JP5463643B2 - 針釜タイミング調節装置付きミシン装置 - Google Patents

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Description

本発明は、釜の剣先が針と出会うタイミングを調節するミシンの針釜タイミング調節装置付きミシン装置に関する。
公知のミシンが、後述の特許文献1に記載されている。このミシンは、針棒を駆動する上軸と、釜を駆動する下軸を備える。上軸は、針棒腕を揺動させるための幅出機構に連結されている。下軸と釜(釜軸)の間には、針釜タイミング調整装置が設けられている。下軸と釜軸はプーリ及びベルトによって連結され、下軸の回転がベルトを介して釜軸に伝達される。ベルトは、4個のアイドラーと接触している。2個のアイドラーが1つのアイドラーユニットを構成し、当該ミシンには2つのアイドラーユニットが設けられる。アイドラーユニットは、歯車機構を介して上述の幅出機構と連結されている。歯車機構は、平歯車を用いた単純な機構である。幅出機構からアイドラーユニットに駆動力が歯車機構を介して伝達され、2つのアイドラーユニットが幅出機構と連動して一度に作動する。アイドラーユニットの作動にともなってベルトのテンションが変化し、釜軸に不等速回転運動が与えられる。
特開昭49−110450号公報
しかしながら、上述のミシンでは、平歯車を用いた単純な歯車機構によって、2つのアイドラーユニットが一度に作動するので、下軸と釜軸とを連結するベルトのテンションが一定にならない。ベルトのテンションが高くなったり低くなったりして一定でないと、上軸と下軸のトルクがばらついて(トルクムラ)、騒音や振動が引き起こされるおそれがある。また、意図しない釜速度の変化が発生して、針棒腕(針棒、針)の揺動に釜速度の変化が追従せず、針釜タイミング(釜の剣先が針と出会うタイミング)にずれが生じる。このずれは、目飛びの原因となりうる。更に、ベルトのテンション次第では、ベルトがゆるんで「歯飛び」が発生して、下軸と釜軸との間のタイミングの基準がずれるおそれがある。このずれも、目飛びの原因となりうる。以上のように、釜速度に係わるテンションが一定に保たれないと、ミシンの安定的した作動を確保できない問題がある。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、針と釜の剣先の出会いタイミングを調節することにより、安定的な作動を確保できるミシン装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、針棒を駆動する上軸と、釜を駆動する下軸と、前記上軸及び前記下軸を回転自在に支持する機枠と、前記上軸に設けた上軸プーリと前記下軸に設けた下軸プーリとを連結し前記上軸と前記下軸の回転を同期させるベルトと、を備えた針釜タイミング調節装置付きのミシン装置であって、板カムであって、互いに独立した第1カム面及び第2カム面を有し、駆動力を受けて回転するカム部材と、前記カム部材に前記駆動力を与える駆動手段と、前記機枠の回転自在に支持される一対のアーム部材と、一対の前記アーム部材の各々に取付けられ、前記ベルトに常時接触するテンションプーリと、前記上軸と前記下軸の少なくともいずれか一方に設けられ前記上軸または前記下軸の回転を検出する回転検出手段と、を備え、一対の前記アーム部材の一方が前記カム部材の前記第1カム面に従動し、一対の前記アーム部材の他方が前記カム部材の前記第2カム面に従動して、前記回転検出手段からの信号で前記駆動手段を制御し、前記下軸または前記上軸に少なくとも2つの前記回転検出手段を設け、前記回転検出手段のそれぞれの信号のステップ数を比較することにより、前記駆動手段を制御する。
また、請求項2に記載の発明は、前記回転検出手段は、前記上軸に設けられる。
また、請求項3に記載の発明は、前記上軸プーリの中心と前記下軸プーリの中心との中間に対し、前記回転検出手段は前記テンションプーリとは反対の位置に設けられる。
請求項1に記載の発明では、一対のアーム部材の一方がカム部材の第1カム面に従動し、一対のアーム部材の他方がカム部材の第2カム面に従動するので、カム部材の回転角度に対するアーム部材の従動量を各々のアーム部材で独立して制御できる。従って、カム部材の第1カム面。第2カム面の形状(カムプロフィール)を適宜設定することで、釜速度に係わるベルトのテンションが一定に保たれる。また、上軸又は下軸の少なくともいずれか一方にエンコーダ等の回転検出手段が設けられる。そして、回転検出手段により検出された信号に基づいて、カム部材に連結したステッピングモータ等の駆動手段に作動許可が適宜下りる。駆動手段の作動許可が下りると、前述したカム部材の作動により、駆動手段が所定時間作動して、針と釜の剣先との出会いタイミングが適正になるようにテンションプーリを移動させ釜の動きを制御する。以上により、ベルトのテンションが一定に保たれ、意図しない釜速度の変化は発生せず、針落ちに応じた適切な針釜タイミングが常に保たれ、騒音や振動が引き起されることなく、安定した作動を確保できるミシン装置を提供できる。また、回転検出手段からの信号に基づいて、信号ステップ数のカウントアップと、駆動手段の作動許可とそのタイミングを判定式を用いて判断し、駆動手段の作動を制御する。結果、駆動手段の回転は誤作動なく適正なタイミングで適正に許可されるので、針と釜の剣先とが適正なタイミングで出会い、ミシンの安定した作動を確保できる。
また、請求項2に記載の発明では、回転検出手段は、上軸に設けられる。針と釜の剣先とのタイミングを適正にするため下軸の回転位置を補正するが、テンションプーリを下軸プーリ側に配備することで、上軸の回転は下軸の回転補正量の影響を殆ど受けない。これにより、上軸に設けた回転検出手段の信号に基づき、駆動手段の回転が誤作動なく適正なタイミングで適正に許可されるので、テンションプーリが適宜始移動し釜の動きを制御する。結果、針と釜の剣先とが適正なタイミングで出会い、ミシンの安定した作動を確保できる。
また、請求項3に記載の発明では、上軸プーリの中心と下軸プーリの中心との中間に対し、テンションプーリと回転検出手段を反対側に設ける。即ち、回転検出手段を上軸に設けるとテンションプーリは下軸プーリ側に配備される。この場合、上軸の回転は下軸の回転補正量の影響を殆ど受けない。これにより、上軸に設けた回転検出手段の信号に基づき、駆動手段の回転は誤作動なく適正に許可される。また、回転検出手段を下軸に設けるとテンションプーリは上軸プーリ側に配備される。この場合、針と釜の剣先とのタイミングを適正にするため、上軸プーリの補正のための回転移動量は、テンションプーリを下軸側に配備した場合より増大する。即ち、テンションプーリを下軸プーリ側に配備した場合より駆動手段の回転移動量は増大して下軸プーリに伝達される。そして回転検出手段の信号を適宜処理され、駆動手段の回転は誤作動なく適正なタイミングで適正に許可される。以上により、針と釜の剣先とが適正なタイミングで出会い、ミシンの安定した作動を確保できる。
(第1実施形態)
以下に本発明の第1実施形態を図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係わるミシン装置の正面図である。図2は、図1の側面図である。
図1に示すように、ミシン装置100のミシン外郭1は、内部に機枠2を備える。機枠2に固定された一対の軸受4、4により、上軸3は回転自在に支持されている。上軸3の一端には、ハンドホィール5、プーリ6が固着される。プーリ6には、大径の従動プーリ6aと小径のタイミングプーリ6b(上軸プーリ)が形成される。機枠2には、駆動モータ9が取付けられ、駆動モータ9の出力軸には、モータプーリ8が固着される。このモータプーリ8と従動プーリ6aには駆動ベルト7が掛けられ、駆動モータ9の回転は減速されて上軸3に伝えられる。
上軸3の他端には、周知のように針棒クランク10が固定されていて、針棒クランク10に連結されるクランクロッド11により針棒12が上下動する。また、針棒12の下端には針13が針止め14により固定されている。針棒12は、周知のように、軸15を介して左右方向に揺動自在に軸支された針棒腕16により、上下方向に摺動自在に軸支されている。下軸17の一端には、タイミングプーリ20(下軸プーリ)が止めねじ21により固着されている。タイミングプーリ20とタイミングプーリ6bは同一歯数に設定してある。一方、下軸17の回転にともなって釜50(図5、6、10参照)が2倍に増速されて回転する。タイミングプーリ6bの中心とタイミングプーリ20の中心とを結ぶ中間よりタイミングプーリ20側には、一対のテンションプーリ23、24(図2)がタイミングベルト22(ベルト)を外側から挟むように設置されている。
また、上軸3にはエンコーダ60(回転検出手段)のスリッド板60aが取付けられ、エンコーダ60はスリッド板60aと検出装置60bから構成される。そして、検出装置60bはエンコーダ60の発光ダオートと発光ダオートを受光する受光素子を備え、機枠2側に固定される。エンコーダ60に隣接して、同様にエンコーダ61(回転検出手段)のスリッド板61aが上軸3に取付けられ、エンコーダ61の発光ダオートと受光素子を備える検出装置61bは機枠2側に固定される。エンコーダ60は針釜タイミング調節装置80(図4)の駆動信号用で、エンコーダ61は布地を送る送り量調節信号用(図示せず)である。
図3は図1のA−A断面図で、テンションプーリ23、24に係わる要部のみを示す図で、図4はテンションプーリ23、24に係わる要部の分解斜視図で、針釜タイミング調節装置80を示す。機枠2において、タイミングプーリ6bとタイミングプーリ20の略中間でタイミングベルト22が走行する付近には、軸25が突設されている。テンションプーリブラケット26(アーム部材)は、略三角形を成しており、上部コーナには軸25に篏合するブッシュ27が突設されていて、下部コーナには軸28が突設されている。軸28は、テンションプーリ23が回転自在に篏合されている。もう一つの角部は直角に折曲げられ雌ねじ26aが穿設されていて虫ねじ29がねじ込まれナット30によりロックされている。
テンションプーリブラケット31(アーム部材)は、上部でコの字状に曲げられ穴31a、31aが開かれていて、ブッシュ27の外周に回転自在に篏合され、下端には軸32が突設されている。軸32には、テンションプーリ24が回動自在に篏合されている。また、略中央部には、軸32と反対側にピン33が突設されている。テンションプーリブラケット26とテンションプーリブラケット31は機枠2に同軸に支持されている。カム従動軸腕34は、テンションプーリブラケット31と同様に上部でコの字状に曲げられ穴34b、34bが開かれ、ブッシュ27の外周に回動自在に篏合している。さらに、カム従動腕34は、テンションプーリブラケット31におけるコの字曲げ部の間に挟持されている。スペーサ36は、カム従動腕34の動きをスムーズにするために設けられる。カム従動腕34は、下端部にピン35が突設すると共に突起部34aを備えている。これら、テンションプーリブラケット26、テンションプーリブラケット31、及びカム従動腕34は、それぞれ機枠2の軸25を中心として回転自在である。そして、止め輪37により軸方向に係止される。ステッピングモータ38(駆動手段)は、ねじ40によりブラケット39に螺着されている。さらに、ブラケット39は、ねじ41(図2)により機枠2に螺着される。
カム42は、板カムであって、垂直軸に対し略対照を成した互いに独立した二つのカム面42a(第1カム面)、42b(第2カム面)を有しており、ステッピングモータ38の回転軸38aに圧入固定されている。カム面42aは、カム従動腕34のピン35に当接している。カム面42bは、テンションプーリブラケット31のピン33に当接している。さらに、テンションプーリブラケット26に取付けられた虫ねじ29の先端は、カム従動腕34の突起部34aに当接している。このことにより、ステップピンモータ38が回転すると、一対のテンションプーリ23、24は、図2に於いて軸25を中心に左右に揺動する。ステップピンモータ38は、図示しないが上軸3の回転及び振り量や糸の種類、布の種類等の情報に応じコンピュータ制御により作動する。
図1において、幅ステップピンモータ43は、小歯車44が軸に取付けられ幅駆動腕45の扇状歯車45aと噛み合っている。幅駆動腕45はロッド46と連結されており、さらにロッド46は針棒腕16の下部に連結されている。これにより、幅ステッピングモータ43の回動は、針棒腕16に伝えられ針13が軸15を中心に左右に揺動する。
本実施形態では、カム42の駆動がステッピングモータ38によって行われるが、勿論、機械的に行うことは容易である。即ち、模様を発生するカムからリンクまたは歯車などを介してカム42を駆動すればよい。カム42の駆動がステッピングモータ38によって行われる場合は、上軸2や下軸17の回転速度に関係なく釜速度を自由に制御可能なので、例えば、布地の種類に応じて釜速度を適宜変化させることができる。
次に、本発明の第1実施形態の作動と効果について説明する。
駆動モータ9の回転は、約1/9に減速されて上軸3に伝達される。上軸3に固着された針棒クランク10により往復動運動に変換され、クランクロッド11を介して針棒12が上下動し、針止め14により針棒12の下端に固着された針13も一体となって上下動する。一方、上軸3の一端に固着されたタイミングプーリ6bからタイミングベルト22を介してタイミングプーリが1:1で回転し、一体となって下軸17も回転する。下軸17の回転は、周知のように図示していないねじ歯車機構により2倍に増速され、釜50が回転する。幅ステッピングモータ43は、上軸3の回転と同期してコンピュータ制御により、幅出しロッド46を介して針13を左右に揺動する。
図5は従来技術の針13と釜50の剣先51の出会いを示した拡大図である。図6は従来技術の針13と釜50の剣先51の出会いを示した拡大斜視図である。ここで、従来のミシンに於いては、図5及び図6に示すように、針13と釜50の出会いのタイミングが左針落ちと右落ちで大きく違いが出る。即ち、幅ステッピングモータ43の回動により針13は揺動するので、左針落ちは中央針落ちに対し、釜の剣先51が+θ遅れが発生し、右針落ちは中央針落ちに対し、−θ早くなる。このことは、図5及び図6に示すように、左針落ち、中央針落ち、右針落ちで針13と釜50の剣先51との間隙(δL、δM、δR)の変化や、針穴13aと釜の剣先51との距離(hL、hM、hR)の変化を生じさせる。これは、振り幅を大きくすればするほど顕著に現れることになる。よって、目飛びの発生や針13と釜50の干渉といった不具合が発生することになる。
図7は、2種類のエンコーダ信号波形を用いて、正回転と逆回転を判別する説明図である。図中、(a)はエンコーダAの動作状態、(b)はエンコーダAの信号波形、(c)はエンコーダBの動作状態を示し、そして、(d)はエンコーダBの信号波形を示す。またL状態は検出装置の光がスリッド板で遮断される状態で、H状態は検出装置が光がスリッド板のスリッドを通過して受光素子に受光される状態である。表1は、図7のエンコーダA及びBの状態と、正回転及び逆回転の関係を示す。ここで、正回転は回転方向が反時計回り、逆回転は時計回りである。
図7及び表1に示すように、エンコーダAがH状態からL状態に移行しエンコーダBがL状態では、上軸3は正回転で、エンコーダBがH状態では逆回転である。エンコーダAがL状態からH状態に移行しエンコーダBがH状態では、上軸3は正回転でエンコーダBがL状態では、逆回転である。また、L状態はステッピングモータの作動は許可され、H状態は許可されない。
Figure 0005463643
図8は、上軸3が正回転(反時計方向)状態に於ける針釜タイミング調節装置駆動信号用のエンコーダ60とエンコーダ60の信号(以後、信号1)、および、送り量調節信号用のエンコーダ61とエンコーダ61の信号(以後、信号2)を示す図である。図中、(a)はエンコーダ60の回転位置とエンコーダ60の信号1を示し、(b)はエンコーダ61の回転位置とエンコーダ61の信号2を示す。また、図8の(1)〜(7)は、
信号1、信号2の各要所の時間位置を示す。
(g)は、コンピュータから発せられた左針落ちの命令に基づきステッピングモータ38が始動し始める時点を示す。(h)は、ステッピングモータ38により針13と剣先51の出会いタイミングの補正が完了してステッピングモータ38が停止した時点を示す。即ち、(1)では、上軸3が反時計方向に回転しておりエンコーダ60は発光ダイオードの光がスリッド板61aのスリッドを通過して検出装置60bの受光素子で受光されるH状態ある。H状態ではステッピングモータ38の回転は許可されない。正回転が進み(2)の状態に至ると、スリッド板61aのスリッドを通過していた光は、遮断されL状態に変化する。この変化時点をエッジ時と称し、(H→L)で表す。L状態では、ステッピングモータ38の回転は許可される。そして、(g)の時点でステッピングモータ38は時計方向(逆回転方向)に始動し、(h)の時点でステッピングモータ38の回転は停止される。後述するが、ステッピングモータ38の回転は上軸3の回転に殆ど影響を与えない。
ステッピングモータ38は時計方向に始動(g)すると、カム42も時計方向に適宜回転しピン35がカム面42aを登る。と同時に、ピン33がカム面42bを下る。これにより、カム従動腕34が軸25を中心に時計方向に揺動し、この動きが突起部34aに当接した虫ねじ29を介してテンションプーリブラケット26に伝えられ、テンションプーリ23が左方向に移動する。同時に、テンションプーリブラケット31がブッシュ27を中心に時計方向に揺動し、テンションプーリ24が左方向に移動する。
図9に示すように、中央針落ち状態に対し、+θ/2分、タイミングプーリ6bに対しタイミングプーリ20が進角される。タイミングプーリ20の進角は、図6に示した左針落ち時の+θを補正し、中央針落ちと同じ針13と釜50の出会いタイミング(図10)になる。ここで、補正量は正確に+θ/2を守る必要はなく、目飛びや釜13と釜50の干渉がない範囲であれば許容できる。
中央針落ちと同じ針13と釜50の出会いタイミングが適正になった時点、即ち、(h)時点で、ステッピングモータ38の回転は停止される。
前述したように、一対のテンションプーリ23は、タイミングプーリ6bの中心とタイミングプーリ20の中心とを結ぶ中間よりタイミングプーリ20側の位置に配置される。これにより、タイミングプーリ20の進角は、上軸3の回転には殆ど影響せず、上軸3は駆動モータ9により略一定速度で回転され、(3)の状態を通過して(5)の状態に至る。そして(5)の状態においてステッピングモータ38の動作は、縫い方のパターン(例えば、直線縫い、ジグザク縫い等)に基づき、既にコンピュータに設定された命令に従う。例えば、直線縫いの場合、ステッピングモータ38は作動せず、タイミングプーリ20は図9の左針落ちの状態が維持される。
また、例えば、ジグザク縫いの場合、図8(5)の状態においてコンピュータから右針落ちの命令が発せられると、前述の左針落ちの動作と同じ原理でステッピングモータ38が反時計方向(正回転方向)に適宜回転する。すると、前述とは反対の動きでテンションプーリ23、24が右方向に移動し、タイミングプーリ20が−θ/2分が遅角される。
図10に示すように、針13と釜50の剣先の出会いタイミングが、どの針落ちに於いても一定になる。以上により、カム42の回転角度に対するテンションプーリブラケット26、31の従動量(即ち、テンションプーリ23、24の移動量)を、テンションプーリブラケット26、31で各々独立して制御でき、タイミングベルト22のテンションを常に一定に保つことが可能となる。タイミングベルト22のテンションが一定に保てれば、意図しない釜速度の変化は発生せず、針落ちに応じた適切な針釜タイミングが常に設定され、目飛びの発生が防止される。また、上軸3と、下軸17のトルクが一定に保たれ、騒音や振動が引き起こされることもなく、ミシンの安定的な作動を確保できる。
図11は、針釜タイミング調節装置駆動信号、即ちエンコーダ60の信号1と送り量調節装置駆動信号、即ちエンコーダ61の信号2を連携(針釜タイミング調節装置駆動信号を優先)して釜タイミング調節を制御するフロー図である。図中、Xは針釜タイミング調節装置駆動信号ステップ数、Yは送り量調節装置駆動信号ステップ数、*は前の状態の信号ステップ数である。針釜タイミング調節を制御するフローは、Step1〜5の5つのStepからなる。
(Step1):初期状態の針釜タイミング調節装置駆動信号ステップ数Xと、送り量調節装置駆動信号ステップ数Yを与える。即ち、X=0、Y=0とする。
(Step2):針釜タイミング調節装置駆動信号をカウントアップし、送り量調節装置駆動信号ステップ数は前の状態を保持する。即ち、X=*+1、Y=*となる。
(Step3):判定式を用いて、針釜タイミング調節装置80、具体的にはステッピングモータ38の駆動許可判定を実施する。エンコーダ60、61のスリッド板60a、61aのスリッドが1個の場合、判定式は、X≦Y+1で示される。判定式が成立する場合はStep4aへ進み、成立しない場合はStep4bへ進む。
(Step4a):針釜タイミング調節装置80の駆動が許可される。駆動許可が下りると、その時点でステッピングモータ38が始動され、所定角度回転して停止される。そして、Step5に進む。
(Step4b):針釜タイミング調節装置80の駆動不許可が下りる。そして、Step5に進む。
(Step5):送り量調節信号をカウントアップし、針釜タイミング調節装置駆動信号は以前の状態を保持する。即ち、X=*+1、Y=*+1となる。そして以後、Step2〜5を繰り返す。
図8の図に基づき、図11の各Stepを具体的に説明する。表2は、Step1〜5の結果まとめた表である。
Figure 0005463643
[1回転目]
(Step1)初期状態を設定する。図8の(1)エンコーダ60の信号を優先するので、エンコーダ60の信号は、X=0、Y=0になる。
(Step2)図8の(2)の状態において、針釜タイミング調節装置駆動信号のカウントアップを実施する。X=0+1=1、Y=0になる。
(Step3)判定式X≦Y+1に基づき判定を実施する。X=1、Y+1=0+1=1であるので、X=Yになり判定式が成立する(図8の(2))。
(Step4a)判定式が成立するので、図8の(2)ではステッピングモータ38の駆動が許可される。駆動許可が下りた時点、ステッピングモータ38が時計方向に所回転しだし、所定時間回転後、停止される。この回転により、針13と釜50の剣先51の出会いタイミングが適正に補正される。
(Step5)図8の(4)の状態において、送り量調節信号をカウントアップする。X=*=1、Y=*+1=0+1=1となり、図8のフロー図の1回り目が終了し、2回り目のStep2に進む。
[2回転目]
(Step2)図8の(5)の状態において、X=*+1=1+1=2、Y=*=1になる。
(Step3)X=2、Y+1=1+1=2であるので、X=Y+1になり判定式は成立する(図8の(5))。
(Step4)判定式が成立するので、図8の(5)ではステッピングモータ38の駆動が許可される。
(Step5)図8の(7)の状態において、送り量調節信号をカウントアップする。X=*=2、Y=*+1=1+1=2となり、図13のフロー図の2回り目が終了する。以後、Step2からStep3が繰返される。
表2から判るようにエンコーダ60、エンコーダ61を上軸3に設けることにより、エンコーダ61のStep5に於ける信号のカウントは、上軸3の1回転目がX=1、Y=1、2回転目はX=2、Y=2で、表示していないがn回転目はX=n、Y=nになる。これと、初期値X=0、Y=0とにより、エンコーダ60のエッジ時(H→L)、ステッピングモータ38は回転許可される。結果、針13と釜50の剣先51の出会いタイミングの補正が誤作動なく正常に行われるので、前述と同じようにミシンの安定的な作動を確保できる。
(第2実施形態)
図12は、本発明の第2実施形態に係わるミシン装置の正面図である。図1と同じ部品及び同じ部位の符号は、図1と同じ符号を付す。ミシン装置200は、図1の上軸3に取付けられたエンコーダ60、61が下軸17に取付けられる。即ち、下軸17にエンコーダ70(回転検出手段)のスリッド板70aが取付けられ、エンコーダ70の発光ダオートと受光素子を備える検出装置70bは機枠2側に固定される。エンコーダ70に隣接して、同様にエンコーダ71(回転検出手段)のスリッド板71aが下軸17に取付けられ、エンコーダ71の発光ダオートと受光素子を備える検出装置71bは機枠2側に固定される。エンコーダ70は針釜タイミング調節装置駆動信号用で、エンコーダ71は布地を送る送り量調節装置信号用である。その他、針棒駆動信号用のエンコーダ、回転速度を検出するエンコーダ等を取付けても良く、少なくとも2種類以上の信号用のエンコーダが下軸17に取付けられ、一つの信号を優先する。本実施形態では針釜タイミング調節装置駆動信号を優先する。他の構成は、図1と同じである。尚、送り量調節装置は図示していない。
次に、本発明の第2実施形態の作動と効果について説明する。
図13は、下軸17が正回転(反時計方向)状態に於ける針釜タイミング調節装置駆動信号用のエンコーダ70とエンコーダ70の信号(以後、信号1)及び送り量調節信号用のエンコーダ71とエンコーダ71の信号(以後、信号2)を示した図である。図中、(a)エンコーダ70の状態(1)〜(8)と、エンコーダ70の信号1を示し、(b)エンコーダ71の状態と、エンコーダ71の信号2を示す。左針落ちの針13と釜50の剣先51の出会いタイミングを調節するため、反時計方向に回転していた下軸17が時計方向に回転し、釜50が回転調整されると、再び反時計方向に回転に回転する。このため信号1に於いて、図8の(2)と(3)の間、および(7)と(8)の間にH状態が発生する。
図14は、針釜タイミング調節装置駆動信号と送り量調節装置駆動信号を連携(針釜タイミング調節装置駆動信号を優先)して釜タイミング調節を制御するフロー図である。エンコーダ70、71を下軸17に設けたため、図14のフロー図は、図11のフロー図のStep1とStep2の間に後述する初期(始動時)状態のフラグセットStep1aと、下軸17の1回転に於ける許可フラグのサブルーチン(図15)でカウントアップの判断をするStep1bと、図11のフロー図のStep4a、Step4bとStep5の間に許可フラグのサブルーチンで許可フラグのセットをするStep4cが追加される。この追加以外は図11と同じである。尚、図中、Xは針釜タイミング調節装置駆動信号ステップ数、Yは送り量調節装置駆動信号ステップ数、*は前の状態の信号ステップ数である。
Figure 0005463643
表3は、図13に基づいて図14のフロー図の各Stepを実施した結果である。図13の(6)に於いてステッピングモータ38は、回転許可が下りなければならないが、回転不許可になり誤作動が発生している。即ち、図13の(f)に於いて、下軸17が反時計方向に回転しており検出装置70bの発光ダイオードからの光がスリッド板70aのスリッドを通過して検出装置70bの受光素子で受光されるH状態にある。この状態から回転が進み図13の(1)のエッジ時(H→L)に至り、表3の(1)のStep4aに示すようにL状態に入るとステッピングモータ38の回転許可が下りる。そしてコンピュータ(図示せず)から左針落ちの命令に基づき、図8の(g)時点でステッピングモータ38が時計方向に始動しだし、図8の(2)のL状態からH状態に変化する反対エッジ時(L→H)に至る。この反対エッジでは、スリッドにより遮断されていた光はスリッド板70bを通過するH状態になる。さらにステッピングモータ38の回転が進み、左針落ちの針13と釜50の剣先51の出会いタイミングの調節が終了し、図8の(h)時点でステッピングモータ38の回転が停止する((2)〜(h)間は、下軸17は時計方向の回転)。すると、下軸17は再び反時計方向に回転し、図8の(3)の反対エッジ時(L→H)に至り、図8の(1)の時点と同じ状態になる。この状態では、表3の(3)のStep4bに示すようにステッピングモータ38は回転不許可になる。結果、下軸17の1回転目に於いては、ステッピングモータ38は正常作動する。しかし、表3に示しように下軸17の2回転目に於いて、図8の(6)のエッジ時(H→L)、ステッピングモータ38は回転不許可になり、2回転目以降、ステッピングモータ38は誤作動する。このため、下軸17の2回転目以降の誤作動を解消する制御が必要となる。
以下に、図8の(6)のエッジ時(H→L)の誤作動が発生しない針釜タイミング調節装置の制御方法について説明する。針釜タイミング調節装置又は送り量調節装置、即ちステッピングモータ38又は送り量調節装置の駆動手段(図示せず)が正回転か、あるいは、逆回転かの許可フラグをセットすることにより、エッジ時(H→L)のカウントアップの可、不可を判断する。即ち、許可フラグを用いた処理フローを図14のフロー図にサブルーチンとして導入する。
図15は、イニシャライズ時以外(始動時以外)の許可フラグのフロー図である。図15に示すように許可フラグのフローは、StepF1〜F5の5つStepからなり、StepF5が終了するとStepF1〜F5を繰返す。
(StepF1)カウントアップのエッジ時(H→L)と、反対エッジ時(L→H)、下軸17が正回転方向(反時計方向)か逆回転方向(時計方向)か、を判断する。正回転方向の場合StepF2aに進み、逆回転方向の場合StepF2bへ進む。
(StepF2a)正回転フラグをセットし、StepF3aへ進む。
(StepF2b)逆回転フラグをセットし、Step3Fbへ進む。
(StepF3a)カウントアップ時(H→L)に、正回転方向か逆回転方向か、を判断する。正回転方向の場合StepF4aに進み、逆回転方向の場合StepF4bへ進む。
(StepF3b)カウントアップ時(H→L)に、正回転方向か逆回転方向か、を判断する。正回転方向の場合StepF4cへ進み、逆回転方向の場合StepF4dに進む。
(StepF4a)カウントアップ可で、StepF5へ進む。
(StepF4b)カウントアップ不可で、StepF5へ進む。
(StepF4c)カウントアップ不可で、StepF5へ進む。
(StepF4d)カウントアップ可で、StepF5へ進む。
(StepF5)許可フラグをクリアし、StepF1へ戻る。
次に、図13の下で、図15の許可フラグの処理フローを導入して図14の釜タイミング調節の制御フローについて具体的に説明する。表4は、以下に述べる図15の許可フラグの処理フローおよび図14の針釜タイミング調節の制御フローのStep1bからStep5の結果をまとめたもので、初期状態のフラグセットは既に終了し、運転途中に於ける下軸の2回転のStep1bからStep5の結果を示す。
Figure 0005463643
[1回転目]
(Step1b):図13の(1)に於いて、エンコーダ70の信号1はエッジ時(H→L)で、エンコーダ71の信号2はL状態であるので、正回転と判断し、図15のStepF3a、StepF4aへ進む。尚、X、Yの値は、X=0、Y=0とする。
(StepF3a):図13の(1)に於いて、下軸17は反時計方向の正回転である。従って、StepF4aへ進む。
(StepF4a):下軸17と許可フラグの回転方向は、共に正回転で一致するのでカウントアップ可になる。サブルーチン回数は1回目であるのでStep2に進む。
(Step2):エンコーダ70の信号1をカウントアップする。即ち、X=*+1=0+1=1、Y=*=0になる。Step3に進む。
(Step3):エンコーダ70の信号1と、エンコーダ71の信号2とを判定式X≦Y+1に基づき比較判定する。即ち、X=1、Y+1=0+1=1で、X=Yになり判定式X≦Y+1が成立する。従って、Step4aへ進む。
(Step4a):判定式が成立するので、ステッピングモータ38の回転が許可される。StepF5の許可フラグをクリアして、図13の(2)へ移行すると共にStep4cへ進む。
(Step4c):図15のStepF1へ進む。
(StepF1):図13の(2)に於いて、信号1は反対エッジ時(L→H)で、エンコーダ71の信号2はL状態で、逆回転と判断し、StepF2bへ進む。
(StepF2b):逆回転フラグをセットする。Step5へ進む。
(StepF5):送り量調整信号のカウントアップは、信号1の許可フラグであるのでStep5はスキップする。そして、図13の(3)へ移行する。図13の(3)は、エンコーダ70の信号1はエッジ時(H→L)で、エンコーダ71の信号2はL状態で、正回転と判断し、StepF3b、StepF4dへ進む。
(StepF4d):図13の(3)では、カウントアップ不可になり、ステッピングモータ38の回転は不許可になる。許可フラグをクリアして図13の(4)へ移行する。
図13の(4)は、エンコーダ70の信号1は反対エッジ時(L→H)で、エンコーダ71の信号2はH状態で、正回転と判断し、図15のStepF1、StepF2aへ進む。
(StepF2a):図13の(4)では、正回転許可フラグがセットされる。信号2がH状態であるので、テッピングモータ38の回転は不許可である。図13の(5)に移行すると共にStep1bへ進む。
(Step1b):図13の(5)では、エンコーダ70の信号1はH状態で、エンコーダ71の信号2はエッジ時(H→L)であるので、カウントアップ可である。下軸17の2回目のルーチンであるので、Step5へ進む。
(Step5):針釜優先であるので、送り量調節信号のカウントアップは、X=0+1=1、Y=0+1=1となる。ここで、下軸17の1回目の回転の処理が終了し2回目の回転処理がなされる。即ち、下軸17の2回目の回転の許可フラグの処理がなされる。
[2回転目]
図13の(6)に於いて、エンコーダ70の信号1は(H→L)に変化する。この時点で、エンコーダ71の信号2はL状態であるので、図13の(1)と同じである。但し、図13の(1)ではX=0、Y=0であるが、図13の(6)では、X=1、Y=1である。従って、カウントアップ可であるが、Step2とStep3は次の様になる。
(Step2):エンコーダ70の信号1をカウントアップする。即ち、X=*+1=1+1=2、Y=*=1になる。Step3へ進む。
(Step3):エンコーダ70の信号1と、エンコーダ71の信号2とを判定式X≦Y+1に基づき比較判定する。即ち、X=2、Y+1=1+1=2で、X=Yとなり判定式X≦Y+1が成立する。従って、Step4aへ進む。
(Step4a):判定式が成立するので、ステッピングモータ38の回転が許可される。StepF5の許可フラグをクリアして、図13の(7)へ移行すると共にStep4cへ進む。図13の(7)では、信号1は反対エッジ時(L→H)、エンコーダ71の信号2はL状態で、図13の(2)と同じである。従って、同じStepが実施され、逆回転フラグがセットされる。そして、図13の(8)へ移行する。
図13の(8)では、エンコーダ70の信号1はエッジ時(H→L)、エンコーダ71の信号2はL状態で、図13の(3)と同じである。従って、逆回転フラグ状態で、カウントアップ不可になり、ステッピングモータ38の回転は不許可になる。許可フラグをクリアして図13の(4)へ移行する。以下、前述の各Stepが同じように実施される。
許可フラグの処理フローを導入していない表3では、下軸17の2回点目のエッジ時、即ち、信号の時間的な位置(6)に於いて、ステッピングモータ38は回転許可されなければならないが、回転不許可になり誤作動が発生した。しかし、表4に示すように、下軸17の2回点目のエッジ時、即ち、信号の時間的な位置(6)に於いて、許可フラグの処理フローを導入したことにより、ステッピングモータ38は回転許可され、正常作動する。表4に示していないが、2回転目のStep5に於ける信号2のカウントアップは、X=2、Y=2で、下軸17の3回目以降、n回目のStep5に於ける信号2のカウントアップはX=n、Y=nになる。このことは、下軸17が何回、回転してもステッピングモータ38の回転許可、回転不許可は適正に決定される。
以上により、図14の許可フラグの処理フローを図13の針釜タイミング調節の制御フローに導入するソフト面からの対応により、針釜タイミング調節装置80のエンコーダ70と、送り量調節信号用のエンコーダ71とを下軸17に設けてもステッピングモータ38は正常に作動する。結果、安定的な作動を確保できるミシン装置を提供できる。
図16は、イニシャライズ時(始動時)の許可フラグの処理フロー図である。前述の許可フラグの処理フロー(図15)は、イニシャライズ時以外に適応できる。イニシャライズ時は、図16のフローに従い処理を実施し、引続きイニシャライズ時以外の許可フラグの処理フロー(図14)を導入して図15のフローに従い処理を実施すれば良い。
尚、図1の第1実施形態では、上軸3に針釜タイミング調節装置80のエンコーダ60と、送り量調節信号用のエンコーダ61を設けている。この場合も、第2実施形態と同じようにイニシャライズ時以外の許可フラグの処理フロー(図14)およびイニシャライズ時の許可フラグの処理フロー(図15)を図13の釜タイミング調節の制御フローに導入することでステッピングモータ38の回転許可、不許可は正常決定される。
表5は、図13のイニシャライズ時および図8のイニシャライズ時に於ける許可フラグを具体的に実施した結果をまとめた表である。図13のイニシャライズ時とイニシャライズ時以外を含む場合は、表5の結果の後に表4の結果が引き続けられる。
Figure 0005463643
尚、表6は図1の第1実施形態にイニシャライズ時の許可フラグの処理フロー(図16)およびイニシャライズ時以外の許可フラグの処理フロー(図15)を導入し、第1実施形態の図8の下で図14の針釜タイミング調節の制御フローを実施した結果をまとめたものである。表5に示すようにステッピングモータ38の回転許可、不許可は正常に決定される。そして、図8のイニシャライズ時とイニシャライズ時以外を含む場合は、表5の図8の結果の後に表6の結果が引き続けられる。
Figure 0005463643
尚、エンコーダ70、71が下軸17に設けられ、タイミングプーリ6bの中心とタイミングプーリ20の中心とを結ぶ中間に対し上軸13側のタイミングプーリ6b側にテンションプーリ23、24を設けた場合も、上述のイニシャライズ時以外の許可フラグの処理フロー(図14)およびイニシャライズ時の許可フラグの処理フロー(図15)を図13の釜タイミング調節の制御フローに導入することで、ステッピングモータ38の回転許可、不許可は正常決定される。
本発明の第1実施形態に係わるミシン装置の正面図である。 図1の側面図である。 図1のA−A断面図である。 針釜タイミング調節装置の分解斜視図である。 従来技術の針と釜の剣先の出会いを示した拡大図である。 従来技術の針と釜の剣先の出会いを示した拡大図である。 2種類のエンコーダを用いた正回転と逆回転の判別の説明図である。 上軸に設けた針釜タイミング調節装置駆動信号用と送り量調節信号用のエンコーダ信号を示す図である。 タイミングベルトとテンションプーリの動きを示す模式図である。 本発明の針と釜の剣先の出会いを示した拡大図である。 上軸にエンコーダを設けた場合の針釜タイミング調節を制御するフロー図である。 本発明の第2実施形態に係わるミシン装置の正面図である。 下軸に設けた針釜タイミング調節装置駆動信号用と送り量調節信号用のエンコーダ信号を示す図である。 正回転又は逆回転かの許可フラグを用いた処理のフロー図である。 下軸にエンコーダを設けた場合の針釜タイミング調節を制御するフロー図である。 イニシャライズ時の許可フラグの処理フロー図である。
符号の説明
2 機枠
3 上軸
6b タイミングプーリ(上軸プーリ)
12 針棒
17 下軸
20 タイミングプーリ(下軸プーリ)
22 タイミングベルト(ベルト)
23、24 テンションプーリ
26、31 テンションプーリブラケット(アーム部材)
38 ステッピングモータ(駆動手段)
42 カム(カム部材)
42a カム面(第1カム面)
42b カム面(第2カム面)
50 釜
60、61、70、71 エンコーダ(回転検出手段)
80 針釜タイミング調節装置
100、200 ミシン装置

Claims (3)

  1. 針棒を駆動する上軸と、
    釜を駆動する下軸と、
    前記上軸及び前記下軸を回転自在に支持する機枠と、
    前記上軸に設けた上軸プーリと前記下軸に設けた下軸プーリとを連結し前記上軸と前記下軸の回転を同期させるベルトと、を備えた針釜タイミング調節装置付きのミシン装置であって、
    板カムであって、互いに独立した第1カム面及び第2カム面を有し、駆動力を受けて回転するカム部材と、
    前記カム部材に前記駆動力を与える駆動手段と、
    前記機枠の回転自在に支持される一対のアーム部材と、
    一対の前記アーム部材の各々に取付けられ、前記ベルトに常時接触するテンションプーリと、
    前記上軸と前記下軸の少なくともいずれか一方に設けられ前記上軸または前記下軸の回転を検出する回転検出手段と、を備え、
    一対の前記アーム部材の一方が前記カム部材の前記第1カム面に従動し、一対の前記アーム部材の他方が前記カム部材の前記第2カム面に従動して、
    前記回転検出手段からの信号で前記駆動手段を制御し、
    前記下軸または前記上軸に少なくとも2つの前記回転検出手段を設け、前記回転検出手段のそれぞれの信号のステップ数を比較することにより、前記駆動手段を制御する
    ことを特徴とするミシン装置。
  2. 前記回転検出手段は、前記上軸に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のミシン装置。
  3. 前記上軸プーリの中心と前記下軸プーリの中心との中間に対し、前記回転検出手段は前記テンションプーリとは反対の位置に設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載のミシン装置。
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