JP5463851B2 - 電流センサ - Google Patents
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Description
したがって、第1または第2の特徴によれば、第1および第2の磁気抵抗素子に外来磁界が作用した場合であっても、検出した電流の大きさに誤差が発生することのない電流センサを実現することができる。
したがって、第3の特徴によれば、精度良く電流を検出することができる。
また、第1および第2の磁気抵抗素子(21,22)を同じ構成で作成し、第1および第2の合成磁気ベクトル(B1,B2)の和が略0となるように配置すれば良いため、第1および第2の磁気抵抗素子をそれぞれ異なる構成で作成する場合よりも製造工程を簡易にすることができる。
電流センサ50は、基板51を備えており、その基板には、基板の表裏面を貫通するスリット52が形成されている。スリット52には、被検出電流Iが流れるバスバー90が挿通されている。バスバー90は、たとえば、車両に搭載されたバッテリーと接続されており、そのバッテリーから供給される電源を所定の電気回路へ供給する。図1に示す例では、バスバー90を流れる被検出電流Iの向きは、紙面の裏面から表面に垂直に貫通する方向である。
以上のように、電流センサ50は、MRE21,22と、バイアス磁石31,32と、基板51とを備える。
次に、電流センサ50の主な電気的構成について、それを示す図3を参照して説明する。
ここで、MREの出力電圧の理論式について図を参照して説明する。図4は、磁気抵抗に流れる電流の向きと、磁気抵抗に発生する磁界の向きとの関係を示す説明図であり、(a)は磁気抵抗が単一の場合の説明図、(b)は2つの磁気抵抗が電流の方向が直交するように配置された場合の説明図である。
まず、磁気抵抗R1,R2の合計の抵抗値(R1+R2)は、次式(2)によって求めることができる。
次に、上記式(11),(12)を用い、外来磁界がMREに作用していないときの差動出力波形を求める。この実施形態では、(ΔR/R)=3.0%、Vcc=3.0Vとする。図6は、MRE21,22の各中点21a,22aの出力波形を示す説明図であり、図7は、MRE21,22の差動出力波形を示す説明図である。
したがって、Va(θ)およびVb(θ)の差動出力波形(Va(θ)−Vb(θ))は、図7に示すように、最大電圧が45mV、最小電圧が−45mVで1周期が180°の正弦波となる。
次に、外来磁界がMREに作用しているときの差動出力波形を求める。図8は、外来磁界がMREに作用したときの合成磁気ベクトルの変化を説明する説明図である。
つまり、この実施形態の電流センサを用いれば、外来磁界が作用した場合であっても、検出した電流の大きさに誤差が発生することのない電流センサを実現することができる。
図10に示す例では、MRE21の合成磁気ベクトルB1は、外来磁界の磁気ベクトルBx,Byの作用によって、磁気ベクトルBmag1がBy分増加し、磁気ベクトルBcur1がBx分減少しており、振れ角θは、α°位相が遅れている。また、MRE22の合成磁気ベクトルB2は、外来磁界の磁気ベクトルBx,Byの作用によって、磁気ベクトルBmag2がBy分減少し、磁気ベクトルBcur2がBx分増加しており、振れ角θは、α°位相が進んでいる。
(1)図13に示すように、MRE21,22の磁気抵抗Rb,Rcをバスバー90に近い方に配置し、磁気抵抗Ra,Rdをバイアス磁石に近い方に配置することもできる。この構成の電流センサ50も前述の実施形態の電流センサ50と同様に、外来磁界が作用した場合であってもMRE21,22の差動出力は変化しない。
50・・電流センサ、51・・基板、52・・スリット、53・・差動増幅回路、
90・・バスバー、Bcur1,Bcur2・・磁気ベクトル、
Bmag1,Bmag2・・磁気ベクトル、B1,B2・・合成磁気ベクトル、
Ra〜Rd・・磁気抵抗。
Claims (6)
- 磁界を発生する第1の磁界発生部と、
検出対象となる被検出電流が流れる電路と前記第1の磁界発生部との間に配置され、付与される磁気の変化に応じて抵抗値が変化する第1の磁気抵抗素子と、
前記電路を挾んで前記第1の磁界発生部と反対側の位置に配置され、前記第1の磁界発生部の磁極と対向する磁極が同じ磁極となるように配置された第2の磁界発生部と、
前記電路と前記第2の磁界発生部との間に配置され、付与される磁気の変化に応じて抵抗値が変化する第2の磁気抵抗素子と、を備えており、
前記第1の磁界発生部から発生される磁界によって前記第1の磁気抵抗素子にて発生する磁気ベクトルと、前記電路に流れる被検出電流によって前記第1の磁気抵抗素子にて発生する磁気ベクトルとを合成した磁気ベクトルを第1の合成磁気ベクトルとし、前記第2の磁界発生部から発生される磁界によって前記第2の磁気抵抗素子にて発生する磁気ベクトルと、前記電路に流れる被検出電流によって前記第2の磁気抵抗素子にて発生する磁気ベクトルとを合成した磁気ベクトルを第2の合成磁気ベクトルとした場合に、
前記第1の磁気抵抗素子は、前記第1の合成磁気ベクトルの大きさおよび位相の変化を、振幅および周期を有する第1の検出信号として出力するように構成されており、
前記第2の磁気抵抗素子は、前記第2の合成磁気ベクトルの大きさおよび位相の変化を、前記第1の検出信号と同じ振幅を有し、かつ、位相が前記第1の検出信号と90度異なる第2の検出信号として出力するように構成されており、
前記第1および第2の検出信号の差分を出力する出力部を備えることを特徴とする電流センサ。 - 付与される磁気の変化に応じて抵抗値が変化する第1の磁気抵抗素子と、
検出対象となる被検出電流が流れる電路と前記第1の磁気抵抗素子との間に配置され、磁界を発生する第1の磁界発生部と、
前記電路を挾んで前記第1の磁気抵抗素子と反対側の位置に配置された第2の磁気抵抗素子と、
前記電路と前記第2の磁気抵抗素子との間に配置され、前記第1の磁界発生部の磁極と対向する磁極が同じ磁極となるように配置された第2の磁界発生部と、を備えており、
前記第1の磁界発生部から発生される磁界によって前記第1の磁気抵抗素子にて発生する磁気ベクトルと、前記電路に流れる被検出電流によって前記第1の磁気抵抗素子にて発生する磁気ベクトルとを合成した磁気ベクトルを第1の合成磁気ベクトルとし、前記第2の磁界発生部から発生される磁界によって前記第2の磁気抵抗素子にて発生する磁気ベクトルと、前記電路に流れる被検出電流によって前記第2の磁気抵抗素子にて発生する磁気ベクトルとを合成した磁気ベクトルを第2の合成磁気ベクトルとした場合に、
前記第1の磁気抵抗素子は、前記第1の合成磁気ベクトルの大きさおよび位相の変化を、振幅および周期を有する第1の検出信号として出力するように構成されており、
前記第2の磁気抵抗素子は、前記第2の合成磁気ベクトルの大きさおよび位相の変化を、前記第1の検出信号と同じ振幅を有し、かつ、位相が前記第1の検出信号と90度異なる第2の検出信号として出力するように構成されており、
前記第1および第2の検出信号の差分を出力する出力部を備えることを特徴とする電流センサ。 - 前記第1および第2の磁気抵抗素子は、複数の磁気抵抗から成るブリッジ回路を構成しており、
前記出力部は、
前記ブリッジ回路の一方の中点から出力される前記第1の検出信号と、他方の中点から出力される前記第2の検出信号とを入力し、その入力した第1および第2の検出信号を差動増幅する差動増幅回路であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電流センサ。 - 前記第1および第2の磁気抵抗素子が、前記第1および第2の合成磁気ベクトルの和が略0となるように構成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1つに記載の電流センサ。
- 前記第1および第2の磁界発生部と、前記第1および第2の磁気抵抗素子とが、同一の基板に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の電流センサ。
- 前記基板には、前記電路を挿通するための空間が貫通形成されており、その空間を挾んで前記第1の磁界発生部および第1の磁気抵抗素子からなる部分と、前記第2の磁界発生部および第2の磁気抵抗素子からなる部分とが対向して配置されていることを特徴とする請求項5に記載の電流センサ。
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