JP2014020888A - 磁気センサシステム - Google Patents

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    • G01R33/093Magnetoresistive devices using multilayer structures, e.g. giant magnetoresistance sensors

Abstract

【課題】後天的に磁気検出素子の磁性層に誘導磁気異方性が生じることによって検出値に生じる誤差を低減する。
【解決手段】磁気センサシステムは、被検出磁界を発生する磁界発生部と、被検出磁界を検出する磁気センサ1とを備え、動作状態と非動作状態とが選択される。磁気センサ1は、基準位置における被検出磁界の方向に応じて磁化の方向が変化する磁性層を含む磁気検出素子を有している。動作状態では、基準位置における被検出磁界の方向が磁気センサ1から見て変化する。非動作状態では、基準位置における被検出磁界の方向が磁気センサ1から見て変化せずに、磁性層の磁化の方向が第1の方向に固定される。磁性層には、予め誘導磁気異方性が設定されている。この設定された誘導磁気異方性による磁化容易軸方向が第1の方向に対してなす角度は、0°〜15°の範囲内である。
【選択図】図4

Description

本発明は、被検出磁界を発生する磁界発生部と、この被検出磁界を検出する磁気センサとを備えた磁気センサシステムに関する。
近年、自動車のスロットルバルブの開度の検出、自動車のステアリングの回転位置の検出、自動車のワイパーの回転位置の検出等の種々の用途で、対象物の回転位置を検出するために、磁気センサが広く利用されている。磁気センサは、対象物の回転位置を検出する場合に限らず、対象物の直線的な変位を検出する場合にも利用されている。磁気センサが用いられるシステムでは、一般的に、対象物の回転や直線的な運動に連動して方向が回転する被検出磁界を発生する手段(例えば磁石)が設けられる。磁気センサは、磁気検出素子を用いて、基準位置における被検出磁界の方向が基準方向に対してなす角度を検出する。これにより、対象物の回転位置や直線的な変位が検出される。
磁気センサとしては、特許文献1ないし4に記載されているように、磁気検出素子としてスピンバルブ型の磁気抵抗効果素子(以下、MR素子とも記す。)を用いたものが知られている。スピンバルブ型のMR素子は、磁化方向が固定された磁化固定層と、被検出磁界の方向に応じて磁化の方向が変化する自由層と、磁化固定層と自由層の間に配置された非磁性層とを有している。
特表2002−525609号公報 特開2008−268219号公報 特開2009−36770号公報 特開2010−32484号公報
磁気検出素子としてスピンバルブ型のMR素子を用いた磁気センサでは、特許文献4に記載されているように、MR素子の磁気特性のばらつきによって、検出角度に誤差が生じ得る。特許文献4には、MR素子の製造ばらつきに起因する検出角度の誤差を低減する技術が記載されている。この技術は、言わば、磁気センサの製品完成時における検出角度の誤差を低減する技術である。
磁気センサにおいて生じ得る検出角度の誤差には、上述のように製品完成時に有している誤差の他に、磁気センサの設置後に発現する誤差がある。このように磁気センサの設置後に検出角度の誤差が発現する原因の一つとしては、MR素子の自由層に後天的に誘導磁気異方性が生じることが挙げられる。このような自由層の誘導磁気異方性は、例えば、MR素子に特定の方向の外部磁界が印加されたままで、MR素子の温度が高温から下降した場合に生じる。このような状況は、例えば、磁気センサが自動車内に設置され、且つ、自動車の非動作時には、被検出磁界を発生する手段と磁気センサが特定の位置関係になる場合に生じ得る。より具体的には、自動車のワイパーのように、非動作時には決まった位置で停止する対象物の位置を検出するために磁気センサが用いられる場合に、上記の状況が生じ得る。
磁気センサには、設置後に、後天的に生じた誘導磁気異方性に起因して発現する検出角度の誤差を低減することが求められる。なお、ここまでは、磁気検出素子としてスピンバルブ型のMR素子を用いた磁気センサにおいて、磁気センサの設置後に、MR素子の自由層に後天的に誘導磁気異方性が生じる場合における問題点について説明してきた。しかし、この問題点は、被検出磁界の方向に応じて磁化の方向が変化する磁性層を含む磁気検出素子を有する磁気センサにおいて、磁気センサの設置後に、磁気検出素子の磁性層に後天的に誘導磁気異方性が生じる場合の全般に当てはまる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、被検出磁界を発生する磁界発生部と、磁性層を含む磁気検出素子を有する磁気センサとを備えた磁気センサシステムであって、後天的に磁気検出素子の磁性層に誘導磁気異方性が生じることによって検出値に生じる誤差を低減できるようにした磁気センサシステムを提供することにある。
本発明の磁気センサシステムは、被検出磁界を発生する磁界発生部と、被検出磁界を検出する磁気センサとを備え、動作状態と非動作状態とが選択されるものである。磁気センサは、磁気検出素子を有し、基準位置における被検出磁界の方向が基準方向に対してなす角度と対応関係を有する検出値を生成する。磁気検出素子は、基準位置における被検出磁界の方向に応じて磁化の方向が変化する磁性層を含んでいる。動作状態では、基準位置における被検出磁界の方向が磁気センサから見て変化する。非動作状態では、基準位置における被検出磁界の方向が磁気センサから見て変化せずに、磁性層の磁化の方向が第1の方向に固定される。磁性層には、予め誘導磁気異方性が設定されている。磁性層に設定された誘導磁気異方性による磁化容易軸方向が第1の方向に対してなす角度は、0°〜15°の範囲内である。
本発明の磁気センサシステムにおいて、動作状態では、磁界発生部と磁気センサの相対的位置関係が変化し、非動作状態では、磁界発生部と磁気センサの相対的位置関係が一定になってもよい。
また、本発明の磁気センサシステムにおいて、磁気センサは、磁性層に設定された誘導磁気異方性に起因して検出値に生じる誤差の補正を行ってもよい。誤差の補正は、磁性層に設定された形状磁気異方性によって実現されてもよい。この場合、形状磁気異方性による磁化容易軸方向が誘導磁気異方性による磁化容易軸方向に対してなす角度と、形状磁気異方性による磁化容易軸方向が第1の方向に対してなす角度は、いずれも75°〜90°の範囲内であってもよい。あるいは、磁気センサは、誤差の補正を行う演算回路を含んでいてもよい。
本発明の磁気センサシステムでは、磁性層に予め誘導磁気異方性が設定されている。そのため、本発明によれば、磁性層に予め誘導磁気異方性が設定されていない場合に比べて、磁性層において、後天的な要因による誘導磁気異方性の大きさの増加量は小さくなる。その結果、本発明によれば、後天的に磁気検出素子の磁性層に誘導磁気異方性が生じることによって検出値に生じる誤差を低減することが可能になるという効果を奏する。
本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサシステムの概略の構成を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態における方向と角度の定義を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態における方向と角度の定義を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態における磁気センサの構成を示す回路図である。 図4における1つのMR素子の一部を示す斜視図である。 異方性誘起状況の累積時間と角度誤差との関係の一例を示す特性図である。 シミュレーションで求めた第1および第2の誤差ならびに残存誤差のそれぞれの2次成分の波形を示す波形図である。 シミュレーションで求めたアスペクト比と第2の誤差中の3次成分の大きさとの関係の一例を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態における磁気センサの構成を示す回路図である。 図9における1つのMR素子の一部を示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る磁気センサシステムの概略の構成を示す斜視図である。 本発明の第3の実施の形態におけるMR素子の形状と配置を示す説明図である。 本発明の第3の実施の形態における磁気センサの構成を示す回路図である。 本発明の第4の実施の形態の磁気センサと比較例の磁気センサの構成を示す回路図である。 本発明の第5の実施の形態の磁気センサと比較例の磁気センサの構成を示す回路図である。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。始めに、図1ないし図3を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る磁気センサシステムの概略の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る磁気センサシステムの概略の構成を示す斜視図である。図2および図3は、本実施の形態における方向と角度の定義を示す説明図である。
図1に示したように、本実施の形態に係る磁気センサシステムは、被検出磁界MFを発生する磁界発生部2と、被検出磁界MFを検出する磁気センサ1とを備えている。磁気センサ1は、被検出磁界MFを検出する第1の検出回路10および第2の検出回路20を有している。なお、図1では、理解を容易にするために、第1および第2の検出回路10,20を別体として描いているが、第1および第2の検出回路10,20は一体化されていてもよい。また、第1および第2の検出回路10,20は、図1における上下方向に積層されているが、その積層順序は図1に示した例に限られない。
ここで、基準平面、基準位置および基準方向を、以下のように想定する。基準平面は、磁気センサ1と所定の位置関係を有する仮想の平面である。基準位置は、基準平面内に位置する。基準方向は、基準平面内に位置して、基準位置と交差する。基準位置における被検出磁界MFの方向であって基準平面内に位置する方向は、磁気センサ1から見て変化可能である。以下の説明において、基準位置における被検出磁界MFの方向とは、基準平面内に位置する方向を指す。基準位置における被検出磁界MFの方向は、例えば、磁気センサ1から見て、基準位置を中心として回転可能である。磁気センサ1は、基準位置における被検出磁界MFの方向が基準方向に対してなす角度と対応関係を有する検出値を生成する。
本実施の形態では、磁界発生部2は、円柱形状の磁石5を有している。この磁石5は、円柱の中心軸を含む仮想の平面を中心として対称に配置されたN極とS極とを有している。この磁石5は、円柱の中心軸を中心として回転可能である。磁石5は、円柱の中心軸方向の両端に位置する2つの端面を有している。磁気センサ1は、磁石5の一方の端面に対向するように配置されている。本実施の形態では、基準平面は、例えば、磁石5の一方の端面に平行な平面である。また、基準位置は、例えば、磁気センサ1が被検出磁界MFを検出する位置である。基準位置は、円柱の中心軸を含む回転中心Cと基準平面とが交差する位置であってもよい。この場合、磁石5が回転すると、基準位置における被検出磁界MFの方向は、磁気センサ1から見て、基準位置を中心として回転する。
第1の検出回路10は、磁気検出素子を含み、基準位置における被検出磁界MFの方向が基準方向に対してなす角度と対応関係を有する第1の信号S1を生成する。第2の検出回路20は、磁気検出素子を含み、基準位置における被検出磁界MFの方向が基準方向に対してなす角度と対応関係を有する第2の信号S2を生成する。第1および第2の検出回路10,20の磁気検出素子は、基準位置における被検出磁界MFの方向に応じて磁化の方向が変化する磁性層を含んでいる。
磁気センサシステムは、動作状態と非動作状態とが選択される。動作状態では、基準位置における被検出磁界MFの方向は、磁気センサ1から見て変化する。本実施の形態では、特に、動作状態では、基準位置における被検出磁界MFの方向は、磁気センサ1から見て、基準位置を中心として回転する。非動作状態では、基準位置における被検出磁界MFの方向は、磁気センサ1から見て変化せずに、前記磁性層の磁化の方向が後述する第1の方向に固定される。
なお、磁気センサシステムの構成は、図1に示した例に限られない。磁気センサシステムは、動作状態では、基準位置における被検出磁界MFの方向が磁気センサ1から見て変化し、非動作状態では、基準位置における被検出磁界MFの方向が磁気センサ1から見て変化せずに、磁性層の磁化の方向が第1の方向に固定されるものであればよい。このような磁気センサシステムは、例えば、動作状態では、磁界発生部2と磁気センサ1の相対的位置関係が変化し、非動作状態では、磁界発生部2と磁気センサ1の相対的位置関係が一定になるものであってもよい。図1に示した磁気センサシステムは、その一例である。
磁気センサシステムの構成は、例えば、図1に示したように配置された磁石5と磁気センサ1を備えた構成であって、動作状態では、磁石5が固定されて磁気センサ1が回転したり、磁石5と磁気センサ1が互いに反対方向に回転したり、磁石5と磁気センサ1が同じ方向に互いに異なる角速度で回転したりするものであってもよい。
また、磁気センサシステムの構成は、磁界発生部2が、磁石5の代わりに、1組以上のN極とS極が交互にリング状に配列された磁石を有し、この磁石の外周の近傍に磁気センサ1が配置されたものであってもよい。この場合には、例えば、動作状態では、磁石と磁気センサ1の少なくとも一方が回転し、非動作状態では、磁石と磁気センサ1の両方が停止してもよい。
また、磁気センサシステムの構成は、磁界発生部2が、磁石5の代わりに、複数組のN極とS極が交互に直線状に配列された磁気スケールを有し、この磁気スケールの外周の近傍に磁気センサ1が配置されたものであってもよい。この場合には、例えば、動作状態にでは、磁気スケールと磁気センサ1の少なくとも一方が、磁気スケールのN極とS極が並ぶ方向に直線的に移動し、非動作状態では、磁気スケールと磁気センサ1の両方が停止してもよい。なお、この例については、後で第3の実施の形態として詳しく説明する。
上述の種々の磁気センサシステムの構成においても、基準平面、基準位置および基準方向を想定可能である。
ここで、図2および図3を参照して、本実施の形態における方向と角度の定義について説明する。まず、図1に示した回転中心Cに平行で、磁石5の一方の端面から磁気センサ1に向かう方向をZ方向と定義する。次に、Z方向に垂直な2方向であって、互いに直交する2つの方向をX方向とY方向と定義する。図2では、X方向を右側に向かう方向として表し、Y方向を上側に向かう方向として表している。また、X方向とは反対の方向を−X方向と定義し、Y方向とは反対の方向を−Y方向と定義する。
ここでは、基準位置PRは、磁気センサ1が被検出磁界MFを検出する位置とする。また、基準方向DRはX方向とする。基準位置PRにおける被検出磁界MFの方向DMが基準方向DRに対してなす角度を記号θで表す。被検出磁界MFの方向DMは、図2において反時計回り方向に回転するものとする。角度θは、基準方向DRから反時計回り方向に見たときに正の値で表し、基準方向DRから時計回り方向に見たときに負の値で表す。
本実施の形態では、非動作状態において、基準位置PRにおける被検出磁界MFの方向DMが第1の方向D1に固定され、その結果、磁性層の磁化の方向も第1の方向D1に固定される。本実施の形態は、第1の方向D1はY方向とする。
次に、図4を参照して、磁気センサ1の構成について詳しく説明する。図4は、磁気センサ1の構成を示す回路図である。第1の検出回路10は、基準位置PRにおける被検出磁界MFの、X方向の成分を検出し、角度θと対応関係を有する第1の信号S1を生成する。第2の検出回路20は、基準位置PRにおける被検出磁界MFの、Y方向の成分を検出し、角度θと対応関係を有する第2の信号S2を生成する。第1の信号S1は、基準位置PRにおける被検出磁界MFの、X方向の成分の強度に対応した信号である。第2の信号S2は、基準位置PRにおける被検出磁界MFの、Y方向の成分の強度に対応した信号である。
第1および第2の信号S1,S2は、互いに等しい信号周期Tで周期的に変化する。第2の信号S2の位相は、第1の信号S1の位相と異なっている。本実施の形態では、第2の信号S2の位相は、第1の信号S1の位相に対して、信号周期Tの1/4の奇数倍だけ異なっていることが好ましい。ただし、磁気検出素子の作製の精度等の観点から、第1の信号S1と第2の信号S2の位相差は、信号周期Tの1/4の奇数倍から、わずかにずれていてもよい。以下の説明では、第1の信号S1の位相と第2の信号S2の位相の関係が上記の好ましい関係になっているものとする。
第1の検出回路10は、第1の信号S1を出力する出力端を有している。第2の検出回路20は、第2の信号S2を出力する出力端を有している。図4に示したように、磁気センサ1は、更に、演算回路30を備えている。演算回路30は、2つの入力端と1つの出力端とを有している。演算回路30の2つの入力端は、それぞれ、第1および第2の検出回路10,20の各出力端に接続されている。
演算回路30は、角度θと対応関係を有する検出値θsを算出する。本実施の形態では、検出値θsは、磁気センサ1によって検出された角度θの値である。演算回路30は、例えば、マイクロコンピュータによって実現することができる。検出値θsの算出方法については、後で詳しく説明する。
第1の検出回路10は、ホイートストンブリッジ回路14と、差分検出器15とを有している。ホイートストンブリッジ回路14は、電源ポートV1と、グランドポートG1と、2つの出力ポートE11,E12と、直列に接続された第1の対の磁気検出素子R11,R12と、直列に接続された第2の対の磁気検出素子R13,R14とを含んでいる。磁気検出素子R11,R13の各一端は、電源ポートV1に接続されている。磁気検出素子R11の他端は、磁気検出素子R12の一端と出力ポートE11に接続されている。磁気検出素子R13の他端は、磁気検出素子R14の一端と出力ポートE12に接続されている。磁気検出素子R12,R14の各他端は、グランドポートG1に接続されている。電源ポートV1には、所定の大きさの電源電圧が印加される。グランドポートG1はグランドに接続される。差分検出器15は、出力ポートE11,E12の電位差に対応する信号の値を第1の信号S1として演算回路30に出力する。
第2の検出回路20の回路構成は、第1の検出回路10と同様である。すなわち、第2の検出回路20は、ホイートストンブリッジ回路24と、差分検出器25とを有している。ホイートストンブリッジ回路24は、電源ポートV2と、グランドポートG2と、2つの出力ポートE21,E22と、直列に接続された第1の対の磁気検出素子R21,R22と、直列に接続された第2の対の磁気検出素子R23,R24とを含んでいる。磁気検出素子R21,R23の各一端は、電源ポートV2に接続されている。磁気検出素子R21の他端は、磁気検出素子R22の一端と出力ポートE21に接続されている。磁気検出素子R23の他端は、磁気検出素子R24の一端と出力ポートE22に接続されている。磁気検出素子R22,R24の各他端は、グランドポートG2に接続されている。電源ポートV2には、所定の大きさの電源電圧が印加される。グランドポートG2はグランドに接続される。差分検出器25は、出力ポートE21,E22の電位差に対応する信号の値を第2の信号S2として演算回路30に出力する。
本実施の形態では、ホイートストンブリッジ回路(以下、ブリッジ回路と記す。)14,24に含まれる全ての磁気検出素子として、スピンバルブ型のMR素子、特にTMR素子を用いている。なお、TMR素子の代わりにGMR素子を用いてもよい。TMR素子またはGMR素子は、磁化方向が固定された磁化固定層と、被検出磁界MFの方向DMに応じて磁化の方向が変化する磁性層である自由層と、磁化固定層と自由層の間に配置された非磁性層とを有している。TMR素子では、非磁性層はトンネルバリア層である。GMR素子では、非磁性層は非磁性導電層である。TMR素子またはGMR素子では、自由層の磁化の方向が磁化固定層の磁化の方向に対してなす角度に応じて抵抗値が変化し、この角度が0°のときに抵抗値は最小値となり、角度が180°のときに抵抗値は最大値となる。以下の説明では、ブリッジ回路14,24に含まれる磁気検出素子をMR素子と記す。図4において、塗りつぶした矢印は、MR素子における磁化固定層の磁化の方向を表し、白抜きの矢印は、MR素子における自由層の磁化の方向を表している。
第1の検出回路10では、MR素子R11,R14における磁化固定層の磁化の方向は、X方向であり、MR素子R12,R13における磁化固定層の磁化の方向は、−X方向である。図2において、符号DP1を付した矢印は、MR素子R11,R14における磁化固定層の磁化の方向を表している。この場合、被検出磁界MFのX方向の成分の強度に応じて、出力ポートE11,E12の電位差が変化する。従って、第1の検出回路10は、被検出磁界MFのX方向の成分の強度を検出して、その強度を表す第1の信号S1を生成する。
第2の検出回路20では、MR素子R21,R24における磁化固定層の磁化の方向は、Y方向であり、MR素子R22,R23における磁化固定層の磁化の方向は、−Y方向である。図2において、符号DP2を付した矢印は、MR素子R21,R24における磁化固定層の磁化の方向を表している。この場合、被検出磁界MFのY方向の成分の強度に応じて、出力ポートE21,E22の電位差が変化する。従って、第2の検出回路20は、被検出磁界MFのY方向の成分の強度を検出して、その強度を表す第2の信号S2を生成する。
なお、検出回路10,20内の複数のMR素子における磁化固定層の磁化の方向は、MR素子の作製の精度等の観点から、上述の方向からわずかにずれていてもよい。
検出回路10,20内の複数のMR素子は、それぞれ、基準位置PRにおける被検出磁界MFの方向に応じて磁化の方向が変化する磁性層である自由層を含んでいる。本実施の形態では、この自由層には、予め誘導磁気異方性が設定されている。以下、自由層に予め設定された誘導磁気異方性を、設定誘導磁気異方性と言う。図2および図3において、符号DA1を付した矢印は、設定誘導磁気異方性による磁化容易軸方向を表している。設定誘導磁気異方性は、例えば、磁化容易軸方向DA1に磁界を印加しながら自由層を成膜することによって設定することができる。ここで、磁化容易軸方向DA1が第1の方向D1に対してなす角度を、記号αで表す。角度αは、0°〜15°の範囲内であることが好ましく、0°〜9°の範囲内であることがより好ましい。その理由については、後で詳しく説明する。なお、角度αに関しては、0°または正の値で表す。方向DA1が方向D1に対してなす角度がαであるという場合には、方向DA1が方向D1から時計回り方向にαだけ回転した方向である場合と、方向DA1が方向D1から反時計回り方向にαだけ回転した方向である場合とが含まれる。
第1および第2の信号S1,S2の波形は、理想的には、正弦曲線(サイン(Sine)波形とコサイン(Cosine)波形を含む)である。ただし、本実施の形態では、MR素子の自由層に予め設定誘導磁気異方性が設定されているため、何も対策を施さないと、第1および第2の信号S1,S2の波形が正弦曲線から歪み、検出値θsに誤差が生じてしまう。
本実施の形態における磁気センサ1は、設定誘導磁気異方性に起因して検出値θsに生じる誤差の補正を行う。本実施の形態では、この誤差の補正は、自由層に設定された形状磁気異方性によって実現されている。以下、これについて、図2および図3を参照して説明する。図2および図3において、符号11,21は、それぞれ、検出回路10,20内のMR素子の自由層の平面形状(上から見た形状)を表している。図2および図3に示したように、本実施の形態では、例えば、自由層の平面形状を楕円形とすることによって、自由層に形状磁気異方性を設定している。図2および図3において、符号DA2を付した矢印は、形状磁気異方性による磁化容易軸方向、すなわち自由層の平面形状である楕円の長軸方向を表している。なお、自由層の平面形状は、楕円形に限らず、自由層に形状磁気異方性を設定できる形状であればよい。そのような自由層の平面形状としては、楕円形の他に、例えば長方形や菱形がある。
ここで、形状磁気異方性による磁化容易軸方向DA2が設定誘導磁気異方性による磁化容易軸方向DA1に対してなす角度を記号βで表し、磁化容易軸方向DA2が第1の方向D1に対してなす角度を記号γで表す。角度β,γは、いずれも75°〜90°の範囲内であることが好ましく、81°〜90°の範囲内であることがより好ましい。その理由については、後で詳しく説明する。なお、βが90°以外の場合には、磁化容易軸方向DA2が磁化容易軸方向DA1に対してなす角度には、90°よりも小さい角度と、90°よりも大きい角度とが存在する。βが90°以外の場合には、90°よりも小さい角度の方をβとする。同様に、γが90°以外の場合には、磁化容易軸方向DA2が第1の方向D1に対してなす角度には、90°よりも小さい角度と、90°よりも大きい角度とが存在する。γが90°以外の場合には、90°よりも小さい角度の方をγとする。図2には、αが0°以外、βが90°以外で、γが90°の場合の例を示している。また、図3には、αが0°で、β,γが90°以外の場合の例を示している。なお、αが0°で、β,γが90°であることが理想的である。
次に、図2、図3および図5を参照して、MR素子の構成の一例と、自由層に設定された形状磁気異方性について説明する。図5は、図4における1つのMR素子の一部を示す斜視図である。この例では、1つのMR素子は、複数の下部電極42と、複数のMR膜50と、複数の上部電極43とを有している。複数の下部電極42は図示しない基板上に配置されている。個々の下部電極42は細長い形状を有している。下部電極42の長手方向に隣接する2つの下部電極42の間には、間隙が形成されている。図5に示したように、下部電極42の上面上において、長手方向の両端の近傍に、それぞれMR膜50が配置されている。
MR膜50は、下部電極42側から順に積層された自由層51、非磁性層52、磁化固定層53および反強磁性層54を含んでいる。図5に示した例では、MR膜50は、楕円柱形状を有している。この場合、自由層51の平面形状は楕円形になる。自由層51は、下部電極42に電気的に接続されている。反強磁性層54は、反強磁性材料よりなり、磁化固定層53との間で交換結合を生じさせて、磁化固定層53の磁化の方向を固定する。複数の上部電極43は、複数のMR膜50の上に配置されている。個々の上部電極43は細長い形状を有し、下部電極42の長手方向に隣接する2つの下部電極42上に配置されて隣接する2つのMR膜50の反強磁性層54同士を電気的に接続する。このような構成により、図5に示したMR素子は、複数の下部電極42と複数の上部電極43とによって直列に接続された複数のMR膜50を有している。なお、MR膜50における層51〜54の配置は、図5に示した配置とは上下が反対でもよい。
本実施の形態では、自由層51の平面形状を楕円形とすることによって、自由層51に形状磁気異方性を設定している。自由層51の平面形状である楕円の長軸方向が、図2および図3に示した形状磁気異方性による磁化容易軸方向DA2となる。
なお、MR膜50の形状は、図5に示した例に限られない。例えば、MR膜50は、上面が長方形や菱形の角柱形状を有していてもよい。
次に、図4を参照して、検出値θsの算出方法について説明する。図4に示した例では、理想的には、第2の検出回路20におけるMR素子の磁化固定層の磁化方向は、第1の検出回路10におけるMR素子の磁化固定層の磁化方向に直交している。この場合、理想的には、第1の信号S1の波形は、角度θに依存したコサイン(Cosine)波形になり、第2の信号S2の波形は、角度θに依存したサイン(Sine)波形になる。この場合、第2の信号S2の位相は、第1の信号S1の位相に対して、信号周期Tの1/4すなわちπ/2(90°)だけ異なっている。
角度θが0°以上90°未満のとき、および270°より大きく360°以下のときは、第1の信号S1は正の値であり、角度θが90°よりも大きく270°よりも小さいときは、第1の信号S1は負の値である。また、角度θが0°よりも大きく180°よりも小さいときは、第2の信号S2は正の値であり、角度θが180°よりも大きく360°よりも小さいときは、第2の信号S2は負の値である。
演算回路30は、第1および第2の信号S1,S2に基づいて、角度θと対応関係を有する検出値θsを算出する。具体的には、例えば、演算回路30は、下記の式(1)によって、θsを算出する。なお、“atan”は、アークタンジェントを表す。
θs=atan(S2/S1) …(1)
式(1)におけるatan(S2/S1)は、θsを求めるアークタンジェント計算を表している。なお、θsが0°以上360°未満の範囲内では、式(1)におけるθsの解には、180°異なる2つの値がある。しかし、S1,S2の正負の組み合わせにより、θsの真の値が、式(1)におけるθsの2つの解のいずれであるかを判別することができる。すなわち、S1が正の値のときは、θsは、0°以上90゜未満、および270°より大きく360°以下の範囲内である。S1が負の値のときは、θsは90°よりも大きく270゜よりも小さい。S2が正の値のときは、θsは0°よりも大きく180゜よりも小さい。S2が負の値のときは、θsは180°よりも大きく360゜よりも小さい。演算回路30は、式(1)と、上記のS1,S2の正負の組み合わせの判定により、0°以上360°未満の範囲内でθsを求める。
次に、本実施の形態に係る磁気センサシステムの作用および効果について説明する。磁気センサシステムの非動作状態では、基準位置PRにおける被検出磁界MFの方向DMは、磁気センサ1から見て変化しない。その間、一定方向に向いた被検出磁界MFが磁気センサ1に印加され続け、検出回路10,20内の複数のMR素子の自由層51の磁化の方向は、第1の方向D1に固定されている。
ここで、自由層51に予め設定誘導磁気異方性が設定されていない場合について考える。この場合には、非動作状態において磁気センサ1に印加され続ける被検出磁界MFに起因して、自由層51に、後天的に、第1の方向D1に平行な方向を磁化容易軸方向とする誘導磁気異方性が発生するおそれがある。以下、この誘導磁気異方性を、後天的誘導磁気異方性と言う。この後天的誘導磁気異方性は、例えば、非動作状態においてMR素子の温度から高温から下降した場合に生じる。このようにして自由層51に、後天的誘導磁気異方性が生じると、第1および第2の信号S1,S2の波形は、正弦曲線から歪み、その結果、検出値θsに誤差が生じる。以下、上述のように自由層51に後天的誘導磁気異方性を誘起させる状況を異方性誘起状況と言う。また、検出値θsの誤差を角度誤差と言う。上述のように自由層51に生じた後天的誘導磁気異方性の大きさ(異方性磁界の大きさ)は、それが飽和するまで、異方性誘起状況の累積時間が長くなるほど大きくなり続ける。それに伴い、角度誤差も大きくなり続ける。
図6は、異方性誘起状況の累積時間と角度誤差との関係の一例を示す特性図である。図6において、横軸は異方性誘起状況の累積時間を示し、縦軸は角度誤差を示している。図6に示されるように、異方性誘起状況の累積時間が長くなるほど角度誤差は大きくなる。ただし、異方性誘起状況の累積時間が長くなるに従って、単位時間当たりの角度誤差の増加量は減少する。異方性誘起状況の累積時間が図6の横軸に示した時間の最大値を超えて長くなると、やがて、誘導磁気異方性の大きさが飽和して、角度誤差も飽和する。
本実施の形態では、自由層51に予め設定誘導磁気異方性が設定されている。設定誘導磁気異方性による磁化容易軸方向DA1は、第1の方向D1に平行か、平行に近い方向である。具体的には、前述のように、設定誘導磁気異方性による磁化容易軸方向DA1が第1の方向D1に対してなす角度αは、0°〜15°の範囲内であることが好ましく、0°〜9°の範囲内であることがより好ましい。
このように、自由層51に予め設定誘導磁気異方性が設定されていることにより、設定誘導磁気異方性が設定されていない場合に比べて、磁気センサシステムの使用開始後において、後天的な要因による自由層51の誘導磁気異方性の大きさの増加量は小さくなる。自由層51の誘導磁気異方性の大きさが飽和した状態になるように、設定誘導磁気異方性が設定されている場合には、磁気センサシステムの使用開始後において、自由層51の誘導磁気異方性の大きさは増加しない。角度誤差の観点から見ると、自由層51に予め設定誘導磁気異方性が設定されていることは、磁気センサシステムの使用開始時点において、図6に示した横軸の異方性誘起状況の累積時間が既にある程度経過していることと等価である。そのため、本実施の形態によれば、自由層51に予め設定誘導磁気異方性が設定されていない場合に比べて、磁気センサシステムの使用開始後において、角度誤差の増加の総量、ならびに、単位時間当たりの角度誤差の増加量が小さくなる。
なお、自由層51に予め設定誘導磁気異方性を設定すると、何も対策を施さないと、磁気センサシステムの使用開始時点において、設定誘導磁気異方性に起因して角度誤差が生じてしまう。しかし、このようにして生じる使用開始時点における角度誤差は、予め把握することができる。従って、予め、この角度誤差が小さくなるように、角度誤差の補正を行うことが可能である。本実施の形態では、この角度誤差の補正は、自由層51に設定された形状磁気異方性によって実現されている。以上のことから、本実施の形態によれば、後天的に自由層51に誘導磁気異方性が生じることによって生じる角度誤差を低減することが可能になる。
以下、自由層51に形状磁気異方性を設定することにより、設定誘導磁気異方性に起因する角度誤差を補正することができることについて詳しく説明する。自由層51に形状磁気異方性を設定せずに、自由層51に設定誘導磁気異方性を設定すると、第1および第2の信号S1,S2には、設定誘導磁気異方性に起因して、角度θに依存する第1の誤差が発生する。一方、自由層51に設定誘導磁気異方性を設定せずに、自由層51に形状磁気異方性を設定すると、第1および第2の信号S1,S2には、形状磁気異方性に起因して、角度θに依存する第2の誤差が発生する。第1および第2の誤差中の主要な成分は、信号周期Tの1/2の周期を有する成分(以下、2次成分と言う。)である。
本実施の形態では、自由層51に、設定誘導磁気異方性の他に形状磁気異方性を設定している。形状磁気異方性による磁化容易軸方向DA2が設定誘導磁気異方性による磁化容易軸方向DA1に対してなす角度βは、90°であるか、それに近い。具体的には、前述のように、角度βは、75°〜90°の範囲内であることが好ましく、81°〜90°の範囲内であることがより好ましい。これにより、第1の誤差中の2次成分の位相と第2の誤差中の2次成分の位相は、互いに逆相になるか、それに近い関係になる。その結果、第1の誤差中の2次成分と第2の誤差中の2次成分とが相殺されて、第1および第2の信号S1,S2に残る誤差(以下、残存誤差と言う。)中の2次成分が低減され、角度誤差も低減される。
ここで、シミュレーションの結果を参照して、上述のように残存誤差中の2次成分が低減されることについて更に説明する。図7は、シミュレーションで求めた第1および第2の誤差ならびに残存誤差のそれぞれの2次成分の波形を示す波形図である。図7において、横軸は角度θを示し、縦軸は2次成分の大きさを示している。図7において、符号61は、第1の誤差中の2次成分の波形を示し、符号62は、第2の誤差中の2次成分の波形を示し、符号63は、残存誤差中の2次成分の波形を示している。図7には、第1の誤差中の2次成分と第2の誤差中の2次成分の振幅が等しく、角度βが75°である場合の例を示している。図7における縦軸は、第1および第2の誤差中の2次成分の最大値を1とした相対値で表している。
図7に示した例では、残存誤差中の2次成分(符号63)の振幅は、第1の誤差中の2次成分(符号61)の振幅の50%になっている。角度βが75°よりも大きく90°以下の場合には、残存誤差中の2次成分の振幅が、第1の誤差中の2次成分の振幅の50%よりも小さくなることは明らかである。残存誤差中の2次成分の振幅を、設定誘導磁気異方性に起因する第1の誤差中の2次成分の振幅の50%以下にすることができる点から、角度βは、75°〜90°の範囲内であることが好ましい。
また、図示しないが、角度βを81°〜90°の範囲内とすれば、残存誤差中の2次成分の振幅を、第1の誤差中の2次成分の振幅の30%以下にすることができる。この点から、角度βは、81°〜90°の範囲内であることがより好ましい。
次に、設定誘導磁気異方性による磁化容易軸方向DA1が第1の方向D1に対してなす角度α(図2参照)の好ましい範囲について説明する。角度αが0°であって、自由層51の誘導磁気異方性の大きさが飽和した状態になるように、設定誘導磁気異方性が設定されている場合には、磁気センサシステムの使用開始後において、自由層51の誘導磁気異方性の大きさは増加しない。しかし、角度αが0°以外の場合には、自由層51に、第1の方向D1に平行な方向を磁化容易軸方向とする後天的誘導磁気異方性が発生するおそれがある。すると、自由層51における誘導磁気異方性は、設定誘導磁気異方性と後天的誘導磁気異方性とが複合されたものとなり、その誘導磁気異方性による磁化容易軸方向は、設定誘導磁気異方性による磁化容易軸方向DA1からずれてしまう。これは、磁気センサシステムの使用開始時に角度βが90°に設定されていたとすると、磁気センサシステムの使用開始後に角度βが90°からずれることに相当する。ただし、角度αが0°以外の場合において、後天的誘導磁気異方性に起因した上記の磁化容易軸方向のずれ量の最大値はαである。従って、角度αが0°〜15°の範囲内であれば、角度βが75°〜90°の範囲内である場合と同等以上の効果が得られ、角度αが0°〜9°の範囲内であれば、角度βが81°〜90°の範囲内である場合と同等以上の効果が得られる。従って、角度αは、0°〜15°の範囲内であることが好ましく、0°〜9°の範囲内であることがより好ましい。
ただし、角度αが0°〜15°の範囲内で、角度βが75°〜90°の範囲内であっても、角度γが75°未満であると、自由層51において設定誘導磁気異方性と後天的誘導磁気異方性とが複合された誘導磁気異方性の磁化容易軸方向が磁化容易軸方向DA2に対してなす角度が75°未満になる可能性がある。その場合には、残存誤差中の2次成分の振幅が、第1の誤差中の2次成分の振幅の50%を超えるおそれがある。そのため、角度γも、角度βと同様に、75°〜90°の範囲内であることが好ましく、81°〜90°の範囲内であることがより好ましい。
ところで、設定誘導磁気異方性に起因する第1の誤差には、2次成分の他に、信号周期Tの1/3の周期を有する成分(以下、3次成分と言う。)が含まれる場合がある。同様に、形状磁気異方性に起因する第2の誤差にも、2次成分の他に3次成分が含まれる場合がある。この第2の誤差中の3次成分の大きさは、自由層51の形状によって調整することが可能である。従って、第1の誤差に3次成分が含まれる場合には、自由層51の形状によって調整することによって、残存誤差中の3次成分を低減することが可能である。以下、これについて詳しく説明する。
例えば自由層51の平面形状が楕円形の場合には、楕円の短軸の長さに対する長軸の長さの比率を変化させると、第2の誤差中の3次成分の大きさが変化する。ここで、自由層51の平面形状である楕円の短軸と長軸のうち、一方はX方向に平行であり、他方はY方向に平行であるものとする。また、自由層51に設定された設定誘導磁気異方性による磁化容易軸方向DA1は、Y方向に平行であるものとする。また、Y方向についての楕円の長さに対するX方向についての楕円の長さの比率を、アスペクト比と呼ぶ。アスペクト比が1よりも大きい場合には、楕円の長軸方向および形状磁気異方性による磁化容易軸方向DA2はX方向に平行になる。この場合には、第2の誤差中の3次成分の位相は、第1の誤差中の3次成分の位相とは逆相になる。アスペクト比が1よりも小さい場合には、楕円の長軸方向および磁化容易軸方向DA2はY方向に平行になる。この場合には、第2の誤差中の3次成分の位相は、第1の誤差中の3次成分の位相と同じ位相になる。なお、アスペクト比が1の場合は、自由層51の平面形状は円形になり、自由層51に形状磁気異方性は生じない。
図8は、シミュレーションで求めたアスペクト比と第2の誤差中の3次成分の大きさとの関係の一例を示す特性図である。図8において、横軸はアスペクト比を示し、縦軸は第2の誤差中の3次成分の大きさを示している。なお、図8では、第1および第2の信号S1,S2における理想的な正弦曲線の成分である理想成分の振幅(最大値)に対する第2の誤差中の3次成分の振幅(最大値)の割合を百分率で表した値を、3次成分の大きさとして表している。また、この3次成分の大きさは、アスペクト比が1よりも小さい場合には正の値となり、アスペクト比が1よりも大きい場合には負の値となるように表している。
例えば、第1の誤差中の3次成分の振幅(最大値)が理想成分の振幅(最大値)の1%程度である場合には、第2の誤差中の3次成分の大きさを−1%程度にすることにより、第1および第2の誤差中の3次成分を相殺して、残存誤差中の3次成分を低減することができる。これは、図8に示した例では、アスペクト比を、およそ1.1〜1.3の範囲内とすることによって実現することができる。このように、本実施の形態によれば、自由層51の楕円形状を調整させることによって、残存誤差中の3次成分を低減して、角度誤差をより低減することが可能である。
[第2の実施の形態]
次に、図9および図10を参照して、本発明の第2の実施の形態について説明する。図9は、本実施の形態における磁気センサ1の構成を示す回路図である。図10は、図9における1つのMR素子の一部を示す斜視図である。本実施の形態では、基準位置PRにおける被検出磁界MFの方向に応じて磁化の方向が変化する磁性層である自由層51に形状磁気異方性は設定されていない。図10に示した例では、MR膜50は、円柱形状を有している。この場合、自由層51の平面形状は円形になる。
本実施の形態における磁気センサ1では、自由層51に設定された設定誘導磁気異方性に起因して検出値θsに生じる誤差の補正を演算回路30によって行う。演算回路30は,以下のようにして、第1および第2の検出回路10,20によって生成された第1および第2の信号S1,S2から、補正された検出値θsを算出する。
演算回路30は、第1および第2の信号S1,S2から、第1の実施の形態で説明した式(1)によって、補正前のθsを算出する。補正前のθsは、設定誘導磁気異方性に起因する角度誤差を含んでいる。本実施の形態における演算回路30は、補正前のθsの複数の値と、設定誘導磁気異方性が設定されていないと想定して理論的に求められる補正後のθsの複数の値との対応関係を示すテーブルを保持している。演算回路30は、このテーブルを参照して、補正前のθsから補正後のθsを求め、これを検出値θsとして出力する。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。始めに、図11を参照して、本実施の形態に係る磁気センサシステムの概略の構成について説明する。図11は、本実施の形態に係る磁気センサシステムの概略の構成を示す斜視図である。本実施の形態に係る磁気センサシステムは、被検出磁界を発生する磁界発生部2と、被検出磁界を検出する磁気センサ101とを備えている。磁気センサ101は、被検出磁界を検出する第1の検出回路10および第2の検出回路20を有している。本実施の形態における磁界発生部2は、複数組のN極とS極が交互に直線状に配列された磁気スケール120を有している。図11に示した例では、磁気スケール120は、磁気スケール120のN極とS極が並ぶ方向Tに平行な上面120aを有している。磁気センサ101は、磁気スケール120の上面120aに対向する位置に配置されている。本実施の形態では、動作状態において、方向Tについて磁気スケール120と磁気センサ101の相対的位置関係が変化するように、磁気スケール120と磁気センサ101の少なくとも一方が方向Tに直線的に移動する。非動作状態では、方向Tについて磁気スケール120と磁気センサ101の相対的位置関係が一定になるように、磁気スケール120と磁気センサ101の両方が停止する。
ここで、磁気スケール120における隣接するN極とS極の1組の、方向Tについて長さを1ピッチと言う。第1の検出回路10と第2の検出回路20は、方向Tについて、1/4ピッチ分だけ互いにずれた位置に配置されている。
第1および第2の検出回路10,20は、それぞれ磁気検出素子を含んでいる。本実施の形態における磁気検出素子は、第1の実施の形態と同様に、例えばTMR素子またはGMR素子である。以下、磁気検出素子をMR素子と記す。本実施の形態では、検出回路10,20は、MR素子(MR膜)を構成する複数の層の面が、磁気スケール120の上面120aに対して平行になるように配置されている。
図12は、MR素子の形状と配置を模式的に示している。図12において、符号11,21は、それぞれ、検出回路10,20内のMR素子の自由層の平面形状を表している。第2の検出回路20のMR素子は、方向Tについて、第1の検出回路10のMR素子に対して1/4ピッチ分だけずれた位置に配置されている。自由層の平面形状については、後で詳しく説明する。
次に、図11を参照して、本実施の形態における基準平面、基準位置、基準方向について説明する。まず、本実施の形態では、方向Tに平行な一方向(図11では右側に向かう方向)をX方向と定義し、磁気スケール120の上面120aに垂直な一方向(図11では上側に向かう方向)をY方向と定義し、X方向およびY方向に垂直な一方向(図11では奥へ進む方向)をZ方向と定義する。また、X方向とは反対の方向を−X方向と定義する。
本実施の形態における基準平面PLは、Z方向に垂直な平面である。基準位置PRは、基準平面PL内に位置する。基準位置PRは、第1の検出回路10が被検出磁界を検出する位置でもよいし、第2の検出回路20が被検出磁界を検出する位置でもよい。以下の説明では、第1の検出回路10が被検出磁界を検出する位置を基準位置PRとする。動作状態では、基準平面PL内において、基準位置PRにおける被検出磁界の方向DMは、磁気センサ1から見て変化する。本実施の形態では、特に、動作状態では、基準位置PRにおける被検出磁界の方向DMは、磁気センサ1から見て、基準位置PRを中心として回転する。方向Tについて磁気スケール120と磁気センサ1の相対的位置関係が1ピッチ分変化すると、基準位置PRにおける被検出磁界の方向DMは360°だけ回転する。従って、磁気スケール120と磁気センサ1の相対的位置関係と、基準位置PRにおける被検出磁界の方向DMは、対応関係を有している。1ピッチは、被検出磁界の方向DMの回転角度の360°に相当する。前述のように、第1の検出回路10と第2の検出回路20は、方向Tについて、1/4ピッチ分だけ互いにずれた位置に配置されていることから、第2の検出回路20が被検出磁界を検出する位置における被検出磁界の方向は、基準位置PRにおける被検出磁界の方向DMに対して90°だけずれている。
また、非動作状態では、基準平面PL内において、基準位置PRにおける被検出磁界の方向DMは、磁気センサ1から見て変化せずに、検出回路10,20内の複数のMR素子の自由層の磁化の方向が、以下の例外を除いて、第1の方向D1に固定される。本実施の形態では、第1の方向D1は方向T(X方向、−X方向)である。例外は、検出回路10,20のうちの一方において、磁性層(自由層)に印加される被検出磁界の方向がY方向または−Y方向に固定される場合である。この場合でも、検出回路10,20のうちの他方においては、自由層の磁化の方向は第1の方向D1に固定される。
また、本実施の形態では、基準方向DRはX方向とする。また、基準位置PRにおける被検出磁界の方向DMが基準方向DRに対してなす角度を記号θで表す。角度θは、基準方向DRから時計回り方向に見たときに正の値で表し、基準方向DRから反時計回り方向に見たときに負の値で表す。
次に、図13を参照して、磁気センサ101の構成について詳しく説明する。図13は、磁気センサ101の構成を示す回路図である。磁気センサ101は、前記の第1および第2の検出回路10,20と、演算回路30を備えている。検出回路10,20の構成は、MR素子を構成するMR膜の形状と、MR素子における磁化固定層の磁化の方向を除いて、第1の実施の形態と同じである。演算回路30は、2つの入力端と1つの出力端とを有している。演算回路30の2つの入力端は、それぞれ、検出回路10,20の各出力端に接続されている。
演算回路30は、角度θと対応関係を有する検出値θsを算出する。本実施の形態では、検出値θsは、磁気センサ101によって検出された角度θの値であり、これは、方向Tについての磁気スケール120と磁気センサ101の相対的位置関係に対応している。このように、本実施の形態に係る磁気センサシステムは、方向Tについての、磁気スケール120に対する磁気センサ101の位置を検出することができる。
図13において、塗りつぶした矢印は、MR素子における磁化固定層の磁化の方向を表し、白抜きの矢印は、MR素子における自由層の磁化の方向を表している。本実施の形態では、MR素子R11,R14,R21,R24における磁化固定層の磁化の方向はX方向である。また、MR素子R12,R13,R22,R23における磁化固定層の磁化の方向は−X方向である。
本実施の形態では、第1の検出回路10は、基準位置PRにおける被検出磁界の、方向T(X方向、−X方向)の成分の強度を検出して、その強度を表す第1の信号S1を、演算回路30に出力する。第1の信号S1は、基準位置PRにおける被検出磁界の方向DMが基準方向DRに対してなす角度θと対応関係を有する。
また、第2の検出回路20は、第2の検出回路20が被検出磁界を検出する位置における被検出磁界の、方向T(X方向、−X方向)の成分の強度を検出して、その強度を表す第2の信号S2を、演算回路30に出力する。前述のように、第2の検出回路20が被検出磁界を検出する位置における被検出磁界の方向は、基準位置PRにおける被検出磁界の方向DMに対して90°だけずれた一定の関係を有している。そのため、第2の信号S2も、基準位置PRにおける被検出磁界の方向DMが基準方向DRに対してなす角度θと対応関係を有する。
第2の信号S2の位相は、第1の信号S1の位相と異なっている。本実施の形態では、特に、第2の信号S2の位相は、第1の信号S1の位相と90°だけ異なっている。理想的には、第1の信号S1の波形は、角度θに依存したコサイン波形になり、第2の信号S2の波形は、角度θに依存したサイン波形になる。演算回路30における検出値θsの算出方法は、第1の実施の形態と同じである。
本実施の形態では、検出回路10,20内のMR素子において、被検出磁界の方向に応じて磁化の方向が変化する磁性層である自由層には、予め設定誘導磁気異方性が設定されている。第1の実施の形態と同様に、設定誘導磁気異方性による磁化容易軸方向DA1が第1の方向D1(方向T)に対してなす角度αは、0°〜15°の範囲内であることが好ましく、0°〜9°の範囲内であることがより好ましい。これにより、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、自由層に予め設定誘導磁気異方性が設定されていない場合に比べて、磁気センサシステムの使用開始後において、角度誤差の増加の総量、ならびに、単位時間当たりの角度誤差の増加量が小さくなる。
また、本実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、設定誘導磁気異方性に起因して生じる角度誤差の補正を、自由層に設定された形状磁気異方性によって実現している。すなわち、本実施の形態では、検出回路10,20内のMR素子におけるMR膜の形状をいずれも楕円柱形状とすることによって、検出回路10内の複数のMR素子の自由層の平面形状(符号11)と検出回路20内の複数のMR素子の自由層の平面形状(符号21)を、いずれも楕円形としている。自由層の平面形状である楕円の長軸方向が、形状磁気異方性による磁化容易軸方向DA2となる。第1の実施の形態と同様に、磁化容易軸方向DA2が設定誘導磁気異方性による磁化容易軸方向DA1に対してなす角度βと、磁化容易軸方向DA2が第1の方向D1に対してなす角度γは、いずれも75°〜90°の範囲内であることが好ましく、81°〜90°の範囲内であることがより好ましい。
以上のことから、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、後天的に自由層に誘導磁気異方性が生じることによって生じる角度誤差を低減することが可能になる。
なお、本実施の形態において、第2の実施の形態と同様に、自由層に設定された設定誘導磁気異方性に起因して検出値θsに生じる誤差の補正を演算回路30によって行ってもよい。
また、本実施の形態において、MR素子(MR膜)を構成する複数の層の面に対して垂直な方向がXY平面と交差するように、検出回路10,20を配置してもよい。この場合には、動作状態において、方向Tについて磁気スケール120と磁気センサ101の相対的位置関係が変化すると、自由層の磁化の方向は回転する。従って、この場合には、非動作状態に固定される自由層の磁化の方向D1は、自由層の面に平行な平面内における任意の方向となり得る。また、この場合、基準平面PLは、MR素子を構成する複数の層の面に平行な平面としてもよい。また、磁気センサ101の代わりに、第1の実施の形態における磁気センサ1を用いて、MR素子を構成する複数の層の面に対して垂直な方向がXY平面と交差するように検出回路10,20を配置してもよい。この場合には、第1の実施の形態と同様に、検出回路10,20を同じ位置に配置しながら、第2の信号S2の位相を、第1の信号S1の位相に対して、信号周期Tの1/4すなわちπ/2(90°)だけ異ならせることができる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1または第2の実施の形態と同様である。
[第4の実施の形態]
次に、図14を参照して、本発明の第4の実施の形態について説明する。図14は、本実施の形態の磁気センサと比較例の磁気センサの構成を示す回路図である。図14において、(a)は比較例の磁気センサを示し、(b)は本実施の形態の磁気センサを示している。比較例の磁気センサと本実施の形態の磁気センサは、いずれも、第1および第2の検出回路10,20を備えている。第1および第2の検出回路10,20は、それぞれ磁気検出素子を含んでいる。本実施の形態では、第1および第2の検出回路10,20内の全ての磁気検出素子として、TMR素子またはGMR素子を用いている。以下、磁気検出素子をMR素子と記す。
また、第1および第2の検出回路10,20は、いずれも、第1の実施の形態で説明したホイートストンブリッジ回路の代わりにハーフブリッジ回路を有し、差分検出器を有していない。第1の検出回路10は、直列に接続されて、電源ポートV1とグランドポートG1の間に設けられた一対のMR素子R11,R12と、MR素子R11,R12の接続点に接続された出力ポートE1とを有している。第1の検出回路10が生成する第1の信号S1は、出力ポートE1から得られる。第2の検出回路20は、直列に接続されて、電源ポートV1とグランドポートG2の間に設けられた一対のMR素子R21,R22と、MR素子R21,R22の接続点に接続された出力ポートE2とを有している。第2の検出回路20が生成する第2の信号S2は、出力ポートE2から得られる。
図示しないが、比較例の磁気センサと本実施の形態の磁気センサは、いずれも、その入力端が出力ポートE1,E2に接続された演算回路を備えている。この演算回路は、角度θと対応関係を有する検出値θsを算出する。この演算回路における検出値θsの算出方法は、第1の実施の形態と同じである。
図14において、塗りつぶした矢印は、MR素子における磁化固定層の磁化の方向を表し、白抜きの矢印は、MR素子における自由層の磁化の方向を表している。本実施の形態では、MR素子R11における磁化固定層の磁化の方向はX方向であり、MR素子R12における磁化固定層の磁化の方向は−X方向である。また、MR素子R21における磁化固定層の磁化の方向は−Y方向であり、MR素子R22における磁化固定層の磁化の方向はY方向である。
図14では、検出回路10,20内のMR素子の自由層の平面形状を模式的に示している。MR素子R11,R12の自由層の平面形状は、長辺がY方向に向いた長方形であり、MR素子R21,R22の自由層の平面形状は、長辺がX方向に向いた長方形である。比較例の磁気センサでは、MR素子R11,R12,R21,R22の自由層の平面形状である長方形の大きさは同じである。本実施の形態の磁気センサでは、MR素子R11,R12の自由層の平面形状である長方形の大きさと、MR素子R21,R22の自由層の平面形状である長方形の大きさは異なっている。
本実施の形態では、非動作状態において自由層の磁化の方向が固定される第1の方向D1は、X方向とする。本実施の形態の磁気センサでは、MR素子R11,R12,R21,R22の自由層には、予め設定誘導磁気異方性が設定されている。設定誘導磁気異方性による磁化容易軸方向が第1の方向D1(X方向)に対してなす角度は、第1の実施の形態と同様に、0°〜15°の範囲内であることが好ましく、0°〜9°の範囲内であることがより好ましい。これにより、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、自由層に予め設定誘導磁気異方性が設定されていない場合に比べて、磁気センサシステムの使用開始後において、角度誤差の増加の総量、ならびに、単位時間当たりの角度誤差の増加量が小さくなる。
本実施の形態の磁気センサと同様に、比較例の磁気センサにおいても、MR素子R11,R12,R21,R22の自由層に予め設定誘導磁気異方性が設定されているものとする。ただし、比較例の磁気センサでは、設定誘導磁気異方性に起因して生じる角度誤差が生じるものとする。本実施の形態では、設定誘導磁気異方性に起因して生じる角度誤差の補正を、自由層の形状磁気異方性の大きさを調整することによって実現している。以下、これについて詳しく説明する。
まず、図14(b)のMR素子R11,R12の自由層の平面形状は、図14(a)のMR素子R11,R12の自由層の平面形状に比べて、X方向についての長さが小さくなっている。これにより、図14(b)のMR素子R11,R12の自由層では、図14(a)のMR素子R11,R12の自由層に比べて、Y方向に平行な方向についての形状磁気異方性による異方性磁界が大きくなっている。その結果、図14(b)の検出回路10では、図14(a)の検出回路10に比べて、設定誘導磁気異方性に起因して第1の信号S1に生じる誤差を低減することができる。
また、図14(b)のMR素子R21,R22の自由層の平面形状は、図14(a)のMR素子R21,R22の自由層の平面形状に比べて、Y方向についての長さが大きくなっている。これにより、図14(b)のMR素子R21,R22の自由層では、図14(a)のMR素子R21,R22の自由層に比べて、X方向に平行な方向についての形状磁気異方性による異方性磁界が小さくなっている。その結果、図14(b)の検出回路20では、図14(a)の検出回路20に比べて、設定誘導磁気異方性に起因して第2の信号S2に生じる誤差を低減することができる。
これらのことから、本実施の形態の磁気センサでは、比較例の磁気センサに比べて、設定誘導磁気異方性に起因して生じる角度誤差を低減することができる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第5の実施の形態]
次に、図15を参照して、本発明の第5の実施の形態について説明する。図15は、本実施の形態の磁気センサと比較例の磁気センサの構成を示す回路図である。図15において、(a)は比較例の磁気センサを示し、(b)は本実施の形態の磁気センサを示している。本実施の形態における比較例の磁気センサと本実施の形態の磁気センサの回路構成は、第4の実施の形態における比較例の磁気センサと第4の実施の形態の磁気センサの回路構成と同じである。ただし、本実施の形態では、第1および第2の検出回路10,20内の全ての磁気検出素子として、AMR(異方性磁気抵抗効果)素子を用いている。以下、磁気検出素子をAMR素子と記す。AMR素子は、基準位置における被検出磁界の方向に応じて磁化の方向が変化する磁性層を含んでいる。また、AMR素子では、この磁性層の磁化の方向が、磁性層を流れる電流の方向に対してなす角度に応じて、磁性層の抵抗値が変化する。
本実施の形態では、被検出磁界が1回転する間に、第1および第2の信号S1,S2は2周期分変化する。従って、本実施の形態における第1および第2の信号S1,S2の信号周期は、被検出磁界の1/2回転に相当し、第4の実施の形態(第1の実施の形態)における信号周期Tの1/2となる。
図15では、検出回路10,20内のAMR素子の平面形状を模式的に示している。比較例の磁気センサと本実施の形態の磁気センサのいずれにおいても、AMR素子R11の磁性層の平面形状は、長辺がY方向に向いた長方形である。また、AMR素子R12の磁性層の平面形状は、長辺がX方向に向いた長方形である。
図15(a)に示した比較例の磁気センサでは、AMR素子R21の磁性層の平面形状は、長辺がY方向から反時計回り方向に45°回転した長方形である。また、AMR素子R22の磁性層の平面形状は、長辺がY方向から時計回り方向に45°回転した長方形である。
図15(b)に示した本実施の形態の磁気センサでは、AMR素子R21の磁性層の平面形状は、長辺がY方向から反時計回り方向に、45°よりも小さい角度だけ回転した長方形である。また、AMR素子R22の磁性層の平面形状は、長辺がY方向から時計回り方向に、45°よりも小さい角度だけ回転した長方形である。
また、比較例の磁気センサにおけるAMR素子R11,R12,R21,R22の磁性層の平面形状である長方形の大きさは同じである。本実施の形態の磁気センサにおけるAMR素子R11,R12,R21,R22の磁性層の平面形状である長方形の大きさは、比較例におけるそれらとは異なっている。また、比較例の磁気センサと本実施の形態の磁気センサのいずれにおいても、AMR素子R11,R12,R21,R22に対しては、それらの磁性層の長手方向(長辺の方向)に電流が流される。
本実施の形態では、非動作状態において磁性層の磁化の方向が固定される第1の方向D1は、X方向とする。本実施の形態の磁気センサでは、AMR素子R11,R12,R21,R22の磁性層の磁性層には、予め設定誘導磁気異方性が設定されている。これにより、本実施の形態によれば、磁性層に予め設定誘導磁気異方性が設定されていない場合に比べて、磁気センサシステムの使用開始後において、角度誤差の増加の総量、ならびに、単位時間当たりの角度誤差の増加量が小さくなる。
本実施の形態の磁気センサと同様に、比較例の磁気センサにおいても、AMR素子R11,R12,R21,R22の磁性層に予め設定誘導磁気異方性が設定されているものとする。ただし、比較例の磁気センサでは、設定誘導磁気異方性に起因して生じる角度誤差が生じるものとする。本実施の形態では、設定誘導磁気異方性に起因して生じる角度誤差の補正を、磁性層の形状磁気異方性の大きさや配置を調整することによって実現している。以下、これについて詳しく説明する。
まず、図15(b)のAMR素子R11の磁性層の平面形状は、図15(a)のAMR素子R11の磁性層の平面形状と相似形であるが、それよりも小さくなっている。このように、磁性層の平面形状を相似形のままで小さくすることにより、磁性層における静磁界の影響が大きくなり、磁性層の長手方向(Y方向に平行な方向)についての形状磁気異方性による異方性磁界が大きくなる。そのため、図15(b)のAMR素子R11の磁性層では、図15(a)のAMR素子R11の磁性層に比べて、Y方向に平行な方向についての形状磁気異方性による異方性磁界が大きくなっている。
また、図15(b)のAMR素子R12の磁性層の平面形状は、図15(a)のAMR素子R12の磁性層の平面形状と相似形であるが、それよりも大きくなっている。このように、磁性層の平面形状を相似形のままで大きくすることにより、磁性層における静磁界の影響が小さくなり、磁性層の長手方向(X方向に平行な方向)についての形状磁気異方性による異方性磁界は小さくなる。そのため、図15(b)のAMR素子R12の磁性層では、図15(a)のAMR素子R12の磁性層に比べて、X方向に平行な方向についての形状磁気異方性による異方性磁界が小さくなっている。
これらのことから、図15(b)の検出回路10では、図15(a)の検出回路10に比べて、AMR素子R11,R12の磁性層のY方向に平行な方向についての形状磁気異方性の大きさが大きくなり、その結果、設定誘導磁気異方性に起因して第1の信号S1に生じる誤差を低減することができる。
また、図15(b)のAMR素子R21,R22の磁性層の平面形状は、図15(a)のAMR素子R21,R22の磁性層の平面形状と相似形であるが、それらよりも小さくなっている。また、図15(b)のAMR素子R21,R22の磁性層の長手方向がY方向に対してなす角度は、図15(b)のAMR素子R21,R22の磁性層の長手方向がY方向に対してなす角度よりも小さくなっている。これにより、図15(b)のAMR素子R21,R22の磁性層では、図15(a)のAMR素子R21,R22の磁性層に比べて、Y方向に平行な方向についての形状磁気異方性による異方性磁界が大きくなっている。その結果、図15(b)の検出回路20では、図15(a)の検出回路20に比べて、設定誘導磁気異方性に起因して第2の信号S2に生じる誤差を低減することができる。
これらのことから、本実施の形態の磁気センサでは、比較例の磁気センサに比べて、設定誘導磁気異方性に起因して生じる角度誤差を低減することができる。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、本発明における磁気検出素子としては、スピンバルブ型のMR素子(GMR素子、TMR素子)やAMR素子に限らず、被検出磁界の方向に応じて磁化の方向が変化する磁性層を有するものであればよい。例えば、磁気検出素子としては、強磁性層を含み、強磁性ホール効果を用いたホール素子を用いてもよい。
1…磁気センサ、2…磁界発生部、5…磁石、10…第1の検出回路、20…第2の検出回路、14,24…ホイートストンブリッジ回路、30…演算回路。

Claims (6)

  1. 被検出磁界を発生する磁界発生部と、前記被検出磁界を検出する磁気センサとを備え、動作状態と非動作状態とが選択される磁気センサシステムであって、
    前記磁気センサは、磁気検出素子を有し、基準位置における前記被検出磁界の方向が基準方向に対してなす角度と対応関係を有する検出値を生成し、
    前記磁気検出素子は、前記基準位置における前記被検出磁界の方向に応じて磁化の方向が変化する磁性層を含み、
    前記動作状態では、前記基準位置における前記被検出磁界の方向が前記磁気センサから見て変化し、
    前記非動作状態では、前記基準位置における前記被検出磁界の方向が前記磁気センサから見て変化せずに、前記磁性層の磁化の方向が第1の方向に固定され、
    前記磁性層には、予め誘導磁気異方性が設定され、
    前記磁性層に設定された前記誘導磁気異方性による磁化容易軸方向が前記第1の方向に対してなす角度は、0°〜15°の範囲内であることを特徴とする磁気センサシステム。
  2. 前記動作状態では、前記磁界発生部と前記磁気センサの相対的位置関係が変化し、
    前記非動作状態では、前記磁界発生部と前記磁気センサの相対的位置関係が一定になることを特徴とする請求項1記載の磁気センサシステム。
  3. 前記磁気センサは、前記磁性層に設定された前記誘導磁気異方性に起因して前記検出値に生じる誤差の補正を行うことを特徴とする請求項1または2記載の磁気センサシステム。
  4. 前記誤差の補正は、前記磁性層に設定された形状磁気異方性によって実現されることを特徴とする請求項3記載の磁気センサシステム。
  5. 前記形状磁気異方性による磁化容易軸方向が前記誘導磁気異方性による磁化容易軸方向に対してなす角度と、前記形状磁気異方性による磁化容易軸方向が前記第1の方向に対してなす角度は、いずれも75°〜90°の範囲内であることを特徴とする請求項4記載の磁気センサシステム。
  6. 前記磁気センサは、前記誤差の補正を行う演算回路を含むことを特徴とする請求項3記載の磁気センサシステム。
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