JP4650580B2 - スターリングエンジン - Google Patents

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Description

本発明はスターリングエンジンに関し、特にクランクケース加圧式のα型スターリングサイクル機構を複数備えたスターリングエンジンに関する。
近年、乗用車やバス、トラック等の車両に搭載される内燃機関の排熱や工場排熱を回収するために、理論熱効率に優れたスターリングエンジンが注目されてきている。スターリングエンジンは高い熱効率が期待できる上に、作動流体を外から加熱する外燃機関であるために、熱源を問わず、ソーラー、地熱、排熱といった各種の低温度差代替エネルギーを活用でき、省エネルギーに役立つという利点がある。
かかるスターリングエンジンにつき、共通の回転軸を介して連結された複数のスターリングサイクル機構を備えている点で本発明と関連性があると考えられる技術が、例えば特許文献1から3までで開示されている。この点、特許文献1では、同一スターリングサイクル機構のシリンダ同士の間で、回転位相差を同一(例えば90°)とする一方で、スターリングサイクル機構同士の間では、回転位相差を任意に設定できる旨が開示されている。
またこのほか、クランクケース加圧式のα型スターリングエンジンを開示している点で、本発明と関連性があると考えられる技術が例えば特許文献4または5で開示されている。
特開2005−54640号公報(例えば段落16) 特開2008−223555号公報 特開2006−118406号公報 特開2005−351242号公報 特開2005−351243号公報
ところで、α型スターリングサイクル機構では、正味仕事に比べて筒内圧の振幅が大きくなっている。このためα型スターリングサイクル機構は、出力トルクの変動が大きいという特性を有している。したがってα型スターリングサイクル機構を備えるスターリングエンジンにおいては、当該機構が1つである場合のみならず、当該機構を複数備える場合にも、出力トルクの変動について十分考慮するとともにその変動を抑制する必要がある。
なお、出力トルクの変動を抑制するには例えばフライホイールやダンパーを使用することも考えられる。しかしながら、この場合にはスターリングエンジンのサイズや質量が大きくなり、この結果、車両搭載性が悪化する点で問題があった。
そこで本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、共通の回転軸を介して連結した複数のα型スターリングサイクル機構を備える場合に、出力トルクの変動を好適に抑制できるスターリングエンジンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明のスターリングエンジンは、第1および第2のピストンを備えるとともに、クランクケース空間が加圧される複数のα型スターリングサイクル機構を備え、前記機構それぞれにつき、1回転あたりの周期が2周期となるトルク変動波形を発生させるようにして、前記機構それぞれを共通の回転軸を介して連結したスターリングエンジンである。
また本発明は前記機構を2つ備えた場合に、前記機構それぞれの前記第1または第2のピストン同士の位相差が90°になるように当該位相差を設定した構成であることが好ましい。
また本発明は前記機構を3つ備えた場合に、前記機構それぞれの前記第1または第2のピストン同士の位相差が60°若しくは120°になるように当該位相差を設定した構成であることが好ましい。
また本発明は前記機構を4つ備えた場合に、前記機構それぞれの前記第1または第2のピストンの位相が互いに重複しないように、且つ当該第1または第2のピストン同士の位相差が90°になるように、若しくは90°と180°との組み合わせによって構成されるように当該位相差を設定した構成であることが好ましい。
また本発明は前記機構それぞれにつき、作動流体が収容された作動ガス空間とクランクケース空間とを絞りを有して連通する第1の連通手段をさらに備え、前記機構それぞれのクランクケースを、該機構それぞれにつき共通のクランクケース空間を形成する1つのクランクケースとした構成であることが好ましい。
また本発明は前記第1の連通手段が、前記第1および第2のピストンと、該第1および第2のピストンとの間にクリアランスを形成する第1および第2のシリンダである構成であることが好ましい。
また本発明は前記第1および第2のピストンが、前記第1および第2のシリンダとの間で気体潤滑が行われるピストンである構成であることが好ましい。
本発明によれば、共通の回転軸を介して連結した複数のα型スターリングサイクル機構を備える場合に、出力トルクの変動を好適に抑制できる。
スターリングエンジン10Aを模式的に示す図である。 スターリングエンジン10Aのピストン・クランク部の概略構成を模式的に示す図である。 筒内圧Pの通常の変化の様子を示す図である。 クランクケース加圧前の初期状態の筒内圧P、クランクケース圧Pcr、および作動ガス平均圧Pmを示す図である。 クランクケース加圧後の筒内圧P、クランクケース圧Pcr、および作動ガス平均圧Pmを示す図である。 スターリングエンジン10Aのトルク変動波形を示す図である。なお、図6では、導入パイプ71、フィルタ72およびチェック弁73を備えていない点以外、スターリングエンジン10Aと実質的に同一となっているスターリングエンジン10Xについても同時に示している。 スターリングエンジン10Bを模式的に示す図である。 スターリングエンジン10B´を模式的に示す図である。 複数のα型スターリングサイクル機構を備える場合における出力トルク変動の低減の考え方を説明するための図である。 2台のスターリングエンジン10Aを連結する前後のトルク変動波形を示す図である。 90°になるように位相差βを設定した駆動軸113Bを模式的に示す図である。 具体的には図11では(a)でクランク軸線CLの延伸方向に沿って見た駆動軸113Bを示しており、(b)で駆動軸113Bを斜視図で示している。 図11中、#および#に続く数字は各スターリングエンジン10Aの各気筒20、30全体に対して連番で付けた気筒番号、Hは膨張ピストン21、Cは圧縮ピストン31、HまたはCに続く数字は各スターリングエンジン10Aの順番(何台目のスターリングエンジン10Aであるか)をそれぞれ示している。 駆動軸113Bの変形例として、90°になるように位相差βを設定した駆動軸113B´を示す図である。なお、図12では図11と同様にして(a)、(b)で駆動軸113B´を示している。また、#等の記号の意味も図11と同様である。 スターリングエンジン10Cを模式的に示す図である。 スターリングエンジン10C´を模式的に示す図である。 3台のスターリングエンジン10Aを連結する前後のトルク変動波形を示す図である。 60°になるように位相差βを設定した駆動軸113Cを示す図である。図16では、クランク軸線CLの延伸方向に沿って見た駆動軸113Cを示している。#等の記号の意味は図11と同様である。 駆動軸113Cの変形例として、120°になるように位相差βを設定した駆動軸113C´を示す図である。図17では、クランク軸線CLの延伸方向に沿って見た駆動軸113C´を示している。#等の記号の意味は図11と同様である。 駆動軸113Cの代わりに駆動軸113C´を備えた場合における3台のスターリングエンジン10Aを連結する前後のトルク変動波形を示す図である。 スターリングエンジン10Dを模式的に示す図である。 スターリングエンジン10D´を模式的に示す図である。 4台のスターリングエンジン10Aを連結する前後のトルク変動波形を示す図である。 90°になるように位相差βを設定した駆動軸113Dを示す図である。図22では、クランク軸線CLの延伸方向に沿って見た駆動軸113Dを示している。#等の記号の意味は図11と同様である。 4台のスターリングエンジン10Aを連結する場合における各スターリングエンジン10Aが備える膨張ピストン21それぞれの位相の組み合わせ例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
図1はα型スターリングサイクル機構を1つ備えたスターリングエンジン10Aを模式的に示す図である。スターリングエンジン10Aは、2気筒α型のスターリングエンジンである。スターリングエンジン10Aは、クランク軸線CLの延伸方向と気筒配列方向Xとが互いに平行になるように直列並行に配置された高温側気筒20および低温側気筒30を有している。各気筒20、30それぞれはクランクケース60Aに固定されている。
高温側気筒20は第1のピストンに相当する膨張ピストン21と、第1のシリンダに相当する高温側シリンダ22とを、低温側気筒30は第2のピストンに相当する圧縮ピストン31と、第2のシリンダに相当する低温側シリンダ32とを備えている。圧縮ピストン31は、膨張ピストン21に対して、クランク角で90°程度遅れて動くように位相差が設けられている。
高温側シリンダ22の上部空間は膨張空間となっている。膨張空間には加熱器47で加熱された作動流体が流入する。加熱器47は本実施例では具体的には車両に搭載されたガソリンエンジンの排気管200の内部に配置されている。
低温側シリンダ32の上部空間は圧縮空間となっている。圧縮空間には冷却器45で冷却された作動流体が流入する。
再生器46は、膨張空間、圧縮空間の間を往復する作動流体との間で熱の授受を行う。再生器46は具体的には、作動流体が膨張空間から圧縮空間へと流れる時には作動流体から熱を受け取り、作動流体が圧縮空間から膨張空間へと流れる時には蓄えられた熱を作動流体に放出する。
膨張空間と圧縮空間とは作動ガス空間を構成している。クランクケース60Aは高温側気筒20および低温側気筒30に共通のクランクケース空間を形成している。作動ガス空間とクランクケース空間とは膨張ピストン21および圧縮ピストン31によって区分されている。
作動流体には空気が適用されている。但しこれに限られず、作動流体には例えばHe、H、N等の気体を適用することができる。
導入パイプ71は、作動ガス空間に作動流体を導入する作動流体導入手段として設けられている。この点、導入パイプ71は具体的には低温側シリンダ32に設けられている。導入パイプ71は、低温側シリンダ32の圧縮空間とスターリングエンジン10Aの外部とを連通している。導入パイプ71には、フィルタ72とチェック弁73とが設けられている。フィルタ72は不純物を捕集する。チェック弁73は外部から圧縮空間に向かう方向のみに流通を許可するとともに、圧力を伝える。
次にスターリングエンジン10Aの動作について説明する。加熱器47で作動流体が加熱されると、膨張して膨張ピストン21が圧下され、これにより回転軸に相当する駆動軸(クランクシャフト)113Aの回動が行われる。次に膨張ピストン21が上昇行程に移ると、作動流体は加熱器47を通過して再生器46に移送され、そこで熱を放出して冷却器45へと流れる。冷却器45で冷却された作動流体は圧縮空間に流入し、さらに圧縮ピストン31の上昇行程に伴って圧縮される。このようにして圧縮された作動流体は、今度は再生器46から熱を奪いながら温度を上昇して加熱器47へ流れ込み、そこで再び加熱膨張せしめられる。すなわち、かかる作動流体の往復流動を通じてスターリングエンジン10Aが動作する。
一方、2つのピストン21、31の往復動に伴い、作動流体の往復流動が生じると、膨張空間と圧縮空間にある作動流体の割合が変化するとともに、全内容積も変わるため、圧力変動が生じる。この点、2つのピストン21、31がそれぞれ同位置にある場合の圧力を比較すると、膨張ピストン21についてはその上昇時より下降時の方がかなり高く、圧縮ピストン31については逆に低くなる。このため、膨張ピストン21は外部に対し大きな正の仕事(膨張仕事)を行い、圧縮ピストン31は外部から仕事(圧縮仕事)を受ける必要がある。膨張仕事は一部が圧縮仕事に使われ、残りが駆動軸113Aを介して出力として取り出される。
ところで、本実施例ではスターリングエンジン10Aの熱源が車両の内燃機関の排気ガスとなっていることから、得られる熱量に制約があり、その得られる熱量の範囲でスターリングエンジン10Aを作動させる必要がある。そこで本実施例では、スターリングエンジン10Aの内部フリクションを可能な限り低減させることとしている。具体的にはスターリングエンジン10Aの内部フリクションのうち、最も摩擦損失が大きいピストンリングによる摩擦損失を無くすため、シリンダ22、32とピストン21、31との間で気体潤滑を行っている。
気体潤滑ではシリンダ22、32とピストン21、31の間の微小なクリアランスで発生する空気の圧力(分布)を利用して,ピストン21、31を空中に浮いた形にする。気体潤滑は摺動抵抗が極めて小さいため、スターリングエンジン10Aの内部フリクションを大幅に低減させることができる。空中に物体を浮上させる気体潤滑には、具体的には例えば加圧流体を噴出させ、発生した静圧によって物体を浮上させる静圧気体潤滑を適用することができる。但しこれに限られず、気体潤滑は例えば動圧気体潤滑であってもよい。
気体潤滑が行われるシリンダ22、32とピストン21、31との間のクリアランスは数十μmとなっている。そして、このクリアランスにはスターリングエンジン10Aの作動流体が介在している。ピストン21、31それぞれは、気体潤滑によりシリンダ22、32と非接触の状態、または許容できる接触状態で支持されている。したがってピストン21、31の周囲には、ピストンリングは設けられておらず、また一般にピストンリングと共に使用される潤滑油も使用されていない。気体潤滑では、微小クリアランスにより膨張空間、圧縮空間それぞれの気密が保たれ、リングレスかつオイルレスでクリアランスシールが行われる。
さらにピストン21、31とシリンダ22、32とはともに金属製であり、本実施例では具体的には対応するピストン21、31およびシリンダ22、32同士で線膨張率が同じ金属(ここではSUS)が適用されている。これにより、熱膨張があっても適正なクリアランスを維持して気体潤滑を行うことができる。
またピストン21、31とシリンダ22、32とは、かかる微小クリアランスを形成することで、作動ガス空間に必要な気密性を確保可能な絞りを有して作動ガス空間とクランクケース空間とを連通している。スターリングエンジン10Aでは、ピストン21、31とシリンダ22、32とが第1の連通手段に相当している。
ところで気体潤滑の場合、負荷能力が小さいことから、ピストン21、31のサイドフォースを実質的にゼロにしなくてはならない。すなわち、気体潤滑を行う場合にはシリンダ22、32の直径方向(横方向,スラスト方向)の力に耐える能力(耐圧能力)が低くなるため、シリンダ22、32の軸線に対するピストン21、31の直線運動精度が高い必要がある。
このため、本実施例ではピストン・クランク部にグラスホッパの機構50を採用している。直線運動を実現する機構にはグラスホッパの機構50のほか例えばワットの機構があるが、グラスホッパの機構50は他の機構に比べて、同じ直線運動精度を得るために必要な機構のサイズが小さくて済むため、装置全体がコンパクトになるという効果が得られる。特に本実施例のスターリングエンジン10Aは、自動車の床下といった限られたスペースに設置されることになるため、装置全体がコンパクトである方が設置の自由度が増す。またグラスホッパの機構50は、同じ直線運動精度を得るために必要な機構の重量が他の機構よりも軽量で済むため、燃費の点で有利である。さらにグラスホッパの機構50は機構の構成が比較的簡単であるため、構成(製造・組み立て)し易いという利点も有する。
図2はスターリングエンジン10Aのピストン・クランク部の概略構成を模式的に示す図である。なお、ピストン・クランク部には高温側気筒20側と低温側気筒30側とで共通の構成を採用しているため、以下では、高温側気筒20側についてのみ説明し、低温側気筒30側についての説明は省略する。近似直線機構は、グラスホッパの機構50と、コネクティングロッド110と、エクステンションロッド111と、ピストンピン112とを備えている。膨張ピストン21は、コネクティングロッド110、エクステンションロッド111およびピストンピン112を介して駆動軸113Aに接続されている。具体的には、膨張ピストン21はピストンピン112を介してエクステンションロッド111の一端側に接続されている。そして、エクステンションロッド111の他端側にはコネクティングロッド110の小端部110aが接続されている。そして、コネクティングロッド110の大端部110bが駆動軸113Aに接続されている。
膨張ピストン21の往復運動は、コネクティングロッド110によって駆動軸113Aに伝達され、ここで回転運動に変換される。コネクティングロッド110はグラスホッパの機構50によって支持されており、膨張ピストン21を直線状に往復運動させる。このように、コネクティングロッド110をグラスホッパの機構50によって支持することにより、膨張ピストン21のサイドフォースFがほとんどゼロになる。このため、負荷能力の小さい気体潤滑を行う場合でも十分に膨張ピストン21を支持することができる。
ところで、スターリングエンジン10Aはクランクケース加圧式のスターリングエンジンとなっている。この点、クランクケース空間の加圧動作は次の通りである。ここで、作動流体の圧力である筒内圧Pは通常、図3に示すように作動ガス平均圧Pmよりも低い領域(膨張行程の後半から圧縮行程の前半まで)と、作動ガス平均圧Pmよりも高い領域(圧縮行程の後半から膨張行程の前半まで)とが、繰り返し得られるように変化する。なお、作動ガス平均圧Pmは1サイクルあたりの筒内圧Pの平均値である。これに対してスターリングエンジン10Aでは、かかる筒内圧Pの変化を利用してクランクケース空間を加圧する。具体的にはかかる筒内圧Pの変化を利用して、作動ガス平均圧Pmを高めるとともにクランクケース圧Pcrを高める。
図4に示すように、クランクケース空間が加圧される前の初期状態では、作動ガス平均圧Pmとクランクケース圧Pcrとは、大気圧Po(例えば100kPa)と等しくなっている。そして、スターリングエンジン10Aの始動後、筒内圧Pが大気圧Poよりも低くなるとき(膨張行程の後半から圧縮行程の前半まで)には、大気圧Poの外気が導入パイプ71を介して圧縮空間に流入する。そして、圧縮空間に流入した外気は、スターリングエンジン10Aの圧縮行程(特に圧縮行程の後半以降)で加圧される。さらに加圧された外気の圧力は、シリンダ32、22とピストン31、21との間の微小クリアランスを介して、クランクケース空間に伝わる。すなわちこれにより、クランクケース空間が加圧される。そして、この動作が繰り返されることにより、作動ガス平均圧Pmが大気圧Poよりも高くなるとともに、クランクケース圧Pcrが作動ガス平均圧Pmと同等になる。
この点、第1の連通手段に相当するピストン21、31およびシリンダ22、32とは、作動ガス空間の圧力と、クランスケース空間の圧力との平衡化を図る機能を有している。そして、作動流体導入手段に相当する導入パイプ71と、第1の連通手段に相当するピストン21、31およびシリンダ22、32とは、クランクケース圧Pcrが作動ガス平均圧Pmと同等になるようにするクランクケース空間の加圧を可能にする加圧可能化手段として設けられている。なお、加圧可能化手段を備える代わりに、第1の連通手段に相当するピストン21、31およびシリンダ22、32を備えた状態でスターリングエンジン10Aに高圧ガスを密封することで、クランクケース圧Pcrが作動ガス平均圧Pmと同等になるように加圧してもよい。
スターリングエンジン10Aは、具体的には高温側気筒20と、低温側気筒30と、冷却器45と、再生器46と、加熱器47と、クランクケース60Aと、近似直線機構と、導入パイプ71と、フィルタ72と、チェック弁73とを備えたα型スターリングサイクル機構を有している。
次にスターリングエンジン10Aの作用効果について、図5および図6を用いて説明する。スターリングエンジン10Aでは、クランクケース圧Pcrを加圧し、クランクケース圧Pcrと作動ガス平均圧Pmとを同等にしている。このためスターリングエンジン10Aでは、筒内圧Pとクランクケース圧Pcrとの大小関係が変化し(図5参照)、これに応じて出力トルクの向きが変化することになる。このためスターリングエンジン10Aでは、図6に示すようにクランクケース空間を加圧しないスターリングエンジン10Xの場合と比較して、トルク変動波形の周波数が2倍になる。これによりスターリングエンジン10Aでは、1回転あたりの周期が2周期となるトルク変動波形が発生する。
また、クランクケース空間を加圧しないスターリングエンジン10Xの場合には、ピストン21、31は筒内圧Pと大気圧Poとの差圧を圧力荷重として担うことになる(図5参照)。これに対してスターリングエンジン10Aでは、ピストン21、31が筒内圧Pとクランクケース圧Pcrとの差圧分のみを圧力荷重として担うことになる(図5参照)。したがって、スターリングエンジン10Aではこの結果、図6に示すように出力トルク変動の最大値が減少することになる。そしてこの結果、スターリングエンジン10Aでは、出力トルクの変動が小さくなる。すなわちスターリングエンジン10Aによれば、1回転あたりの周期が2周期となるトルク変動波形を発生させることで、出力トルクの変動を好適に抑制できる。
本実施例にかかるスターリングエンジン10Bについて、図7を用いて説明する。スターリングエンジン10Bは、2台のスターリングエンジン10Aと、第2の連通手段に相当する連通パイプ75とを備えている。すなわち、スターリングエンジン10Bは、膨張ピストン21と圧縮ピストン31との位相差が同じ位相差(具体的には略90°)に設定された2つのα型スターリングサイクル機構を備えている。各スターリングエンジン10A(換言すれば各α型スターリングサイクル機構)は共通の駆動軸113Bを介して連結されている。駆動軸113Bは、2つの駆動軸113Aを連結し、構造的に一体化したものとなっている。
連通パイプ75は、各スターリングエンジン10Aのクランクケース空間同士を連通している。この点、スターリングエンジン10Bは連通パイプ75を備える代わりに、例えば図8に示すように2つのα型スターリングサイクル機構それぞれのクランクケース60Aを、これら機構それぞれにつき共通のクランクケース空間を形成する1つのクランクケース60Bとしたスターリングエンジン10B´のように構成することもできる。なお、クランクケース60Bを共通とするスターリングエンジン10A´それぞれは、スターリングエンジン10Bにおけるスターリングエンジン10Aそれぞれに対応する構成である。
次に、複数のα型スターリングサイクル機構を備える場合における出力トルク変動の低減の考え方について、図9を用いて説明する。ここで、複数のα型スターリングサイクル機構を備える場合には、図9に示すように、各機構それぞれの膨張ピストン21のTDC(上死点)を位相0°とし、45°で筒内圧が最大になると仮定する。また出力トルクに対する影響は、図9に示すように大きく変化する筒内圧Pの影響が支配的であるため、筒内圧Pの影響で発生する出力トルクの変動のみを検討の対象とする。そしてかかる前提のもとで、各機構同士の間に位相差を設け、出力トルクの変動を抑制可能な各機構のトルク変動波形の合成波形を生成する。
スターリングエンジン10Bでは、かかる考え方に基づき、具体的には次に示すように各スターリングエンジン10A(換言すれば各α型スターリングサイクル機構)同士の間の位相差βを設定している。この位相差βは、具体的には隣り合う各スターリングエンジン10Aの膨張ピストン21同士(または換言すれば圧縮ピストン31同士)の間の位相差となっている。
図10は2台のスターリングエンジン10Aを連結する前後のトルク変動波形を示す図である。各スターリングエンジン10Aの連結前において、1台目のスターリングエンジン10Aのトルク変動波形は波形W11である。また、2台目のスターリングエンジン10Aのトルク変動波形は波形W12である。そして、各スターリングエンジン10A同士を連結するにあたり、スターリングエンジン10Bでは、位相差βが、各スターリングエンジン10Aのうち、いずれか1つのトルク変動波形である波形W11において、互いに隣接する最大点と最小点との間に存在する角度差θと略等しくなるように、位相差βを設定している。
この点、各スターリングエンジン10Aのトルク変動波形である波形W11、W12において、最大点と最小点とは具体的には略90°間隔で交互に存在している。このためスターリングエンジン10Bでは、位相差βはさらに具体的には90°になるように設定されている。一方、かかる位相差βの設定は駆動軸113Bで行われている。この点、スターリングエンジン10Bでは具体的には、図11に示すように、各スターリングエンジン10Aにつき、1台目の膨張ピストン21(#1H1)の位相に対して、2台目の膨張ピストン21(#3H2)の位相が90°進角するように位相差βが設定されている。なお、各スターリングエンジン10Aの各圧縮ピストン31同士の位相それぞれの関係も、膨張ピストン21の場合と同様の関係になっている。
次にスターリングエンジン10Bの作用効果について説明する。スターリングエンジン10Bでは、上述のように位相差βを設定したことで波形W11およびW12が互いに好適に打ち消し合うようにして合成される。そしてこの結果、スターリングエンジン10Bのトルク変動波形は、図10に示すように波形W11、W12の合成によって出力トルクの変動が好適に抑制された波形W13となる。すなわち、スターリングエンジン10Bによれば、1回転あたりの周期が2周期となるトルク変動波形を発生させることで、出力トルクの変動を抑制した各スターリングエンジン10Aを複数連結するにあたり、さらに波形W11、W12の合成により、スターリングエンジン10B全体としての出力トルクの変動を好適に抑制することができる。
またスターリングエンジン10Bでは、連通パイプ75が各スターリングエンジン10Aのクランクケース空間同士を連通している。このためスターリングエンジン10Bでは、各スターリングエンジン10A間で作動ガス平均圧Pmを同等にすることができる。そしてこれにより、スターリングエンジン10Bでは各スターリングエンジン10Aにおいて、ピストン21、31にかかる圧力荷重それぞれを互いに同等にすることができる、またこれにより、スターリングエンジン10Bでは、さらには各スターリングエンジン10Aのトルク変動波形それぞれの形状を互いに同様にすることができる。そしてこれらにより、スターリングエンジン10Bは、上述のようにして出力トルクの変動を好適に抑制することができる。
なお、位相差βが90°になるように位相差βを設定するにあたっては、例えば次に示すように設定することもできる。すなわち、例えば図12に示すように、各スターリングエンジン10Aにつき、1台目の膨張ピストン21(#1H1)の位相に対して、2台目の膨張ピストン21(#3H2)の位相が90°遅角するように位相差βを設定することもできる。このように位相差βを設定することは、具体的には駆動軸113Bの代わりに、かかる位相差βを設定した駆動軸113B´を備えることで実現できる。
本実施例にかかるスターリングエンジン10Cについて、図13を用いて説明する。スターリングエンジン10Cは、3台のスターリングエンジン10Aと、2つの連通パイプ75とを備えている。各スターリングエンジン10A(換言すれば各α型スターリングサイクル機構)は共通の駆動軸113Cを介して連結されている。駆動軸113Cは、3つの駆動軸113Aを連結し、構造的に一体化したものとなっている。連通パイプ75それぞれは、隣り合う各スターリングエンジン10Aのクランクケース空間同士を連通している。この点、スターリングエンジン10Cは連通パイプ75を備える代わりに、例えば図14に示すように3つのα型スターリングサイクル機構それぞれのクランクケース60Aを、これら機構それぞれにつき共通のクランクケース空間を形成する1つのクランクケース60Cとしたスターリングエンジン10C´のように構成することもできる。
スターリングエンジン10Cでは、次に示すように位相差βを設定している。図15は、3台のスターリングエンジン10Aを連結する前後のトルク変動波形を示す図である。図15において、連結前の1台目、2台目および3台目のスターリングエンジン10Aのトルク変動波形は、順に波形W21、W22およびW23となっている。そして、各スターリングエンジン10A同士を連結するにあたり、スターリングエンジン10Cでは、位相差βが角度差θの略3分の2(2/3)になるように、位相差βを設定している。
この点、各スターリングエンジン10Aのトルク変動波形W21、W22およびW23において、最大点と最小点とは具体的には略90°間隔で交互に存在している。このためスターリングエンジン10Cでは、位相差βはさらに具体的には60°になるように設定されている。一方、かかる位相差βの設定は駆動軸113Cで行われている。この点、スターリングエンジン10Cでは具体的には、図16に示すように、各スターリングエンジン10Aにつき、まず1台目の膨張ピストン21(#1H1)の位相に対して、2台目の膨張ピストン21(#3H2)の位相が60°進角するように位相差βが設定されている。そして、2台目の膨張ピストン21(#3H2)の位相に対して、3台目の膨張ピストン21(#5H3)の位相が60°進角するように位相差βが設定されている。
次にスターリングエンジン10Cの作用効果について説明する。スターリングエンジン10Cでは、上述のように位相差βを設定したことで、波形W21、W22およびW23が互いに好適に打ち消し合うようにして合成される。そしてこの結果、スターリングエンジン10Cのトルク変動波形は、図15に示すように波形W21、W22およびW23の合成によって出力トルクの変動が好適に抑制された波形W24となる。このためスターリングエンジン10Cによれば、共通の駆動軸113Cを介して連結した3台のスターリングエンジン10Aを備える場合に、出力トルクの変動を好適に抑制できる。
またスターリングエンジン10Cでは、連通パイプ75それぞれが、隣り合う各スターリングエンジン10Aのクランクケース空間同士を連通している。このためスターリングエンジン10Cはスターリングエンジン10Bと同様、上述のようにして出力トルクの変動を好適に抑制することができる。
なお、3台のスターリングエンジン10Aを連結する場合には、位相差βが角度差θの略3分の4(4/3)となるように、位相差βを設定することもできる。すなわち、位相差βが120°になるように位相差βを設定することもできる。
この場合には、例えば図17に示すように、各スターリングエンジン10Aにつき、まず1台目の膨張ピストン21(#1H1)の位相に対して、2台目の膨張ピストン21(#3H2)の位相が120°進角するように位相差βを設定することができる。そして、2台目の膨張ピストン21(#3H2)の位相に対して、3台目の膨張ピストン21(#5H3)の位相が120°進角するように位相差βを設定することができる。
このように位相差βを設定することは、具体的には駆動軸113Cの代わりに、かかる位相差βを設定した駆動軸113C´を備えることで実現できる。
一方、駆動軸113Cの代わりに駆動軸113C´を備えた場合、3台のスターリングエンジン10Aを連結する前後のトルク変動波形は図18に示すようになる。そしてこの場合には、各スターリングエンジン10Aのトルク変動波形W31、W32およびW33が互いに打ち消しあうようにして合成される結果、連結後のトルク変動波形が波形W34となる。この場合、駆動軸113Cを備えた場合と比較して出力トルクの変動は大きくなるものの、この場合にも出力トルクの変動を好適に抑制できる。
本実施例にかかるスターリングエンジン10Dについて、図19を用いて説明する。スターリングエンジン10Dは、4台のスターリングエンジン10Aと、3つの連通パイプ75とを備えている。各スターリングエンジン10A(換言すれば各α型スターリングサイクル機構)は共通の駆動軸113Dを介して連結されている。駆動軸113Dは、4つの駆動軸113Aを連結し、構造的に一体化したものとなっている。連通パイプ75それぞれは、隣り合う各スターリングエンジン10Aのクランクケース空間同士を連通している。この点、スターリングエンジン10Dは連通パイプ75を備える代わりに、例えば図20に示すように4つのα型スターリングサイクル機構それぞれのクランクケース60Aを、これら機構それぞれにつき共通のクランクケース空間を形成する1つのクランクケース60Dとしたスターリングエンジン10D´のように構成されてもよい。
スターリングエンジン10Dでは、次に示すように位相差βを設定している。図21は、4台のスターリングエンジン10Aを連結する前後のトルク変動波形を示す図である。図21において、連結前の1台目、2台目、3台目および4台目のスターリングエンジン10Aのトルク変動波形は、順に波形W41、W42、W43およびW44となっている。
そして、各スターリングエンジン10A同士を連結するにあたって、スターリングエンジン10Dでは、位相差βが角度差θの倍数と略等しくなるように位相差βを設定している。またスターリングエンジン10Dでは、各スターリングエンジン10Aの膨張ピストン21(または換言すれば圧縮ピストン31)同士の位相が重複しないように位相差βを設定している。また各スターリングエンジン10Aのトルク変動波形W41、W42、W43およびW44において、最大点と最小点とは具体的には略90°間隔で交互に存在している。この点、スターリングエンジン10Dでは、位相差βはさらに具体的には90°に設定されている。
一方、かかる位相差βの設定は具体的には駆動軸113Dで行われている。この点、スターリングエンジン10Dでは具体的には、図22に示すように、各スターリングエンジン10Aにつき、まず1台目の膨張ピストン21(#1H1)の位相に対して、2台目の膨張ピストン21(#3H2)の位相が90°進角するように位相差βが設定されている。そして2台目の膨張ピストン21(#3H2)の位相に対して、3台目の膨張ピストン21(#5H3)の位相が90°進角するように、3台目の膨張ピストン21(#5H3)の位相に対して、4台目の膨張ピストン21(#7H4)の位相が90°進角するように位相差βがそれぞれ設定されている。
次にスターリングエンジン10Dの作用効果について説明する。スターリングエンジン10Dでは、上述のように位相差βを設定したことで、波形W41、W42、W43およびW44が互いに好適に打ち消し合うようにして合成される。そしてこの結果、スターリングエンジン10Dのトルク変動波形は、図21に示すように波形W41、W42、W43およびW44の合成によって出力トルクの変動が好適に抑制された波形W45となる。このためスターリングエンジン10Dによれば、共通の駆動軸113Dを介して連結した4台のスターリングエンジン10Aを備える場合に、出力トルクの変動を好適に抑制できる。
またスターリングエンジン10Dでは、連通パイプ75それぞれが、隣り合う各スターリングエンジン10Aのクランクケース空間同士を連通している。このためスターリングエンジン10Dはスターリングエンジン10B、10Cと同様、上述のようにして出力トルクの変動を好適に抑制することができる。
なお、4台のスターリングエンジン10Aを連結する場合には、位相差βが90°と180°との組み合わせによって構成されるように、位相差βを設定することもできる。図23は4台のスターリングエンジン10Aを連結する場合における各スターリングエンジン10Aが備える膨張ピストン21それぞれの位相の組み合わせ例を示す図である。これらの例では、各スターリングエンジン10A同士の間に90°または180°の位相差βが設けられている。そしてこれらのいずれの場合であっても、図21に示したように出力トルクの変動を好適に抑制できる。
上述した実施例は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
例えば上述した実施例では、駆動軸113Aを複数連結した駆動軸(例えば駆動軸113B)が共通の回転軸である場合について説明した。しかしながら、本発明おいては必ずしもこれに限られず、回転軸は一つの部材からなるものであってもよい。
また上述した実施例3では、位相差βが60°または120°になるように位相差βを設定するにあたって、各スターリングエンジン10Aの膨張ピストン21の位相それぞれを順に60°または120°ずつ進角させた場合について説明した。しかしながら、本発明おいては必ずしもこれに限られず、例えば各スターリングエンジン10Aの膨張ピストン21の位相それぞれを順に60°または120°ずつ遅角させることで、位相差βが60°または120°になるように位相差βを設定してもよい。
また上述した実施例では、クランクケース空間を加圧するにあたってコスト面で有利であることなどから、導入パイプ71が大気圧Pの外気を作動流体として作動ガス空間に導入する場合について説明した。しかしながら、本発明においては必ずしもこれに限られず、作動流体導入手段は、例えば外気以外のスターリングエンジンに適用されている作動流体を作動ガス空間に導入してもよく、また大気圧よりも高い圧力の作動流体を作動ガス空間に導入してもよい。
また上述した実施例では構成上、合理的であることなどから、微小クリアランスを形成するピストン21、31とシリンダ22、32とが第1の連通手段である場合について説明した。しかしながら、本発明においては必ずしもこれに限られず、第1の連通手段は例えば作動ガス空間に必要な機密性を確保可能な絞りを有して、作動ガス空間とクランクケース空間とを連通するパイプなどの連通手段であってもよい。
10 スターリングエンジン 20 高温側気筒
21 膨張ピストン 30 低温側気筒
31 圧縮ピストン 50 グラスホッパの機構
60 クランクケース 71 導入パイプ
72 フィルタ 73 チェック弁
75 連通パイプ 113 駆動軸

Claims (7)

  1. 第1および第2のピストンを備えるとともに、クランクケース空間が加圧される複数のα型スターリングサイクル機構を備え、
    前記機構それぞれにつき、1回転あたりの周期が2周期となるトルク変動波形を発生させるようにして、前記機構それぞれを共通の回転軸を介して連結したスターリングエンジン。
  2. 請求項1記載のスターリングエンジンであって、
    前記機構を2つ備えた場合に、前記機構それぞれの前記第1または第2のピストン同士の位相差が90°になるように当該位相差を設定したスターリングエンジン。
  3. 請求項1記載のスターリングエンジンであって、
    前記機構を3つ備えた場合に、前記機構それぞれの前記第1または第2のピストン同士の位相差が60°若しくは120°になるように当該位相差を設定したスターリングエンジン。
  4. 請求項1記載のスターリングエンジンであって、
    前記機構を4つ備えた場合に、前記機構それぞれの前記第1または第2のピストンの位相が互いに重複しないように、且つ当該第1または第2のピストン同士の位相差が90°になるように、若しくは90°と180°との組み合わせによって構成されるように当該位相差を設定したスターリングエンジン。
  5. 請求項1から4いずれか1項記載のスターリングエンジンであって、
    前記機構それぞれにつき、作動流体が収容された作動ガス空間とクランクケース空間とを絞りを有して連通する第1の連通手段をさらに備え、
    前記機構それぞれのクランクケースを、該機構それぞれにつき共通のクランクケース空間を形成する1つのクランクケースとしたスターリングエンジン。
  6. 請求項5記載のスターリングエンジンであって、
    前記第1の連通手段が、前記第1および第2のピストンと、該第1および第2のピストンとの間にクリアランスを形成する第1および第2のシリンダであるスターリングエンジン。
  7. 請求項6記載のスターリングエンジンであって、
    前記第1および第2のピストンが、前記第1および第2のシリンダとの間で気体潤滑が行われるピストンであるスターリングエンジン。
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