気筒それぞれを配置した構成であることが好ましい。
また本発明は前記低温側気筒それぞれに対応させて設けられた低温側クランクシャフトと、前記高温側気筒それぞれに対応させて設けられた高温側クランクシャフトとをさらに備え、前記低温側クランクシャフトおよび前記高温側クランクシャフトそれぞれのクランクピン位相差を、360°を等分して得られる値に設定した構成であることが好ましい。
本発明によれば、構造的な観点から高い熱効率の実現を可能にすることができ、さらには熱交換器の熱歪が及ぼす悪影響を抑制することができる。
スターリングエンジン10Aを模式的に示す図である。 スターリングエンジン10Aを内燃機関100とともに模式的に示す図である。 スターリングエンジン10Aの外観を模式的に示す図である。 支持構造体90を模式的に示す図である。 図3に示す矢印Aに沿って切断した際の断面を示す図である。 図3に示す矢印Bに沿って切断した際の断面を示す図である。 スターリングエンジン10Bを模式的に示す図である。 一対の気筒が3つの場合のクランクピン位相差の設定例を模式的に示す図である。なお、図中、#P1から#P3までは片側3気筒の各気筒の配列順に応じた気筒番号を示している。 一対の気筒が4つの場合のクランクピン位相差の設定例を模式的に示す図である。なお、図中、#P1から#P4までは片側4気筒の各気筒の配列順に応じた気筒番号を示している。また(a)ではクランクピン位相差を180°に設定した場合について、(b)クランクピン位相差を90°に設定した場合についてそれぞれ示している。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
スターリングエンジン10Aについて、図1、図2を用いて説明する。スターリングエンジン10Aは高温側気筒20と低温側気筒30とを備えている。高温側気筒20は膨張ピストン21および高温側シリンダ22を、低温側気筒30は圧縮ピストン31および低温側シリンダ32をそれぞれ備えている。高温側シリンダ22の上部空間には膨張空間が、低温側シリンダ32の上部空間には圧縮空間がそれぞれ形成される。膨張ピストン21および高温側シリンダ22間、および圧縮ピストン31および低温側シリンダ32間には数十μmの微小クリアランスが設定されている。そして、これらピストン21、31およびシリンダ22、32間の潤滑には気体潤滑が適用されている。空中に物体を浮上させる気体潤滑には、具体的には例えば加圧流体を噴出させ、発生した静圧によって物体を浮上させる静圧気体潤滑を適用することができる。但しこれに限られず、気体潤滑は例えば動圧気体潤滑であってもよい。
スターリングエンジン10Aは具体的には高温側気筒20と低温側気筒30とをそれぞれ2つずつ備えている。スターリングエンジン10Aでは、これらの4気筒20、30のうち、作動流体を往復流動させる高温側気筒20と低温側気筒30とが対向配置されている。そしてスターリングエンジン10Aは、対向配置された高温側気筒20および低温側気筒30を一対の気筒として、一対の気筒を2つ備えている。一対の気筒それぞれにおいて、高温側気筒20は低温側気筒30よりも温度が高温になる気筒となっている。
スターリングエンジン10Aは、ヒータ41と冷却器42と蓄熱器43とを備えている。具体的にはスターリングエンジン10Aは、これらヒータ41、冷却器42および蓄熱器43を一対の気筒毎に備えている。
ヒータ41は高温熱源を構成する流体との間で熱交換を行い、作動流体を加熱する熱交換器となっている。ヒータ41は具体的には図示しない車両に搭載された内燃機関100の排気管110の内部に配置されている。作動流体は、高温熱源を構成する流体である排気ガスExから回収した熱エネルギーにより加熱され、加熱された作動流体は膨張空間に流入する。スターリングエンジン10Aでは、ヒータ41を挟んで一方の側に高温側気筒20それぞれを配置するとともに、他方の側に低温側気筒30それぞれを配置している。
冷却器42は冷却媒体との間で熱交換を行い、作動流体を冷却する熱交換器となっている。冷却器42は具体的には冷却水配管120に介在するように設けられており、各冷却器42に設けられた図示しない冷却水流路は互いに連通している。冷却水配管120には、内燃機関100の冷却水Wが冷却媒体として流通し、冷却器42で冷却された作動流体は圧縮空間に流入する。一方、受熱した冷却水Wの放熱はラジエータ130で行われる。
蓄熱器43は、膨張空間、圧縮空間の間を往復する作動流体との間で熱の授受を行う熱交換器となっている。蓄熱器43は具体的には、作動流体が膨張空間から圧縮空間へと流れる時には作動流体から熱を受け取り、作動流体が圧縮空間から膨張空間へと流れる時には蓄えられた熱を作動流体に放出する。
作動流体には空気が適用されている。但しこれに限られず、作動流体には例えばHe、H、N等の気体を適用することができる。
高温側クランクシャフト51Aは、高温側気筒20それぞれに対応させて設けられている。具体的には高温側クランクシャフト51Aは、各高温側コンロッド52を介して各膨張ピストン21それぞれと連結されている。
低温側クランクシャフト61Aは、低温側気筒30それぞれに対応させて設けられている。具体的には低温側クランクシャフト61Aは、各低温側コンロッド62を介して各圧縮ピストン31それぞれと連結されている。
スターリングエンジン10Aでは、高温側クランクシャフト51Aおよび低温側クランクシャフト61Aのクランクピン位相差に360°を等分して得られる値が設定されている。クランクピン位相差には、例えば各クランクシャフト51A、61Aそれぞれにつき、対応する気筒数(ここではそれぞれ2)で360°を割って得た値、またはその倍数を適用することができる。この点、クランクシャフト51A、61Aそれぞれに設定されているクランクピン位相差は、具体的にはともに180°となっている。
高温側クランクシャフト51Aの一端部には高温側スプロケット71が、低温側クランクシャフト61Aの一端部には低温側スプロケット72がそれぞれ設けられている。各スプロケット71、72は排気管110を跨ぐようにして設けられたチェーン73で互いに連結されている。
チェーン73は各クランクシャフト51A、61Aを同期回転させ、各クランクシャフト51A、61Aの位相差を一定(ここでは略90°)に保つ。
高温側クランクシャフト51Aは出力軸になっており、その他端部には発電ユニット80が接続されている。発電ユニット80によって発電された電力はレギュレータ81を介してバッテリ82に充電される。なお、発電ユニット80は例えば高温側クランクシャフト51Aの一端部に接続されてもよい。
次にスターリングエンジン10Aの動作について説明する。ヒータ41で作動流体が加熱されると、膨張して膨張ピストン21が圧下される。これにより高温側クランクシャフト51Aが回転するとともに、低温側クランクシャフト61Aが同期回転する。次に膨張ピストン21が上昇行程に移ると、作動流体はヒータ41を通過して蓄熱器43に移送され、そこで熱を放出して冷却器42へと流れる。冷却器42で冷却された作動流体は圧縮空間に流入し、さらに圧縮ピストン31の上昇に伴って圧縮される。このようにして圧縮された作動流体は、今度は蓄熱器43から熱を奪いながら温度を上昇してヒータ41へ流れ込み、そこで再び加熱膨張せしめられる。すなわち、かかる作動流体の往復流動を通じてスターリングエンジン10Aが動作する。そして、高温側クランクシャフト51Aから取り出した出力を利用して発電ユニット80が発電することで、バッテリ82の充電をすることができる。
次にスターリングエンジン10Aについて、図3から図6までを用いてさらに具体的に説明する。
図3に示すようにスターリングエンジン10Aは、車両床下に搭載し易いよう、全体として長円柱状の形状にコンパクトにまとめられている。スターリングエンジン10Aの筐体は本体の主要な部分を格納するクランクケース11と、スプロッケット71、72およびチェーン73を格納するチェーンケース12とで構成されている。スターリングエンジン10Aの側面からは、出力を取り出し可能なように高温側クランクシャフト51Aが突出している。スターリングエンジン10Aの側面には、このほか排気管接続端部13や冷却水配管接続端部14が設けられている。この点、排気管110の一部は、スターリングエンジン10Aの一部としてスターリングエンジン10Aに組み込まれたかたちとなっている。
図4に示すように、スターリングエンジン10Aは懸架用の支持構造体90をさらに備えている。支持構造体90はゴムマウント91と吊り下げ用ボルト92とを備えている。ゴムマウント91は円柱状の形状を有しており、捩じり剛性が低く、上下方向の剛性が高くなっている。吊り下げ用ボルト92は、ゴムマウント91に埋め込まれており、排気管110の中心軸線を間に挟むようにして対称に2本並べて配置されている。支持構造体90は、スターリングエンジン10Aの上面中央に設けられている。
図5および図6に示すように、ヒータ41は具体的には中空部材として、直線状に延伸したヒータパイプ411を複数備えている。作動流体は具体的には複数のヒータパイプ411内を流通するようになっている。これら複数のヒータパイプ411は一対の気筒それぞれの延伸方向に沿って延伸している。また、ヒータ41は複数のヒータパイプ411の延伸方向と、排気ガスExの流通方向とが直交するように配置されている。
次にスターリングエンジン10Aの作用効果について説明する。
スターリングエンジン10Aでは、作動流体を流通させるにあたり、ヒータ41が直線状に延伸した複数のヒータパイプ411を備えている。このためスターリングエンジン10Aでは、複数のヒータパイプ411の容積を略同一に設定することができる。すなわちスターリングエンジン10Aでは、各ヒータパイプ411の容積が異ならざるを得なくなるといった制約が特段なく、これにより、熱効率の向上が構造的に制限されるといったことが回避される。
またスターリングエンジン10Aでは、複数のヒータパイプ411が直線状に延伸しており、さらに複数のヒータパイプ411の延伸方向と、排気ガスExの流通方向とが直交するようにヒータ41が配置されている。このためスターリングエンジン10Aでは、ヒータ41に対する排気ガスExの当たりを延伸方向に沿ってより均一にすることができる。
そしてこれらにより、スターリングエンジン10Aでは、各ヒータパイプ411間で熱交換にばらつきが生じることを抑制できる。このためスターリングエンジン10Aでは、構造的な観点から高い熱効率の実現を可能にすることができる。
またスターリングエンジン10Aでは、複数のヒータパイプ411が対向配置された一対の気筒それぞれの延伸方向に沿って直線状に延伸している。このためスターリングエンジン10Aでは、ヒータ41が熱膨張した場合であっても、ピストン21、31およびシリンダ22、32の径方向の相対位置が変化するように、シリンダ22、32が変形或いは移動することが抑制される。そしてこれにより、スターリングエンジン10Aでは、ヒータ41の熱膨張がピストン21、31およびシリンダ22、32間に設けられた微小クリアランスに及ぼす悪影響も抑制できる。
またスターリングエンジン10Aでは、ヒータ41を挟んで一方の側に高温側気筒20それぞれを配置するとともに、他方の側に低温側気筒30それぞれを配置している。そしてこのように温度差の大きい気筒同士(具体的には高温側気筒20と低温側気筒30)を隔離して配置することで、高温側気筒20と低温側気筒30の温度差を保つことができる。このためスターリングエンジン10Aは、これによっても高い熱効率の実現を可能にすることができる。
またスターリングエンジン10Aでは、ヒータ41を挟んで一方の側に高温側気筒20それぞれを配置するとともに、他方の側に低温側気筒30それぞれを配置することで、温度差の少ない気筒同士(具体的には高温側気筒20同士、および低温側気筒30同士)を並べて配置している。そしてこれにより、スターリングエンジン10Aでは、熱的なロスの発生を抑制しつつ気筒同士を密集でき、以って高い熱効率の実現と両立させる形でコンパクト化を図ることもできる。
またスターリングエンジン10Aでは、クランクシャフト51A、61Aそれぞれのクランクピン位相差に、360°を等分して得られる値である180°を適用している。このためスターリングエンジン10Aでは、不釣合い振動の発生を抑制することができ、以って低振動化とこれに伴うカウンタウェイトの小型化などによる更なるコンパクト化を図ることもできる。
一方、スターリングエンジン10Aには、クランクシャフト51A、61Aの不釣合い力によってもモーメントが残存する。これに対してスターリングエンジン10Aでは、上面中央に支持構造体90を設けることで、ローリングについては排気管110を中心とした慣性主軸支持によって、ヨーイングについてはスターリングエンジン10A中心からの弾性支持によって、スターリングエンジン10Aを適切に支持することができる。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
例えば上述した実施例では、一対の気筒を2つ備えているスターリングエンジン10Aの場合について説明した。しかしながら本発明においてはこれに限られず、スターリングエンジンは一対の気筒を複数備えていればよい。
具体的には例えば図7に示すスターリングエンジン10Bは、高温側気筒20および低温側気筒30をそれぞれ3つずつ備えている。そして、スターリングエンジン10Bは一対の気筒を3つ備えている点と、これに応じるかたちでクランクシャフト51A、61Aの代わりに、高温側クランクシャフト51Bおよび低温側クランクシャフト61Bを備えている以外、スターリングエンジン10Aと実質的に同一のものとなっている。
かかるスターリングエンジン10Bでも、スターリングエンジン10Aと同様の作用効果を奏することができる。この点、気筒数が多くなるほど、気筒の密集によるコンパクト化の効果は大きく発揮されることから、本発明は一対の気筒を3つ以上備えることで、より大型化し易くなる場合により効果的であるといえる。
また上述した実施例では、クランクシャフト51A、61Aそれぞれのクランクピン位相差を180°とした場合について説明した。しかしながら本発明においては、必ずしもこれに限られず、クランクピン位相差は360°を等分して得られるスターリングエンジンの気筒数に応じた適宜の値であってよい。
具体的には例えば一対の気筒が3つの場合(スターリングエンジンが片側3気筒の6気筒の場合)には、図8に示すようにクランクピン位相差を120°に設定することができる。この場合には全体的な回転振動のバランスが非常に良くなることから、発生する振動を極めて小さな振動にすることができる。
また具体的には例えば一対の気筒が4つの場合(スターリングエンジンが片側4気筒の8気筒の場合)には、クランクピン位相差を図9(a)に示すように180°、或いは図9(b)に示すように90°に設定することができる。
この点、180°に設定した場合にはモーメントが発生しないので、カウンタウェイトを小さくすることができる。またピン配列が平面的なので鍛造も容易となり、この結果、コストも低く抑制することができる。但しこの場合には、回転2次モーメントの不釣合い力が若干残ることになる。
一方、90°に設定した場合には、モーメントを打ち消すためにより大きなカウンタウェイトが必要となるが、回転2次モーメントの不釣合い力を無くすことができる。
また上述した実施例では、中空部材がヒータパイプ411である場合について説明した。しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、中空部材は例えば中空に成形した中空プレートであってもよい。この場合には、中空プレートのプレート面が高温熱源を構成する流体の流通方向と平行になるように、熱交換器を配置することで、スムースな熱交換を実現できるとともに、高温熱源を構成する流体の流通方向において発生し得る熱交換のばらつきを各中空プレートにおいて吸収できるようになる点でさらに好適である。
また上述した実施例では、構成上、合理的であると考えられることから、冷却器42を内燃機関100の冷却水配管120に組み込んだ場合について説明した。しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、作動流体を冷却する熱交換器は、例えばスターリングエンジンに専用の冷却媒体を循環させる冷却系統を備えた冷却装置に組み込まれてもよい。この場合には、作動流体をより適切に冷却可能になることから、更に高い熱効率の実現を図ることも可能になる。
また上述した実施例では、スターリングエンジン10Aの出力を電気的に回収する場合について説明した。しかしながら本発明においては必ずしもこれに限られず、スターリングエンジンの出力は例えば内燃機関の出力と合成するかたちで回収されてもよい。
10 スターリングエンジン
20 高温側気筒
21 膨張ピストン
22 高温側シリンダ
30 低温側気筒
31 圧縮ピストン
32 低温側シリンダ
41 ヒータ
411 ヒータパイプ
42 冷却器
43 蓄熱器
51 高温側クランクシャフト
61 低温側クランクシャフト
73 チェーン
80 発電ユニット
90 支持構造体
100 内燃機関
110 排気管
120 冷却水配管

Claims (5)

  1. 作動流体を往復流動させる少なくとも一対の気筒と、
    前記一対の気筒間を往復流動する作動流体を流通させるとともに、高温熱源を構成する流体である内燃機関の排気ガスとの間で熱交換を行う熱交換器であるヒータと、を備え、
    作動流体を流通させるにあたり、前記ヒータが直線状に延伸した中空部材であるヒータパイプ複数備え、
    複数の前記ヒータパイプの延伸方向と前記排気ガスの流通方向とが直交するように、前記ヒータを配置したスターリングエンジン。
  2. 請求項1記載のスターリングエンジンであって、
    前記一対の気筒を対向配置するとともに、複数の前記ヒータパイプを前記一対の気筒の延伸方向に沿って直線状に延伸させたスターリングエンジン。
  3. 請求項1または2記載のスターリングエンジンであって、
    前記内燃機関は前記排気ガスが通過する排気管を備え、
    前記ヒータは、前記排気管の内部に配置されているスターリングエンジン。
  4. 請求項1から3いずれか1項記載のスターリングエンジンであって、
    前記一対の気筒が、低温側気筒と、該低温側気筒よりも温度が高温になる高温側気筒であり、
    前記一対の気筒を複数備える場合に、前記ヒータを挟んで一方の側に前記低温側気筒それぞれを配置するとともに、他方の側に前記高温側気筒それぞれを配置したスターリングエンジン。
  5. 請求項4記載のスターリングエンジンであって、
    前記低温側気筒それぞれに対応させて設けられた低温側クランクシャフトと、
    前記高温側気筒それぞれに対応させて設けられた高温側クランクシャフトとをさらに備え、
    前記低温側クランクシャフトおよび前記高温側クランクシャフトそれぞれのクランクピン位相差を、360°を等分して得られる値に設定したスターリングエンジン。
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